JP3499006B2 - シールド機械及びシールド工法 - Google Patents

シールド機械及びシールド工法

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JP3499006B2
JP3499006B2 JP18136294A JP18136294A JP3499006B2 JP 3499006 B2 JP3499006 B2 JP 3499006B2 JP 18136294 A JP18136294 A JP 18136294A JP 18136294 A JP18136294 A JP 18136294A JP 3499006 B2 JP3499006 B2 JP 3499006B2
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雅淑 丸山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シールド機械及びシー
ルド工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、都市やその近郊においてトンネル
を構築する際、シールド工法が採用されており、近年、
かかるシールドトンネルは関東大震災級の大地震の地盤
変位量、すなわち25cmから30cm程度にまで及ぶ地盤
変位量にも耐え得るような耐震性が要求されるようにな
ってきた。そのため、大地震時の周囲地盤の変形に耐え
られるように、またシールドトンネルの沈下に伴う変形
に追従するように、シールドセグメントのリング間には
可撓性の継手、例えば可撓性セグメントや弾性リングボ
ルトを設けることがあった。
【0003】前者の可撓性セグメントリングを用いる方
法では、硬質地層と軟質地層との境界付近において、地
震時に地盤変位量が急変するため、この境界付近から正
確に可撓性セグメントリングを設置することが求められ
る。しかしながら、境界部分を正確に探知するのは困難
であり、したがって、境界付近一帯に多数の可撓性セグ
メントリングを設置するため、工事費が増大するといっ
た問題点がある。
【0004】また、後者の弾性リングボルトを設ける方
法では、地震時の周囲地盤の変形が大きい場合には、そ
の変位量を吸収できないため、二次覆工として一次覆工
の内側にコンクリートを打設してシールドトンネルを仕
上げるが、この場合、二次覆工も一次覆工のセグメント
リング毎の伸縮に追従できるように、伸縮継ぎ手を設け
る必要があり、工事費が増大するという問題点がある。
【0005】そこで、硬質地層と軟質地層との境界付近
から、硬質地盤内にかけて、セグメント外面と地山面と
の隙間(以下、本明細書において「テールボイド」とい
う。)に免震材料、例えばベントナイトやウレタンを注
入して外圧を吸収する免震層を形成し、この免震層で地
震時の地盤の変位量を吸収してトンネルへの影響を緩和
するという方法が提案されている。しかしながら、通常
のテールボイドは、例えば直径5m級のトンネルでは5
cm程度しかなく、このテールボイドに免震材料を充填し
ただけでは、25cmから30cm程度にまで及ぶ大地震時
の地盤変位量を充分に吸収することはできない。したが
って、免震層を形成する区間(以下、本明細書において
「免震区間」という。)のテールボイドを厚くするため
に様々な装置や方法が提案されており、その一つとし
て、特殊なシールド機械、例えばシールドスキンプレー
ト外径と同径に掘削できると共に、シールドスキンプレ
ート外径よりも大径に掘削でき、これら掘削径を適宜選
択することが可能なシールドカッターを装備したシール
ド機械を用いて、免震区間以外ではシールドスキンプレ
ート外径と同径に掘削し、免震区間ではスキンプレート
外径よりも拡径して掘削し、これらの掘削断面の径の差
によって地山側領域、すなわちセグメントのテールボイ
ドに充分な厚さの免震層を形成する方法が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たように、シールド機械のスキンプレート外径周りに拡
大余堀部を形成し、この拡大余堀部にスキンプレート内
側から免震材料を注入するか、またはスキンプレート後
端直後のセグメント内側から免震材料を注入すると、い
ずれの場合にも、免震材料の内の多くは拡大余堀部を経
て切羽面まで廻り込み、シールドカッター近傍に形成さ
れた土砂・地下水排出口から、土砂・地下水と共にシー
ルド機械に取り込まれ、シールドトンネル坑外へと排出
されてしまう。したがって、免震材料が無駄になるとい
う問題点がある。
【0007】また、仮に、拡大余堀部に注入された免震
材料が切羽面まで廻り込まないようにするため、免震材
料の注入口を、切羽面及びシールド機械後端から所定長
離して行うとすると、裏込め注入材としての免震材料が
廻り込まない拡大余堀部では、地山からの土砂、地下水
による圧力を支持することができず、また確実な土砂の
取り込みができないため、免震材料の設計機能を発揮で
きなくなるという問題点がある。
【0008】本発明は前記問題点を解決せんとしたもの
であり、その目的は、シールド機械のスキンプレート外
径よりも拡大して掘削し拡大余堀部を形成し裏込め注入
材を注入するにあたり、裏込め注入材が拡大余堀部から
切羽へと流入するのを防止することができると共に、拡
大余堀部においても地山が崩壊すること無く、覆工部の
形成および免震層の形成が可能なシールド機械のシール
構造を提供することにある。
【0009】また、本発明の別の目的は、硬質地層と軟
質地層との境界付近において、拡大余堀部を掘削し、
の拡大余堀部に裏込め注入材としての免震材料を注入し
て免震層を形成するにあたり、免震材料が拡大余堀部か
ら切羽へと流入するのを防止することができると共に、
拡大余堀部において地山が崩壊すること無く、覆工部の
形成および免震層の形成が可能なシールド工法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的に鑑
みてなされたものであり、その要旨は、シールド機械の
スキンプレート外径よりも大径に掘削して拡大余堀部を
形成し裏込め注入材を注入するにあたり、裏込め注入材
前記余堀部から切羽へ流入することを防止するシール
ド機械構造であって、スキンプレートの周方向外面に設
けられ、スキンプレートに収納自在な複数の遮蔽板と、
スキンプレートに収納された前記遮蔽板をスキンプレー
トと交差する方向に起立するための起立手段とを備える
シールド機械にある。
【0011】本発明のシールド機械において、シールド
機械のスキンプレート外径よりも大径に掘削して拡大余
堀部を形成した場合とは、手段として、地山面に向かっ
て出し入れ自在なオーバーカッタを、シールド機械のカ
ッターヘッド周縁部の所定箇所に設けて、これを用いて
も良い。この時、オーバーカッタの出し入れ手段として
は、油圧ジャッキ等にすることができる。かかる手段に
よってオーバーカッタを地山面に向かって所定長さ伸縮
すれば、カッターヘッドが回転してカッターは切羽面を
掘削し、他方、オーバーカッタは地山面を掘削し、所定
厚さの拡大余堀部を形成することができる。また、オー
バーカッタを収縮してカッターヘッドに収納すれば、拡
大余堀部の形成を終了することができる。
【0012】本発明のシールド機械において、スキンプ
レート外面全周にわたって設けられ、スキンプレートに
収納自在な複数の遮蔽板は、対向する二辺がスキンプレ
ートと略同じ曲率を有する略矩形形状であるのが望まし
く、これにより、この遮蔽板が起立した時に、スキンプ
レートと遮蔽板との間に隙間が生じるのを防ぐことがで
きる。また、遮蔽板とスキンプレートとはピンによって
結合し、この遮蔽板を設けるスキンプレート外周面には
凹陥部を形成し、シールド機械が拡大余堀部を形成しな
い時には、複数の遮蔽板がこの凹陥部を覆い、スキンプ
レート表面と略同一面となるような位置に配設すると、
遮蔽板はスキンプレートへの収納が容易になると共に、
凹陥部に遮蔽板の起立手段を設けることができる。更
に、この遮蔽板が起立した時には、隣接する遮蔽板の両
端部が重なるように配設するか、あるいは遮蔽板の両端
部にブラシ型シール材(従来、スキンプレートのテール
シールに用いられるものと同様のシール材)を設けるこ
ともでき、これによって隣接する遮蔽板の間に隙間が生
じるのを防ぐことができる。更にまた、遮蔽板の地山と
接する部分に、前記ブラシ型シール材を設けると、地山
に多少の不陸(凹凸)があっても、地山との密着度を高
めることができ、したがって、裏込め注入材の拡大余堀
部から切羽への流入を効果的に防止することが可能とな
る。
【0013】本発明のシールド機械において、スキンプ
レートに収納された前記遮蔽板をスキンプレートと交差
する方向に起立するための起立手段は、前記したよう
に、スキンプレート外周面に設けられた凹陥部の内部に
設けても良い。また前記起立手段は、例えば油、水また
は気体等の流体を注入したり、抜いたりすることにより
膨脹収縮する、いわゆる袋部材を用いるか、あるいはジ
ャッキ、駆動用モーター等を用いることができる。この
時、前記凹陥部の内部に袋部材の起立手段を設け、この
袋部材に開閉弁を介して流体ポンプを連通すると、例え
ば、起立させる際には流体を袋部材の中に圧送して膨脹
させて、その膨脹圧によって遮蔽板を起立させることが
できる。更に、遮蔽板の収納時、土砂あるいは裏込め材
料の進入により収納不能になることを防止するため、体
積変化の手段を用いると共に弾性体であるために、縮み
易い特性があり、又この袋部材により遮蔽板の間に生じ
る隙間を防ぐことができる。更にまた、この袋部材の中
の流体を抜くだけで、遮蔽板は地山の圧力により自動的
にスキンプレート内に収納することが可能になる。
【0014】また本発明の別の要旨は、硬質地層と軟質
地層との境界付近の覆工部材外面と地山面との間に免震
層を形成するシールド工法であって、免震層形成開始点
から所定長さ、開始点以前の地山よりも大径に掘削し、
この掘削空間の切羽近傍を遮蔽板で遮蔽し、前記遮蔽さ
れた掘削空間後方に裏込め注入材としての免震材料を注
入し、前記掘削空間において、掘削軸線からの位置ずれ
を防止してシールド機械を所定位置に維持し、前記シー
ルド機械から後方に覆工部を形成してから、スキンプレ
ートが前進した後に残された前記掘削空間に再び免震材
料を注入して免震層を形成するシールド工法にある。
【0015】本発明の免震層を形成するシールド工法に
おいて、免震層形成開始点から所定長さ、開始点以前の
地山よりも大径に掘削するとは、スキンプレートとその
周りの地山との間に間隙、いわゆる拡大余堀部を形成す
ることであり、これを約30cm以上とすることが望まし
い。この拡大余堀部に裏込め注入材としての免震材料を
注入することにより、免震材料が地山からの圧力を支持
して地山の崩落を防止すると共に、関東大震災級の大地
震が発生しても、その際の地盤変位量を吸収することが
できる。
【0016】本発明の免震層を形成するシールド工法に
おいて、シールド機械を所定位置に維持するとは、直進
して掘削する時には、シールド機械と拡大余堀空間との
中心軸を合わせるように維持し、曲がりながら掘削する
時には、曲進方向にシールド機械中心軸を向けて維持す
ることであり、かようにシールド機械を所定位置に維持
する手段としては、シールド機械内に出し入れ可能な稼
動ソリを設けても良い。この稼動ソリは、例えば、地山
に接するソリ等の板状部材と、この板状部材を出し入れ
するための油圧ジャッキまたは駆動モーター等の駆動手
段とを備え、シールド機械重心位置の外周下方の最低二
か所に設けて、免震層形成以外の時には、板状部材がス
キンプレート外面と略同一面になるように形成する。以
上のような稼動ソリを設けることによって、拡大余堀空
間内においてもシールド機械を所定位置に維持すること
ができる。
【0017】本発明の免震層を形成するシールド工法に
おいて、裏込め注入材としての免震材料とは例えばウレ
タン樹脂やベントナイト等の弾性材料を使用することが
でき、この免震材料をセグメント内側から注入し、地山
面との間に免震層を形成することができる。この時、免
震層は、例えば直径5m級のトンネルでは、厚さ30cm
以上とすることが望ましい。かような免震層を形成する
ことにより、関東大震災級の大地震が発生し、25cmか
ら30cm程度にまで及ぶような地盤変位量が生じても、
地盤変位量以上の厚さの免震層が弾性変形して吸収する
ので、その地盤変位はほとんどシールドトンネルには伝
達せず、したがってシールドトンネルは耐震性を得るこ
とができる。
【0018】本発明の免震層を形成するシールド工法に
おいて、遮蔽する際には、前記遮蔽板を用いることがで
きる。
【0019】本発明の免震層を形成するシールド工法に
おいて、覆工部とは、セグメントの他に、予めリング状
に形成されたヒューム管等の管材料を用いることができ
る。
【0020】本発明の免震層を形成するシールド工法に
おいて、免震材料を注入するとは、前記遮蔽手段直後の
スキンプレートに注入孔を形成し、この注入孔に連通す
る第一の免震材注入管を設け、さらに、これらに加え
て、覆工部に注入孔を形成し、この注入孔に着脱自在の
第二の免震材注入管を連通させる。そして、第一、第二
の免震材注入管に連通する免震材圧送装置を、シールド
機械内または後方の作業ヤードに設ける。第一の免震材
注入管から注入された免震材料は、スキンプレート周り
に充填されて地山の崩落を防止し、第二の免震材注入管
から注入された免震材料は、覆工部周りのテールクリア
ランス(スキンプレートと覆工部との間隙)に充填され
て地山の崩落を防止すると共に、空隙の形成されやすい
シールド機械支持手段後方にも密実に免震材料を充填す
ることが可能となる。
【0021】本発明の免震層を形成するシールド工法に
おいて、所定長さの免震層とは、硬質地層と軟質地層と
の境界から形成開始して、硬質地盤内で約40〜50m
の範囲にまで連続するものであり、これによって軟質地
盤と硬質地盤との地震時の振動変位量の差(相対変位
量)を吸収することができる。すなわち、一般的に、地
震時には軟質地盤内では振動変位量が大きく、硬質地盤
内では振動変位量は小さく、この相対変位量によってシ
ールドトンネルには大きな剪断力が作用することがある
が、硬質地盤内に構築された免震層により、硬質地盤内
のシールドトンネルの振動変位量を漸減することが可能
になり、したがって、相対変位量も減少し、シールドト
ンネルに免震効果を付与することができる。
【0022】
【作用】本発明のシールド機械は、カッターヘッド直後
のスキンプレート全周に設けられた複数の遮蔽板を、遮
蔽板起立手段によってスキンプレートと交差するように
起立すると、スキンプレート外周に形成された拡大余堀
部は、この遮蔽板の前後で遮断される。したがって、シ
ールドカッターにより掘削された土砂および地下水は、
この遮蔽板の後方には流入せず、他方、遮蔽板後方で拡
大余堀部に注入された裏込め注入材は切羽へと流入しな
い。
【0023】また本発明のシールド工法は、シールド機
械スキンプレート外径よりも大径の拡大余堀部を形成し
て、この拡大余堀部に裏込め注入材としての免震材料を
注入して、地山からの圧力を支持しながら地山の崩落を
防止して所定長さの免震層を形成する。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。
【0025】図1は、本発明のシールド機械の概略断面
図である。
【0026】図2(a)は図1のシールド機械をカッタ
ーヘッド側からみた正面図、図2(b)は遮蔽板の拡大
側断面図、図2(c)は遮蔽板の拡大平面図、図2
(d)は図2(c)とは異なる実施態様の遮蔽板の拡大
平面図である。
【0027】本発明のシールド機械におけるシール構造
1は、スキンプレート9外面全周にわたって設けられ、
スキンプレート9に収納自在な複数の遮蔽板2と、スキ
ンプレート9に収納された前記遮蔽板2をスキンプレー
ト9と交差する方向に起立するための起立手段としての
エアバック3を備える。
【0028】ここで、遮蔽板2は、図2(c)に示すよ
うに、対向する二辺がスキンプレートと略同じ曲率を有
する略矩形形状とする。また、遮蔽板2とスキンプレー
ト9とは、固定金具2bと2cとを介してピン2aによ
って結合し、この遮蔽板2を設けるスキンプレート9外
周面には凹陥部4を形成し、シールド機械が拡大余堀部
23を形成しない時には、複数の遮蔽板2がこの凹陥部
4を覆い、スキンプレート9表面と略同一面となるよう
な位置に配設する。さらに、遮蔽板2が起立した時に
は、隣接する遮蔽板2の両端部が重なるように配設す
る。
【0029】また遮蔽板2は、図2(d)に示すよう
に、図2(c)と異なる実施態様を採ることができる。
すなわち、図2(c)に示した遮蔽板2の両端部にブラ
シ型シール材2dを設け、これによって隣接する遮蔽板
2の間に隙間が生じるのを防ぐと共に、図2(c)に示
した遮蔽板2の地山と接する部分にブラシ型シール材2
eを設け、地山20に多少の不陸(凹凸)があっても地
山20との密着度を高めることができるものである。こ
の時、ブラシ型シール材2d,2eは、従来、スキンプ
レートのテールシールとして用いられるものと同様のシ
ール材を用いることができる。
【0030】前記起立手段としてのエアバック3は、ス
キンプレート9外周面に設けられた凹陥部4の内部に設
け、このエアバック3に空気圧送ポンプ(図示せず)を
連通する。遮蔽板2を起立させる場合には、空気を圧送
してエアバック3を膨脹させる。すなわち、遮蔽板2は
膨脹したエアバック3によって押されて、ピン2aを回
転軸として回転して、スキンプレートに交差するように
起立する。また遮蔽板2をスキンプレート9に収納する
場合には、最初にエアバック3内の空気を抜く。する
と、遮蔽板2は地山20の圧力により自動的にスキンプ
レート9内に収納することができる。
【0031】次に、請求項2記載のシールド工法を実施
する際に使用するシールド機械について説明する。ここ
では便宜上、図1の前記シールド機械に更に下記構成を
付与して説明する。
【0032】前記シール構造1に加えて、シールド機械
に付与する構成は、シールド機械のスキンプレート9外
径よりも大径の拡大余堀部23を掘削する手段としての
オーバーカッタ8と、拡大余堀空間23においてシール
ド機械を所定位置に維持する手段としての稼動ソリ7
と、拡大余堀部23に免震材料を注入する手段としての
第一注入管5及び第二注入管6と、この第一注入管5と
第二注入管6とに免震材を圧送する免震材圧送装置(図
示せず)である。
【0033】ここでオーバーカッタ8は、カッタ8a
と、このカッタ8aに連設して、地山面20に向かって
出し入れ自在にする油圧ジャッキ8bとからなり、これ
らをカッターヘッド10周縁部内の二箇所に設ける。か
ような構成のオーバーカッタ8により拡大余堀部23を
形成するには、まず油圧ジャッキ8bを伸長し、カッタ
8aを地山20に向かって所定長さ伸縮する。この時、
カッターヘッド10は回転して切羽面21を掘削し、同
時にオーバーカッタ8は地山20を掘削し、所定厚さの
拡大余堀部23を形成することができる。また、油圧ジ
ャッキ8bを収縮してカッタ8aをカッターヘッド10
内に収納すれば、拡大余堀部23の形成を終了すること
ができる。
【0034】稼動ソリ7(図1及び図2(a)参照)
は、地山に接する板状部材7bと、この板状部材7bに
連設し、スキンプレート9内に出し入れ自在にする油圧
ジャッキ7aとを備え、この稼動ソリ7をシールド機械
重心位置の外周下方の二か所に設ける。かような構成の
稼動ソリ7は、免震層形成時に、油圧ジャッキ7aを伸
長し、板状部材7bを地山20に接触させてシールド機
械を支持する。また免震層形成時以外には、油圧ジャッ
キ7aを縮小し、板状部材7bをスキンプレート9外面
と略同一面になるように収納する。
【0035】第一注入管5は、遮蔽板2直後のスキンプ
レート9に形成された注入孔5’に連通して設け、また
第二注入管6は、覆工部としてのセグメント24に設け
られた注入孔6’に着脱自在に連通させる。更に、これ
ら第一、第二注入管5’,6’に連通する免震材圧送装
置(図示せず)を、シールド機械内または後方の作業ヤ
ードに設ける。
【0036】次に、請求項2記載のシールド工法につい
て説明する。
【0037】硬質地層と軟質地層との境界付近におい
て、シールド機械が免震層形成開始点に到達したら、オ
ーバーカッタ8のカッタ8aを地山20に向かって伸長
して拡大余堀部23の形成を開始する。シールド機械が
拡大余堀部23を形成しながら前進し、遮蔽板2が拡大
余堀部23に入ったら、エアバック3内に空気を圧送し
てエアバック3を膨脹させ、遮蔽板2を起立させる。こ
の時、カッタ8aから遮蔽板2までX区間の拡大余堀部
23は、例えばスキンプレート9の外径が5m程度の場
合、80〜90cm程度の距離となり、掘削土砂でX区間
を充満させ、崩落を防止するような掘削を行う。
【0038】この後、第一注入管5から拡大余堀部23
裏込め注入材としての免震材料を注入して免震層22
を形成しながら、稼動ソリ7のジャッキ7aを伸長し、
板状部材7bを地山面20に押しつけて、シールド機械
を拡大余堀部空間23内の所定位置に保持する。この
時、稼動ソリ7は免震材料注入よりも若干遅れて拡大余
堀部空間23に出るものの、免震材料が固結するには多
少の時間が必要なため、免震材料が拡大余堀空間23に
注入されているにも拘らず稼動ソリ7は容易に伸長する
ことができる。また、この時、遮蔽板2は、上記X区間
の崩落土砂堰止めに加えて、拡大余堀部23に注入され
た免震材料が切羽21に廻り込むことをも防止する。
【0039】次いで、覆工部としてのセグメント24を
シールド機械内にて組み立て、このセグメント24に反
力を取りながらシールド機械を前進させ、セグメント2
4がスキンプレート9の後端より免震層22内に出た
ら、第二注入管6から注入孔6’を介して免震材料を注
入する。ここで注入される免震材料は、セグメント24
表面とスキンプレート9表面との間の間隙と、稼動ソリ
7によって免震層22内に生じた間隙とに廻り込んで充
填され、より密実な免震層22を形成する。
【0040】免震層区間が終了したら、免震層形成開始
点以前の掘削径とすべく、オーバーカッタ8をカッター
ヘッド10内に引込み、次いでエアバック内の空気を抜
く。すると、地山20面はスキンプレート9に接し、遮
蔽板2はこの地山20の圧力で押されてスキンプレート
9に収納される。
【0041】なお、免震層を形成しない時、すなわち遮
蔽板2がシールド機械のスキンプレート9と略面一にな
るように収納されている時には、遮蔽板2の外径はスキ
ンプレート外径と略同じであれば、納まりも良好で、凹
陥部4を覆うのにも足りる。しかし、免震層を形成する
時、つまり遮蔽板2をスキンプレート9と交差するよう
に立てた時には、免震材が切羽面に廻り込まないように
するために、遮蔽板2の外径を拡大余堀部23と同径に
する必要がある。したがって、遮蔽板2の外径に対する
両方の要求を充たそうとすると、遮蔽板2を立てた時
に、それぞれ隣接する遮蔽板間に隙間26(図2(a)
参照)が生じ易くなるという問題点がある。 また、遮
蔽板2のスキンプレートへの付け根部分にも隙間27
(図2(c),(d)参照)が生じ易いため、この隙間
27からスキンプレートの凹陥部4に、地下水や掘削土
砂等が浸入して、前記シール構造1が故障し易くなると
いう問題点がある。
【0042】上記問題点のうち遮蔽板間の隙間26を防
止するための手段としては、前記ブラシ型シール材2d
や、ゴム板等の弾性材料からなるシール材を遮蔽板2に
設けることができ、また図3(a)〜(c)に示すよう
に隣接する遮蔽板端部をそれぞれ交互に上下に重ねても
よい。更に、これらの前記ブラシ型シール材2dと、遮
蔽板端部の重ね合わせとを組み合わせることも可能であ
る。ここで、図3(a)は、遮蔽板2を折り畳んで収納
した時、シールド機械をカッターヘッド側から見た一部
破断簡略正面図であり、図3(b)は図3(a)の遮蔽
板2を立てた時の一部破断簡略正面図であり、さらに図
3(c)は図3(a)の遮蔽板2の簡略断面図である。
【0043】前記遮蔽板を交互に上下に重ねるとは、例
えば、図3(a)と(c)に示すように遮蔽板2”をス
キンプレート9の凹陥部周りに一枚おきに設け、これら
遮蔽板2”の間に、その両端部が重ね合わさるように遮
蔽板2’を設けることである。この時、重ね合わせの長
さは、図3(b)に示すように、遮蔽板2’,2”を立
てたときにその外径部分に、間隙が生じない長さとす
る。
【0044】上記構成の遮蔽板2’,2”を立てる際に
は、まず最初に遮蔽板2’を各個順次あるいは複数個同
時に立てて、全ての遮蔽板2’を立てる。次いで遮蔽板
2”も遮蔽板2’と同様に、各個順次あるいは複数個同
時に立てて、全ての遮蔽板2”を立てる。また、この遮
蔽板2’,2”を折り畳む際には、遮蔽板2’,2”を
立てる時とは逆に、まず最初に、各個順次あるいは複数
個同時に、全ての遮蔽板2”を折り畳み、次いで同様に
全ての遮蔽板2”を折り畳む。
【0045】また、上記問題点のうち遮蔽板2のスキン
プレートへの付け根部分生じる隙間27を防止するため
の手段としては、ブラシ型シール材やゴム板等の弾性材
料からなるシール材を前記付け根部分に設けることがで
き、さらに前記付け根部分の凹陥部に発泡ゴム、発泡ウ
レタン及びゴム等の弾性材料からなるパッキング12を
充填しても良い。
【0046】ここでシール材13は、詳細には図4
(a),(b)に示すように、一端13aを定着金具等
によりスキンプレート9に定着し、シール材13の他端
13bは遮蔽板2の付け根部分に上から圧接するように
設ける。このとき、遮蔽板2の付け根部分にテーパー2
fを有する切欠きを設けるとともに、シール材13の先
端13bにも同様にテーパー2fを設けると、遮蔽板2
の開閉時に伴ってシール材13は遮蔽板上を滑り易くな
り、シール材13の摩耗や破断を防止することができ
る。
【0047】以上、記載したように、シール材を遮蔽板
に設けるか、または/及び隣接する遮蔽板端部をそれぞ
れ交互に上下に重ねることによって、遮蔽板間に隙間が
生じるのを防止でき、したがって、拡大余堀部に充填し
た免震材等の裏込め材が切羽へと流入するのを、より有
効に防止できる。
【0048】また、シール材を遮蔽板の付け根部分に設
け、さらに前記付け根部分の凹陥部にパッキングを充填
することによって、遮蔽板のスキンプレートへの付け根
部分に隙間が形成するのを防止でき、よってシール構造
の凹陥部に掘削土砂や地下水等が浸入するのを防止でき
る。
【0049】
【発明の効果】本発明のシールド機械は、スキンプレー
ト外径よりも大径に掘削し、拡大余堀部を形成して裏込
め材を注入するときに、裏込め注入材が拡大余堀部から
切羽へと流入するのを防止することができると共に、拡
大余堀部においても地山が崩壊すること無く、覆工部の
形成および免震層の形成が可能である。
【0050】また、本発明のシールド工法は、硬質地層
と軟質地層との境界付近において、関東大震災級の大地
震が発生しても、地盤の振動変位量を吸収することが可
能な免震層を備えるシールドトンネルを構築することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシールド機械の概略断面図である。
【図2】(a)は図1のシールド機械をカッターヘッド
側からみた正面図、(b)は遮蔽板の拡大側断面図、
(c)は遮蔽板の拡大平面図、(d)は(c)とは異な
る実施態様の遮蔽板の拡大平面図である
【図3】(a)は、遮蔽板を折り畳んで収納した際に、
シールド機械をカッターヘッド側から見た一部破断簡略
正面図であり、(b)は(a)の遮蔽板を立てた時の一
部破断簡略正面図であり、さらに(c)は(a)の遮蔽
板の簡略断面図である。
【図4】(a)は、遮蔽板の簡略断面図であり、(b)
は(a)の遮蔽板の一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 遮蔽手段 2,2’,2” 遮蔽板 3 エアバック(起立手段) 5 第一注入管 6 第二注入管 7 稼動ソリ 8 オーバーカッタ 9 スキンプレート 12 パッキング 13 シール材 21 切羽 22 免震層 24 セグメント(覆工部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野寺 三男 埼玉県坂戸市西坂戸1−27−3 (72)発明者 社本 雅夫 埼玉県鳩ヶ谷市大字前田1251 鳩ヶ谷南 マンション406 (72)発明者 沼口 栄助 埼玉県川口市青木2−13−12 メイツ川 口青木402 (72)発明者 真中 弘 神奈川県横浜市金沢区釜利谷南1−3 C−502 (56)参考文献 特開 平4−203198(JP,A) 特開 昭53−128127(JP,A) 特開 昭56−28997(JP,A) 実開 平2−66895(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 11/00 E21D 9/087

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド機械のスキンプレート外径より
    も大径に掘削して拡大余堀部を形成し裏込め注入材を注
    入するにあたり、裏込め注入材前記余堀部から切羽へ
    流入することを防止するシールド機械構造であって、 スキンプレートの周方向外面に設けられ、スキンプレー
    トに収納自在な複数の遮蔽板と、スキンプレートに収納
    された前記遮蔽板をスキンプレートと交差する方向に起
    立するための起立手段とを備えるシールド機械。
  2. 【請求項2】 硬質地層と軟質地層との境界付近の覆工
    部材外面と地山面との間に免震層を形成するシールド工
    法であって、 免震層形成開始点から所定長さ、開始点以前の地山より
    も大径に掘削し、 この掘削空間の切羽近傍を遮蔽板で遮蔽し、 前記遮蔽された掘削空間後方に裏込め注入材としての
    震材料を注入し、 前記掘削空間において、掘削軸線からの位置ずれを防止
    してシールド機械を所定位置に維持し、 前記シールド機械から後方に覆工部を形成してから、
    キンプレートが前進した後に残された前記掘削空間に
    免震材料を注入して免震層を形成するシールド工法。
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