JP3495290B2 - 蒸煮冷却方法及び装置 - Google Patents
蒸煮冷却方法及び装置Info
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Description
し、更に詳しくは食品、例えば肉類、魚類又は豆類など
を蒸煮し及びその後冷却する蒸煮冷却装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、食品を蒸煮室に入れて蒸し煮を
し、その後蒸煮室を減圧して冷却する調理機は、特開平
11−4760号公報に開示されており、既によく知ら
れている。この公開特許公報に開示された調理機の特徴
は、食品の蒸煮と冷却を別々な調理室で行っていた従来
装置の不便を解消するため、1つの調理室でこれを行う
ことができるようにしたことにある。 【0003】従って、この調理機では、蒸煮室内の食品
を蒸煮する際に、蒸気を蒸気供給源から蒸煮室に配管系
を通して直接供給していた。また、蒸煮室に蒸気を供給
して蒸煮を行う際には、大気圧の蒸煮室に蒸気を供給
し、蒸気が蒸煮室内に充満するのに伴って内部の空気を
排気していた。そして、この蒸煮室への蒸気の供給は蒸
気圧を調整することなく急速に吹き込むように構成され
ていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の調理機では、蒸気が蒸気供給源から配管系を介
して蒸煮室へ直接供給されていたことから蒸気にゴミや
錆などが混じることがあり、そのため蒸煮室内の食品を
汚染するという問題があった。 【0005】また、従来の調理機では、蒸煮室に食品を
収容して蒸煮を行う際に大気圧状態の蒸煮室に飽和蒸気
を供給する方法を採っていたため、蒸煮室全体に素早く
行き渡らず、蒸煮室内で温度差が生じて均一な加熱調理
が困難であるという問題があった。 【0006】更に、従来の調理機では、蒸煮室内の食品
を、蒸煮室内を減圧することにより食品の水分を蒸発さ
せ、その際の気化熱により冷却する方法を採っていたた
め、食品から発生した蒸気が蒸煮室の天板に結露となっ
て付着し、結露となった水滴がその後に食品に落下して
食品の品質を低下させるという問題があった。 【0007】更にまた、従来の調理機では、加熱調理し
た食品を減圧した蒸煮室内で冷却処理を行う時、蒸煮室
内の食品を監視することができず、そのため低温沸騰に
より食品の表面に亀裂が生じるなどの問題があった。 【0008】この発明の目的は、前述したような従来の
調理機における種々の問題を解決するためになされたも
ので、食品を衛生的に且つ均一に加熱すると共に食品の
品質を低下させないで蒸煮及び冷却を行うことができる
蒸煮冷却装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】この発明の蒸煮冷却装置
は、食品を収納して蒸煮及び冷却を行う調理室を備える
密閉可能な容器と、この容器の前記調理室内に蒸気を供
給する蒸気供給手段と、前記容器の前記調理室内を減圧
して、この調理室内に置いた食品を冷却する減圧手段
と、前記容器の前記調理室内を大気に連通する大気連通
手段と、前記容器の前記調理室内への蒸気の供給状態又
は減圧状態を制御する制御手段とから構成され、前記容
器には、前記調理室に食品を出し入れする入口を開閉す
る扉が設けられており、この開閉扉には、食品の蒸煮及
び冷却の状態を確認するための監視窓が設けられてお
り、前記蒸気供給手段は、一端が前記容器の調理室内に
連通し、他端が蒸気供給源に連通した給蒸管を備え、こ
の給蒸管には、蒸気供給源側を上流とし、前記容器側を
下流とすると、上流側から下流側に向かって蒸気精製装
置、蒸気圧力調整弁及び給蒸弁が順次設けられており、
前記減圧手段は、スチームエゼクタとゼットエゼクタと
を備え、前者のスチームエゼクタの長手方向通路の一端
入口部には、蒸気を供給する給蒸管の一端が接続され、
この給蒸管には給蒸弁が設けられると共にその他端は蒸
気供給源に接続されており、前記スチームエゼクタの一
端入口部に対向する他端出口部には配管の一端が接続さ
れ、この配管の他端は逆止弁を介してゼットエゼクタの
吸引口に接続されており、前記スチームエゼクタの吸引
口は、当該エゼクタの長手方向通路に対して直交方向に
設けられ、この吸引口には真空吸引管の一端が接続さ
れ、且つ他端は遮断弁を介して前記容器の調理室に連通
されており、他方、ゼットエゼクタの長手方向通路の一
端入口部には、水槽からポンプを介して伸長する冷水管
が接続され、前記一端入口部に対向する他端出口部に
は、水槽に冷却水を戻すための戻し管が接続されてお
り、水槽には給水管から水が供給され、この給水管には
水の供給と停止を行うための給水弁が設けられており、
前記大気連通手段は、調理室内に外気を取り入れて大気
圧にする吸気手段と、調理室内の空気を排出する排気手
段と、調理室内の蒸気や水を排出する排出手段とを備
え、前記吸気手段は、前記容器の調理室内に外気を取り
込むもので、一端が前記容器の調理室に連通し、他端が
フィルタ装置を介して大気に連通した吸気管を備え、こ
の吸気管の途中には調整弁が設けら れており、前記排気
手段は、一端が調理室と調整弁との間における吸気管に
接続された排気管を備え、この排気管には排気弁が設け
られており、前記排出手段は、調理室の底部に一端が接
続され、他端が大気に連通した排出管を備え、この排出
管には排出弁が設けられており、前記排出管には排出弁
より下流側即ち大気側において前記排気管の他端が接続
されており、前記制御手段は、前記大気連通手段、前記
蒸気供給手段及び前記減圧手段における各配管系に設け
られたバルブ即ち前記調整弁、前記排気弁、前記排出
弁、前記給蒸弁、前記遮断弁及び前記給水弁、並びに前
記ポンプを自動操作して前記容器の調理室内への蒸気の
供給状態又は減圧状態を制御自在とし、前記制御装置に
は、前記容器の調理室内に配置された温度センサ及び前
記調理室内の圧力を検知可能に設けられた圧力センサか
らの信号線が検出器を介して接続され、前記圧力センサ
と並列に配置された調整器からの信号線が接続されてお
り、前記容器に加熱器が取り付けられて、前記調理室の
天板に付着する結露を蒸発させることを特徴とする。 【0010】 【0011】 【0012】 【0013】この発明の蒸煮冷却装置によると、容器の
開閉扉を開けて調理室内に食品を入れた後に開閉扉を閉
めて調理室を密閉する。その後、食品を冷却する際に使
用する減圧手段を動かして調理室内を減圧し、内部の空
気を排気する。次いで、脱気された調理室に蒸気供給源
から蒸気を供給する。 【0014】その時、蒸気供給源から供給される蒸気
は、蒸気精製装置を通り、この蒸気精製装置で蒸気中に
含まれる塵埃が取り除かれ、清浄な蒸気が調理室に供給
される。しかも、清浄な蒸気を調理室に供給する時、圧
力調整装置によって蒸気の圧力を調整しながら徐々に供
給される。 【0015】これにより調理室内の食品は加熱即ち蒸煮
される。そして、所定時間経過後に調理室の蒸気が排気
される。その後、調理室は再び減圧され、この減圧によ
り食品から水分が急速に蒸発する。その際に発生した蒸
気は、基本的に調理室から排出されるが、一部の蒸気が
調理室の上部壁などに付着して結露となり、その水滴が
食品に落下することがある。 【0016】そのため、容器が加熱器により加熱され、
調理室内の壁に付いた結露が蒸発され、この蒸気も調理
室の外に排出される。このように調理室内を減圧するこ
とにより沸点が下がり、内部に置かれた食品に含まれる
水分が低温で蒸発し、その時の気化熱により食品が冷却
される。この結果、調理室内の食品は非常に衛生的に蒸
煮されると共に蒸気の回りが速いため均一な加熱処理が
なされ、また冷却時の結露による食品の品質低下を防ぐ
ことができる。 【0017】調理室内の食品が上述のようにして所定温
度まで冷却された後、調理室が大気圧に戻される。その
時、外気が吸気管を通って調理室内に入るが、外気はフ
ィルタ装置を通ってくるため塵埃などは取り除かれ、清
浄な空気が調理室に導入される。そのため、容器を減圧
することによって冷却した後の食品を調理室から取り出
す時の調理室への大気の導入による食品の汚染が防がれ
る。 【0018】 【発明の実施の形態】次に、この発明の蒸煮冷却装置を
図に示される実施形態について更に詳細に説明する。図
1にはこの発明の一実施形態に係る蒸煮冷却装置10が
示されている。この実施形態に係る蒸煮冷却装置10
は、内部に調理室11を形成した圧力容器12を備え、
この圧力容器12には調理室11に食品を出し入れする
入り口を開閉する扉13がヒンジ(図示せず)により取
り付けられている。 【0019】この開閉扉13は、これを閉鎖した時、調
理室11を完全に密閉することができる構造となってい
る。圧力容器12は角形又は丸形をはじめとしてどのよ
うな形でもよい。また、この圧力容器12は、労働基準
局及びボイラ・クレーン安全協会の検査に合格した第一
種圧力容器又は小型圧力容器であることが好ましい。 【0020】蒸煮冷却装置10は、前述した圧力容器1
2の調理室11内を大気に連通する大気連通手段15を
備えている。この大気連通手段15は、調理室11内に
外気を取り入れて大気圧にする吸気手段16と、調理室
11内の空気を排出する排気手段17と、調理室11内
の蒸気や水を排出する排出手段18とを備えている。 【0021】吸気手段16は、圧力容器12の調理室1
1内に外気を取り込むもので、一端が圧力容器12の調
理室11に連通し、他端がフィルタ装置16aを介して
大気に連通した吸気管16bを備え、この吸気管16b
の途中には調整弁16cが設けられて構成されている。 【0022】また、排気手段17は、一端が調理室11
と調整弁16cとの間における吸気管16bに接続され
た排気管17aを備え、この排気管17aには排気弁1
7bが設けられている。更に、排出手段18は、調理室
11の底部に一端が接続され、他端が大気に連通した排
出管18aを備え、この排出管18aには排出弁18b
が設けられている。この排出管18aには排出弁18b
より下流側即ち大気側において前述した排気管17aの
他端が接続されている。 【0023】更に、蒸煮冷却装置10は、圧力容器12
の調理室11内に蒸気を供給する蒸気供給手段19を備
えている。この蒸気供給手段19は、一端が圧力容器1
2の調理室11内に連通し、他端が蒸気供給源20に連
通した給蒸管19aを備え、この給蒸管19aには、蒸
気供給源20側を上流とし、圧力容器12側を下流とす
ると、上流側から下流側に向かって蒸気精製装置19
b、蒸気圧力調整弁19c及び給蒸弁19dが順次設け
られている。 【0024】更にまた、この蒸煮冷却装置10は、圧力
容器12の調理室11に配置された食品を冷却するため
の減圧手段21を備えている。この減圧手段21は、ス
チームエゼクタ22とゼットエゼクタ23とを備え、前
者のスチームエゼクタ22の長手方向通路の一端入口部
22aには蒸気を供給する給蒸管21aの一端が接続さ
れ、この給蒸管21aには給蒸弁21bが設けられると
共にその他端は蒸気供給源20に接続されている。 【0025】スチームエゼクタ22の一端入口部22a
に対向する他端出口部22bには配管21cの一端が接
続され、この配管21cの他端は逆止弁21dを介して
ゼットエゼクタ23の吸引口23cに接続されている。
スチームエゼクタ22の吸引口22cは当該エゼクタ2
2の長手方向通路に対して直交方向に設けられ、この吸
引口22cには真空吸引管21eの一端が接続され、且
つ他端は遮断弁21fを介して圧力容器12の調理室1
1に連通されている。 【0026】他方、ゼットエゼクタ23の長手方向通路
の一端入口部23aには、水槽24からポンプ25を介
して伸長する冷水管21gが接続され、またこの一端入
口部23aに対向する他端出口部23bには水槽24に
冷却水を戻すための戻し管21hが接続されている。 【0027】水槽24には給水管26から水が供給さ
れ、この給水管26には水の供給と停止を行うための給
水弁27が設けられている。また、水槽24の水面付近
にはオーバーフロー管28の一端が設けられ他端は排水
設備に接続又は開放されている。このオーバーフロー管
28には、一端が水槽24の底部に連通した排水管29
の他端が開閉弁30を介して接続されている。 【0028】この実施形態に係る蒸煮冷却装置10で
は、前述した大気連通手段15、蒸気供給手段19及び
減圧手段21における各配管系に設けられたバルブ即ち
調整弁16c、排気弁17b、排出弁18b、給蒸弁1
9d、21b、遮断弁21f及び給水弁27、並びにポ
ンプ25を自動操作して圧力容器12の調理室11内へ
の蒸気の供給状態又は減圧状態を制御する制御装置31
を備えている。 【0029】この制御装置31には、圧力容器12の調
理室11内に配置された温度センサ32及びこの調理室
11内の圧力を検知可能に設けられた圧力センサ33か
らの信号線34が検出器35を介して接続され、また圧
力センサ33と並列に配置された調整器36からの信号
線37も接続されている。 【0030】次に、前述した蒸煮冷却装置10の動作に
ついて説明する。最初に、加熱調理即ち蒸煮工程の動作
について説明する。圧力容器12の開閉扉13を開けて
調理室11に被蒸煮食品を入れ、開閉扉13を閉めて調
理室11を密閉する。そして、減圧手段21を利用して
調理室11内を減圧する。 【0031】すなわち、制御装置31は、減圧手段21
を構成する遮断弁21fを開けると同時にポンプ25を
作動させる。なお、この時給蒸弁21bはまだ閉じたま
まである。これにより水槽24内の冷水は、ポンプ25
により加圧されてゼットエゼクタ23の一端入口部23
aから他端出口部23bに向かって高速噴射される。 【0032】ゼットエゼクタ23の内部には拡散室(図
示せず)が形成されていて、この拡散室を通過する高速
冷水によって拡散室の空気が誘導され、ここが低圧部に
なる。言い換えれば、ゼットエゼクタ23に供給された
高速冷水が当該エゼクタ23内で運動エネルギーに変換
され、これにより拡散室に一端が連通された配管21c
から空気が吸い込まれる。 【0033】この配管21cは、逆止弁21d、スチー
ムエゼクタ22及び真空吸引管21eを介して圧力容器
12の調理室11内に連通しており、その結果圧力容器
12の調理室11内が減圧されて脱気される。この結
果、調理室11内に置かれた被蒸煮食品は空気と接触し
ていないため、空気中の酸素によって酸化する褐変現象
を防ぐことができる。 【0034】次いで、調理室11内が所定圧力まで減圧
されて脱気された後、制御装置31は、遮断弁21fと
給蒸弁21bとを閉鎖する。そして、蒸気供給手段19
の給蒸弁19dが開けられ、これにより蒸気供給源20
から蒸気が給蒸管19aを通って調理室11内に導入さ
れる。 【0035】その際、蒸気は蒸気精製装置19bを通
り、これによって当該蒸気に含まれる塵埃が除去されて
清浄な蒸気とされ、且つ蒸気圧力調整弁19cにより圧
力が調整される。このような蒸気は給蒸弁19dを徐々
に開けることにより、調理室11内にゆっくりと供給さ
れる。 【0036】このようにして圧力容器12の調理室11
内に所定圧力の清浄な蒸気が徐々に供給されると、調理
室11内に残存していた空気は開放されている排気弁1
7bを通り且つ排気管17aを通って大気に排気され
る。調理室11内における大部分の空気は既に脱気され
ているため、蒸気は空気に妨げられることなくまんべん
なく調理室11全体に行き渡り、温度ムラの発生を防ぐ
ことができる。 【0037】圧力容器12の調理室11に徐々に蒸気が
供給されて加圧されると、これに伴って調理室11内に
設置された温度センサ32が被蒸煮食品の温度の上昇を
検知して調整器36を介して制御装置31に検出信号を
供給する。同時に、調理室11内の圧力は、圧力センサ
33で検知され、検出器35を介して制御装置31にそ
の出力信号が供給される。 【0038】温度センサ32と圧力センサ33からの出
力信号を受けて、制御装置31が調理室11内に蒸気が
まんべんなく充填されたことを判断すると、排気弁17
bを閉鎖すると共に給蒸弁19dを開け続けて蒸気を更
に供給し、調理室11内を所定温度に保ち続ける。 【0039】このようにして調理室11内の被蒸煮食品
への蒸気による所定時間の加熱が終了すると、制御装置
31は給蒸弁19dを閉鎖すると共に排出弁18bを開
放して調理室11内の蒸気を大気に排出する。このよう
に制御装置31は、調理室11内の被蒸煮食品の温度と
調理室11内の圧力とによって、給蒸弁19d、排気弁
17b及び排出弁18bのそれぞれを適時に開閉操作し
て蒸煮調理工程を自動的に実施する。 【0040】次に、圧力容器12の調理室11内で蒸気
を供給することにより蒸煮された食品を引き続いてその
調理室11内で冷却する工程について説明する。調理室
11内の蒸気が排出手段18の排出弁18bを開放して
大気に排出されると、制御装置31は排出弁18bを閉
鎖する。その後、制御装置31は、再び、蒸気供給手段
21の遮断弁21fを開放すると同時にポンプ25を作
動させる。なお、この時も給蒸弁21bはまだ閉じたま
まである。 【0041】これにより水槽24内の冷水は、ポンプ2
5により加圧されてゼットエゼクタ23の一端入口部2
3aから他端出口部23bに向かって高速噴射される。
既に説明したように、ゼットエゼクタ23に供給された
高速冷水は当該エゼクタ23内で運動エネルギーに変換
され、これにより配管21cから空気が吸い込まれ、逆
止弁21d、スチームエゼクタ22及び真空吸引管21
eを介して圧力容器12の調理室11内が負圧即ち減圧
される。 【0042】調理室11の減圧状態は、調理室11内に
取り付けた温度センサ32、圧力センサ33、検出器3
5、及び調節器36等からの出力信号を受け続けている
制御装置31により逐次検出されている。なお、圧力容
器12の開閉扉13には、監視窓14が設けられ、この
監視窓14から内部を監視して調理室11内の食品の状
態を直接監視することもできる。 【0043】圧力容器12の調理室11内が所定の圧力
(負圧)になった時点で、制御装置31は給蒸弁21b
を開放する。これにより蒸気供給源20から蒸気がスチ
ームエゼクタ22へ供給され、その一端入口部22aか
ら対向する他端出口部22bに向かって高速で通過す
る。 【0044】スチームエゼクタ22の内部にも拡散室
(図示せず)が形成されていて、この拡散室を通過する
高速の蒸気によって拡散室の空気が誘導され、これによ
り拡散室に一端が連通された真空吸引管21eの他端か
らは空気が更に吸い込まれ、その結果圧力容器12の調
理室11内が高真空状態となる。 【0045】スチームエゼクタ22を通過した蒸気は、
ゼットエゼクタ23の吸引口23cからその内部に入
り、一端入口部23aから他端出口部23bに向かって
噴射されている高速冷水と混合して急速に凝縮される。
蒸気がゼットエゼクタ23内で冷やされて凝縮されると
その体積が急激に小さくなるため、ゼットエゼクタ23
の吸引口23cから蒸気が更に吸引される。 【0046】その結果、スチームエゼクタ22内を通る
蒸気の流速が速まって、真空吸引管21eからの空気の
吸引力も高くなり調理室11内の減圧が短時間で高ま
る。ゼットエゼクタ23で高速冷水と混合されて復水と
なり、当該ゼットエゼクタ23から排出されて水槽24
に戻り、不純物はオーバーフロー管28から排出され、
また水槽24への補給水は給水弁27を開けて給水管2
6から給水される。 【0047】このようにして圧力容器12の調理室11
内が減圧されると沸点が下がるため、調理室11内に配
置された食品に含まれている水分は低温蒸発をして、真
空吸引管21eから吸引排出される。食品に含まれる水
分が蒸発する時には周囲の熱を奪う気化熱が発生するた
め食品自体の温度は水分の蒸発に伴って低下、即ち冷却
して行く。 【0048】この時、食品に含まれる水分が蒸発して圧
力容器12の調理室11内天井に結露となって付着する
ことがある。この結露をそのまま放置しておくと食品に
落下して食品の品質を低下させる恐れがある。そのた
め、圧力容器12の外側上部には電熱ヒータ38が取り
付けられている。勿論、この電熱ヒータ38の取付け位
置は、この部分に限定されるものではなく、調理室11
内の天井部に付着した結露を加熱により蒸気化できる適
宜の位置に取り付けることができる。 【0049】圧力容器12を前述したようにして減圧す
ることで調理室11内の食品が、その食品にあった所定
の温度まで冷却されると、温度センサ32や圧力センサ
33の状態を検知している検出器35からの出力信号を
受けている制御装置31がこのことを判断して、給蒸弁
21b及び遮断弁21fを瞬時に閉鎖すると共にポンプ
25の作動も停止する。 【0050】そして、大気連通手段15を構成している
吸気手段16の調整弁16cが開放され、これにより大
気がフィルタ装置16aから吸気管16bを介して調理
室11内に導入される。調理室11内に導入される大気
は、フィルタ装置16aを通ってくるため、吸気中に含
まれる塵埃等は除去され、従って清浄な空気が調理室1
1内に入る。その結果、調理室11内の食品が減圧解除
時に汚染される恐れはなく、食品の品質を保って圧力容
器12から取り出すことができる。 【0051】なお、本実施形態に係る蒸煮冷却装置10
では、制御装置31が温度センサ32や圧力センサ33
からの出力信号を基にして吸気手段16を構成している
調整弁16cの開閉を微小に制御するようにされてい
る。それにより、調理室11にきめ細かく流量制御され
た空気が送られ、その結果調理室11内の圧力を任意に
変えることができる。 【0052】また、上述した制御装置31による制御に
加えて、食品の蒸煮及び冷却の状態は開閉扉13に設け
た監視窓14でも確認できるため、食品の亀裂、崩れ、
吹きこぼれ等による食品の品質の低下を防ぎながら、食
品の素材に最も適した蒸煮及び冷却を行うこともでき
る。 【0053】 【発明の効果】以上説明したように、この発明の蒸煮冷
却装置によれば、調理室内に蒸気を供給する際に蒸気精
製装置を通し、また調理室を大気圧に戻す際に大気をフ
ィルタ装置を介して取り込むようにしているため調理室
内の食品の汚染を防いで衛生的に調理することができ
る。 【0054】また、この発明の蒸煮冷却装置によれば、
調理室内に蒸気を供給する際に予め調理室を減圧脱気し
た後に蒸気を供給するようにしているため、蒸気の回り
が速く、そのため食品を均一に加熱することができ、食
品の品質を低下させないで蒸煮及び冷却を行うことがで
きるなど優れた効果を奏する。更に、この発明の蒸煮冷
却装置によれば、加熱容器内に加熱器が取り付けられ
て、調理室の天板に付着する結露を蒸発させることがで
きるため、水滴が食品に落下して食品の品質の低下を招
くおそれがない。更にまた、この発明の蒸煮冷却装置に
よれば、圧力容器には、調理室に食品を出し入れする入
口を開閉する扉が設けられており、この開閉扉には、食
品の蒸煮及び冷却の状態を確認するための監視窓が設け
られているため、この監視窓から内部を監視して調理室
内の食品の蒸煮及び冷却の状態を直接監視することがで
き、食品の亀裂、崩れ、吹きこぼれ等による食品の品質
の低下を防ぎながら、食品の素材に最も適した蒸煮及び
冷却を行うことができる。
略的に示す構成説明図である。 【符号の説明】 10 蒸煮冷却装置 11 調理室 12 圧力容器 13 開閉扉 14 監視窓 15 大気連通手段 16 吸気手段 16a フィルタ装置 16b 吸気管 16c 調整弁 17 排気手段 17a 排気管 17b 排気弁 18 排出手段 18a 排出管 18b 排出弁 19 蒸気供給手段 19a 給蒸管 19b 蒸気精製装置 19c 蒸気圧力調整弁 19d 給蒸弁 20 蒸気供給源 21 減圧手段 21a 給蒸管 21b 給蒸弁 21c 配管 21d 逆止弁 21e 真空吸引管 21f 遮断弁 21g 冷水管 21h 戻し管 22 スチームエゼクタ 22a 一端入口部 22b 他端出口部 22c 吸引口 23 ゼットエゼクタ 23a 一端入口部 23b 他端出口部 23c 吸引口 24 水槽 25 ポンプ 26 給水管 27 給水弁 28 オーバーフロー管 29 配水管 30 開閉弁 31 制御装置 32 温度センサ 33 圧力センサ 34 信号線 35 検出器 36 調節器 37 信号線
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 食品を収納して蒸煮及び冷却を行う調理
室を備える密閉可能な容器と、この容器の前記調理室内
に蒸気を供給する蒸気供給手段と、前記容器の前記調理
室内を減圧して、この調理室内に置いた食品を冷却する
減圧手段と、前記容器の前記調理室内を大気に連通する
大気連通手段と、前記容器の前記調理室内への蒸気の供
給状態又は減圧状態を制御する制御手段とから構成さ
れ、前記容器には、前記調理室に食品を出し入れする入口を
開閉する扉が設けられており、この開閉扉には、食品の
蒸煮及び冷却の状態を確認するための監視窓が設けられ
ており、 前記蒸気供給手段は、一端が前記容器の調理室内に連通
し、他端が蒸気供給源に連通した給蒸管を備え、この給
蒸管には、蒸気供給源側を上流とし、前記容器側を下流
とすると、上流側から下流側に向かって蒸気精製装置、
蒸気圧力調整弁及び給蒸弁が順次設けられており、 前記減圧手段は、スチームエゼクタとゼットエゼクタと
を備え、前者のスチームエゼクタの長手方向通路の一端
入口部には、蒸気を供給する給蒸管の一端が接続され、
この給蒸管には給蒸弁が設けられると共にその他端は蒸
気供給源に接続されており、前記スチームエゼクタの一
端入口部に対向する他端出口部には配管の一端が接続さ
れ、この配管の他端は逆止弁を介してゼットエゼクタの
吸引口に接続されており、前記スチームエゼクタの吸引
口は、当該エゼクタの長手方向通路に対して直交方向に
設けられ、この吸引口には真空吸引管の一端が接続さ
れ、且つ他端は遮断弁を介して前記容器の調理室に連通
されており、他方、ゼットエゼクタの長手方向通路の一
端入口部には、水槽からポンプを介して伸長する冷水管
が接続され、前記一端入口部に対向する他端出口部に
は、水槽に冷却水を戻すための戻し管が接続されてお
り、水槽には給水管から水が供給され、この給水管には
水の供給と停止を行うための給水弁が設けられており、 前記大気連通手段は、調理室内に外気を取り入れて大気
圧にする吸気手段と、調理室内の空気を排出する排気手
段と、調理室内の蒸気や水を排出する排出手段とを備
え、前記吸気手段は、前記容器の調理室内に外気を取り
込むもので、一端が前記容器の調理室に連通し、他端が
フィルタ装置を介して大気に連通した吸気 管を備え、こ
の吸気管の途中には調整弁が設けられており、前記排気
手段は、一端が調理室と調整弁との間における吸気管に
接続された排気管を備え、この排気管には排気弁が設け
られており、前記排出手段は、調理室の底部に一端が接
続され、他端が大気に連通した排出管を備え、この排出
管には排出弁が設けられており、前記排出管には排出弁
より下流側即ち大気側において前記排気管の他端が接続
されており、 前記制御手段は、前記大気連通手段、前記蒸気供給手段
及び前記減圧手段における各配管系に設けられたバルブ
即ち前記調整弁、前記排気弁、前記排出弁、前記給蒸
弁、前記遮断弁及び前記給水弁、並びに前記ポンプを自
動操作して前記容器の調理室内への蒸気の供給状態又は
減圧状態を制御自在とし、前記制御装置には、前記容器
の調理室内に配置された温度センサ及び前記調理室内の
圧力を検知可能に設けられた圧力センサからの信号線が
検出器を介して接続され、前記圧力センサと並列に配置
された調整器からの信号線が接続されており、前記容器
に加熱器が取り付けられて、前記調理室の天板に付着す
る結露を蒸発させる ことを特徴とする蒸煮冷却装置。
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