JP3498631B2 - 電気炊飯器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は、電気炊飯器に関
し、さらに詳しくは内鍋の冷却を行うようにした電気炊
飯器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】炊飯器本体内に収納された磁性体材料か
らなる内鍋に、電磁誘導コイルにより渦電流を発生さ
せ、該渦電流により生ずる抵抗熱を加熱手段として利用
するようにした電気炊飯器は従来からよく知られてい
る。

【０００３】上記のような構成の電気炊飯器において
は、電源基板に配置された電子部品（例えば、パワート
ランジスタ等）を冷却するための冷却用ファンが必須の
構成部品となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ご飯を炊く
場合、炊き上がったご飯を急速に冷却すると美味しいご
飯が得られるという経験則がある。そこで、電気炊飯器
でご飯を炊く場合にも、炊飯工程終了後に内鍋内のご飯
を冷却することにより、美味しいご飯を炊き上げる方法
が開発されてきている。この場合、ご飯を冷却するため
の冷却ファンが必要となるところが、上記した電磁誘導
コイルによる加熱方式を採用した電気炊飯器の場合、電
子部品を冷却するための冷却ファンと、ご飯を冷却する
ための冷却ファンの二つの冷却ファンが必要となり、部
品点数が増大して製品のコンパクト化を妨げるととも
に、製品コストの上昇を招くという不具合が生ずる。

【０００５】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、１個の冷却ファンで電子部品の冷却とご飯の冷却
とを行い得るようにすることにより、製品のコンパクト
化および製品コストの低減を図ることを目的とするもの
である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明では、上
記課題を解決するための手段として、磁性体材料からな
る内鍋を収納できるように内周面を合成樹脂製の保護枠
により構成された炊飯器本体と、該炊飯器本体の蓋体
と、前記内鍋に渦電流を発生させる電磁誘導コイルと、
該電磁誘導コイルへの給電を制御する電子部品を冷却す
るための冷却ファンとを備えた電気炊飯器において、前
記冷却ファンの吐出口から吹き出された送風を前記電子
部品を冷却するために導くダクト形状の第１送風通路
と、前記冷却ファンの吐出口に接続されたダクトおよび
該ダクトの上端と前記保護枠の上部に形成された空気吹
出口とを接続する接続パイプにより前記冷却ファンの吐
出口から吹き出された送風を前記保護枠と前記内鍋との
間の隙間に導くダクト形状の第２送風通路と、炊飯工程
終了時に前記第１送風通路への送風から前記第２送風通
路への送風に切り換える通路切換手段とを付設してい
る。

【０００７】上記のように構成したことにより、炊飯工
程終了時に通路切換手段を切換作動させることにより、
電子部品を冷却するためのダクト形状の第１送風通路へ
の送風からご飯を冷却するためのダクト形状の第２送風
通路への送風に切り換えられることとなり、１個の冷却
ファンにより電子部品の冷却からご飯の冷却へと切り換
えられる。従って、炊飯工程中における電子部品の過熱
が防止できるとともに、炊飯工程終了後におけるご飯の
急速冷却により美味しいご飯が得られる。また、冷却フ
ァンの吐出口からの送風は、炊飯工程終了時にはダクト
形状の第２送風通路を介して保護枠の上部に形成された
空気吹出口から該保護枠と内鍋との間の隙間に導かれる
こととなっているため、該隙間への送風が確実に行える
とともに、内鍋の温度を検知する温度検知手段への悪影
響を回避することができる。

【０００８】請求項２の発明におけるように、請求項１
記載の電気炊飯器において、前記第１送風通路を熱良導
体で構成し且つ該第１送風通路には前記電子部品を接触
させて配設した場合、第１送風通路からの放熱により電
子部品を効率的に冷却することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。

【００１０】第１の実施の形態 図１には、本願発明の第１の実施の形態にかかる電気炊
飯器が示されている。

【００１１】この電気炊飯器は、内部に炊飯用の内鍋３
を収納し得るように構成され且つ空間部４を有する二重
構造の炊飯器本体１と、該炊飯器本体１の上部開口を開
閉自在且つ着脱自在に覆蓋する蓋体２とを備えている。

【００１２】前記炊飯器本体１は、外側壁となる胴部５
ａと底壁となる底部５ｂとを有する合成樹脂の一体成形
品からなる外ケース５と、内周壁となる合成樹脂製の有
底筒状の保護枠６と、該保護枠６の上端と前記外ケース
５の上端とを結合する合成樹脂製の肩部材７とによって
構成されており、前記外ケース５、保護枠６および肩部
材７に囲まれて前記空間部４が形成されている。なお、
前記保護枠６内には、前記内鍋３が取り出し可能に収納
されることとなっている。

【００１３】前記保護枠６の底面中央部には、温度検出
手段として作用するセンタセンサー８を臨ませるための
センサー穴９が形成されている。

【００１４】前記センサー穴９を包囲するように炊飯時
における加熱手段として作用する環状の電磁誘導コイル
（以下、炊飯用ワークコイルという）１０が前記保護枠
６の底面および該底面から側周面に至る間の湾曲部に対
応して配設されている。該炊飯用ワークコイル１０は、
交番磁界を発生するものであり、該交番磁界の電磁誘導
により前記内鍋３に誘導電流である渦電流を発生させ、
該渦電流の抵抗熱を利用して加熱するものとされてい
る。なお、内鍋３は、炊飯用ワークコイル１０により渦
電流を発生させることのできる材質により構成される。

【００１５】前記炊飯用ワークコイル１０は、前記保護
枠６の底面に対して固定されたコイルダイ１１と前記保
護枠６の底面との間に挟持されている。符号１２はフェ
ライトコアであり、炊飯用ワークコイル１０による磁気
が下方に存在する機器に対して影響を及ぼさないように
遮閉する作用をなす。

【００１６】また、前記保護枠６の側周面には、保温時
における加熱手段として作用する環状の電磁誘導コイル
（以下、保温用ワークコイルという）１３が取り付けら
れている。

【００１７】一方、前記蓋体２は、外面を構成する合成
樹脂製（例えば、ポリプロピレン製）の上板１４と、内
周面を構成する合成樹脂製（例えば、ポリプロピレン
製）の環状の下板１５と、該下板１５の内周縁に取り付
けられる金属製の放熱板１６とによって構成されてお
り、前記上下板１４，１５と放熱板１６とに囲まれた空
間部１７には、断熱材１８が配設されている。

【００１８】この蓋体２は、前記肩部材７の一側に形成
されたヒンジ受け１９に対してヒンジピン２０を介して
弧回動且つ着脱自在に取り付けられている。

【００１９】そして、前記蓋体２の中央部には、前記上
板１４から垂設された筒部２１が形成されており、該筒
部２１内には、炊飯時に発生する水蒸気を外部へ排出す
るための蒸気排出通路２２を有するスチームキャップ２
３が着脱自在に取り付けられている。該スチームキャッ
プ２３内には、調圧弁として作用するボール弁２４が配
設されている。前記スチームキャップ２３の下端には、
前記内鍋３の開口を閉塞するための内蓋２５が取り付け
られている。符号２６はスチームキャップ２３への蒸気
入口、２７はスチームキャップ２３からの蒸気出口、２
８は内蓋２５との周縁と内鍋３の開口および蓋体下板１
５との間をシールするシールパッキンである。

【００２０】前記放熱板１６の内周縁は、前記筒部２１
の下端に結合支持される一方、放熱板１６の外周縁は、
前記下板１５の内周縁に対して結合されている。この放
熱板１６の上面には、該放熱板１６を加熱することによ
り露付きおよびオネバの成長を防止する蓋ヒータ２９が
取り付けられている。

【００２１】そして、前記炊飯器本体１の反ヒンジ側に
おける空間部４には、操作基板３０が配設されており、
該操作基板３０には、後述する各種スイッチ類（例え
ば、炊飯スイッチ、予約スイッチ、保温スイッチ等）お
よび液晶表示装置（図示省略）が配設されている。

【００２２】また、前記炊飯器本体１のヒンジ側におけ
る空間部４には、前記保護枠６の側周部に対してビス３
１により固定された電源基板３２が鉛直姿勢で配置され
ている。該電源基板３２には、前記炊飯用および保温用
ワークコイル１０，１３の通電制御を行うためのパワー
トランジスタ３３および整流用ダイオードブリッジ３４
が設けられている。これらのパワートランジスタ３３お
よび整流用ダイオードブリッジ３４は、作動時に発熱す
る素子とされている。

【００２３】前記炊飯器本体１内の側方部位（例えば、
ヒンジ受け１９側）おける空間部４には、冷却ファン３
５が配置されている。該冷却ファン３５は、ファンモー
タ３６により回転駆動される多翼ロータ３７と該多翼ロ
ータ３７を囲繞するスクロールタイプのファンケーシン
グ３８とからなる遠心ファンとされている。このように
すると、炊飯器本体１内の空間部４（特に、大きな余剰
空間ができるヒンジ受け２１側の空間）の有効利用を図
ることができることとなり、炊飯器本体１の上下寸法を
大きくする必要がなくなる。

【００２４】前記ファンケーシング３８の吐出口３８ａ
には、ダクト３９が接続されており、該ダクト３９の上
端は、前記保護枠６の上部に形成された空気吹出口４０
に接続される接続パイプ４１に接続されている。つま
り、冷却ファン３５から吐出された空気Ｗは、ダクト３
９、接続パイプ４１および空気吹出口４０を経て前記内
鍋３と保護枠６との間に形成される環状の隙間Ｓに供給
されることとなっているのである。符号３８ｂはファン
ケーシング３８の吸入口である。

【００２５】前記ダクト３９は、例えばヒートレーン
（即ち、高真空とされ且つ熱移動用の作動液を封入した
蛇行トンネル状の穴を有する熱良導体からなり、放熱部
と受熱部とを有する高性能の熱移動板）により構成され
ており、前記電源基板３２におけるパワートランジスタ
３３および整流用ダイオードブリッジ３４に受熱部を接
触した状態で設けられている。このようにすると、ダク
ト３９を流れる空気流Ｗによって前記パワートランジス
タ３３および整流用ダイオードブリッジ３４の発熱を効
率良く冷却することができる。なお、このダクト３９
は、熱良導体であるアルミ合金等により構成してもよ
い。

【００２６】また、前記ダクト３９の上端部には、該ダ
クト３９内と前記炊飯器本体１の空間部４とを連通する
開口部４２と、該開口部４２あるいは前記ダクト３９内
通路を選択的に開閉作動する通路切換手段として作用す
るダンパ４３が設けられている。該ダンパ４３は、前記
ダクト３９に支持された駆動手段であるソレノイド４４
により開閉作動されることとなっている。つまり、ソレ
ノイド４４の励磁により作動ピン４５が前記ダンパ４３
の操作部４３ａを押し上げてダンパ４３により開口部４
２が閉止され（図２参照鎖線参照）、ソレノイド４４の
非励磁により作動ピン４が下降すると、ダンパ４３が該
ダンパ４３より重い操作部４３ａの自重によりダクト３
９内通路を閉止することとなっているのである。なお、
前記ソレノイド４４は、炊飯工程終了時に通電励磁され
ることとなっている。符号４２ａおよび４６はストッパ
ーである。

【００２７】本実施の形態においては、前記ダクト３９
および開口部４２により冷却ファン３５からの吐出空気
流Ｗを給電制御用の電子部品（即ち、ＩＧＢＴ３３およ
び整流用ダイオードブリッジ３４）を冷却するために導
く第１の送風通路Ａが構成され、前記ダクト３９、接続
パイプ４１および空気吹出口４０により冷却ファン３５
からの吐出空気流Ｗを内鍋３内のご飯を冷却するために
導く（換言すれば、内鍋３と保護枠６との隙間Ｓに導
く）第２の送風通路Ｂが構成されることとなっているの
である。符号４７は空気取入口である。

【００２８】ついで、図３に示す電気回路図に基づい
て、本実施の形態にかかる電気炊飯器における電気的構
成を説明する。なお、図１に示された各部に対応する部
分には同一の参照符号を付して示す。

【００２９】商用交流電源４８からの電力は、内鍋３の
異常加熱を検知して溶断する温度ヒューズ４９および整
流回路３４を経て炊飯用および保温用ワークコイル１
０，１３に供給されることとなっている。符号５０は平
滑コンデンサ、５１，５２は共振コンデンサである。

【００３０】前記炊飯用および保温用ワークコイル１
０，１３には、マイクロコンピュータユニット（以下、
マイコンと略称する）５３からＩＧＢＴドライブ回路５
４，５５を経た指令によりそれぞれＯＮ／ＯＦＦ制御さ
れるパワートランジスタ３３，３３からの制御信号が与
えられることとなっている。

【００３１】前記マイコン５３は、所定のプログラムに
従ってパワートランジスタ３３，３３の制御を行い、こ
れによりワークコイル１０，１３、蓋ヒータ３１および
冷却ファン３５への通電を制御する。この通電制御は、
前記センターセンサ８内に内蔵されたサーミスタ５６か
ら温度センサー検知回路５７を経て出力される出力信号
に基づいて行なわれる。

【００３２】図３において、符号５８は各種スイッチ群
（例えば、炊飯スイッチ、予約スイッチ、保温スイッチ
等）、５９は液晶表示部である。

【００３３】ついで、図４に示すフローチャートおよび
図５に示すタイムチャートを参照して、上記構成の電気
炊飯器における冷却ファン制御について詳述する。

【００３４】ステップＳ１において炊飯が終了した（即
ち、蒸らし工程が終了した）か否かの判定がなされ、こ
こで否定判定されている間（即ち、炊飯工程中におい
て）は、ステップＳ２およびステップＳ３においてソレ
ノイド４４がＯＦＦ状態（即ち、非励磁状態）とされ、
冷却ファン３５が駆動される。すると、ダンパ４３が開
口部４２を開放して該開口部４２の下流側におけるダク
ト３９内通路を閉止するので、冷却ファン３５から吐出
される空気流Ｗは、ダクト３９から開口部４２を経て炊
飯器本体１内の空間部４に流れることとなり、該空気流
Ｗによりダクト３９に接触しているパワートランジスタ
３３および整流用ダイオードブリッジ３４が冷却され
る。

【００３５】ステップＳ１において肯定判定されると
（即ち、炊飯工程が終了したと判定されると）、ステッ
プＳ４においてソレノイド４４が励磁され、ステップＳ
５においてセンタセンサー８により検出された内鍋３の
温度Ｔが入力され、ステップＳ６において冷却ファン３
５が駆動される。すると、ダンパ４３が開口部４２を閉
止して該開口部４２の下流側におけるダクト３９内通路
を開放するので、冷却ファン３５から吐出される空気流
Ｗは、ダクト３９から接続パイプ４１および空気吹出口
４０を経て内鍋３と保護枠６との間の隙間Ｓに供給され
ることとなり、該空気流Ｗにより内鍋３が冷却される
（換言すれば、ご飯が冷却される）。

【００３６】そして、ステップＳ７において内鍋温度Ｔ
と設定温度（例えば、保温設定温度）Ｔｓ（図５参照）
との比較がなされ、ここでＴ＞Ｔｓと判定されている間
は、上記したご飯の冷却が継続されるが、Ｔ≦Ｔｓと判
定されると、ステップＳ８に進み、冷却ファン３５が駆
動停止され、その後ステップＳ９において保温工程に移
行される。従って、炊飯終了後において内鍋温度Ｔが保
温設定温度Ｔｓになるまでの間ご飯が冷却されることと
なり、ご飯の劣化が最も激しい１００℃近辺から８５〜
８０℃の高温帯を素早く通過させることができる。な
お、炊飯工程の終了は、例えば炊き上げ完了時ｔａから
所定時間ｔｂが経過したことにより決定される（図５参
照）。

【００３７】上記したように、本実施の形態において
は、ワークコイル１０，１３への給電を制御する電子部
品（例えば、パワートランジスタ３３および整流用ダイ
オードブリッジ３４）（あるいは内鍋３内のご飯）を冷
却するための冷却ファン３５を、前記内鍋３内のご飯
（あるいは電子部品）を冷却するための冷却ファンとし
ても作用させるようにしているので、電子部品（あるい
はご飯）を冷却するための冷却ファン３５を用いてご飯
（あるいは電子部品）の冷却を行うことができることと
なり、部品点数が減少して製品のコンパクト化を図るこ
とができるとともに、製品コストも低減する。

【００３８】第２の実施の形態 図６および図７には、本願発明の第２の実施の形態にか
かる電気炊飯器が示されている。

【００３９】この場合、パワートランジスタ３３および
整流用ダイオードブリッジ３４を備えた電源基板３２
は、炊飯器本体１内の空間部４における底部に配置され
ている。また、冷却ファン３５は、炊飯器本体１内の側
方部位（例えば、ヒンジ受け１９側）おける空間部４の
底部に配置されている。該冷却ファン３５におけるファ
ンケーシング３８の吐出口３８ａは、図７に示すよう
に、前記電源基板３２側に向けられており、該吐出口３
８ａには、前記電源基板３２に向かって延びる水平ダク
ト６０が接続されている。該水平ダクト６０の途中に
は、保護枠６の上部に形成された空気吹出口４０に接続
される分岐ダクト６１が分岐形成されている。また、前
記分岐ダクト６１の分岐部には、水平ダクト６０内通路
あるいは分岐ダクト６１の入口開口を選択的に開閉作動
する通路切換手段として作用するダンパ４３が設けられ
ている。該ダンパ４３は、前記分岐ダクト６１に支持さ
れた駆動手段であるソレノイド４４により開閉作動され
ることとなっている。つまり、ソレノイド４４の励磁に
より作動ピン４５が前記ダンパ４３の操作部４３ａを押
し下げてダンパ４３により分岐ダクト６１の開口部が閉
止され、ソレノイド４４の非励磁により作動ピン４５が
上昇すると、ダンパ４３が自重により水平ダクト６内通
路を閉止することとなっているのである。なお、前記ソ
レノイド４４は、炊飯工程終了時に通電励磁されること
となっている。

【００４０】本実施の形態においては、前記水平ダクト
６０により冷却ファン３５からの吐出空気流Ｗを給電制
御用の電子部品（即ち、パワートランジスタ３３および
整流用ダイオードブリッジ３４）を冷却するために導く
第１の送風通路Ａが構成され、前記分岐ダクト６１によ
り冷却ファン３５からの吐出空気流Ｗを内鍋３内のご飯
を冷却するために導く（換言すれば、内鍋３と保護枠６
との隙間Ｓに導く）第２の送風通路Ｂが構成されること
となっているのである。

【００４１】その他の構成および作用効果は、第１の実
施の形態におけると同様なので説明を省略する。

【００４２】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、磁性体材料か
らなる内鍋を収納できるように内周面を保護枠により構
成された炊飯器本体と、該炊飯器本体の蓋体と、前記内
鍋に渦電流を発生させる電磁誘導コイルと、該電磁誘導
コイルへの給電を制御する電子部品を冷却するための冷
却ファンとを備えた電気炊飯器において、前記冷却ファ
ンの吐出口から吹き出された送風を前記電子部品を冷却
するために導くダクト形状の第１送風通路と、前記冷却
ファンの吐出口に接続されたダクトおよび該ダクトの上
端と前記保護枠の上部に形成された空気吹出口とを接続
する接続パイプにより前記冷却ファンの吐出口から吹き
出された送風を前記保護枠と前記内鍋との間の隙間に導
くダクト形状の第２送風通路と、炊飯工程終了時に前記
第１送風通路への送風から前記第２送風通路への送風に
切り換える通路切換手段とを付設して、炊飯工程終了時
に通路切換手段を切換作動させることにより、電子部品
を冷却するためのダクト形状の第１送風通路への送風か
らご飯を冷却するためのダクト形状の第２送風通路への
送風に切り換えられるようにしたので、１個の冷却ファ
ンにより電子部品の冷却からご飯の冷却へと切り換えら
れることとなり、炊飯工程中における電子部品の過熱が
防止できるとともに、炊飯工程終了後におけるご飯の急
速冷却により美味しいご飯が得られるという効果があ
る。また、冷却ファンの吐出口からの送風は、炊飯工程
終了時にはダクト形状の第２送風通路を介して保護枠の
上部に形成された空気吹出口から該保護枠と内鍋との間
の隙間に導かれることとなっているため、該隙間への送
風が確実に行えるとともに、内鍋の温度を検知する温度
検知手段への悪影響を回避することができるという効果
もある。

【００４３】請求項２の発明におけるように、請求項１
記載の電気炊飯器において、前記第１送風通路を熱良導
体で構成し且つ該第１送風通路には前記電子部品を接触
させて配設した場合、第１送風通路からの放熱により電
子部品を効率的に冷却することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の第１の実施の形態にかかる電気炊飯
器の縦断面図である。

【図２】本願発明の第１の実施の形態にかかる電気炊飯
器における要部拡大断面図である。

【図３】本願発明の第１の実施の形態にかかる電気炊飯
器における電気回路図である。

【図４】本願発明の第１の実施の形態にかかる電気炊飯
器における送風制御のフローチャートである。

【図５】本願発明の第１の実施の形態にかかる電気炊飯
器における炊飯特性図である。

【図６】本願発明の第２の実施の形態にかかる電気炊飯
器の縦断面図である。

【図７】本願発明の第２の実施の形態にかかる電気炊飯
器の要部拡大断面図である。

【符号の説明】

１は炊飯器本体、２は蓋体、３は内鍋、４は空間部、６
は保護枠、１０は電磁誘導コイル（炊飯用ワークコイ
ル）、１３は電磁誘導コイル（保温用ワークコイル）、
３２は電源基板、３３はパワートランジスタ、３４は整
流用ダイオードブリッジ、３５は冷却ファン、３８ａは
吐出口、３９はダクト、４０は空気吹出口、４３は通路
切換手段（ダンパ）、Ａは第１の送風通路、Ｂは第２の
送風通路。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁性体材料からなる内鍋を収納できるよ
   うに内周面を合成樹脂製の保護枠により構成された炊飯
   器本体と、該炊飯器本体の蓋体と、前記内鍋に渦電流を
   発生させる電磁誘導コイルと、該電磁誘導コイルへの給
   電を制御する電子部品を冷却するための冷却ファンとを
   備えた電気炊飯器であって、前記冷却ファンの吐出口か
   ら吹き出された送風を前記電子部品を冷却するために導
   くダクト形状の第１送風通路と、前記冷却ファンの吐出
   口に接続されたダクトおよび該ダクトの上端と前記保護
   枠の上部に形成された空気吹出口とを接続する接続パイ
   プにより前記冷却ファンの吐出口から吹き出された送風
   を前記保護枠と前記内鍋との間の隙間に導くダクト形状
   の第２送風通路と、炊飯工程終了時に前記第１送風通路
   への送風から前記第２送風通路への送風に切り換える通
   路切換手段とを付設したことを特徴とする電気炊飯器。
2. 【請求項２】 前記第１送風通路を熱良導体で構成し且
   つ該第１送風通路には前記電子部品を接触させて配設し
   たことを特徴とする前記請求項１記載の電気炊飯器。