JP3494661B2 - 光位相共役を用いた光ファイバ通信システム並びに該システムに適用可能な装置及びその製造方法 - Google Patents

光位相共役を用いた光ファイバ通信システム並びに該システムに適用可能な装置及びその製造方法

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JP3494661B2
JP3494661B2 JP50782498A JP50782498A JP3494661B2 JP 3494661 B2 JP3494661 B2 JP 3494661B2 JP 50782498 A JP50782498 A JP 50782498A JP 50782498 A JP50782498 A JP 50782498A JP 3494661 B2 JP3494661 B2 JP 3494661B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は光位相共役を用いた光ファイバ通信システム
並びに該システムに適用可能な装置及びその製造方法に
関する。
背景技術 低損失なシリカ光ファイバが開発されたことにより、
光ファイバを伝送路として用いる光ファイバ通信システ
ムが数多く実用化されてきた。光ファイバそれ自体は極
めて広い帯域を有している。しかしながら、光ファイバ
による伝送容量は実際上はシステムデザインによって制
限される。最も重要な制限は、光ファイバにおいて生じ
る波長分散による波形歪みに起因する。光ファイバはま
た例えば約0.2dB/kmの割合で光信号を減衰させるが、こ
の減衰による損失は、エルビウムドープファイバ増幅器
(EDFA)を始めとする光増幅器の採用によって補償され
てきた。
しばしば単純に分散と称される波長分散は、光ファイ
バ内における光信号の群速度が光信号の波長(周波数)
の関数として変化する現象である。例えば標準的なシン
グルモードファイバにおいては、1.3μmよりも短い波
長に対しては、より長い波長を有する光信号がより短い
波長を有する光信号よりも速く伝搬し、その結果として
の分散は、通常、正常分散と称される。1.3μmよりも
長い波長に対しては、より短い波長を有する光信号がよ
り長い波長を有する光信号よりも速く伝搬し、その結果
としての分散は異常分散と称される。
近年、EDFAの採用による光信号パワーの増大に起因し
て、非線形性が注目されている。伝送容量を制限する光
ファイバの最も重要な非線形性は光カー効果である。光
カー効果は光ファイバの屈折率が光信号の強度に伴って
変化する現象である。屈折率の変化は光ファイバ中を伝
搬する光信号の位相を変調し、その結果信号スペクトル
を変更する周波数チャーピングが生じる。この現象は自
己位相変調(self−phase modulation:SPM)として知
られている。SPMによってスペクトルが拡大され、波長
分散による波形歪みが更に大きくなる。
このように、波長分散及びカー効果は、伝送距離の増
大に伴って光信号に波形歪みを与える。従って、光ファ
イバによる長距離伝送を可能にするためには、波長分散
及び非線形性は制御され、補償され或いは抑圧されるこ
とが必要である。
波長分散及び非線形性を制御する技術として、主信号
のための電子回路を含む再生中継器を用いたものが知ら
れている。伝送路の途中に例えば複数の再生中継器が配
置され、各々の再生中継器では、光信号の波形歪みが過
剰になる前に光/電気変換、再生処理及び電気/光変換
がこの順で行われる。しかし、この方法では、高価で複
雑な再生中継器が必要であるとともに、再生中継器が有
する電子回路が主信号のビットレートを制限するという
問題がある。
波長分散及び非線形性を補償する技術として、光ソリ
トンが知られている。与えられた異常分散の値に対して
精度よく規定された振幅、パルス幅及びピークパワーを
有する光信号パルスが発生させられ、それにより、光カ
ー効果によるSPMと異常分散とに起因するパルス圧縮
と、分散によるパルス拡がりとがバランスして、光ソリ
トンはその波形を維持したまま伝搬して行く。
波長分散及び非線形性を補償するための他の技術とし
て、光位相共役の適用がある。例えば、伝送路の波長分
散を補償するための方法がヤリフらによって提案されて
いる(A.Yariv,D.Fekete,and D.M.Pepper,Compensation
for channel dispersion by nonlinear optical phase
conjugation"Opt.Lett.,vol.4,pp.52−54,1979)。伝
送路の中間点で光信号が位相共役光に変換され、伝送路
の前半で受けた波長分散による波形歪みが伝送路の後半
の波長分散による歪みで補償される。
特に、2つの地点での電場の位相変化の要因が同じで
あり、その要因をもたらす環境変化が2地点の間の光の
伝搬時間内で緩やかであるとすれば、2地点の中間に位
相共役器(位相共役光発生装置)を配置することによっ
て、位相変化は補償される(S.Watanabe,“Compensatio
n of phase fluctua−tion in a transmission line by
optical conjugation"Opt.Lett.,vol.17,pp.1355−135
7,1992)。従って、位相共役器の採用によって、SPMに
起因する波形歪みも補償される。しかし、位相共役器の
前後で光パワーの分布が非対象である場合には、非線形
性の補償が不完全になる。
発明者は、先に、位相共役器を用いる場合に光パワー
の非対称性による補償の不完全さを克服するための技術
を提案した(S.Watanabe and M.Shirasaki,“Exact com
pensation for both chromatic dispersion and Kerr e
ffect in a transmission fiber using optical phase
conjugation"J.Lightwave Technol.,vol.14,pp.243−24
8,1996)。位相共役器は伝送路におけるその前後の分散
値又は非線形効果の総量が等しくなる点の近傍に配置さ
れ、その前後における種々のパラメータが微小区間毎に
設定される。しかし、位相共役器が伝送路の途中に配置
されるので、例えば伝送路を大陸間に敷設する場合に、
位相共役器は海底に沈めなければならないかもしれな
い。この場合、位相共役器の保守が困難になる。伝送路
のうち前半部分或いは後半部分を送信端局又は受信端局
内に配置し、伝送路の残りの半分を大陸間に敷設するこ
とが提案され得る。この場合、位相共役器は送信端局又
は受信端局内に設けることができるので、その保守は容
易である。しかし、この場合には、伝送路の前半部分と
後半部分とでパラメータの設定に偏りが生じ、補償が不
完全になるかもしれない。
本発明の目的は、2つ又はそれより多い位相共役器を
用いることにより波長分散及び非線形性を効果的に補償
することができる光ファイバ通信システムを提供するこ
とにある。
本発明の他の目的は、波長分散及び非線形性を補償す
るために位相共役器を伝送路の途中に配置する必要のな
い光ファイバ通信システムを提供することにある。
本発明の更に他の目的は以下の説明から明らかにな
る。
発明の開示 本発明によると、第1及び第2の位相共役器を有する
光ファイバ通信システムが提供される。第1の位相共役
器には第1の光ファイバにより信号ビームが供給され
る。第1の位相共役器は、信号ビームを第1の位相共役
ビームに変換して出力する。第1の位相共役ビームは第
2の光ファイバにより第2の位相共役器に供給される。
第2の位相共役器は第1の位相共役ビームを第2の位相
共役ビームに変換して出力する。第2の位相共役ビーム
は第3の光ファイバにより伝送される。第2の光ファイ
バの途中にシステム中間点が設定される。即ち、第2の
光ファイバは、第1の位相共役器及びシステム中間点の
間の第1の部分と、システム中間点及び第2の位相共役
器の間の第2の部分とからなる。第1の光ファイバの総
分散(波長分散の平均値及び長さの積)は第1の部分の
総分散と実質的に一致し、第2の部分の総分散は第3の
光ファイバの総分散に実質的に一致する。各パラメータ
の具体的な設計例は後述する。
このようなパラメータの設定によって波長分散及び非
線形性が効果的に補償される。また、2つの位相共役器
を用いてシステム中間点で波形歪みが最も小さくなるよ
うにしたので、位相共役器を伝送路の途中に配置する必
要がない。本発明によると、光カー効果だけでなく、ラ
マン効果等の他の非線形性も補償される。
望ましくは、第1、第2及び第3の光ファイバを含む
光路上には複数の光増幅器が設けられ、これにより長距
離の伝送が可能になる。各光増幅器で発生するノイズが
累積したとしても、本発明ではシステム中間点で光信号
の波形が一旦元に戻っているので、システム中間点の近
傍において光帯域通過フィルタにより有効にノイズを除
去することができる。即ち、本発明では、システム中間
点において信号スペクトルが元のように狭くなっている
ので、ノイズを除去するための狭い通過帯域を有する光
帯域通過フィルタの使用が可能になるのである。
図面の簡単な説明 図1は本発明の光ファイバ通信システムの基本構成を
示すブロック図; 図2は図1のシステムにおける補償の原理の説明図; 図3は実証実験で用いたシステムのブロック図; 図4はBER(ビットエラーレート)特性を示す図; 図5A乃至5Eは図3のシステムにおける波形の変化を説
明するための図; 図6は本発明に適用可能な位相共役器の構成例を示す
ブロック図; 図7は本発明の光通信システムの第1実施形態を示す
ブロック図; 図8は図7のシステムにおける光パワー等のダイアグ
ラムを示す図; 図9は本発明に適用可能な光増幅器のブロック図; 図10は本発明の光通信システムの第2実施形態を示す
ブロック図; 図11は本発明の光通信システムの第3実施形態を示す
ブロック図; 図12は本発明の光通信システムの第4実施形態を示す
ブロック図; 図13はファイバグレーティングを用いた分散補償器を
示す図; 図14は本発明の光通信システムの第5実施形態を示す
ブロック図; 図15は本発明の光通信システムの第6実施形態を示す
ブロック図; 図16は本発明の光通信システムの第7実施形態を示す
ブロック図; 図17A及び17Bは図16のシステムにおける分散パラメー
タの設計例を示す図; 図18A及び18Bは本発明が適用可能な光ネットワークの
例を示す図; 図19は本発明の光ファイバ通信システムの他の基本構
成を示すブロック図; 図20は本発明による非線形光学媒質の製造プロセスの
実施形態を示す図; 図21は本発明に適用可能な他の位相共役光発生器の構
成例を示す図; 図22は広い変換帯域を有する位相共役器によるWDM
(波長分割多重)信号光の一括変換を説明するための
図; 図23は波長変換及び位相共役変換が適用されるシステ
ムの実施形態を示す図; 図24は図23における波長帯の設定例を示す図; 図25は図23における波長帯の設定例を示す図; 図26は図23における分散配置の例を示す図; 図27は図6における位相共役器の改良例を示すブロッ
ク図; 図28Aは図27に示される光フィルタ152,154及び156の
特性を示す図;そして 図28B〜28Dは図27に示される位相共役器の各位置にお
いて観測されるスペクトルを示す図である。
発明を実施するための最良の態様 以下、添付図面を参照して本発明の望ましい実施の形
態を詳細に説明する。
図1を参照すると、本発明の光ファイバ通信システム
の基本構成が示されている。光送信機(OS)2は信号ビ
ームを出力する。第1の光ファイバ4は、信号ビームの
入力端及び出力端にそれぞれ相当する第1端4A及び第2
端4Bを有している。第2端4Bには第1の位相共役器(1s
t PC)6が動作的に接続されている。
この出願において、ある要素と他の要素とが動作的に
接続されるというのは、これらの要素が直接接続される
場合を含み、更に、これらの要素の間で光信号(又は電
気信号)の受渡しができる程度の関連性をもってこれら
の要素が設けられている場合を含む。
第1の位相共役器6は、第1の光ファイバ4から供給
された信号ビームを第1の位相共役器ビームに変換して
出力する。第2の光ファイバ8は、第1の位相共役ビー
ムの入力端及び出力端にそれぞれ相当する第3端8A及び
第4端8Bを有している。第4端8Bには第2の位相共役器
(2nd PC)10が動作的に接続される。第2の位相共役
器10は、第2の光ファイバ8から供給された第1の位相
共役ビームを第2の位相共役ビームに変換して出力す
る。第3の光ファイバ12は、第2の位相共役ビームの入
力端及び出力端にそれぞれ相当する第5端12A及び第6
端12Bを有している。第3の光ファイバ12によって伝送
された第2の位相共役ビームを受けるために、光受信機
(OR)14が設けられている。
第2の光ファイバ8の途中にはシステム中間点16が設
定される。システム中間点16は、例えば、波形歪みが最
も小さくなる点として定義され、その具体的な位置につ
いては後述する。第2の光ファイバ8は、第3端8A及び
システム中間点16の間の第1の部分81と、システム中間
点16及び第4端8Bの間の第2の部分82とからなる。
光ファイバ4,8及び12における各パラメータは、例え
ば次のようにして設定される。
まず、第1の光ファイバ4がN個(Nは1より大きい
整数)の区間4(#1,…,#N)に仮想的に分割され、
第2の光ファイバ8の第1の部分81も同じ数の区間81
(#1,…,#N)に仮想的に分割される。このとき、第
1の位相共役器6から数えて対応する2つの区間の波長
分散の平均値及び区間長の積が実質的に一致するように
される。即ち、第1の光ファイバ4において第1の位相
共役器6から数えてi(1≦i≦N)番目の区間4(#
i)の波長分散(又は分散パラメータ)の平均値及び区
間長をそれぞれD1i及びL1iとし、第2の光ファイバ8の
第1の部分81において第1の位相共役器6から数えてi
番目の区間81(#i)の波長分散(又は分散パラメー
タ)の平均値及び区間長をそれぞれD2i及びL2iとすると
きに、 D1iL1i=D2iL2i …(1) が満足される。更に、区間4(#i)における光パワー
の平均値及び非線形係数の平均値をそれぞれP1i及びγ
1iとし、区間81(#i)における光パワーの平均値及び
非線形係数の平均値をそれぞれP2i及びγ2iとするとき
に、 P1iγ1iL1i=P2iγ2iL2i …(2) が満足される。
一方、第2の光ファイバ8の第2の部分82がM個(M
は1より大きい整数)の区間82(#1,…,#M)に仮想
的に分割され、第3の光ファイバ12も同じ数の区間12
(#1,…,#M)に仮想的に分割される。このとき、第
2の光ファイバ8の第2の部分82において第2の位相共
役器10から数えてj(1≦j≦M)番目の区間82(#
j)の波長分散の平均値及び区間長をそれぞれD3j及びL
3jとし、第3の光ファイバ12において第2の位相共役器
10から数えてj番目の区間12(#j)の波長分散の平均
値及び区間長をそれぞれD4j及びL4jとするときに、 D3jL3j=D4jL4j …(3) が満足される。更に、区間82(#j)における光パワー
の平均値及び非線形係数の平均値をそれぞれP3j及びγ
3jとし、区間12(#j)における光パワーの平均値及び
非線形係数の平均値をそれぞれP4j及びγ4jとするとき
に、 P3jγ3jL3j=P4jγ4jL4j …(4) が満足される。
図1のシステムにおいては、第1の位相共役器6の前
後で波形歪みは一旦大きくなるが、(1)式及び(2)
式の条件により、システム中間点16において波長分散及
び非線形性が補償され、波形は一旦元の状態に戻る。こ
の回復した波形は再び第2の位相共役器10の前後で歪む
が、(3)式及び(4)式の条件により光受信機14にお
いては波長分散及び非線形性が補償された結果、波形は
再び元に戻る。
また、本発明のシステムは、海底等に敷設される可能
性のある第2の光ファイバ8についての長さ等のパラメ
ータの設定誤差に対して寛容である。即ち、システム中
間点16において例え波形が完全に元の状態に戻らないと
しても、この不完全性を第2の部分82、第2の位相共役
器10及び第3の光ファイバ12で再現することによって、
光受信機14において波形を実質的に完全に元に戻すこと
ができるのである。
図2を参照すると、波長分散及び非線形性の補償の原
理が示されている。ここでは、光送信機2からシステム
中間点16に至るまでの補償の原理が説明される。まず、
図2の説明に先立ち、位相共役波の一般的事項について
説明する。
光ファイバ伝送における光信号E(x,y,z,t)=F
(x,y)φ(z,t)exp〔i(ωt−kz)〕の伝搬は、一
般に以下の非線形波動方程式によって記述可能である。
ここに、F(x,y)は横方向のモード分布、φ(z,t)は
光の複素包絡線を表し、このφ(z,t)は光の周波数ω
に比べて十分にゆっくり変化すると仮定する。
ここに、T=t−β1z(βは伝搬定数)、αはファイ
バの損失、βはファイバの波長分散を表し、 は、3次の非線形係数(光カー効果の係数)を表す。こ
こに、n2とAeffはそれぞれファイバの非線形屈折率と有
効コア断面積を表す。cは真空中の光速である。ここで
は1次分散までを考慮し、それより高次の分散は省略し
た。また、α,β2,γはzの関数であるとし、それぞれ
α(z),β(z),γ(z)と表されるものとす
る。さらに、位相共役器の位置を原点(z=0)とす
る。ここで、以下の規格化関数を導入する。
φ(z,T)=A(z)u(z,T) …(7) ここに、 は、振幅を表し、α(z)>0の場合は伝送路が損失を
持ち、α(z)<0の場合は利得を持つことをそれぞれ
表す。A(z)≡A(0)は損失無しの場合を表す。ま
た、A(z)=P(z)は光パワーに相当する。
(7),(8)式を(5)式に代入すると、次の発展方
程式が得られる。
ここで以下の変換を行う。
その結果、(9)式は以下のように変換できる。
ここで、sgn[β]≡±1は、β>0,即ち正常分散
の場合には+1を、β<0,即ち異常分散の場合には−
1をそれぞれとる。(11)式が成り立てばその複素共役
も成り立ち、次の式が得られる。
複素共役光uはuに対する発展方程式と同じ発展方
程式に従う。ただし、その際の伝搬方向は反転する。こ
の動作はまさしく位相共役器の動作である。特に透過型
の位相共役器においては上記のことは波長分散とSPMと
による位相シフトを反転させることと等価である。
ここで、図2においては、第1の光ファイバ4の長さ
はL1であり、第2の光ファイバ8の第1の部分81の長さ
はL2であるとする。また、位相共役器6はz座標及びζ
座標の原点z=0(ζ=0)に配置される。システム中
間点16のz座標及びζ座標はそれぞれL2及びζであ
る。
第1の光ファイバ4においては、信号ビーム(u(E
s)は発展方程式(11)に従って伝搬する。位相共役器
6により信号ビームuは位相共役ビームu(Ec)に変
換される。位相共役ビームuは第2の光ファイバ8の
第1の部分81において発展方程式(12)式に従って伝搬
する。このときζ軸上の位相共役器6の位置(ζ=0)
に関して対称な位置にある任意の2点−ζ,ζにおける
規格化距離dζ内において、(11)式の右辺第一、二項
の係数が等しくなるように各パラメータの値を設定すれ
ば、−ζにおけるuはζにおけるuの位相共役波とな
る。即ち、次の2式が条件となる。
sgn[β(−ζ)]=sgn[β(ζ)] …(13) (13)式は第1の光ファイバ4及び第1の部分81の分散
の符号が等しい必要性を示している。ファイバ内では、
γ>0,A(z)>0であることを考慮すると、上記条
件は次のようにまとめることができる。
第1の光ファイバ4内の(−ζ)における波長分散と
SPMとによる位相シフトは位相共役器6により符号が反
転する。従って、この位相シフトによる波形歪みは第1
の部分81内の(ζ)における位相シフトによる歪みによ
り補償される。このように区間毎に上記のような設定に
よる補償を繰り返していけば、全長に渡る補償が可能と
なる。
次に、上記の補償条件をz座標で記述する。(15)式
より、 を得る。即ち、各区間内での非線形係数と光パワーの積
に対する波長分散の比を等しくすることが条件となる。
ここで、−z1,z2は次の式を満足させる2点である。
(16),(17)式より(18),(19)式が得られる。
β(−z1)dz1=β(z2)dz2 …(18) γ(−z1)A(−z12dz1 =γ(z2)A(z22dz2 …(19) dz1,dz2はそれぞれ−z1,z2における小区間の長さであ
り、各区間長は当該区間内の分散に反比例するかあるい
は非線形係数と光パワーの積に反比例する。ここで、分
散βと分散パラメータDの関係、D=−(2πc/
λ)βを考慮すれば、(18),(19)式より以下の
関係が得られる。Dはzの関数であり、D(z)とも表
される。
D(−z1)dz1=D(z2)dz2 …(20) γ(−z1)P(−z1)dz1 =γ(z2)P(z2)dz2 …(21) 分散及び非線形性について何れも位相共役器6に関して
対称な二つの位置の一方における増加分と他方における
減少分とが等しいことが補償の条件であることがわか
る。
(20),(21)式は、補償のための必要条件であり、
対応する2つの区間で総分散量とカー効果の総量とが等
しくなることを示している。即ち、(1)式乃至(4)
式の条件の有効性が確認された。
特にα,D及びγが実質的に一定であり且つパワーの変
動が小さい場合には(20),(21)式を積分すれば、 D1L1=D2L2 …(22) γ 1L1=γ 2L2 …(23) を得る。ここで、1,はそれぞれ第1の光ファイバ
4及び第1の部分81における平均パワーである。また、
D1はそれぞれ第1の光ファイバ4の分散パラメー
タ及び非線形係数又はそれらの平均値、D2はそれ
ぞれ第1の部分81の分散パラメータ及び非線形係数又は
それらの平均値である。(22),(23)式は分散補償及
び平均値近似によるSPMの補償法における条件と一致す
る。
実用的には、(22)式の条件を満足するだけでも本発
明を実施することができる。例えば、図1のシステムに
おいて、第1の光ファイバ4の波長分散の平均値及び長
さの積が第2の光ファイバ8の第1の部分81の波長分散
の平均値及び長さの積に実質的に一致するようにし、且
つ、第2の光ファイバ8の第2の部分82の波長分散の平
均値及び長さの積が第3の光ファイバ12の波長分散の平
均値及び長さの積に実質的に一致するようにするのであ
る。この設定により、波長分散による波形歪みが補償さ
れる。
望ましくは、更に(23)式の条件を満足するために、
第1の光ファイバ4における光パワーの平均値及び非線
形係数の平均値並びに第1の光ファイバ4の長さの積が
第1の部分81における光パワーの平均値及び非線形係数
の平均値並びに第1の部分81の長さの積に実質的に一致
するようにし、第2の部分82における光パワーの平均値
及び非線形係数の平均値並びに第2の部分82の長さの積
が第3の光ファイバ12における光パワーの平均値及び非
線形係数の平均値並びに第3の光ファイバ12の長さの積
に実質的に一致するようにする。この設定により、波長
分散による波形歪みに加えて非線形性による波形歪みも
補償される。
第1、第2及び第3の光ファイバ4,8及び12を含む光
路上に複数の光増幅器が設けられている場合には、これ
らのうちの隣り合う各2つの光増幅器の間隔を光路(光
ファイバ)の非線形長よりも短く設定するのが望まし
い。非線形長については後述する。
図2においては、システム中間点16の上流側における
補償の原理が示されている。システム中間点16の下流側
における補償の原理はこれと同じようにして理解するこ
とができるのでその説明を省略する。
図2による説明においては、(10)式に示されるよう
に、位相共役器6からの波長分散の累積値によって規格
化座標が定義されている。その結果、要求される条件
は、(15)式により示されているように、位相共役器6
からの波長分散の累積値が等しい第1の光ファイバ4及
び第1の部分81上の2点の各々における光パワー及び非
線形係数の積と波長分散との比が実質的に一致すること
である。
図2においては、位相共役器6からの非線形効果の累
積値(即ち光パワー及び非線形係数の積の累積値)によ
って規格化座標が定義されてもよい。この場合には、位
相共役器6からの当該累積値が等しい第1の光ファイバ
4及び第1の部分81上の2点の各々における波長分散と
光パワー及び非線形係数の積との比が実質的に一致する
ことが条件となる。
次に、図2の原理の有効性を実証するための実験の結
果について説明する。
図3を参照すると、実証実験で用いられたシステムの
ブロック図が示されている。
送信機(Transmitter)は図1の光送信機2に対応
し、ファイバ補償器(Fiber compensator)は図1の第
1の光ファイバ4に対応し、位相共役器(Phase conju
gator)は図1の第1の位相共役器6に対応し、分散シ
フトファイバ(DSF−1,2,・・・,46)及びエルビウムド
ープファイバ増幅器(EDFA1,2,・・・,45)は図1の第
2の光ファイバ8の第1の部分81に対応する。伝送特性
を測定するための受信機(Receiver)は図1のシステム
中間点16に設けられた。
送信機における光源としては、3電極λ/4シフト型の
DFB−LD(分布帰還型レーザダイオード)が二つ用いら
れた。時分割多重された20Gb/sの信号光ES(波長λ
1551nm)が、約40psのパルス幅(FWHM)を有する10Gb/s
の2チャネルのRZ信号を時分割多重することによって生
成された。10Gb/sのRZパルスを生成するために、第1の
LiNbO3変調器(LN−1)を用いて10−GHzの正弦波によ
りESを強度変調し、次いで第2のLiNbO3変調器(LN−
2)を用いて10Gb/sのNRZデータ信号(PN:223−1)に
よって強度変調を行った。変調されたESはパワーP1で二
段のDD−DCF1,2に入力され、これにより波形が予め補償
された。
ここで、「DD−DCF」は分散漸減型の分散補償ファイ
バ(dispersion−decreasing dispersion−compensati
ng fiber:DD−DCF)を表している。
DD−DCFの各々は5本のDCF(DCF−a,b,c,d,e)を互い
にスプライスして構成される。DD−DCFの各々の損失は
0.46dB/kmであり、DCFの各々のモードフィールド径は約
4μmに設定された。
(16)式の条件を近似的に満足するために、分散パラ
メータD1はDD−DCFの各々における平均光パワーの減少
に従って減少すべきである。そのために、5本のDCFの
各々の長さ及びD1は、表に示されるように設定された。
DD−DCFの各々の長さは13.7kmであり、各々の総分散は
−662.8ps/nmであった。
尚、DD−DCFの各々に入力する光のパワーをP1に設定
するために、二つの光増幅器がカスケード接続された。
次いで、位相共役器が、20kmのDSFにおける波長λ
=1554nmのポンプ光EPを用いた非縮退型のフォワードFW
M(四光波混合)によって、予め補償された(歪を与え
られた)ESをこれと同方向に伝搬する位相共役光EC(波
長λ=1557nm)に変換した。ESからECへの変換効率は
−12dBであった。
次いで、位相共役光ECは、カスケード接続された46本
のDSF(0.21dB/km損失)及びこれらの間に設けられる45
個のEDFA(各々の雑音指数は約6dB)からなる3036kmの
伝送路へ供給された。この伝送路のλにおける平均分
散は−0.44ps/nm/kmであった。従って、二段のDD−DCF
における総分散と上記伝送路における総分散との間の差
は約10ps/mであった。各DSFの長さは66kmであり、各DSF
への光入力パワーP2は+6dBmに設定された。
P1の最適値は上述の条件では+16dBmであった。DD−D
CFの非線形係数γは約18.0W-1km-1であると見積もら
れた。
誘導ブリユアン散乱(SBS)を抑圧するために、ES
びEPはそれぞれ500−kHz及び150−kHzの正弦波信号によ
り周波数変調された。受信機では、第3のLiNbO3変調器
(LN−3)及びフェイズロックループ(PLL)を用いる
ことによってECは時分割デマルチプレキシングされ、ビ
ットエラーレート(BER)が測定された。
比較のため、一つのDD−DCF及び23本のDSFを用いた15
18kmの伝送実験も行われた。
図4に測定されたBERの特性を示す。3036kmの伝送の
後であっても、10-9より小さいBERで信号の検出を行う
ことができた。10-9のBERにおける4.8dBのパワーペナル
ティは、EDFAの雑音等の理論値からのS/N劣化によるも
のであった。この実験ではλは各EDFAにおけるゲイン
ピークを与える波長λ≒1558.5nmから1.5nmほど離調
していた。もしλをλに一致させることができれ
ば、より高いS/N特性を得ることができる。1518kmの伝
送実験では、ペナルティは約1.2dBであった。
図5A〜5Eに3036km伝送実験における検出された波形の
変化の様子を示す。図5Aは送信機の出力波形、図5Bは位
相共役器の出力波形、図5Cは1518km伝送後の波形、図5D
は2706km伝送後の波形、図5Eは3036km伝送後の波形をそ
れぞれ示している。予めひずめられた波形がECの伝搬に
伴って次第に改善されていることが判る。図5Eにおける
波形歪みの残留は、不完全な補償条件によるものであっ
た。即ち、この実証実験では、EDFAの間隔(DSFの長さ;
66km)が非線形係数と光パワーの積の逆数で定義される
非線形長よりも十分に短くないことにより、波形の改善
が完全でなかったものである。
従って、本発明では、光増幅器を複数用いる場合に
は、これらの間隔を非線形長よりも短く設定することが
望ましい。
また、DD−DCFにおけるDCFの分割数を実験における5
よりも大きくすることによって、補償を更に改善するこ
とができる。
図1の光ファイバ4,8及び12の各々としてはシングル
モードのシリカファイバを用いることができる。光ファ
イバ通信において用いられるシリカファイバとしては、
1.3μm零分散ファイバや1.55μm分散シフトファイバ
等がある。
光送信機2における信号光の変調方式としては、光振
幅(強度)変調、周波数変調、位相変調その他の実施可
能なあらゆる変調方式が挙げられる。また、光受信機14
における信号検出は、光帯域フィルタによるフィルタリ
ングの後での光直接検波、或いは光ヘテロダイン検波に
より行うことができる。
位相共役器6及び10の各々は、2次又は3次の非線形
光学媒質と、この媒質をポンピングする手段とを有す
る。2次の非線形光学媒質が用いられている場合には、
パラメトリック効果により位相共役変換が行われ、ま
た、3次の非線形光学媒質が用いられている場合には、
縮退型或いは非縮退型の四光波混合により位相共役変換
が行われる。
3次の非線形光学媒質としては例えばシリカファイバ
を用いることができ、この場合、四光波混合におけるポ
ンプ光の波長をそのシリカファイバの零分散波長にほぼ
一致させておくことにより、良好な位相共役変換がなさ
れる。シリカファイバを用いた位相共役器は、高速性、
広帯域性、低歪み性、及び伝送路との整合性において優
れている。
3次の非線形光学媒質として、半導体光増幅器(SO
A)を用いることもできる。SOAを用いた位相共役器は広
帯域性及び小型化の面で優れている。
3次の非線形光学媒質として分布帰還型レーザダイオ
ード(DFB−LD)それ自信を用いることもできる。電流
注入によってDFB−LDがポンプ光を生成し、四光波混合
によって位相共役変換が行われる。従って、外部のポン
プ光源が不要である。DFB−LDを用いた位相共役器は広
帯域性及び小型化の面で優れている。DFB−LDを用いた
位相共役器の詳細については、文献(H.Kuwatsuka,H.Sh
oji,M.Matsuda and H.Ishikawa,“THe freuency conver
sion using nondegenerate four−wave mixing process
in a lasing long−cavity λ/4−shifted DFB lase
r"Electron.Lett.,vol.31,pp.2108−2110,1995)を参照
されたい。
2次の非線形光学媒質としてはLiNbO3やAlGaAs等から
なる光導波路を用いることができる。この光導波路を用
いた位相共役器は、疑似位相整合構造の採用により良好
な位相整合を可能にすると共に、広帯域性において優れ
ており、また位相共役ビームの抽出が容易である。これ
に関しては、例えば、文献(C.Q.Xu,H.Okayama and M.K
awahara,“1.5μm band efficient broadband waveleng
th conversion by difference frequency generation i
n a periodically domain−inverted LiNbO3 channel w
aveguide"Appl.Phys.Lett.,vol.63,No.26,pp.3559−356
1,1993)を参照されたい。
図6を参照すると、図1の位相共役器6及び10の各々
として用いることができる位相共役器が示されている。
この位相共役器は、3次の非線形光学媒質としての光フ
ァイバ18と、ポンプ光源としてのレーザダイオード(L
D)20と、入力ビーム及びポンプ光を加え合わせて光フ
ァイバ18に供給するための光カプラ22とを備えている。
光ファイバ18は望ましくはシングルモードファイバで
ある。この場合において、入力ビームの波長とポンプ光
の波長をわずかに異ならせて非縮退型の四光波混合を生
じさせるときには、光ファイバ18の零分散波長がポンプ
光の波長(LD20の発振波長)に一致するようにしてお
く。光カプラ22は4つのポート22A,22B,22C及び22Dを有
している。ポート22Aには入力ビーム(信号ビーム又は
第1の位相共役ビーム)が供給され、ポート22BはLD20
に接続され、ポート22Cは光ファイバ18の第1端に接続
され、ポート22Dはデッドエンドにされている。光ファ
イバ18の第2端はこの位相共役器の出力ポートとなる。
光カプラ22は、ポート22A及び22Bにそれぞれ供給された
入力ビーム及びポンプ光をポート22Cから出力する。光
カプラ22としては、例えば、ファイバ融着型のもの、ハ
ーフミラー、光合波器、変更ビームスプリッタ等が使用
される。
図7を参照すると、本発明の第1実施形態が示されて
いる。第1の光ファイバ4としては、実証実験で用いら
れたような2つのDD−DCF24が採用されている。各DD−D
CF24の入力側には光増幅器26が設けられており、これに
より各DD−DCF24に供給される信号ビームのパワーが予
め定められたレベルになるようにされている。第2の光
ファイバ8の第1の部分81は複数の光ファイバ28をカス
ケード接続して構成される。各光ファイバ28の間には、
第1の部分81における光パワーをほぼ一定に保つため
に、光増幅器30が設けられている。第2の光ファイバ8
の第2の部分82は複数の光ファイバ32から構成される。
各光ファイバ32の間には、第2の部分82における光パワ
ーをほぼ一定に保つために、光増幅器34が設けられてい
る。
特にこの実施形態では、システム中間点16には、ノイ
ズの除去が効果的に行われる光増幅器36が設けられて
る。第3の光ファイバ12としては、実証実験で用いられ
たのと同じような2つのDD−DCF38が採用されている。
各DD−DCF38の入力側には、各DD−DCF38に供給される第
2の位相共役ビームのパワーが予め定められたレベルに
なるようにするために、光増幅器40が設けられている。
光送信機2、第1の光ファイバ4及び第1の位相共役
器6は第1の端局42に含まれ、第2の位相共役器10、第
3の光ファイバ12及び光受信機14は第2の端局44に含ま
れる。端局42及び44は例えばそれぞれ別の大陸に設置さ
れ、この場合、これらの大陸間の海底に第2の光ファイ
バ8を伝送路として敷設することができる。
図8を参照すると、図7のシステムにおける光パワー
等のダイアグラムが示されている。第1の光ファイバ4
を構成する2つのDD−DCF24の各々においては、非線形
効果(非線形係数γ及び光パワーPの積)が減少するの
に伴って波長分散βが漸減しており、これにより非線
形効果と波長分散の比(γP/β)がほぼ一定になるよ
うにされている。
また、第2の光ファイバ8の途中には第2の光ファイ
バ8における光パワーをほぼ一定にするために複数の光
増幅器30,34及び36が設けられている。従って、この実
施形態によると、パラメータが特別に設計されていない
既設の光ファイバ伝送路を用いて或いは組み合わせて第
2の光ファイバ8とすることができる。具体的には次の
通りである。
今、第2の光ファイバ8の第1の部分81として、図7
に示されるように、複数の光ファイバ28と複数の光増幅
器30とからなる既設の伝送路が提供されているとする。
一般に既設の伝送路においては波長分散の平均値は一定
であるから、光増幅器30の各々の利得を適切に設定する
ことによって、第2の光ファイバ8の第1の部分81にお
ける非線形効果と波長分散の比(γP/β)を予め与え
られた値xに設定することができる。伝送路についてこ
の比xが与えられると、端局42において、DD−DCF24の
各々における非線形係数及び光パワーの積γPの分布と
波長分散βの分布とが設定される。そしてこれにより
第1の光ファイバ4における非線形効果と波長分散の比
(γP/β)を第2の光ファイバ8の第1の部分81に関
する比xに一致させることができる。その結果、システ
ム中間点16において波形が元に戻るのである。
尚、ここでは第1の光ファイバ4の全長と第2の光フ
ァイバ8の第1の部分81とに関して一定の比xが得られ
るようにシステムが設計されているが、例えば第1の部
分81を構成する光ファイバ28の各々が異なる波長分散β
を有している場合には、第1の部分81には異なる波長
分散を有する複数の区間が生じるので、第1の光ファイ
バ4についても本発明に従って複数の区間に仮想的に分
割し、対応する2つの区間について前述した条件を満足
させることによって、システム中間点16において波形を
元に戻すことができる。
第2の光ファイバ8の第2の部分82と第3の光ファイ
バ12についても同じように設計することによって、光受
信機14において波形を元に戻すことができる。図8の例
では、第2の光ファイバ8の第1の部分81と第2の部分
82が同じ値の波長分散を有しているとしてダイアグラム
が示されているが、異なる波長分散を有している場合で
あっても、端局44において光増幅器40の利得とDD−DCF3
8の構成を適切に設定することによって、光受信機14に
おいて波形を元に戻すことができる。
このようにこの実施形態によると、第2の光ファイバ
8を伝送路として用いることによって、波長分散及び非
線形性を補償した極めて長距離な伝送システムの構築が
可能になる。また、端局42及び44にそれぞれ位相共役器
6及び10を設けておくことによって、伝送路の途中に配
置される1つの位相共役器も必要でないので、システム
の保守性が向上する。即ち、一旦海底に敷設した伝送路
については保守が極めて困難であることに鑑み、一般に
複雑な構成を有する位相共役器は伝送路の途中に設けた
くないという要求があるのであるが、本発明はこのよう
な要求を満足するものである。
尚、図7のシステムにおいて、システム中間点16にお
ける波形改善を良好にするためには、光増幅器30の間隔
を非線形係数と光パワーの積の逆数で与えられる非線形
長よりも十分短くすることが望ましい。同様に、光受信
機14における波形改善を良好にするためは、光増幅器34
の間隔を非線形長よりも十分に短くすることが望まし
い。つまり、光増幅器の間隔を非線形長に比べて十分小
さくすることによって、光パワーが全長に渡って一定
(の平均パワー)であるとして扱うことができるのであ
る。この場合、光ファイバ8の分散が一定であるにもか
かわらず、位相共役器の前後で波長分散及び非線形効果
の比が一定であるという条件が近似的に成り立つ。
ところで、図7のシステムにおいては、複数の光増幅
器が用いられていることから、ノイズが累積する。例え
ば、各光増幅器がEDFAである場合には、EDF(エルビウ
ムドープファイバ)において発生するASE(Amplified
Spontaneous Emisson)によるノイズが累積する。
本発明では、図2に示されるように、信号スペクトル
は第1の光ファイバ4において徐々に広がり、第1の位
相共役器6において信号スペクトルは一旦周波数軸上で
裏返された後、第2の光ファイバの第1の部分81におい
て信号スペクトルは再び徐々に狭くなり、システム中間
点16において信号スペクトルは最も狭くなる。従って、
本発明においては、システム中間点16においてASEによ
るノイズを効果的に除去することができる。
図9を参照すると、本発明のシステムに適用可能な光
増幅器が示されている。光増幅媒体としてのEDF46の第
1端には、光カプラ48を介して増幅すべきビームとレー
ザダイオード50からの第1のポンプビームとが供給され
る。EDF46の第2端には、光カプラ52を介してレーザダ
イオード54からの第2のポンプビームが供給される。第
1及び第2のポンプビームによってポンピングされてい
るEDF46に増幅すべきビームが供給されると、このビー
ムは増幅され、光カプラ52及び光帯域通過フィルタ56を
通ってこの光増幅器から出力される。EDF46において発
生するASEは増幅されたビームよりも十分広い帯域を有
しているので、光帯域通過フィルタ56によってASEの大
部分を除去して増幅されたビームにおけるS/Nの低下を
抑えることができる。
図7のシステムにおいて、システム中間点16に設けら
れる光増幅器36に例えば図9に示される光増幅器を適用
する場合には、システム中間点16においては信号スペク
トルが最も狭くなっていることから、信号スペクトルの
帯域幅よりも僅かに広い通過帯域を有する光帯域通過フ
ィルタをフィルタ56として用いることによって、累積し
たASEによるノイズを効果的に除去することができる。
尚、図9の光増幅器では2つのレーザダイオード50及
び54を用いてEDF46をポンピングしているが、何れか一
方のレーザダイオードのみによってEDF46をポンピング
してもよい。
このように本発明の望ましい実施形態によると、第2
の光ファイバ8におけるシステム中間点16の近傍に第1
の位相共役ビームの波長を含む通過帯域を有する光帯域
通過フィルタを設けておくことによって、S/Nの劣化を
効果的に防ぐことができる。
図10を参照すると、本発明の第2実施形態を示す光通
信システムが示されている。この実施形態は、図1の基
本構成と対比して、第2の光ファイバ8におけるシステ
ム中間点16に分岐ユニット58が設けられている点で特徴
付けられる。
光送信機2が出力した信号ビームは第1の光ファイバ
4により位相共役器6に供給される。位相共役器6は受
けた信号ビームを位相共役ビームに変換して出力する。
位相共役器6が出力した位相共役ビームは第2の光ファ
イバ8の第1の部分81により分岐ユニット58に供給され
る。分岐ユニット58は、受けた位相共役ビームを第1及
び第2の分岐ビームに分岐する。第1及び第2の分岐ビ
ームは、それぞれ、第2の光ファイバ8の第2の部分82
−1及び82−2により位相共役器10−1及び10−2に供
給される。位相共役器10−1は受けた第1の分岐ビーム
を位相共役ビームに変換し、これを光ファイバ(第3の
光ファイバ)12−1により光受信機14−1へ送る。位相
共役器10−2は受けた第2の分岐ビームを位相共役ビー
ムに変換し、これを光ファイバ(第3の光ファイバ)12
−2により光受信機14−2へ供給する。
光ファイバ4及び81のパラメータ設定、光ファイバ82
−1及び12−1のパラメータ設定、並びに光ファイバ82
−2及び12−2のパラメータ設定は本発明に従って図1
におけるのと同じようになされている。
分岐ユニット58はシステム中間点16に設けられている
ので、この分岐ユニット58において受けた位相共役ビー
ムの伝送特性をモニタリングすることができる。そのた
めに、分岐ユニット58にはモニタ回路60が付随的に設け
られている。図示はしないが分岐ユニット58に光受信機
を接続してもよい。
例えば、光送信機2、光ファイバ4及び位相共役器6
は第1の大陸に設けられ、位相共役器10−1、光ファイ
バ12−1及び光受信機14−1は第2の大陸に設けられ、
位相共役器10−2、光ファイバ12−2及び光受信機14−
2は第3の大陸に設けられ、分岐ユニット58及びモニタ
回路60はこれらの大陸の間の島に設けられる。分岐ユニ
ット58は正確にシステム中間点16に設けられていなくて
も良く、波形が十分に改善されているという条件の下に
分岐ユニット58はシステム中間点16からある程度離れた
位置に設けられていてもよい。
ここでは、本発明の第2実施形態を図1の基本構成に
対比して説明したが、図7の第1実施形態を図10の第2
実施形態に適用してもよい。また、図10では分岐ユニッ
ト58が第1及び第2の分岐ビームを出力するとしている
が、分岐ユニット58が受けた位相共役ビームを3以上の
分岐ビームに分岐し、これに対応して分岐ユニット58の
下流側の位相共役器及び光受信機を増設してもよい。
図11を参照すると、本発明の第3実施形態が示されて
いる。ここでは、図1の基本構成をWDM(波長分割多
重)に拡大適用するために、光マルチプレクサ(MUX)6
2及び光デマルチプレクサ(DE−MUX)64が用いられてい
る。
光送信機2−1,…,n(nは1よりも大きい整数)は、
互いに異なる波長を有する信号ビームをそれぞれ出力す
る。信号ビームは図1の第1の光ファイバ4にそれぞれ
対応する光ファイバ4−1,…,nによって光マルチプレク
サ62に供給される。光マルチプレクサ62は、受けた信号
ビームを波長分割多重してWDM信号ビームを出力する。
そしてこのWDM信号ビームが第1の位相共役器6に供給
される。ここでは、光送信機2−1,…,nのそれぞれに専
用の光ファイバ4−1,…,nが与えられているので、各波
長チャネル毎に本発明によるパラメータの設定が可能で
ある。即ち、波長チャネルによって非線形係数や波長分
散が異なるので、この実施形態によると波長チャネル毎
の厳密な補償が可能になる。
位相共役器6において位相共役変換されたWDM信号ビ
ームは第2の光ファイバ8により第2の位相共役器10に
供給され、ここで更に位相共役変換される。位相共役器
10の出力ビームは光デマルチプレクサ64に供給される。
光デマルチプレクサ64は受けたビームを波長チャネル毎
に分離し、各チャネルのビームは図1の第3の光ファイ
バ12に対応する光ファイバ12−1,…,nによってそれぞれ
光受信機14−1,…,nに供給される。光ファイバ4−1,
…,nの各々と第2の光ファイバ8の第1の部分81とにつ
いてのパラメータ設定は図1の基本構成におけるのと同
じようになされており、第2の光ファイバ8の第2の部
分82と光ファイバ12−1,…,nの各々とについてのパラメ
ータ設定も図1におけるのと同じようになされている。
この実施形態では、位相共役器10が出力したビームを
nチャネルに分けるために、光デマルチプレクサ64を用
いているが、1つの光受信機を用いる場合には光デマル
チプレクサ64は不要である。この場合には、光受信機は
nチャネルから所望のチャネルを選択するための光学的
或いは電気的な手段を有している。
尚、第3実施形態を図1の基本構成に対比して説明し
たが、図7の第1実施形態を第3実施形態に適用しても
よい。
図12を参照すると、本発明の第4実施形態が示されて
いる。ここでは、図1の基本構成と対比して、光ファイ
バ4、8及び12の各々の波長分散と逆符号の波長分散を
与える少なくとも1つの分散補償器(DC)66が付加的に
設けられている。図示された例では、分散補償器66は位
相共役器6及び10の間の光ファイバ8の途中に設けられ
ているが、分散補償器66は光ファイバ8の入力端又は出
力端に接続されていてもよい。また、分散補償器66は、
光ファイバ4の途中に設けられ若しくは入力端若しくは
出力端に接続され又は光ファイバ12の途中に設けられ若
しくはその入力端若しくは出力端に接続されていてもよ
い。
分散補償器66としては絶対値が大きい波長分散を有す
る分散補償ファイバ(DCF)を用いることができる。光
ファイバ4、8及び12の各々の分散が正常分散或いは異
常分散の何れである場合でも、DCFからなる分散補償器6
6を用いることによって、その長さを短く抑えることが
できるので、分散補償器66における損失を小さく抑える
ことができる。特に、光ファイバ4、8及び12の各々が
正常分散を有している場合には、分散補償器66としては
1.3μm零分散ファイバが適している。例えば複数の分
散補償器66を光ファイバ8の途中に設ける場合には、そ
の長手方向に分散補償器66を均等間隔で設けるのが望ま
しい。
図12では図1の基本構成に分散補償器66が付加されて
いるが、本発明の第1乃至第3実施形態において少なく
とも1つの分散補償器を付加的に設けてもよい。
図13を参照すると、ファイバグレーティングFGを用い
た分散補償器の構成が示されている。この分散補償器は
図12の分散補償器66として、或いは後述の用途で用いる
ことができる。光パルスの両縁の波長がそれぞれλ
びλである光パルスが光サーキュレータOCを通ってフ
ァイバグレーティングFGに供給される。ファイバグレー
ティングFGのグレーティングピッチは予め定められた分
布を有しており、波長λのビームは光サーキュレータ
OCに比較的近い位置でブラッグ反射され、波長λのビ
ームは比較的遠い位置でブラッグ反射される。これによ
り光パルスの圧縮が行われ、ファイバグレーティングFG
からのブラッグ反射ビームを光サーキュレータOCを介し
て取り出すことによって、分散補償を行うことができ
る。
図14を参照すると、本発明の第5実施形態が示されて
いる。ここでは、図1の基本構成と対比して、第1の光
ファイバ4、第1の位相共役器6、第2の光ファイバ
8、第2の位相共役器10及び第3の光ファイバ12にそれ
ぞれ相当する光学要素を含む光学ユニット68を更に備え
たシステムが示されている。光学ユニット68の第1端
は、図1の光受信機14に対応する点Aにおいて第3の光
ファイバ12に接続され、光学ユニット68の第2端は光受
信機14′に接続される。光学ユニット68は、光ファイバ
4、位相共役器6、光ファイバ8、位相共役器10及び光
ファイバ12にそれぞれ相当する光ファイバ4′、位相共
役器6′、光ファイバ8′、位相共役器10′及び光ファ
イバ12′を含む。光学ユニット68は図1のシステム中間
点16に対応するシステム中間点16′を有している。図14
の実施形態では、光学要素68を1つだけ示しているが、
点Aと光受信機14′との間に光学ユニット68が複数直列
に設けられていてもよい。
この実施形態によると、図示されたシステムの各部分
について本発明の条件を適用することによって、光送信
機2と光受信機14′との間の距離を十分に伸ばすことが
できる。また、システム中間点16及び16′並びに点Aに
おいては光信号の波形が元に戻っているので、これらの
点にノードを設けることによって、光信号のアッド/ド
ロップ或いは光信号波形のモニタリングを容易に行うこ
とができる。また、システム中間点16及び16′並びに点
Aの少なくとも何れかに図9の光増幅器の光帯域通過フ
ィルタ56を適用することによって、ASEによるノイズを
効果的に除去することができる。
尚、ここでは第5実施形態を図1の基本構成に対比し
て説明したが、図7の第1実施形態を第5実施形態に適
用してもよい。
図15を参照すると、本発明の第6実施形態が示されて
いる。図11の第3実施形態では、図1の基本構成をWDM
(波長分割多重)に適用するために、複数の光送信機2
−1,…,nに対応して複数の第1の光ファイバ4−1,…,n
を設け、複数の光受信機14−1,…,nに対応して複数の第
3の光ファイバ14−1,…,nを設けている。これに対し
て、図15の第6実施形態では、光送信機2−1,…,nの直
後に光マルチプレクサ62′を設け、光マルチプレクサ6
2′と第1の位相共役器6との間に共通の第1の光ファ
イバ4を設けている。また、光受信機14−1,…,nの直前
に光デマルチプレクサ64′を設け、第2の位相共役器10
と光デマルチプレクサ64′との間に共通の第3の光ファ
イバ12を設けている。
光送信機2−1,…,nが出力する信号ビームの波長は互
いに異なる。従って、もし、光送信機2−1と光受信機
14−1とに関する波長チャネルについて(1)〜(4)
式の条件が満たされているとすれば、その波長チャネル
についてはシステム中間点16において波形が完全に元に
戻るが、他の波長チャネルについては厳密な意味では
(1)〜(4)式を満足することができないので、当該
他の波長チャネルについてはシステム中間点16において
波形が完全には元には戻らないかもしれない。しかし、
本発明では、システム中間点16を中心として対称な条件
設定を行うことによって、システム中間点16で波形が完
全に元に戻らない波長チャネルについても受信側で波形
を実質的に完全に元に戻すことができる。
図16を参照すると、本発明の第7実施形態が示されて
いる。ここでは、図15の第2の光ファイバ8の第2の部
分82と、位相共役器10と、第3の光ファイバ12とが省略
され、システム中間点16に光デマルチプレクサ64″が設
けられている。図16の位相共役器6が3次の非線形光学
媒質を有しているとした場合における分散パラメータの
設計例を説明する。
図17Aに示されるように、光送信機2−1,…,nが出力
する信号ビームの波長がそれぞれλS1,…,λSnとした
場合、位相共役器6が出力する位相共役ビームの波長λ
C1,…,λCnは、それぞれ、ポンプ光の波長λに対し
て信号ビームの波長λS1,…,λSnと対称の位置に配置
される。もし、図16のシステムにおいて、位相共役器6
の前後の光ファイバ4及び第1の部分81として同じ種類
の光ファイバが用いられており、そのファイバが図17A
にD1で示されるように分散パラメータが波長に依存して
変化する特性を有しているとすると、信号ビームが受け
る波長分散がチャネル毎に異なるので、補償が不完全に
なるかもしれない。そこで、図17Aに示される例では、
波長λS1,…,λSnの信号ビームが伝搬する光ファイバ
4としてD1で示されるような特性のファイバを用いてい
る場合には、波長λC1,…,λCnの位相共役ビームが伝
搬する第1の部分81としてD2で示されるようにポンプ光
の波長λに対してD1と対称の特性を有するようなファ
イバを用いるのである。例えば、第1の光ファイバ4の
分散傾斜(2次分散;分散パラメータの波長微分)が正
である場合には、第1の部分81の分散傾斜を負にするの
である。このようにして、各チャネルの信号ビームが受
ける波長分散と対応する位相共役ビームが受ける波長分
散とが等しくなるようにすることによって、波長分散及
び非線形性をチャネル毎に補償することができる。
特に、WDMが適用される場合には、各チャネルについ
て発生するSPMだけでなく、チャネル間の相互作用によ
るXPM(相互位相変調)によっても波形劣化が生じる
が、図17Aに示されるように分散パラメータを設計する
ことによって、XPMを補償することができる。尚、図16
の実施形態にDD−DCFを適用する場合には、DD−DCFの各
々として例えば図17Aのものの特性を縦方向にシフトし
たものを用いることができる。
図17Bに示されるように、分散傾斜がないファイバを
用いることもできる。即ち、位相共役器6の前後におい
て、光ファイバ4としては分散パラメータD1が波長に従
って変化しないファイバを用いるとともに、第1の部分
81としては分散パラメータD2が波長に従って変化しない
ファイバを用いるのである。このように分散傾斜のない
ファイバを用いることによって、SPM及びXPMによる波形
劣化だけでなく、チャネル間のFWMを補償することがで
きる。FWMの発生効率は各ファイバの分散値に依存する
ので、光ファイバ4と第1の部分81とで分散パラメータ
を同じにするのが望ましい。尚、チャネル間のFWMの発
生効率は偏波依存性を有しているので、図16のようにWD
Mが適用される場合には、光送信機2−1,…,nの各々の
直後或いは光マルチプレクサ62′の直後に偏波スクラン
ブラを設けるのが望ましい。また、図17Bに示されるよ
うな特性を有するファイバを用いてDD−DCFを構成する
こともできる。
図18A及び18Bを参照すると、本発明が適用可能な光ネ
ットワークが示されている。図18Aに示される光ネット
ワークにおいては、3つの端局70の間がそれぞれ光ファ
イバにより接続されており、各光ファイバの途中には光
信号のアッド/ドロップのためのノード72が設けられて
いる。ターミナル70の各々は図1の位相共役器6又は10
を有しており、光ファイバの各々について本発明の条件
が満足されるようにしてある。各ノード72は本発明に従
うシステム中間点16(図1参照)に配置されている。シ
ステム中間点では波形が元に戻っているので、システム
中間点にノード72を配置することによって、波形の劣化
を考慮することなしに光信号のアッド/ドロップが可能
になる。
図18Aの光ネットワークにWDMが適用される場合には、
各ターミナル70はWDMのチャネル毎に位相共役器を有し
ていることが望ましい。このように各ターミナル70が複
数の位相共役器を有する場合には、光信号がターミナル
70を通過するときに位相共役変換及び波長変換がチャネ
ル毎に行われるので、各ターミナル70において光信号の
分岐や切り換え(クロスコネクト)が可能になる。
図18Bに示される光ネットワークにおいては、2つの
ターミナル70が幹線上に配置され、ターミナル70の間に
ノード72が設けられている。また、ターミナル70の各々
はサブシステム74に接続されている。サブシステム74の
各々はリング状光ファイバネットワークとその途中に設
けられる複数のノード76とを有している。
この構成によると、例えば幹線ネットワークにWDMが
適用されている場合に、WDMの各チャネルをサブシステ
ム74の各々に割り当てることで、比較的低速なLAN(ロ
ーカルエリアネットワーク)を容易に提供することがで
きる。
図19を参照すると、本発明による光通信システムの他
の基本構成が示されている。このシステムは、信号ビー
ムを出力する光送信機102と、信号ビームを伝送するた
めの第1の光ファイバ104と、第1の光ファイバ104によ
り伝送された信号ビームを位相共役ビームに変換して出
力する位相共役器106と、位相共役ビームを伝送する第
2の光ファイバ108と、第2の光ファイバ108により伝送
された位相共役ビームを受ける光受信機110とを備えて
いる。
第1の光ファイバ104、位相共役器106及び第2の光フ
ァイバ108を含む光路上には、光ファイバ104及び108の
各々の波長分散と逆符号の波長分散を与える少なくとも
1つの分散補償器112が設けられている。図示された例
では分散補償器112は第2の光ファイバ108の途中に設け
られているが、分散補償器112は第1の光ファイバ104の
途中に設けられていてもよい。また、分散補償器112は
光ファイバ104又は108の端部に設けられていてもよい。
第1の光ファイバ104及び第2の光ファイバ108のパラ
メータ設定は、それぞれ、図1のシステムにおける第1
の光ファイバ4及び第2の光ファイバ8の第1の部分81
のパラメータ設定に準じて行われる。例えば、第1の光
ファイバ104の波長分散の平均値及び長さの積は、第2
の光ファイバ108の波長分散の平均値及び長さの積に実
質的に一致するようにされる。各波長分散の平均値を求
めるためには、分散補償器112の分散値を含めてもよい
し含めなくてもよい。
図19のシステムを実施する場合、光ファイバ104又は1
08として、波長1.55μm帯で最低損失及び異常分散を与
えるシングルモードファイバを使用したいという要求が
ある。その理由は、第1に、このようなシングルモード
ファイバからなる光ファイバ伝送路が既に多くの地域で
敷設されておりこれをそのまま利用したいという点と、
第2に、波長1.55μm帯でWDMを実施する場合にシング
ルモードファイバでは比較的大きな異常分散が生じるこ
とによりXPM及びFMWによるチャネル間クロストークが生
じにくいという点とに基づく。
分散補償器112が無い場合、光ファイバ104を端局内に
設け、光ファイバ108を伝送路として使用しようとする
と、光ファイバ104を比較的短くする必要があるので、
例えば光ファイバ108の分散パラメータが+18ps/km/nm
である場合に、光ファイバ104の分散パラメータをそれ
より大きな値にする必要があるのであるが、現状ではこ
のような大きな異常分散を与える光ファイバは入手困難
であるから、システムが制限されてしまう。これに対し
て、図19のように分散補償器112を用いることによっ
て、光ファイバ108の総分散を小さくすることができる
ので、光ファイバ108の分散パラメータと同等の分散パ
ラメータを有する光ファイバ104の使用が可能になるの
である。
図示された例では、分散補償器112は1つだけ設けら
れているが、複数の分散補償器を長手方向に例えば均等
に配置することによって、本発明の条件の設定を容易に
行うことができるようになる。
尚、光ファイバ104及び108が異常分散を与えるシング
ルモードファイバである場合には、分散補償器112とし
ては正常分散を与える光ファイバを用いることができ
る。また、図13により説明したファイバグレーティング
を用いた分散補償器を用いることもできる。
以下、本発明の付加的な説明を行う。本発明を実施す
る場合、最も単純には、図2並びに(22)及び(23)式
から明らかなように、位相共役器の前後における総分散
及び/又は総非線形効果がそれぞれ等しく設定される。
(22)及び(23)式においては、Dj及びγ(j=1,
2)を定数として扱っているが、実際のパラメータ設定
では、分散値及び非線形係数はファイバの位置により異
なる値を示すから、正確を期すためにはこれらの平均値
が採用される。
(22)及び(23)式による補償は、非線形効果が余り
大きくない場合に成り立つ近似である。具体的は、光フ
ァイバの長さ或いは光増幅器による中継間隔が光ファイ
バの非線形長に比べて十分短い場合に有効な近似であ
る。例えば、非線形係数が2.6W-1km-1である通常のDSF
(分散シフトファイバ)により平均ピークパワー+5dBm
の信号光を伝送する場合を考えると、非線形長は121.6k
mとなる。従って、100km程度よりも短い光ファイバ長或
いは光増幅器による中継間隔であれば、上述の近似によ
り波長分散及び非線形効果を補償することができること
になる。
しかし、パワーが更に高くなると、光ファイバの損失
による位相共役器前後の光パワー分布の非対称性により
補償に限界が出る。このような場合には、本発明に従っ
て(20)及び(21)式の条件を満足させることによっ
て、波長分散及び非線形効果による波形歪みを補償する
ことができる。
一般的には伝送路には損失があるため、(20)及び
(21)式を満足するためには、何らの損失補償効果を与
える必要がある。これにはいくつかの方法が考えられ
る。第1に、伝送路として分布定数的な利得媒質を用い
ることである。ラマン増幅器やEDFを用いたインライン
型の増幅器等が挙げられる。第2に、非線形効果と分散
値の比を制御することである。損失によって非線形効果
が伝送路に沿って減少することを補償するためには、伝
送路に沿って分散を小さくしていくか或いは非線形効果
を大きくしていけばよい。分散の値を変化させること
は、光ファイバの設計により可能であり、有望である。
例えば、分散シフトファイバ(DSF)の零分散波長を変
化させることや、ファイバのコア及びクラッド間の比屈
折率差或いはファイバのコア径を変えることにより、分
散の値を変化させることができる。一方、非線形効果を
変化させることは、非線形屈折率を変化させたり光パワ
ーを変化させることにより可能である。
損失のある伝送路に沿って光強度を大きくするには、
ファイバの有効コア断面積Aeffをファイバの長手方向に
沿って次第に小さくすればよい。例えば、モードフィー
ルド径(MFD)が半分になれば、光強度は約4倍にな
る。従って、6dB程度の損失はこれだけで補償可能であ
る。もっと大きな損失に対しては更にMFDを小さくする
必要があるが、余りMFDを小さくし過ぎるとそれにより
損失が増えてしまい逆効果となる。現実的なMFDの最小
値は3μm程度であろう。1.3μm零分散SMF(シングル
モードファイバ)のMFDが約10μm、1.55μm零分散DSF
(分散シフトファイバ)のそれが約8μmであることを
考慮すると、MFDだけで対応可能な損失はSMFで約10dB、
DSFでは約8dBということになる。
更に大きな損失がある場合には、MFDを小さくすると
共に分散の値を小さくすることが考えられる。例えば、
分散の値を半分にできれば、更に3dBの損失のある場合
でも分散と非線形効果との比を位相共役器に対して対称
にすることが可能である。近年開発が進められている分
散補償ファイバ(DCF)においては、分散値を約−120ps
/nm/kmから−10ps/nm/km程度の範囲で変化させることが
可能であり、しかもMFDを5μm以下にすることもでき
る。従って、分散値の異なる複数のDCFを例えばスプラ
イシングによりカスケード接続することによって、10dB
程度の損失の補償が可能となる。
伝送路(例えば図7の光ファイバ8の第1の部分81)
の平均分散が−0.5ps/nm/kmであるとすると、補償ファ
イバ(例えば図7の第1の光ファイバ4)の平均分散を
−50ps/nm/kmにすることにより、伝送路の1/100の長さ
の補償ファイバによりシステムを構築可能である。この
場合、例えば補償ファイバの損失が0.4dB/kmであれば、
分散値の絶対値を0.4dB/kmの割合で小さくしていくこと
により、補償条件を実現することができる。伝送路の全
長が2000kmである場合には20kmの補償ファイバを用いる
ことになり、その際の分散値の差は8dBである。尚、補
償ファイバ内の光強度も伝送路における光強度の100倍
程度にする必要があるが、例えば補償ファイバのMDFが
4μmであれば光パワーとしては25倍程度で済むことに
なる。
光増幅器を用いた長距離伝送においては、伝送路とし
て正常分散ファイバを用いることが光増幅器の雑音光に
よる非線形歪みを低減する上でよいことが分かってい
る。従って、上述のDCFを用いたシステム構成は有望で
ある。
図6の位相共役器において、非線形光学媒質として用
いられる光ファイバ18に供給される信号光若しくはポン
プ光又は光ファイバ18において発生する位相共役光のパ
ワーが光ファイバ18における誘導ブリユアン散乱(SB
S)の閾値を越えると、信号光から位相共役光への変換
効率が小さくなる。SBSの影響を抑圧するためには、信
号光及びポンプ光の少なくとも何れか一方に周波数変調
又は位相変調を掛ければよい。その際の変調速度は数10
0kHz程度で十分であり、この変調速度は信号光における
変調速度よりも一般に十分に低いので、SBSを抑圧する
ための変調により伝送特性が劣化する恐れはない。
通常のDSF(分散シフトファイバ)の非線形係数γは
2.6W-1km-1程度と小さいので、位相共役光を発生させる
ための非線形光学媒質、例えば図6の光ファイバ18とし
て通常のDSFを用いる場合に十分な変換効率を得るため
には、ファイバ長を10km以上にすることが要求される。
従って、ファイバ長を短くするのに十分大きな非線形係
数γを有するDSFの提供が要望されているのである。位
相共役光を発生させるための非線形光学媒質として使用
されるDSFの長さを短くすることができるとすれば、そ
の零分散波長を高精度に管理することができ、従ってポ
ンプ光の波長をDSFの零分散波長に正確に一致させるの
が容易になり、その結果広い変換帯域を得ることができ
る。ここで、変換帯域は、あるパワーの位相共役光が得
られる条件下におけるポンプ光及び信号光の最大の離調
波長(離調周波数)として定義される。
(6)式により定義される非線形係数γを大きくする
ためには、非線形屈折率n2を大きくし或いは有効コア断
面積Aeffに対応するモードフィールド径(MFD)を小さ
くすることが有効である。非線形屈折率n2を大きくする
ためには、例えば、クラッドにフッ素等をドープし或い
はコアに高濃度のGeO2をドープすればよい。コアにGeO2
を25乃至30mol%ドープすることによって、非線形屈折
率n2として5×10-20m2/W以上の大きな値が得られてい
る(通常のシリカファイバでは約3.2×10-20m2/W)。MF
Dを小さくすることは、比屈折率差Δ又はコアの形状の
設計により可能である。このようなDSFの設計はDCF(分
散補償ファイバ)の場合と同様である。例えば、コアに
GeO2を25乃至30mol%ドープし、且つ、比屈折率差Δを
2.5乃至3.0%に設定することによって、4μmよりも小
さなMFDの値が得られている。これらの総合効果とし
て、15W-1km-1以上の大きな非線形係数γの値が得られ
ている。
他に重要な要素として、このような大きな値の非線形
係数γを提供するDSFがポンプ帯域に含まれる零分散波
長を有するべきであることが挙げられる。零分散波長と
ポンプ帯域とのこのような一致性は、ファイバパラメー
タ(例えば比屈折率差Δ及びMFD)を次のようにして設
定することにより可能である。通常の光ファイバにおい
ては、MFDを一定にした条件で比屈折率差Δを大きくす
ると、分散値は正常分散領域で大きくなる。位相共役器
による前置補償或いは後置補償に用いられる前述のよう
なDD−DCFはこのような原理により実現するものであ
る。一方、コア径を大きくすると分散は減少し、コア径
を小さくすると分散は大きくなる。従って、MFDをポン
プ帯域に適合するある値に設定した後に、零分散波長が
ポンプ光の予め定められた値に一致するようにコア径を
調節することによって、ポンプ光に対する零分散が得ら
れる。
長さL、損失αの光ファイバにおける変換効率η
は、 η=exp(−αL)(γPPL) …(24) で近似することができる。ここで、PPは平均ポンプ光パ
ワーである。従って、比線形係数γが15W-1km-1のファ
イバは通常のDSFに比べて2.6/15≒1/5.7程度の長さで同
じ変換効率を達成可能である。通常のDSFにあっては、
十分大きな変換効率を得るためには前述のように10km程
度の長さが必要であるのに対して、このように大きな非
線形係数γを有するファイバにあっては、1乃至2km程
度の長さで同様の変換効率を得ることができる。実際に
は、ファイバ長が短くなる分損失も小さくなるので、同
じ変換効率を得るために更にファイバ長を短くすること
ができる。このような短い長さのDSFにおいては、零分
散波長の制御性が良くなり、従って、ポンプ光の波長を
零分散波長に正確に一致させることができ、広い変換帯
域を得ることができる。更に、数kmのファイバ長であれ
ば、偏波面保存能力が確保されているので、このような
DSFの使用は、高い変換効率及び広い変換帯域を達成し
偏波依存性を排除する上で極めて有効である。
光ファイバを用いて四光波混合を有効に発生させるた
めには、信号光、ポンプ光及び位相共役光の位相を整合
させることが重要である。位相不整合量Δkは次のよう
に近似される。
Δk=δωβ(ω)+2γPP …(25) ここに、β(ω)はポンプ光周波数ωにおける波
長分散であり、δωは信号光及びポンプ光の周波数差で
ある。特別大きなパワー(例えば100mW以上)のポンプ
光を用いない限り、(25)式の第2項は第1項に比べて
十分小さいのでこれを無視することができる。従って、
位相整合(Δkを限りなく0に近付けること)は、ポン
プ光の波長をファイバの零分散波長に一致させることに
より得られる。しかし、実際のファイバにおいては、零
分散波長が長手方向にばらついているので、位相整合条
件をファイバ全長に渡って保つことが容易ではない。
このように、位相共役光を発生するための非線形光学
媒質として光ファイバを有している装置においては、変
換帯域は光ファイバの分散により制限される。従って、
光ファイバの長手方向の分散が完全に制御され、例えば
全長(正確には非線形長)に渡り唯一の零分散波長を有
する光ファイバが作られたとすれば、ポンプ光波長をそ
の零分散波長に合わせることにより、事実上無限大の
(分散傾斜が直線上である範囲内で制限のない程広い)
変換帯域が得られる。しかし、実際には、光ファイバの
製造技術上の問題により零分散波長が長手方向にばらつ
くため、位相整合条件が理想状態からずれ、これにより
変換帯域が制限される。
しかし、このような場合であっても、光ファイバを切
断して複数の小区間に分割し、零分散波長の似ている区
間同士をスプライス等により繋ぎ合わせていく(当初の
ファイバ端から数えた順番とは違う順番で)ことによ
り、全長における平均分散は同じであるにも関わらず、
広い変換帯域を有する位相共役器を提供するのに適した
光ファイバを得ることができる。
或いはまた、十分広い変換帯域を得るのに必要な程度
に高精度な分散制御が可能な長さ(例えば数100m以下)
のファイバを予め多数用意しておき、所要の零分散波長
のものを組み合わせてスプライスして所要の変換効率を
得るのに必要な長さのファイバを得、これを用いて位相
共役器を提供することによって、広い変換帯域を得るこ
とができる。
このようにして変換帯域を拡大する場合には、非線形
光学媒質のポンプ光入力端の近くでポンプ光のパワーが
高いので、ポンプ光入力端の近くに零分散波長の小さい
部分或いは零分散波長のばらつきが小さい部分を集める
ことが有効である。また、必要に応じて順次分割数を増
やしたり、ポンプ光入力端から離れた位置で比較的分散
値の大きなところでは、分散値の正負を交互に配置する
等により適切に組み合わせることによって、更に変換帯
域を拡大することができる。
光ファイバを分割するに際して各区間をどの程度短く
すれば十分か否かの目安としては、例えば、非線形長を
基準にすればよい。非線形効果の補償におけるのと同
様、非線形長に比べて十分短いファイバ内でのFWM(四
光波混合)においては、位相整合はそのファイバの平均
分散値に依存すると考えることができる。一例として、
非線形係数γが2.6W-1km-1のファイバで30mW程度のポン
プ光パワーを用いたFWMにおいては、非線形長は12.8km
程度になるから、その1/10程度、即ち1km程度が1つの
目安となる。他の例としては、非線形係数γが15W-1km
-1のファイバで30mW程度のポンプ光パワーを用いたFWM
においては、非線形長は2.2km程度になるから、その1/1
0程度、即ち200mが1つの目安となろう。何れにして
も、非線形長に比べて十分短いファイバの平均零分散波
長を測定し、ほぼ同じ値のものを組み合わせて所要の変
換効率を有する非線形光学媒質を提供すれば、広い変換
帯域の位相共役器を得ることができる。
このように、本発明によると、位相共役光を発生する
ための非線形光学媒質を有する装置を製造するための第
1の方法が提供される。この方法では、まず、光ファイ
バが切断されて複数の区間に分割され、次いで、非線形
光学媒質を用いた非縮退四光波混合における変換帯域が
最大になるように複数の区間が並べ替えられて繋ぎ合わ
されることにより非線形光学媒質が提供される。この非
線形光学媒質にポンプ光及び信号光を供給することによ
って、位相共役光が発生する。信号光から位相共役光へ
の変換帯域は十分に広くなっているので、例えば信号光
として、異なる波長を有する複数の光信号を波長分割多
重してなるWDM信号光が用いられている場合に、複数の
光信号は一括して位相共役光(複数の位相共役光信号)
に変換される。
望ましくは、複数の区間の各々の分散値(例えばポン
プ光に対する分散値)が測定され、非線形光学媒質にポ
ンプ光を入力するときの入力端に近い側に比較的分散値
の小さい区間が配置されるように複数の区間が並べ替え
られる。これにより、ポンプ光のパワーが高い部分で効
果的に位相整合条件を得ることができるので、変換帯域
が効果的に拡大される。
望ましくは、複数の区間の少なくとも一部は分散値の
正負が交互になるように繋ぎ合わされる。これにより、
光ファイバの各部分の平均分散を小さく抑えることがで
きるので、変換帯域の効果的な拡大が可能になる。
また、本発明によると、位相共役光を発生するための
非線形光学媒質を有する装置を製造するための第2の方
法が提供される。この方法では、まず、光ファイバが切
断されて複数の区間に分割され、次いで、複数の区間の
各々の分散値(例えばポンプ光に対する分散値)が測定
され、その後、非線形光学媒質を用いた非縮退四光波混
合による所要の変換帯域を得るのに十分小さい分散値を
有する区間だけが選ばれて繋ぎ合わされることにより非
線形光学媒質が得られる。この第2の方法により得られ
た非線形光学媒質を用いて位相共役器を構成した場合に
も、広い変換帯域が得られているので、WDM信号光の一
括変換が可能である。
本発明による第1及び第2の方法の各々においては、
最初に光ファイバが切断されて複数の区間に分割される
が、本発明はこれに限定されない。例えば、次のように
必要に応じて光ファイバを切断することもできる。
即ち、本発明によると、位相共役光を発生するための
非線形光学媒質を有する装置を製造するための第3の方
法が提供される。この方法では、まず、光ファイバの零
分散波長の偏差が測定され、次いで、測定された偏差が
予め定められた範囲を越えている場合に光ファイバが切
断され切断された各ファイバの零分散波長の偏差が予め
定められた範囲内に入るようにされ、その後、ポンプ光
の波長に実質的に等しい零分散波長を有する光ファイバ
又は切断されたファイバが選ばれて、選ばれたファイバ
を繋ぎ合わせることにより非線形光学媒質が得られる。
零分散波長の偏差の測定は、零えば、零分散波長に従
って四光波混合の発生効率が異なることを用いて行うこ
とができる。一般に、波長分散は群速度の波長依存性を
測定することにより求めることができるのであるが、上
述のように、四光波混合の位相整合はポンプ光波長と零
分散波長とが一致するときに最良の条件となるので、零
分散波長は、ポンプ光と信号光の波長差を例えば10〜20
nm程度の比較的大きな一定の値にした状態でポンプ光波
長に対する四光波混合(位相共役光)の発生効率を測定
し、最大の発生効率を与えるポンプ光波長として求める
ことができる。また、四光波混合の発生効率はポンプ光
の強度の二乗に比例する。従って、零分散波長が光ファ
イバの長手方向に変化している場合、一般的には、信号
光及び励起光を光ファイバの一方の端面から入力した場
合と他方の端面から入力した場合とで異なる零分散波長
が測定される。従って、これら2つの零分散波長の測定
値に基づいてその光ファイバの零分散波長の偏差を求め
ることができる。具体的には次の通りである。
図20を参照すると、零分散波長の偏差が小さい非線形
光学媒質の製造プロセス120が示されている。ステップ1
22においては、零分散波長の許容範囲Δλが決定され
る。範囲Δλは、所要の変換帯域からシステムの要求
特性として決定することができ、その具体的な値は例え
ば2nmである。次いでステップ124では、零分散波長の偏
差δλが測定される。例えば、光ファイバF1が与えられ
ると、前述の四光波混合の発生効率により、信号光及び
励起光を光ファイバF1の第1端から入力した場合に得ら
れる零分散波長λ01と、光ファイバF1の第2端から信号
光及びポンプ光を入力した場合に得られる零分散波長λ
02とが測定される。この場合、|λ01−λ02|を以て零
分散波長の偏差δλの代替値とすることができる。
続いてステップ126では、偏差δλが範囲Δλより
も小さいか否かが判断される。ここでは、λδ≧Δλ
であるとして先のフローを説明すると、ステップ128で
は、光ファイバF1が切断により光ファイバF1A及びF1Bに
二分割される。ステップ128の後ステップ124に戻り、光
ファイバF1A及びF1Bの各々について偏差δλが測定さ
れ、各測定値についてステップ126で判断がなされる。
ここでは、各偏差δλがΔλより小さいとすると、こ
のフローは終了する。尚、ステップ128における光ファ
イバF1の切断点は任意であり、従って、光ファイバF1A
及びF1Bの長さは等しいかもしれないし異なるかもしれ
ない。
上述の説明では、ステップ124及び126が繰り返されて
いるが、ステップ124及び126は繰り返されないかもしれ
ないし更に多く繰り返されるかもしれない。例えば、零
分散波長の偏差が小さい光ファイバF2が与えられた場合
には、ステップ126の1回目の判断で条件が満たされ、
この場合には光ファイバF2は切断されない。一方、零分
散波長が長手方向に大きくばらついている光ファイバF3
が与えられると、光ファイバF3は最初のステップ128で
光ファイバF3A及びF3Bに分割され、2度目の判断ステッ
プ126で光ファイバF3Aは条件を満足するものの光ファイ
バF3Bが条件を満足しない場合には、2度目のステップ1
28において光ファイバF3Bが光ファイバF3B1及びF3B2に
分割されてこのフローが終了するかもしれない。この場
合、オリジナルの光ファイバF3から3つの光ファイバF3
A,F3B1及びF3B2が得られており、各ファイバの零分散波
長の偏差は許容範囲Δλよりも小さくなっていること
となる。
このようにして得られた複数の光ファイバ片(光ファ
イバF1A,F1B,…)を零分散波長の値毎に整理しておき、
四光波混合のためのポンプ光の波長に実質的に等しい零
分散波長を有する光ファイバ片を選んで繋ぎ合わせて所
要の変換効率を得ることができる長さにすることによっ
て、長手方向おける零分散波長のばらつきが極めて小さ
い非線形光学媒質を得ることができる。この非線形光学
媒質を用いて位相共役器を構成することによって、広い
変換帯域を得ることができる。
零分散波長λ01及びλ02の値がほぼ一致しているとし
ても、零分散波長の長手方向のバラツキが大きい光ファ
イバも想定される。例えば、零分散波長の長手方向の分
布が光ファイバの長手方向の中央に対して対称な場合で
ある。このような場合には、プロセス120に先立って、
その光ファイバを少なくとも2つの光ファイバ片に分割
することを行って、各光ファイバ片についてプロセス12
0を適用すればよい。或いは、プロセス120を複数回繰り
返してもよい。
実験により、本発明方法により得られた非線形光学媒
質を用いて構成される位相共役器が10Gb/sの信号に対し
て40nmより広い変換帯域を有していることが明らかとな
った。この位相共役器は、信号光とポンプ光との離調波
長が21nmを超える範囲で、離調波長に依存せずに、ポン
プ光パワー+15dBmの下で変換効率としてほぼ一定の値
−10.9dBを有していた。即ち、変換帯域は40nmよりも広
い。その非線形光学媒質は、具体的には、750mの高度非
線形分散シフトファイバ(HNL−DSF:highly nonlinear
dispersion−shifted fiber)であった。HNL−DSFは各
250mの3つの区間をスプライシングすることにより得ら
れた。区間毎の平均零分散波長はそれぞれ1547.3nm、15
46.3nm及び1548.4nmであった。結果としてのHNL−DSFの
平均零分散波長は1547.2nmと測定された。MFD(モード
フィールド形)は3.8μm、非線形係数γは20.4W-1k
m-1、分散傾斜は0.032ps/nm2/kmであった。
このように、非線形係数の大きな光ファイバを用いる
と共に、本発明方法を適用して零分散波長の偏差を概略
±1nm内に収めることによって、高い変換効率で且つ広
い変換帯域を有する位相共役器の提供が可能になる。非
線形光学媒質として光ファイバを有する従来の位相共役
器の変換帯域が精々数nmであることを考慮すると、本発
明方法により得られる効果は従来技術に対して自明でな
く或いは進歩性を有しており或いは臨界性を有してい
る。特に、後述するような実施形態のように、位相共役
器を用いて光ネットワーク間でWDM信号光の一括変換を
行う場合には、本発明による変換帯域の拡大は極めて効
果的である。
本発明による第1、第2又は第3の方法により得られ
た非線形光学媒質は、図6の位相共役器の光ファイバ18
として採用可能である。この場合、レーザダイオード20
から出力されるポンプ光の波長と光ファイバ18の零分散
波長との一致性を極めて高精度に保つことができるの
で、広い変換帯域を得ることができる。
図21を参照すると、位相共役器の他の構成例が示され
ている。この位相共役器は非線形光学媒質として図6に
おけるのと同様な光ファイバ18が用いられている。光フ
ァイバ18は望ましくは本発明による第1、第2又は第3
の方法により提供されている。また、ポンプ光源として
レーザダイオード20が用いられている。信号光及びポン
プ光を非線形光学媒質としての光ファイバ18に双方向に
導波させるために、光カプラ132及び偏波ビームスプリ
ッタ134が用いられている。光カプラ132はポート132A,1
32B及び132Cを有し、ポート132A及び132Bに供給された
光をポート132Cから出力する。ポート132Aには入力ポー
ト130が接続され、ポート132Bは光ファイバ133によりポ
ンプ光源としてのレーザダイオード20に接続される。偏
波ビームスプリッタ134はポート134A,134B,134C及び134
Dを有している。ポート134A及び134B間とポート134C及
び134D間とは、第1の偏波面(例えば紙面に垂直な偏波
面)により結合され、ポート134A及び134C間とポート13
4B及び134D間とは、第1の偏波面に垂直な第2の偏波面
(例えば紙面に平行な偏波面)により結合されている。
ポート134Aは光ファイバ135によりポート132Cに接続さ
れ、ポート134B及び134C間には非線形光学媒質としての
光ファイバ18が接続され、ポート134Dは出力ポート136
に接続されている。光ファイバ18の途中には、1/4波長
板及び1/2波長板等を用いて通常通り構成される偏波制
御器138が設けられており、この偏波制御器138は、光フ
ァイバ18の入力及び出力の偏波状態が一致するような制
御を行う。
入力ポート130からの信号光及びレーザダイオード20
からのポンプ光は、光カプラ132を介して偏波ビームス
プリッタ134のポート134Aに供給される。供給された信
号光及びポンプ光は、偏波ビームスプリッタ134により
第1及び第2の偏波面をそれぞれ有する第1及び第2の
偏波成分に分離される。第1及び第2の偏波成分は、光
ファイバ18を互いに逆方向に伝搬する。このとき、光フ
ァイバ18内においては、四光波混合によって、互いに逆
方向に伝搬する2つの位相共役成分が発生する。即ち、
第1の偏波面を有する位相共役成分はポート134Bからポ
ート134Cに向けて伝搬し、第2の偏波面を有する位相共
役成分はポート134Cからポート134Bに向けて伝搬する。
偏波ビームスプリッタ134に供給された第1及び第2の
位相共役成分は偏波合成され、その結果としての位相共
役光がポート134Dから出力ポート136に向けて出力され
る。
レーザダイオード20から出力されるポンプ光の偏波面
は、偏波ビームスプリッタ134で分離される第1及び第
2の偏波成分への、ポンプ光の分配比が1:1になるよう
に設定されるのが望ましい。例えば、偏波ビームスプリ
ッタ134のポート134Aに供給されるポンプ光の偏波面が
第1及び第2の偏波面に対してそれぞれほぼ45゜傾斜す
るように、レーザダイオード20が設定される。こうして
おくと、光ファイバ18に互いに逆方向に導波される信号
光の直交二偏波成分に対して、ポンプ光の直交二偏波成
分がそれぞれ一致した偏波面で以て作用するので、入力
ポート130における信号光の偏波状態の変動に関わらず
一定強度の位相共役光を得ることができる。即ち、発生
効率が入力信号光の偏波状態に依存しない位相共役器の
提供が可能になる。
偏波ビームスプリッタ134のポート134Aに供給される
ポンプ光の偏波面が第1及び第2の偏波面に対してそれ
ぞれほぼ45゜傾斜するようにするためには、実質的に直
線偏波としてレーザダイオード20から出力されるポンプ
光の偏波面を維持してこれをポート134Aに供給すること
が要求される。そのためには、光ファイバ133及び135の
各々として偏波保持ファイバ(PMF)を用いることがで
きる。PMFは径方向に主軸を有している。PMFは、主軸に
平行な偏波面を有する偏波成分或いは主軸に垂直な偏波
面を有する偏波成分の偏波状態を維持してこれを伝搬さ
せる。従って、ポート134Aにおいてポンプ光の偏波面を
第1及び第2の偏波面に対して45゜傾斜させるために
は、光ファイバ135として用いられるPMFの主軸を第1及
び第2の偏波面に対して45゜傾斜させればよい。
しかしながら、光ファイバ135としてPMFが用いられる
場合、直線偏波に必ずしも限定されない信号光もこのPM
Fを通ることになり、PMFを通る信号光の直交二偏波モー
ド間の遅延により偏波分散が生じるかもしれない。この
偏波分散に対処するためには、光ファイバ135として用
いられるPMFを、長さが実質的に等しい第1及び第2のP
MFをスプライス接続することにより提供すればよい。当
該スプライス接続点においては、第1のPMFの第1の主
軸と第2のPMFの第2の主軸とは互いに直交するように
され、これにより偏波モード間の遅延が相殺されて偏波
分散が解消される。例えば、第1の主軸が第1の偏波面
に対して時計回り方向に45゜傾斜している場合には、第
2の主軸は第1の偏波面に対して反時計回り方向に45゜
傾斜するようにされる。
尚、前述したように、光ファイバ18の非線形係数が十
分大きくその長さが偏波面保存能力を有している程度に
短い場合には、偏波制御器138を省略することができ
る。
このように、本発明によると、発生効率が入力信号光
の偏波状態に依存せず、且つ、偏波分散が小さい位相共
役器が提供される。この位相共役器は、偏波ビームスプ
リッタと、非線形光学媒質と、ポンプ光源と、カップリ
ング手段とを備えている。偏波ビームスプリッタは第1
乃至第4のポートを有する。第1及び第2のポート間並
びに第3及び第4のポート間は第1の偏波面により結合
される。第1及び第3のポート間並びに第2及び第4の
ポート間は第1の偏波面に垂直な第2の偏波面により結
合される。非線形光学媒質は第2及び第3のポート間に
動作的に接続される。ポンプ光源はポンプ光を出力す
る。カップリング手段は、信号光及びポンプ光をそれぞ
れ受ける第1及び第2の入力ポート並びに出力ポートを
有する光カプラと、出力ポート及び偏波ビームスプリッ
タの第1のポート間に動作的に接続される偏波保持ファ
イバとを含む。カップリング手段は、信号光及びポンプ
光を偏波ビームスプリッタの第1のポートに供給する。
偏波保持ファイバは、偏波ビームスプリッタの第1の
ポートにおけるポンプ光の偏波面が第1及び第2の偏波
面に対して実質的に45゜傾斜するように設定される主軸
を有している。
望ましくは、偏波保持ファイバは、スプライス接続さ
れた第1及び第2の偏波保持ファイバからなり、これら
は互いに直交する第1及び第2の主軸を有している。
図22は、広い変換帯域を有する位相共役器によるWDM
信号光の一括変換を説明するための図である。WDM信号
光は、異なる波長λ12,…,λを有するNチャネル
の光信号を波長分割多重(WDM)することにより得られ
る。ここでは、λが最短波長であり、λが最長波長
であるとする。ポンプ光の波長λは例えばλよりも
短く設定される。ポンプ光を用いた非縮退四光波混合に
よって、WDM信号光は変換光に変換される。変換光は、
異なる波長λ′,λ′,…,λ′を有するNチャ
ネルの変換光信号からなる。WDM信号光における各チャ
ネルの光信号と変換光における各変換光信号の配置はポ
ンプ光の波長λに対して対称である。
非線形光学媒質として光ファイバを用いた四光波混合
においては、変換帯域がほぼ平坦であるため、各チャネ
ルの光信号に対してほぼ同じ変換効率で波長変換及び位
相共役変換を行うことができる。従って、各チャネルに
対して伝送路の波長分散と非線形効果とによる波形歪み
を補償可能であり、長距離大容量の伝送が可能である。
図22においては、長波長帯から短波長帯への変換を示し
ているが、光ファイバによる変換帯域は零分散波長に関
して対称であるから、短波長帯から長波長帯への変換も
同様にして可能であることは言うまでもない。
図23は、波長変換及び位相共役変換が適用されるシス
テムの実施形態を示す図である。各々WDMが適用される
複数の光ファイバネットワークNW1,NW2及びNW3は、光フ
ァイバ伝送路140及びノード142によって接続されてい
る。ネットワークNW1及びNW2間における変換を行うため
に、光ファイバ伝送路140の途中には位相共役器PC11が
設けられ、ネットワークNW2及びNW3間の変換を行うため
に、光ファイバ伝送路140の途中には位相共役器23が設
けられている。ネットワークNW1,NW2及びNW3において
は、それぞれ、異なる波長帯λ1j2j3jのWDM伝送
が行われているものとする。位相共役器PC11は波長帯λ
1j及びλ2j間で波長変換及び位相共役変換を行い、位相
共役器PC23は波長帯λ2j及びλ3j間で波長変換及び位相
共役変換を行う。光ファイバ伝送路140の途中には、波
長分散及び非線形効果による波形歪みが本発明に従って
最も改善される位置が幾つかできるので、各ノード142
はそのような位置に設けられている。各ノード142は、
光信号の付加及び抽出を行うための光アッド/ドロップ
装置を含む。光アッド/ドロップ装置はWDM信号光或い
は変換光における全チャネル或いは一部のチャネルに対
して機能する。例えば、光ファイバネットワークNW1の
波長帯λ1jが図22に示されるWDM信号光により与えられ
ており、位相共役器PC11におけるポンプ光の波長がλ
であるとすると、光ファイバネットワークNW2の波長帯
λ2jは変換光の帯域によって与えられる。
このようなシステム構成によると、位相共役器による
波形歪みの補償と波長変換機能とが有効に活かされるの
で、柔軟性に富んだ長距離大容量システムの構築が可能
になる。また、このようなネットワーク間伝送への応用
は、次の点で最近特に重要である: (1)光増幅器の広帯域化; (2)伝送路として使用される光ファイバの分散のバラ
エティー化。
これらのうち、(1)は最近におけるDEFA(エルビウ
ムドープファイバ増幅器)の広帯域化に関係しており、
(2)は伝送信号の高速化とWDM伝送を行うための分散
制御に関係している。最近、50nmを超えるような広帯域
でしかもWDMを指向した利得の平坦性に優れたEDFAが開
発されている。将来的に更に帯域が拡大し、60〜80nm程
度の広帯域なEDFAが開発されよう。このようなEDFAの広
帯域化は、WDMのチャネル数(伝送容量)を大きくする
のに役立っているのは勿論であるが、図23に示されるよ
うなネットワーク間伝送等において新しい概念の導入を
可能とする。
例えば、図24に示されるように、図23の光ファイバネ
ットワークNW1及びNW2の波長帯が設定されている場合、
光ファイバネットワークNW1及びNW2間において本発明に
よる有効な伝送が可能である。図24において、符号144
は光増幅器(例えばEDFA)の比較的平坦な利得帯域を示
している。
このようにネットワーク毎に用いる波長帯が異なるこ
との理由の1つは、ネットワーク毎に用いる伝送路とし
ての光ファイバが異なる処にある。既に実用化されてい
る光ファイバとしては、1.3μm零分散シングルモード
ファイバ(所謂標準SMF)と、1.55μm分散シフトファ
イバ(DSF)とがある。一方、最近におけるEDFAの開発
により、特に高速長距離伝送の中心は1.55μm帯となっ
てきている。標準SMFが+16〜+20ps/nm/km程度の大き
な異常分散値を示すのに対して、DSFでは±1〜2ps/nm/
km程度の小さな分散値に抑えることができるので、1.55
μm帯における高速長距離伝送に対してはDSFの方が有
利である。しかし、既に多くの標準SMFが敷設されてお
り、これを伝送路として用いなければならないネットワ
ークも多い。こうしたネットワークからDSFを用いたネ
ットワークへの接続においては、DSFの最適な分散値と
なる波長帯への波長変換が必要になり、従って、このよ
うな場合に本発明は有効である。
一方、各々DSFを用いたネットワーク間の接続におい
ても本発明は有効である。その理由は、WDMにおいては
必ずしも分散が小さい方が有利である訳ではないからで
ある。比較的高速のWDMにおいては、所望の信号対雑音
比(SNR)を確保するために、各チャネルのパワーレベ
ルはかなり高く設定する必要がある。この場合、伝送路
として使用される光ファイバの分散が小さいと、四光波
混合により隣接チャネル間のクロストークが発生し、伝
送特性が劣化する。この影響を避けるため、最近では、
零分散波長を信号帯域から大きくシフトさせた比較的大
きな分散のファイバ(Nonzero dispersion−shifted fi
ber)を用いることがある。このように伝送路として使
用される光ファイバのバラエティーが豊富になった分、
いろいろな波長帯でのネットワーク構成が可能となり、
こうしたネットワーク間を接続する場合において本発明
のような広帯域な波長変換及び位相共役変換が有効とな
る。
最近では、光ファイバと共にEDFAのバラエティーも豊
富になっているが、何といっても一般的なEDFAは1.53μ
m帯及び1.55μm帯に利得ピークを有するタイプであ
る。このうち前者はブルーバンド、後者はレッドバンド
と称されている。
図25は、図23における波長帯の他の設定例を示す図で
ある。ここでは、光ファイバネットワークNW1の波長帯
は符号146で示されるEDFAのレッドバンドに含まれ、光
ファイバネットワークNW2の波長帯は符号148で示される
EDFAのブルーバンドに含まれている。このような設定に
よると、光ファイバ伝送路140或いは各ネットワークが
インライン型のEDFAを含む場合に、レッドバンド及び位
相共役変換を容易に行うことができる。
図26は、図23における分散配置の例を示す図である。
D1及びD2(各々単位はps/nm/km)は、それぞれ、光ファ
イバネットワークNW1及びNW2における分散を表してい
る。図では、各ネットワーク内で正常分散ファイバを用
いてWDMを行う例が示されている。図22に示されるよう
に、波長変換によりチャネル配置が反転するので、各チ
ャネルに対する変換前後の分散の影響が異なることが予
想されるが、中心付近のチャネルに対して分散の影響が
ほぼ同じになるようにするとともに、各ネットワーク内
で分散補償を行うことにより、この問題は解決可能であ
る。尚、各ネットワーク内の分散は正常分散であっても
よいし異常分散であってもよい。
以上のように、本発明によると、異なる波長を有する
複数の光信号を波長分割多重(WDM)してなるWDM信号光
のための複数の光ファイバネットワークと、これらを結
ぶための少なくとも1つの変換器とを備えた光ファイバ
通信システムが提供される。変換器が、複数の光信号の
波長変換及び位相共役変換を一括に行うことによって、
柔軟性に富んだ長距離大容量のシステムの構築が容易に
なる。
図27は、図6に示される位相共役器の改良例を示す図
である。ここでは、第1及び第2の光帯域阻止フィルタ
152及び154と光帯域通過フィルタ156とが付加的に設け
られている。信号光(入力ビーム)は第1の帯域阻止フ
ィルタ152を通って光カプラ22のポート22Aに供給され、
非線形光学媒質としての光ファイバ18内で発生した位相
共役光は第2の光帯域阻止フィルタ154及び光帯域通過
フィルタ156をこの順に通って出力される。フィルタ154
及び156の接続順序は逆でもよい。
図28Aを参照すると、図27に示される光フィルタ152,1
54及び156の各特性が示されている。図28Aにおいて縦軸
は透過率、横軸は波長を示している。第1の光帯域阻止
フィルタ152は、符号158で示されるように、光ファイバ
18内で発生する位相共役光の波長λの波長を含む阻止
帯域を有している。即ち、波長λの近傍の領域におけ
るフィルタ152の透過率は実質的に0%であり、それ以
外の領域における同透過率は実質的に100%である。第
2の光帯域阻止フィルタ154は、符号160で示されるよう
に、レーザダイオード20から出力されるポンプ光の波長
λを含む比較的狭い阻止帯域を有している。即ち、波
長λの近傍の領域におけるフィルタ154の透過率は実
質的に0%であり、それ以外の領域における同透過率は
実質的に100%である。光帯域通過フィルタ156は、符号
162で示されるように、光ファイバ18内で発生する位相
共役光の波長λの波長を含む通過帯域を有している。
即ち、波長λの近傍の領域におけるフィルタ156の透
過率は実質的に100%であり、それ以外の領域における
同透過率は実質的に0%である。
図28B〜28Dを参照すると、図27の位相共役器の各位置
において観測される光スペクトルが示されている。図28
Bは、第1の光帯域阻止フィルタ152の出力のスペクトル
を示している。ここでは、信号光は、ASE光に重畳され
たWDM信号光により与えられている。第1の光帯域阻止
フィルタ152が用いられていることにより、符号164で示
されるように、ASEスペクトルには雑音電力が極めて小
さい窓が形成される。図28Cは光ファイバ18の出力のス
ペクトルを示している。光ファイバ18内における非縮退
四光波混合の結果位相共役変換及び波長変換が行われ、
WDM信号光は変換光に変換される。WDM信号光及び変換光
間における各チャネルの波長配置は、前述したように、
ポンプ光の波長λに対して対称である。変換光の各チ
ャネルの波長は窓164内に含まれる。図28Dは光帯域通過
フィルタ156の出力のスペクトルを示している。第2の
光帯域阻止フィルタ154が狭い阻止帯域を有しているこ
とにより、ポンプ光のパワーは効果的に抑圧されてい
る。また、光帯域通過フィルタ156を採用していること
により、窓164の近傍におけるASE光が効果的に抑圧され
ている。
図27の実施形態では、ポンプ光を除去するための光帯
域阻止フィルタ154を光ファイバ18の出力側に設けてい
るので、受信局或いは光伝送路の下流側に配置される光
デバイスに対するポンプ光の影響が低減され、位相共役
光の処理(抽出及び増幅等)を容易に行うことができ
る。例えば、位相共役器の下流側に光増幅器が設けられ
ている場合、パワーの大きいポンプ光がその光増幅器に
供給されると光増幅器が飽和してしまい、所要の利得を
得ることができない可能性があるのであるが、図27のよ
うな構成を採用することによって、このような問題を解
決することができる。
特に、図27の実施形態では、光帯域阻止フィルタ154
及び光帯域通過フィルタ156が光ファイバ18の出力側に
カスケード接続されているので、ポンプ光の抑圧を効果
的に行うことができ、従って、ポンプ光のパワーを大き
くして変換効率を効果的に高めることができる。例え
ば、光ファイバ18の出力側に光帯域通過フィルタ156だ
けを設けた場合、フィルタ156の製造技術上ポンプ光の
除去能力が低いかもしれないことを考慮すると、フィル
タ154及び156の組み合わせは効果的である。その意味に
おいて、図27の実施形態により得られる、ポンプ光及び
/又は信号光を効果的に除去し得るという効果は、従来
技術に対して自明ではなく或いは進歩性を有しており或
いは臨界性を有している。図27の実施形態において、光
ファイバ18の入力側に光帯域阻止フィルタ152を設けて
いるのは、発生させられるべき位相共役光の波長λ
近傍においてASE雑音を予め除去するためである。その
結果、信号対雑音比(SNR)の劣化を防止することがで
きる。図27は図6に示される位相共役器の改良を示して
いるが、同様の改良を図21に示される位相共役器に施し
てもよい。この場合、第1の光帯域阻止フィルタ152は
入力ポート130と光カプラ132のポート132Aとの間に設け
られ、第2の光帯域阻止フィルタ154及び光帯域通過フ
ィルタ156は偏波ビームスプリッタ134のポート134Dと出
力ポート136との間に設けられる。
以上のように、本発明によると、位相共役光を発生さ
せるための装置として、SNRの劣化が少なく且つ下流側
への影響が小さい位相共役器が提供される。この位相共
役器は、非線形光学媒質と、ポンプ光源と、光帯域阻止
フィルタとを備えている。非線形光学媒質は第1端及び
第2端を有しており、第1端には信号光が供給される。
ポンプ光源は第1端及び第2端の少なくとも何れかから
ポンプ光を非線形光学媒質に供給する。光帯域阻止フィ
ルタは非線形光学媒質の第2端に動作的に接続される。
光帯域阻止フィルタはポンプ光の波長を含む阻止帯域を
有している。
本発明を実施する場合、各光フィルタとしてはファイ
バグレーティングを用いることができる。光学媒質(例
えばガラス)の屈折率が光照射によって恒久的に変化す
る場合、その媒質は感光性であると言われる。この性質
を用いることにより、光ファイバのコアにファイバグレ
ーティングを作製することができる。このようなファイ
バグレーティングの特徴は、グレーティングピッチとフ
ァイバモードの有効屈折率とによって決定される共振波
長近傍の狭い帯域で光をブラッグ反射させることであ
る。ファイバグレーティングは、例えば、フェイズマス
クを用いて波長248nm又は193nmで発振するエキシマレー
ザを照射することによって作製することができる。
例えば、ファイバグレーティングを用いて図27に示さ
れる光帯域阻止フィルタ152及び154の各々を作製するこ
とによって、正確で且つ狭い阻止帯域を得ることができ
る。
産業上の利用可能性 以上のように、本発明によると、位相共役器を用いて
波長分散及び非線形性を効果的に補償することができる
ので、長距離大容量の光ファイバ通信システムの提供が
可能になる。また、そのようなシステムに使用するのに
適した広い変換帯域で高い変換効率の位相共役器の提供
が可能になる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−301830(JP,A) 特開 平8−171102(JP,A) 特開 平7−154324(JP,A) O plus E,1996年,No. 194,85−90 1995年電子情報通信学会総合大会講演 論文集 通信2,1995年,527 Journal of Lightw ave Technology,Vo l.14,No.3,243−248 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/35 H04B 10/00 JICSTファイル(JOIS) INSPEC(DIALOG)

Claims (29)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】信号ビームの入力端及び出力端にそれぞれ
    相当する第1端及び第2端を有する第1の光ファイバ
    と、 上記第2端に動作的に接続され上記信号ビームを第1の
    位相共役ビームに変換して出力する第1の位相共役器
    と、 上記第1の位相共役ビームの入力端及び出力端にそれぞ
    れ相当する第3端及び第4端を有する第2の光ファイバ
    と、 上記第4端に動作的に接続され上記第1の位相共役ビー
    ムを第2の位相共役ビームに変換して出力する第2の位
    相共役器と、 上記第2の位相共役ビームの入力端及び出力端にそれぞ
    れ相当する第5端及び第6端を有する第3の光ファイバ
    とを備えたシステムであって、 上記第2の光ファイバは上記第3端及びシステム中間点
    の間の第1の部分と該システム中間点及び上記第4端の
    間の第2の部分とからなり、 上記第1の光ファイバの波長分散の平均値及び長さの積
    は上記第1の部分の波長分散の平均値及び長さの積に実
    質的に一致し、 上記第2の部分の波長分散の平均値及び長さの積は上記
    第3の光ファイバの波長分散の平均値及び長さの積に実
    質的に一致し、 上記システムは、上記信号ビームを上記第1の光ファイ
    バに供給する光送信機と、上記第3の光ファイバからの
    上記第2の位相共役ビームを受ける光受信機とを更に備
    えており、 上記光送信機、上記第1の光ファイバ及び上記第1の位
    相共役器は第1の端局に含まれ、 上記第2の位相共役器、上記第3の光ファイバ及び上記
    光受信機は第2の端局に含まれ、 上記第1及び第2の端局の間に上記第2の光ファイバが
    敷設されるシステム。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項に記載のシステムであっ
    て、 上記第1の光ファイバにおける光パワーの平均値及び非
    線形係数の平均値並びに上記第1の光ファイバの長さの
    積は上記第1の部分における光パワーの平均値及び非線
    形係数の平均値並びに上記第1の部分の長さの積に実質
    的に一致し、 上記第2の部分における光パワーの平均値及び非線形係
    数の平均値並びに上記第2の部分の長さの積は上記第3
    の光ファイバにおける光パワーの平均値及び非線形係数
    の平均値並びに上記第3の光ファイバの長さの積に実質
    的に一致するシステム。
  3. 【請求項3】請求の範囲第1項に記載のシステムであっ
    て、 上記第1の光ファイバ、上記第2の光ファイバ及び上記
    第3の光ファイバを含む光路上に設けられる複数の光増
    幅器を更に備えたシステム。
  4. 【請求項4】請求の範囲第3項に記載のシステムであっ
    て、 上記複数の光増幅器の隣り合う各2つの光増幅器の間の
    距離は上記光路の非線形長よりも短いシステム。
  5. 【請求項5】請求の範囲第1項に記載のシステムであっ
    て、 上記システム中間点は上記第1の位相共役ビームの波形
    歪みが最も小さくなる位置として定義されるシステム。
  6. 【請求項6】請求の範囲第1項に記載のシステムであっ
    て、 上記第1の光ファイバ及び上記第1の部分が仮想的にそ
    れぞれ同数の区間に分割されたときに、上記第1の位相
    共役器から数えて対応する2つの区間の波長分散の平均
    値及び区間長の積は実質的に一致するとともに、当該2
    つの区間における光パワーの平均値、非線形係数の平均
    値及び区間長の積は実質的に一致し、 上記第2の部分及び上記第3の光ファイバが仮想的にそ
    れぞれ同数の区間に分割されたときに、上記第2の位相
    共役器から数えて対応する2つの区間の波長分散の平均
    値及び区間長の積は実質的に一致するとともに、当該2
    つの区間における光パワーの平均値、非線形係数の平均
    値及び区間長の積は実質的に一致する光ファイバ通信シ
    ステム。
  7. 【請求項7】請求の範囲第1項に記載のシステムであっ
    て、 上記第1の位相共役器からの波長分散の累積値が等しい
    上記第1の光ファイバ及び上記第1の部分上の2点の各
    々における光パワー及び非線形係数の積と波長分散との
    比が実質的に一致し、 上記第2の位相共役器からの波長分散の累積値が等しい
    上記第2の部分及び上記第3の光ファイバ上の2点の各
    々における光パワー及び非線形係数の積と波長分散との
    比が実質的に一致するシステム。
  8. 【請求項8】請求の範囲第1項に記載のシステムであっ
    て、 上記第1の位相共役器からの光パワー及び非線形係数の
    積の累積値が等しい上記第1の光ファイバ及び上記第1
    の部分上の2点の各々における光パワー及び非線形係数
    の積と波長分散との比が実質的に一致し、 上記第2の位相共役器からの光パワー及び非線形係数の
    積の累積値が等しい上記第2の部分及び上記第3の光フ
    ァイバ上の2点の各々における光パワー及び非線形係数
    の積と波長分散との比が実質的に一致するシステム。
  9. 【請求項9】請求の範囲第1項に記載のシステムであっ
    て、 上記第1及び第2の位相共役器の各々は、 上記第2の光ファイバに動作的に接続される2次又は3
    次の非線形光学媒質と、 該非線形光学媒質をポンピングする手段とを備えている
    システム。
  10. 【請求項10】請求の範囲第9項に記載のシステムであ
    って、 上記ポンピングする手段はポンプ光を上記非線形光学媒
    質に供給する手段を含み、 上記非線形光学媒質は上記ポンプ光の波長に実質的に等
    しい零分散波長を有する光ファイバからなるシステム。
  11. 【請求項11】請求の範囲第1項に記載のシステムであ
    って、 上記第2の光ファイバの入力端若しくは出力端又は途中
    に設けられ上記第1の位相共役ビームを増幅する光増幅
    器を更に備え、これにより上記第2の光ファイバの損失
    が補償されるシステム。
  12. 【請求項12】請求の範囲第11項に記載のシステムであ
    って、 上記第2の光ファイバにおける上記システム中間点の近
    傍に設けられ上記第1の位相共役ビームの波長を含む通
    過帯域を有する光帯域通過フィルタを更に備え、これに
    より上記光増幅器で生じた雑音が除去されるシステム。
  13. 【請求項13】請求の範囲第11項に記載のシステムであ
    って、 上記光増幅器は複数の光増幅器からなるシステム。
  14. 【請求項14】請求の範囲第13項に記載のシステムであ
    って、 上記複数の光増幅器の隣り合う各2つの光増幅器の間の
    距離は上記第2の光ファイバの非線形長よりも短く設定
    されるシステム。
  15. 【請求項15】請求の範囲第1項に記載のシステムであ
    って、 上記第2の光ファイバにおける上記システム中間点の近
    傍に設けられ上記第1の位相共役ビームを複数の分岐ビ
    ームに分岐する分岐ユニットを更に備え、 上記第2の部分、上記第2の位相共役器及び上記第3の
    光ファイバは上記複数の分岐ビームに対応してそれぞれ
    複数あり、 上記複数の分岐ビームの各々は上記複数の第2の部分の
    各々に供給されるシステム。
  16. 【請求項16】請求の範囲第15項に記載のシステムであ
    って、 上記分岐ユニットに動作的に接続され上記第1の位相共
    役ビームの伝送特性をモニタリングする手段を更に備え
    たシステム。
  17. 【請求項17】請求の範囲第1項に記載のシステムであ
    って、 上記第1の光ファイバは上記信号ビームのパワーの減少
    に伴って減少する波長分散を有する分散漸減ファイバを
    含み、これにより上記第1の光ファイバにおける光パワ
    ー及び非線形係数の積と波長分散との比がほぼ一定にな
    るシステム。
  18. 【請求項18】請求の範囲第17項に記載のシステムであ
    って、 上記分散漸減ファイバは異なる波長分散を有する複数の
    分散シフトファイバを縦続接続してなるシステム。
  19. 【請求項19】請求の範囲第17項に記載のシステムであ
    って、 上記第2の光ファイバにおける光パワーをほぼ一定にす
    るための複数の光増幅器を更に備えたシステム。
  20. 【請求項20】請求の範囲第19項に記載のシステムであ
    って、 上記第3の光ファイバは上記第2の位相共役ビームのパ
    ワーの減少に伴って減少する波長分散を有する第2の分
    散漸減ファイバを含み、これにより上記第3の光ファイ
    バにおける光パワー及び非線形係数の積と波長分散との
    比がほぼ一定になるシステム。
  21. 【請求項21】請求の範囲第17項に記載のシステムであ
    って、 上記分散漸減ファイバは複数あり、これらの間に設けら
    れる少なくとも1つの光増幅器を更に備えたシステム。
  22. 【請求項22】請求の範囲第1項に記載のシステムであ
    って、 上記信号ビームは波長が異なる複数の信号ビームを波長
    分割多重(WDM)してなるWDM信号ビームであり、 上記第1の光ファイバは上記複数の信号ビームに対応し
    て複数あるシステム。
  23. 【請求項23】請求の範囲第22項に記載のシステムであ
    って、 上記第2の位相共役器に動作的に接続され、上記第2の
    位相共役ビームを上記複数の信号ビームに対応する複数
    の位相共役ビームに分ける光デマルチプレクサを更に備
    え、 上記第3の光ファイバは上記複数の位相共役ビームに対
    応して複数あるシステム。
  24. 【請求項24】請求の範囲第1項に記載のシステムであ
    って、 上記第1、第2及び第3の光ファイバの少なくとも何れ
    かの入力端若しくは出力端又は途中に設けられ上記第
    1、第2及び第3の光ファイバの各々の波長分散と逆符
    号の波長分散を与える少なくとも一つの分散補償器を更
    に備えたシステム。
  25. 【請求項25】請求の範囲第24項に記載のシステムであ
    って、 上記分散補償器は上記第2の光ファイバよりも単位長さ
    当たりの波長分散の絶対値が大きい分散補償ファイバか
    らなるシステム。
  26. 【請求項26】請求の範囲第24項に記載のシステムであ
    って、 上記第1、第2及び第3の光ファイバの各々は正常分散
    を与え、 上記分散補償器は1.3μm零分散ファイバからなるシス
    テム。
  27. 【請求項27】請求の範囲第24項に記載のシステムであ
    って、 上記分散補償器はファイバグレーティングからなるシス
    テム。
  28. 【請求項28】請求の範囲第1項に記載のシステムであ
    って、 上記第1の光ファイバ、上記第1の位相共役器、上記第
    2の光ファイバ、上記第2の位相共役器及び上記第3の
    光ファイバにそれぞれ相当する光学要素を含む1つ又は
    それよりも多い光学ユニットを更に備え、 該光学ユニットは上記第3の光ファイバに動作的に接続
    されるシステム。
  29. 【請求項29】光ファイバ伝送路の入力端に接続された
    光送信装置と該光ファイバ伝送路の出力端に接続された
    光受信装置とを備えた光通信システムにおいて、 前記光送信装置は、 入力端と出力端とを有し、前記光ファイバ伝送路の中間
    点と入力端との間の波長分散量と実質的に等しい波長分
    散量を有する第1の光ファイバと、 前記第1の光ファイバの入力端に光信号を入力する光信
    号出力手段と、 前記第1の光ファイバの出力端からの光信号を、この光
    信号と位相共役の関係にある第1の位相共役光に変換し
    て、この第1の位相共役光を前記光伝送路の入力端から
    入力する第1の位相共役器とを有し、 前記光受信装置は、 入力端と出力端とを有し、前記光ファイバ伝送路の中間
    点と出力点との間の波長分散量と実質的に等しい波長分
    散量を有する第2の光ファイバと、 前記光ファイバ伝送路から受信した第1の位相共役光
    を、この位相共役光と位相共役の関係にある第2の位相
    共役光に変換して、この第2の位相共役光を前記第2の
    光ファイバの入力端に入力する第2の位相共役器と、 前記第2の光ファイバの出力端から、該第2の位相共役
    光を受信する受信器とを備えたことを特徴とする光通信
    システム。
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