JP3498792B2 - 木造建築の軸組構造 - Google Patents

木造建築の軸組構造

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JP3498792B2
JP3498792B2 JP2001010375A JP2001010375A JP3498792B2 JP 3498792 B2 JP3498792 B2 JP 3498792B2 JP 2001010375 A JP2001010375 A JP 2001010375A JP 2001010375 A JP2001010375 A JP 2001010375A JP 3498792 B2 JP3498792 B2 JP 3498792B2
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孝年 辻
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株式会社サンケンホーム
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木造建築の軸組構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】通し柱を垂直材とし、これに対して梁や
胴差、桁などの水平材を交叉状態に接合一体化する軸組
構造については、特許第2764160号と実用新案登
録第2599759号との2種が代表的な公知例である
と言える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の公知発明では、
連結金具(接合継手)(30)が単純な1枚の板状をな
すため、比較的軽量であって、嵩張らず、又その両側突
き出し式と片側突き出し式とを組み替え使用することに
より、図20(a)〜(d)の各種軸組み状態を得られ
る利点があるが、上記連結金具(30)はあくまでも柱
(垂直材)(2)のスリット(31)へ差し込まれるよ
うになっている関係上、水平材同志の交叉部を接合一体
化したり、その交叉部へ別な垂直材を併せて軸組みした
りすることには汎用的に使えず、むしろその障害とな
る。
【0004】他方、後者の公知考案では柱(垂直材)
(100)へ梁(水平材)(200)の接合金具(接合
継手)(10)を取り付け固定する手段として、その柱
(100)を貫通横断する1本物の長いボルト(10
2)と、これに螺合締結されるナット(103)とから
成る簡素な構造で足りる利点があるが、上記接合金具
(10)は平面視のコ字型に折り曲げられた金属製品で
あるため、施工現場での取扱い上大変重く、嵩張るほ
か、特殊な専用の作業工具を接合金具(10)の内部へ
差し込まなければ、上記ナット(103)を締結固定す
ることができず、未だ不便でもある。
【0005】それにもまして、上記公知発明の場合柱
(2)のスリット(31)へ差し込んだ連結金具(3
0)により、複数本の梁や胴差などを柱(2)へ一挙同
時に取り付け固定するようになっているため、又上記公
知考案の場合1本物の長いボルト(102)によって、
複数の接合金具(10)を柱(100)へやはり一挙同
時に取り付け固定するようになっているため、必らずや
軸組み全体の解体を余儀なくされることになり、木造建
築物の改造や間取り変更、その他のリフォームに対処す
ることができない。
【0006】例えば、既設木造建築物の柱に対して、梁
や胴差などの水平材が平面視の直交する十字配列型に軸
組みされていると仮定した場合、その水平材の幾つかを
爾後的に取りはずしたり、或いは柱との別な交叉配列形
態に組み替えたりして、その木造建築物(住宅)の間取
り変更を行なうようなことは、到底不可能である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
の改良を企図しており、そのための構成上所定高さ位置
に少なくとも上下一対づつ合計4個のネジ締結具埋込み
孔が、その隣り合う相互の干渉しない高低差を保つ平面
視の直交状態に貫通形成された通し柱やその他の垂直材
と、
【0008】上記垂直材の太さよりも短かい両端ネジボ
ルトとその両端ネジ軸部へ予じめ締結固定された一対の
袋ナットとから成り、上記垂直材の各ネジ締結具埋込み
孔へ埋設されたネジ締結具と、
【0009】上記垂直材への取付座板と水平材への埋込
み翼板とから平面視のほぼT字型をなし、且つその取付
座板には上記垂直材のネジ締結具埋込み孔と対応合致す
る同じ複数のボルト挿通孔が開口分布されている一方、
上記埋込み翼板には上向き開放する係止ピン受け入れ凹
溝と少なくとも1個の固定ピン受け入れ孔とが各々形成
された接合継手と、
【0010】その接合継手の取付座板を上記垂直材へ取
り付け固定すべく、その取付座板のボルト挿通孔から上
記ネジ締結具の袋ナットへ、各別に螺入締結される短か
い押えボルトと、
【0011】上記垂直材へ接合される木口面に接合継手
逃し凹溝が、平面視の対応的なほぼT字型として、垂直
方向への貫通状態に切り欠かれているほか、上記接合継
手における係止ピン受け入れ凹溝の奥底部と対応合致し
得る水平な係止ピン埋込み孔と、同じく接合継手の固定
ピン受け入れ凹溝と対応合致し得る水平な固定ピン受け
入れ連通孔とが、各々貫通形成された梁や胴差、桁など
の水平材と、
【0012】その水平材の上記係止ピン埋込み孔へ予じ
め埋設一体化された係止ピンと、
【0013】同じく水平材の固定ピン受け入れ連通孔と
上記接合継手の固定ピン受け入れ孔へ、横方向から圧入
使用される固定ピンとを備え、
【0014】上記垂直材のネジ締結具埋込み孔に埋設さ
れているネジ締結具を選択使用して、その袋ナットの一
方又は双方へ上記押えボルトを螺入締結することによ
り、垂直材へ水平材の接合継手を取り付け固定した後、
【0015】上記垂直材から張り出すこととなる接合継
手に向かって、引続き水平材の上記接合継手逃し凹溝を
挿入状態に落し込むことにより、その水平材の係止ピン
を接合継手の係止ピン受け入れ凹溝内へ横断状態に係止
させ、
【0016】その水平材の固定ピン受け入れ連通孔と接
合継手の固定ピン受け入れ孔へ、最後に横方向から固定
ピンを圧入することにより、上記垂直材と水平材とを平
面視の交叉する配列形態に組立一体化したことを第1の
特徴とし、
【0017】又、所定の中途位置又は端部位置に少なく
とも上下一対のネジ締結具埋込み孔が平行に貫通形成さ
れた土台や大引、梁、胴差、桁などの第1水平材と、
【0018】上記第1水平材の太さよりも短かい両端ネ
ジボルトとその両端ネジ軸部へ予じめ締結固定された一
対の袋ナットとから成り、上記第1水平材の各ネジ締結
具埋込み孔へ埋設されたネジ締結具と、
【0019】上記第1水平材への取付座板と第2水平材
への埋込み翼板とから平面視のほぼT字型をなし、且つ
その取付座板には上記第1水平材のネジ締結具埋込み孔
と対応合致する同じ複数のボルト挿通孔が開口分布され
ている一方、上記埋込み翼板には上向き開放する係止ピ
ン受け入れ凹溝と少なくとも1個の固定ピン受け入れ孔
とが各々形成された接合継手と、
【0020】その接合継手の取付座板を上記第1水平材
へ取り付け固定すべく、その取付座板のボルト挿通孔か
ら上記ネジ締結具の袋ナットへ各別に螺入締結される短
かい押えボルトと、
【0021】上記第1水平材へ接合される木口面に接合
継手逃し凹溝が、平面視の対応的なほぼT字型として垂
直方向への貫通状態に切り欠かれているほか、上記接合
継手における係止ピン受け入れ凹溝の奥底部と対応合致
し得る水平な係止ピン埋込み孔と、同じく接合継手の固
定ピン受け入れ孔と対応合致し得る水平な固定ピン受け
入れ連通孔とが、各々貫通形成された別な土台や大引、
梁、胴差、桁などの第2水平材と、
【0022】その第2水平材の上記係止ピン埋込み孔へ
予じめ埋設一体化された係止ピンと、
【0023】同じく第2水平材の固定ピン受け入れ連通
孔と上記接合継手の固定ピン受け入れ孔へ、横方向から
圧入使用される固定ピンとを備え、
【0024】上記第1水平材のネジ締結具埋込み孔に埋
設されているネジ締結具の袋ナットを選択使用して、そ
の何れか一方又は双方へ上記押えボルトを螺入締結する
ことにより、第1水平材へ第2水平材の接合継手を取り
付け固定した後、
【0025】上記第1水平材から張り出すこととなる接
合継手に向かって、引続き第2水平材の上記接合継手逃
し凹溝を挿入状態に落し込むことにより、その第2水平
材の係止ピンを接合継手の係止ピン受け入れ凹溝内へ横
断状態に係止させ、
【0026】その第2水平材の固定ピン受け入れ連通孔
と接合継手の固定ピン受け入れ孔へ、最後に横方向から
固定ピンを圧入することにより、上記第1、2水平材を
平面視の交叉する配列形態に組立一体化したことを第2
の特徴とするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の具体
的構成を詳述すると、先ず図1〜12は木造建築の通し
柱を垂直材(Y)とし、これに対して合計4本の梁や胴
差、桁などの水平材(X)を、平面視の直交する十字配
列型に軸組みした本発明の第1実施形態を示している。
【0028】垂直材(通し柱)(Y)は断面ほぼ正方形
をなしており、その所定高さ位置には少なくとも上下一
対づつ合計4個(図例では合計6個)のネジ締結具埋込
み孔(1a)(1b)が、その隣り合う相互の干渉しな
い高低差を保つ平面視の直交状態に貫通形成されてい
る。
【0029】つまり、図5、6から明白なように、垂直
材(Y)の前後方向に沿って水平に貫通する少なくとも
上下一対の平行な第1ネジ締結具埋込み孔(1a)と、
同じく左右方向に沿って水平に貫通する少なくとも上下
一対の平行な第2ネジ締結具埋込み孔(1b)とが、そ
の1個づつの交互する配列状態に開口分布されているの
である。
【0030】その場合、平行な第1ネジ締結具埋込み孔
(1a)同志の隣り合う上下相互間隔ピッチ(P1)
と、平行な第2ネジ締結具埋込み孔(1b)同志の隣り
合う上下相互間隔ピッチ(P1)とはほぼ等しい寸法で
あり、これに比して直交する第1、2ネジ締結具埋込み
孔(1a)(1b)の隣り合う上下相互間隔ピッチ(P
2)(P3)は狭く寸法化されている。
【0031】(A)は各ネジ締結具埋込み孔(1a)
(1b)の内部へ埋設される悉く同一構成のネジ締結具
であって、図7のような上記垂直材(Y)の太さよりも
短かい長さ寸法(L1)の両端ネジボルト(2)と、そ
の両端ネジ軸部(3a)(3b)へ予じめ締結固定され
た一対の袋ナット(4a)(4b)とから成り、その全
体長さ(L2)が垂直材(Y)の太さとほぼ等しい寸法
に設定されている。(3c)は両端ネジボルト(2)の
中間を占める非ネジ軸部である。
【0032】(B)は上記垂直材(Y)の所定高さ位置
へ各水平材(胴差)(X)を取り付ける悉く同一構成の
接合継手であって、好ましくは鋼板やその他の剛性な金
属板から、図8〜12のような垂直材(Y)へのフラッ
トな取付座板(5)と、その取付座板(5)の垂直な2
等分線上から一体的に張り出す水平材(X)へのフラッ
トな埋込み翼板(6)とを備えた平面視のほぼT字型に
造形されている。
【0033】しかも、このような接合継手(B)の背丈
(H)は高くとも水平材(X)の太さとほぼ等しい寸法
として、その水平材(X)の内部に埋没し、これから上
下方向へ張り出し露呈しないようになっている。(L
3)は接合継手(B)における垂直材(Y)からの張り
出し長さを示している。
【0034】そして、接合継手(B)における上記埋込
み翼板(6)の少なくとも上面は、その取付座板(5)
から張り出す先端部へ行く程、徐々に背低くなる先細り
傾斜面(6a)として形成されている。(7)は同じく
埋込み翼板(6)の基端部に切り欠かれた少なくとも上
下一対(図例では合計3個)の押えボルト逃し窓であ
り、後述する押えボルトの頭部を逃すほか、接合継手
(B)自身の軽量化や作業上の手掛け用としても役立
つ。
【0035】又、上記埋込み翼板(6)の張り出し先端
部には上向き開放する一定深さ(G1)の係止ピン受け
入れ凹溝(8)が切り欠かれている。しかも、係止ピン
受け入れ凹溝(8)は図10、11のように、その入口
部が奥底部よりも広く拡開した側面視のほぼレ字型を呈
している。
【0036】つまり、その係止ピン受け入れ凹溝(8)
を形作る基端側の内壁面がほぼ垂直面(8a)であるに
反して、これと向かい合う先端側の内壁面は上広がりの
傾斜面(8b)をなし、その一定角度(θ)だけ拡開し
た入口部から奥底部へ、水平材(X)に予じめ埋設され
ている後述の水平な係止ピンを、円滑に落し込み係止さ
せることができるようになっているほか、その落し込み
過程において水平材(X)側の係止ピンを、徐々に埋込
み翼板(6)の基端側へ引き寄せて、その水平材(X)
の木口面を上記垂直材(Y)へ自づと密着させることも
できるようになっているのである。
【0037】(9)は上記係止ピン受け入れ凹溝(8)
の奥底部からほぼ等しい間隔距離を保つ上下一対とし
て、やはり接合継手(B)の埋込み翼板(6)に貫通形
成された固定ピン受け入れ孔であるが、その接合継手
(B)自身の比較的小型化される場合には、その上下一
対の何れか一方を省略してもさしつかえない。
【0038】図13〜19は上記接合継手(B)の各種
変形実施形態を示しているが、その図19から明白なよ
うに、上記埋込み翼板(6)に切り欠いた係止ピン受け
入れ凹溝(8)の真下位置へ、1個の固定ピン受け入れ
孔(9)を貫通形成しても良い。
【0039】他方、上記接合継手(B)における取付座
板(5)の垂直な2等分線上には、垂直材(Y)のネジ
締結具埋込み孔(1a)(1b)と対応合致し得るボル
ト挿通孔(10a)(10b)が、そのネジ締結具埋込
み孔(1a)(1b)と同じ複数(図例では合計6個)
だけ開口分布されている。
【0040】つまり、接合継手(B)の取付座板(5)
には上記垂直材(Y)側の第1、2ネジ締結具埋込み孔
(1a)(1b)と対応する少なくとも合計4個(図例
では合計6個)の第1、2ボルト挿通孔(10a)(1
0b)が、上下位置関係の点在分布状態に開口形成され
ており、その第1ボルト挿通孔(10a)と第2ボルト
挿通孔(10b)とを選択使用して、ここから予じめ垂
直材(Y)に埋設されているネジ締結具(A)の袋ナッ
ト(4a)(4b)へ、短かい押えボルト(11)を螺
入締結することにより、合計4本の水平材(X)を垂直
材(Y)へ平面視の直交する十字配列型に、且つ悉く同
一設置高さとして軸組みできるようになっているのであ
る。
【0041】(12)は同じく接合継手(B)の取付座
板(5)から埋込み翼板(6)との逆な内向き部分的に
突出された位置決め凸片、(13)はその位置決め凸片
(12)の受け入れ切欠であって、垂直材(Y)にプレ
加工されており、ここへ接合継手(B)側の位置決め凸
片(12)を差し込み係止させれば、その接合継手
(B)側のボルト挿通孔(10a)(10b)が垂直材
(Y)側のネジ締結具埋込み孔(1a)(1b)と自づ
と合致連通して、そのネジ締結具(A)の袋ナット(4
a)(4b)へ横方向から上記押えボルト(11)を容
易に正しく螺入締結できるようになっている。
【0042】先に一言した合計4本の水平材(X)は、
垂直材(Y)から張り出すこととなる接合継手(B)
へ、上方から互換的に落し込まれるものとして、その垂
直材(Y)へ接合される各個の木口面が、図20のよう
な接合継手(B)と対応する平面視のほぼT字型に仕口
加工されている。(14)はそのプレ加工された全体的
なほぼT字型の接合継手逃し凹溝を示している。
【0043】つまり、各水平材(X)の木口面からは連
続して、上記接合継手(B)における取付座板(5)の
逃し凹溝(14a)と、同じく埋込み翼板(6)の逃し
凹溝(14b)に加え、その両逃し凹溝(14a)(1
4b)の相互間に介在する上記押えボルト(11)の頭
部逃し凹溝(14c)も、悉く垂直方向への貫通状態に
切り欠かれており、このような接合継手逃し凹溝(1
4)としての全体的な切り欠き深さ(G2)が、接合継
手(B)における垂直材(Y)からの張り出し長さ(L
3)とほぼ等しい寸法であることは言うまでもない。
【0044】(15)は上記接合継手(B)の埋込み翼
板(6)に切り欠かれている係止ピン受け入れ凹溝
(8)の奥底部と対応合致し得る位置関係として、各水
平材(X)に貫通形成された水平な係止ピン埋込み孔、
(16)はその内部へ予じめ埋め込み一体化されること
により、上記水平材(X)の埋込み翼板逃し凹溝(14
b)を横断することになる係止ピンであって、これが上
記接合継手(B)側の係止ピン受け入れ凹溝(8)内へ
落し込み係止される。
【0045】更に、(17)は同じく接合継手(B)の
埋込み翼板(6)に開口分布している上下一対の固定ピ
ン受け入れ孔(9)と対応合致し得る位置関係として、
やはり各水平材(X)に貫通形成された水平な固定ピン
受け入れ連通孔であり、上記水平材(X)側の係止ピン
(16)を接合継手(B)側の係止ピン受け入れ凹溝
(8)内へ落し込み係止させた時には、その水平材
(X)側の固定ピン受け入れ連通孔(17)が上記接合
継手(B)側の固定ピン受け入れ孔(9)と自づと合致
連通し、ここへ横方向から固定ピン(18)を各々圧入
できるようになっている。
【0046】尚、接合継手(B)側の固定ピン受け入れ
孔(9)について、その上下一対の何れか一方が省略さ
れる場合には、水平材(X)側の固定ピン受け入れ連通
孔(17)も、その対応する一方の形成が省略され、固
定ピン(18)の使用数も1本になることは勿論であ
る。
【0047】上記接合継手(B)に対する水平材(X)
の係止ピン(16)と固定ピン(18)とは互いに同一
構成として、金属パイプ材から図21〜29のように造
形することが好ましく、これを兼用できるようになって
いる。
【0048】即ち、その図21〜29において、(1
9)は上記水平材(X)にプレ加工として貫通形成され
た係止ピン埋込み孔(15)や固定ピン受け入れ連通孔
(17)の口径とほぼ等しい直径寸法(D1)を有する
円筒型のピン本体であり、その先端部(19a)が先細
りのほぼ円錐型に面取り加工されている。
【0049】又、同じくピン本体(19)の頭部(19
b)は塑性変形による正面視のほぼ楕円形として、その
楕円形の長軸が上記係止ピン埋込み孔(15)や固定ピ
ン受け入れ連通孔(17)の口径よりも径大化されてい
る一方、同じく短軸がこれらの口径よりも径小化されて
いる。
【0050】(20)は上記塑性加工の結果として、そ
の頭部(19b)に開口するほぼ楕円形の工具係止孔で
あり、ここへ回動操作工具(21)を直接に、又は適当
なビットやその他の嵌合アダプター(22)を介して抜
き差し自在に差し込み係止させ、その回動操作工具(2
1)により上記ピン本体(19)を回動操作できるよう
になっている。
【0051】(23)は上記楕円形をなす頭部(19
b)の外周面全体へ、望ましくは転造加工により刻成さ
れたネジであって、その長軸上でのネジ山径(D2)が
上記係止ピン埋込み孔(15)や固定ピン受け入れ連通
孔(17)の口径よりも径大寸法に隆起しており、同じ
く短軸上でのネジ山径(D3)はこれらの口径よりも径
小寸法に陥没している。
【0052】但し、上記ネジ(23)を頭部(19b)
の外周面全体へ刻成することに代えて、図30〜32の
変形実施形態から示唆される如く、その頭部(19b)
の楕円形をなす長軸上での向かい合う円弧面のみに、ネ
ジ(23)を刻設してもさしつかえない。
【0053】何れにしても、上記ピン本体(19)を回
動操作工具(21)により、その頭部(19b)のネジ
(23)が螺進する方向へ回動操作すれば、そのネジ
(23)が上記係止ピン埋込み孔(15)や固定ピン受
け入れ連通孔(17)の内壁面へ確実に安定良く喰い付
くこととなり、木造建築中の振動や衝撃などを受ける
も、不慮に抜け出すおそれがない。
【0054】尚、ピン本体(19)を逆方向へ回動操作
して、その頭部(19b)のネジ(23)を螺退させる
ことにより、上記水平材(X)の係止ピン埋込み孔(1
5)や固定ピン受け入れ連通孔(17)から人為的に抜
き出すこともできるため、木造建築物(住宅)の間取り
変更やその他のリフォームなどに便利である。
【0055】上記構成を備えた本発明の第1実施形態に
おいて、その木造建築現場での軸組み作業を行なうに当
っては、先ず垂直材(通し柱)(Y)の所定高さ位置へ
図4のように、接合継手(B)の合計4個を各々押えボ
ルト(11)の使用により取り付け固定する。
【0056】即ち、垂直材(Y)に平面視の直交状態と
して貫通形成されているネジ締結具埋込み孔(1a)
(1b)内へ、その横方向から各々ネジ締結具(A)を
埋め込み設置した上、そのネジ締結具(A)の袋ナット
(4a)(4b)へ横方向から各々押えボルト(11)
を螺入締結して、接合継手(B)の取付座板(5)を各
々垂直材(Y)へ取り付け固定するのであり、そうすれ
ば接合継手(B)の埋込み翼板(6)が平面視の直交す
る十字配分型として、垂直材(Y)から張り出すことに
なる。
【0057】その際、平面視の一直線状態として向かい
合う一対の接合継手(B)同志は、垂直材(Y)の第1
ネジ締結具埋込み孔(1a)と、これに対応合致する接
合継手(B)側の第1ボルト挿通孔(10a)とを使用
して、その第1ボルト挿通孔(10a)から上記第1ネ
ジ締結具埋込み孔(1a)に埋設されているネジ締結具
(A)の袋ナット(4a)(4b)へ、短かい押えボル
ト(11)を螺入締結することにより、垂直材(Y)へ
取り付け固定する。
【0058】他方、その両接合継手(B)と平面視の直
交状態に向かい合うこととなる残る一対の接合継手
(B)同志は、上記垂直材(Y)の第2ネジ締結具埋込
み孔(1b)と、これに対応合致する接合継手(B)側
の第2ボルト挿通孔(10b)とを使用して、その第2
ボルト挿通孔(10b)から上記第2ネジ締結具埋込み
孔(1b)に埋設されているネジ締結具(A)の袋ナッ
ト(4a)(4b)へ、やはり短かい押えボルト(1
1)を螺入締結することによって、垂直材(Y)へ取り
付け固定するのであり、そうすれば上記接合継手(B)
の合計4個が垂直材(Y)への同一設置高さとして均斉
化されることになる。
【0059】何れにしても、接合継手(B)の取付座板
(5)から内向きに突出する位置決め凸片(12)を、
垂直材(Y)に対応加工されている受け入れ切欠(1
3)へ差し込み係止すれば、その接合継手(B)側の第
1、2ボルト挿通孔(10a)(10b)と垂直材
(Y)側の第1、2ネジ締結具埋込み孔(1a)(1
b)とが自づと合致連通するため、その押えボルト(1
1)が短かいこととも相俟って、これをネジ締結具
(A)の袋ナット(4a)(4b)へ容易に正しく螺入
締結することができる。
【0060】ネジ締結具(A)を形作る一端部の袋ナッ
ト(4a)へ、上記押えボルト(11)を螺入締結する
ことにより、一方の接合継手(B)を先に垂直材(Y)
へ取り付け固定する場合に、上記ネジ締結具(A)がそ
の埋込み孔(1a)(1b)内を空転するおそれの対策
としては、残る他端部の袋ナット(4b)へ一旦仮りに
押えボルト(11)を螺入締結することにより、そのネ
ジ締結具(A)の空転防止を図れば良く、その仮り止め
状態の押えボルト(11)を抜き取って、これにより引
続く他方の接合継手(B)を垂直材(Y)へ、同様に取
り付け固定することができる。
【0061】上記垂直材(Y)に対する接合継手(B)
の取り付け固定後、予じめ水平な係止ピン(16)が埋
め込み一体化されている水平材(胴差)(X)の各個
を、その垂直材(Y)に沿って順次吊り降ろし、その各
水平材(X)の木口面に切り欠かれている接合継手逃し
凹溝(14)を各接合継手(B)へ、上方からの挿入状
態に落し込むことにより、水平材(X)側の水平な上記
係止ピン(16)を接合継手(B)側の係止ピン受け入
れ凹溝(8)内へ、横断状態に係止させるのである。
【0062】そうすれば、上記水平材(X)の木口面が
垂直材(Y)への引き寄せ状態に密着一体化されること
となり、又その水平材(X)側の固定ピン受け入れ連通
孔(17)と上記接合継手(B)側の固定ピン受け入れ
孔(9)とが、自づと正しく合致連通することになる結
果、ここへ最後に横方向から固定ピン(18)を圧入す
れば良い。図1〜3はその作業完了した木造建築の軸組
み状態を示している。
【0063】但し、上記接合継手(B)の構成について
は、その取付座板(5)と埋込み翼板(6)とを溶接す
ることにより、図8〜19のような平面視のほぼT字型
として造形する代りに、図33〜35の変形実施形態か
ら示唆される如く、平面視のほぼL字型に折り曲げた2
枚の金属板を、その重合状態に溶接することにより、平
面視の全体的なほぼT字型として造形し、その埋込み翼
板(6)の厚肉化を図っても良い。
【0064】このような接合継手(B)の変形実施形態
では、その取付座板(5)に上下一対づつのボルト挿通
孔(10a)(10b)が、左右一対づつの組として開
口分布されることになり、これとの対応関係から上記ネ
ジ締結具(A)並びにそのネジ締結具埋込み孔(1a)
(1b)も、上記垂直材(Y)へ左右一対づつの組とし
て並列設置されることは勿論である。
【0065】又、上記ボルト挿通孔(10a)(10
b)は取付座板(5)の垂直な2等分線上から左右方向
へ振り分けられており、ここに挿通される押えボルト
(11)の頭部が埋込み翼板(6)と干渉するおそれは
ないため、その埋込み翼板(6)に開口形成された上記
押えボルト逃し窓(7)は、作業上の手掛け用や接合継
手(B)自身の軽量化に役立つにとどまる。
【0066】図1〜12の第1実施形態では、上記第
1、2ネジ締結具埋込み孔(1a)(1b)とその内部
に埋設されているネジ締結具(A)の袋ナット(4a)
(4b)を悉く使用することにより、垂直材(Y)に対
して合計4本の水平材(X)を、平面視の直交する十字
配列型に軸組みしているが、その第1、2ネジ締結具埋
込み孔(1a)(1b)に埋設されているネジ締結具
(A)や、その袋ナット(4a)(4b)を選択使用す
ることによって、図3と対応する図36〜38の各種変
形実施形態から示唆される如く、上記垂直材(Y)に対
して合計3本の水平材(X)を平面視のT字配列型に軸
組みしたり、同じく合計2本の水平材(X)を平面視の
L字配列型やI字配列型などに軸組みしたりすることも
可能である。
【0067】その場合、垂直材(Y)のネジ締結具埋込
み孔(1a)(1b)に埋設されているネジ締結具
(A)のうち、その使用されず開口状態として残留する
袋ナット(4a)(4b)の一方又は双方に対しては、
上記押えボルト(11)の螺入締結により施蓋化粧すれ
ば良い。(24)はその押えボルト(11)の座金を示
している。
【0068】要するに、本発明では冒頭に述べた公知考
案のような垂直材(Y)を貫通横断する一本物の長いボ
ルトと、そのネジ軸部へ螺合締結されるナットとによっ
て、複数の接合継手(B)を垂直材(Y)へ一挙同時に
取り付け固定する軸組構造と異なり、上記ネジ締結具
(A)が両端ネジボルト(2)とその両端ネジ軸部(3
a)(3b)へ予じめ螺合締結された一対の袋ナット
(4a)(4b)とから成るものとして、垂直材(Y)
のネジ締結具埋込み孔(1a)(1b)内に埋設されて
おり、その袋ナット(4a)(4b)へ横方向から螺入
締結される短かい押えボルト(11)によって、上記垂
直材(Y)へ水平材(X)の接合継手(B)を各別に取
り付け固定するようになっているため、上記平面視の十
字配列型やT字配列型、L字配列型、I字配列型などの
各種軸組み状態を得られ、特にその組み替えによる既設
木造建築物の改造や間取り変更、その他のリフォームも
支障なく容易に行なえるのであり、軸組み全体の解体を
余儀なくされることはない。
【0069】次に、図39、40は本発明の第2実施形
態に係り、これでは第1水平材(土台)(X1)と第2
水平材(大引)(X2)とを平面視の直交する十字配列
型に軸組みすると同時に、その交叉部へ別な垂直材(間
柱)(Y)も軸組み一体化している。
【0070】即ち、第1水平材(X1)の所定中途位置
に開口分布する少なくとも上下一対の平行なネジ締結具
埋込み孔(1)へ、各々ネジ締結具(A)を埋め込み設
置して、その各ネジ締結具(A)の袋ナット(4a)
(4b)へ横方向から螺入締結される押えボルト(1
1)により、上記第1水平材(X1)へ接合継手(B)
を取り付け固定している。(10)はその第1水平材
(X1)側のネジ締結具埋込み孔(1)と対応合致する
同じ複数のボルト挿通孔であり、やはり接合継手(B)
の取付座板(5)に開口分布されていることは、言うま
でもない。
【0071】そして、上記第1水平材(X1)から張り
出すこととなる接合継手(B)に向かって、引続き上方
から第2水平材(X2)を挿入状態に落し込むことによ
り、その第2水平材(X2)側の水平な係止ピン(1
6)を上記接合継手(B)側の係止ピン受け入れ凹溝
(8)内へ係止させた上、その接合継手(B)側の固定
ピン受け入れ孔(9)と合致連通する第2水平材(X
2)側の固定ピン受け入れ連通孔(17)へ、横方向か
ら固定ピン(18)を圧入している。
【0072】このような第2実施形態の構成とその軸組
み作業法は、上記第1実施形態と実質的に同一であるた
め、その図39、40に図1〜12との対応符号を記入
するにとどめて、その詳細な説明を省略するが、更に第
2実施形態の場合上記第1水平材(X1)に埋設されて
いるネジ締結具(A)を活用しつつ、その第1水平材
(X1)と第2水平材(X2)との交叉部へ垂直材
(Y)をも併せて軸組みするために、別個独立の金属製
ほぞパイプ(25)が用意されている。
【0073】そのほぞパイプ(25)は一定の長さを有
し、これには固定ピン受け入れ孔(26)とボルト受け
入れ孔(27)との上下一対が、望ましくは平面視の直
交状態に貫通形成されている。
【0074】又、上記第1水平材(X1)には上向き開
放するほぞパイプ植込み凹溝(28)が、その上側のネ
ジ締結具埋込み孔(1)と直交する状態に穿設されてい
る一方、上記垂直材(Y)の下端部には逆な下向き開放
するほぞパイプ受け入れ凹溝(29)が、そのほぞパイ
プ植込み凹溝(28)と合致連通するように穿設されて
いる。
【0075】(30)は同じく垂直材(Y)の下端部に
貫通形成された水平な固定ピン受け入れ連通孔であり、
その垂直材(Y)のほぞパイプ受け入れ凹溝(29)を
上記第1水平材(X1)から張り出し垂立するほぞパイ
プ(25)へ差し込み嵌合させた時には、そのほぞパイ
プ(25)の固定ピン受け入れ孔(26)と自づと正し
く合致連通するようになっている。
【0076】上記ほぞパイプ(25)は、これを第1水
平材(X1)側のほぞパイプ植込み凹溝(28)へ上方
から植え込み垂立させた上、そのボルト受け入れ孔(2
7)へ第1水平材(X1)側のネジ締結具埋込み孔
(1)から、ネジ締結具(A)の両端ネジボルト(2)
を貫通横断させることによって、上記第1水平材(X
1)に対するネジ締結具(A)の埋め込みと一挙同時
に、その両端ネジボルト(2)の非ネジ軸部(3c)へ
組み付け一体化することができる。
【0077】そして、第1水平材(X1)から一定高さ
だけ張り出し垂立することとなるほぞパイプ(25)
へ、上方から垂直材(Y)のほぞパイプ受け入れ凹溝
(29)を差し込み嵌合させて、その合致連通した垂直
材(Y)側の固定ピン受け入れ連通孔(30)とほぞパ
イプ(25)側の固定ピン受け入れ孔(26)へ、横方
向から固定ピン(18)を圧入するようになっており、
そうすれば図39、40のような木造建築の軸組み状態
を得られる。
【0078】更に、図41、42は本発明の第3実施形
態を示しており、これでは第1水平材(梁)(X1)と
第2水平材(胴差)(X2)とを平面視の直角に交叉す
るT字配列型に軸組みすると共に、その交叉部へ併せて
第1垂直材(二階管柱)(Y1)と第2垂直材(一階管
柱)(Y2)も軸組み一体化している。
【0079】即ち、第1水平材(X1)の所定中途位置
に開口分布する少なくとも上下一対の平行なネジ締結具
埋込み孔(1)へ、各々ネジ締結具(A)を埋め込み設
置すると共に、その各ネジ締結具(A)の袋ナット(4
a)(4b)へ横方向から螺入締結される押えボルト
(11)により、上記第1水平材(X1)へ接合継手
(B)を取り付け固定している。
【0080】そして、上記第1水平材(X1)から張り
出すことになる接合継手(B)へ、引続き上方から第2
水平材(X2)を挿入状態に落し込むことにより、その
第2水平材(X2)側の水平な係止ピン(16)を上記
接合継手(B)側の係止ピン受け入れ凹溝(8)内へ係
止させて、その接合継手(B)側の固定ピン受け入れ孔
(9)と合致連通する第2水平材(X2)側の固定ピン
受け入れ連通孔(17)へ、横方向から固定ピン(1
8)を圧入している。
【0081】(25a)(25b)は金属製の第1、2
ほぞパイプであり、その上下一対の同一構成として、こ
れには固定ピン受け入れ孔(26a)(26b)とボル
ト受け入れ孔(27a)(27b)との上下一対が、好
ましくは平面視の直交状態に貫通形成されている。
【0082】又、上記第1水平材(X1)には上向き開
放する第1ほぞパイプ植込み凹溝(28a)が、その上
側のネジ締結具埋込み孔(1)と直交する状態に穿設さ
れている一方、第1垂直材(Y1)の下端部には逆な下
向き開放する第1ほぞパイプ受け入れ凹溝(29a)
が、その第1ほぞパイプ植込み凹溝(28a)と合致連
通するように穿設されている。
【0083】更に、同じく第1水平材(X1)には下向
き開放する第2ほぞパイプ植込み凹溝(28b)が、そ
の下側のネジ締結具埋込み孔(1)と直交する状態に穿
設されている一方、第2垂直材(Y2)の上端部には逆
な上向き開放する第2ほぞパイプ受け入れ凹溝(29
b)が、その第2ほぞパイプ植込み凹溝(28b)と合
致連通するように穿設されてもいる。
【0084】(30a)は上記第1垂直材(Y1)の下
端部に貫通形成された水平な固定ピン受け入れ連通孔で
あり、その第1垂直材(Y1)の第1ほぞパイプ受け入
れ凹溝(29a)を上記第1水平材(X1)から上向き
に張り出す第1ほぞパイプ(25a)へ差し込み嵌合さ
せた時には、その第1ほぞパイプ(25a)の固定ピン
受け入れ孔(26a)と自づと正確に合致連通する。
【0085】他方、(30b)は上記第2垂直材(Y
2)の上端部に貫通形成された水平な固定ピン受け入れ
連通孔であり、その第2垂直材(Y2)の第2ほぞパイ
プ受け入れ凹溝(29b)を上記第1水平材(X1)か
ら下向きに張り出す第2ほぞパイプ(25b)へ差し込
み嵌合させた時には、その第2ほぞパイプ(25b)の
固定ピン受け入れ孔(26b)と自づと正しく合致連通
するようになっている。
【0086】上記第1ほぞパイプ(25a)は、これを
第1水平材(X1)側の第1ほぞパイプ植込み凹溝(2
8a)へ上方から植え込み垂立させた上、そのボルト受
け入れ孔(27a)へ第1水平材(X1)における上側
のネジ締結具埋込み孔(1)から、ネジ締結具(A)の
両端ネジボルト(2)を貫通横断させることによって、
上記第1水平材(X1)に対するネジ締結具(A)の埋
め込みと一挙同時に、その両端ネジボルト(2)の非ネ
ジ軸部(3c)へ組み付け一体化することができる。
【0087】更に、上記第2ほぞパイプ(25b)につ
いては、これを第1水平材(X1)側の第2ほぞパイプ
植込み凹溝(28b)へ下方から植え込み垂立させた
後、そのボルト受け入れ孔(27b)へ第1水平材(X
1)における下側のネジ締結具埋込み孔(1)から、ネ
ジ締結具(A)の両端ネジボルト(2)を貫通横断させ
ることによって、やはり上記第1水平材(X1)に対す
るネジ締結具(A)の埋め込みと一挙同時に、その両端
ネジボルト(2)の非ネジ軸部(3c)へ組み付け一体
化することができるのである。
【0088】そのため、第1水平材(X1)から上向き
に張り出すこととなる第1ほぞパイプ(25a)へ、上
方から第1垂直材(Y1)の第1ほぞパイプ受け入れ凹
溝(29a)を差し込み嵌合させて、その合致連通した
第1垂直材(Y1)側の固定ピン受け入れ連通孔(30
a)と第1ほぞパイプ(25a)側の固定ピン受け入れ
孔(26a)へ、横方向から固定ピン(18)を圧入一
体化することにより、上記第1水平材(X1)と第1垂
直材(Y1)との軸組み状態を得られる。
【0089】又、同じく第1水平材(X1)から下向き
に張り出すこととなる第2ほぞパイプ(25b)へ、逆
な下方から第2垂直材(Y2)の第2ほぞパイプ受け入
れ凹溝(29b)を差し込み嵌合させた上、その合致連
通した第2垂直材(Y2)側の固定ピン受け入れ連通孔
(30b)と第2ほぞパイプ(25b)側の固定ピン受
け入れ孔(26b)へ、やはり横方向から固定ピン(1
8)を圧入することによって、上記第1水平材(X1)
と第2垂直材(Y2)との軸組み状態も得られることに
なる。
【0090】但し、上記第1ほぞパイプ(25a)によ
る第1垂直材(Y1)の軸組みと、第2ほぞパイプ(2
5b)による第2垂直材(Y2)の軸組みは、その何れ
か一方の省略されることもあり得る。
【0091】尚、第3実施形態におけるその他の構成と
その軸組み作業法は、上記第1、2実施形態と実質的に
同一であるため、その図41、42に図1〜40との対
応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略す
るが、上記第2、3実施形態にあっても第1水平材(X
1)のネジ締結具埋込み孔(1)に埋設されているネジ
締結具(A)の袋ナット(4a)(4b)を選択使用し
て、その一対の何れか一方又は双方へ上記押えボルト
(11)を螺入締結することにより、第1、2水平材
(X1)(X2)同志を平面視の交叉する各種配列形態
に軸組みすることができ、そのネジ締結具埋込み孔
(1)を第1水平材(X1)の所定端部位置へ開口形成
すれば、第2水平材(X2)とのL字配列型に軸組する
ことも可能であり、その組み替えによる既設木造建築物
(住宅)の間取り変更やその他のリフォームにも便利良
く対処し得る。
【0092】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る木造建築の
軸組構造では、所定高さ位置に少なくとも上下一対づつ
合計4個のネジ締結具埋込み孔(1a)(1b)が、そ
の隣り合う相互の干渉しない高低差を保つ平面視の直交
状態に貫通形成された通し柱やその他の垂直材(Y)
と、
【0093】上記垂直材(Y)の太さよりも短かい両端
ネジボルト(2)とその両端ネジ軸部(3a)(3b)
へ予じめ締結固定された一対の袋ナット(4a)(4
b)とから成り、上記垂直材(Y)の各ネジ締結具埋込
み孔(1a)(1b)へ埋設されたネジ締結具(A)
と、
【0094】上記垂直材(Y)への取付座板(5)と水
平材(X)への埋込み翼板(6)とから平面視のほぼT
字型をなし、且つその取付座板(5)には上記垂直材
(Y)のネジ締結具埋込み孔(1a)(1b)と対応合
致する同じ複数のボルト挿通孔(10a)(10b)が
開口分布されている一方、上記埋込み翼板(6)には上
向き開放する係止ピン受け入れ凹溝(8)と少なくとも
1個の固定ピン受け入れ孔(9)とが各々形成された接
合継手(B)と、
【0095】その接合継手(B)の取付座板(5)を上
記垂直材(Y)へ取り付け固定すべく、その取付座板
(5)のボルト挿通孔(10a)(10b)から上記ネ
ジ締結具(A)の袋ナット(4a)(4b)へ、各別に
螺入締結される短かい押えボルト(11)と、
【0096】上記垂直材(Y)へ接合される木口面に接
合継手逃し凹溝(14)が、平面視の対応的なほぼT字
型として、垂直方向への貫通状態に切り欠かれているほ
か、上記接合継手(B)における係止ピン受け入れ凹溝
(8)の奥底部と対応合致し得る水平な係止ピン埋込み
孔(15)と、同じく接合継手(B)の固定ピン受け入
れ凹溝(9)と対応合致し得る水平な固定ピン受け入れ
連通孔(17)とが、各々貫通形成された梁や胴差、桁
などの水平材(X)と、
【0097】その水平材(X)の上記係止ピン埋込み孔
(15)へ予じめ埋設一体化された係止ピン(16)
と、
【0098】同じく水平材(X)の固定ピン受け入れ連
通孔(17)と上記接合継手(B)の固定ピン受け入れ
孔(9)へ、横方向から圧入使用される固定ピン(1
8)とを備え、
【0099】上記垂直材(Y)のネジ締結具埋込み孔
(1a)(1b)に埋設されているネジ締結具(A)を
選択使用して、その袋ナット(4a)(4b)の一方又
は双方へ上記押えボルト(11)を螺入締結することに
より、垂直材(Y)へ水平材(X)の接合継手(B)を
取り付け固定した後、
【0100】上記垂直材(Y)から張り出すこととなる
接合継手(B)に向かって、引続き水平材(X)の上記
接合継手逃し凹溝(14)を挿入状態に落し込むことに
より、その水平材(X)の係止ピン(16)を接合継手
(B)の係止ピン受け入れ凹溝(8)内へ横断状態に係
止させ、
【0101】その水平材(X)の固定ピン受け入れ連通
孔(17)と接合継手(B)の固定ピン受け入れ孔
(8)へ、最後に横方向から固定ピン(18)を圧入す
ることにより、上記垂直材(Y)と水平材(X)とを平
面視の交叉する配列形態に組立一体化したので、冒頭に
述べた従来技術の課題を確実に改良できる効果がある。
【0102】即ち、本発明の上記構成によれば、両端ネ
ジボルト(2)とその両端ネジ軸部(3a)(3b)へ
予じめ締結固定された一対の袋ナット(4a)(4b)
とから成るネジ締結具(A)が、垂直材(Y)のネジ締
結具埋込み孔(1a)(1b)内に埋設されており、そ
のネジ締結具(A)の袋ナット(4a)(4b)へ横方
向から螺入締結される短かい押えボルト(11)によっ
て、複数の水平材(X)における接合継手(B)を上記
垂直材(Y)の所定高さ位置へ、各別に取り付け固定す
るようになっているため、上記ネジ締結具(A)の袋ナ
ット(4a)(4b)を選択使用することにより、その
垂直材(Y)と水平材(X)を平面視の十字配列型やT
字配列型、L字配列型、I字配列型などに便利良く交叉
させることができるほか、特に既設木造建築物の軸組み
全体を解体することなく、上記水平材(X)の幾つかを
取りはずしたり、或いはその垂直材(Y)との別な交叉
配列形態に組み替えたりすることが可能である結果、間
取り変更やその他のリフォームを支障なく容易に行なえ
ることとなる。
【0103】そして、このような効果は請求項2の構成
からも達成され、殊更第1、2水平材(X1)(X2)
を平面視の各種交叉配列形態として軸組するに当り、請
求項6のように1本又は2本のほぞパイプ(25)(2
5a)(25b)を使用して、その第1、2水平材(X
1)(X2)の交叉部へ別な垂直材(Y)(Y1)(Y
2)を一挙同時に軸組みすることもできるため、汎用性
に著しく優れる。
【0104】又、請求項3の構成を採用するならば、接
合継手(B)側の位置決め凸片(12)を垂直材(Y)
又は第1水平材(X1)側の受け入れ切欠(13)へ差
し込み係止させた時、その接合継手(B)側の取付座板
(5)に開口分布するボルト挿通孔(10)(10a)
(10b)が、垂直材(Y)又は第1水平材(X1)側
のネジ締結具埋込み孔(1)(1a)(1b)と自づと
合致連通することになるため、そのネジ締結具埋込み孔
(1)(1a)(1b)に埋設されているネジ締結具
(A)の袋ナット(4a)(4b)へ、横方向から押え
ボルト(11)を容易に正しく螺入締結することがで
き、上記垂直材(Y)又は第1水平材(X1)に対する
接合継手(B)の取り付け固定作業を簡便に能率良く行
なえる効果がある。
【0105】請求項4の構成を採用するならば、垂直材
(Y)と交叉する水平材(X)側又は第1水平材(X
1)と交叉する第2水平材(X2)側に埋設一体化され
ている係止ピン(16)を、接合継手(B)側の係止ピ
ン受け入れ凹溝(8)内へ落し込み係止させれば、上記
係止ピン(16)がその係止ピン受け入れ凹溝(8)の
傾斜面(8b)に沿って移動し、上記水平材(X)の木
口面が垂直材(Y)へ又は上記第2水平材(X2)の木
口面が第1水平材(X1)へ、自づと引き寄せられて密
着一体化することになるため、木造建築現場での軸組み
作業性に役立つばかりでなく、その安定・確固な軸組み
状態を得られる効果もある。
【0106】更に、請求項5の構成を採用するならば、
ピン本体(19)の頭部(19b)に開口するほぼ楕円
形の回動操作工具係止孔(20)へ、回動操作工具(2
1)を差し込み係止させて回動操作した時、その頭部
(19b)のネジ(23)が係止ピン埋込み孔(15)
や固定ピン受け入れ連通孔(17)の内部を円滑に螺進
して、その内壁面へ確実に安定良く喰い付くことになる
ため、木造建築中の振動やショックなど受けても、決し
て抜け出すおそれがなく、それにも拘らず上記回動操作
工具(21)により逆方向へ回動操作して、その係止ピ
ン埋込み孔(15)や固定ピン受け入れ連通孔(17)
から人為的に抜き出すことができる結果、既設木造建築
物の改造や間取り変更、その他のリフォームにも便利良
く対処し得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸組構造の第1実施形態を示す斜
面図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】図2の3−3線に沿う断面図である。
【図4】接合継手に対する水平材の落し込み作業過程を
示す断面図である。
【図5】図2の垂直材(通し柱)を抽出して示す拡大断
面図である。
【図6】図5の6−6線に沿う断面図である。
【図7】図2のネジ締結具を抽出して示す斜面図であ
る。
【図8】図2の接合継手を抽出して示す斜面図である。
【図9】図8の正面図である。
【図10】図9の側面図である。
【図11】図9の11−11線に沿う断面図である。
【図12】図11の12−12線に沿う断面図である。
【図13】接合継手の第1変形実施形態を示す斜面図で
ある。
【図14】図13の正面図である。
【図15】図14の側面図である。
【図16】接合継手の第2変形実施形態を示す斜面図で
ある。
【図17】図16の正面図である。
【図18】図17の側面図である。
【図19】接合継手の第3変形実施形態を示す斜面図で
ある。
【図20】図2の水平材(胴差)を抽出して示す斜面図
である。
【図21】係止ピンと固定ピンを抽出して示す斜面図で
ある。
【図22】図21の正面図である。
【図23】図22の平面図である。
【図24】図22の右側面図である。
【図25】図22の左側面図である。
【図26】図23の26−26線に沿う断面図である。
【図27】図22の27−27線に沿う拡大断面図であ
る。
【図28】図22の28−28線に沿う拡大断面図であ
る。
【図29】回動操作工具とその嵌合アダプターを示す斜
面図である。
【図30】係止ピンと固定ピンの変形実施形態を示す図
21に対応する斜面図である。
【図31】図30の正面図である。
【図32】図31の平面図である。
【図33】接合継手の第4変形実施形態を示す正面図で
ある。
【図34】図33の34−34線に沿う断面図である。
【図35】図34の35−35線に沿う断面図である。
【図36】T字配列型の軸組構造を示す図4に対応する
断面図である。
【図37】L字配列型の軸組構造を示す図4に対応する
断面図である。
【図38】I字配列型の軸組構造を示す図4に対応する
断面図である。
【図39】本発明に係る軸組構造の第2実施形態を示す
図2に対応する断面図である。
【図40】図39の40−40線に沿う断面図である。
【図41】本発明に係る軸組構造の第3実施形態を示す
図2に対応する断面図である。
【図42】図41の42−42線に沿う断面図である。
【符号の説明】
(1)(1a)(1b)・ネジ締結具埋込み孔 (2)・両端ネジボルト (3a)(3b)・両端ネジ軸部 (4a)(4b)・袋ナット (5)・取付座板 (6)・埋込み翼板 (8)・係止ピン受け入れ凹溝 (8a)・垂直面 (8b)・傾斜面 (9)・固定ピン受け入れ孔 (10)(10a)(10b)・ボルト挿通孔 (11)・押えボルト (12)・位置決め凸片 (13)・受け入れ切欠 (14)・接合継手逃し凹溝 (15)・係止ピン埋込み孔 (16)・係止ピン (17)・固定ピン受け入れ連通孔 (18)・固定ピン (19)・ピン本体 (19a)・先端部 (19b)・頭部 (20)・回動操作工具係止孔 (21)・回動操作工具 (23)・ネジ (25)(25a)(25b)・ほぞパイプ (A)・ネジ締結具 (B)・接合継手 (X)(X1)(X2)・水平材 (Y)(Y1)(Y2)・垂直材 (θ)・係止ピン受け入れ凹溝の開度

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定高さ位置に少なくとも上下一対づつ合
    計4個のネジ締結具埋込み孔(1a)(1b)が、その
    隣り合う相互の干渉しない高低差を保つ平面視の直交状
    態に貫通形成された通し柱やその他の垂直材(Y)と、 上記垂直材(Y)の太さよりも短かい両端ネジボルト
    (2)とその両端ネジ軸部(3a)(3b)へ予じめ締
    結固定された一対の袋ナット(4a)(4b)とから成
    り、上記垂直材(Y)の各ネジ締結具埋込み孔(1a)
    (1b)へ埋設されたネジ締結具(A)と、 上記垂直材(Y)への取付座板(5)と水平材(X)へ
    の埋込み翼板(6)とから平面視のほぼT字型をなし、
    且つその取付座板(5)には上記垂直材(Y)のネジ締
    結具埋込み孔(1a)(1b)と対応合致する同じ複数
    のボルト挿通孔(10a)(10b)が開口分布されて
    いる一方、上記埋込み翼板(6)には上向き開放する係
    止ピン受け入れ凹溝(8)と少なくとも1個の固定ピン
    受け入れ孔(9)とが各々形成された接合継手(B)
    と、 その接合継手(B)の取付座板(5)を上記垂直材
    (Y)へ取り付け固定すべく、その取付座板(5)のボ
    ルト挿通孔(10a)(10b)から上記ネジ締結具
    (A)の袋ナット(4a)(4b)へ、各別に螺入締結
    される短かい押えボルト(11)と、 上記垂直材(Y)へ接合される木口面に接合継手逃し凹
    溝(14)が、平面視の対応的なほぼT字型として、垂
    直方向への貫通状態に切り欠かれているほか、上記接合
    継手(B)における係止ピン受け入れ凹溝(8)の奥底
    部と対応合致し得る水平な係止ピン埋込み孔(15)
    と、同じく接合継手(B)の固定ピン受け入れ凹溝
    (9)と対応合致し得る水平な固定ピン受け入れ連通孔
    (17)とが、各々貫通形成された梁や胴差、桁などの
    水平材(X)と、 その水平材(X)の上記係止ピン埋込み孔(15)へ予
    じめ埋設一体化された係止ピン(16)と、 同じく水平材(X)の固定ピン受け入れ連通孔(17)
    と上記接合継手(B)の固定ピン受け入れ孔(9)へ、
    横方向から圧入使用される固定ピン(18)とを備え、 上記垂直材(Y)のネジ締結具埋込み孔(1a)(1
    b)に埋設されているネジ締結具(A)を選択使用し
    て、その袋ナット(4a)(4b)の一方又は双方へ上
    記押えボルト(11)を螺入締結することにより、垂直
    材(Y)へ水平材(X)の接合継手(B)を取り付け固
    定した後、 上記垂直材(Y)から張り出すこととなる接合継手
    (B)に向かって、引続き水平材(X)の上記接合継手
    逃し凹溝(14)を挿入状態に落し込むことにより、そ
    の水平材(X)の係止ピン(16)を接合継手(B)の
    係止ピン受け入れ凹溝(8)内へ横断状態に係止させ、 その水平材(X)の固定ピン受け入れ連通孔(17)と
    接合継手(B)の固定ピン受け入れ孔(8)へ、最後に
    横方向から固定ピン(18)を圧入することにより、上
    記垂直材(Y)と水平材(X)とを平面視の交叉する配
    列形態に組立一体化したことを特徴とする木造建築の軸
    組構造。
  2. 【請求項2】所定の中途位置又は端部位置に少なくとも
    上下一対のネジ締結具埋込み孔(1)が平行に貫通形成
    された土台や大引、梁、胴差、桁などの第1水平材(X
    1)と、 上記第1水平材(X1)の太さよりも短かい両端ネジボ
    ルト(2)とその両端ネジ軸部(3a)(3b)へ予じ
    め締結固定された一対の袋ナット(4a)(4b)とか
    ら成り、上記第1水平材(X1)の各ネジ締結具埋込み
    孔(1)へ埋設されたネジ締結具(A)と、 上記第1水平材(X1)への取付座板(5)と第2水平
    材(X2)への埋込み翼板(6)とから平面視のほぼT
    字型をなし、且つその取付座板(5)には上記第1水平
    材(X1)のネジ締結具埋込み孔(1)と対応合致する
    同じ複数のボルト挿通孔(10)が開口分布されている
    一方、上記埋込み翼板(6)には上向き開放する係止ピ
    ン受け入れ凹溝(8)と少なくとも1個の固定ピン受け
    入れ孔(9)とが各々形成された接合継手(B)と、 その接合継手(B)の取付座板(5)を上記第1水平材
    (X1)へ取り付け固定すべく、その取付座板(5)の
    ボルト挿通孔(10)から上記ネジ締結具(A)の袋ナ
    ット(4a)(4b)へ各別に螺入締結される短かい押
    えボルト(11)と、 上記第1水平材(X1)へ接合される木口面に接合継手
    逃し凹溝(14)が、平面視の対応的なほぼT字型とし
    て垂直方向への貫通状態に切り欠かれているほか、上記
    接合継手(B)における係止ピン受け入れ凹溝(8)の
    奥底部と対応合致し得る水平な係止ピン埋込み孔(1
    5)と、同じく接合継手(B)の固定ピン受け入れ孔
    (9)と対応合致し得る水平な固定ピン受け入れ連通孔
    (17)とが、各々貫通形成された別な土台や大引、
    梁、胴差、桁などの第2水平材(X2)と、 その第2水平材(X2)の上記係止ピン埋込み孔(1
    5)へ予じめ埋設一体化された係止ピン(16)と、 同じく第2水平材(X2)の固定ピン受け入れ連通孔
    (17)と上記接合継手(B)の固定ピン受け入れ孔
    (9)へ、横方向から圧入使用される固定ピン(18)
    とを備え、 上記第1水平材(X1)のネジ締結具埋込み孔(1)に
    埋設されているネジ締結具(A)の袋ナット(4a)
    (4b)を選択使用して、その何れか一方又は双方へ上
    記押えボルト(11)を螺入締結することにより、第1
    水平材(X1)へ第2水平材(X2)の接合継手(B)
    を取り付け固定した後、 上記第1水平材(X1)から張り出すこととなる接合継
    手(B)に向かって、引続き第2水平材(X2)の上記
    接合継手逃し凹溝(14)を挿入状態に落し込むことに
    より、その第2水平材(X2)の係止ピン(16)を接
    合継手(B)の係止ピン受け入れ凹溝(8)内へ横断状
    態に係止させ、 その第2水平材(X2)の固定ピン受け入れ連通孔(1
    7)と接合継手(B)の固定ピン受け入れ孔(9)へ、
    最後に横方向から固定ピン(18)を圧入することによ
    り、上記第1、2水平材(X1)(X2)を平面視の交
    叉する配列形態に組立一体化したことを特徴とする木造
    建築の軸組構造。
  3. 【請求項3】接合継手(B)における垂直材(Y)又は
    第1水平材(X1)への取付座板(5)から、その埋込
    み翼板(6)との逆な内向き部分的に位置決め凸片(1
    2)を突出させる一方、その位置決め凸片(12)の受
    け入れ切欠(13)を上記垂直材(Y)又は第1水平材
    (X1)に対応形成して、 上記位置決め凸片(12)をその受け入れ切欠(13)
    へ差し込み係止させれば、その接合継手(B)のボルト
    挿通孔(10)(10a)(10b)が垂直材(Y)又
    は第1水平材(X1)のネジ締結具埋込み孔(1)(1
    a)(1b)と自づと合致連通することとなるように定
    めたことを特徴とする請求項1又は2記載の木造建築の
    軸組構造。
  4. 【請求項4】接合継手(B)における埋込み翼板(6)
    の係止ピン受け入れ凹溝(8)を、その取付座板(5)
    から張り出す基端側のほぼ垂直面(8a)と先端側の上
    広がりな傾斜面(8b)とから、一定角度(θ)だけ拡
    開する側面視のほぼレ字型に切り欠いて、 垂直材(Y)と交叉する水平材(X)又は第1水平材
    (X1)と交叉する第2水平材(X2)に予じめ埋設一
    体化されている係止ピン(16)を、上記接合継手
    (B)の係止ピン受け入れ凹溝(8)内へ落し込み係止
    させた時、上記水平材(X)の木口面が垂直材(Y)へ
    又は上記第2水平材(X2)の木口面が第1水平材(X
    1)へ、自づと引き寄せ密着されることとなるように定
    めたことを特徴とする請求項1又は2記載の木造建築の
    軸組構造。
  5. 【請求項5】係止ピン(16)と固定ピン(18)とを
    兼用できる同一構成として、その金属パイプ材の円筒型
    ピン本体(19)を係止ピン埋込み孔(15)や固定ピ
    ン受け入れ連通孔(17)の口径とほぼ等しい直径寸法
    (D1)に設定し、 上記ピン本体(19)の先端部(19a)を先細りのほ
    ぼ円錐型に面取り加工する一方、同じくピン本体(1
    9)の頭部(19b)をほぼ楕円形の回動操作工具係止
    孔(20)が開口することとなるほぼ楕円形に塑性変形
    させることにより、 その楕円形の長軸が上記係止ピン埋込み孔(15)や固
    定ピン受け入れ連通孔(17)の口径よりも径大化され
    た頭部(19b)の外周面全体又はその長軸上での向か
    い合う円弧面のみに、上記係止ピン埋込み孔(15)や
    固定ピン受け入れ連通孔(17)の内壁面へ喰い付くこ
    ととなるネジ山径(D2)のネジ(23)を刻設したこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の木造建築の軸組構
    造。
  6. 【請求項6】第1水平材(X1)のネジ締結具埋込み孔
    (1)に対するネジ締結具(A)の埋設と一挙同時に、
    その両端ネジボルト(2)の中間部へ組付け一体化した
    別個な1本又は2本のほぞパイプ(25)(25a)
    (25b)を、上記第1水平材(X1)から上向き又は
    /及び下向きとして部分的に張り出し垂立させると共
    に、 そのほぞパイプ(25)(25a)(25b)へ対応的
    な上方又は/及び下方から、間柱や管柱、その他の垂直
    材(Y)(Y1)(Y2)を差し込み嵌合させた後、固
    定ピン(18)を貫通横断状態に圧入することにより、
    第1、2水平材(X1)(X2)の交叉部へ併せて上記
    垂直材(Y)(Y1)(Y2)も組立一体化したことを
    特徴とする請求項2記載の木造建築の軸組構造。
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