JP3496612B2 - 電子ボリューム回路 - Google Patents
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Description
ベル調整を行う電子ボリューム回路に係り、特に、低電
圧かつ単一電源駆動が可能な電子ボリューム回路に関す
る。
手動で回転式可変抵抗器のシャフトを回転させる従来の
ボリュームに、モータによってシャフトを回転させる機
能を付加し、リモートコントロールに対応させる場合が
ある。この種のボリュームは、普通、チャンネル数に応
じた数の回転式可変抵抗器を機械的に連動させている。
サラウンド用途などでチャンネル数が多くなると、それ
に応じて連動させる回転式可変抵抗器の数が多くなる。
連動させる数が多くなると、回転させるために大きなト
ルクを必要とし、モータ駆動の電力が大きくなると共に
外形も大きくなって好ましくない。また、連動させる回
転式可変抵抗器のそれぞれの特性を揃えることも困難に
なってくる。そこで、電子式によって音量調節を行う電
子ボリュームが開発され、実用化されている。
を示すブロック図である。この図において、符号1,2
は入力端子であり、入力信号Siが直流カット用のコン
デンサ4を介して印加される。6,6…はシリーズ接続
された同一抵抗値の抵抗、7はマルチプレクサである。
このマルチプレクサ7は、抵抗6,6…の接続点の電圧
を制御回路8からの8ビットの制御データに基づいて選
択し、増幅器9へ出力する。増幅器9は±5V電源によ
って駆動されるもので、マルチプレクサ7の出力を抵抗
10,11の値に従う増幅度で増幅し、出力端子12へ
出力する。制御回路8は端子13へ印加されるボリュー
ム制御データ(シリアルデータ)をパラレルデータに変
換し、マルチプレクサ7へ出力する。
来の電子ボリューム回路にあっては電源として±5Vが
必要であり、このため、単一電源に比較し電源回路が面
倒になると共に、回路をLSIによって作成する場合
に、作成工程が複雑になる欠点があった。この発明は、
このような事情を考慮してなされたもので、その目的
は、単一電源によって駆動することができ、したがって
単一電源用酸化膜,接合プロセスによってLSI作成が
できる電子ボリューム回路を提供することにある。
めに、請求項1に記載の発明は、1極性の電源によって
駆動され、その反転入力端へ加えられた2極性の入力信
号を減衰させると共に1極性信号に変換する演算増幅器
と、前記演算増幅器の帰還回路に挿入され、前記演算増
幅器の減衰度を外部から供給される信号に基づいて制御
する可変抵抗手段と、2極性の駆動電源によって駆動さ
れ、その反転入力端へ入力された前記演算増幅器の出力
とその非反転入力端の電圧との差を増幅すると共に2極
性の信号に変換して出力する差動増幅器と、前記演算増
幅器の非反転入力端および前記差動増幅器の非反転入力
端へそれぞれバイアス電圧を供給するバイアス調整手段
(図1における抵抗31〜33)とを具備することを特
徴とする。また、請求項2に記載の発明は、反転入力端
が前記可変抵抗手段の入力信号側端部に接続され、非反
転入力端が前記演算増幅器の出力端に接続された増幅器
と、前記増幅器の出力端および非反転入力端間に介挿さ
れた抵抗とをさらに設けたことを特徴とする。
または請求項2に記載の電子ボリューム回路において、
前記可変抵抗手段が、直列接続された複数の抵抗と、該
複数の抵抗の接続点の電圧を、外部から供給される信号
に基づいて選択する選択手段とを具備することを特徴と
する。
に記載の電子ボリューム回路において、前記第1の増幅
手段は反転増幅器として動作する演算増幅器を用いて構
成され、該演算増幅器の非反転入力端子がコンデンサを
介して前記入力信号の一端に接続されると共に一定の直
流電圧に接続され、前記第2の増幅手段は前記演算増幅
器の出力と該演算増幅器の非反転入力端子の信号との差
を増幅する差動増幅器として構成されていることを特徴
とする。また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請
求項4のいずれかの項に記載の電子ボリューム回路にお
いて、前記可変抵抗手段に流れる電流を分流させる第3
の増幅手段を設けたことを特徴とする。
施の形態について説明する。図1はこの発明の第1の実
施形態による電子ボリューム回路21の構成を示すブロ
ック図である。この図において、符号Siは最大±12
Vの振幅で変動する入力信号であり、この入力信号Si
の一方のラインが直流カット用のコンデンサ4を介して
入力端子1に接続され、他方のラインは接地されてい
る。また、入力端子2は安定用容量22を介して接地さ
れている。上記入力端子1には、抵抗24(値10K
Ω)の一端が接続され、抵抗24の他端が可変抵抗回路
25(値1.6KΩ)の一端aに接続されている。
に、シリアル接続された255個の抵抗r、r…と各抵
抗r、r…の接続点に一端が接続され、他端が共通接続
されたFETによるスイッチs、s…と各スイッチs、
s…をオン/オフ制御するデコーダ27とから構成され
ている。この場合、抵抗r、r…の合成抵抗値は1.6
KΩである。また、シリアル接続された抵抗の一端が端
子aに、他端が端子bに接続され、また、スイッチsの
共通接続点が端子cに接続されている。そして、デコー
ダの制御端子に8ビットのボリューム制御データが外部
から供給されると、同データに対応するスイッチsがオ
ンとなり、そのスイッチsの一端が接続されている点の
電圧が端子cへ出力される。
bは各々演算増幅器29の反転入力端および出力端に接
続されている。演算増幅器29は1電源(+5V)によ
って動作する演算増幅器であり、その非反転入力端は入
力端子2に接続されると共に、抵抗31(値11.6K
Ω)と抵抗32(値1.6KΩ)の接続点に接続されて
いる。また、抵抗31の他端は電源端子(+5V)に接
続され、抵抗32の他端は端子34に接続されると共に
抵抗33(値10KΩ)の一端に接続され、抵抗33の
他端が端子35に接続されている。
7(値1.6KΩ)の一端が接続され、抵抗37の他端
が端子41に接続されると共に抵抗38(値10KΩ)
の一端に接続され、抵抗38の他端が端子40に接続さ
れている。このような構成による電子ボリューム回路2
1の端子40,41,34に外付けの演算増幅器43の
出力端、反転入力端、非反転入力端を各々接続する。こ
の場合、演算増幅器43は±12V・2電源によって動
作する演算増幅器である。そして、端子35を接地し、
演算増幅器43の出力端と、端子35が接続された接地
との間に負荷44を接続する。このように接続すること
により、入力信号Siが±12Vの範囲で振れた時、負
荷44に印加される電圧を、外部から可変抵抗回路25
へ供給されるボリューム制御データに従って±0〜±1
2vで振らすことができる。
を説明する。まず、演算増幅器29の非反転入力端eの
電圧は、抵抗31の他端に+5Vが印加され、端子35
が接地されていることから、2.5Vとなり、したがっ
て、反転入力端の電圧(可変抵抗回路25の端子cの電
圧)も2.5Vとなる。いま、入力信号がピーク・ピー
クで±12Vの信号の場合、入力端子1の信号は上記入
力信号が反転入力端dの電圧によってシフトされ、 入力端子1=2.5V±12V となる。
を考察する。まず、端子cが端子aと接続された状態に
おいては、端子a=2.5Vとなり、入力信号Siが変
化しても一定である。一方、端子cが端子bと接続され
た状態においては、端子bの電圧が2.5Vとなること
から、入力端子1が(2.5V+12V)の時(2.5
V+1.66V)、入力端子1が(2.5V−12V)
の時(2.5V−1.66V)となる。すなわち、端子
aの電圧は、 c=a・・・a=2.5V(一
定) c=b・・・a=2.5±1.66V となる。
子cが端子bと接続された状態においては、2.5Vと
なり、入力信号Siが変化しても一定である。一方、端
子cが端子aと接続された状態においては、端子aの電
圧が2.5Vとなることから、入力端子1が(2.5V
+12V)の時(2.5V−1.92V)、入力端子1
が(2.5V−12V)の時(2.5V+1.92V)
となる。すなわち、演算増幅器29の出力電圧は、 c=a・・・29出力=2.5V±1.92V c=b・・・29出力=2.5V(一定) となる。
振れた時、演算増幅器29の出力は、可変抵抗回路25
の端子cを端子bに接続すると、すなわち、ボリューム
を最も絞ると、2.5V一定となり、一方、端子cを端
子aに接続すると、すなわち、ボリュームを最大とする
と、2.5±1.92Vの範囲で変化する。このよう
に、図1に示す電子ボリューム回路21は、入力信号S
iを、可変抵抗回路25へ印加されるボリューム制御デ
ータに応じたレベルまで減衰させ、かつ、1極性の信号
として出力する。
31,32と抵抗33とによって分割した電圧であるこ
とから、2.155Vとなり、この結果、端子41の電
圧も2.155Vとなる。したがって、演算増幅器29
の出力電圧が(2.5−1.9V)の時は、抵抗37が
1.6KΩ、抵抗38が10KΩであることを考慮する
と、演算増幅器43の出力電圧が+12Vとなる。ま
た、演算増幅器29の出力電圧が(2.5+1.9V)
の時は、演算増幅器43の出力電圧が−12Vとなる。
すなわち、可変抵抗回路25の端子cと端子aとが接続
された状態においては、演算増幅器43の出力電圧は、
入力端子1の電圧が(2.5+12V)の時→+12V
入力端子1の電圧が(2.5−12V)の時→−12V
となる。一方、可変抵抗回路25の端子cと端子bとが
接続された状態においては、演算増幅器43の出力電圧
が入力信号にかかわらず0となる。
号Siが±12Vの範囲で振動した時、演算増幅器29
の出力電圧は、可変抵抗回路25へ印加されるボリュー
ム制御データに応じて、2.5V±1.92Vの範囲で
変化し、また、演算増幅器43の出力電圧は、±0〜±
12Vの範囲で変化する。上述したように、図1の電子
ボリューム回路50は、5V単一電源で動作し、したが
って、5V単一電源用の酸化膜、接合プロセスによって
LSIの作成が可能である。また、通常の5V・LSI
の場合、入力端子に保護回路が設けられ、従って、入力
端に5V以上の高電圧をかけることができないが、図1
の構成は入力端子1に5V以上の電圧、例えば±12V
が印加されても、抵抗24、25によって減圧されるの
で、演算増幅器29に5V以上の電圧が印加される恐れ
がない。したがって、入力端子1に特別の保護回路を必
要とせず、結果として、入力端子1に±12Vをかける
ことが可能となる。また、上記構成によれば、電子ボリ
ュームのDC基準電圧を、0V基準の信号によってやり
とりすることができる。
を出力側に設ける一方、演算増幅器29の非反転入力端
を入力側に設けた端子2に接続し、その端子2をコンデ
ンサ22を介して交流的に接地している。このような構
成により、接地間抵抗によるノイズの発生を防ぐことが
できる利点が得られる。すなわち、図1において、出力
側接地点E1と入力側接地点E2は構成素子配置の関係
から同一点とはできず、必ず別の点となる。その場合、
設置点E1、E2間の僅かな接地抵抗に電流が流れ、雑
音電圧が誘起される。しかし、図1の構成によれば、誘
起された雑音が演算増幅器43の両入力端へ同相で乗る
ことになり、したがって、演算増幅器43の出力端にこ
の接地電流によるノイズが表れることはない。したがっ
て、上記の構成によれば、回路素子の配置設計時におい
て、接地間抵抗によるノイズを気にすることなく設計が
できる利点が得られる。
ば、0.5dB刻みで256段階(8ビット)のボリュ
ーム制御を行おうとすると、演算増幅器29のゲインと
して約−150dB必要である。しかし、実際に市売さ
れている演算増幅器は約−90dB位しかゲインがとれ
ず、したがって、図1の回路を市売の演算増幅器で構成
した場合、入力端子1から演算増幅器29の出力端に流
れ込むべき電流を十分流せない問題がある。そこで、以
下にこの点を改良した本発明の第2の実施形態について
説明する。
路50の構成を示す回路図であり、この図に示す電子ボ
リューム回路50が図1に示す電子ボリューム回路21
と異なる点は、増幅器51と、その非反転入力端と出力
端間に介挿された抵抗52とが設けられている点であ
る。この場合、増幅器51のゲインは、可変抵抗回路2
5の抵抗値をR1、抵抗52の抵抗値をR2とすると、
R2/R1となるように設定されている。
込む電流をi1、抵抗52を介して増幅器51に流れ込
む電流をi2とし、また、抵抗24と可変抵抗回路25
の接続点の電圧をV1、可変抵抗回路25と抵抗52の
接続点の電圧をV2、増幅器51の出力電圧をV3とす
ると、 V3−V2=(R2/R1)(V2−V1) V2−V1=−i1×R1 V3−V2=−i2×R2 なる関係が成り立ち、これらの3式から、 i2=i1 なる式が求められる。すなわち、図3の構成によれば、
入力端子1から流れ込む電流の主たる部分は増幅器51
に流れ込み(フィードフォワード制御)、従って、市売
の演算増幅器29によっても十分な制御が可能となる。
を示す回路図であり、この図において、60はゲイン1
の非反転増幅器として構成された演算増幅器、61、6
2は抵抗(値Rd、Re)、64は演算増幅器である。
そして、演算増幅器60の非反転入力端、演算増幅器6
4の非反転入力端が各々可変抵抗回路25の途中点P
1,P2に接続されている。そして、途中点P1から可
変抵抗回路25の端部までの抵抗値をRa、途中点P
1,P2間の抵抗値をRb、途中点P2から端部までの
抵抗値をRcとすると、抵抗61、62の値Rd、Re
が各々、 Re/Rd=(Rc+R1)/Rb なる関係を満たすように設定されている。例えば、 Ra=600Ω、Rb=300Ω、Rc=700Ω、R
d=6KΩ、Re=18KΩ に設定されている。これにより、図3において説明した
機能を達成することができる。なお、演算増幅器60,
64の各非反転入力端を可変抵抗回路25の両端ではな
く、途中点に接続している理由は、演算増幅器の同相入
力範囲は比較的狭く、このため、電圧を絞って印加する
必要があるからである。
ば、単一電源によって駆動することができ、したがって
単一電源用酸化膜,接合プロセスによってLSI作成が
できる効果が得られる。また、この発明によれば、接地
間抵抗に基づくノイズの影響を受けない利点が得られ
る。また、請求項3に記載の発明によれば、ゲインの低
い増幅器を用いて、高ゲインの、従って多段階のレベル
制御ができる利点が得られる。
図である。
を示す回路図である。
図である。
例を示す回路図である。
ロック図である。
回路、27…デコーダ、29、43、60、64…演算
増幅器、r…抵抗、s…スイッチ。
Claims (3)
- 【請求項1】 1極性の電源によって駆動され、その反
転入力端へ加えられた2極性の入力信号を減衰させると
共に1極性信号に変換する演算増幅器と、前記演算増幅器の帰還回路に挿入され、前記演算増幅器
の 減衰度を外部から供給される信号に基づいて制御する
可変抵抗手段と、2極性の駆動電源によって駆動され、その反転入力端へ
入力された前記演算増幅器の出力とその非反転入力端の
電圧との差を増幅すると共に2極性の信号に変換して出
力する差動増幅器と、 前記演算増幅器の非反転入力端および前記差動増幅器の
非反転入力端へそれぞれバイアス電圧を供給するバイア
ス調整手段と、 を具備することを特徴とする 電子ボリューム回路。 - 【請求項2】 反転入力端が前記可変抵抗手段の入力信
号側端部に接続され、非反転入力端が前記演算増幅器の
出力端に接続された増幅器と、前記増幅器の出力端およ
び非反転入力端間に介挿された抵抗とをさらに設けたこ
とを特徴とする請求項1に記載の電子ボリューム回路。 - 【請求項3】 前記可変抵抗手段は、直列接続された複
数の抵抗と、該複数の抵抗の接続点の電圧を、外部から
供給される信号に基づいて選択する選択手段とを具備し
てなる請求項1または請求項2に記載の電子ボリューム
回路。
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