JP3498744B2 - 液晶表示装置及びそれを用いた電子機器 - Google Patents

液晶表示装置及びそれを用いた電子機器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単純マトリクス方
式により液晶パネルに文字や図形等の表示を行う液晶表
示装置及びそれを用いた電子機器に関する。
【0002】
【背景技術】単純マトリクス型液晶表示装置を駆動する
場合は、従来一般に電圧平均化法と呼ばれる駆動方法が
用いられている。また、電圧平均化法の中でも一般に汎
用されているものとして6レベル駆動法がある。例え
ば、特許文献1等に6レベル駆動法の概要が開示されて
いる。以下、6レベル駆動法を図23〜図25に基づい
て説明する。
【0003】図23は、液晶パネルの構造と表示内容を
示す図である。同図において、液晶パネル300は、液
晶層(図示せず)及びそれを挟持する一対の基板30
2,304からなっている。一方の基板302には、横
方向に走査電極Y1〜Y6が形成してある。他方の基板
304には、信号電極X1〜X6が形成してある。走査
電極Y1〜Y6と信号電極X1〜X6との交差部分が表
示ドットとなる。図23で斜線を付した表示ドットは点
灯状態を示し、他の表示ドットは非点灯状態を示す。
【0004】なお、図23に示した液晶パネル300
は、6×6のドット構成となっているが、これは説明を
簡便にするためであり、現実の液晶パネルのドット数は
通常これよりはるかに多い。
【0005】各走査電極Y1〜Y6には、順に選択電圧
もしくは非選択電圧が印加されている。全ての走査電極
Y1〜Y6に順次選択電圧が印加されるのに要する期間
を1フレームという。
【0006】また、各走査電極Y1〜Y6に順次選択電
圧もしくは非選択電圧が印加される際に、同時に各信号
電極X1〜X6には点灯電圧もしくは非点灯電圧が印加
される。即ち、ある走査電極とある信号電極との交点の
表示ドットを点灯させる場合には、その走査電極が選択
されているときに、その信号電極に点灯電圧が印加され
る。また、点灯させない場合には、非点灯電圧が印加さ
れる。
【0007】図24(A)乃至図24(C)及び図25
(A)乃至図25(C)は、実際の駆動波形(印加電圧
波形)の一例を示す図である。
【0008】図24(A)は上述した図23に示した信
号電極X5に加わる信号電圧波形を、図24(B)は走
査電極Y3に加わる走査電圧波形を、図24(C)は信
号電極X5と走査電極Y3との交点の表示ドット(点灯
状態)に印加される電圧波形をそれぞれ示している。
【0009】また、図25(A)は信号電極X5に加わ
る信号電圧波形を、図25(B)は走査電極Y4に加わ
る走査電圧波形を、図25(C)は信号電極X5と走査
電極Y4との交点の表示ドット(非点灯状態)に印加さ
れる電圧波形をそれぞれ示している。
【0010】上述した図24(A)乃至図24(C)及
び図25(A)乃至図25(C)において、F1及びF
2はフレーム期間である。
【0011】フレーム期間F1では、 選択電圧=V0、非選択電圧=V4、 点灯電圧=V5、非点灯電圧=V3 である。また、フレーム期間F2では、 選択電圧=V5、非選択電圧=V1、 点灯電圧=V0、非点灯電圧=V2 である。なお、 V0−V1=V1−V2=V V3−V4=V4−V5=V V0−V5=k・V (kは正の数) となっている。このようにフレーム期間F1,F2で極
性を変えることにより交流駆動を行っている。
【0012】また、フレーム期間F1,F2以外の間隔
で周期的に極性を切り替える6レベル駆動法としては、
特許文献2等が知られている。
【0013】さらに、6レベル駆動法以外の駆動法とし
ては、いわゆるIHAT法がある。この駆動法は、T.N.
Ruckmongathan によって提案されたものであり、低電圧
での駆動を可能とするとともに表示の均一性を実現する
ことができるものである(非特許文献1)。この駆動法
は、N本の行電極をそれぞれM本の行電極からなるp個
(p=N/M)のサブグループに分け、各サブグループ
単位でM本の行電極を選択するというものであり特許文
献3等に開示されている。
【0014】ところで、上述した6レベル駆動法やIH
AT法等を用いて液晶パネルによる表示を行う場合、液
晶パネルが表示する文字や図形等のパターンによっては
消費電力が大きくなるおそれがあった。
【0015】図23に示した液晶パネル300におい
て、例えば走査電極Y1 に着目する。フレーム期間F1
において走査電極Y1 が選択されていない場合、走査電
極Y1には非選択電圧V4が印加されている。このと
き、選択電圧が印加される走査電極(以後、「選択され
る走査電極」という。)がY2 からY6 に移行する際
に、信号電極X1 〜X4,X6 には点灯電圧V5と非点灯
電圧V3とが交互に繰り返し印加される。従って、走査
電極Y1 が選択されていない期間において、この走査電
極Y1 と信号電極X1 〜X4,X6 との交点として形成さ
れる各表示ドットには、交互に−V及び+Vの電圧が現
れる交流電圧が印加されることになる。
【0016】しかも走査電極Y1 〜Y6 と信号電極X1
〜X4,X6 はそれぞれある幅をもって形成されており、
液晶層が誘電体として働くので、各表示ドットは電気等
価的にはコンデンサとなる。従って、このコンデンサに
上述した交流電圧が印加され、液晶パネル300に駆動
電圧を印加する電源回路において電力が消費される。
【0017】なお、消費電力が増大するのはあるフレー
ム期間内で各走査電極毎の表示ドットが点灯と非点灯を
交互に繰り返す場合だけでなく、途中で極性の変更があ
った場合も基本的には同じである。
【0018】また、従来の電圧平均化法を用いた駆動法
においては、上述した消費電力の増大のおそれがある他
に、液晶パネルが表示する文字や図形等のパターンによ
っては表示むらが発生するおそれがあった。表示むらの
発生については、IHAT法を用いることにより改善は
されているが、全ての表示パターンについて完全に表示
むらをなくすことは不可能であった。
【0019】即ち、従来の電圧平均化法で液晶パネル3
00を駆動するとき、実際には図24及び図25に示し
たようなきれいな矩形波が表示ドットに印加されている
わけではなかった。その第1の理由としては、表示ドッ
トがその面積,液晶層の厚さ,液晶材料の誘電率などに
よって決まる静電容量を持っていることがあげられる。
また、第2の理由としては、走査電極及び信号電極のい
ずれも、一般には数十オーム程度のシート抵抗を有する
透明導電膜で作られており、当然ながら一定の電気抵抗
を持っていることがあげられる。
【0020】このため、仮に駆動回路から液晶パネル3
00に対して図24や図25に示されたようなきれいな
矩形波の電圧が印加されたとしても、実際に表示ドット
に印加される電圧波形は、多かれ少なかれ歪んだ波形と
なる。その結果、各表示ドットに印加される電圧波形の
実効電圧に差異が生じ、コントラストにむらが生じるこ
とになる。
【0021】この問題は従来から知られており、その対
策としては、上述した特許文献1,2,4の他、特許文
献4等に開示された駆動法がある。
【0022】
【特許文献1】特開平2−89号公報
【特許文献2】特開昭62−31825号公報
【特許文献3】特開平5−46127号公報
【特許文献4】特開昭60−19196号公報
【非特許文献1】1988 International Display Researc
h Conference
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の課題に鑑みて創作されたものであり、電力の
消費を少なくするとともに表示むらの発生を抑えた液晶
パネルの駆動方法,液晶表示装置及びそれらを用いた電
子機器を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる液晶表示
装置は、複数の走査電極と複数の信号電極とによって挟
まれた液晶層を有する液晶パネルと、前記液晶パネルの
複数の走査電極に選択電圧及び非選択電圧からなる走査
電圧を印加する第1の電圧印加手段と、前記液晶パネル
の複数の信号電極に点灯電圧及び非点灯電圧からなる信
号電圧を印加する第2の電圧印加手段と、前記第1の電
圧印加手段及び前記第2の電圧印加手段に接続されてお
り、前記液晶パネルの各表示ドットの点灯状態に応じ
て、前記走査電極と前記信号電極との電位差である駆動
電圧の極性を反転させる制御を行う極性反転手段と、を
備えることを特徴とする。
【0025】この液晶表示装置においては、液晶パネル
の各表示ドットの点灯状態に応じて駆動電圧の極性を反
転させており、これにより表示パターンによって生じる
おそれがある消費電力の増大や表示むらを低減すること
ができる。
【0026】また、好ましくは、前記極性反転制御手段
は、前記第1の電圧印加手段によって選択電圧が印加さ
れる前記走査電極が切り替わる際に前記駆動電圧の極性
を反転させた場合と反転させない場合について、表示ド
ットが作るコンデンサを介した電荷の移動量を求め、極
性反転させた場合の方が前記電荷の移動量が小さい場合
に前記駆動電圧の極性を反転させる制御を行うことを特
徴とする。
【0027】このような制御を行うことにより、表示ド
ットが作るコンデンサを介した充放電が少なくなり、液
晶パネルを駆動する場合の消費電力を低減することがで
きる。
【0028】また、好ましくは、前記極性反転制御手段
は、前記第1の電圧印加手段によって選択電圧が印加さ
れる前記走査電極が切り替わる際に表示ドットの点灯状
態が変化する前記信号電極の数を求め、この求めた信号
電極の数の大小を所定の数と比較することにより前記電
荷の移動量を判定することを特徴とする。
【0029】このようにしてコンデンサを介した電荷の
移動量を判定することにより、極性反転をすべきか否か
の判断が容易となり、消費電力を低減するという効果も
得られ易くなる。
【0030】また、より好ましくは、前記所定の数は、
前記信号電極の総数のほぼ2分の1であることを特徴と
する。
【0031】これにより、駆動電圧の極性を反転した場
合の電荷の移動量と、極性反転しない場合の電荷の移動
量とをほぼ同一条件で比較することができ、消費電力の
低減をほぼ確実に達成することができる。
【0032】また、より好ましくは、前記所定の数は、
前記信号電極の総数の2分の1より大きな値であること
を特徴とする。
【0033】これにより、駆動電圧の極性を反転した場
合の電荷の移動量と、極性反転しない場合の電荷の移動
量とを正確に同一条件で比較しているとはいえないが、
比較すべき値を小さくすることができ、液晶表示装置の
構成の簡略化が可能となる。
【0034】また、より好ましくは、前記所定の数は、
前記第1の電圧印加手段によって選択電圧が印加される
前記走査電極が切り替わる際に、この走査電極上の表示
ドットによって前記走査電極と前記信号電極間に形成さ
れるコンデンサ容量を考慮して設定することを特徴とす
る。
【0035】これにより、選択状態にある走査電極上に
形成されるコンデンサの容量も考慮することになり、極
性反転を正確に制御することにより、消費電力の低減を
確実に達成することができる。
【0036】また、より好ましくは、前記所定の数は、
前記走査電圧及び信号電圧を発生する電源回路に含まれ
るコンデンサ容量を考慮して設定することを特徴とす
る。
【0037】これにより、消費電力の低減を確実に達成
することができる。
【0038】また、より好ましくは、前記極性反転制御
手段は、前記第1の電圧印加手段によって選択電圧が印
加される前記走査電極が切り替わる際に前記駆動電圧の
極性を反転させない場合と反転させた場合について、前
記非選択電圧に対する信号電極の電圧変化の総和を求
め、極性反転させた場合の方が前記電圧変化の総和が小
さい場合に限り、前記駆動電圧の極性を反転させる制御
を行うことを特徴とする。
【0039】このような制御を行うことにより、信号電
極の電圧変化の総和を小さくすることができるため、こ
の電圧変動に起因する表示むらの発生を低減することが
できる。
【0040】また、より好ましくは、前記極性反転制御
手段は、前記液晶パネルの各表示ドットの点灯状態に応
じて前記駆動電圧の極性を反転させる制御と、前記液晶
パネルの各表示ドットの点灯状態にかかわらず所定の周
期で前記駆動電圧の極性を反転させる制御とを組み合わ
せることを特徴とする。
【0041】これにより、液晶パネルの駆動周波数が異
常に低くなることを防止できるため、コントラストの低
下による表示むらの発生を防止することができる。
【0042】また、より好ましくは、前記極性反転制御
手段は、前記極性反転の回数を制限することを特徴とす
る。また、前記極性反転制御手段は、所定の期間内にお
いて極性反転をすべき条件が成立する回数に応じて極性
反転の頻度を変化させることを特徴とする。これらによ
り、液晶パネルの駆動周波数が異常に高くなることを防
止でき、表示むらの発生を低減することができる。
【0043】また、本発明の液晶表示装置を用いた電子
機器は、複数の走査電極と複数の信号電極とによって挟
まれた液晶層を有する液晶パネルと、前記液晶パネルの
複数の走査電極に選択電圧及び非選択電圧からなる走査
電圧を印加する第1の電圧印加手段と、前記液晶パネル
の複数の信号電極に点灯電圧及び非点灯電圧からなる信
号電圧を印加する第2の電圧印加手段と、前記第1の電
圧印加手段及び前記第2の電圧印加手段に接続されてお
り、前記液晶パネルの各表示ドットの点灯状態に応じ
て、前記走査電極と前記信号電極との電位差である駆動
電圧の極性を反転させる制御を行う極性反転手段と、を
備え、前記液晶パネルに表示を行うことを特徴とする。
【0044】また、より好ましくは、前記極性反転制御
手段は、前記第1の電圧印加手段によって選択電圧が印
加される前記走査電極が切り替わる際に前記駆動電圧の
極性を反転させた場合と反転させない場合について、表
示ドットが作るコンデンサを介した電荷の移動量を求
め、極性反転させた場合の方が前記電荷の移動量が小さ
い場合に前記駆動電圧の極性を反転させる制御を行うこ
とを特徴とする。
【0045】また、より好ましくは、前記極性反転制御
手段は、前記第1の電圧印加手段によって選択電圧が印
加される前記走査電極が切り替わる際に前記駆動電圧の
極性を反転させない場合と反転させた場合について、前
記非選択電圧に対する信号電極の電圧変化の総和を求
め、極性反転させた場合の方が前記電圧変化の総和が小
さい場合に限り、前記駆動電圧の極性を反転させる制御
を行うことを特徴とする。
【0046】これらの電子機器においては、液晶パネル
上の表示パターンに応じて適宜駆動電圧の極性反転を行
っており、消費電力を減らすとともに表示むらの発生を
抑えることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しながら詳細に説明する。
【0048】(第1実施例)第1実施例の液晶表示装置
は、液晶パネルが表示する文字や図形等のパターンに応
じて、この液晶パネルに印加する駆動電圧の極性を反転
することを特徴としている。このような極性反転を行う
ことにより、液晶表示装置の消費電力低減を可能として
いる。
【0049】本実施例の液晶表示装置は6レベル駆動法
を用いており、6つの異なった電圧V0〜V5が以下に
示すように定義されている。
【0050】第1の電圧群(従来の6レベル駆動法にお
けるフレーム期間F1に対応する) 第2の電圧群(従来の6レベル駆動法におけるフレーム
期間F2に対応する) なお、 V0−V1=V1−V2=V V3−V4=V4−V5=V V0−V5=k・V (kは正の数) の関係がある。
【0051】図1は、本発明を適用した第1実施例の液
晶表示装置の構成を示す図である。この液晶表示装置
は、極性反転制御回路32を有することにより、液晶パ
ネル10が表示する文字や図形等のパターンに応じて、
この液晶パネル10に印加する駆動電圧の極性を反転す
ることにより交流駆動を行うことを特徴としている。こ
の極性反転により、液晶パネル10に駆動電圧を供給す
る電源回路30の消費電力の低減を可能としている。
【0052】同図に示す液晶表示装置は、所定数の走査
電極と信号電極を有する液晶パネル10と、この信号電
極に点灯電圧あるいは非点灯電圧を印加するXドライバ
16と、この走査電極に選択電圧あるいは非選択電圧を
印加するYドライバ24と、Xドライバ16及びYドラ
イバ24に所定の電圧を印加する電源回路30と、Xド
ライバ16及びYドライバ24から液晶パネル10に印
加する点灯電圧等の極性を適宜反転する極性反転制御回
路32とを含んで構成される。第1の電圧印加手段は、
Xドライバ16及び電源回路30に対応している。第2
の電圧印加手段は、Yドライバ24及び電源回路30に
対応している。
【0053】図2は、上述した液晶パネル10の構成を
示す図である。同図に示すように、液晶パネル10は、
図示しない液晶層を挟持する一対の基板12,14から
なる。基板12には、6本の信号電極X1〜X6が成形
されている。基板14には、6本の走査電極Y1〜Y6
が形成されている。走査電極Y1〜Y6のそれぞれと信
号電極X1〜X6のそれぞれとが交差して表示ドットが
形成されており、画面が構成される。
【0054】図2においてハッチングを施してある表示
ドットは点灯していることを示し、それ以外の表示ドッ
トは点灯していないことを示している。なお、一例とし
て液晶パネル10の表示ドット数が6×6=36個であ
る場合が示されているが、これは説明を簡単にするため
であり、通常はこれよりはるかに多い。
【0055】図1に示すXドライバ16は、液晶パネル
10の信号電極X1〜X6のそれぞれに点灯電圧あるい
は非点灯電圧を印加するものである。Xドライバ16
は、シフトレジスタ回路18,ラッチ回路20,レベル
シフタ回路22を含んで構成されている。
【0056】シフトレジスタ回路18は、順次入力され
る6個の1ビットデータを6ビットのパラレルデータに
変換して出力する。ラッチ回路20は、シフトレジスタ
回路18から出力された6ビットのパラレルデータを一
時保持するものであり、このパラレルデータと同じ6ビ
ットの容量を有している。レベルシフタ回路22は、ラ
ッチ回路20から出力される6ビットデータの各ビット
に応じた電圧レベルを設定して、液晶パネル10の各信
号電極に対して、この設定した電圧を点灯電圧あるいは
非点灯電圧として印加する。
【0057】図3(A)及び図3(B)は、レベルシフ
タ回路22の詳細な構成の一例を示す図である。図3
(A)は、レベルシフタ回路22を4入力1出力のマル
チプレクサ22aで構成した例を示している。レベルシ
フタ回路22には信号電極の数だけこのマルチプレクサ
22aが備わっている。マルチプレクサ22aは、V
2,V0,V3,V5の電圧が印加された4つの入力端
子を有しており、ラッチ回路20の出力と極性反転信号
FRIとに基づいて、いずれかの入力端子に印加されて
いる電圧が出力端子に現れるようように切り替え動作を
行う。具体的には、極性反転信号FRIの論理が“1”
のときには第1の信号電圧が選択され、ラッチ回路20
の出力に応じて点灯電圧V5あるいは非点灯電圧V3が
選択される。一方、極性反転信号FRIの論理が“0”
のときには第2の信号電圧が選択され、ラッチ回路20
の出力に応じて点灯電圧V0あるいは非点灯電圧V2が
選択される。
【0058】図3(B)はレベルシフタ回路22を2入
力1出力の3つのマルチプレクサ22b,22c,22
dで構成した例を示している。レベルシフタ回路22に
は信号電極の数だけこれらのマルチプレクサ22b,2
2c,22dが備わっている。マルチプレクサ22b
は、第1の信号電圧である点灯電圧V5及び非点灯電圧
V3が印加された2つの入力端子を有しており、ラッチ
回路20の出力に応じていずれかの電圧を選択する。マ
ルチプレクサ22cは、第2の信号電圧である点灯電圧
V0及び非点灯電圧V2が印加された2つの入力端子を
有しており、ラッチ回路20の出力に応じていずれかの
電圧を選択する。マルチプレクサ22dは、マルチプレ
クサ22b,22cで選択された2つの電圧が印加され
た2つの入力端子を有している。極性反転信号FRIの
論理が“1”のときには、マルチプレクサ22cを介し
て印加される第1の信号電圧が選択され、極性反転信号
FRIの論理が“0”のときには、マルチプレクサ22
dを介して印加される第2の信号電圧が選択される。
【0059】Yドライバ24は、液晶パネル10の走査
電極Y1〜Y6のそれぞれに選択電圧あるいは非選択電
圧を印加するものである。Yドライバ24は、シフトレ
ジスタ回路26,レベルシフタ回路28を含んで構成さ
れている。
【0060】シフトレジスタ回路26は、1フレームに
1回の割合で入力されるデータイン信号DIをラッチパ
ルスLPに同期してシフトし、いずれかのビットが
“1”であってそれ以外が“0”である6ビットのパラ
レルデータを出力する。なお、このラッチパルスLP
は、選択される走査電極を切り替えるタイミングで入力
されるものであり、1フレーム期間内において走査電極
の数だけ入力されるものである。
【0061】レベルシフタ回路28は、シフトレジスタ
26から出力される6ビットのパラレルデータの各ビッ
トに応じた電圧レベルを設定して、液晶パネル10の各
走査電極に対して、この設定した電圧を走査電極あるい
は非点灯電圧として印加する。レベルシフタ回路28の
詳細な構成は、基本的にはXドライバ16のレベルシフ
タ回路22と同じであり、図3(A)あるいは図3
(B)の構成をそのまま適用することができる。但し、
図3(A)及び図3(B)においてマルチプレクサ22
a,22b,22cの各入力端子に印加されている第1
及び第2の信号電圧V5,V3,V0,V2は第1及び
第2の走査電圧V0,V4,V5,V1に置き換える必
要がある。
【0062】電源回路30は、6つの異なる電圧V0〜
V5を端子T0〜T5に発生し、これらの各電圧をXド
ライバ16及びYドライバ24に印加する。具体的に
は、電源回路30は、第1及び第2の信号電圧V5,V
3,V0,V2をXドライバ16内のレベルシフタ回路
22に印加するとともに、第1及び第2の走査電圧V
0,V4,V5,V1をYドライバ24内のレベルシフ
タ回路28に供給する。
【0063】極性反転制御回路32は、液晶パネル10
が表示する文字や図形等のパターンに応じて、具体的に
は、現在選択されている走査電極と次に選択される走査
電極の表示ドットのパターンに応じて、液晶パネル10
に印加する信号電圧及び走査電圧の極性を切り替える。
この極性反転制御回路32は、アドレス発生回路34,
記憶素子36,不一致検出回路38,計数回路40,大
小比較回路42,極性反転回路44を含んで構成され
る。
【0064】アドレス発生回路34は、記憶素子36の
記憶アドレスを発生させる回路である。このアドレス発
生回路34は、例えばカウンタによって構成されてお
り、ラッチパルスLPが入力されたときにリセットさ
れ、その後に入力されるクロック信号CKに同期したカ
ウント動作を行って、カウント値をアドレスとして出力
する。
【0065】記憶素子36は、RAMによって構成され
ており、液晶パネル10の1本の走査電極に対応する6
個の表示ドット分のデータDTを格納する容量を有す
る。記憶素子36は、クロック信号CKに同期して入力
されるデータDTを、アドレス発生回路34から出力さ
れるアドレスで指定される領域に格納する。また、記憶
素子36は、この格納動作と並行して(正確には格納動
作に先立って)、アドレス発生回路34から出力される
アドレスで指定される領域に格納されているデータDT
を出力する。従って、記憶素子36からは1本前の走査
電極のデータDTが出力されるとともに、この記憶素子
36には現在入力されている走査電極のデータDTが順
に格納される。
【0066】不一致検出回路38は、記憶素子36から
出力される1本前の走査電極に対応するデータDTと、
現在入力されている走査電極のデータDTとが異なるか
どうかを検出する。すなわち、この不一致検出回路38
は、2本の走査電極において同一の信号電極上の表示ド
ットの点灯状態を比較している。
【0067】計数回路40は、不一致検出回路38によ
る比較結果をカウントするものであり、例えばカウンタ
によって構成されている。計数回路40を構成するカウ
ンタのイネーブル端子に不一致検出回路38による比較
結果が入力されており、このカウンタはこの比較結果が
不一致を示すときのみクロック信号CKに同期してカウ
ントアップを行う。また、このカウンタは、ラッチパル
スLPが入力されたときにリセットされるようになって
いる。
【0068】大小比較回路42は、所定の値(ここでは
液晶パネル10の信号電極の数の半分である3とする)
と、計数回路40によるカウント値との大小比較を行
う。
【0069】極性反転回路44は、大小比較回路42に
よる比較結果に基づいて、計数回路40によるカウント
値が所定の値より大きいときに、ラッチパルスLPに同
期して極性反転信号FRIを反転する。例えば、極性反
転回路44は、計数回路40によるカウント値が所定の
値より大きいときに、極性反転信号FRIを“0”から
“1”に、あるいは“1”から“0”に反転して出力す
る。この極性反転信号FRIは、Xドライバ16のレベ
ルシフタ回路22及びYドライバ24のレベルシフタ回
路28に入力される。
【0070】図4は、極性反転回路32の詳細な構成を
示す図である。同図に示すように、極性反転回路44
は、イクスクルーシブオアゲート(EX−OR)46及
びD型フリップフロップ(D−FF)48から構成され
る。
【0071】EX−OR46の一方の入力端には大小比
較回路42による比較結果が入力されており、他方の入
力端にはD−FF48の出力端子Qから出力される極性
反転信号FRIが入力されている。このEX−OR46
の出力はD−FF48の入力端子Dに入力されている。
また、D−FF48のクロック端子にはラッチパルスL
Pが負論理で入力されている。
【0072】極性反転回路44は以上の構成を有してい
るため、大小比較回路42の出力の論理が“1”である
ときにラッチパルスLPが立ち下がると、このときD−
FF48の出力端子Qから出力されている極性反転信号
FRIを“1”から“0”に、あるいは“0”から
“1”に変更する。
【0073】以下、このような構成を有する液晶表示装
置の具体的動作について説明する。
【0074】本実施例では、以下に示すNa,Nb,Nc,N
d なる数を定義し、これらの数と信号電極の数の総数S
とに基づいて極性反転するかどうかを決定している。
【0075】信号電極Xn の中で走査電極Yn との間で
形成される表示ドットが点灯し、かつ走査電極Yn+1
(n=6のときはn+1の代わりに1とする)が選択さ
れている期間に走査電極Yn+1 との間で形成される表示
ドットが非点灯である信号電極の数をNa とする。
【0076】信号電極Xn の中で走査電極Yn との間で
形成される表示ドットが非点灯で、かつ走査電極Yn+1
が選択されている期間に走査電極Yn+1 との間で形成さ
れる表示ドットが点灯している信号電極の数をNb とす
る。
【0077】信号電極Xn の中で走査電極Yn との間で
形成される表示ドットが点灯し、かつ走査電極Yn+1 が
選択されている期間に走査電極Yn+1 との間で形成され
る表示ドットが点灯である信号電極の数をNc とする。
【0078】信号電極Xn の中で走査電極Yn との間で
形成される表示ドットが非点灯で、かつ走査電極Yn+1
との間で形成される表示ドットが非点灯である信号電極
の数をNd とする。
【0079】また、走査電極Yn とYn+1 の2つ以外の
走査電極と各信号電極とがつくるコンデンサの静電容量
と、非選択電圧と点灯電圧(あるい非点灯電圧)との差
Vとの積をQとする。このコンデンサの静電容量をcと
すれば、Q=398×c×Vとなる。なお、ここでは走
査電極の数を400として計算した。
【0080】ここで、走査電極Yと信号電極Xは、それ
ぞれある幅をもって形成されており、液晶層が誘電体と
して働くので各表示ドットは電気等価的にはコンデンサ
となる。例えば、液晶パネル10の走査電極及び信号電
極の各電極幅を0.33mm、走査電極と信号電極との
間の距離を5μm、液晶の比誘電率を5(正確には駆動
条件によって変動するが、ここでは簡略化するために一
定とした)とする。この場合の各表示ドットがつくるコ
ンデンサの静電容量cは、 c=5ε0(0.33×10-32/(5×10-6)=1
pF となる。従って、上述したQは、Q=398×1pF×
Vとなる。
【0081】すると、選択される走査電極がYn からY
n+1 に移行する際に、極性反転信号FRIが引き続き第
1の電圧群を選択する場合には、電源回路30の端子T
1からT2に2Nb Qなる電荷が移動し、端子T1から
T2に2Na Qなる電荷が移動する。この電荷の移動は
選択電極が切り替わる(1選択期間)ごとに行われる。
1選択期間を30μ秒とし、V=1.5ボルトとする
と、1選択期間に流れる平均電流は、(Na +Nb)×3
9.8μアンペアとなる。この電流が電源回路30で消
費されて液晶パネル10を駆動する際の消費電流とな
る。
【0082】同様に、選択される走査電極がYn からY
n+1 に移行する際に、極性反転信号FRIが引き続き第
2の電圧群を選択する場合にも、1選択期間に流れる平
均電流は、(Na +Nb)×39.8μアンペアとなる。
【0083】次に、選択される走査電極がYn からYn+
1 に移行する際に、極性反転信号FRIに基づいて選択
される電圧が第2の電圧群から第1の電圧群に切り替わ
る場合には、電源回路30の端子T0からT1に2Nc
Qなる電荷が移動し、端子T1からT2に2Nd Qなる
電荷が移動する。従って、平均消費電流は(Nc +Nd)
×39.8μアンペアとなる。
【0084】同様に、選択される走査電極がYn からY
n+1 に移行する際に、極性反転信号FRIに基づいて選
択される電圧が第1の電圧群から第2の電圧群に切り替
わる場合にも、平均消費電流は(Nc +Nd)×39.8
μアンペアとなる。
【0085】従って、選択される走査電極がYn からY
n+1 に移行する際に、極性反転信号FRIに基づいて選
択される電圧が第1の電圧群から第2の電圧群に変わる
場合及び第2の電圧群から第1の電圧群に変わる場合
(極性反転する場合)には、Nc +Nd が大きくなると
消費電流が増大し、極性反転しない場合にはNa +Nb
が大きくなると消費電流が増大する。
【0086】ここで、信号電極の総数をSとすると、 S=(Na +Nb)+(Nc +Nd) となる。従って、 (Nc +Nd)=S−(Na +Nb) となる。よって、(Na +Nb)が大きくなると極性反転
しない場合には消費電力が増大し、極性反転する場合に
は消費電力が減少する。そして、(Na +Nb)=S/2
となるときには、極性反転する場合としない場合がほぼ
同じ消費電流となる。
【0087】以上より、走査電極がYn からYn+1 に変
わるときに点灯状態が変わる表示ドットの数(Na +N
b)を求め、この数とS/2との大小比較に基づいて印加
する電圧群を切り替えることにより、消費電流を低減で
きることがわかる。本実施例は、この点に着目したもの
であり、走査電極がYn からYn+1 に切り替わるとき
に、(Na +Nb)がS/2より小さいときには極性反転
を行わず、(Na +Nb)がS/2より大きいときには極
性反転を行うことを特徴とする液晶パネルの駆動法であ
る。
【0088】次に、図1に示した液晶表示装置の詳細動
作を説明する。
【0089】図5は、本実施例の液晶表示装置の動作タ
イミングを示す図である。
【0090】まず、この液晶表示装置にクロック信号C
Kに同期したデータDTがビット単位で入力される。X
ドライバ16内のシフトレジスタ回路18は、クロック
信号CKの立ち下がりに同期して、この入力されたデー
タDTを取り込む。取り込まれたデータDTは、ビット
単位で順にシフトされる。そして、シフトレジスタ回路
18に液晶パネル10の信号電極の数6と同じビット数
のデータが取り込まれたときに、ラッチパルス信号LP
に同期して動作するラッチ回路20は、シフトレジスタ
回路18に格納されている各信号電極に対応した6ビッ
トデータを取り込んで保持する。
【0091】レベルシフタ回路22は、ラッチ回路20
に保持されたデータと、このとき極性反転制御回路32
から入力される極性反転信号FRIの論理状態とによっ
て第1の信号電圧あるいは第2の信号電圧のいずれかを
液晶パネル10の各信号電極に印加する。
【0092】上述した動作と並行して、Yドライバ24
のシフトレジスタ回路26には、ラッチパルスLPに同
期したデータイン信号DIが入力されている。シフトレ
ジスタ回路26は、6個のチッチパルスLPに1回の割
合で入力されるデータイン信号DIをラッチパルスLP
に同期して順にシフトする。従って、ラッチパルスLP
が入力される毎に有効となる走査電極がY1 から順にY
6 まで変化することになる。
【0093】このようにXドライバ16及びYドライバ
24が動作することにより、まず走査電極Y1 のみに選
択電圧V0あるいはV5が印加され、それ以外の走査電
極Y2 〜Y6 には非選択電圧V4あるいはV2が印加さ
れる。従って、選択電圧が印加された走査電極Y1 のみ
が有効となり、この走査電極Y1 と6つの信号電極X1
〜X6 とで形成される表示ドットのみが有効になり、こ
れらの表示ドットが信号電極X1 〜X6 に印加される信
号電圧に応じて点灯あるいは非点灯になる。
【0094】その後、有効となる走査電極がY2 からY
6 まで順に変化し、その都度信号電極X1 〜X6 に印加
される信号電圧に応じて各信号電極上に形成される表示
ドットが点灯あるいは非点灯になる。
【0095】極性反転制御回路32は、このような基本
的な表示動作と並行して、現在選択されている走査電極
Yn と次に選択される走査電極Yn+1 に形成される表示
ドットの点灯状態を調べる。そして、調べた点灯状態に
応じて、Xドライバ16及びYドライバ24に供給する
極性反転信号FRIの論理状態を切り替える。
【0096】以下、図2に示した液晶パネル10の表示
パターンを例にとり、極性反転制御回路32の具体的動
作について説明する。
【0097】まず、図2に示した液晶パネル10につい
て、上述したNa 及びNb の各値を求めると次のように
なる。
【0098】
【表1】
【0099】このとき、Na +Nb とS/2との大小比
較を行うと次のようになる。
【0100】
【表2】
【0101】ここで、Na +Nb の値の算出は、極性反
転制御回路32の不一致検出回路38及び計数回路40
が行っている。また、Na +Nb とS/2との大小比較
は、大小比較回路42が行っている。
【0102】従って、極性反転回路44は、大小比較回
路42による比較結果に基づいて、走査電極が切り替わ
る際の極性反転を次のように行う。
【0103】
【表3】
【0104】なお、選択する走査電極をY4 からY5 に
切り替える際はNa +Nb =S/2であるため、極性を
反転させてもさせなくてもよいが、本実施例では極性反
転を行うものとした。
【0105】図6(A)〜図6(G)は、上述したよう
に極性反転制御回路32による極性反転を行って液晶パ
ネル10を駆動する場合に各信号電極及び走査電極に印
加される電圧波形を示す図である。図6(A)は走査電
極Y2 に印加される電圧波形であり、図6(B)〜図6
(G)はそれぞれ信号電極X1 〜X6 に印加される電圧
波形である。なお、図6(B)〜図6(G)では走査電
極Y2 に印加されている走査電圧波形を点線で示してい
る。また、これらの図において、t1〜t6はそれぞれ
走査電極Y1 〜Y6 に選択電圧が印加される時間を示し
ている。
【0106】図6(A)〜図6(G)及び上述した表3
に示すように、時間t1〜t6のそれぞれにおいて以下
に示す極性反転を行って液晶パネル10の駆動が行われ
る。
【0107】時間t1:第1の電圧群を用いて液晶パネ
ル10の駆動が行われる。 時間t2:極性反転が行われるため、第2の電圧群を用
いて液晶パネル10の駆動が行われる。 時間t3:極性反転が行われないため、第2の電圧群を
用いて液晶パネル10の駆動が行われる。 時間t4:極性反転が行われるため、第1の電圧群を用
いて液晶パネル10の駆動が行われる。 時間t5:極性反転が行われるため、第2の電圧群を用
いて液晶パネル10の駆動が行われる。 時間t6:極性反転が行われないため、第2の電圧群を
用いて液晶パネル10の駆動が行われる。 次の時間t1:極性反転が行われないため、第2の電圧
群を用いて液晶パネル10の駆動が行われる。
【0108】次に、図6(A)〜図6(G)に基づい
て、選択される走査電極がY1 からY2 に切り替わると
きに液晶パネル10が放出する電荷量を調べる。ここ
で、各表示ドットの作るコンデンサの静電容量をcと
し、各信号電極Xm と走査電極Y1及びY2 とで作るコ
ンデンサからの充放電量を無視するものとする。
【0109】信号電極X1 〜X5 は、それぞれ点灯電圧
から非点灯電圧に切り替わるが、同時に極性反転するの
で信号電極X1 〜X5 のそれぞれと走査電極Y3 〜 Y6
とで作るコンデンサに印加される電圧には変化がな
い。従って、電荷の放出もない。
【0110】一方、信号電極X6 に印加される電圧は引
き続き非点灯電圧であるが、極性反転するので信号電極
X6 と走査電極Y3 〜Y6 とが作る表示ドット4個分の
コンデンサに印加される電圧は−VからVに変化する。
従って、放出される電荷は4×c2Vクーロンとなる。
即ち、選択される走査電極がY1 からY2 に切り替わる
ときに液晶パネル10が放出する電荷量は8cVクーロ
ンのみとなる。
【0111】同様に、選択される走査電極がY2 からY
3 に、Y3 からY4 に、Y4 からY5 に、Y5 からY6
に、Y6 からY1 に切り替わるときに液晶パネル10が
放出する電荷量を調べると、それぞれ2×8cV、1×
8cV、3×8cV、0×8cV、1×8cVとなる。
従って、時間t1から次のt1までの間に液晶パネル1
0が放出する電荷量は8×8cVとなり、この電荷量に
比例した電流が液晶パネル10を駆動する際の消費電流
となる。即ち、全ての走査電極に一度づつ選択電圧が印
加される期間を1フレームとすると、1フレーム期間に
放出される電荷量は64cVとなる。
【0112】いま、仮に従来の電圧平均化法による駆動
法のように1フレーム期間毎に極性反転を行う場合を考
える。例えば、最初の1フレームにおいて第1の電圧群
を用い、次の1フレームにおいて第2の電圧群を用いて
液晶パネル10が駆動されるものとして、1フレーム期
間において放出される電荷量を計算すると、10×8c
V=160cVとなる。従って、本実施例の駆動法を用
いることにより、消費電力が1/2.5に低減されたこ
とになる。
【0113】このように、液晶パネル10の表示内容に
応じて極性反転を行うかどうかを決定する駆動方法を用
いることにより、走査電極と信号電極とが作るコンデン
サに対する電荷の充放電が低減され、液晶パネル10を
駆動する際の消費電力を低減することが可能となる。
【0114】ところで、本実施例においては図2に示し
た6×6ドットの液晶パネル10を考えたが、実際の液
晶パネルは例えば400×640ドット程度の規模を有
する。このような液晶パネルにおいて偶数の走査電極に
対応した表示ドットのみを点灯させ、奇数の走査電極に
対応した表示ドットを非点灯とするものとした場合に、
従来の駆動法を用いて表示を行ったときの消費電力を計
算すると以下のようになる。
【0115】このような表示を行う場合には、選択され
る走査電極がYn (nは1〜400)からYn+1 に切り
替わるときに、画面のすべての信号電極X1 〜X640 に
印加される電圧は点灯電圧から非点灯電圧に、あるいは
非点灯電圧から点灯電圧に切り替えられる。そしてこの
とき、走査電極Yn とYn+1 以外の他の走査電極には、
非選択電圧が印加されている。
【0116】上述したように、各表示ドットは約1pF
の静電容量を有するため、走査電極Yn が選択されてい
る期間に走査電極Yn とYn+1 以外の他の走査電極と表
示パネルの全ての信号電極X1 〜X640 とがつくる表示
ドット(コンデンサ)に蓄積される電荷qは、 q1=(400−2)×640×1pF×(±V) =0.25μF×(±V) となる。
【0117】一方、走査電極Yn+1 が選択されている期
間に、走査電極Yn とYn+1 以外の他の走査電極と画面
の全ての信号電極X1 〜X640 とがつくる表示ドット
(コンデンサ)に蓄積される電荷q2は、 q2=(400−2)×640×1pF×(+V) =0.25μF×(+V) となる。従って、走査電極Yの選択が切り替わるとき
に、q=0.50μF×Vの電荷が移動することにな
る。
【0118】1フレームが表示されているときにこの電
荷qが電源回路の端子間で移動するため、これらの端子
間で電流が流れる。この電流は、1つの走査電極が選択
される期間を例えば30μ秒とし、電圧Vを1.5ボル
トとすると、平均で約25mAとなる。この電流は、電
源回路に流れて消費される。
【0119】従って、上述した液晶パネルを本実施例の
液晶表示装置を用いて駆動する場合には、その消費電力
が1/2.5程度に低減されることが期待され、1フレ
ーム期間に約10mA程度の消費電力となることが予想
される。
【0120】(第2実施例)次に、第2実施例の液晶表
示装置について説明を行う。
【0121】第2実施例の液晶表示装置は、液晶パネル
が表示する文字や図形等のパターンに応じて液晶パネル
10に印加する駆動電圧の極性を反転制御するとともに
(以後、このような反転制御を「内部極性反転制御」と
いう)、外部からの極性反転制御(以後、このような反
転制御を「外部極性反転制御」という)を付加したこと
を特徴としている。外部極性反転制御の一例としては、
従来からあるようにフレーム毎に極性反転する場合や、
特開昭62−31825号公報に開示されている所定数
の走査電極を単位として極性反転する場合等があげられ
る。このような内部極性反転制御及び外部極性反転制御
を行うことにより、液晶表示装置の消費電力低減を可能
としている。
【0122】なお、内部極性反転制御と外部極性反転制
御のいずれを優先させるかは任意である。例えば、内部
極性反転制御による極性反転が行われないときでも外部
極性反転制御による極性反転が行われるようにして外部
極性反転制御を優先させる場合や、反対に外部極性反転
制御による極性反転の有無にかかわらず内部極性反転制
御による極性反転が行われるようにして内部極性反転制
御を優先させる場合等が考えられる。また、内部極性反
転制御と外部極性反転制御のいずれか一方による極性反
転が指示されたときのみ極性反転が行われるようにして
もよい。
【0123】図7は、外部極性反転制御を付加した液晶
表示装置の構成を示す図である。この液晶表示装置は、
内部極性反転制御と外部極性反転制御のいずれか一方に
よる極性反転が指示されたときのみ極性反転が行われる
ようにしたものである。
【0124】同図に示す液晶表示装置は、液晶パネル1
0,Xドライバ16,Yドライバ24,電源回路30,
極性反転制御回路32及びイクスクルーシブオアゲート
(EX−OR)50を含んで構成される。EX−OR5
0以外の構成は基本的には図1に示した第1実施例の液
晶表示装置と共通である。従って、この共通部分につい
ての説明は省略するとともに、相違点であるEX−OR
50に着目して第2実施例の液晶表示装置の説明を行
う。
【0125】EX−OR50の一方の入力端には極性反
転制御回路32内の極性反転回路44から出力される極
性反転信号FRIが入力されており、他方の入力端には
外部から入力される外部極性反転信号FRAが入力され
ている。この外部極性反転信号FRAは、液晶パネル1
0に含まれる走査電極の数あるいは走査電極の任意の数
に対応する周期で、“0”から“1”にあるいは“1”
から“0”に論理が反転する。この周期は1つに限ら
ず、複数の周期を有していてもよい。
【0126】EX−OR50の出力端は、Xドライバ1
6内のレベルシフタ回路22及びYドライバ24内のレ
ベルシフタ回路28にそれぞれ接続されている。
【0127】このEX−OR50は、2つの入力端に入
力された信号の排他的論理和を出力するため、極性反転
信号FRIあるいは外部極性反転信号FRAのいずれか
一方のみの論理が反転したとき、出力端に現れる信号の
論理が反転する。従って、極性反転信号FRIあるいは
外部極性反転信号FRAのいずれか一方のみの論理が反
転したとき、液晶パネル10の信号電極X1 〜X6 及び
走査電極Y1 〜Y6 に印加される電圧の極性反転が行わ
れる。
【0128】このように、外部極性反転制御を付加した
場合であっても、基本的には液晶パネル10の表示内容
に応じて極性反転を行うかどうかを決定していることに
変わりはなく、走査電極と信号電極とが作るコンデンサ
に対する電荷の充放電が低減され、液晶パネル10を駆
動する際の消費電力を低減することが可能となる。
【0129】また、本実施例の液晶表示装置において
は、液晶パネル10の表示内容によっては長時間極性反
転が行われない場合には、外部反転制御によって強制的
に極性反転が行われるので、表示内容によって生じる可
能性のあるコントラストの低下等を回避することができ
る。
【0130】(第3実施例)次に、第3実施例の液晶表
示装置について説明を行う。
【0131】上述した第1実施例及び第2実施例の液晶
表示装置においては、Na +Nb の値が液晶パネル10
を構成する信号電極の数Sの半分より大きくなった場合
に極性反転が行われるようにしたが、液晶パネル10の
信号電極の数が多くなると極性反転制御回路32内の計
数回路40が必要となるビット数も多くなる。
【0132】そこで、第3実施例の液晶表示装置におい
ては、Na +Nb の値が信号電極の数Sの1/P(Pは
2より大きな数)より大きくなった場合に極性反転が行
われるようにしている。このため、計数回路40のビッ
ト数が少なくなるとともに、大小比較回路42で扱うデ
ータのビット数も少なくなるため、極性反転制御回路3
2の回路構成が簡単になる。
【0133】なお、この第3実施例の液晶表示装置は、
基本的には図1に示した第1実施例の液晶表示装置と同
じ構成を有している。そして、第1実施例と比較する
と、計数回路40のビット数が少なくてすむことと、大
小比較回路42による比較対象がS/2からS/Pに変
更されていることが異なっている。
【0134】このように、大小比較回路42による比較
を信号電極の数Sの1/Pに基づいて行う場合であって
も、基本的には液晶パネル10の表示内容に応じて極性
反転を行うかどうかを決定していることに変わりはな
く、走査電極と信号電極とが作るコンデンサに対する電
荷の充放電が低減され、液晶パネル10を駆動する際の
消費電力を低減することが可能となる。但し、大小比較
回路42による比較をS/2に基づいて行う場合に比べ
ると消費電力の低減の効果がやや損なわれるが、この点
は第3実施例の液晶表示装置の方が回路構成が簡単にな
ることを加味することにより、実際に製造するかどうか
を決定すればよい。
【0135】(第4実施例)次に、第4実施例の液晶表
示装置について説明を行う。
【0136】上述した第1実施例及び第2実施例の液晶
表示装置においては、選択から非選択となる、あるいは
非選択から選択となる走査電極上の表示ドットが作るコ
ンデンサの影響を無視したが、第4実施例の液晶表示装
置においてはこの影響を考慮する。
【0137】選択される走査電極が常に1本の場合につ
いて移動電荷量を求めると、次のようになる。
【0138】極性反転しないときの移動電荷量は、 2(S−2)(Na +Nb)cV+{(k+1)(Na +Nb)
+(k−1)(Nc +Nd)}cV となる。また、極性反転するときの移動電荷量は、 2(S−2)(Nc +Nd)cV+{2(k+1)(Nc +N
d)+2(k−1)(Na +Nb)−8Nd }cV となる。ここで、X=Na +Nb 、S−X=Nc +Nd
とおくと、極性反転しないときの移動電荷量は、 {(2S−2)X+(k−1)S}cV となる。同様に、極性反転するときの移動電荷量は、 {−2SX+2(S+k−1)S−8Nd }cV となる。
【0139】これらの計算結果を比較すると、X>(S
・S−4Nd )/(2S−1)のときに極性反転しない
方が移動電荷量が多くなることがわかる。
【0140】従って、Na +Nb とNd とを求め、Na
+Nb が(S・S−4Nd )/(2S−1)よりも大き
くなったときに極性反転が行われるようにすれば、さら
に消費電力の低減を図ることができる。
【0141】図8は、第4実施例の液晶表示装置の構成
を示す図である。同図に示す液晶表示装置は、液晶パネ
ル10,Xバライバ16,Yドライバ24,電源回路3
0,極性反転制御回路52を含んで構成される。極性反
転制御回路52以外の構成は、基本的には図1に示した
第1実施例の液晶表示装置と同じである。
【0142】極性反転制御回路52は、アドレス発生回
路34,記憶素子36,不一致検出回路38,計数回路
40,極性反転回路44,連続非点灯検出回路54,計
数回路56,算術演算回路58,大小比較回路60を含
んで構成される。この中で連続非点灯検出回路54,計
数回路56,算術演算回路58,大小比較回路60が第
1実施例と比べて異なる構成であり、これらについて以
下に詳述する。
【0143】連続非点灯検出回路54及び計数回路56
は、上述したNd を求めるために設けられている。即
ち、連続非点灯検出回路54は、記憶素子36から出力
される1本前の走査電極に対応するデータDTと、現在
入力されている走査電極のデータDTとがともに“0”
であって、2本の走査電極の隣接する表示ドットがとも
に非点灯であることを検出する。
【0144】計数回路56は、連続非点灯検出回路54
による検出結果をカウントするものであり、例えばカウ
ンタによって構成されている。計数回路56を構成する
カウンタのイネーブル端子に連続非点灯検出回路54に
よる検出結果が入力されている。このカウンタは連続非
点灯検出回路54によって連続した非点灯状態を検出し
たときのみクロック信号CKに同期してカウントアップ
を行い、このカウント値がNd として計数回路56から
出力される。また、このカウンタは、ラッチパルスLP
が入力されたときにリセットされるようになっている。
【0145】算術演算回路58は、上述した計数回路5
6による計数値(Nd)に基づいて(S・S−4Nd )/
(2S−1)の値を計算する。なお、信号電極数Sの値
が十分大きい場合には2S−1が2Sに近づくため、
(S・S−4Nd )/(2S−1)の値を計算する代わ
りに(S/2)−(2Nd /S)の値を計算するように
してもよい。
【0146】大小比較回路60は、算術演算回路58に
よる計算結果と計数回路40によるカウント値(Na +
Nb)との大小比較を行う。この比較結果は極性反転回路
44に入力されており、以後第1実施例と同様にして、
極性反転回路44によって極性反転信号FRIが作成さ
れて出力される。
【0147】このように、現在選択されている、あるい
は次に選択される走査電極上の表示内容をも含めて極性
反転を行うかどうかを決定する駆動方法を用いることに
より、走査電極と信号電極とが作るコンデンサに対する
電荷の充放電を最小限に抑えることができ、液晶パネル
10を駆動する際の消費電力を低減することが可能とな
る。
【0148】なお、本実施例においても第2実施例と同
様に外部極性反転制御を付加させることもできる。この
場合は、図8に点線で示すEX−OR50を設け、極性
反転回路44の出力(極性反転信号FRI)を一方の入
力端に入力するととにも、他方の入力端には外部極性反
転信号FRAを入力する。そして、このEX−OR50
の出力を極性反転回路44から出力される極性反転信号
FRIの代わりに用いればよい。
【0149】(第5実施例)次に、第5実施例の液晶表
示装置について説明を行う。
【0150】上述した第1実施例〜第4実施例の液晶表
示装置に用いられている電源回路30は、液晶パネル1
0に接続する各出力端子T0〜T5の間にコンデンサが
設けてある場合がある。また、この電源回路30は、出
力電圧を演算増幅器によるボルテージ・ホロワ回路によ
って印加している場合もある。これらの場合において
は、液晶パネル10が放電する電荷の一部が電源回路3
0内のコンデンサに蓄積されることになる。そして、こ
の電荷の蓄えられ方は、電源回路30内のコンデンサの
容量,内部インピーダンスといった特性や演算増幅器に
おける電流の吐き出し能力や吸い込み能力といった特性
によって変化する。
【0151】従って、これらの特性やコンデンサの接続
方法によっては、上述したNa,Nb,Nc,Nd に対する電
源回路30における電力消費の傾向が異なる場合があ
る。また、液晶パネル10の表示ドットが作るコンデン
サの容量は、厳密にはこの表示ドットが点灯しているか
否か等によって異なっている。
【0152】しかし、このような場合であっても、実験
等で極性反転をしないときと極性反転するときの消費電
力をNa,Nb,Nc,Nd を関数として求めることができ
る。このため、極性反転をしないときの消費電力より極
性反転をしたときの消費電力の方が小さくなる場合に限
って、極性反転を行うようにすれば、上述した第1実施
例〜第4実施例の液晶表示装置と同様に消費電力の低減
という効果が得られる。
【0153】図9は、電源回路30の詳細な構成を示す
図である。なお、電源回路30は様々な構成とすること
ができるが、図9にはその一例が示されている。
【0154】同図において、電源回路30は、電池や外
部電源で構成される電圧源62と、この電圧源62の電
圧を分圧する5つの抵抗64,66,68,70,72
と、ボルテージ・ホロワ回路を構成する4つの演算増幅
器74,76,78,80と、端子T0〜T5に流入あ
るいはこれらの端子から流出する突入電流を吸収する5
つのコンデンサ82,84,86,88,90とを含ん
で構成される。
【0155】電圧源62は、第1実施例に示したN・V
(=V0−V5)の電圧を+端子と−端子との間に発生
する。この+端子が端子T0に接続されており、−端子
が端子T5に接続されている。
【0156】5つの抵抗64,66,68,70,72
は直列に接続されており、この直列回路の両端が電圧源
62の+端子と−端子にそれぞれ接続されている。ま
た、抵抗64,66,70,72は抵抗値Rを有し、抵
抗68は抵抗値(k−4)Rを有する。従って、5つの
抵抗64,66,68,70,72の直列回路の両端及
び各抵抗間の接続点には、6レベル駆動法に必要な電圧
V0〜V5が現れる。
【0157】4つの演算増幅器74,76,78,80
のそれぞれは上述したようにボルテージ・ホロワ回路を
形成しており、抵抗64,66,68,70,72が分
圧した電圧をインピーダンスを下げて端子T1,T2,
T3,T4に出力する。
【0158】具体的には、演算増幅器74は、その非反
転入力端子が抵抗64と66の接続点に接続されてお
り、その反転入力端子が演算増幅器74自身の出力端子
に接続されている。また、演算増幅器74の出力端子が
端子T1に接続されている。
【0159】同様に、演算増幅器76は、その非反転入
力端子が抵抗66と68の接続点に接続されており、そ
の反転入力端子が演算増幅器76自身の出力端子に接続
されている。また、演算増幅器76の出力端子が端子T
2に接続されている。
【0160】演算増幅器78は、その非反転入力端子が
抵抗68と70の接続点に接続されており、その反転入
力端子が演算増幅器78自身の出力端子に接続されてい
る。また、演算増幅器78の出力端子が端子T3に接続
されている。
【0161】演算増幅器80は、その非反転入力端子が
抵抗70と72の接続点に接続されており、その反転入
力端子が演算増幅器80自身の出力端子に接続されてい
る。また、演算増幅器80の出力端子が端子T4に接続
されている。
【0162】なお、4つの演算増幅器74,76,7
8,80のそれぞれは、電圧V0及びV5が電源端子に
印加されており、これらの電圧によって動作している。
【0163】5つのコンデンサ82,84,86,8
8,90は、6つの端子T0〜T5のそれぞれをつなぐ
ように接続されている。ここでは、説明を簡単にするた
めに、全てのコンデンサ82,84,86,88,90
は容量及びインピーダンスは等しいものとする。
【0164】このような構成を有する電源回路30にお
いて、演算増幅器74の出力端子に現れる電圧V1は、
演算増幅器74の駆動電圧V0に近い。従って、この演
算増幅器74は、電流の吐き出し能力が小さくなり、電
流を少ししか流せない。反対に、演算増幅器80の出力
端子に現れる電圧V4は、演算増幅器80の駆動電圧V
5に近い。従って、この演算増幅器80は、電流の吸い
込み能力が小さくなる。この吸い込み能力が小さい演算
増幅器に対して電流が流れる場合には、この演算増幅器
の出力端子に接続されているコンデンサに充電される割
合が大きくなり、消費電力が小さくなる。
【0165】従って、極性反転しない場合を考えると、
液晶パネル10の表示ドットが非点灯から点灯に変化す
る場合に、この表示ドットが作るコンデンサから演算増
幅器74あるいは80に流れる電荷量は、表示ドットが
点灯から非点灯に変化する場合に表示ドットが作るコン
デンサから演算増幅器74あるいは80に流れる電荷量
より大きくなる。反対に、極性反転する場合を考える
と、液晶パネル10の表示ドットが点灯から非点灯に変
化する場合に、この表示ドットか作るコンデンサから演
算増幅器74あるいは80に流れる電荷量は、表示ドッ
トが非点灯から点灯に変化する場合に表示ドットが作る
コンデンサから演算増幅器74あるいは80に流れる電
荷量より大きくなる。
【0166】これを数式に表すと、極性反転しない場合
にはNa +αNb に比例した電荷の移動が生じ、極性反
転する場合にはαNc +Nd に比例した電荷の移動が生
じ、これらの電荷の移動が消費電力となる。但し、係数
αは1より大きな数である。
【0167】従って、Na +αNb >αNc +Nd なる
条件のときには、極性反転した方が消費電力は小さくな
る。反対に、この条件が成立しないときには、極性反転
しない方が消費電力が小さくなる。
【0168】上述した条件を書き換えると、α(Nb −
Nc)>Nd −Na となる。従って、この条件に基づいて
極性反転の有無を制御することにより、上述した第1実
施例等と同様に消費電力の低減という効果が得られる。
しかも、本実施例では電源回路30の内部構成をも考慮
しているため、確実に消費電力を低減することができ
る。
【0169】図10は、第5実施例の液晶表示装置の構
成を示す図である。同図に示す液晶表示装置は、液晶パ
ネル10,Xドライバ16,Yドライバ24,電源回路
30,極性反転制御回路92を含んで構成される。極性
反転制御回路92以外の構成は、基本的には図1に示し
た第1実施例の液晶表示装置と同じである。
【0170】極性反転制御回路92は、アドレス発生回
路34,記憶素子36,4つの表示状態検出回路94,
96,98,100,4つの計数回路102,104,
106,108,2つの算術演算回路110,112,
大小比較回路114,極性反転回路44を含んで構成さ
れる。この中で4つの表示状態検出回路94,96,9
8,100,4つの計数回路102,104,106,
108,2つの算術演算回路110,112,大小比較
回路114が第1実施例と比べて異なる構成であり、こ
れらについて以下に詳述する。
【0171】表示状態検出回路94及び計数回路102
は、上述した値Na を求めるために設けられている。即
ち、表示状態検出回路94は、記憶素子36から出力さ
れる1本前の走査電極に対応するデータDTが点灯状態
を示す“1”であり、現在入力されている走査電極のデ
ータDTが非点灯状態を示す“0”であることを検出す
る。計数回路102は、表示状態検出回路94の検出結
果をカウントするものであり、例えばカウンタによって
構成されている。計数回路102を構成するカウンタの
イネーブル端子に表示状態検出回路94の検出結果が入
力されている。このカウンタは表示状態検出回路94に
よって隣接する走査電極上の表示ドットが点灯状態から
非点灯状態に変わることを検出したときのみ、クロック
信号CKに同期してカウントアップを行う。このカウン
ト値がNa として計数回路102から出力される。ま
た、このカウンタは、ラッチパルスLPが入力さたとき
にリセットされるようになっている。
【0172】同様に、表示状態検出回路96及び計数回
路104は、上述した値Nd を求めるために設けられて
いる。表示状態検出回路96によって隣接する走査電極
上の表示ドットがともに非点灯状態であることを検出し
たときのみ、計数回路104内のカウンタはカウントア
ップを行う。このカウント値がNd として計数回路10
4から出力される。
【0173】表示状態検出回路98及び計数回路106
は、上述した値Nc を求めるために設けられている。表
示状態検出回路98によって隣接する走査電極上の表示
ドットがともに点灯状態であることを検出したときの
み、計数回路106内のカウンタはカウントアップを行
う。このカウント値がNc として計数回路106から出
力される。
【0174】表示状態検出回路100及び計数回路10
8は、上述した値Nb を求めるために設けられている。
表示状態検出回路100によって隣接する走査電極上の
表示ドットが非点灯状態から点灯状態に変わることを検
出したときのみ、計数回路108内のカウンタはカウン
トアップを行う。このカウント値がNb として計数回路
108から出力される。
【0175】算術演算回路110は、上述した計数回路
102による計数値(Na)と計数回路104による計数
値(Nd)とに基づいて、Nd −Na の値を計算する。算
術演算回路112は、上述した計数回路106による計
数値(Nc)と計数回路108による計数値(Nb)とに基
づいて、α(Nb −Nc)の値を計算する。
【0176】大小比較回路114は、算術演算回路11
0の計算結果(Nd −Na)と算術演算回路112の計算
結果α(Nb −Nc)との大小比較を行う。後者が大きい
場合には大小比較回路114から極性反転回路44に対
して入力される信号の論理が“1”となる。
【0177】以後第1実施例と同様にして、極性反転回
路44によって極性反転信号FRIが作成される。
【0178】このように、電源回路30の内部構成をも
考慮して極性反転を行うかどうかを決定する駆動方法を
用いることにより、走査電極と信号電極とが作るコンデ
ンサに対する電荷の充放電を最小限に抑えることがで
き、液晶パネル10を駆動する際の消費電力を低減する
ことが可能となる。
【0179】なお、本実施例においても第2実施例と同
様に外部極性反転制御を付加させることもできる。この
場合は、図10に点線で示すEX−OR50を設け、極
性反転回路44の出力(極性反転信号FRI)を一方の
入力端に入力するとともに、他方の入力端には外部極性
反転信号FRAを入力する。そして、このEX−OR5
0の出力を極性反転回路44から出力される極性反転信
号FRIの代わりに用いればよい。
【0180】また、上述した第5実施例においては、演
算増幅器の能力の非対称性を考慮した条件設定について
説明したが、コンデンサの特性のばらつき等に依存する
条件設定を行う場合も同様に考えることができる。
【0181】(第6実施例)上述した第1実施例〜第5
実施例で示した液晶表示装置を、表示機能を必要とする
各種の電子機器に組み込んで使用することができ、液晶
表示装置の消費電力を低減することにより、この液晶表
示装置が組み込まれた電子機器全体の消費電力を低減す
ることができる。電子機器が電灯線等を用いる場合に
は、この電子機器の電源回路を簡略化することが可能と
なり、ひいては電子機器の小型軽量化が可能となる。ま
た、電子機器を電池を用いて動作させる場合には、電池
の容量を小さくすることも可能となり、同じ容量の電池
を用いた場合には電子機器を長時間稼働させることがで
きる。
【0182】(第7実施例)次に、第7実施例の液晶表
示装置について説明を行う。
【0183】第7実施例の液晶表示装置は、液晶パネル
が表示する文字や図形等のパターンに応じて、この液晶
パネルに印加する駆動電圧の極性を反転することを特徴
としている。この点は上述した第1実施例等と同じであ
るが、これにより液晶表示装置の表示むらの発生低減を
可能としている点が異なっている。
【0184】本実施例の液晶表示装置は、特開平5−4
6127号公報等で開示されているIHAT法が用いら
れている。以下、このIHAT法の概要を説明する。な
お、以下の説明において、行電極は走査電極を、列電極
は信号電極をそれぞれ意味しており、上記公報の内容に
沿った表現を用いて説明を行った。
【0185】N本の行電極をそれぞれM本の行電極から
なるp個(p=N/M)のサブグループにわける。そし
て、任意の1つの列電極と選択されたサブグループとの
交点である表示ドットのデータを、 [dk1,dk2,……,dkM] なるMビット語で表示する。ここで、di(i=1〜
M)=0or1であり、0は点灯しない表示ドットに、1
は点灯する表示ドットに対応している。kは選択される
サブグループに応じて0から(p−1)まで変化する。
【0186】また、選択されたサブグループ内の行電極
の選択パターンを、 [ak1,ak2,……,akM] なる2M(=Q)種類のMビット語w1,w2,…,wQ
表示する。ここで、ai(i=1〜M)=0or1であ
る。
【0187】IHAT法は、以下に示すステップで駆動
することを特徴としている。
【0188】(1)1番目の行電極のサブグループを選
ぶ。 (2)行電極の選択パターンとして1番目のMビット語w1
を選ぶ。 (3)選択されたサブグループの行電極パターンとデータ
パターンとを排他的論理和でビットごとに比較し、これ
らの排他的論理和の出力の和iを求める。 (4)上記の和iに対して、列電極の電圧をVi と定め
る。 (5)マトリクスのそれぞれの列について独立にVi を選
ぶ。 (6)行電極と列電極とに同時に、列電極にはVi を、行
電極には行電極選択パターンの第1番目のw1を(選択
されない行電極は接地され、接続された行電極は、0に
対しては−vi、1に対しては+viとする)、時間Tの
間、電圧印加する。 (7)新しい行電極の選択パターンw2 が選ばれ、それに
対する列電極の電圧が(3)〜(5) の手順と同様に選ば
れ、(6) と同様に列と行を同時に時間Tの間、電圧印加
する。 (8)Q種類の全ての行電極の選択パターンが選択され
て、1サイクルが完成する。 (9)次の行電極のサブグループが選ばれ、上記 (2)〜(8)
のサイクルを連続する。
【0189】なお、上述したdi(=0or1)及びa
i(=0or1)の代わりにdj(=+1or−1)及びaj
(=−1or+1)を用いることにより、(3) の排他的論
理和の出力の和iを求める代わりに積を求めた後に和を
求めるようにしてもよい。
【0190】また、上述した説明では、1つのサブグル
ープについて全ての選択パターンを連続して選んだ後、
次のサブグループに移行するようにしたが、1つの選択
パターンを選んで全てのサブグループについて電圧の印
加を行った後、次の選択パターンを選んで同様の処理を
行うようにしてもよい。
【0191】本実施例の液晶表示装置は、上述したIH
AT法によって駆動されるものであり、一例として同時
に選択される走査電極の数が1である場合について説明
する。
【0192】また、この場合の非選択電圧を0、選択電
圧を−Vあるいは+Vとし、信号電圧を−vあるいは+
vとする。即ち、選択電圧が+Vのとき点灯電圧は−
v、非点灯電圧は+vであり、反対に選択電圧が−Vの
とき点灯電圧は+v、非点灯電圧は−vである。
【0193】図11は第7実施例の液晶表示装置の構成
を示す図である。この液晶表示装置は、極性反転制御回
路122を有することにより、液晶表示装置120が表
示する文字や図形等のパターンに応じて、この液晶パネ
ル120に印加する駆動電圧の極性を反転することによ
り交流駆動を行うことを特徴としている。この極性反転
により、液晶パネル120上の表示むらの発生の低減を
可能としている。
【0194】同図に示す液晶表示装置は、所定数の走査
電極と信号電極を有する液晶パネル120と、この液晶
パネル120に駆動電圧を印加するXドライバ140及
びYドライバ148と、所定の電圧を発生する電源回路
138と、液晶パネル120の表示ドットの点灯状態に
応じて極性反転を制御する極性反転制御回路122とを
含んで構成される。
【0195】図12は、上述した液晶パネル120にお
ける各表示ドットの点灯状態の一例を示す図である。こ
の液晶パネル120の基本構造については図2に示した
第1実施例の液晶パネル10と同じである。図12にお
いてハッチングを施してある表示ドットは点灯している
ことを示しており、それ以外の表示ドットは点灯してい
ないことを示している。
【0196】Xドライバ140は、液晶パネル120の
信号電極X1〜X6のそれぞれに点灯電圧及び非点灯電
圧である−v,+vの電圧を印加するものである。Xド
ライバ140は、シフトレジスタ回路142,ラッチ回
路144,レベルシフタ回路146を含んで構成されて
いる。
【0197】シフトレジスタ回路142は、順次入力さ
れた6個の1ビットデータを6ビットのパラレルデータ
に変換して出力する。ラッチ回路144は、シフトレジ
スタ回路142から出力された6ビットのパラレルデー
タを一時保持するものであり、このパラレルデータと同
じ6ビットの容量を有している。
【0198】レベルシフタ回路146は、ラッチ回路1
44から出力される6ビットデータの各ビットに応じた
電圧レベルを設定して、液晶パネル120の各信号電極
に対して、この設定した電圧を点灯電圧あるいは非点灯
電圧として印加する。具体的には、点灯電圧及び非点灯
電圧は−vあるいは+vのいずれかであるため、レベル
シフタ回路146はこれらの電圧の中の一方を適宜選択
して液晶パネル120の各信号電極に印加する。
【0199】Yドライバ148は、液晶パネル120の
走査電極Y1〜Y6のそれぞれに選択電圧あるいは非選
択電圧を印加するものである。Yドライバ148は、シ
フトレジスタ回路150,レベルシフタ回路152を含
んで構成されている。
【0200】シフトレジスタ回路150は、6ビットの
容量を有しており、入力されたデータイン信号DIをラ
ッチパルス信号LPに同期して順にシフトする。従っ
て、6ビットの中の1つのビットのみが“1”であるデ
ータが出力され、しかもこの“1”であるビット位置は
順にシフトされる。
【0201】レベルシフタ回路152は、シフトレジス
タ回路150から出力される6ビットのパラレルデータ
の各ビットに応じた電圧レベルを設定して、液晶パネル
120の各走査電極に対して、この設定した電圧を選択
電圧あるいは非選択電圧として印加する。具体的には、
選択電圧として−Vあるいは+Vの電圧を印加し、非選
択電圧として0Vの電圧を印加する。即ち、非選択電圧
を印加する場合には、この印加先である走査電極を接地
する。
【0202】電源回路138は、信号電圧として−v及
び+vの電圧を、走査電圧として−V及び+Vの電圧を
それぞれ発生し、これらの各電圧をXドライバ140及
びYドライバ148に印加する。具体的には、電源回路
138は、−v及び+vの電圧をXドライバ140内の
レベルシフタ回路146に供給するとともに、−V及び
+Vの電圧をYドライバ148内のレベルシフタ回路1
52に供給する。
【0203】極性反転制御回路122は、液晶パネル1
20が表示する文字や図形等のパターンに応じて、具体
的には現在選択されている走査電極上で点灯される表示
ドットの数と、次に選択される走査電極上で点灯される
表示ドットの数とに基づいて、液晶パネル120に印加
する信号電圧及び走査電圧の極性を切り替える。この極
性反制御回路122は、計数回路124,大小比較回路
126,D型フリップフロップ(D−FF)128,イ
クスクルーシブオアゲート(EX−OR)130,極性
反転回路132を含んで構成される。
【0204】計数回路124は、着目している走査電極
の表示ドットの中で点灯状態にあるものの個数を計数す
るためのものである。具体的にはカウンタで構成されて
おり、このカウンタのリセット端子にラッチパルスLP
が、クロック端子にクロック信号CKが、イネーブル端
子にデータDTがそれぞれ入力される。従って、計数回
路124はラッチパルスLPに同期してリセットされ、
以後データDTが“1”であるときのみクロック信号C
Kに同期してカウントアップする。
【0205】大小比較回路126は、所定の値(ここで
は液晶パネル120の信号電極の数の半分である3とす
る)と、計数回路124によるカウント値との大小比較
を行う。
【0206】D−FF128は、比較結果保持回路とし
て動作するものであり、ラッチパルスLPに同期して大
小比較回路126の比較結果を保持する。
【0207】EX−OR130は、反転条件判定回路と
して動作するものであり、一方の入力端に大小比較回路
126による比較結果が、他方の入力端にD−FF12
8の出力Qがそれぞれ入力されている。D−FF128
には現在選択されている走査電極上の表示ドットに関す
る比較結果が保持されているため、EX−OR130
は、この比較結果と次に選択される走査電極上の表示ド
ットに関する比較結果とに基づいて極性反転するかどう
かを判定する。
【0208】極性反転回路132は、EX−OR134
及びD−FF136によって構成されており、上述した
EX−OR130の出力が“1”であるときにD−FF
136の出力が反転されるようになっている。このT−
FF136の出力が極性反転信号FRIとして極性反転
制御回路122から出力され、Xドライバ140内のレ
ベルシフタ回路146及びYドライバ148内のレベル
シフタ回路152に入力される。
【0209】以下、このような構成を有する液晶表示装
置の具体的動作について説明する。
【0210】本実施例では、以下に示すM及びNなる数
を定義し、これらの数と信号電極の数の総数Sとに基づ
いて極性反転するかどうかを決定している。
【0211】ある走査電極に選択電圧が印加されている
ときに、その走査電極とこれに交差する信号電極とで作
る表示ドットが点灯する数をMとする。また、次に選択
される走査電極とこれに交差する信号電極とで作る表示
ドットが点灯する数をNとする。なお、信号電極の総数
をSとする点は第1実施例等と同じである。
【0212】選択される走査電極がYn からYn+1 に移
行する際に極性反転が行われないものとする。|M−N
|は、信号電極に印加される電圧が点灯電圧から非点灯
電圧に変化する信号電極の数と、非点灯電圧から点灯電
圧に変化する信号電極の数の差の絶対値である。即ち、
上述した2つの走査電極Yn,Yn+1 以外の選択されてい
ない走査電極に着目すると、|M−N|は、非選択電圧
に対する信号電極の電圧変化の総和であり、この値が大
きい場合にはこの値に応じた歪みが走査電極上の電圧に
生じる。
【0213】また、選択される走査電極がYn からYn+
1 に移行する際に極性反転が行われるものとする。|M
−(S−N|=|M+N−S|の値が上述した|M−N
|の値に対応しており、この|M+N−S|の値が大き
い場合にはこの値に応じた歪みが走査電極上の電圧に生
じる。
【0214】以上より、|M−N|の値が大きいときは
極性反転した方が表示むらが軽減でき、|M+N−S|
の値が大きいときは極性反転しない方が表示むらが軽減
できる。従って、|M−N|>|M+N−S|が成立す
るときに極性反転を行うことにより、走査電極上に生じ
る電圧の歪みを最小限に抑えることができ、表示むらの
発生を低減することが可能となる。
【0215】なお、この関係を簡略化すると、M>S
/2であり、かつ、N<S/2の場合と、M<S/2
であり、かつ,N>S/2の場合とが極性反転を行う条
件(以後、「反転条件」という)となる。
【0216】次に、図11に示した液晶表示装置の詳細
動作を説明する。
【0217】極性反転制御回路122は、液晶パネル1
20において現在選択されている走査電極Yn と次に選
択される走査電極Yn+1 に形成される表示ドットの点灯
状態を調べる。そして、調べた点灯状態に応じて、Xド
ライバ140及びYドライバ148に供給する極性反転
信号FRIの論理状態を切り替える。
【0218】以下、図12に示した液晶パネル120の
表示パターンを例にとり、極性反転制御回路122の具
体的動作について説明する。なお、液晶パネル120に
所定のパターンを表示する基本動作は図1に示した第1
実施例と同じであるためその説明は省略し、極性反転制
御回路122について詳細に説明する。
【0219】まず、図12に示した液晶パネル120に
ついて、上述したM,Nを求めると次のようになる。
【0220】
【表4】
【0221】このとき、上述した反転条件(M>3か
つN<3)が成立するか否かを調べると次のようにな
る。
【0222】
【表5】
【0223】同様に、反転条件(M<S/2かつN>
S/2)が成立するか否かを調べると次のようになる。
【0224】
【表6】
【0225】上述した表5及び表6において反転条件
あるいはが成立する場合にはEX−OR130から
“1”が出力される。従って、極性反転回路132は、
このEX−OR130の出力に応じて、走査電極が切り
替わる際の極性反転を次のように行う。
【0226】
【表7】
【0227】次に、上述した表7に示した極性反転の有
無を判断する極性反転制御回路122の動作を説明す
る。
【0228】まず、計数回路124は、選択されている
走査電極が切り替わる毎に入力されるラッチパルスLP
に同期してリセットされる。その後、計数回路124
は、クロック信号CKに同期してイネーブル端子に入力
されるデータDTが点灯状態を示す“1”の場合のみカ
ウントアップを行う。従って、6個の信号電極のデータ
DTが入力されると、計数回路124は、1つの走査電
極上の表示ドットの中で点灯状態にある表示ドットの数
を出力する。
【0229】大小比較回路126は、計数回路124に
よる計数値が信号電極の数Sの半分である「3」より大
きい場合には比較結果として“1”を出力する。また、
“1”より小さい場合は比較結果として“0”を出力す
る。
【0230】この比較結果は、ラッチパルスLPに同期
してD−FF128に取り込まれる。従って、D−FF
128から出力される値が現在選択されている走査電極
のものであるとすれば、大小比較回路126から出力さ
れる値は次に選択されている走査電極のものであること
になる。
【0231】EX−OR130は、D−FF128の出
力と大小比較回路126の出力との排他的論理和を求め
るため、表5及び表6に結果を示した切り替え条件及
びのいずれか一方が成立しているか否かを判断してい
ることになる。
【0232】図13(A)〜図13(H)は、図11に
示した液晶パネル120において図12に示したパター
ンを表示するときに各電極に印加される電圧波形を示す
図である。図13(A)〜図13(F)はそれぞれ走査
電極Y1〜Y6に印加される電圧波形であり、図13
(G),図13(H)はそれぞれ信号電極X2,X3に
印加される電圧波形である。なお、図13(G)及び図
13(H)において実線で示された電圧波形は点灯電圧
に対応しており、点線で示された電圧波形は非点灯電圧
に対応している。また、これらの図において、t1〜t
6はそれぞれ走査電極Y1〜Y6に選択電圧が印加され
ている時間を示している。図13(A)〜図13(F)
に示すように、走査電極Y4及びY6が選択されるとき
に反転条件を満たすため、これらの走査電極への切り替
えタイミングに同期して走査電圧及び信号電圧の極性反
転が行われる。
【0233】このように、液晶パネル120の表示内容
に応じて極性反転を行うかどうかを決定する駆動方法を
用いることにより、走査電極上の電圧の歪みを最小限に
抑えることができ、表示むらの発生を低減することがで
きる。
【0234】なお、上述した第7実施例においては、I
HAT法を用いて液晶パネル120を駆動する場合を説
明したが、6レベル駆動法を用いる場合であっても全く
同様に極性反転を行えばよい。但し、この場合は走査電
圧及び信号電圧が異なるため、本実施例で用いた電源回
路138,Xドライバ140,Yドライバ148を第1
実施例等で用いた電源回路30,Xドライバ16,Yド
ライバ24に置き換える必要がある。
【0235】(第8実施例)次に、第8実施例の液晶表
示装置について説明を行う。
【0236】第8実施例の液晶表示装置は、第7実施例
で行っている内部極性反転制御に、上述した第2実施例
で行っている外部極性反転制御と同様な強制的な極性反
転制御を付加することを特徴としている。
【0237】図14は、上述した液晶パネル120にお
ける各表示ドットの点灯状態の他の例を示す図である。
同図に示す表示パターンの場合には常に反転条件を満た
さないため極性反転が行われない。従って、信号電極X
1,X2,X4,X5,X6には同一の非点灯電圧が印
加されるので、これらの各信号電極上の表示ドットには
比較的低い周波数成分の電圧が印加されることになる。
一方、信号電極X3には非点灯電圧と点灯電圧とが交互
に印加されるので、信号電極X3上の表示ドットには比
較的高い周波数成分の電圧が印加される。一般に、液晶
パネル120の各表示ドットの透過率は、印加電圧の周
波数成分に依存するので、信号電極X3の表示ドットと
それ以外の信号電極の表示ドットとの透過率が異なり、
表示むらを生じる。
【0238】本実施例の液晶表示装置は、上述した印加
電圧の周波数成分の相違に起因する表示むらを減らすた
めに、反転条件を満たさない場合であっても、ある一定
の周期で強制的に極性反転を行うものである。
【0239】図15は、強制的な極性反転を付加した本
実施例の液晶表示装置の構成を示す図である。同図に示
す液晶表示装置は、液晶パネル120,Xドライバ14
0,Yドライバ148,電源回路138,極性反転制御
回路152を含んで構成される。極性反転制御回路15
2以外の構成は基本的には図11に示した第7実施例の
液晶表示装置と共通である。従って、この共通部分につ
いての説明は省略するとともに、相違点である極性反転
制御回路152に着目して第8実施例の液晶表示装置の
説明を行う。
【0240】極性反転制御回路152は、計数回路12
4,大小比較回路126,D−FF128,EX−OR
130,周期的反転回路154,極性反転回路156を
含んで構成される。図11に示した第7実施例の極性反
転制御回路122と比較すると、EX−OR130の出
力側に周期的反転回路154を介在させるとともに、図
11に示した極性反転回路132を極性反転回路156
に置き換えた点が異なっている。
【0241】周期的反転回路154は、m進カウンタで
構成されており、ラッチパルスLPに同期した計数動作
を行う。この周期的反転回路154は、ラッチパルスL
Pに同期してカウントアップしていって、計数値がm−
1になると桁上がり信号(=“1”)を出力する。従っ
て、m本の走査電極に選択電圧が印加される毎に1回の
割合で周期的反転回路154からは桁上がり信号が出力
される。
【0242】極性反転回路156は、EX−OR13
4,D−FF136及びオアゲート158によって構成
されており、上述したEX−OR130の出力と周期的
反転回路154の出力との少なくとも一方の論理が
“1”であるときにD−FF136の出力が反転される
ようになっている。
【0243】従って、反転条件が成立せずにEX−OR
130の出力が“1”とならない場合であっても、周期
的反転回路154の出力が一定の時間間隔で“1”とな
るため、この時間間隔で強制的な極性反転が行われる。
【0244】このように、液晶パネル120の表示内容
に応じて極性反転を行うかどうかを決定する駆動方法に
強制的な極性反転を付加することにより、走査電極上の
電圧の歪みを最小限に抑えることができ、表示むらの発
生を低減することができる。
【0245】なお、上述した第2実施例の液晶表示装置
において行っている外部極性反転制御も強制的な極性反
転を目的としており、実質的には本実施例と第2実施例
とは着眼点が同じである。そのため、第2実施例のEX
−OR50をオアゲートに置き換えることにより、第2
実施例の液晶表示装置に本実施例と同一の極性反転制御
を行わせることが可能になる。反対に、本実施例のオア
ゲート158をEX−ORに置き換えることにより、本
実施例の液晶表示装置に第2実施例と同一の極性反転制
御を行わせることが可能となる。
【0246】(第9実施例)次に、第9実施例の液晶表
示装置について説明を行う。
【0247】上述した第7実施例の液晶表示装置におい
ては、反転条件を満たす場合には無条件に極性反転を行
っている。従って、表示パターンによっては、選択され
る走査電極が切り替わる毎に連続的に極性反転が行われ
る場合がある。このような場合には、極性反転を制限し
たほうが表示むらを軽減できることが実験により確かめ
られている。例えば、極性反転を2回に1回の割合で無
視することによって、無視しない場合に比べて表示むら
を軽減することができる。また、反転条件が連続して設
立する場合だけでなく、反転条件が不連続に成立する場
合であっても極性反転を2回に1回の割合で無視するこ
とにより、表示むらを軽減することもできる。また、1
フレーム目で反転条件が成立した場合には無視せずに全
て極性反転を行い、2フレーム目で反転条件が成立した
場合には2回に1回の割合で極性反転を無視することに
より、表示むらを軽減することもできる。さらに、無視
する度合いに変化を持たせるようにしてもよい。
【0248】本実施例の液晶表示装置は、上述した極性
反転の制限によって表示むらを減らすために、反転条件
が所定回数成立した場合に1回だけ極性反転を行うもの
である。
【0249】図16は、極性反転に制限を加えた本実施
例の液晶表示装置の構成を示す図である。同図に示す液
晶表示装置は、液晶パネル120,Xドライバ140,
Yドライバ148,電源回路138,極性反転制御回路
160を含んで構成される。極性反転制御回路160以
外の構成は基本的には図11に示した第7実施例の液晶
表示装置と共通である。従って、この共通部分について
の説明は省略するとともに、相違点である極性反転制御
回路160に着目して第9実施例の液晶表示装置の説明
を行う。
【0250】極性反転制御回路160は、計数回路12
4,大小比較回路126,D−FF128,EX−OR
130,反転制限回路162,極性反転回路132を含
んで構成される。図11に示した第1実施例の極性反転
制御回路122と比較すると、EX−OR130と極性
反転回路132との間に反転制限回路162を挿入した
点が異なっている。
【0251】反転制限回路162は、n進カウンタで構
成されており、ラッチパルスLPに同期した計数動作を
行う。この反転制御回路162は、EX−OR130の
出力が“1”であるときのみラッチパルスLPに同期し
てカウントアップしていって、計数値がn−1になると
桁上がり信号(=“1”)を出力する。従って、反転条
件が成立した走査電極がn本あったときにはじめて反転
制限回路162の出力が“1”となり、極性反転が行わ
れる。
【0252】このように、液晶パネル120の表示内容
に応じて極性反転を行うかどうかを決定する駆動方法を
用いるとともに、この極性反転に一定の制限を加えるこ
とにより、走査電極上の電圧の歪みを最小限に抑えるこ
とができ、表示むらの発生を低減することができる。
【0253】(第10実施例)次に、第10実施例の液
晶表示装置について説明を行う。
【0254】上述した第7実施例の液晶表示装置におい
ては、反転条件を満たすか否かによって極性反転の有無
が決定されている。従って、液晶パネル120の表示内
容によっては、選択される走査電極が変わる毎に反転条
件の成立・不成立が頻繁に変化する場合がある。する
と、極性反転も頻繁に行われるようになる。この極性反
転によって表示画面全体の表示むらは軽減されるが、局
所的には今まで暗かった部分が急にやや明るくなるとい
った事態が発生する可能性がある。人の視覚がゆっくり
した明るさの変化には鈍感であるが、急速な明るさの変
化には敏感であることを考慮すると、上述した急速な明
るさの変化は部分的な表示むらの発生と同じであり、製
品の表示品質を低下させることになる。
【0255】本実施例の液晶表示装置は、上述した急速
な明るさの変化に起因する部分的な表示むらを減らすた
め、所定の期間内において反転条件が成立する回数に応
じて極性反転の頻度を段階的に変化させるものである。
即ち、例えば1フレーム期間内において反転条件が成立
する回数が多くなったときに極性反転する周期を短くす
ることにより、離散的に反転条件が成立したときに極性
反転するのとほぼ同等になることに着目し、所定のフレ
ーム期間内での反転条件が成立する回数に応じて、極性
反転の頻度を段階的に変化させている。
【0256】図17は、極性反転の頻度を段階的に変化
させた本実施例の液晶表示装置の構成を示す図である。
同図に示す液晶表示装置は、液晶パネル120,Xドラ
イバ140,Yドライバ148,電源回路138,極性
反転制御回路164を含んで構成される。極性反転制御
回路164以外の構成は基本的には図11に示した第7
実施例の液晶表示装置と共通である。従って、この共通
部分についての説明は省略するとともに、と相違点であ
る極性反転制御回路164に着目して第10実施例の液
晶表示装置の説明を行う。
【0257】極性反転制御回路164は、計数回路12
4,大小比較回路126,D−FF128,EX−OR
130,計数回路166,計数保持回路168,17
0,172,平均値算出回路174,ルック・アップ・
テーブル176,計数回路178,一致検出回路18
0,極性反転回路182を含んで構成される。図11に
示した第7実施例の極性反転制御回路122と比較する
と、計数回路124,大小比較回路126,D−FF1
28,EX−OR130によって反転条件が成立するか
否かを判断している点は同じであるが、その後の極性反
転処理の詳細動作が異なっている。
【0258】計数回路166は、カウンタで構成されて
おり、イネーブル端子に入力されているEX−OR13
0の出力が“1”であるときに、ラッチパルスLPに同
期してカウントアップする。そして、データイン信号D
Iが“1”であるときに、ラッチパルスLPに同期して
リセットされる。
【0259】3つの計数保持回路168,170,17
2は、データイン信号DIが“1”であるときにラッチ
パルスLPに同期してデータDTを取り込んで保持す
る。計数保持回路168は、計数回路166から出力さ
れる計数値をデータとして取り込む。また、計数保持回
路170は、この計数保持回路168に保持されている
データを取り込む。さらに、計数保持回路172は、こ
の計数保持回路170に保持されているデータを取り込
む。なお、ここでは3個の計数保持回路を使用したが、
使用する個数は任意であり2個あるいは4個以上であっ
てもよい。
【0260】平均値算出回路174は、計数保持回路1
68,170,172に保持されている各データが入力
されており、3つのデータの平均値を計算する。なお、
計数保持回路が多段に設けられている場合には、全ての
計数保持回路の出力の平均を計算する代わりに、例えば
一定間隔に位置する計数保持回路の出力のみの平均を計
算するようにしてもよい。
【0261】また、平均値を計算するときに全てのデー
タを均等に重み付けする必要はなく、例えば計数保持回
路168のデータの重み付けを1、計数保持回路170
のデータの重み付けを2、計数保持回路172のデータ
の重み付けを3としてもよい。さらに、例えば計数保持
回路172の入力データを計数保持回路168,170
の保持データの平均値として、計数保持回路168,1
70,172の平均値を求める2段構成の回路としても
よい。
【0262】ルック・アップ・テーブル176は、平均
値算出回路174で計算された平均値が入力されてお
り、この平均値に1対1に対応した所定のデータを出力
する。ルック・アップ・テーブル176から出力される
データは、入力される平均値が大きくなると小さくなる
ように設定されている。このルック・アップ・テーブル
176は、例えばROM等で構成されている。
【0263】計数回路178は、カウンタで構成されて
おり、ラッチパルスLPに同期してカウントアップす
る。そして、この計数回路178は、一致検出回路18
0が出力する一致検出信号に応じて、ラッチパルスLP
に同期してリセットされる。
【0264】一致検出回路180は、ルック・アップ・
テーブル176から出力されるデータと、計数回路17
8の計数値とを比較する。一致した場合には上述した一
致検出信号を出力する。
【0265】極性反転回路182は、例えばD−FFで
構成されており、一致検出回路180から一致検出信号
が出力されたとき(出力信号の論理が“1”であると
き)に、ラッチパルスLPに同期してこのD−FF自身
の反転出力を取り込む。なお、この極性反転回路182
は、図17に示したように反転出力を有する1個のD−
FFで構成することもできるが、反転出力がない場合に
は図11に示したようにD−FFとEX−ORとを組み
合わせて構成することもできる。
【0266】次に、このような構成を有する本実施例の
液晶表示装置の動作を説明する。
【0267】計数回路166は、EX−OR130の出
力が“1”であるとき、すなわち反転条件が成立したと
きにカウントアップするとともに、データイン信号DI
によってリセットされる。従って、この計数回路166
は、1フレーム期間において反転条件が成立した数を計
数する。
【0268】次に、計数保持回路168は、計数回路1
66よって計数した1フレーム期間において反転条件が
成立した数を保持する。同様に、計数保持回路170
は、1つ前のフレーム期間において反転条件が成立した
数を保持する。計数保持回路172は、2つ前のフレー
ム期間において反転条件が成立した数を保持する。
【0269】平均値算出回路174は、これら3フレー
ムのそれぞれにおいて反転条件が成立した数の平均値を
計算して出力する。
【0270】ルック・アップ・テーブル176は、平均
値算出回路174から出力される平均値に対応した所定
の値を出力する。具体的には、ルック・アップ・テーブ
ル176は、入力される平均値が大きいと小さな値を出
力する。
【0271】計数回路178は、一致検出回路180の
出力する一致検出信号によってリセットされてその計数
値を「0」とする。この計数回路178は、ルック・ア
ップ・テーブル176が出力する数値をmとすると、
(m+1)進カウンタとして動作する。従って、ラッチ
パルスLPが(m+1)回出力されるときに、一致検出
回路180から出力される一致検出信号が“1”とな
る。
【0272】これにより、極性反転回路182は、ラッ
チパルスLPが(m+1)回出力されるときに1回の極
性反転を行うために極性反転信号FRIの論理を反転す
る。
【0273】このように、本実施例の液晶表示装置を構
成する極性反転制御回路164は、1フレーム期間で反
転条件が成立する回数が多くなると、極性反転信号FR
Iの論理を反転させる周期が短くなり、1フレーム期間
での極性反転の回数が多くなる。ここで、複数フレーム
の反転条件が成立する回数の平均で極性反転信号FRI
の論理が反転する周期が変化するので、表示内容が急に
変化しても、極性反転信号FRIの論理の反転は徐々に
行われる。このため、表示内容が変化しても徐々に最適
な極性反転信号FRIの周期に近づいていくので、今ま
で暗かった部分が急にやや明るくなるといった事態が発
生することもなく、部分的な表示むらの発生を低減する
ことができる。
【0274】(第11実施例)次に、第11実施例の液
晶表示装置について説明を行う。
【0275】上述した第7実施例〜第10実施例におい
ては、IHAT法を用いて同時に1本の走査電極を選択
する場合について説明したが、本実施例の液晶表示装置
は同時にL本(L≧2)の走査電極を選択したときの表
示むらの低減を図ることを特徴とする。
【0276】図18は、例えばL=3のときの選択電圧
の組み合わせを行列で示した図である。同図において、
各行が走査電極に対応している。「−V」及び「+V」
は、選択電圧が印加される走査電極を、「0」は非選択
電圧が印加される走査電極を示している。また、各列は
各走査電極に対する選択電圧あるいは非選択電圧の印加
状態の時間変化に対応している。同図に示された走査電
圧の組み合わせは、行列のそれぞれの列ベクトルの各要
素の二乗の和が全ての列ベクトルについて等しく、しか
も、異なった2つの列ベクトルの対応する要素の積の和
が0になるように組み合わせてある。即ち、互いの列ベ
クトルは直交関係になるように組み合わせがなされてい
る。
【0277】上述した行列において設定されている組み
合わせに基づいて走査電極に順次選択電圧が印加され
る。具体的には、まず行列の第1行目の行ベクトルで示
される組み合わせでL本の走査電極に選択電圧が印加さ
れる。次に、第2行目の行ベクトルで示される組み合わ
せで次のL本の走査電極に選択電圧が印加される。この
ようなL本の走査電極を単位とした選択電圧の印加が行
列の最下行の行ベクトルまで行われ、その後第1行目の
行ベクトルに戻る。
【0278】上述した選択電圧の印加と並行して各信号
電極に対する点灯電圧あるいは非点灯電圧の印加が行わ
れる。具体的には、以下に示すように各信号電極に印加
される点灯電圧あるいは非点灯電圧が設定される。
【0279】(1)選択電圧が印加されているL本の走査
電極について、各走査電極に印加される選択電圧が+V
ならば+1、−Vならば−1とする。 (2)選択電圧が印加されているL本の走査電極と交差す
るそれぞれの信号電極について、各信号電極が作る表示
ドットが点灯ならば−1、非点灯ならば+1とする。 (3)上述した各信号電極上の表示ドットについて、表示
ドットの点灯状態とこの表示ドットを形成する走査電極
の選択電圧の状態との積を計算し、同一の信号電極につ
いてこの積の総和を計算する。 (4)計算した積の総和に比例した電圧を、計算を行った
信号電極に対して印加する。なお、積の計算結果は+1
あるいは−1であるから、その総和はL+1種類の値を
とり、各値に対応した点灯電圧及び非点灯電圧が設定さ
れる。例えば、L=2の場合には積の総和は−2,0,
+2の3種類の状態をとるため、点灯電圧あるいは非点
灯電圧として−v,0,+vが設定される。L=3の場
合には積の総和は−3,−1,+1,+3の4種類の状
態をとるため、点灯電圧あるいは非点灯電圧として−v
2,−v1,+v1,+v2が設定される。
【0280】このようにして設定された点灯電圧及び非
点灯電圧を各信号電極に印加することにより、同時にL
本の走査電極を選択した液晶パネルの駆動が可能にな
る。
【0281】以下、L=2の場合を例にとり、第11実
施例の液晶表示装置の詳細について説明する。
【0282】図19は、第11実施例の液晶表示装置の
構成を示す図である。同図に示す液晶表示装置は、所定
数の走査電極と信号電極を有する液晶パネル190と、
この液晶パネル190に駆動電圧を印加するXドライバ
210及びYドライバ218と、所定の電圧を発生する
電源回路208と、液晶パネル190の表示ドットの点
灯状態に応じて極性反転を制御する極性反転制御回路1
92とを含んで構成される。
【0283】図20は、上述した液晶パネル190にお
ける表示ドットの点灯状態の一例を示す図である。この
液晶パネル190の基本構造については図12に示した
第7実施例の液晶パネル120と同じである。図20に
おいてハッチングを施してある表示ドットは点灯してい
ることを示しており、それ以外の表示ドットは点灯して
いないことを示している。
【0284】Xドライバ210は、液晶パネル190の
信号電極X1〜X6のそれぞれに点灯電圧及び非点灯電
圧である電圧−v,0,+v(L=2の場合)を印加す
るものである。Xドライバ210は、シフトレジスタ回
路212,ラッチ回路214,レベルシフタ回路216
を含んで構成されている。
【0285】シフトレジスタ回路212は、2×6ビッ
トの容量を有しており、順次入力される2ビットデータ
を6個分順にシフトする。この2ビットデータのそれぞ
れは、対応する信号電極と2本の走査電極とが作る表示
ドットが点灯状態にあるか非点灯状態にあるかを表すも
のである。ラッチ回路214は、シフトレジスタ回路2
12から出力される6個の2ビットデータのそれぞれを
一時保持するものであり、これらのデータと同じ2×6
ビットの容量を有している。
【0286】レベルシフタ回路216は、ラッチ回路2
14から出力される6個の2ビットデータのそれぞれに
応じた電圧レベルを設定して、液晶パネル190の各信
号電圧に対して、この設定した電圧を点灯電圧あるいは
非点灯電圧として印加する。具体的には、点灯電圧及び
非点灯電圧は−v,0,+vのいずれかであるため、レ
ベルシフタ回路216はこれらの電圧の中の一つを適宜
選択して液晶パネル190の各信号電極に印加する。
【0287】Yドライバ218は、液晶パネル190の
走査電極Y1〜Y6のそれぞれに選択電圧あるいは非選
択電圧を印加するものである。本実施例ではL=2の場
合を考えているため、同時に2本の走査電極に対して選
択電圧が印加され、それ以外の走査電極に対して非選択
電圧が印加される。Yドライバ218は、シフトレジス
タ回路220,ラッチ回路222,レベルシフタ回路2
24を含んで構成されている。
【0288】シフトレジスタ回路220は、2×6ビッ
トの容量を有しており、順次入力される2ビットデータ
を6個分順にシフトする。この2ビットデータは、同時
に選択される2本の走査電極に印加される選択電圧の内
容を示しており、例えば“10”が+Vに、“01”が
−Vにそれぞれ対応している。また、“00”が非選択
電圧である0Vに対応している。
【0289】ラッチ回路222は、シフトレジスタ回路
220から出力される6個の2ビットデータのそれぞれ
を一時保持するものであり、これらのデータと同じ2×
6ビットの容量を有している。
【0290】レベルシフタ回路224は、ラッチ回路2
22から出力される6個の2ビットデータのそれぞれに
応じた電圧レベルを設定して、2つの選択電圧及び1つ
の非選択電圧の中の1つを液晶パネル190に印加す
る。
【0291】電源回路208は、信号電圧として−v,
0,+vの電圧をXドライバ210に、走査電圧として
−V,0,+Vの電圧をYドライバ218に印加する。
【0292】極性反転制御回路192は、液晶パネル1
90が表示する文字や図形等のパターンに応じて、具体
的には同時に選択される2本の走査電極が切り替わる際
に、極性反転を行う場合の信号電極の電圧の変化の総和
と、極性反転を行わない場合の信号電極の電圧の変化の
総和とを比較し、前者の方が小さい場合には極性反転を
行う。これにより、選択されている走査電極以外の各走
査電極上に発生する電圧の歪みを抑え、表示むらを低減
することが可能となる。
【0293】この極性反転制御回路192は、上位デー
タ計数回路194,下位データ計数回路196,上位計
数値保持回路198,下位計数値保持回路200,非反
転時演算回路202,反転時演算回路204,大小比較
回路206,極性反転回路132を含んで構成される。
【0294】上位データ計数回路194は、ラッチパル
スLPに同期してリセットされ、入力される2ビットデ
ータDTの上位ビットが“1”である場合に限り、クロ
ック信号CKに同期した計数動作を行う。同様に、下位
データ計数回路196は、ラッチパルスLPに同期して
リセットされ、入力される2ビットデータDTの下位ビ
ットが“1”である場合に限り、クロック信号CKに同
期した計数動作を行う。
【0295】上位計数値保持回路198は、複数ビット
(本実施例の場合は3ビット)のD−FFで構成されて
おり、ラッチパルスLPに同期して、上位データ計数回
路194による計数結果を取り込んで保持する。同様
に、下位計数値保持回路200は、複数ビットのD−F
Fで構成されており、ラッチパルスLPに同期して、下
位データ計数回路196による計数結果を取り込んで保
持する。
【0296】非反転時演算回路202は、例えばゲート
アレイを用いて構成されており、上位データ計数回路1
94,下位データ計数回路196の各計数結果及び上位
計数値保持回路198,下位計数値保持回路200の各
保持内容に基づいて、極性反転を行わなかった場合の信
号電極の電圧変化の総和を計算する。同様に、反転時演
算回路204は、例えばゲートアレイを用いて構成され
ており、上位データ計数回路194,下位データ計数回
路196の各計数結果及び上位計数値保持回路198,
下位計数値保持回路200の各保持内容に基づいて、極
性反転を行った場合の信号電極の電圧変化の総和を計算
する。
【0297】大小比較回路206は、非反転時演算回路
202及び反転時演算回路204の各計算結果が入力さ
れており、これら2つの計算結果の大小を比較する。こ
の大小比較回路206は、非反転時演算回路202の計
算結果が反転時演算回路204の計算結果より大きい場
合には出力信号の論理を“1”とする。反対の場合には
出力信号の論理を“0”とする。
【0298】極性反転回路132は、大小比較回路20
6による比較結果に基づいて、具体的には大小比較回路
206の出力信号の論理が“1”である場合には極性反
転信号FRIの論理を反転する。この極性反転回路13
2自体は、図11に示した第7実施例のものと同じであ
り、EX−OR134及びD−FF136で構成されて
いる。
【0299】以下、このような構成を有する液晶表示装
置の具体的動作について説明する。
【0300】図21は、L=2のときの選択電圧の組み
合わせを行列で示した図である。同図において、各行が
走査電極に印加される選択電圧の状態を示しており、各
列がその走査電圧の印加状態の時間的変化を示してい
る。同図に示すように、液晶パネル190の走査電極を
2本づつ順に選択する。
【0301】具体的には、最初−Vの選択電圧を走査電
極Y1に印加すると同時に+Vの選択電圧を走査電圧Y
2に印加し、それ以外の走査電極Y3〜Y6には非選択
電圧0Vを印加する。同様にして、−V及び+Vの選択
電圧をY3及びY4に印加し、その後Y5及びY6に印
加する。このようにして1フレーム目の走査電圧の印加
が終了した後、行列の第4行の行ベクトルで示される選
択電圧+V及び−VをY1及びY2、Y3及びY4、Y
5及びY6にそれぞれ印加する。
【0302】次に、各信号電極について、表示ドットの
表示状態とこの表示ドットを形成する走査電極の選択電
圧の状態との積を計算し、同一の信号電極についてこの
積の総和を計算すると次の〜のようになる。なお、
図20に示す液晶パネル190の表示パターンにおいて
は、上述した積の総和は、信号電極X1とX6が同じで
あり、信号電極X2〜X5が全て同じである。このた
め、信号電極X1とX2について計算を行うものとす
る。
【0303】1フレーム目の走査電極Y1とY2に選
択電圧が印加されているとき: 信号電極X1についての総和は0 信号電極X2についての総和は0 1フレーム目の走査電極Y3とY4に選択電圧が印加
されているとき: 信号電極X1についての総和は0 信号電極X2についての総和は2 1フレーム目の走査電極Y5とY6に選択電圧が印加
されているとき: 信号電極X1についての総和は0 信号電極X2についての総和は0
【0304】一方、仮に行列の各行ベクトルの要素に−
1を掛けた行ベクトル(極性反転した場合に相当し、以
後、このような行ベクトルを「反転行ベクトル」とい
う)で液晶パネル190を駆動する場合を考える。上述
した計算を繰り返すと、 1フレーム目の走査電極Y1とY2に選択電圧が印加
されているとき: 信号電極X1についての総和は0 信号電極X2についての総和は2 1フレーム目の走査電極Y3とY4に選択電圧が印加
されているとき: 信号電極X1についての総和は0 信号電極X2についての総和は0 1フレーム目の走査電極Y5とY6に選択電圧が印加
されているとき: 信号電極X1についての総和は0 信号電極X2についての総和は2
【0305】以上に示したように、反転行ベクトルを用
いない場合(極性反転しない場合)には、1フレーム目
の走査電極Y1とY2に選択電圧が印加されているとき
に、信号電極X2〜X5についての総和は0となる。ま
た、1フレーム目の走査電極Y3とY4に選択電圧が印
加されているときに、信号電極X2〜X6についての総
和は2となる。従って、選択される走査電極がY1とY
2からY3とY4に切り替わる際に、信号電極X2〜X
5において総和の変動分「2」に対応する電圧変化が生
じる。即ち、信号電極X2〜X5の全体では、各信号電
極の電圧変化の合計は、総和の変動分「2」の4倍とな
る。
【0306】一方、1フレーム目の走査電極Y3とY4
に選択電圧が印加されるときに、反転行ベクトルを用い
る場合(極性反転する場合)には、全ての信号電極につ
いて総和の変動分が「0」となり、信号電極の電圧変化
の合計は「0」となる。
【0307】従って、このような場合には反転行ベクト
ルを用いて、極性反転を行うようにする。一般的には、
各信号電極の電圧変化の差、即ち総和の差の合計に着目
し、選択された走査電極が切り替わる際に反転行ベクト
ルを用いた場合の前記合計が、用いない場合の前記合計
より小さいときに極性反転制御を行うようにする。
【0308】この関係をさらに具体的に表すと以下のよ
うになる。
【0309】ある行ベクトルを用いた場合に、ある表示
ドットの点灯状態と選択されている走査電極との積の総
和が−2,0,+2となるとき、反転行ベクトルを用い
ると、上述した積の総和は+2,0,−2となり、それ
ぞれの符号が反転する関係がある。そして、選択される
2本の走査電極が切り替わるときに、以下に示すN1〜
N9及びMU,ML,NU,NLを定義する。
【0310】N1:信号電圧が+vを維持する信号電極
数 N2:信号電圧が+vから0Vに変わる信号電極数 N3:信号電圧が+vから−vに変わる信号電極数 N4:信号電圧が0Vから+vに変わる信号電極数 N5:信号電圧が0Vを維持する信号電極数 N6:信号電圧が0Vから−vに変わる信号電極数 N7:信号電圧が−vから+vに変わる信号電極数 N8:信号電圧が−vから0Vに変わる信号電極数 N9:信号電圧が−vを維持する信号電極数 MU:選択される走査電極が切り替わる前に+vの信号
電圧が印加されていた信号電極数 ML:選択される走査電極が切り替わる前に−vの信号
電圧が印加されていた信号電極数 NU:選択される走査電極が切り替わった後に+vの信
号電圧が印加されていた信号電極数 NL:選択される走査電極が切り替わった後に−vの信
号電圧が印加されていた信号電極数 このように定義すると、MU=N1+N2+N3、ML
=N7+N8+N9、NU=N1+N4+N7、NL=
N3+N6+N9という関係が成立する。
【0311】さらに、走査電極の選択の切り替わりにお
いて、信号電圧の変化の総量は、 N2+2N3−N4+N6−2N7−N8 と表すことができる。これをまとめると、 N1+N2+N3)−(N7+N8+N9)−(N1+
N4+N7)+(N3+N6+N9) となる。それぞれの括弧内はMU,ML,NU,NLで
置き換えることができるので、 MU−ML−NU+NL となる。
【0312】次に、走査電極の選択が切り替わるとき
に、切り替わり後の選択電圧が仮に極性反転したとすれ
ば、上述した積の総和の符号が反転するので、信号電極
に印加する電圧の極性を反転する。従って、上述したN
1〜N9,MU,ML,NU,NLの内容も以下のよう
になる。
【0313】 N1:信号電圧が+vから−vに変わる信号電極数 N2:信号電圧が+vから0Vに変わる信号電極数 N3:信号電圧が+vを維持する信号電極数 N4:信号電圧が0Vから−vに変わる信号電極数 N5:信号電圧が0Vを維持する信号電極数 N6:信号電圧が0Vから+vに変わる信号電極数 N7:信号電圧が−vを維持する信号電極数 N8:信号電圧が−vから0Vに変わる信号電極数 N9:信号電圧が−vから+vに変わる信号電極数 これより、走査電極の選択の切り替わりにおいて、信号
電圧の変化の総量は、 MU−ML+NU−NL と表すことができる。
【0314】従って、極性反転しない場合の信号電圧の
変化の総量(MU−ML−NU+NL)と、極性反転す
る場合の信号電圧の変化の総量(MU−ML+NU−N
L)との絶対値の差は、MU,ML,NU,NLを計数
することによって計算することができる。
【0315】以後、極性反転しない場合の信号電圧の変
化の総量(MU−ML−NU+NL)の絶対値を「非反
転時の変動量」、極性反転する場合の信号電圧の変化の
総量(MU−ML+NU−NL)の絶対値を「反転時の
変動量」というものとする。
【0316】図22は、本実施例の液晶表示装置の動作
タイミングを示す図である。以下、図22を参照しなが
ら図19に示した液晶表示装置の詳細動作を説明する。
【0317】まず、Xドライバ210内のシフトレジス
タ回路212は、ラッチパルスLPの立ち下がりに同期
してリセットされた後、クロック信号CKの立ち下がり
に同期してそれぞれが2ビットのデータDTを取り込
む。取り込まれたデータDTは、クロック信号CKに同
期して2ビット単位で順にシフトされる。そして、シフ
トレジスタ回路212に液晶パネル190の信号電極の
数6と同じ数の2ビットデータが取り込まれたときに、
ラッチパルスLPに同期して動作するラッチ回路214
は、シフトレジスタ回路212に格納されている各信号
電極に対応した2ビットデータを取り込んで保持する。
【0318】レベルシフタ回路216は、ラッチ回路2
14に保持された2ビットデータと、このとき極性反転
制御回路192から入力される極性反転信号FRIの論
理状態とに応じて−v,0,+vのいずれかの点灯電圧
あるいは非点灯電圧を液晶パネル190の各信号電極に
印加する。具体的には、レベルシフタ回路216は、極
性反転信号FRIの論理が“0”であり、ラッチ回路2
14に保持されている2ビットデータの上位が“1”で
ある場合には+vの電圧を、この2ビットデータの下位
が“1”である場合には−vの電圧を、この2ビットデ
ータの各ビットがともに“0”である場合には0Vの電
圧をそれぞれ信号電極に印加する。反対に、レベルシフ
タ回路216は、極性反転信号FRIの論理が“1”で
あり、ラッチ回路214に保持されている2ビットデー
タの上位が“1”である場合には−vの電圧を、この2
ビットデータの下位が“1”である場合には+vの電圧
を、この2ビットデータの各ビットがともに“0”であ
る場合には0Vの電圧をそれぞれ信号電圧に印加する。
【0319】上述したXドライバ210の動作と並行し
て、Yドライバ218内のシフトレジスタ回路220
は、クロック信号CKに同期して、選択する2本の走査
電極を決定する2ビットの走査データDYを取り込む。
取り込まれた走査データDYは、クロック信号CKに同
期して2ビット単位で順にシフトされる。そして、シフ
トレジスタ回路220に液晶パネル190の走査電極の
数6と同じ数の2ビットデータが取り込まれたときに、
ラッチパルスLPに同期して動作するラッチ回路222
は、シフトレジスタ回路220に格納されている各走査
電極に対応した2ビットデータを取り込んで保持する。
【0320】レベルシフタ回路224は、ラッチ回路2
22に保持された2ビットデータと、このとき極性反転
制御回路192から入力される極性反転信号FRIの論
理状態とに応じて−V,+Vの選択電圧あるいは0Vの
非選択電圧のいずれかを液晶パネル190の各走査電極
に印加する。具体的には、レベルシフタ回路224は、
極性反転信号FRIの論理が“0”であり、ラッチ回路
222に保持されている2ビットデータの上位が“1”
である場合には+Vの選択電圧を、この2ビットデータ
の下位が“1”である場合には−Vの選択電圧を、この
2ビットデータの各ビットがともに“0”である場合に
は0Vの非選択電圧をそれぞれ走査電極に印加する。反
対に、レベルシフタ回路224は、極性反転信号FRI
の論理が“1”であり、ラッチ回路222に保持されて
いる2ビットデータの上位が“1”である場合には−V
の選択電圧を、この2ビットデータの下位が“1”であ
る場合には+Vの選択電圧を、この2ビットデータの各
ビットがともに“0”である場合には0Vの非選択電圧
をそれぞれ走査電極に印加する。
【0321】このようにXドライバ210及びYドライ
バ218が動作することにより、図21に示されるよう
に、まず走査電極Y1に−Vの選択電圧が、走査電極Y
2に+Vの選択電圧が、それ以外の走査電極に0Vの選
択電圧がそれぞれ印加される。このとき、走査電極−
V,+Vをそれぞれ−1,+1とおき、点灯,非点灯状
態にある表示ドットをそれぞれ−1,+1とおいて、そ
れぞれの表示ドットについて積及びその総和を計算する
ことにより、各信号電極X1〜X6に印加する信号電圧
を決定することができる。
【0322】即ち、信号電極X1,X6について上述し
た積及びその総和を計算すると、 (−1)×(+1)+(+1)×(+1)=0 となる。従って、これらの信号電極には非点灯電圧とし
て0Vが印加される。
【0323】極性反転制御回路192は、このような基
本的な表示動作と並行して極性反転を行うかどうかを判
定し、極性反転を行う場合には極性反転信号FRIの論
理を反転する。この極性反転制御回路192の詳細な動
作は以下のようになる。
【0324】まず、上位データ計数回路194は、ラッ
チパルスLPに同期してリセットされ、クロック信号C
Kに同期してデータDTの上位ビットが“1”の場合の
みカウントアップする。従って、全ての信号電極に対応
する6個の2ビットデータDTが入力されたときに、上
位データ計数回路194は、上位ビットが“1”である
データDTの数、すなわち値MUを計数値として出力す
る。同様に、下位データ計数回路196は、MLを計数
値として出力する。
【0325】次に、上位計数値保持回路198は、ラッ
チパルスLPに同期して、上位データ計数回路194の
計数値を取り込んで保持する。即ち、上位計数値保持回
路198は、計数値として出力された値MUを取り込ん
で値NUとして保持する。同様に、下位計数値保持回路
200は、下位データ計数回路196の計数値(値M
L)を取り込んで値NLとして保持する。
【0326】次に、非反転時演算回路202は、上位デ
ータ計数回路194,下位データ計数回路196,上位
計数値保持回路198,下位計数値保持回路200から
出力される値MU,ML,NU,NLに基づいてMU−
ML+NU−NLの絶対値を計算し非反転時の変動量を
出力する。同様に、反転時演算回路204は、MU−M
L−NU+NLの絶対値を計算し、反転時の変動量を出
力する。
【0327】大小比較回路206は、非反転時演算回路
202から出力される非反転時の変動量と、反転時演算
回路204から出力される反転時の変動量とが入力され
て、これら2つの入力値の大小比較を行う。そして、非
反転時の変動量の方が反転時の変動量より大きいときに
比較結果を“1”として出力する。
【0328】極性反転回路132は、この大小比較回路
206の比較結果が“1”であるときに、ラッチパルス
LPに同期して極性反転信号FRIの論理を“1”から
“0”に、あるいは“0”から“1”に反転する。
【0329】このように、極性反転制御回路192は、
選択される走査電極が切り替わるときに、極性反転した
方が信号電極の電圧の変動の総和が小さくなる場合に極
性反転を行い、大きい場合には極性反転を行わない制御
をしている。
【0330】以上のような制御を行うことにより、各信
号電極の電圧変化の差の合計が最小となる。従って、走
査電極上の電圧の歪みを最小限に抑えることができ、表
示むらを軽減することが可能になる。
【0331】(第12実施例)上述した第7実施例〜第
11実施例で示した液晶表示装置を、表示機能を有する
各種の電子機器に組み込んで使用することができる。例
えば、電子機器としてはパーソナルコンピュータ,ワー
ドプロセッサ,電子手帳,ワークステーション等があ
り、これらの表示装置として本発明の液晶表示装置を用
いれば、表示むらが少なく、高品位の表示が可能とな
る。
【0332】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上述した実施例に限定されるものではないこと
はもちろんである。例えば、第8実施例では強制的な反
転制御を併用する場合を、第9実施例では極性反転に制
限を加える場合をそれぞれ説明したが、このような強制
的な反転制御や極性反転の制限はその他の実施例と併用
してもよい。
【0333】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、極性反転制御回路を用いて液晶パネルの表示パタ
ーンに応じた極性反転制御を行うことにより、電力の消
費を少なくすることができるとともに、表示むらの発生
を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した第1実施例の液晶表示装置
の構成を示す図。
【図2】 第1実施例で用いた液晶パネルの構成を示す
図。
【図3】 図3(A)及び図3(B)はレベルシフタ回
路の詳細な構成の一例を示す図。
【図4】 第1実施例の極性反転回路の詳細な構成を示
す図。
【図5】 第1実施例の液晶表示装置の動作タイミング
を示す図。
【図6】 図6(A)乃至図6(G)は第1実施例の極
性反転制御回路による極性反転を行って液晶パネルを駆
動する場合に各信号電極及び走査電極に印加される電圧
波形を示す図。
【図7】 第2実施例の液晶表示装置の構成を示す図。
【図8】 第4実施例の液晶表示装置の構成を示す図。
【図9】 電源回路の詳細な構成を示す図。
【図10】 第5実施例の液晶表示装置の構成を示す
図。
【図11】 第7実施例の液晶表示装置の構成を示す
図。
【図12】 第7実施例の液晶パネルにおける各表示ド
ットの点灯状態の一例を示す図。
【図13】 図13(A)〜図13(H)は、図11に
示した液晶パネルにおいて図12に示したパターンを表
示するときに各電極に印加される電圧波形を示す図。
【図14】 液晶パネルにおける各表示ドットの点灯状
態の他の例を示す図。
【図15】 強制的な極性果てんを付加した第8実施例
の液晶表示装置の構成を示す図。
【図16】 極性反転に制限を加えた第9実施例の液晶
表示装置の構成を示す図。
【図17】 極性反転の頻度を段階的に変化させた第1
0実施例の液晶表示装置の構成を示す図。
【図18】 L=3のときの選択電圧の組み合わせを行
列で示した図。
【図19】 第11実施例の液晶表示装置の構成を示す
図。
【図20】 第11実施例における液晶パネルの各表示
ドットの点灯状態の一例を示す図。
【図21】 L=2のときの選択電圧の組み合わせを行
列で示した図。
【図22】 第11実施例の液晶表示装置の動作タイミ
ングを示す図。
【図23】 従来の液晶パネルの構造と表示内容を示す
図。
【図24】 図24(A)乃至図24(C)は従来の駆
動波形の一例を示す図。
【図25】 図25(A)乃至図25(C)は従来の駆
動波形の一例を示す図である。
【符号の説明】 10,120,190 液晶パネル、 16,140,
210 Xドライバ、24,148,218 Yドライ
バ、 30,138,208 電源回路、32,52,
92,122,152,160,164,192 極性
反転制御回路、 34 アドレス発生回路、 36 記
憶素子、 38,180 不一致検出回路、 40,5
6,102〜108,124,166,178 計数回
路、42,60,114,126,206 大小比較回
路、 44,132,156,182 極性反転回路、
50,130 イクスクルーシブオアゲート、54
連続非点灯検出回路、 58,110,112 算術演
算回路、 62 電源、 64〜72 抵抗、 74〜
80 演算増幅器、 82〜90 コンデンサ、 94
〜100 表示状態検出回路、 128 D型フリップ
フロップ、154 周期的反転回路、 162 反転制
御回路、 168〜172 計数保持回路、 174
平均値算出回路、 176 ルックアップテーブル、
194 上位データ計数回路、 196 下位データ計
数回路、 198 上位計数値保持回路、 200 下
位計数値保持回路、 202 非反転時演算回路、20
4 反転時演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G09G 3/20 642 G09G 3/20 642A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09G 3/00 - 3/38 G02F 1/133 505 - 580

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の走査電極と複数の信号電極とによ
    って挟まれた液晶層を有する液晶パネルと、 前記液晶パネルの複数の走査電極に選択電圧及び非選択
    電圧からなる走査電圧を印加する第1の電圧印加手段
    と、 前記液晶パネルの複数の信号電極に点灯電圧及び非点灯
    電圧からなる信号電圧を印加する第2の電圧印加手段
    と、 前記第1の電圧印加手段及び前記第2の電圧印加手段に
    接続されており、前記液晶パネルの各表示ドットの点灯
    状態に応じて、前記走査電極と前記信号電極との電位差
    である駆動電圧の極性を反転させる制御を行う極性反転
    手段と、 を備え 前記極性反転手段は、前記第1の電圧印加手段によって
    選択電圧が印加される前記走査電極が切り替わる際に前
    記駆動電圧の極性を反転させない場合と反転させた場合
    について、前記非選択電圧に対する信号電極の電圧変化
    の総和を求め、極性反転させた場合の方が前記電圧変化
    の総和が小さい場合を極性反転すべき条件とし、所定の
    期間内において前記極性反転をすべき条件が成立する回
    数に応じて極性反転の頻度を変化させる ことを特徴とす
    る液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 複数の走査電極と複数の信号電極とによ
    って挟まれた液晶層を有する液晶パネルと、 前記液晶パネルの複数の走査電極に選択電圧及び非選択
    電圧からなる走査電圧を印加する第1の電圧印加手段
    と、 前記液晶パネルの複数の信号電極に点灯電圧及び非点灯
    電圧からなる信号電圧を印加する第2の電圧印加手段
    と、 前記第1の電圧印加手段及び前記第2の電圧印加手段に
    接続されており、前記液晶パネルの各表示ドットの点灯
    状態に応じて、前記走査電極と前記信号電極との電位差
    である駆動電圧の極性を反転させる制御を行う極性反転
    手段と、 を備え、 前記極性反転手段は、前記第1の電圧印加手段によって
    選択電圧が印加される前記走査電極が切り替わる際に前
    記駆動電圧の極性を反転させない場合と反転させた場合
    について、前記非選択電圧に対する信号電極の電圧変化
    の総和を求め、極性反転させた場合の方が前記電圧変化
    の総和が小さい場合を極性反転すべき条件とし、所定の
    期間内において前記極性反転をすべき条件が成立する回
    数に応じて極性反転の回数を制限する ことを特徴とする
    液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記第1及び第2の電圧印加手段による前記液晶パネル
    への電圧印加は、電圧平均化法を用いて行うことを特徴
    とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載された
    液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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