JP3498857B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤

Info

Publication number
JP3498857B2
JP3498857B2 JP02627494A JP2627494A JP3498857B2 JP 3498857 B2 JP3498857 B2 JP 3498857B2 JP 02627494 A JP02627494 A JP 02627494A JP 2627494 A JP2627494 A JP 2627494A JP 3498857 B2 JP3498857 B2 JP 3498857B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skin
external preparation
xanthene
present
antioxidant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02627494A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07215833A (ja
Inventor
達郎 山村
冨貴子 山田
富博 西山
貴史 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noevir Co Ltd
Original Assignee
Noevir Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noevir Co Ltd filed Critical Noevir Co Ltd
Priority to JP02627494A priority Critical patent/JP3498857B2/ja
Publication of JPH07215833A publication Critical patent/JPH07215833A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3498857B2 publication Critical patent/JP3498857B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた抗酸化性を有す
るキサンテン-2,7-ジオール類を配合して成る、保存安
定性に優れ、且つ皮膚の老化を防止又は予防し得る皮膚
外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの場合、化粧料や皮膚外用剤は種々
の油脂と水溶性原料とを組み合わせて調製され、通常油
脂の酸化を防ぐため抗酸化剤が配合される。これら抗酸
化剤としては、ブチルヒドロキシアニソール(BH
A),ジブチルヒドロキシトルエン(BHT),没食子
酸プロピル等の没食子酸誘導体,ビタミンE及びそのエ
ステル等が用いられる。
【0003】また、紫外線や代謝により生じた活性酸素
種により皮膚の脂質が過酸化され、かかる過酸化脂質が
皮膚の老化を引き起こす一因となっていることが明らか
になるにつれ、かかる活性酸素種を捕捉する抗酸化剤を
化粧料や皮膚外用剤に配合して、過酸化脂質の生成を防
止し、皮膚の老化防止を図る試みがなされている。
【0004】しかし、従来用いられていた抗酸化剤のう
ち、BHA,BHT等を配合した化粧料や皮膚外用剤は
接触皮膚炎を起こしやすく、皮膚感作性も懸念される。
一方、没食子酸誘導体やビタミンE類は抗酸化活性が十
分でなく、これらを配合した皮膚外用剤において、特に
皮膚脂質の過酸化に起因する皮膚の老化防止を期待する
場合、十分な効果が得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題を
解決し、外用剤中に配合された油脂の酸敗を防止して優
れた製品安定性を有する皮膚外用剤を提供するのみでな
く、皮膚の過酸化に起因する老化現象を有効に防止する
ことができ、且つ皮膚刺激性や皮膚感作性等のない安全
な皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するべく、皮膚外用剤に配合したとき少量で有効
な抗酸化活性を示し、且つ皮膚等への好ましくない影響
がなく、さらに外用剤製剤の安定性にも悪影響を与えな
い抗酸化剤の検討を行った。その結果、一般式1で示さ
れるキサンテン-2,7-ジオール類に高い抗酸化活性を見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】一般式1において、R基は水素,アルキ
ル,アルケニル又はアリール基であり、特に水素、メチ
ル,エチル,イソプロピル等の低級アルキル基、フェニ
ル基等が好ましい。
【0008】 本発明において使用するキサンン-2,7
-ジオール類の抗酸化活性について以下に示す。油脂に
対する抗酸化性の指標としてリノール酸ミセル系、生体
膜内における抗酸化性の指標としてリポソーム系を用い
て検討を行った。まず、リノール酸ミセル系における抗
酸化性は、リノール酸1.68mg(60mM),ポリ
オキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(ツイー
ン20)3.6g,0.5M2,2'-Azobis-(2-amidinopr
opane)hydrochloride(AAPH)1ml,水120m
lより成るミセル水溶液にキサンテン-2,7-ジオール類
2.0μmolを加え、酸素電極を用いて溶存酸素量を
測定し、これより酸化誘導時間(I.P.)を算出して抗酸
化活性を評価した。また、リポソーム系における抗酸化
性は、大豆レシチン150mg,AAPH0.8mmo
l,0.1M塩化ナトリウム水溶液120mlに、キサ
ンテン-2,7-ジオール類1.50μmolを加えて大豆
レシチンリポソームを調製し、同様に酸素電極による溶
存酸素量の測定からI.P.を求めて評価した。結果を表1
に示す。
【表1】
【0009】表1において、試験に供したキサンテン-
2,7-ジオール(R=水素,メチル,エチル,イソプロピ
ル,フェニル)は、いずれも抗酸化剤無添加の対照に比
べて大幅にI.P.を延長し、抗酸化剤として汎用されるα
-トコフェロールや、式2で示されるクロマノールを添
加した場合と比較しても、I.P.延長効果は大きい。
【化2】
【0010】続いて、キサンテン-2,7-ジオール類の細
胞毒性について以下に示す。細胞毒性は、正常ヒト由来
の線維芽細胞を96穴プレートに播種し37℃で24時
間培養後、培養液を牛胎仔血清添加DMEM培地から高
カルシウム,高マグネシウムMCDB153培地に交換
し、さらに37℃で24時間培養した後、各試料溶液1
00μlを添加し、37℃にて1時間或いは6時間接触
させて行った。試料溶液は、各キサンテン-2,7-ジオー
ルをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、これ
を高カルシウム,高マグネシウムMCDB153培地に
分散させて調製した。細胞の生存率をMTT(2-(4,5-d
imethyl-2-thiazolyl)-3,5-diphenyltetrazolium bromi
de)還元法により求め、半数致死量(LD50)を算出し
たところ、1時間接触ではLD50値は50μg或いは1
00μg以上と高く、6時間接触の場合でもBHTに比
べて高いLD50値を示し、特にR=水素のキサンテン-
2,7-ジオールにおいては、LD50値が420μgと安全
性が高かった。
【0011】
【作用】本発明においては、キサンテン-2,7-ジオール
類は皮膚外用剤100g中に1μg〜50μg程度の極
微量を配合する。本発明に係る皮膚外用剤は、長期間保
存したときも過酸化物価の上昇が見られず、酸化に対し
て安定であり、さらに、紫外線や代謝により生じる皮膚
の過酸化脂質生成に起因する老化症状を有効に改善し且
つ防止することができる。また、本発明に係る皮膚外用
剤は、皮膚の状態を美化する種々の形態の化粧料として
も提供することができる。
【0012】
【実施例】さらに本発明について、実施例により詳細に
説明する。表2に本発明の実施例に係る皮膚用クリーム
の処方を比較例とともに示す。実施例1,2,3はそれ
ぞれキサンテン-2,7-ジオールのR=水素,メチル,フ
ェニルの化合物を抗酸化剤として配合し、比較例1,2
は抗酸化剤としてそれぞれ酢酸トコフェロール,BHT
を配合したものである。これらは次のようにして製造す
る。表2中、(1)〜(7)の油相成分を混合,溶解して均一
とし、75℃に加熱する。一方、(8),(10),(12)を混
合,溶解して75℃に加熱し、これに上記油相成分を添
加して予備乳化した後、ホモミキサーにて均一に乳化す
る。その後冷却し、50℃にて(9),(11)を添加する。
【表2】
【0013】本発明の実施例について、皮膚の老化症状
の防止効果,酸化安定性及び皮膚刺激性を検討した。皮
膚の老化症状の防止効果は実際に使用試験を行って評価
した。使用試験は、日常戸外で作業する40〜60才代
のパネラー20名を1群とし、実施例及び比較例をブラ
インドにて各群に5月〜7月の3ヶ月間使用させ、使用
後の皮膚のしわ,きめ,はり及び肌荒れの改善状況を観
察し、評価した。皮膚のしわ,きめ及び肌荒れの改善状
況については写真撮影による外観観察により、皮膚のは
りについては皮膚弾性の測定により評価し、しわについ
ては「軽減」,「やや軽減」,「変化なし」,「増
加」、きめ及びはりについては「良好」,「やや良
好」,「変化なし」,「悪化」又は「低下」、肌荒れに
ついては「改善」,「やや改善」,「変化なし」,「悪
化」の各4段階で評価した。結果は、各評価を得たパネ
ラー数にて表3に示した。
【表3】
【0014】また、酸化安定性はAOM法(Active oxy
gen method)により評価し、「◎;非常に安定」、
「○;ほぼ安定」、「△;やや不安定」、「×;不安
定」の4段階で表した。皮膚刺激性は各試料につき30
名のパネラーを用いて48時間のクローズドパッチテス
トを行い、結果を表4に示す判定基準により評価し、3
0名の皮膚刺激指数の平均値にて表した。これら試験の
結果は表3にまとめて示した。
【表4】
【0015】表3より明らかなように、本発明の実施例
においては、いずれもごく少量のキサンテン-2,7-ジオ
ール類の配合により良好な酸化安定性を示し、皮膚に対
しても優れたしわの軽減、きめ,はりの向上、肌荒れの
改善といった老化症状の緩和作用が認められる。また、
皮膚刺激指数はいずれも低く、抗酸化剤として酢酸トコ
フェロールを用いた比較例1と同様、良好な安全性を示
した。これに対し、比較例1では酸化安定性が十分では
なく、皮膚の老化症状の緩和作用も不十分である。一
方、抗酸化剤としてBHTを配合した比較例2では、酸
化安定性は良好であるが皮膚刺激性が認められ、パネラ
ーによっては皮膚症状が悪化した例も認められた。
【0016】
【本発明の効果】以上詳述したように、本発明により、
非常に酸化安定性に優れ、且つ皮膚刺激性や感作性がな
く安全で、さらに皮膚脂質の過酸化に起因する皮膚の老
化を有効に防止,改善し得る皮膚外用剤を提供すること
ができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−70333(JP,A) 特開 平5−78231(JP,A) Bulletin of the C hemical Society of Japan,1993年,Vol.66, No.8,p.2430−2431 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 C07D 311/82 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式1で示されるキサンテン-2,7-ジ
    オール類を配合することを特徴とする皮膚外用剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 皮膚外用剤が化粧料であることを特徴と
    する、請求項1に記載の皮膚外用剤。
JP02627494A 1994-01-28 1994-01-28 皮膚外用剤 Expired - Fee Related JP3498857B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02627494A JP3498857B2 (ja) 1994-01-28 1994-01-28 皮膚外用剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02627494A JP3498857B2 (ja) 1994-01-28 1994-01-28 皮膚外用剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07215833A JPH07215833A (ja) 1995-08-15
JP3498857B2 true JP3498857B2 (ja) 2004-02-23

Family

ID=12188714

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02627494A Expired - Fee Related JP3498857B2 (ja) 1994-01-28 1994-01-28 皮膚外用剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3498857B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2962436B1 (fr) * 2010-07-09 2012-12-14 Fabre Pierre Dermo Cosmetique Derives de xanthedediones pour le traitement des troubles de la pigmentation et du vieillissement cutane
JP6390911B2 (ja) * 2013-02-08 2018-09-19 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、リソグラフィー用下層膜形成材料、リソグラフィー用下層膜及びパターン形成方法
WO2014123032A1 (ja) 2013-02-08 2014-08-14 三菱瓦斯化学株式会社 レジスト組成物、レジストパターン形成方法及びそれに用いるポリフェノール誘導体
JP6388126B2 (ja) 2013-02-08 2018-09-12 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、リソグラフィー用下層膜形成材料、リソグラフィー用下層膜及びパターン形成方法
KR20170099908A (ko) 2014-12-25 2017-09-01 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 화합물, 수지, 리소그래피용 하층막 형성 재료, 리소그래피용 하층막, 패턴 형성방법 및 정제방법
JP6766803B2 (ja) 2015-03-31 2020-10-14 三菱瓦斯化学株式会社 レジスト組成物、レジストパターン形成方法、及びそれに用いるポリフェノール化合物
SG11201706306SA (en) 2015-03-31 2017-09-28 Mitsubishi Gas Chemical Co Compound, resist composition, and method for forming resist pattern using it
KR20180048733A (ko) 2015-08-31 2018-05-10 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 리소그래피용 하층막 형성재료, 리소그래피용 하층막 형성용 조성물, 리소그래피용 하층막 및 그 제조방법, 패턴형성방법, 수지, 그리고 정제방법
US11137686B2 (en) 2015-08-31 2021-10-05 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Material for forming underlayer film for lithography, composition for forming underlayer film for lithography, underlayer film for lithography and production method thereof, and resist pattern forming method
JP6848869B2 (ja) 2015-09-10 2021-03-24 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、樹脂、レジスト組成物又は感放射線性組成物、レジストパターン形成方法、アモルファス膜の製造方法、リソグラフィー用下層膜形成材料、リソグラフィー用下層膜形成用組成物、回路パターンの形成方法、及び、精製方法
JP2018154600A (ja) * 2017-03-21 2018-10-04 三菱瓦斯化学株式会社 化合物、樹脂、組成物、パターン形成方法及び精製方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Bulletin of the Chemical Society of Japan,1993年,Vol.66, No.8,p.2430−2431

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07215833A (ja) 1995-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4039870B2 (ja) レチノールを3重に安定化した化粧料
JP3498857B2 (ja) 皮膚外用剤
AU606200B2 (en) Compositions for topical use having melanin synthesis- inhibiting activity
JP3405740B2 (ja) 化粧品及び医薬品組成物
JPH09510723A (ja) 皮膚の処置用組成物類
US5922335A (en) Uses for ascorbyl-phosphoryl-cholesterol in topical compositions
KR102301123B1 (ko) 혼합 항산화제를 사용하여 안정화시킨 레티놀을 함유하는 화장료 조성물
CN113101236A (zh) 具有多重抗氧化作用的即混即用美白精华液及其制备方法
EP1370241B1 (en) Multi-lamellar emulsion(mle) for stabilizing dermatologically useful ingredients and external base preparations for general skin diseases utilizing the same
US5723136A (en) Skin activator with glycosaminoglycan production-accelerating effect
JP2903240B2 (ja) 皮膚外用剤
US3502594A (en) Synergistic antioxidant composition for natural oleaginous materials
JPH0867621A (ja) グリコサミノグリカン産生促進作用を有する皮膚活性化剤
JP2665976B2 (ja) 化粧料
JP2663136B2 (ja) 美白化粧料
JP2799568B2 (ja) 酸化防止剤組成物
JP4537545B2 (ja) 化粧料
JP2023507769A (ja) 向上した安定性を有するビタミンaおよびビタミンcの組み合わせ
JPH08151575A (ja) 抗酸化剤及びこれを配合して成る皮膚外用剤
JPH01256587A (ja) 酸化防止剤組成物
JPH0733639A (ja) 美白化粧料
JP2002145748A (ja) 美白化粧料
JP2002145718A (ja) 化粧料
JP3400893B2 (ja) グリコサミノグリカン産生促進作用を有する皮膚活性化剤
JP3045604B2 (ja) 美白化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees