JP2016071063A - 位相共役光発生素子及び位相共役光発生装置 - Google Patents

位相共役光発生素子及び位相共役光発生装置 Download PDF

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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】位相共役光発生装置に用いられ、位相共役光発生装置の装置構造を単純かつ小型とすることができる位相共役光発生素子、及びこの位相共役光発生素子を用いた位相共役光発生装置を提供する。【解決手段】位相共役光発生素子100は、光導波路コアに入力される励起光及び信号光に基づいて位相共役光を生成する位相共役光発生素子であって、光導波路コア135は、非線形媒質が添加された非線形材料基板130を用いて形成されている。【選択図】図1

Description

この発明は、信号光及び励起光に基づいて位相共役光を生成する位相共役光発生素子、及びこの位相共役光発生素子を備える位相共役光発生装置に関する。
光ファイバを伝送路とした光通信ネットワークでは、光ファイバにおける波長分散によって、信号光の波形に歪みが生じる。波形の歪みは、伝送距離が長くなるほど顕著となる。従って、光ファイバによる長距離伝送を可能とするためには、信号光の波長分散を補償することが必要となる。波長分散を補償する方法として、信号光の伝送路に、電子回路を含む再生中継器を設置する方法がある。再生中継器では、入力された信号光を電気信号に変換し、この電気信号に対して電子回路において再生処理を行う。その結果、波長分散が補償される。再生処理後の電気信号は、再び信号光に変換されて、当該再生中継器から出力される。しかしながら、再生中継器では、電子回路が信号のビットレートを制限するという問題がある。
波長分散を補償する他の方法として、伝送路の中間点で信号光を位相共役光に変換する方法がある(例えば非特許文献1参照)。この方法では、伝送路の前半で信号光に生じる波長分散による波形歪みを、伝送路の後半で位相共役光に生じる波長分散による波形歪みを利用して補償することができる。
位相共役光を発生させる装置として、半導体レーザや非線形光ファイバを利用する位相共役光発生装置がある(例えば特許文献1参照)。この位相共役光発生装置では、半導体レーザ又は非線形光ファイバに信号光と励起光とを入力し、四光波混合によって位相共役光を発生させることができる。
特開2008−33368号公報
A. Yariv, D. Fekete, and D. M. Pepper,"Compensation for channel dispersion by nonlinear optical phase conjugation" Opt. Lett., vol. 4, pp. 52-54, 1979
しかしながら、上述した半導体レーザや非線形光ファイバを利用する位相共役光発生装置は複雑な構成を有し、装置構造が大規模となる。
この発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、位相共役光発生装置に用いられ、位相共役光発生装置の装置構造を単純かつ小型とすることができる位相共役光発生素子、及びこの位相共役光発生素子を用いた位相共役光発生装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明による位相共役光発生素子は、光導波路コアに入力される励起光及び信号光に基づいて位相共役光を生成する位相共役光発生素子であって、光導波路コアは、非線形媒質が添加された非線形材料基板を用いて形成されている。
また、この発明による位相共役光発生装置は、合波部と位相共役光発生部と分波部とを備える。合波部は、入力される信号光及び励起光源で生成される励起光を合波し、信号光及び励起光を含む第1合波光を出力する。位相共役光発生部は、第1合波光に基づいて位相共役光を生成し、信号光、励起光及び位相共役光を含む第2合波光を出力する。また、位相共役光発生部は、上述した位相共役光発生素子である。分波部は、第2合波光に含まれる信号光及び励起光と位相共役光とを分波する。
この発明の位相共役光発生素子は、光導波路コアを備える光導波路として構成される。そのため、光導波路コアの寸法を調整することによって、光通信ネットワークの伝送路である光ファイバと、光の結合損失を抑えて接続することができる。また、光導波路コアの寸法を調整することによって、入力される光のパワー密度を向上させることができる。そのため、この発明の位相共役光発生素子を利用する位相共役光発生装置では、結合損失やパワー密度の減少を補償する素子を省略することができるため、単純かつ小型の構造とすることができる。
また、この発明の位相共役光発生装置は、位相共役光発生部として、この発明の位相共役光発生素子を用いることにより、単純かつ小型の構造とすることができる。
(A)は、第1の位相共役光発生素子を示す概略的斜視図である。(B)は、第1の位相共役光発生素子を示す概略的端面図である。 第1の位相共役光発生素子の製造方法を説明する工程図であり、製造段階で得られた構造体の概略的端面図である。 (A)は、第2の位相共役光発生素子を示す概略的斜視図である。(B)は、第2の位相共役光発生素子を示す概略的端面図である。 (A)及び(B)は、第2の位相共役光発生素子の製造方法を説明する工程図であり、各製造段階で得られた構造体の概略的端面図である。 (A)は、第3の位相共役光発生素子を示す概略的斜視図である。(B)は、第3の位相共役光発生素子を示す概略的端面図である。 (A)及び(B)は、第3の位相共役光発生素子の製造方法を説明する工程図であり、各製造段階で得られた構造体の概略的端面図である。 位相共役光発生装置を模式的に示した概略構成図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
(第1の位相共役光発生素子)
図1(A)及び(B)を参照して、この発明の第1の実施の形態による位相共役光発生素子(以下、第1の位相共役光発生素子とも称する)について説明する。図1(A)は、第1の位相共役光発生素子を示す概略的斜視図である。図1(B)は、図1(A)に示す第1の位相共役光発生素子をI−I線で切り取った概略的端面図である。
第1の位相共役光発生素子100は、支持基板110、クラッド層120及び非線形材料基板130がこの順に積層されて構成されている。
なお、以下の説明では、支持基板110の上面110aに直交する方向を厚さ方向とする。また、光の伝播方向に沿った方向を長さ方向とする。また、長さ方向及び厚さ方向に直交する方向を幅方向とする。
支持基板110は、例えばニオブ酸リチウム(LiNbO)を材料とした平板状体として構成することができる。
クラッド層120は、支持基板110上に、支持基板110の上面110aを被覆して形成されている。
クラッド層120は、支持基板110と非線形材料基板130との接着剤として機能する。クラッド層120は、例えばエポキシ樹脂等の光学用接着剤を材料とすることができる。
また、クラッド層120は、後述する光導波路コア135から支持基板110への光の放射を防ぐために、2μm以上の厚さであるのが好ましい。
非線形材料基板130は、クラッド層120上に、クラッド層120の上面120aを被覆して形成されている。
非線形材料基板130は、クラッド層120及び空気よりも屈折率が大きい材料で形成されている。非線形材料基板130は、例えばLiNbOを材料として形成することができる。
非線形材料基板130には、一対の溝140a及び140bが、光の伝播方向(長さ方向)に沿って延在して並んで形成されている。溝140a及び140bは、少なくともクラッド層120に到達する深さで形成されている。なお、図1に示す構成例では、非線形材料基板130及びクラッド層120、並びに支持基板110の一部を除去する深さで溝140a及び140bが形成されている。
非線形材料基板130の溝140a及び140bに挟まれた部分が、光の実質的な伝送路である光導波路コア135となる。光導波路コア135は、光の伝播方向(長さ方向)に沿って延在して形成されている。光導波路コア135は、上面及び側面が空気に囲まれている。また、非線形材料基板130の下面はクラッド層120に被覆されている。上述したように、非線形材料基板130は、空気及びクラッド層120よりも屈折率が大きい。このため、光導波路コア135は、空気及びクラッド層120をクラッドとした、リッジ構造のコアとして機能する。
光導波路コア135の厚さ(非線形材料基板の厚さ130)T1及び幅W1は同程度とするのが好ましい。すなわち、光導波路コア135の長さ方向に直交する断面形状を正方形とするのが好ましい。光導波路コア135の断面形状を正方形とすることによって、入力される光に対する偏波依存性を抑えることができる。
また、光導波路コア135の厚さT1及び幅W1を、できるだけ小さく設定することによって、入力される光のパワー密度を向上させることができる。
一方で、伝播損失を低減するために、光導波路コア135の側面の平坦性を確保するのが好ましい。光導波路コア135の断面寸法を微細に設定する場合、側面の平坦性を確保することが製造上困難となる。従って、光導波路コア135の厚さT1及び幅W1は、側面の平坦性を確保することが製造上可能な範囲で、できるだけ小さく設定するのが好ましい。例えば、光導波路コア135の厚さT1及び幅W1をそれぞれ4〜10μmの範囲内の値に設定することによって、パワー密度の向上及び伝播損失の低減をともに達成することができる。発明者が実験を行ったところ、光導波路コア135の厚さT1及び幅W1をそれぞれ4μmとする場合には、光の損失を10〜20dB程度にできることがわかった。また、厚さT1及び幅W1をそれぞれ8μmとする場合には、光の損失を4〜10dB程度にできることがわかった。なお、これらの損失には、光ファイバと光導波路コア135との間の結合損失も含まれる。
将来的な製造技術の進歩によって、光導波路コア135の側面の平坦性を確保しつつ、より微細な加工が可能となる場合には、光導波路コア135の厚さT1及び幅W1をそれぞれ4μmよりも小さく設定することもできる。
また、光導波路コア135を含む非線形材料基板130には、非線形媒質として、例えばエルビウム(Er)等の希土類元素が添加されている。例えばErは、1.5μm付近の波長帯に遷移周波数を有する。その結果、光導波路コア135に、励起光とともに波長1.5μm付近の信号光が入力されると、四光波混合によって位相共役光が生成される。現在の光通信ネットワークでは、信号光として1.5μm付近の波長の光が広く利用されている。そのため、非線形媒質としてErを用いることは、第1の位相共役光発生素子を、光通信ネットワークに適用する場合に有利である。
以上に説明したように、第1の位相共役光発生素子100は、コア(ここでは光導波路コア135)及びクラッド(ここでは空気及びクラッド層120)を含む光導波路として構成される。そのため、光導波路コア135の寸法を調整することによって、光通信ネットワークの伝送路である光ファイバと、光の結合損失を抑えて接続することができる。また、光導波路コア135の寸法を調整することによって、入力される光のパワー密度を向上させることができる。そのため、この第1の位相共役光発生素子100を利用する位相共役光発生装置では、結合損失やパワー密度の減少を補償する素子を省略することができるため、単純かつ小型の構造とすることができる。また、技術成熟した光導波路の製造プロセスを利用することができるため簡易に製造可能である。
なお、上述の説明では、支持基板110及び非線形材料基板130としてLiNbO基板を、また、非線形材料基板130に添加される非線形媒質としてはErを用いる例について説明した。しかしながら、第1の位相共役光発生素子はこれらの例に限定されない。例えば、支持基板110及び非線形材料基板130として、タンタル酸リチウム(LiTaO)、ガラス又はシリコン等で構成された基板を用いることもできる。
また、非線形媒質を変更することによって、様々な波長域の信号光に対して、位相共役光を生成することができる。Er以外の非線形媒質として、例えばプラセオジム(Pr)、ツリウム(Tm)又はイッテルビウム(Yb)等を用いることができる。Prは1.3μm付近の波長帯、Tmは1.5μm付近の波長帯、Ybは1μm付近の波長帯の信号光に対して、位相共役光を発生させる非線形媒質として用いることができる。
(第1の位相共役光発生素子の製造方法)
図2を参照して、上述した第1の位相共役光発生素子100の製造方法について説明する。図2は、第1の位相共役光発生素子の製造方法を説明する工程図であり、製造段階で得られた構造体の概略的端面図である。
まず、支持基板110と非線形材料基板130とを、光学用接着剤で接着することによって、支持基板110、接着剤層(クラッド層)120及び非線形材料基板130がこの順に積層された構造体を形成する。その後、非線形材料基板130を研磨することによって、設定すべき光導波路コア135の厚さとなるまで、非線形材料基板130を薄膜化する。
次に、ダイシングソー150を用いて、非線形材料基板130の上面側から切り込みを入れることによって、溝部140a及び140bを形成する。その結果、非線形材料基板130の、溝部140a及び140bに挟まれた部分として、光導波路コア135が形成される。これによって、図1に示す第1の位相共役光発生素子100が得られる。ダイシングソー150として、粒径の小さいダイヤモンドブレードを用いることによって、光導波路コア135の側面の平坦性を確保することができる。
このように、第1の位相共役光発生素子100は、リッジ構造の光導波路の製造方法を用いて簡易に製造することができる。
(第2の位相共役光発生素子)
図3を参照して、この発明の第2の実施の形態による位相共役光発生素子(以下、第2の位相共役光発生素子とも称する)について説明する。図3(A)は、第2の位相共役光発生素子を示す概略的斜視図である。図3(B)は、図3(A)に示す第2の位相共役光発生素子をII−II線で切り取った概略的端面図である。
第2の位相共役光発生素子200は、クラッド層220と、クラッド層220上に形成された光導波路コア235とを備えて構成されている。
クラッド層220は、例えばLiNbOを材料とした平板状体として構成することができる。クラッド層220には、例えばEr(エルビウム)等の非線形媒質が添加されている。
光導波路コア235は、クラッド層220上に、クラッド層220と一体的に、かつ光の伝播方向(長さ方向)に沿って延在して形成されている。
光導波路コア235は、例えばLiNbOを材料として形成することができる。光導波路コア235には、例えばEr等の非線形媒質が添加されている。また、光導波路コア235には、例えばチタン(Ti)等の金属が導入されている。その結果、光導波路コア235は、クラッド層220及び空気よりも屈折率が大きくなる。
光導波路コア235は、上面及び側面が空気に囲まれている。また、光導波路コア235の下面はクラッド層220に被覆されている。上述したように、光導波路コア235は、空気及びクラッド層220よりも屈折率が大きい。このため、光導波路コア235は、空気及びクラッド層220をクラッドとした、リッジ構造のコアとして機能する。従って、光導波路コア235は、光の実質的な伝送路となる。
光導波路コア235の厚さT2及び幅W2は同程度とするのが好ましい。すなわち、光導波路コア235の長さ方向に直交する断面形状を正方形とするのが好ましい。光導波路コア235の断面形状を正方形とすることによって、入力される光に対する偏波依存性を抑えることができる。
また、上述した第1の位相共役光発生装置100と同様に、光導波路コア235の厚さT2及び幅W2を、できるだけ小さく設定することによって、入力される光のパワー密度を向上させることができる。ここでは、光導波路コア235の厚さT2及び幅W2を、それぞれ例えば4〜10μmの範囲内の値に設定することができる。
また、光導波路コア235には、上述したように、例えばEr等の非線形媒質が添加されている。その結果、光導波路コア235では、非線形媒質の遷移周波数に応じた波長付近の信号光に対して、四光波混合によって位相共役光が生成される。
以上に説明したように、第2の位相共役光発生素子200は、コア(ここでは光導波路コア235)及びクラッド(ここでは空気及びクラッド層220)を含む光導波路として構成される。そのため、光導波路コア235の寸法を調整することによって、光通信ネットワークの伝送路である光ファイバと、光の結合損失を抑えて接続することができる。また、光導波路コア235の寸法を調整することによって、入力される光のパワー密度を向上させることができる。そのため、この第2の位相共役光発生素子200を利用する位相共役光発生装置では、結合損失やパワー密度の減少を補償する素子を省略することができるため、単純かつ小型の構造とすることができる。また、技術成熟した光導波路の製造プロセスを利用することができるため簡易に製造可能である。
なお、上述の説明では、クラッド層220及び光導波路コア235の材料としてLiNbOを、また、クラッド層220及び光導波路コア235に添加される非線形媒質としてはErを用いる例について説明した。しかしながら、第2の位相共役光発生素子200はこれらの例に限定されない。例えば、光導波路コア235及びクラッド層220の材料として、LiTaO、ガラス又はシリコン等で構成された基板を用いることもできる。
また、非線形媒質を変更することによって、様々な波長域の信号光に対して、位相共役光を生成することができる。Er以外の非線形媒質として、例えばPr、Tm又はYb等を用いることができる。
(第2の位相共役光発生素子の製造方法)
図4を参照して、上述した第2の位相共役光発生素子200の製造方法について説明する。図4(A)及び(B)は、第2の位相共役光発生素子の製造方法を説明する工程図であり、各製造段階で得られた構造体の概略的端面図である。
まず、材料基板210の上面210aに、例えば1000Åの厚さで金属(ここでは例えばTi)膜250を形成する(図4(A))。
次に、金属膜250形成後の材料基板210に対して、例えば1050℃で5時間の熱処理を行う。その結果、金属膜250の金属が材料基板210の上部に拡散される。金属が拡散された材料基板215の上部は、光導波路コア層230となる。また、金属が拡散されずに残存した材料基板215の下部がクラッド層220となる(図4(B))。
次に、例えばダイシング技術を用いて、光導波路コア層230を研削することによって、光導波路コア235を形成する。その結果、図3に示す第2の位相共役光発生素子200が得られる。
このように、第2の位相共役光発生素子200は、リッジ構造の光導波路の製造方法を用いて簡易に製造することができる。また、材料層を積層する工程が省略できるため、上述した第1の位相共役光発生素子100と比して、より簡易に製造することができる。
(第3の位相共役光発生素子)
図5を参照して、この発明の第3の実施の形態による位相共役光発生素子(以下、第3の位相共役光発生素子とも称する)について説明する。図5(A)は、第3の位相共役光発生素子を示す概略的斜視図である。図5(B)は、図5(A)に示す第3の位相共役光発生素子をIII−III線で切り取った概略的端面図である。
第3の位相共役光発生素子300は、クラッド層320と、クラッド層320内の上部に形成された光導波路コア335とを備えて構成されている。
クラッド層320は、例えばLiNbOを材料とした平板状体として構成することができる。クラッド層320には、例えばEr(エルビウム)等の非線形媒質が添加されている。
光導波路コア335は、クラッド層320に上面320aから金属が導入された部分として、光の伝播方向(長さ方向)に沿って延在して形成されている。金属としては、例えばTi等を用いることができる。その結果、光導波路コア335は、クラッド層320及び空気よりも屈折率が大きくなる。
光導波路コア335は、上面が空気に囲まれる。また、光導波路コア335の下面はクラッド層320に被覆されている。上述したように、光導波路コア335は、空気及びクラッド層320よりも屈折率が大きい。このため、光導波路コア335は、空気及びクラッド層320をクラッドとした、プレーナ構造のコアとして機能する。従って、光導波路コア335は、光の実質的な伝送路となる。
光導波路コア335の厚さT3及び幅W3は同程度とするのが好ましい。光導波路コア335の厚さT3及び幅W3を同程度とすることによって、入力される光に対する偏波依存性を抑えることができる。
また、上述した第1及び第2の位相共役光発生装置100及び200と同様に、光導波路コア335の厚さT3及び幅W3を、できるだけ小さく設定することによって、入力される光のパワー密度を向上させることができる。ここでは、光導波路コア335の厚さT3及び幅W3を、それぞれ例えば約7μm程度に設定することができる。
また、光導波路コア335を含むクラッド層320には、上述したように、例えばEr等の非線形媒質が添加されている。その結果、光導波路コア335では、非線形媒質の遷移周波数に応じた波長付近の信号光に対して、四光波混合によって位相共役光が生成される。
以上に説明したように、第3の位相共役光発生素子300は、コア(ここでは光導波路コア335)及びクラッド(ここでは空気及びクラッド層320)を含む光導波路として構成される。そのため、光導波路コア335の寸法を調整することによって、光通信ネットワークの伝送路である光ファイバと、光の結合損失を抑えて接続することができる。また、光導波路コア335の寸法を調整することによって、入力される光のパワー密度を向上させることができる。そのため、この第3の位相共役光発生素子300を利用する位相共役光発生装置では、結合損失やパワー密度の減少を補償する素子を省略することができるため、単純かつ小型の構造とすることができる。また、技術成熟した光導波路の製造プロセスを利用することができるため簡易に製造可能である。
なお、上述の説明では、クラッド層320及び光導波路コア335の材料としてLiNbOを、また、クラッド層320及び光導波路コア335に添加される非線形媒質としてはErを用いる例について説明した。しかしながら、第3の位相共役光発生素子300はこれらの例に限定されない。例えば、クラッド層320及び光導波路コア335の材料として、LiTaO、ガラス又はシリコン等で構成された基板を用いることもできる。
また、非線形媒質を変更することによって、様々な波長域の信号光に対して、位相共役光を生成することができる。Er以外の非線形媒質として、例えばPr、Tm又はYb等を用いることができる。
(第3の位相共役光発生素子の製造方法)
図6を参照して、上述した第3の位相共役光発生素子300の製造方法について説明する。図6(A)及び(B)は、第3の位相共役光発生素子の製造方法を説明する工程図であり、各製造段階で得られた構造体の概略的端面図である。
まず、材料基板310上に、例えばフォトリソ技術を用いてレジストマスク340を形成する。光導波路コアの形成予定領域のみ、材料基板310の上面310aが露出するパターニングで、レジストマスク340は形成される。そして、レジストマスク340が形成された状態で、材料基板310上に金属(ここでは例えばTi)膜350を形成する(図6(A))。金属膜350は、例えば1000Åの厚さで形成することができる。金属膜350は、レジストマスク340から露出した、材料基板310の光導波路コア形成予定領域の上面310a、及びレジストマスク340上に形成される。
次に、材料基板310からレジストマスク340をリフトオフする(図6(B))。その結果、材料基板310の光導波路コア形成予定領域の上面310aに、金属膜350が形成された構造体を得る。
次に、材料基板310に対して、例えば1050℃で5時間の熱処理を行う。その結果、金属膜350の金属が材料基板310に拡散される。材料基板310の金属が拡散された部分は、光導波路コア層335となる。また、金属が拡散されずに残存した材料基板310の部分がクラッド層320となる。その結果、図5に示す第3の位相共役光発生素子300が得られる。
このように、第3の位相共役光発生素子300は、プレーナ構造の光導波路の製造方法を用いて簡易に製造することができる。また、材料層を積層する工程が省略できるため、上述した第1の位相共役光発生素子100と比して、より簡易に製造することができる。
(位相光発生装置)
図7を参照して、上述した第1、第2及び第3の位相共役光発生素子を利用した位相共役光発生装置の構成について説明する。
図7は、位相共役光発生装置を模式的に示した概略構成図である。図7では、各構成要素が線で結ばれているが、これは信号が伝播する伝送路を模式的に示したものである。各構成要素間は、例えば光ファイバや光導波路素子等で接続することができる。
また、以下の説明では、位相共役光発生装置を、信号光と異なる周波数の位相共役光が発生する所謂非縮退型の位相共役光発生装置として利用する場合の例について説明する。
位相共役光発生装置400は、入力ポート10と、励起光源20と、合波部30と、位相共役光発生部40と、分波部50と、出力ポート60とを備えて構成されている。
信号光S1は、入力ポート10から入力され、合波部30に送られる。
また、励起光源20で生成される励起光S2が合波部30に送られる。励起光源20として、例えばレーザダイオードを用いることができる。なお、ここでは、位相共役光発生装置400を非縮退型とするため、励起光S2には、信号光S1と異なる周波数が設定される。
合波部30は、信号光S1及び励起光S2を合波する。合波部30として、例えばWDM(Wavelength Division Multiplexing)合分波器を用いることができる。合波部30は、合波した信号光S1及び励起光S2を含む第1合波光S3を位相共役光発生部40に送る。
位相共役光発生部40として、上述した第1、第2及び第3の位相共役光発生素子100、200及び300のいずれかを用いることができる。位相共役光発生部40は、四光波混合によって、信号光及び励起光に基づく位相共役光を生成する。生成される位相共役光の周波数は、入力した信号光及び励起光の周波数により決まる。信号光、励起光及び位相共役光の周波数をこの順にωs、ωp及びωcとすると、各周波数の関係はωc=2ωp−ωsとなる。位相共役光発生部40は、信号光、励起光及び位相共役光を含む第2合波光S4を分波部50に送る。
分波部50は、第2合波光S4に含まれる信号光及び励起光と位相共役光とを分波する。分波部50として、例えばWDM合分波器を用いることができる。
分波された位相共役光S5は、出力ポート60に送られ、位相共役光発生装置400から出力される。また、位相共役光発生部40から位相共役光S5の出力後において、信号光及び励起光は不要である。そのため、例えば、分波部50において遮断しても良いし、分波部50から図示しない他の経路へ送って放出しても良い。
このように、位相共役光発生装置400は、入力された信号光S1を、位相共役光S5に変換して出力することができる。位相共役光発生装置400は、例えば光通信ネットワークの伝送路の中途に設置される。その結果、位相共役光発生装置400への入力前に信号光に生じる波長分散の波形歪みを、位相共役光発生装置400から出力後に位相共役光S5に生じる波長分散の波形歪みによって補償することができる(例えば非特許文献1参照)。
また、位相共役光発生装置400において、合波部30及び分波部50として用いられるWDM合分波器等は、光導波路によって構成することができる。また、位相共役光発生部40として用いられる第1、第2及び第3の位相共役光発生素子100、200及び300は、上述したように光導波路として構成される。従って、合波部30及び分波部50と位相共役光発生部40とを、共通の基板を用いて形成することができる。位相共役光発生装置400は、装置の小型化に有利である。そして、合波部30及び分波部50の光導波路コアと位相共役光発生部40の光導波路コアとを一体的に接続することによって、合波部30及び分波部50と位相共役光発生部40との間の光の結合損失を抑えることができる。
なお、ここでは、位相共役光発生装置400を、非縮退型の位相共役光発生装置として利用する場合の例について説明した。しかし、位相共役光発生装置400は、信号光と同じ周波数の位相共役光が発生する所謂縮退型の位相共役光発生装置として利用することもできる。
その場合には、励起光源20で生成される励起光S2を、信号光S1と同じ周波数とする。そして、励起光S2のパルスを、信号光S1のパルスと時間的にずらして出力する。位相共役光発生部40として用いる第1、第2及び第3の位相共役光発生素子100、200及び300は、光導波路コアに添加された非線形媒質(例えばEr等)のエネルギー準位を利用し、所望の周波数帯の信号光に対して四光波混合を生じさせる。そのため、信号光S1及び励起光S2のパルスがずれていても、光励起されて生成される、非線形媒質の分極のコヒーレンスが保たれている時間内であれば、四光波混合を生じさせることができる。そして、位相共役光発生部40から、同じ周波数で、かつそれぞれパルスのずれた信号光、励起光及び位相共役光を含む第2合波光S4が出力される。また、位相共役光発生装置400を縮退型とする場合には、信号光、励起光及び位相共役光を含む第2合波光S4から位相共役光を分波する分波部として、音響光学変調素子(AOM:Acoust Optical Modulator)を用いることができる。
10:入力ポート
20:励起光源
30:合波部
40:位相共役光発生部
50:分波部
60:出力ポート
100:第1の位相共役光発生素子
110:支持基板
120、220、320:クラッド層
130:非線形材料基板
135、235、335:光導波路コア
200:第2の位相共役光発生素子
300:第3の位相共役光発生素子
400:位相共役光発生装置

Claims (7)

  1. 光導波路コアに入力される励起光及び信号光に基づいて位相共役光を生成する位相共役光発生素子であって、
    前記光導波路コアは、非線形媒質が添加された非線形材料基板を用いて形成されている
    ことを特徴とする位相共役光発生素子。
  2. クラッド層と、該クラッド層上に設けられた前記光導波路コアとを備え、
    前記光導波路コアは、前記非線形材料基板が、光の伝播方向に沿って延在するようにパターニングされて形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相共役光発生素子。
  3. 前記光導波路コアに金属が導入されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の位相共役光発生素子。
  4. 前記光導波路コアは、前記非線形材料基板に金属が導入された部分として、光の伝播方向に沿って延在して形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相共役光発生素子。
  5. 前記非線形材料基板がLiNbO基板、LiTaO基板、ガラス基板又はシリコン基板である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の位相共役光発生素子。
  6. 前記非線形媒質がEr、Pr、Tm又はYbである
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の位相共役光発生素子。
  7. 入力される信号光及び励起光源で生成される励起光を合波し、信号光及び励起光を含む第1合波光を出力する合波部と、
    前記第1合波光に基づいて位相共役光を生成し、信号光、励起光及び位相共役光を含む第2合波光を出力する位相共役光発生部と、
    前記第2合波光に含まれる信号光及び励起光と位相共役光とを分波する分波部と
    を備え、
    前記位相共役光発生部は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の位相共役光発生素子である
    ことを特徴とする位相共役光発生装置。
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