JP3498122B2 - 単板の塗工装置 - Google Patents

単板の塗工装置

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成好 小林
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株式会社ヒラノテクシード
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス板等の単板
の上面に塗工液を塗工する塗工装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ガラス板等の単板の上面に塗工液を塗工
する塗工装置としては、従来より図8に示すようなもの
が知られている。
【0003】この塗工装置100は、走行するベルト1
02の上に所定間隔毎に単板116を吸引して固定する
サクションテーブルが設けられている。そして、このサ
クションテーブル104の上方には、単板116の上面
に塗工液を塗工するコータヘッド106が設けられてい
る。
【0004】この塗工装置100で単板116の上面に
塗工液を塗工する場合には、コータヘッド106のコー
タロール108によって、第1塗工ロール110に塗工
液を塗工し、この第1塗工ロール110から第2塗工ロ
ール112に塗工液が塗工される。そして、この第2塗
工ロール112から単板116の上面に塗工液が塗工さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の塗工装置100
においては、サクションテーブル104毎に単板116
を載置して塗工液を塗工する必要があるため、複数枚の
単板116を連続して塗工することができなかった。す
なわち、サクションテーブル104を順番にベルト10
2の上に並べることにより、1つの単板116に塗工が
終わった後は、次のサクションテーブル104が塗工ロ
ール112の真下にくるまでその塗工を停止させる必要
があった。
【0006】また、一台のサクションテーブル104に
2枚以上の単板116を並べて連続して塗工することも
考えられるが、サクションテーブル104の大きさは限
られており、多数の単板116を連続して塗工すること
は困難であった。
【0007】さらに、サクションテーブル104の上に
単板116を連続して並べた場合には、単板116と単
板116との間に段差が生じ、この段差が第2塗工ロー
ル112に引っかかって、その搬送がうまくできないと
いう問題点もあった。
【0008】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、単板
を連続して塗工することができる塗工装置を提供するも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項の単板
の塗工装置は、ガラス板等の単板の上面に塗工液を塗工
する塗工装置において、複数の吸引孔が貫通し、前記単
板を載置して前方へ搬送するベルトと、前記ベルトの上
方に配され、その下部から塗工液を前記単板の上面に塗
工する塗工手段と、前記ベルトの下方に配され、前記複
数の吸引孔を通して前記単板を前記ベルトに吸引する吸
引手段と、前記ベルトの下方であって前記塗工手段の真
下近傍に配され、前記ベルトによって搬送される前記単
板を支持するバックアップロールとを有し、前記ベルト
上に、このベルトの進行方向に沿って複数枚の前記単板
が識別板をそれぞれ介して連続して載置され、前記ベル
トの上方には前記識別板を識別する識別手段が配され、
前記識別手段が前記識別板を識別した時に対応して前記
塗工手段の塗工を停止させ、この停止した時刻から所定
時間後に塗工を再開させる制御手段を有するものであ
る。
【0010】請求項の単板の塗工装置は、請求項1の
ものにおいて、前記塗工手段は、コータロールと、この
コータロールから塗工液を伝えて、前記バックアップロ
ールに支持された前記単板の上面へ塗工する塗工ロール
よりなるコータヘッドである。
【0011】請求項の単板の塗工装置は、請求項
ものにおいて、前記コータヘッドの前記塗工ロールは、
前記バックアップロールのやや前方に配されているもの
である。
【0012】請求項の単板の塗工装置は、請求項1の
ものにおいて、前記塗工手段は、ダイであり、前記ダイ
の下端部から塗工液を、前記バックアップロールに支持
された前記単板の上面へ吐出するものである。
【0013】請求項1の単板の塗工装置であると、単板
はベルトの上に、吸引手段によって吸引されて固定され
つつ搬送される。そして、単板が塗工手段の真下近傍に
来ると、バックアップロールに支持され、その支持され
た状態で塗工手段が塗工液を塗工するため、確実に塗工
することができる。
【0014】そして、制御手段は、識別手段が識別板を
識別した時に対応して塗工手段の塗工を停止させ、この
停止した時刻から所定時間後に塗工を再開させることに
より、複数枚の単板が識別板を介して連続して搬送され
た場合に、前記識別板の識別状態を利用して、1枚の単
板に必要な箇所のみ塗工を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】(第1の実施例) 以下、本発明の第1の実施例を図1〜図3に基づいて説
明する。
【0016】図1は本実施例の塗工装置10の一部欠載
斜視図であり、図2は側面図、図3は要部拡大側面図で
ある。
【0017】図面に示すように、金属製の無端ベルト1
2が、モータ13によって水平に前方から後方に走行し
ている。このベルト12には、複数の吸引孔14が貫通
している。そして、このベルト12の上をガラス板等の
単板16が載置されて搬送される。なお、ベルト12に
設けられている複数の吸引孔14はパンチングによって
形成する。
【0018】ベルト12の下方には、吸引孔14を通し
て単板16をベルト12に吸着するための吸引装置18
が設けられている。この吸引装置18は、不図示の真空
ポンプによってその上面に設けられている吸引口20か
ら空気を吸引する。図1の吸引口20は、長方形の孔と
なっているが、これ以外に円形の孔を多数設けたもので
もよい。
【0019】ベルト12の上方にはコータヘッド22が
設けられている。このコータヘッド22は、コータロー
ル24と、第1塗工ロール26と、第2塗工ロール28
とよりなる。
【0020】コータロール24の後部には、単板16の
幅方向に沿ってエッジ30が突出し、このエッジ30と
第1塗工ロール26との間に塗工液が溜まっている。そ
して、第1塗工ロール26とエッジ30との間を通過し
た塗工液は第1塗工ロール26の表面に沿って流れ、次
の第2塗工ロール28に流れる。この第2塗工ロール2
8の表面に流れた塗工液が、第2塗工ロール28の下方
を搬送される塗工板16の上面に塗工される。この第2
塗工ロール28は、弾力性のあるゴム製である。
【0021】第2塗工ロール28の下方で、かつ、ベル
ト12の下方には、図3に示すように、金属製のバック
アップロール32が設けられている。このバックアップ
ロール32は、第2塗工ロール28で単板16に塗工液
を塗工する場合に単板16を支持する。このバックアッ
プロール32と第2塗工ロール28との位置関係は、図
3に示すように、互いの回転軸28a、32aとの距離
が、Sだけ離れた状態である。Sとしては、例えば3m
mである。このようにSだけ回転軸28aと32aをず
らすのは、連続して並べられている単板16−1と後続
の単板16−2との間に段差が生じた場合であっても、
第2塗工ロール28がこの段差に引っかからないように
するためである。このように段差が生じるのは、単板1
6の厚さの誤差やベルト12のたわみ等が考えられる。
【0022】なお、このベルト12のたわみを防止する
ために、バックアップロール32の前後に支持ロール5
0、50が配され、ベルト12を水平になるように支持
している。
【0023】上記構成の塗工装置10の動作状態を説明
する。
【0024】複数枚の単板16を、図1に示すようにベ
ルト12の搬送方向に沿って連続して並べる。この場合
に、単板16と後続の単板16との間には隙間を設けな
い。ベルト12の上に載置された単板16は、吸引装置
18によってベルト12に吸着され固定されている。ベ
ルト12を前方に走行させると、単板16がコータヘッ
ド22の第2塗工ロール28の位置に搬送され、その上
面に塗工液が塗工される。この場合に、前記したように
バックアップロール32によって単板16は支持されて
いるため、その塗工は単板16の幅方向に沿って均一で
同じ厚さで塗工される。もし、バックアップロール32
が存在しない場合には、塗工時のベルト12のたわみに
より塗工厚さが一定しない。
【0025】単板16が連続して搬送されてくるため、
連続した塗工を途中で停止させる必要がない。
【0026】上記したように、単板16の厚さの誤差や
ベルト12のたわみにより、単板16と後続の単板16
との間に微少な段差が生じても、第2塗工ロール28と
バックアップロール32の回転軸28a,32aとはず
れているため、この段差を吸収することができ、単板1
6が第2塗工ロール28に引っかかることがない。
【0027】(第2の実施例) 本実施例と第1の実施例の異なる点は、塗工手段として
コータヘッド22の代わりにダイ34を図4のように配
置している点である。
【0028】すなわち、図4に示すように、バックアッ
プロール32の真上にダイ34の吐出口36を配置す
る。そして、不図示のポンプによって塗工液をダイ34
に供給し、このダイ34の吐出口36からバックアップ
ロール32に支持された単板16の上面に塗工液を塗工
する。
【0029】このダイ34の吐出口36の位置は、第1
の実施例の第2塗工ロール28とは異なり、バックアッ
プロール32の回転軸32aの真上に配置する。この理
由は、第2塗工ロール28は、ゴム製であっても単板1
6の上面に接した状態で塗工するのに対し、ダイ34の
吐出口36は、塗工厚さの分だけ単板16よりやや上方
に配されているため、単板16と後続の単板16との間
に微少な段差があっても、吐出口36に単板16が引っ
かかることがないからである。
【0030】しかしながら、安全のために、吐出口36
とバックアップロール32の回転軸32aを少しずらし
ていてもよい。
【0031】(第3の実施例) 第3の実施例を図5から図7に基づいて説明する。
【0032】本実施例と第1の実施例の異なる点は、第
1の実施例では単板16の上面に塗工液を全て塗工する
ものであったが、本実施例では、図7に示すように単板
16の上面に額縁状の余白を残して塗工液を塗工するも
のである。
【0033】このように額縁状の余白を残して塗工液を
単板16に塗工するために、次のような構成が付加され
ている。
【0034】まず、単板16の幅方向の塗工において
は、単板16の左右両側部に塗工液が塗工されないよう
にするために、第2塗工ロール28の塗工幅を、単板1
6の幅方向の塗工幅Hと一致させている。
【0035】次に、前後方向に余白を残すために次のよ
うな構成が設けられている。
【0036】連続して搬送される単板16,16との間
に識別板38が介されている。コータヘッド22の前方
には、識別板38を識別するためのセンサ40が設けら
れている。センサ40が識別板38を認識すると、マイ
コンよりなる制御部44がこの認識した時刻から所定時
間後にコータヘッド22を移動装置42によって上下動
させる。なお、移動装置42がコータヘッド22を上昇
させる場合には、コータロール24、第1塗工ロール2
6及び第2塗工ロール28の全てを移動させる。
【0037】上記構成の塗工装置10の動作状態につい
て説明する。
【0038】上記で説明したように、複数枚の単板16
を識別板38を介して並べ、ベルト12の上に搬送させ
る。この場合に各単板16及び識別板38は、吸引装置
18によってベルト12に吸引されている。
【0039】識別板38が、センサ40の下方にくる
と、センサ40がその識別板38を識別する。この場合
に、識別板38を識別する方法としては、その材質また
は色の差によって画像処理して判別することが考えられ
る。
【0040】センサ40が識別板38を識別してから、
制御部44がT1後に移動装置42を用いてコータヘッ
ド22を下降させ、塗工を開始する。このT1は、識別
板38が通過してから、単板16の上面に塗工を開始す
るまでの時間であり、この時間によって、図7に示すA
の寸法が決定される。そして、制御部44がT2の時間
だけ塗工を行い、その後移動装置42によって再びコー
タヘッド22を上昇させる。これによって、Bの寸法が
決定される。なお、前記したように、塗工幅Hは、第2
塗工ロール28の塗工幅Hと一致している。
【0041】移動装置42がコータヘッド22を上昇さ
せてから、センサ40が再び識別板38を識別すると、
制御部44は前記と同様にT1後に移動装置42によっ
てコータヘッド22を下降させ、塗工を行う。
【0042】上記の塗工装置10であると、塗工板16
の上に額縁状に塗工液を塗工し、この塗工も連続して行
うことができる。
【0043】(第4の実施例) 本実施例と、第3の実施例の異なる点は、コータヘッド
22の代わりにダイ34を用いている点にある。
【0044】この場合に、ダイ34の塗工を止めるに
は、ダイ34に塗工液を塗工するポンプの供給を停止さ
せればよい。
【0045】
【発明の効果】以上により本発明の単板の塗工装置であ
ると、ベルト上に連続して単板を配することにより、単
板の上面に連続して塗工液を塗工することができる。
【0046】また、識別板を単板の間に配することによ
り、単板の必要な箇所にのみ塗工液を塗工することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の塗工装置の一部欠載斜視図であ
る。
【図2】塗工装置の側面図である。
【図3】塗工装置の要部拡大側面図である。
【図4】第2の実施例の塗工装置の側面図である。
【図5】第2の実施例の塗工装置の斜視図である。
【図6】第2の実施例の塗工装置の側面図である。
【図7】額縁状に塗工された単板の平面図である。
【図8】従来の塗工装置の側面図である。
【符号の説明】
10 塗工装置 12 ベルト 14 吸引装置 16 単板 18 吸引装置 20 吸引口 22 コータヘッド 32 バックアップロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−257463(JP,A) 特開 平8−257464(JP,A) 特開 平9−253558(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 1/02 102 B05C 5/02 B05C 13/02 C03C 17/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス板等の単板の上面に塗工液を塗工す
    る塗工装置において、 複数の吸引孔が貫通し、前記単板を載置して前方へ搬送
    するベルトと、 前記ベルトの上方に配され、その下部から塗工液を前記
    単板の上面に塗工する塗工手段と、 前記ベルトの下方に配され、前記複数の吸引孔を通して
    前記単板を前記ベルトに吸引する吸引手段と、 前記ベルトの下方であって前記塗工手段の真下近傍に配
    され、前記ベルトによって搬送される前記単板を支持す
    るバックアップロールと、 を有し、 前記ベルト上に、このベルトの進行方向に沿って複数枚
    の前記単板が識別板をそれぞれ介して連続して載置さ
    れ、 前記ベルトの上方には前記識別板を識別する識別手段が
    配され、 前記識別手段が前記識別板を識別した時に対応して前記
    塗工手段の塗工を停止させ、この停止した時刻から所定
    時間後に塗工を再開させる制御手段を有することを特徴
    とする単板の塗工装置。
  2. 【請求項2】前記塗工手段は、 コータロールと、このコータロールから塗工液を伝え
    て、前記バックアップロールに支持された前記単板の上
    面へ塗工する塗工ロールよりなるコータヘッドであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の単板の塗工装置。
  3. 【請求項3】前記コータヘッドの前記塗工ロールは、前
    記バックアップロールのやや前方に配されていることを
    特徴とする請求項記載の単板の塗工装置。
  4. 【請求項4】前記塗工手段は、ダイであり、 前記ダイの下端部から塗工液を、前記バックアップロー
    ルに支持された前記単板の上面へ吐出することを特徴と
    する請求項1記載の単板の塗工装置。
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