JP3494741B2 - 光位相共役を用いた光通信方法及びシステム - Google Patents

光位相共役を用いた光通信方法及びシステム

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JP3494741B2 JP04751095A JP4751095A JP3494741B2 JP 3494741 B2 JP3494741 B2 JP 3494741B2 JP 04751095 A JP04751095 A JP 04751095A JP 4751095 A JP4751095 A JP 4751095A JP 3494741 B2 JP3494741 B2 JP 3494741B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(目次) 産業上の利用分野 従来の技術 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段 作用 実施例 発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的に、位相共役光
学の光通信への適用に関し、さらに詳しくは、光位相共
役を用いた光通信方法及びシステムに関する。
【0003】非線形光学を用いることにより、従来の光
技術では得られなかった新しい機能や特性の改善が可能
となる。特に、光位相共役を適用して位相共役光の時間
反転の性質を用いると、伝送路内での位相揺らぎや波長
分散の補償が可能となる。
【0004】この性質を光ファイバ通信に応用し、ファ
イバの波長分散を補償する方法や非線形光学効果により
高速光パルスの歪みを補償する方法については、既に特
願平5−221856号において示した。本願は上記先
願に示された技術の延長線にあるもので、光位相共役を
光周波数分割多重(OFDM)に適用するものである。
【0005】
【従来の技術】従来の光通信システムは、線形の光学特
性を有する光コンポーネントを用いて構築されており、
シンプルではあるが特性や機能に制限がある。特に、最
近においては、数百キロメートル〜数千キロメートルに
も及ぶ無中継システム或いは光増幅中継システムが実現
されつつあり、しかもその信号速度は数Gb/s〜数十
Gb/sにも及ぶ高速なものである。また、さらに大容
量化を進めるために、電気段及び光段でのより高速な時
分割多重(TDM)化やOFDM化とその伝送方法の研
究が盛んになされている。
【0006】こうしたシステムにおいては、多くの解決
すべき問題点があるが、その中でもファイバの波長分散
の影響は、最も重大で且つ深刻な問題の一つである。光
伝送路において生じる波長分散は伝送特性を劣化させ、
ひいては伝送距離に制限が生じる。
【0007】波長分散に対する従来の対策の一つは、光
ファイバの分散をできるだけ小さく抑えることにある。
例えば、実用的な伝送波長帯である1.3μm帯、1.
5μm帯でほぼ零分散になる光ファイバが実現されてい
る。
【0008】また、伝送すべき信号光のチャーピング
(動的波長変動)をできるだけ小さく抑えるために、レ
ーザダイオードを直接変調せずに、定常駆動されるレー
ザダイオードからの光を光変調器により外部変調するシ
ステムの検討も進められている。優れた変調特性を有す
る光変調器として、LiNbO3 マッハツェンダ型光変
調器が開発されている。
【0009】さらに、送信信号光に予めチャーピングを
与えておき伝送路の波長分散により補償する方法や分散
補償ファイバを用いて伝送路の波長分散を補償する方
法、さらには受信機において光学的或いは電気的に分散
補償を行う研究が進められている。
【0010】一方、位相共役光学の光通信への適用の可
能性については、文献(A. Yariv, D. Fekete, and D.
M. Pepper, “Compensation for channel dispersion b
y non-linear optical phase conjugation," Opt. Let
t., vol. 4, pp.52-54, 1979.)に示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】OFDMにおける伝送
速度と伝送距離の制限要因としては、単一チャンネル伝
送と同様の、(a)波長分散と光カー効果の相乗効果に
よる波形歪み、(b)光増幅多中継伝送における光アン
プの付加的自然放出光雑音(ASE雑音)の累積による
ランダムな位相揺らぎによる波形歪み、の他に、(c)
チャンネル間クロストークの影響、がある。
【0012】(c)は主にファイバ内の4光波混合(F
WM)により生じるものであるが、FWMの発生効率は
以下で述べるように光強度と位相整合状態に大きく依存
する。具体的には、(a),(b)の問題を回避するた
めに波長分散の小さい分散シフトファイバ(DSF)を
用いようとすると、FWMの位相整合が取れやすい条件
になるため、各チャンネルの信号パワー、チャンネル間
隔及び伝送可能な距離に制限がでる。即ち、限られたS
N比で限られた多重密度の伝送を行うことになる。
【0013】一方、FWMを抑えるために大きな分散値
のファイバを用いようとすると、(a),(b)の問題
から伝送する信号速度と伝送可能な距離に制限が出てし
まう。いずれにしても、OFDMはかなり限られた条件
の下でしか実現することができないのが現状である。
【0014】(a),(b)の問題については、位相共
役光学を適用することにより解決可能であることを特願
平5−221856号において示した。本発明の目的
は、チャンネル間クロストークの影響を排除した光通信
方法及び光通信システムを提供することにある。
【0015】以下、本発明を高速システムに適用するた
めに、光ファイバがシングルモードファイバであるとし
て本発明を説明するが、本発明は光ファイバがシングル
モードファイバであることに限定されない。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によると、複数の
光キャリアを必要に応じてそれぞれ変調した後周波数分
割多重してFDM信号光を生成するステップと、該FD
M信号光を第1のシングルモードファイバの第1端に入
力するステップと、該第1のシングルモードファイバの
第2端から出力された上記FDM信号光の位相共役波に
相当するFDM位相共役光を生成するステップと、該F
DM位相共役光を第2のシングルモードファイバの第1
端に入力するステップと、該第2のシングルモードファ
イバの第2端から出力された上記FDM位相共役光を復
調するステップとからなり、上記第1のシングルモード
ファイバにおける平均光強度と非線形屈折率とファイバ
長の積が上記第2のシングルモードファイバにおける平
均光強度と非線形屈折率とファイバ長の積にほぼ等しい
光通信方法が提供される。
【0017】本発明の他の側面によると、複数の光キャ
リアを必要に応じてそれぞれ変調した後周波数分割多重
してFDM信号光を生成するFDM信号光発生手段と、
第1端及び第2端を有し、該第1端は上記FDM信号光
発生手段に接続され、該第1端に入力した上記FDM信
号光を伝送して該第2端から出力する第1のシングルモ
ードファイバと、入力端及び出力端を有し、該入力端は
上記第1のシングルモードファイバの第2端に接続さ
れ、該入力端に供給された上記FDM信号光の位相共役
波に相当するFDM位相共役光を生成する位相共役光発
生手段と、第1端及び第2端を有し、該第1端は上記出
力端に接続され、該第1端に入力した上記FDM位相共
役光を伝送して該第2端から出力する第2のシングルモ
ードファイバとを備え、上記第1のシングルモードファ
イバにおける平均光強度と非線形屈折率とファイバ長の
積が上記第2のシングルモードファイバにおける平均光
強度と非線形屈折率とファイバ長の積にほぼ等しい光通
信システムが提供される。
【0018】
【作用】本発明の光通信方法又は光通信システムによる
と、第1のシングルモードファイバと第2のシングルモ
ードファイバの間でFDM信号光の位相共役波に相当す
るFDM位相共役光を生成し、各シングルモードファイ
バにおける平均光強度等のパラメータを所定の関係に設
定しているので、後述する原理に従って、チャンネル間
クロストークの影響が排除される。
【0019】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に従って詳細に説
明する。図1は本発明の光通信システムの基本構成を示
すブロック図である。FDM信号光発生手段SGは、周
波数ωS1,ωS2,…,ωSNのNチャンネルの光キャリア
を必要に応じてそれぞれ変調して周波数分割多重された
FDM信号光を生成する。FDM信号光の各周波数成分
をそれぞれES1,ES2,…,ESNとする。
【0020】FDM信号光は、長さL1 、損失定数
α1 、伝送定数β1 、非線形屈折率n21の第1のシング
ルモードファイバSMF1を通って位相共役光発生手段
PCに伝送される。FDM信号光発生手段SGにおける
変調方式は、例えば、コヒーレントな光若しくはコヒー
レントでない光に対する強度変調又はコヒーレントな光
に対する振幅変調若しくは角度変調である。
【0021】位相共役光発生手段PCは、例えば、非線
形光学媒質と、励起光E0 を発生する励起光源と、励起
光E0 及びFDM信号光を上記非線形光学媒質に供給す
る光学手段とからなる。位相共役光発生手段PCの具体
的構成については後述する。
【0022】FDM信号光発生手段SGから送出された
FDM信号光ES1,…,ESNはシングルモードファイバ
SMF1を通る間にそれぞれES1′,…,ESN′に変化
し、次いで、位相共役光発生手段PCにおいて、FDM
信号光の位相共役波に対するFDM位相共役光EC1
…,ECNに変換される。
【0023】FDM位相共役光の各周波数成分の周波数
はそれぞれωC1,…,ωCNである。そして、FDM位相
共役光は、長さL2 、損失定数α2 、伝送定数β2 、非
線形屈折率n22の第2のシングルモードファイバSMF
2により復調手段DMに伝送される。位相共役光発生手
段PCから送出されたFDM位相共役光EC1,…,ECN
は第2のシングルモードファイバSMF2を通ってそれ
ぞれEC1′,…,E CN′に変化する。
【0024】復調手段DMは受信したFDM位相共役光
を復調してFDM信号光発生手段SGにおける変調信号
に対応する復調信号を再生する。復調に際しての検波方
式としては、変調方式が強度変調である場合には、フォ
トダイオード等の受光器を用いた直接検波が適してお
り、変調方式がコヒーレント光に対する振幅変調又は角
度変調である場合には、ローカル光を用いたヘテロダイ
ン検波又はホモダイン検波が適している。
【0025】各チャンネルの波長分散の影響は、既に前
述の先願において示されているように、次の条件が成り
立てば補償することができる。
【0026】
【数1】
【0027】ここで、∂2 βj /∂ω2 (j=1,2)
はファイバ内の群速度分散(GVD)を表す。従って、
シングルモードファイバSMF1及びSMF2として分
散が同じファイバを用いている場合にはこれらの長さを
同じにすることにより、また分散の異なるファイバを用
いている場合には長さを変えて(1)式を満たすように
すれば、分散補償が可能になる。この場合、2つのファ
イバの波長分散の符号が等しいことが条件である。
【0028】次に、光カー効果の影響が無視できない場
合について考える。この場合、波長分散と光カー効果の
相乗効果によりパルスの形状が歪む。ここでは、最も簡
単な近似として、各々の影響を独立に補償することを考
える。
【0029】この場合、波長分散の補償については上述
と同様であるが、光カー効果による影響は次の条件が成
り立てば補償可能である。
【0030】
【数2】
【0031】である。このように、非線形屈折率と平均
パワーとファイバ長との積を第1及び第2のシングルモ
ードファイバにおいてほぼ等しく設定しておくことによ
って、光カー効果によるパルスの補償も可能になる。実
際には、パルス歪みは波長分散と光カー効果の非線形な
相乗効果によって生じるので、それぞれを独立して完全
には補償することができない。しかも、パルス形状によ
りチャーピング量が異なるので、上述のように平均パワ
ーによる近似は限られた条件(例えばパワー変動が小さ
い条件)でしか成り立たない。波長分散及び光カー効果
の影響をより最適に補償するためには、非線形波動方程
式の数値解析を用いて行うことができる。
【0032】一般に、位相共役光発生手段PCの前後の
二つ伝送路と光強度の長さ方向の分布が対称である場合
には、位相共役光発生手段PCにより、第2の伝送路か
ら第1の伝送路への入力光の複素共役光が出力される。
従って、伝送路途中で受ける分散や光カー効果による波
形歪みとともに四光波混合(FWM)による波長多重信
号チャンネルの間のクロストーク等の補償された光が受
信可能となる。
【0033】この場合、上記した伝送路と光強度の長さ
方向の分布を完全に対称にすることは実際には困難であ
り、これが性能の限界を与える。具体的には、伝送路の
損失による光強度分布の非対称性と波長分散の周波数依
存性によるチャンネル間の位相不整合によりFWMの生
成効率が位相共役光発生手段PCの前後で対称にならな
いことが限界を与える。
【0034】次に、FWMにより生じるクロストークの
補償について述べる。この原理を説明するために、最も
簡単なモデルとして、図2に示されるように、3チャン
ネルのOFDMが行われている場合について考える。
【0035】ここでは2チャンネルの伝送を考え、その
うちの一つのチャンネルの光、例えば、第2チャンネル
の光を励起光とするFWMが選択的に発生する場合につ
いて考える。シングルモードファイバSMF1及びSM
F2としてωS2,ωC2に零分散波長があるDSFを用い
て伝送する場合等がこれに相当する。
【0036】このとき、FWMによる第1チャンネルの
変換光を第3チャンネルとすると、シングルモードファ
イバSMF1伝送後の第1,3チャンネルの光は以下の
ように書ける。
【0037】
【数3】
【0038】ここに、
【0039】
【数4】
【0040】であり、n1 及びχ1 (3) はそれぞれシン
グルモードファイバSMF1のコア屈折率及び3次の非
線形感受率を表す。また、l1 (L1 )は相互作用長を
表し、以下のように書ける。
【0041】
【数5】
【0042】特に、第3チャンネルの光が入力されない
場合(ES3=0)には、(5),(6)式は以下のよう
に書ける。
【0043】
【数6】
【0044】次にこれらの光を位相共役光発生手段PC
で位相共役光(EC1,EC2,EC3)に変換し、その際の
位相共役光発生手段PCの利得をgとすると、次式が与
えられる。
【0045】
【数7】
【0046】次にこれらの光をシングルモードファイバ
SMF2に入力する。シングルモードファイバSMF2
においてもFWMによるエネルギー変換が発生するが、
上記と同様に理想的な位相整合が成り立っている場合に
は、シングルモードファイバSMF2伝送後の第3チャ
ンネルの光は以下のように書ける。
【0047】
【数8】
【0048】ここに、
【0049】
【数9】
【0050】であり、n2 及びχ2 (3) はそれぞれシン
グルモードファイバSMF2のコア屈折率及び3次の非
線形感受率を表す。また、l2 (L2 )は相互作用長を
表し、以下のように書ける。
【0051】
【数10】
【0052】(12),(13)式を(14)式に代入
すると、次式が得られる。
【0053】
【数11】
【0054】ここに、
【0055】
【数12】
【0056】である。一方、位相共役光発生手段PCを
用いずにシングルモードファイバSMF1,SMF2を
伝送(但し、伝送損失を補償するために途中で1回だけ
利得gの線形増幅を行う。)した場合のシングルモード
ファイバSMF2から出力される第3チャンネルの光E
C3″は以下のように書ける。
【0057】
【数13】
【0058】ここに、
【0059】
【数14】
【0060】である。位相共役光発生手段PCにより効
果的にFWMを抑圧することができるのはr<0.17
πの領域である。例えば、非線形光学媒質としてシング
ルモードファイバを用いる場合には、r=0.17πと
なる光パワーは、20kmで約+12dBm、40kmでは
約+10dBmとなり、これらの値は通常のFDMシス
テムにおいて十分適用可能な値である。
【0061】(18)乃至(21)式より、位相共役光
発生手段PCを用いることによるFWMの抑圧比S(r
1 ,r2 )は、
【0062】
【数15】
【0063】で与えられる。特に、r1 =r2 =rの場
合には、
【0064】
【数16】
【0065】となる。通常のDSFにおいて、損失を
0.23dB/km、第2チャンネルの入力パワーを
3.16mW(+5dBm)とすれば、伝送距離(L=
1 +L2 )に対してS(r)は表1のように見積もる
ことができる。
【0066】
【表1】
【0067】上記の議論は位相整合条件下のものである
が、同様のことは一般の波長多重伝送において各チャン
ネル間の位相整合が不完全の場合においても、位相共役
光発生手段PCの前後の位相条件を同一(対称)に設定
しさえすれば成立する。この場合、本発明の補償限界
は、伝送路の損失による光強度の非対称な分布(位相共
役光発生手段PCに関して)によって決まる。決められ
た条件下での最適補償条件は波長分散と光カー効果によ
る波形歪みの補償の場合と同様にして、非線形波動方程
式の数値解析等を用いて行うことができる。
【0068】図3は位相共役光発生手段PCの動作原理
を示す図である。位相共役光の発生には、4光波混合、
特に信号光と励起光が非線形光学媒質において同じ方向
に伝搬する前方4光波混合(FFWM)を用いるのが望
ましい。
【0069】FFWMにおいては、図3に示されるよう
に、高い強度の励起光EP (周波数ωP )によりもたら
される3次の非線形光学プロセス、具体的には、励起光
の一部と信号光の相互作用により形成される物質励起波
による残りの励起光の自己回折効果により、周波数
ωS1,…,ωSN、波数kS1,…,kSNのFDM信号光E
S1,…,ESNから、周波数ωS1,…,ωSN、波数kS1
…,kSNのFDM信号光E S1′,…,ESN′と、周波数
ωI1,…,ωIN、波数kI1,…,kINのFDMアイドラ
光EIN′,…,EIN′が発生する。ここで、励起光EP
は図1及び図2に示される励起光E0 に相当し、FDM
アイドラ光(出力アイドラ光)はFDM位相共役光に相
当する。
【0070】特に、図3に示されるように、励起光EP
を信号光と同じ方向から非線形光学媒質に供給する場合
には、kIi=2kP −kSi(i=1,…,N)となるか
ら、アイドラ光は入射方向と同じ方向に出力される。
【0071】このとき、エネルギー保存則により次の関
係が成り立つ。
【0072】
【数17】
【0073】このときの信号光(FDM信号光)、励起
光及びアイドラ光(FDM位相共役光)の周波数配置を
図4に示す。(25)式の関係から明らかなように、F
FWMによりスペクトルが反転する。従って、各信号光
が変調されている場合には、周波数がωSi+Ωのフーリ
エ成分は、周波数がωIi−Ωの成分に変換される。
【0074】図3の原理における非線形光学効果の相互
作用長をLとすれば、生成方程式は以下で与えられる。
【0075】
【数18】
【0076】ここに、
【0077】
【数19】
【0078】であり、n及びχ(3) はそれぞれ非線形媒
質(損失がないものとする)の屈折率及び3次の非線形
定数を表す。また、ここでは位相整合が成り立っている
(|δk|=|2kP −kS −kI |=0)とした。
【0079】(26)式において、入力アイドラ光がな
い場合(EIi=0)を考えると、出力アイドラ光が入力
信号光の位相共役光になっていることが分かる。また、
信号光及びアイドラ光に対する利得GS 及びGI は、
【0080】
【数20】
【0081】で与えられることがわかり、十分大きなパ
ワーの励起光を用いれば、位相共役光発生手段PCによ
り信号の増幅(光パラメトリック増幅)も同時に実現で
きることがわかる。
【0082】図5は本発明システムの具体例に相当する
第1実施例を示すブロック図である。図1のFDM信号
光発生手段SG及び復調手段DMにそれぞれ対応して送
信機1及び受信機2が用いられている。
【0083】送信機1ではNチャンネルのFDM信号光
が生成され、このFDM信号光は、長さがL1 、零分散
波長がλ10、分散がD1 のシングルモードファイバSM
F1により伝送された後、位相共役光発生手段PCによ
りNチャンネルのFDM位相共役光に変換される。この
FDM位相共役光は、長さがL2 、零分散波長がλ20
分散がD2 のシングルモードファイバSMF2により受
信機2に伝送され、受信機2では各チャンネルの信号が
検出される。
【0084】受信機2では、例えば振幅(強度)変調さ
れているFDM信号光に対しては、フィルタによるチャ
ンネル抽出後の直接検波或いは光ヘテロダイン法による
抽出後の包絡線検波が行われる。また、送信機1におい
て周波数(位相)変調が採用されている場合には、受信
機2では、光フィルタ等により強度変調信号に変換した
後に直接検波したり、光ヘテロダイン検波により位相検
出したりする。
【0085】本実施例においては、1.3μm零分散フ
ァイバを用いて1.5μm帯の光信号を伝送する場合の
ようにシングルモードファイバSMF1及びSMF2が
波長分散の大きなものであれば、波長分散の影響は前述
した原理に従って光カー効果による影響も含めて補償さ
れる。
【0086】一方、信号光の波長帯がシングルモードフ
ァイバSMF1及びSMF2の零分散波長に近いもので
あれば、FWMによるクロストークの影響を前述した原
理に従って抑圧可能である。
【0087】しかし、一般には波長分散があると各チャ
ンネル毎に位相整合の程度が異なる。FWMの生成効率
は位相整合の程度に依存するので、上記のような場合、
各チャンネル毎にFWMの生成効率が異なってくる。こ
のような場合でも、本発明において、位相共役光発生手
段PCの前後の各チャンネルの位相整合の程度を対称に
設定することによりFWMを抑圧可能である。
【0088】例えば、伝送路がDSFの場合には、DS
Fの分散値或いは零分散波長を適当に設定することによ
りクロストークの理想的な抑圧が可能になる。このよう
な波長の配置例を図6に示す。同図に示されるように、
零分散波長の付近では、分散値の変化は波長の変化に対
してほぼリニアである。この例では、FDM信号光にお
ける各光キャリアの波長配置(λS1,…,λSN)と第1
のシングルモードファイバSMF1の零分散波長λ10
の相対的関係を、FDM位相共役光における各キャリア
の波長配置(λCN,…,λC1)と第2のシングルモード
ファイバSMF2の零分散波長λ20との相対的関係とほ
ぼ対称にしている。
【0089】この場合、シングルモードファイバSMF
1及びSMF2の長さ(L1 ,L2)とこれらへの入力
パワー(P1 ,P2 )はそれぞれほぼ同じに設定され
る。こうすることにより、符号は反対であるが絶対値が
ほぼ等しい分散D1 ,D2(従って対称な位相整合)を
実現することができ、良好なクロストークの抑圧が可能
になる。
【0090】ところで、位相共役光発生手段により波長
分散を厳密な意味で補償するためには、シングルモード
ファイバSMF1及びSMF2における総分散量を同符
号で且つ等しくすることが要求される。図6に示される
波長配置の例では、位相共役光発生手段PCの前後で分
散の符号が反転しているため、この条件は成り立たな
い。
【0091】しかし、伝送路として用いる光ファイバ中
のFWMの発生は、波長分散が十分小さい領域でのみ問
題となるから、この場合には波長分散の影響は問題にな
らないくらい小さいのが普通である。従って、このよう
な場合には、波長分散の影響を無視してクロストークの
抑圧のみを考慮すれば良いことになる。
【0092】但し、光増幅器を用いた中継伝送において
は、波長分散による波形歪みについても無視することが
できなくなるので、この方法では限界が生じる。そこ
で、このような場合に適した波長の配置の例を図7に示
す。この例では、シングルモードファイバSMF1の零
分散波長λ10からみたFDM信号光における各光キャリ
アの波長配置(λS1,…,λSN)と、シングルモードフ
ァイバSMF2の零分散波長λ20からみたFDM位相共
役光の各キャリアの波長配置(λCN,…,λC1)とがほ
ぼ一致するようにしている。但し、位相共役によりチャ
ンネルの順番は反転するため、FDM信号光とFDM位
相共役光は同じ符号で異なる値の分散を受けることがあ
る。
【0093】この例では、位相共役光発生手段PCによ
りチャンネル配置が反転することに起因して、分散及び
クロストークを全チャンネルにわたって完全に補償する
ことはできないが、実用上十分な補償は可能になる。即
ち、分散補償とクロストーク補償とがトレードオフの関
係にあることを考慮して、チャンネル毎に重み付けをす
ることで全チャンネルにわたってほぼ完全な補償を可能
にするものである。
【0094】例えば、分散補償の程度が良いチャンネル
程分散の影響を受けやすい信号(より高速な信号等)を
乗せ、或いは、クロストーク補償の程度が良いチャンネ
ル程信号パワーを下げてその分他のチャンネルのパワー
を上げるようにするのである。
【0095】こうした問題を一挙に解決する手段を以下
に示す。いずれも光ファイバ分散の波長特性の設計によ
り実現するものである。第1の方法は、図20の(A)
に示したように、2つのファイバの分散傾斜(2次分
散)を反対符号にするものである。これによれば、完全
に対称な分散値と位相整合を実現できるので、波形歪み
とクロストークを同時に抑圧可能である。
【0096】第2の方法は、分散傾斜のない光ファイバ
を用いるものである。(図20の(B))。図のように
FWMを抑えるために比較的大きな一定の分散値のファ
イバを用いれば、全てのチャンネルに対して位相共役光
発生手段PCの前後で同じ分散と対称な位相整合を用意
できるので、本発明による補償効果が良好に発揮され
る。
【0097】これらのファイバは、コアとクラッドの比
屈折率差、コア径、コア形状等の各種パラメータの設計
や材料組成の選定等の各種手段を組み合わせることによ
り実現可能である。
【0098】図8は本発明システムの第2実施例を示す
ブロック図である。送信機1と受信機2の間に複数組の
光学パスが直列に接続されている。1組目の光学パス
は、図5のシングルモードファイバSMF1、位相共役
光発生手段PC及びシングルモードファイバSMF2に
それぞれ対応するシングルモードファイバSMF−1
1、位相共役光発生手段PC−1及びシングルモードフ
ァイバSMF−12からなり、2組目以降の光学パスも
1組目に準じて構成されている。
【0099】この例では、光学パスはM組(Mは2以上
の自然数)、各光学パスの間には線形光アンプLA−k
(k=1,2,…,(M−1))が設けられている。こ
のシステムの動作を具体的に説明すると、送信機1から
受信機2に向かってk番目の位相共役光発生手段PC−
kにより、その前後のシングルモードファイバSMF−
k1及びSMF−k2でのパルスの波形歪み又はクロス
トークを補償しながら伝送が行われるのである。
【0100】各位相共役光発生手段PC−kにおける補
償の原理は前述した通りである。また、クロストークの
補償における各波長の配置についても前述した通りであ
る。この例では、各光学パスの間に1つずつ線形光アン
プを設けているが、必要に応じて光アンプを増設しても
良い。
【0101】図9は本発明システムの第3実施例を示す
ブロック図である。この例では、送信機11内にFDM
信号光発生手段SG、第1のシングルモードファイバS
MF−1(長さL1 、損失α1 、分散D1 、非線形屈折
率n21、零分散波長λ10)及び位相共役光発生手段PC
を置き、シングルモードファイバSMF−1にFDM信
号光をパワーP1 で入力する。
【0102】FDM信号光は位相共役光発生手段PCに
よりFDM位相共役光に変換され、このFDM位相共役
光は、伝送路である第2のシングルモードファイバSM
F−2(長さL2 、損失α2 、分散D2 、非線形屈折率
22、零分散波長λ20)により受信機2に伝送される。
【0103】まず、伝送路である第2のシングルモード
ファイバSMF−2による非線形パルス歪みは、分散と
非線形屈折率の値を以下の条件が成り立つように設定し
て補償する。
【0104】
【数21】
【0105】(32)式は波長分散の補償条件を、また
(33)式は光カー効果の補償条件をそれぞれ表してい
る。この実施例によると、受信機2において歪みのない
パルスを受信可能であり、しかも位相共役光発生手段P
Cが伝送路内にないので、伝送路における偏光依存性を
考慮することが不要になる。
【0106】望ましくは、第1のシングルモードファイ
バSMF−1の分散D1 及び非線形屈折率n21は大きな
値に設定される。こうすることにより、比較的長い第2
のシングルモードファイバSMF−2を用いて長距離の
伝送が可能になる。
【0107】
【0108】
【0109】一方、FWMによるクロストークは、第1
のシングルモードファイバSMF−1における入力光強
度と非線形屈折率と相互作用長の積が第2のシングルモ
ードファイバSMF−2における入力光強度と非線形屈
折率と相互作用長の積にほぼ等しくなるようにすること
によって、補償することができる
【0110】
【0111】
【0112】(7)式を考慮すると、第1のシングルモ
ードファイバSMF−1における平均光強度と非線形屈
折率とファイバ長の積が第2のシングルモードファイバ
SMF−2における平均光強度と非線形屈折率とファイ
バ長の積にほぼ等しくすることによって、FDMによる
クロストークが補償されるのである。
【0113】但し、この場合にも、零分散波長λ10及び
λ20とチャンネル配置の関係は前述した通りに設定され
る。図10は本発明システムの第4実施例を示すブロッ
ク図である。この実施例は、位相共役光発生手段PC、
第2のシングルモードファイバSMF−2及び復調手段
DMが受信機21に含まれている点で特徴付けられる。
【0114】FDM信号光発生手段としては図5の送信
機1が用いられる。従って、この実施例では、第1のシ
ングルモードファイバSMF−1が伝送路となる。この
実施例においても、(32),(33)式を満足するこ
とにより、波長分散及び光カー効果の影響を補償するこ
とができ、また、(34)式或いは(35)式を満足す
ることによりFDMによるクロストークを補償すること
ができる。
【0115】この実施例では、受信機21において偏光
依存性を排除する手段が要求されるが、受信機21にお
いて位相共役光発生手段PCの励起光によりFDM信号
光の波長選択機能が生じるという点で有望である。
【0116】図11は位相共役光発生手段PCの基本構
成を示す図である。位相共役光発生手段PCは、非線形
光学媒質15と、励起光を発生する励起光源16と、第
1のシングルモードファイバSMF1からのFDM信号
光を励起光源16からの励起光と共に非線形光学媒質1
5に供給する光学手段17とからなる。
【0117】非線形光学媒質15は、2次又は3次の非
線形光学効果を呈するもので、3次の非線形光学効果が
生じている場合には、非線形光学媒質15においては、
縮退型又は非縮退型の4光波混合により位相共役光が発
生する。
【0118】非線形光学媒質15の具体例としては、進
行波型の半導体光増幅器を始めとする各種光半導体、各
種有機媒質、LiNbO3 等を用いた光導波路、さらに
はシングルモードファイバを用いることが可能である。
特に、シングルモードファイバを用いる場合には、位相
共役光の生成効率を良くするために、シングルモードフ
ァイバの零分散波長と励起光の波長を一致させるのが有
効である。
【0119】また、位相共役光の生成効率を上げるため
に励起パワーを高くする際に発生する誘導ブリルアン散
乱を抑圧するためには、例えば、励起光に低速の周波数
変調をかけるのが有効である。さらに、信号光の偏波状
態による位相共役光の生成効率の変動を抑えるために、
各種の偏波変動対策を用いることができる。偏波変動対
策の具体例については後述する。以下、説明の便宜上、
非線形光学媒質がシングルモードファイバであるとす
る。
【0120】図12は図11の位相共役光発生手段PC
の第1実施例を示すブロック図である。図11の非線形
光学媒質15、励起光源16及び光学手段17にそれぞ
れ対応する光ファイバ21、レーザダイオード22及び
光カプラ23が用いられる。
【0121】非線形光学媒質としての光ファイバ21は
望ましくはシングルモードファイバである。この場合に
おいて、信号光の波長と励起光の波長をわずかに異なら
せて非縮退型の4光波混合を生じさせるときには、光フ
ァイバ21の零分散を与える波長が励起光の波長(レー
ザダイオード22の発振波長)に一致するようにしてお
く。
【0122】光カプラ23は4つのポート23A,23
B,23C及び23Dを有している。ポート23Aには
図1の第1のシングルモードファイバSMF1が接続さ
れ、ポート23Bにはレーザダイオード22が接続さ
れ、ポート23Cには光ファイバ21の第1端が接続さ
れ、ポート23Dはデッドエンドにされる。光ファイバ
21の第2端は図1の第2のシングルモードファイバS
MF2に接続される。
【0123】尚、本願明細書において「接続」という語
は、動作的な接続を意味し、光学的に直接接続される場
合を含み、さらに、光フィルタや光アイソレータ等の光
デバイスを介して接続される場合や偏光状態を適当に調
整した上で接続される場合を含む。
【0124】光カプラ23は、少なくとも、ポート23
A及び23Bに供給された光をポート23Cから出力す
るように機能し、この光カプラ23としては、例えば、
ファイバ融着型のもの、ハーフミラー、光合波器、偏光
ビームスプリッタ等が使用される。
【0125】この実施例の構成によると、光カプラ23
のポート23Aに供給された信号光とポート23Bに供
給されたレーザダイオード22からの励起光とをともに
非線形光学媒質である光ファイバ21に導波させること
ができるので、4光波混合により透過型の位相共役光を
発生することができる。
【0126】図13は図11の位相共役光発生手段PC
の第2実施例を示すブロック図である。この実施例は、
図12の位相共役光発生手段の第1実施例と対比して、
光ファイバ21内で発生した位相共役光を、光バンドパ
スフィルタ31及び光増幅器32をこの順に介して図1
の第2のシングルモードファイバSMF2に供給してい
る点で特徴付けられる。
【0127】光増幅器32は、例えば線形光増幅器であ
る。光増幅器32の一つの構成例は、Er等の希土類元
素がドープされたドープファイバと、励起光を出力する
励起光源と、この励起光を増幅すべき光とともにドープ
ファイバに供給する手段とを含む。
【0128】光バンドパスフィルタ31は、信号光、励
起光、雑音光等の不所望な光を除去するためのものであ
る。このような不要な光を除去することによって、例え
ば、レーザダイオード22からの励起光によって光増幅
器32の動作が飽和されるのを回避することができ、光
ファイバ21内で生じた位相共役光を十分に増幅するこ
とができる。
【0129】また、一般に位相共役光を発生させるため
の励起光の強度は信号光及び位相共役光の強度に比べて
極めて高いので、光バンドパスフィルタ31を用いて励
起光等の不要な光を除去することによって、高強度な励
起光が後段の光伝送路内でさらに非線形光学効果を生じ
させる恐れがない。
【0130】さらに、光バンドパスフィルタ31により
不要な光を除去することによって、位相共役光に基づき
復調信号を再生するに際して、励起光の存在による復調
の困難を排除することができる。
【0131】非線形光学媒質内で効率よく位相共役光を
発生させるために、図1の第1のシングルモードファイ
バSMF1と光カプラ23のポート23Aの間に光増幅
器及び光バンドパスフィルタをこの順に挿入してもよ
い。
【0132】尚、レーザダイオード22から供給される
励起光の強度が十分高い場合には、光ファイバ21に供
給された信号光の強度よりも光ファイバ21内で発生す
る位相共役光の強度が高くなることがあるので、このよ
うな増幅作用が生じている場合には、光増幅器32は用
いなくてもよい。
【0133】図14は図11の位相共役光発生手段PC
の第3実施例を示すブロック図である。この実施例は、
図12の位相共役光発生手段の第1実施例に対比して、
励起光源としてのレーザダイオード22と光カプラ23
のポート23Bとの間に偏光スクランブラ41を設けて
いる点で特徴付けられる。
【0134】一般に、シングルモードファイバの伝搬モ
ードには、偏光面が互いに直交する2つの偏光モードが
存在し、各種の外乱の影響によりこれら2つの偏光モー
ドが結合して、結果として、光ファイバの第1端に供給
される光の偏光状態はこの光ファイバの第2端から出力
される光の偏光状態に一致しない。従って、図1の光伝
送路としてシングルモードファイバが用いられている場
合には、位相共役光発生手段PCに供給される信号光の
偏光状態は、環境変化等によって時間とともに変動す
る。
【0135】一方、前述した位相共役光の発生原理から
明らかなように、図1の位相共役光発生手段PCにおけ
る信号光から位相共役光への変換効率は、位相共役光発
生手段PCに供給される信号光の偏光状態と励起光の偏
光状態との関係に依存する。
【0136】図14の位相共役光発生手段の第3実施例
によると、レーザダイオード22からの励起光を偏光ス
クランブラ41を介して信号光と合流させるようにして
いるので、供給される信号光の偏光状態が時間とともに
変動する場合でも、信号光から位相共役光への変換効率
を一定にして位相共役光発生手段の安定動作を実現する
ことができる。
【0137】偏光スクランブラは、信号速度に比べて比
較的低速の場合には、1/2波長板と1/4波長板の組
み合わせ等を用いて構成することができるし、信号速度
或いはそれ以上の高速の場合には、LiTiO3 位相変
調器等による位相変調を適用することにより構成するこ
とができる。好ましくは、偏光スクランブラの動作周波
数(例えば偏光面の回転周期の逆数)を信号速度或いは
それ以上に設定しておく。これにより、十分に偏光依存
性を排除可能である。
【0138】この例では、レーザダイオード22から供
給される励起光に対して偏光スクランブラ41を作用さ
せているが、信号光に対して偏光スクランブラを作用さ
せるように構成してもよい。また、励起光及び信号光の
双方に対して偏光スクランブラを作用させるように構成
してもよい。
【0139】図15は図11の位相共役光発生手段PC
の第4実施例を示すブロック図である。この実施例で
は、図1の第1のシングルモードファイバSMF1から
供給された信号光を偏光面が互いに直交する第1及び第
2偏光成分に分離する偏光ビームスプリッタ51と、偏
光ビームスプリッタ51からの第1及び第2偏光成分に
基づいてそれぞれ位相共役光を発生する位相共役光発生
装置52及び53と、位相共役光発生装置52及び53
からの各位相共役光を合流させる偏光合成器54とを含
む。
【0140】偏光合成器54としては例えば偏光ビーム
スプリッタを用いることができ、この偏光合成器54で
合成された位相共役光は図1の第2のシングルモードフ
ァイバSMF2に供給される。
【0141】位相共役光発生装置52及び53として
は、例えば図12の構成が採用される。この実施例によ
ると、各位相共役光発生装置52及び53に供給される
信号光の第1及び第2偏光成分は共に直線偏光であるか
ら、位相共役光発生装置52及び53において、供給さ
れた信号光(第1又は第2偏光成分)の偏光状態を励起
光の偏光状態に一致させるのが容易であり、偏光依存性
のない位相共役光発生手段の実現が可能になる。つま
り、図1のシングルモードファイバSMF1から供給さ
れる信号光の偏光状態の変動にかかわらず、一定強度の
位相共役光をシングルモードファイバSMF2に供給す
ることができる。
【0142】図16は図11の位相共役光発生手段PC
の第5実施例を示すブロック図である。励起光源16と
してレーザダイオード22が用いられ、非線形光学媒質
15として光ファイバ21が用いられている点はこれま
での第1乃至第4実施例と同じである。
【0143】この実施例では、信号光及び励起光を非線
形光学媒体である光ファイバ21に双方向に導波させる
ために、図11の光学手段17は、光カプラ61と偏光
ビームスプリッタ62とを含む。
【0144】光カプラ61はポート61A,61B及び
61Cを有し、ポート61A及び61Bに供給された光
をポート61Cから出力する。ポート61Aには図1の
シングルモードファイバSMF1が接続され、ポート6
1Bには励起光源としてのレーザダイオード22が接続
される。
【0145】偏光ビームスプリッタ62はポート62
A,62B,62C及び62Dを有し、ポート62A及
び62Bに供給された光を直交2偏光成分に偏光分離
し、これらの2偏光成分をそれぞれポート62C及び6
2Dから出力する。また、偏光ビームスプリッタ62
は、ポート62C及び62Dに供給された光を直交2偏
光成分に偏光分離し、これらの2偏光成分をそれぞれポ
ート62A及び62Bから出力する。
【0146】ポート62Aには光カプラ61のポート6
1Cが接続され、ポート62Bには図1のシングルモー
ドファイバSMF2が接続され、ポート62C及び62
D間には光ファイバ21が接続される。光ファイバ21
の途中には、1/4波長板及び1/2波長板等を用いて
通常通り構成される偏光制御器63が設けられており、
この偏光制御器63は、光ファイバ21に供給された光
の偏光状態と光ファイバ21から出力する光の偏光状態
とが一致するような制御を行う。
【0147】供給された信号光は、光カプラ61で、レ
ーザダイオード22からの励起光と合流され、これら信
号光及び励起光は、偏光ビームスプリッタ62で第1偏
光成分とこの第1偏光成分の偏光面に直交する偏光面を
有する第2偏光成分とに分離される。第1及び第2偏光
成分は、それぞれ光ファイバ21を互いに逆方向に伝搬
して、さらにもう一度偏光ビームスプリッタ62を通過
するときに偏光合成されてポート62Bから出力され
る。
【0148】レーザダイオード22から出力される励起
光の偏光面は、偏光ビームスプリッタ62で分離される
第1及び第2偏光成分への、レーザダイオード22から
の励起光の分配比が1:1になるように、設定される。
即ち、偏光ビームスプリッタ62のポート62Aに供給
される励起光の偏光面は、第1及び第2偏光成分の偏光
面に対してそれぞれほぼ45°傾斜するように、レーザ
ダイオード22が設定される。
【0149】こうしておくと、光ファイバ21に互いに
逆方向に導波される信号光の直交2偏光成分に対して、
励起光の直交2偏光成分がそれぞれ一致した偏光面でも
って作用するので、光ファイバ21内で互いに逆方向に
発生した位相共役光を偏光ビームスプリッタ62で合成
してポート62Bから出力したときに、供給された信号
光の偏光状態の変動にかかわらず一定強度の位相共役光
を得ることができる。
【0150】図17は図11の位相共役光発生手段PC
の第6実施例を示すブロック図である。この実施例は、
図16の位相共役光発生手段の第5実施例と対比して、
光ファイバ21として偏光面保存型の定偏波ファイバ2
1′を用いている点で特徴付けられる。
【0151】定偏波ファイバ21′は、定偏波ファイバ
21′に供給された光の偏光状態が定偏波ファイバ2
1′から出力される光の偏光状態に一致するように、偏
光ビームスプリッタ62に接続される。この場合、定偏
波ファイバ21′の主軸は、偏光ビームスプリッタ62
で偏光分離される直線偏光の偏光面に平行である。この
実施例によると、図16の偏波制御器63が不要になる
ので、装置の構成を簡単にすることができる。
【0152】図18は図11の位相共役光発生手段PC
の第7実施例を示すブロック図である。非線形光学媒質
としての光ファイバ21と、励起光源としてのレーザダ
イオード22と、偏光ビームスプリッタ62と、偏光制
御器63とが用いられている点は、図16の位相共役光
発生手段の第5実施例と同じである。
【0153】この実施例では、位相共役光の発生に際し
て消費されずに残った励起光を発生した位相共役光と分
離するために、図11の光学手段17は、光カプラ71
と1/2波長板73と偏光ビームスプリッタ62とを含
む。また、励起光を供給するポートと位相共役光を取り
出すポートとを分離するために、光学手段17は、さら
に光サーキュレータ72を含む。
【0154】光サーキュレータ72は3つのポート72
A,72B及び72Cを有し、ポート72Aに供給され
た光をポート72Bから出力し、ポート72Bに供給さ
れた光をポート72Cから出力し、ポート72Cに供給
された光をポート72Aから出力するように機能する。
【0155】ポート72Aには図1のシングルモードフ
ァイバSMF1が接続され、ポート72Cはシングルモ
ードファイバSMF2に接続される。光カプラ71は4
つのポート71A,71B,71C及び71Dを有し、
ポート71A及び71Bに供給された光を等分配してポ
ート71C及び71Dから出力し、ポート71C及び7
1Dに供給された光を等分配してポート71A及び71
Bから出力する。光カプラ71としては、例えばハーフ
ミラーやファイバ融着型のものが用いられる。
【0156】光カプラ71のポート71Aには励起光源
としてのレーザダイオード22が接続され、ポート71
Bには光サーキュレータ72のポート72Bが接続さ
れ、ポート71Dは偏光ビームスプリッタ62のポート
62Bに接続される。
【0157】1/2波長板73は光カプラ71のポート
71Cと偏光ビームスプリッタ62のポート62Aの間
の光路に挿入され、この1/2波長板73は供給された
光の偏光面を90°回転させる。
【0158】この実施例では、光カプラ71のポート7
1Aに供給される励起光の偏光状態と、レーザダイオー
ド22から光サーキュレータ72を介して光カプラ71
のポート71Bに供給される信号光の偏光状態とが一致
するようにされている。いま、これらの励起光及び信号
光がそれぞれ紙面に垂直な偏光面を有する直線偏光であ
るとしてこの実施例における動作を説明する。
【0159】光カプラ71のポート71A及び71Bに
それぞれ供給された励起光及び信号光は、等分配されて
ポート71C及び71Dから出力する。ポート71Cか
ら出力された信号光及び励起光は、1/2波長板73で
偏光面を90°回転され、紙面に平行な偏光面を有する
直線偏光として偏光ビームスプリッタ62のポート62
Aに供給される。
【0160】ポート62Aに供給された信号光及び励起
光は、ポート62Dから光ファイバ21に供給され、光
ファイバ21内で図の反時計回りに伝搬するときに同方
向に位相共役光が発生する。
【0161】この位相共役光と残留した励起光は、ポー
ト62Cから偏光ビームスプリッタ62に供給されポー
ト62Bから出力する。一方、光カプラ71のポート7
1Dから偏光ビームスプリッタ62のポート62Bに供
給された信号光及び励起光は、紙面に垂直な偏光面を有
しているので、これら信号光及び励起光は、ポート62
Dから光ファイバ21に供給され、光ファイバ21内で
図中の反時計回りに伝搬するときに位相共役光が発生す
る。
【0162】この位相共役光と残留した励起光は、ポー
ト62Cから偏光ビームスプリッタ62に供給され、ポ
ート62Aから出力される。ポート62Aから1/2波
長板73に供給された位相共役光及び励起光は、偏光面
を90°回転されて紙面に平行な直線偏光として光カプ
ラ71のポート71Cに供給される。
【0163】1/2波長板73からポート71Cに供給
される励起光及び位相共役光と偏光ビームスプリッタ6
2のポート62Bから光カプラ71のポート71Dに供
給される励起光及び位相共役光とは、共に紙面に平行な
偏光面を有しており、且つ、これらが経てきた光路の長
さは完全に一致する。
【0164】従って、光カプラ71においてポート71
C及び71Dに供給された励起光及び位相共役光のう
ち、励起光は主としてポート71Aから出力され、位相
共役光は主としてポート71Bから出力される。
【0165】光カプラ71のポート71Bから出力され
た光は、光サーキュレータ72を介して図1のシングル
モードファイバSMF2に供給される。本実施例による
と、非線形光学媒質としての光ファイバ21内での位相
共役光の発生に際して残留した励起光と発生した位相共
役光とを、光フィルタ(例えば図13の光バンドパスフ
ィルタ31)を用いることなしに分離することができ
る。位相共役光の発生に際して用いられる励起光の強度
は信号光及び発生した位相共役光の強度に比べて極めて
高いので、このような高強度の励起光を位相共役光と分
離する上で、図18の実施例は有用である。
【0166】図19は本発明システムの第5実施例を示
す図である。送信機1と受信機2を結ぶ光伝送路の中間
には位相共役光発生手段PCが配置され、送信機1と位
相共役光発生手段PCの間には(N−1)個の光増幅器
LA−1,2,…,(N−1)が配置され、また、位相
共役光発生手段PCと受信機2の間には同じく(N−
1)個の光増幅器LA−N,…,2(N−1)が配置さ
れる。
【0167】送信機1と位相共役光発生手段PCの間の
光伝送路はN本のシングルモードファイバSMF−1,
…,Nであり、位相共役光発生手段PCと受信機2の間
の光伝送路は同じくN本のシングルモードファイバSM
F−(N+1),…,2Nである。送信機1と位相共役
光発生手段PCの間における各シングルモードファイバ
及び各光増幅器の配置形態は、位相共役光発生手段PC
と受信機2の間における各シングルモードファイバ及び
各光増幅器の配置形態と対称である。
【0168】この実施例によると、送信機1と位相共役
光発生手段PCの間の各シングルモードファイバ内で発
生したクロストーク光を、本発明の原理に従って、位相
共役光発生手段PCと受信機2の間の各シングルモード
ファイバで発生するクロストーク光により補償すること
ができる。
【0169】この場合、各シングルモードファイバの長
さをL、各シングルモードファイバ内における平均光パ
ワーをPとすると、以下の条件を満足することで効率的
なクロストークの補償が可能になる。
【0170】
【数24】
【0171】ここに、ε0 は真空の誘電率、nは各シン
グルモードファイバのコア屈折率、Aeff は各シングル
モードファイバの有効コア断面積である。このように、
本発明は光増幅中継にも適用可能である。
【0172】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
チャンネル間クロストークの影響を排除した光通信シス
テム及び光通信方法の提供が可能になるという効果が生
じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明システムの基本構成を示す図である。
【図2】クロストークの補償の原理を説明するための図
である。
【図3】位相共役光発生手段の動作原理を示す図であ
る。
【図4】信号光、励起光及びアイドラ光の周波数配置を
示す図である。
【図5】本発明システムの第1実施例を示すブロック図
である。
【図6】波長の配置の一例を示す図である。
【図7】波長の配置の他の例を示す図である。
【図8】本発明システムの第2実施例を示すブロック図
である。
【図9】本発明システムの第3実施例を示すブロック図
である。
【図10】本発明システムの第4実施例を示すブロック
図である。
【図11】位相共役光発生手段の基本構成を示す図であ
る。
【図12】位相共役光発生手段の第1実施例を示すブロ
ック図である。
【図13】位相共役光発生手段の第2実施例を示すブロ
ック図である。
【図14】位相共役光発生手段の第3実施例を示すブロ
ック図である。
【図15】位相共役光発生手段の第4実施例を示すブロ
ック図である。
【図16】位相共役光発生手段の第5実施例を示すブロ
ック図である。
【図17】位相共役光発生手段の第6実施例を示すブロ
ック図である。
【図18】位相共役光発生手段の第7実施例を示すブロ
ック図である。
【図19】本発明システムの第5実施例を示す図であ
る。
【図20】ファイバの分散値を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
SG FDM信号光発生手段 PC 位相共役光発生手段 DM 復調手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 IEEE Photonics Le tters,1993年,Vol.5,N o.1,92−95 IEEE Photonics Te chnology Letters, 1993年,Vol.5,No.10,1241− 1243 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/35 H04B 10/00 JICSTファイル(JOIS) INSPEC(DIALOG)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光キャリアを必要に応じてそれぞ
    れ変調した後周波数分割多重してFDM信号光を生成す
    るステップと、 該FDM信号光を第1の光ファイバの第1端に入力する
    ステップと、 該第1の光ファイバの第2端から出力された上記FDM
    信号光の位相共役波に相当するFDM位相共役光を生成
    するステップと、 該FDM位相共役光を第2の光ファイバの第1端に入力
    するステップと、 該第2の光ファイバの第2端から出力された上記FDM
    位相共役光を復調するステップとからなり、 上記第1の光ファイバにおける平均光強度と非線形屈折
    率とファイバ長の積が上記第2の光ファイバにおける平
    均光強度と非線形屈折率とファイバ長の積にほぼ等し
    く、 上記各光キャリアの波長配置と上記第1の光ファイバの
    零分散波長との相対関係は、上記FDM位相共役光の各
    キャリアの波長配置と上記第2の光ファイバの零分散波
    長の相対関係とほぼ対称とすることを特徴とする 光通信
    方法。
  2. 【請求項2】 複数の光キャリアを必要に応じてそれぞ
    れ変調した後周波数分割多重してFDM信号光を生成す
    るFDM信号光発生手段と、 第1端及び第2端を有し、該第1端は上記FDM信号光
    発生手段に接続され、該第1端に入力した上記FDM信
    号光を伝送して該第2端から出力する第1の光ファイバ
    と、 入力端及び出力端を有し、該入力端は上記第1の光ファ
    イバの第2端に接続され、該入力端に供給された上記F
    DM信号光の位相共役波に相当するFDM位相共役光を
    生成する位相共役光発生手段と、 第1端及び第2端を有し、該第1端は上記出力端に接続
    され、該第1端に入力した上記FDM位相共役光を伝送
    して該第2端から出力する第2の光ファイバとを備え、 上記第1の光ファイバにおける平均光強度と非線形屈折
    率とファイバ長の積が上記第2の光ファイバにおける平
    均光強度と非線形屈折率とファイバ長の積にほぼ等し
    く、 上記各光キャリアの波長配置と上記第1の光ファイバの
    零分散波長との相対関係は、上記FDM位相共役光の各
    キャリアの波長配置と上記第2の光ファイバの零分散波
    長の相対関係とほぼ対称とすることを特徴とする 光通信
    システム。
  3. 【請求項3】 上記第2の光ファイバの第2端に接続さ
    れ、該第2端から出力した上記FDM位相共役光を復調
    する復調手段をさらに備えた請求項2に記載の光通信シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 上記位相共役光発生手段は、非線形光学
    媒質と、励起光を発生する励起光源と、該励起光及び上
    記FDM信号光を上記非線形光学媒質に供給する光学手
    段とからなる請求項2に記載の光通信システム。
  5. 【請求項5】 上記非線形光学媒質は3次の非線形光学
    効果を呈し、該非線形光学媒質においては4光波混合に
    より上記FDM信号光が上記FDM位相共役光に変換さ
    れる請求項4に記載の光通信システム。
  6. 【請求項6】 上記非線形光学媒質は光ファイバからな
    り、該光ファイバの零分散波長は上記励起光の波長にほ
    ぼ一致している請求項5に記載の光通信システム。
  7. 【請求項7】 上記第1及び第2の光ファイバの2次分
    散の符号が逆である請求項に記載の光通信システム。
  8. 【請求項8】 複数の光キャリアを必要に応じてそれぞ
    れ変調した後周波数分割多重してFDM信号光を生成す
    るFDM信号光発生手段と、 第1端及び第2端を有し、該第1端は上記FDM信号光
    発生手段に接続され、該第1端に入力した上記FDM信
    号光を伝送して該第2端から出力する第1の光ファイバ
    と、 入力端及び出力端を有し、該入力端は上記第1の光ファ
    イバの第2端に接続され、該入力端に供給された上記F
    DM信号光の位相共役波に相当するFDM位相共役光を
    生成する位相共役光発生手段と、 第1端及び第2端を有し、該第1端は上記出力端に接続
    され、該第1端に入力した上記FDM位相共役光を伝送
    して該第2端から出力する第2の光ファイバとを備え、 上記第1の光ファイバにおける平均光強度と非線形屈折
    率とファイバ長の積が 上記第2の光ファイバにおける平
    均光強度と非線形屈折率とファイバ長の積にほぼ等し
    く、 上記第1の光ファイバの零分散波長からみた上記各光キ
    ャリアの波長配置は、上記第2の光ファイバの零分散波
    長からみた上記FDM位相共役光の各キャリアの波長配
    置とほぼ一致するように構成したことを特徴とする光通
    信システム。
  9. 【請求項9】 上記第1の光ファイバ、上記位相共役光
    発生手段及び上記第2の光ファイバにそれぞれ相当する
    要素を含む光学パスをさらに少なくとも1つ備え、 該光学パスは上記第2の光ファイバの下流側に直列に接
    続される請求項2に記載の光通信システム。
  10. 【請求項10】 上記光学パスは光増幅器をさらに含む
    請求項に記載の光通信システム。
  11. 【請求項11】 上記FDM信号光発生手段、上記第1
    の光ファイバ及び上記位相共役光発生手段は光送信機に
    含まれる請求項2に記載の光通信システム。
  12. 【請求項12】 上記位相共役光発生手段及び上記第2
    の光ファイバは光受信機に含まれる請求項2に記載の光
    通信システム。
  13. 【請求項13】 上記FDM信号光に作用する偏光スク
    ランブラをさらに備えた請求項2に記載の光通信システ
    ム。
  14. 【請求項14】 上記励起光に作用する偏光スクランブ
    ラをさらに備えた請求項4に記載の光通信システム。
  15. 【請求項15】 上記第1及び第2の光ファイバの途中
    にそれぞれ設けられる光増幅器をさらに備えた請求項2
    に記載の光通信システム。
  16. 【請求項16】 複数の光キャリアを必要に応じてそれ
    ぞれ変調した後周波数分割多重してFDM信号光を生成
    するFDM信号光発生手段と、 第1端及び第2端を有し、該第1端は上記FDM信号光
    発生手段に接続され、該第1端に入力した上記FDM信
    号光を伝送して該第2端から出力する第1の光ファイバ
    と、 入力端及び出力端を有し、該入力端は上記第1の光ファ
    イバの第2端に接続され、該入力端に供給された上記F
    DM信号光の位相共役波に相当するFDM位相共役光を
    生成する位相共役光発生手段と、 第1端及び第2端を有し、該第1端は上記出力端に接続
    され、該第1端に入力した上記FDM位相共役光を伝送
    して該第2端から出力する第2の光ファイバとを備え、 上記第1の光ファイバにおける平均光強度と非線形屈折
    率とファイバ長の積が上記第2の光ファイバにおける平
    均光強度と非線形屈折率とファイバ長の積にほぼ等し
    く、 上記第1及び第2の光ファイバは波長に依存して変化し
    ない分散を有することを特徴とする光通信システム。
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