JP3497227B2 - 電解コンデンサの駆動用電解液 - Google Patents

電解コンデンサの駆動用電解液

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解コンデンサの駆動
用電解液の改良に関するものであり、特に電解コンデン
サの寿命特性を改善する電解液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電解コンデンサは、エチレングリ
コールなどの多価アルコール類に、安息香酸アンモニウ
ムなどを溶解した電解液を使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる電解液
を使用した電解コンデンサは、長期間使用していると、
上記電解液の安息香酸アンモニウムがアミド化を起こし
てベンズアミドが生成し、副生産物として水が生じる。
そのためこの反応から生じた局在化した水と、陽極箔と
陰極箔の間でアルミニウムの水和反応が起こり、それに
よって特性の劣化が起こり、寿命が短くなる欠点があっ
た。特に近年の様に電解コンデンサの小型化と高温度領
域への使用範囲の拡大および長寿命化の要求のなかでま
すます上述の欠点が問題となってくる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するためエチレングリコールを主体とした溶媒に、
安息香酸アンモニウムと他の脂肪族カルボン酸、または
それらの塩の1種または2種以上を溶質とした電解液
に、ベンズアミドを添加したことを特徴とする電解コン
デンサの駆動用電解液である。またそのベンズアミドの
添加量は、0.1wt%〜10.0wt%であり、また
脂肪族カルボン酸が、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,7−
オクタンジカルボン酸、1,8−ノナンジカルボン酸、
デカンジカルボン酸であることを特徴とする電解コンデ
ンサの駆動用電解液である。
【0005】
【作用】安息香酸アンモニウムまたは安息香酸イオンと
アンモニウムイオンの共存する溶液中においては、高温
度中で安息香酸アンモニウムがアミド化を起こし、ベン
ズアミドと水が生成する。この反応式を下に示す。
【0006】
【化1】
【0007】上記反応は高温側でより活性になり短時間
に進行する。電解コンデンサの高温度での使用または長
時間の使用で電解液中でも上述の反応が進行し、陽極箔
および陰極箔の近傍での反応により、局在化した水によ
り両電極箔と水和反応が起こり、結果的に特性の劣化を
招く。また、上述の反応は平衡反応であるため、電解液
中にベンズアミドを添加することにより、上述の反応を
極端に少なくすることができ、両電極箔の水和を最小限
にとどめ電解コンデンサの寿命特性を改善するものであ
る。
【0008】本発明では種々検討の結果、ベンズアミド
の添加量は、0.1wt%〜10.0wt%の範囲で良
好であった。0.1wt%未満では水和反応抑制効果は
現れず、10.0wt%を超えると高温負荷試験におい
て容量減少が大きくtanδも大きくなる。
【0009】脂肪族カルボン酸は、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、1,7−オクタンジカルボン酸、1,8−ノナンジ
カルボン酸、デカンジカルボン酸が適している。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0011】表1に本発明に係る電解液(試料記号A、
B、C、D)と比較のための従来の電解液(試料記号
E、F)のそれぞれ電解液の組成比、及び同電解液の30
℃における比抵抗を示す。
【0012】
【表1】
【0013】また、表2には上記電解液(試料記号A、
B、C、D、E、F)を各々用いてアルミニウム電解コ
ンデンサを各10個製作し、その初期一般特性および1
05℃中で定格電圧印加の高温負荷試験を2000時間
行った結果を示す。コンデンサ試料は何れも定格200
V、100μFのアルミニウム電解コンデンサである。
【0014】
【表2】
【0015】従来の電解液(試料記号E、F)を使用し
たアルミニウム電解コンデンサは、高温負荷試験200
0時間後までに全数防爆弁作動状態となった。本発明に
係る電解液(試料記号A、B、C、D)を使用したアル
ミニウム電解コンデンサは、高温負荷試験2000時間
後でも異常はなく良好な結果となった。
【0016】高温負荷試験2000時間後の試料を分解
したが、従来の電解液(試料記号E、F)を使用したア
ルミニウム電解コンデンサは両極箔の水和反応が顕著で
あり、水和反応により内部圧力が上昇し、防爆弁が作動
したものであった。
【0017】本発明に係る電解液(試料記号A、B、
C、D)を使用したアルミニウム電解コンデンサの両極
箔には水和反応が見られなかった。
【0018】なお、上述の実施例の他、脂肪族カルボン
酸が、マロン酸、コハク酸、グルタン酸、1,7−オク
タンジカルボン酸、1,8−ノナンジカルボン酸、デカ
ンジカルボン酸についても試作し評価した結果同様な結
果が得られた。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明に係る電解コンデン
サ駆動用電解液を用いることにより電解コンデンサの1
05℃における高温負荷試験において、極めて安定な特
性を維持し、信頼性が高い電解コンデンサが得られ、工
業的ならびに実用的価値の大なるものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレングリコールを主体とした溶媒
    に、安息香酸アンモニウムと他の脂肪族カルボン酸、ま
    たはそれらの塩の1種または2種以上を溶質とした電解
    液に、ベンズアミドを添加したことを特徴とする電解コ
    ンデンサの駆動用電解液。
  2. 【請求項2】 上記ベンズアミドの添加量が、0.1w
    t%〜10.0wt%であることを特徴とする請求項1
    の電解コンデンサの駆動用電解液。
  3. 【請求項3】 上記脂肪族カルボン酸が、マロン酸、コ
    ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
    シン酸、1,7−オクタンジカルボン酸、1,8−ノナ
    ンジカルボン酸、デカンジカルボン酸である請求項1の
    電解コンデンサの駆動用電解液。
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