JP2004185021A - 信号光の波形整形のための方法、装置及びシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は信号光の波形整形のための方法、装置及びシステムに関し、信号光のビットレートやパルス形状に依存しない新規な波形整形のための技術を提供することを主な課題としている。
【解決手段】本発明による信号光の波形整形のための装置は、レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有する分布帰還(DFB)レーザ2と、DFBレーザが阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するようにDFBレーザに駆動電流を供給する駆動回路とを備えている。阻止帯域に含まれない第2の波長を有する信号光がDFBレーザに入力する。信号光がハイレベル及びローレベルを有する光パルスによって提供されている場合、信号光のパワーを適切に設定することによって、信号光のハイレベルでの振幅揺らぎを効果的に抑圧することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、信号光の波形整形のための方法、装置及びシステムに関する。
近年実用化されている光ファイバ通信システムにおいては、伝送路損失や分岐損失等による信号パワーの低下を、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)等の光増幅器を用いて補償している。光増幅器はアナログ増幅器であり、信号を線形増幅するものである。この種の光増幅器においては、増幅に伴って発生する自然放出光(ASE)雑音の付加により信号対雑音比(S/N比)が低下する為、中継数ひいては伝送距離に限界が生じる。また、光ファイバの持つ波長分散やファイバ内の非線形光学効果による波形劣化も伝送限界を与える要因である。こうした限界を打破するためには、信号をデジタル的に処理する再生中継器が必要であり、その実現が望まれている。特に、全ての処理を光レベルにおいて行う全光再生中継器は、信号のビットレートやパルス形状等に依存しないトランスペアレントな動作を実現する上で重要である。
全光再生中継器に必要な機能は、振幅再生又はリアンプリフィケーション(Reamplification)と、タイミング再生又はリタイミング(Retiming)と、波形整形又はリシェイピング(Reshaping)とである。本発明はこれらのうち特にリシェイピング機能に着目して、飽和動作状態の分布帰還(DFB)レーザを用いて簡単な構成の超高速波形整形装置を提供するものである。
波形整形器として最も一般的なものは、入力信号光をフォトダイオード等の受光器により一旦電気信号に変換し、この電気信号をロジック回路を用いて電気的に波形整形処理した後、この信号でレーザ光を変調するようにしたOEタイプの波形整形器である。OEタイプの波形整形器は従来の光通信システムにおいて再生中継器に用いられている。しかし、OEタイプの波形整形器の動作速度は信号処理のための電子回路によって制限されるので、再生中継器の入力信号のビットレートが低いレートで固定されてしまうという問題がある。
一方、全て光レベルで処理する全光タイプの波形整形器としては、波長変換を伴う非線形ループミラー(NOLM)やマイケルソン型或いはマッハツェンダ型の干渉系構成の非線形スイッチ、更には過飽和吸収体によるスイッチ等が多数提案されている(関連技術に関しては特願平10−176316号参照)。
本発明の目的は、信号光のビットレートやパルス形状等に依存しない新規な波形整形のための方法、装置及びシステムを提供することである。本発明の他の目的は以下の説明から明らかになる。
本発明の第1の側面によると、信号光の波形整形の為の方法が提供される。この方法では、まず、レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有する分布帰還(DFB)レーザが提供される。DFBレーザは、阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するように駆動される。阻止帯域に含まれない第2の波長を有する信号光がDFBレーザに入力する。
DFBレーザの駆動は、例えばDFBレーザに一定の駆動電流を供給することによって行われる。
信号光は、例えば、ハイレベル及びローレベルを有する光パルスによって提供される。この場合、本発明の適用によって、信号光のハイレベルでの振幅揺らぎがDFBレーザ内で抑圧される。この抑圧効果は、DFBレーザに入力する信号光のパワー等の調節によって最適化され得る。
このように本発明によると、信号光の波形整形の為に光/電気変換或いは電気/光変換が不要であるので、信号光のビットレートやパルス形状等に依存しない新規な波形整形のための方法の提供が可能になる。
望ましくは、阻止帯域に含まれない第3の波長を有する制御光がDFBレーザに入力される。制御光は例えば実質的に一定のパワーを有している。制御光の入力により、信号光のローレベルでの雑音の過剰な増加が抑圧される。この抑圧効果は、制御光のパワーの調節等によって最適化され得る。
DFBレーザは後述するように出力飽和特性を有している。出力飽和特性に基き信号光を波形整形して得られた波形整形光がDFBレーザから出力される。
本発明の第2の側面によると、信号光の波形整形のための方法が提供される。信号光は第1の信号光と第2の信号光とに分けられる。第1の信号光は第1の出力飽和特性を有する第1のDFBレーザに入力される。第2の信号光は第1の出力飽和特性と異なる第2の出力飽和特性を有する第2のDFBレーザに入力される。第1の出力飽和特性に従って第1のDFBレーザから出力された第1の波形整形光と、第2の出力飽和特性に従って第2のDFBレーザから出力された第2の波形整形光とが加え合わされる。
望ましくは、第1の波形整形光と第2の波形整形光の差信号としての出力信号光が得られるように、第1又は第2の波形整形光に位相シフトが与えられる。この位相シフトは、第1の波形整形光に生じた位相シフトと第2の波形整形光に生じた位相シフトとの差がπ(又はπの奇数倍)になるように設定される。本発明の第2の側面によると、出力信号光に関連してよりリジッドな識別特性が得られる。
本発明の第3の側面によると、レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有するDFBレーザと、DFBレーザが阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するようにDFBレーザに駆動電流を供給する駆動回路とを備えた装置が提供される。阻止帯域に含まれない第2の波長を有する信号光がDFBレーザに入力する。
このように本発明によると、本発明による方法を実施するのに好適な装置の提供が可能になる。
本発明の第4の側面によると、第1及び第2の光カプラと、第1及び第2のDFBレーザとを備えた装置が提供される。第1の光カプラは信号光を第1の信号光と第2の信号光とに分ける。第1の信号光と第2の信号光はそれぞれ第1及び第2のDFBレーザに入力される。第1及び第2のDFBレーザはそれぞれ第1及び第2の出力飽和特性を有しており、第1及び第2の出力飽和特性は異なる。第2の光カプラは、第1の出力飽和特性に従って第1のDFBレーザから出力された第1の波形整形光と、第2の出力飽和特性に従って第2のDFBレーザから出力された第2の波形整形光とを加え合せる。
本発明の第5の側面によると、光分岐部、波形整形器、クロック再生器および光リタイミング器を備えた装置が提供される。光分岐部は信号光を第1の信号光と第2の信号光とに分ける。波形整形器は第1の信号光を受け受けた第1の信号光を波形整形して波形整形光を出力する。クロック再生器は第2の信号光を受け受けた第2の信号光に基きクロックパルスを再生する。光リタイミング器は、波形整形光及びクロックパルスを受け、クロックパルスに基き波形整形光のタイミングを補正して得られた再生信号光を出力する。波形整形器は本発明の第3又は第4の側面による装置によって提供され得る。
クロック再生器は、例えば、第2の信号光が導入されるリングレーザを含む。この場合、第2の信号光に基くリングレーザのモードロックによりクロックパルスが再生され得る。
波形整形器は例えば非線形ループミラーを含む。
本発明の第6の側面によると、信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、光ファイバ伝送路に沿って設けられた少なくとも一つの光中継器とを備えたシステムが提供される。少なくとも一つの光中継器の各々は、本発明の第3、第4又は第5の側面による装置によって提供され得る。
本発明の第7の側面によると、信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、光ファイバ伝送路の出力端に接続された光受信機とを備えたシステムが提供される。光受信機は、本発明の第3、第4又は第5の側面による装置を含むことができる。
本発明の第8の側面によると、信号光が通過するようにカスケード接続された複数のDFBレーザを備えた装置が提供される。各DFBレーザはレーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有している。各DFBレーザは阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するように駆動される。信号光は阻止帯域に含まれない第2の波長を有している。
このように、本発明によると、出力飽和特性を有するDFBレーザを提供するステップを含む方法が提供される。信号光がDFBレーザに入力される。その結果、出力飽和特性に基き信号光を波形整形して得られた波形整形光がDFBレーザから出力される。
また、本発明によると、第1の波長でレーザ発振するDFBレーザを提供するステップを含む方法が提供される。第1の波長と異なる第2の波長を有する信号光がDFBレーザに入力される。信号光のパワーは、DFBレーザ内で信号光が波形整形されるように調節される。
更に、本発明によると、DFBレーザと、DFBレーザが第1の波長でレーザ発振するようにDFBレーザに駆動電流を供給する駆動回路とを備えた装置が提供される。第1の波長と異なる第2の波長を有する信号光がDFBレーザに入力される。信号光のパワーは、DFBレーザ内で信号光が波形整形されるように調節される。
このように、本発明においては、DFBレーザが単一モードでレーザ発振することを用いて、レーザ発振状態にあるDFBレーザにそのレーザ発振波長と異なる波長を有する信号光を入力することで、信号光の波形整形を行っている。しかしながら、本発明は、DFBレーザに限定されずそれ以外のレーザ、例えばレーザダイオード(或いは半導体レーザ)を用いて実施することもできる。即ち、レーザがレーザ発振しており、そのレーザにレーザ発振波長とは異なる波長を有する光パルス或いは信号光が入力したときに、その光パルス或いは信号光に対する波形整形効果が得られるものである。例えば、ファブリペロ型のレーザダイオードのようにマルチモードで発振するレーザにおいては、複数のレーザ発振波長があるので、波形整形されるべき信号光はこれらのレーザ発振波長とは異なる波長を有する。
このように、本発明の他の側面によると、レーザダイオードに対しレーザ光を発光する状態まで電流を供給し、レーザダイオードが出力する光の波長と異なる光をレーザダイオードに入射させることで光波形整形を行う方法が提供される。
また、本発明の更に他の側面によると、レーザダイオードと、レーザダイオードにレーザ光を発光する状態まで電流を供給する電流供給手段と、レーザダイオードが出力する光の波長と異なる光をレーザダイオードに入射する光入力手段とを有する光波形整形装置が提供される。
本発明によると、信号光のビットレートやパルス形状に依存しない新規な波形整形のための方法、装置及びシステムの提供が可能になるという効果が生じる。その結果、現状の線形光通信システムにおける各種の性能限界の打破が可能になる。
以下、添付図面を参照して本発明の望ましい実施の形態を詳細に説明する。
図1を参照して、本発明の原理を説明する。本発明による方法は、レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域(ストップバンド)を有する分布帰還(DFB)レーザとしてのDFBレーザダイオード(DFB−LD)2を提供することを含む。阻止帯域の幅は例えば0.5乃至1.0nmである。DFB−LD2は阻止帯域に含まれる第1の波長λでレーザ発振するように駆動される。発振の結果得られた発振レーザ光はDFB−LD2から出力される。発振レーザ光は一般的には連続波(CW)光である。発振状態にあるDFB−LD2は、クランプされた一定の利得を発振レーザ光に関して有している。この発振状態にあるDFB−LD2に、阻止帯域に含まれない第2の波長λSを有する信号光が入力される。入力信号光はDFB−LD2内で波形整形され、その結果得られた波形整形光がDFB−LD2から出力される。波形整形光は第2の波長λSを有している。
DFB−LD2の駆動はDFB−LD2に一定の駆動電流(バイアス電流)を供給することにより行われ得るが、本発明はこれに限定されず、光ポンピング等の他の方法によりDFBレーザが駆動されてもよい。
DFB−LD2が電流駆動される場合、その駆動電流を一定値に設定すれば、レーザ発振及び信号増幅に寄与するキャリア総数は一定であり、DFB−LD2から出力される総フォトン数も一定となる。従って、光パルスとして与えられる信号光をDFB−LDに外部から入射すると、パルスのピーク付近では立ち上がり及び立下り付近に比べてフォトン数が多くなるため、利得飽和が強くなるという効果が生じる。この効果を用いると、図1に示されるように、振幅揺らぎを持った信号光のパルスのピーク付近の振幅揺らぎを抑圧することが出来、振幅揺らぎの少ない波形整形光を得ることが出来る。
このように、本発明のある側面によると、出力飽和特性を有するDFBレーザが用いられ、出力飽和特性に基き信号光を波形整形して得られた波形整形光がDFBレーザから出力される。
本発明によると、カスケード接続された複数の光増幅器を用いた多中継伝送システム等において、ASEの累積による振幅雑音の累積を抑圧することも可能である。ASEの累積による波形劣化は、おもに信号/ASEビート雑音によるものであり、波形劣化は信号パルスのピーク付近で最も顕著となる。従って、本発明を適用することにより、このような波形劣化を有効に補償することが出来る。
一般に、利得クランプ状態のレーザの光強度変化に対する応答は数十ps以下の高速応答となるから、数十ps程度或いはそれよりも短いパルス幅を有する短パルス、或いは数十〜百Gb/s程度の超高速信号に対しても、本発明により波形整形が可能である。より特定的には次の通りである。
通常の半導体光増幅器(SOA)においては、吸収回復時間或いはキャリア密度変動の速度制限(通常数GHz)の為に入力信号光の速度(変調速度或いはビットレート)が制限され、制限速度以上の信号に対しては、波形歪みが付加される。これに対して、利得クランプ状態のレーザにおいては、誘導放出によって過剰なキャリアを活性層で再結合させるため、吸収回復時間を短くすることが可能である。十分な飽和状態においては、数十ps以下の光速応答となるので、上述のように超高速な信号に対しても波形整形が可能になるものである。
このように本発明によると、信号光のビットレートやパルス形状に依存せずに信号光の波形整形を行うことが出来るようになる。
図2の(A)及び(B)はDFB−LDの入出力特性の例を示すグラフである。より特定的には、図2の(A)及び(B)の各々には、図1に示されるDFB−LD2における信号光の入力パワーPS-inと波形整形光の出力パワーPS-outとの関係の例が実線で示されている。破線で示される特性については後述する。
図2の(A)においては、入力パワーPS-inが閾値Pthに等しいかそれよりも小さい場合には、入力パワーPS-inに比例して出力パワーPS-outは増加し、また、入力パワーPS-inが閾値Pthよりも大きい場合には、出力パワーPS-outは飽和出力パワーPsatで一定である。一定の飽和出力パワーPsatが得られる理由は、入力パワーPS-inが閾値Pthに達するとレーザ発振が停止し、それよりも大きな入力パワーでは利得が飽和して出力パワーが一定になるところにある。従って、信号光がハイレベル及びローレベルを有する光パルスによって与えられている場合には、例えば、ローレベルを零レベルに設定し、且つ、ハイレベルを閾値Pthよりも大きな値に設定することによって、信号光のハイレベルでの振幅揺らぎはDFB−LD2内で有効に抑圧され得る。
このように本発明のある側面によると、信号光のハイレベルでの振幅揺らぎがDFB−LD2内で抑圧されるように信号光のパワーが調節される。しかし、本発明はこれに限定されず、信号光のハイレベルが閾値Pthよりも小さな値に設定されても良い。なぜならば、DFBレーザの動的特性等によっては、閾値よりも小さな入力パワーに対しても出力パワーが飽和する傾向にある場合があるからである。
適切な条件の設定によって、図2の(B)に示されるように、入力パワーPS-inが閾値Pthに達してレーザ発振が停止したときに、その分信号光の利得が急激に増加する特性が得られる場合がある。閾値Pthは発振レーザ光のパワーとほぼ等しいので、利得は例えば約3dB増加する。この場合閾値Pthよりも大きな入力パワーの範囲における入出力特性は所謂デジタル識別器のそれにより近いものとなり、ハイレベルにおける振幅揺らぎは効果的に抑圧される。
図3は本発明による波形整形器の第1実施形態を示すブロック図である。この波形整形器は、本発明に従って出力飽和特性を提供可能なDFB−LD2と、DFB−LD2が波長λ0でレーザ発振するようにDFB−LD2に一定の或いは制御された駆動電流(バイアス電流)を供給する駆動回路4とを備えている。前述した原理に従ってそのパワーが最適値に調節された波長λSの信号光がDFB−LD2に供給され、DFB−LD2内でその出力飽和特性に基き信号光を波形整形して得られた波長λSの波形整形光がDFB−LD2から出力される。
信号光をDFB−LD2に供給する為に、信号光を伝送する光ファイバと、その光ファイバの出力端とDFB−LD2の第一端とを光学的に結合するためのレンズとを使用し得る。また、DFB−LD2から出力された波形整形光を有効に使用するために、波形整形光が導入されるべき光ファイバと、その光ファイバの入力端とDFB−LD2の第2端とを光学的に結合するレンズとが使用され得る。各レンズは、各ファイバの先端を加熱することにより各ファイバと一体に形成され得る。
DFB−LD2の阻止帯域は、レーザ発振可能な波長の範囲として定義されるので、発振レーザ光の波長λ0は阻止帯域に含まれている。信号光の波長λSは阻止帯域に含まれないことのみによって限定される。例えば、DFB−LD2のレーザ発振波長λ0が1550.0nmであり、その阻止帯域が1549.5乃至1550.5nmの範囲である場合、信号光の波長λSは1547.0nmに設定される。
図3に示される波形整形器は、プローブ光(制御光)をDFB−LD2に入力するプローブ光源6を更に備えている点で特徴付けられる。プローブ光はDFB−LD2の阻止帯域に含まれない第3の波長λPを有している。波長λPは信号光の波長λSに一致するか否かによって限定されないが、後段での信号処理を考慮すると、波長λPは波長λSとは異なることが望ましい。
図3においては、DFB−LD2内においてプローブ光が信号光と同じ向きに伝搬するがごとくプローブ光がDFB−LD2の第一端に入力されている状態が示されているが、DFB−LD2内においてプローブ光が信号光と逆向きに伝搬するようにDFB−LD2の第2端にプローブ光が入力されても良い。プローブ光をDFB−LD2に信号光と同一光路で入力するために、ハーフミラーを用いて構成される光カプラ又はファイバ融着型の光カプラ若しくはWDM(波長分割多重)カプラが使用され得る。
プローブ光源6を用いることにより、特に信号光のローレベルにおいて過剰なノイズの増加を抑えることができ、また、信号光のローレベルが連続する場合に不所望なレーザ発振を防止して波形整形器の動作が安定になる、という効果が生じる。プローブ光源6が用いられていない場合、信号光のローレベルに累積するASE−ASEビート雑音や伝送波形歪みによるローレベルの乱れを効果的に抑圧することが出来ないことがある。又、信号光のハイレベル及びローレベルの変化に伴ってDFB−LD2の発振状態と発振停止状態とが繰り返されるので、波形整形器の動作が不安定になることがある。
この実施形態では、プローブ光は一定のパワーを有している。従って、信号光のローレベルにおいても一定のパワーのプローブ光がDFB−LD2に供給されることとなり、上述した技術的効果が得られるものである。プローブ光のパワーは、例えば、信号光のローレベルでの雑音の増加を抑圧するように調節される。
図4は本発明による波形整形器の第2実施形態を示す図である。この波形整形器は、導波路基板8上に形成されたマッハツェンダ干渉器10を有している。マッハツェンダ干渉器10は、信号光或いは信号光およびプローブ光が入力されるべき入力ポート12と、波形整形光を出力すべき出力ポート14と、入力ポート12及び出力ポート14にそれぞれ光学的に接続されたY分岐16及び18と、Y分岐16及び18間を光学的に接続する光パス20及び22とを有している。
光パス20の途中には第1のDFB−LD2(#1)が設けられており、光パス22の途中には第2のDFB−LD2(#2)及び位相シフタ24が入力ポート12から出力ポート14に向かってこの順に設けられている。DFB−LD2(#1及び#2)にはそれぞれ図示しない駆動回路から駆動電流(バイアス電流)Ib1及びIb2が供給されており、それにより各LDは本発明に従って出力飽和特性を有する。より特定的には、駆動電流Ib1及びIb2が例えば異なる値に設定されて、DFB−LD2(#1)は第1の出力飽和特性を有すると共に、DFB−LD2(#2)は第1の出力飽和特性と異なる第2の出力飽和特性を有する。
入力ポート12に供給された信号光は、Y分岐16において第1の信号光と第2の信号光とに分けられる。第1の信号光のパワーは一般的には第2の信号光のパワーに実質的に等しい。第1の信号光は、光パス20を通ってDFB−LD2(#1)に供給される。DFB−LD2(#1)からは、第1の出力飽和特性に基き第1の信号光を波形整形して得られた第1の波形整形光が出力される。第2の信号光は、光パス22を通ってDFB−LD2(#2)に供給される。DFB−LD2(#2)からは、第2の出力飽和特性に基き第2の信号光を波形整形して得られた第2の波形整形光が出力される。第1の波形整形光と第2の波形整形光はY分岐18において加え合され、その結果得られた波形整形光(出力信号光)が出力ポート14から出力される。
位相シフタ24は、出力ポート14から出力される波形整形光が第1の波形整形光と第2の波形整形光の差信号になるように第2の波形整形光に位相シフトφを与える。このような差信号が得られる限りにおいて位相シフタ24は省略されても良いし、DFB−LD2(#1)とY分岐18との間の光パス20上に設けられていても良い。例えば、光パス20及び22の適切な光路長の設定によって、位相シフタ24を省略することができる。第1の波形整形光或いは第2の波形整形光に位相シフトが必要なのは、駆動条件の違いによりDFB−LD2(#1)内で第1の信号光に与えられる位相シフトとDFB−LD2(#2)内で第2の信号光に与えられる位相シフトとが異なることに部分的に起因している。
図5の(A)は図4に示される各DFB−LDの入出力特性を示すグラフ、図5の(B)は図4に示される波形整形器の入出力特性を示すグラフである。図5の(A)において、横軸は波形整形器の入力パワーPS-in或いは各DFB−LD2の入力パワーを表し、縦軸は各DFB−LDの出力パワーPDFB-LD-outを表している。また、図5の(B)において、横軸は波形整形器の入力パワーPS-in、縦軸は波形整形器の出力パワーPS-outを表している。
図5の(A)に示されるように、DFB−LD2(#1)の第1の出力飽和特性は飽和出力パワーPsat1によって与えられており、DFB−LD2(#2)の第2の出力飽和特性は飽和出力パワーPsat2(≠Psat1)によって与えられている。ここでは、各駆動電流の適切な設定によって、Psat1sat2が得られている。第1及び第2の出力飽和特性における飽和するまでの部分特性(比例領域における特性)はほぼ一致している。従って、第1の波形整形光と第2の波形整形光との差信号として与えられる出力信号光(即ち図4に示される波形整形器から出力される波形整形光)は、図5の(B)に示されるようなリジッドな識別特性によって決定されることになる。
このように、図4に示される波形整形器の第2実施形態によると、その出力飽和特性が図5の(B)に示されるような識別特性となるので、より良好な波形整形が可能になる。また、第1の波形整形光と第2の波形整形光との差信号が得られるので、プローブ光を用いない場合であっても、雑音の増加を有効に防止することができる。
図6は本発明による波形整形器の第3実施形態を示すブロック図である。この第3実施形態は、図3に示される第1実施形態と対比して、DFB−LD2の出力に光学的に接続された光フィルタ26と、DFB−LD2の入力および出力の少なくとも一方に光学的に接続された過飽和吸収体28とが付加的に設けられている点で特徴付けられる。同図では過飽和吸収体28は光フィルタ26を介してDFB−LD2の出力に光学的に接続されているが、DFB−LD2の入力に光学的に接続された過飽和吸収体が用いられても良い。
光フィルタ26は信号光の波長λSを含み、且つ、DFB−LD2での発振レーザ光の波長λ0及びプローブ光の波長λPを含まない通過帯域を有している。光フィルタ26を採用したことにより、後段の信号処理で必要がなくむしろ有害な発振レーザ光及びプローブ光を除去することが出来るので、全光再生中継器等に利用価値の高い波形整形器の提供が可能になる。なお、プローブ光源6が採用されない場合には、光フィルタ26は、信号光の波長λSを含み、且つ、DFB−LD2での発振レーザ光の波長λ0を含まない通過帯域を有する。
過飽和吸収体28は、例えば逆バイアスされた半導体素子(レーザダイオード及び半導体光増幅器等)により提供され、その過飽和吸収特性に基づいて信号光のローレベルでの振幅揺らぎに起因する雑音が抑圧される。一般に、過飽和吸収体においては、飽和レベル以下の入力光に対して吸収効果により非線形の入出力特性が得られる。従って、図6に示されるように、DFB−LD2から光フィルタ26を介して出力された信号光に対応する光が過飽和吸収体28を通過すると、この波形整形器の入出力特性は、図2の(A)又は図2の(B)に破線で示されるような入出力特性を有するようになり、より識別回路に近い動作が得られる。その結果、信号光のハイレベル及びローレベルの各々での振幅揺らぎが抑圧され、より高度な波形整形が可能になる。
過飽和吸収体28の応答をより高くするために、過飽和吸収体28に別のプローブ光を入力するための光源が付加的に設けられても良いし、過飽和吸収体28の動作を安定にするために、過飽和吸収体28の入力又は出力に光アイソレータが光学的に接続されても良い。
この実施形態では、各々光カプラとして動作するY分岐16及び18が導波路基板8上に形成されたマッハツェンダ干渉器10により提供されているので、波形整形器を小型にすることが出来る。
図7は本発明による全光信号再生装置の実施形態を示すブロック図である。この装置は、例えば光カプラにより提供される光分岐部30と、本発明の種々の実施形態により提供され得る波形整形器32と、クロック再生器34と、光リタイミング器36とを備えている。光分岐部30は供給された信号光を第1の信号光と第2の信号光とに分ける。第1の信号光は波形整形器32に供給される。波形整形器32は、受けた第1の信号光を波形整形して得られた波形整形光を出力する。第2の信号光はクロック再生器34に供給される。クロック再生器34は、受けた第2の信号光に基きクロックパルス(光クロック)を再生する。波形整形光及びクロックパルスは光リタイミング器36に供給される。光リタイミング器36は、クロックパルスに基き波形整形光のタイミングを補正して得られた再生信号光を出力する。
波形整形器32から出力される波形整形光においては、本発明に従って信号光のハイレベル及び/又はローレベルに関して波形整形が行われている。しかし、波形整形光のパルス間時間間隔は不均一になり得る。これに対して、クロック再生器34から出力されるクロックパルスのパルス間時間間隔は一定である。従って、光リタイミング器36が例えば光AND回路として機能することによって、波形整形が行われ、かつパルス間時間間隔が一定である再生信号光が得られる。
クロック再生器34は、第2の信号光が導入されるリングレーザを含むことができる。この場合、第2の信号光に基くリングレーザのモードロックによりクロックパルスが再生される。より特定的には次の通りである。
図8は図7に示されるクロック再生器34の実施形態を示すブロック図である。このクロック再生器34は、入力ポート42と出力ポート44との間に設けられる光パス46と、光パス46に光学的に結合されるリングレーザとしての光ループ48とを備えている。光パス46及び光ループ48の各々は例えば光ファイバにより提供され、この場合、光パス46と光ループ48の光学的な結合はファイバ融着型の光カプラ50により行うことができる。従って、光カプラ50によって光パス46及び光ループ48の各々の一部が提供されている。
光ループ48は、光ループ48でレーザ発振が生じるように光ループ48の損失を補償する光増幅器52と、可変な遅延時間τを有する遅延回路からなる調節器54と、非線形媒質(非線形光学媒質)56とを含む。特にこの実施形態では、光ループ48は、更に、リングレーザによるレーザ発振の波長λCを含む通過帯域を有する光帯域通過フィルタ58を含む。
入力ポート42には速度(又はビットレート)fSで変調された波長λSの信号光(第2の信号光)が供給され、供給された信号光の一部は光カプラ50を介して光ループ48内に導入される。光ループ48の光路長Lは、信号光の変調速度(周波数に対応)fSが光ループ48の周回周期の逆数Δν=c/L(c:光速)の整数倍に等しくなるように、調節器54により予め調節される。光増幅器52としては、例えばEDFA(エルビウムドープファイバ増幅器)を用いることができる。
特にこの実施形態では、非線形媒質56として3次非線形媒質が用いられ、信号光の導入により非線形媒質56内でAM変調或いはFM変調が生じ、光ループ48のレーザ発振がモードロックされる。その結果、波長λ、周波数fSのクロックパルスが発生し或いは再生され、そのクロックパルスは光カプラ50を介して出力ポート44から出力される。より特定的には次の通りである。
まず、光ループ48によるリングレーザにより波長λCの連続発振(CW)レーザ光を発振させておき、そこに波長λ、周波数(ビットレート或いは速度)fSの信号光を入力する。このとき、非線形媒質56内でこの信号光をポンプ光(励起光)とする四光波混合(FWM)が発生し、波長λCのCW光に信号光によるAM変調がかかる。このAM変調には基本周波数fSの成分が含まれており、前述した光ループ48の光路長の設定により、周波数fSのクロックパルスが発生する。
このように、本実施形態においては光/電気変換を行うことなしにクロックパルスを得ることができるので、信号光のビットレートやパルス形状等に依存しない全光クロック再生器を提供することが可能である。
非線形媒質56としては、半導体光増幅器(SOA)、シングルモードファイバ、或いは分散シフトファイバ(DSF)を用いることができる。DSFとしては、非線形効果が大きい高非線形DSF(HNL−DSF)を用いるのが有効である。HNL−DSFについては後述する。非線形媒質56としてSOAを用いた場合には、非線形媒質56において利得が生じるので、光ループ48におけるレーザ発振を維持する為の光増幅器52は省略されても良い。更に、より一般的には、非線形媒質56における線形又は非線形な利得が十分大きい場合には、光増幅器56を省略することができる。
非線形媒質56としてHNL−DSFが用いられている場合には、非線形媒質56においてFWMを最も効果的に発生させるために、信号光の波長λSをHNL−DSFの零分散波長λ0に実質的に等しく設定するのが良い。これにより最適な位相整合が達成され、最も広い変換帯域と最大の変換効率が得られる。ここで、「変換」という語は信号光からクロックパルスへの変換という意味で用いられている。また、HNL−DSFの零分散波長λ0を高精度に一定値に管理することによって、帯域を拡大することができる。これについても後述する。
図9は図7に示される光リタイミング器36の実施形態を示す図である。この実施形態では、光リタイミング器36は非線形ループミラー(NOLM)によって提供されている。NOLMは、方向性結合される第1の光路62及び第2の光路64を含む第1の光カプラ66と、光路62および64を接続するループ光路68と、ループ光路68に方向性結合される第3の光路70を含む第2の光カプラ72とを備えている。ループ光路68の一部又は全部は非線形光学媒質によって提供されている。特にこの実施形態では、非線形光学媒質としてHNL−DSFが用いられている。第1の光カプラ66のカップリング比は1:1に設定される。
第3の光路70には、波形整形器32(図7参照)からの波形整形光がλSの制御パルスとして供給される。また、第1の光路62には、クロック再生器34(図7参照)からのクロックパルスが波長λCのプローブパルスとして供給される。
このNOLMの動作をまず簡単に説明すると、プローブパルス及び制御パルスがそれぞれ光路62及び70に入力されたときに光AND回路の動作に従って得られた再生パルス(再生信号光)が光カプラ66の第2の光路64から出力されるというものである。再生パルスはプローブパルスと同じ波長λCを有している。
プローブパルスは、光カプラ66によりパワーが等しい2成分に分けられ、これら2成分は、ループ光路68をそれぞれ時計回り及び反時計回りに伝搬し、非線形光学媒質により共に等しい位相シフトΦを受けた後、光カプラ66により合成される。これは制御パルスが光路70に入力していない場合の現象であり、この場合には、光カプラ66における合成に際して、2成分のパワーは等しく且つ位相も一致しているので、合成により得られた光はあたかもミラーにより反射されるがごとく第1の光路62から出力され、第2の光路64からは出力されない。
光カプラ72により制御パルスがループ光路68に導入されると、この制御パルスはループ光路68の一方向(図では時計回り)にだけ伝搬し、この方向に伝搬する光に対しては、制御パルスがハイレベルのときにだけ非線形光学媒質の非線形屈折率が変化する。従って、プローブパルスの2成分が光カプラ66で合成されるに際して、制御パルスのハイレベルに同期したプローブパルスの2成分の位相は異なり、制御パルスのローレベルに同期したプローブパルスの2成分の位相は一致する。この位相差をΔΦとすると、光カプラ66の第2の光路64には{1−cos(ΔΦ)}/2に比例する出力が得られる。従って、位相差ΔΦがπになるように制御パルス(即ち波形整形器32からの波形整形光)のパワーを調節することによって、制御パルス及びプローブパルスが重複したときにだけ波長λCの光が第2の光路64から出力され、それ以外のときには出力レベルがローレベルになるような動作が可能になる。
このようにして、光リタイミング器36(図7参照)に供給された波形整形光に基づいて、クロックパルスに同期した再生信号光が得られるものである。従って、波形整形光から再生信号光への変換には、波長λSからλCへの波長変換を伴う。従って、図7に示される全光信号再生装置は例えば光ネットワークのノードで用いられる波長変換器と兼用することが出来る。この場合、クロック再生器34(図7参照)で再生されるクロックパルスの波長λCに応じた変換波長を得ることが出来る。
NOLM自身は過飽和吸収特性を有し、従って波形整形機能をも有することになる。パルスの立ち上がり(低パワー部)及びピーク(高パワー部)における非線形(飽和)効果により、これらの部分での波形歪みが圧縮されるので、NOLMそれ自身により前述した波形整形器の実施形態におけるのと同様の波形整形の動作が得られるものである。
このような、光AND回路の機能を有する光リタイミング器36(図7参照)としては、四光波混合器を用いることも出来る。波形整形光或いはクロックパルスをポンプ光とし,ポンプ光のオン/オフに応じて四光波混合を発生させることにより光リタイミングが行われる。四光波混合器の非線形光学媒質として光ファイバが用いられている場合には、その零分散波長をポンプ光の波長に一致させることが位相整合状態を最適化するために有効である。
光通信システムにおける光信号処理に適用可能な非線形光学効果としては、主に、2次非線形光学媒質中の三光波混合或いは、3次非線形光学媒質中の自己位相変調(SPM)、相互位相変調(XPM)及び四光波混合(FWM)等の光カー効果が考えられる。2次非線形光学媒質としては、InGaAs及びLiNbO3 等がある。3次非線形光学媒質としては、半導体光アンプ(SOA)及び発振状態にある分布帰還レーザダイオード(DFB−LD)等の半導体媒質或いは光ファイバが考えられる。
図8に示されるクロック再生器34の実施形態或いは図9に示される光リタイミング器36の実施形態では、特に光ファイバ内の光カー効果が有効である。光ファイバとしては単一モードファイバが適しており、特に波長分散が比較的小さい分散シフトファイバ(DSF)が望ましい。
一般に、光ファイバの3次非線形係数γは、
γ=ωn2 /cAeff ・・・・・(1)
で表される。ここに、ωは光角周波数、cは真空中の光速を表し、n2 及びAeff は光ファイバの非線形屈折率及び有効コア断面積をそれぞれ表す。
従来のDSFの非線形係数はγ=2.6W-1km-1程度と小さいので、十分な変換効率を得るためには数km〜10km以上の長さが必要である。より短尺のDSFで十分な変換効率を実現することができるとすれば、零分散波長を高精度に管理することが可能となり、高速・広帯域な変換を実現することができる。「変換」という語は、信号光からクロックパルスへの変換或いは波形整形光から再生信号光への変換の意味で使用されている。
一般に、光ファイバの3次非線形効果を高めるためには、(1)式において非線形屈折率n2 を大きくし、或いは有効コア断面積Aeff に対応するモードフィールド径(MFD)を小さくして光強度を高くするのが有効である。
非線形屈折率n2 を大きくするためには、例えば、クラッドにフッ素等をドープし或いはコアに高濃度のGeO2 をドープすればよい。コアにGeO2 を25〜30mol%ドープすることによって、非線形屈折率n2 として5×10-20 2 /W以上の大きな値が得られている(通常のシリカファイバでは約3.2×10-20 2 /W)。
一方、MFDを小さくすることは、コア及びクラッド間の比屈折率差Δ或いはコア形状の設計により可能である。このようなDSFの設計は分散補償ファイバ(DCF)の場合と同様である。例えば、コアにGeO2 を25〜30mol%ドープし、且つ、比屈折率差Δを2.5〜3.0%に設定することによって、4μmよりも小さなMFDが得られている。そして、非線形屈折率n2を大きくすることとMFDを小さくすることとの総合効果として、15W-1km-1以上の大きな非線形係数γを有する光ファイバ(HNL−DSF)が得られている。
他に重要な要素として、上述のように大きな非線形係数γを有するHNL−DSFが、用いる波長帯で零分散を持つことである。この点に関しても各パラメータを以下のように設定することにより満足することができる。通常のDCFにおいては、一般にMFDを一定にした条件で比屈折率差Δを大きくすると、分散値は正常分散領域で大きくなる。一方、コア径を大きくすると分散は減少し、逆にコア径を小さくすると分散は大きくなる。従って、用いる波長帯においてMFDをある値に設定した状態で、コア径を大きくしていくと分散を0とすることが可能である。
長さLの光ファイバ中での光カー効果による位相シフトは、γPP Lに比例する。ここに、PP は平均ポンプ光パワーである。従って、非線形係数γが15W-1km-1のファイバは通常のDSFに比べて2.6/15≒1/5.7程度の長さで同じ変換効率を達成可能である。上述のように通常のDSFでは10km程度の長さが必要であるが、このように大きな非線形係数γを有するHNL−DSFにあっては、1〜2km程度の長さで同様の効果が得られることになる。実用上は、ファイバが短くなる分損失も小さくなるので、同じ効率を得るために更にファイバを短くすることができる。このように短いファイバにおいては、零分散波長の制御性がよくなり、以下に説明するように極めて広帯域の変換が可能になる。更に、数kmのファイバ長であれば、定偏波化が可能になり偏波面保存能力が確保されているので、HNL−DSFの本発明への適用は、高い変換効率及び広い変換帯域を達成し且つ偏波依存性を排除する上で極めて有効である。
例えば、図9に示されるNOLMにおいて、光カー効果、特にXPMを有効に発生させて、波形整形光から再生信号光への変換効率を高めるためには、前述のプローブパルスと制御パルスとの間の位相整合をとる必要がある。図9によりこれを説明する。プローブパルスは、光カプラ66においてループ光路68を時計回りに伝搬する第1プローブパルスと反時計回りに伝搬する第2プローブパルスとに分岐される。また、制御パルスは、光カプラ72を通ってループ光路68内に時計回りに導入される。
ループ光路68における位相整合条件は、ループ光路68内を共に時計回りに伝搬する制御パルス及び第1プローブパルスのタイミングの一致性により与えられる。もし、制御パルス及び第1プローブパルスのタイミングが一致しない場合には、XPMによる光カーシフトが制限され、有効な光AND回路の動作が困難になる。
制御パルス及び第1プローブパルスの波長は異なるので、ループ光路68における制御パルス及び第1プローブパルスの群速度は異なり、結果としてループ光路68の長さに比例するタイミングずれが生じる。これを回避するためには、制御パルス及び第1プローブパルスの群速度が一致するような波長配置を選択することが望ましい。
タイミングずれを最小限に抑えるための最も有効な波長配置は、制御パルスの波長λS及び第1プローブパルスの波長λCをループ光路68の零分散波長に対して実質的に対称に位置させることにより得られる。零分散波長に近い広い帯域に渡って、波長分散はほぼ直線的に変化しており、上述の波長配置により制御パルス及び第1プローブパルスの群速度を一致させて、良好な位相整合条件を得ることができる。
しかし、このような波長配置をとっても、零分散波長自体がファイバ長手方向に変動していると、群速度間にずれが生じ、これが変換帯域及び変換可能な信号速度に制限を与える。このように、ファイバによる変換帯域は分散により制限されることになる。長手方向の分散が完全に制御され、例えば全長(正確には非線形長)に渡り唯一の零分散波長を有するファイバが作られたとすれば、波形整形光の波長λSとクロックパルスの波長λCとをこの零分散波長に関して対称な位置に配置することにより事実上無限大の(分散の波長依存性が直線状である範囲で制限のない程広い)変換帯域が得られることになる。しかし、実際には、零分散波長が長手方向にばらつくため、位相整合条件が理想状態からずれ、これにより帯域が制限される。
広帯域化を実現するための第1の方法は、HNL−DSFを用いることである。HNL−DSFを用いた場合には、1〜2km程度の長さで十分な変換が可能になるので、分散の制御性がよくなり、広帯域特性を得やすい。その際、特に光カー効果の発生効率が高い入力端付近の零分散波長のばらつきを小さく抑えることができれば、最も効率よく帯域を拡大可能である。更に、ファイバを複数の小区間に分割し、零分散波長が似ている区間同士をスプライス等により繋ぎ合わせていく(当初のファイバ端から数えた順番とは違う順番で)ことにより、全長における平均分散は同じであるにも係わらず、広い変換帯域を得ることができる。
或いは又、十分広い変換帯域を得るのに必要な程度に高精度な分散制御が可能な長さ(例えば数100m以下)のファイバを予め多数用意しておき、所要の零分散波長のものを組み合わせてスプライスして、所要の変換効率を得るのに必要な長さのファイバを作ることも可能である。
このようにして変換帯域を拡大する場合には、光強度の高い入力端付近に零分散波長のばらつきの少ない部分を集めるのが有効である。また、必要に応じて順次分割数を増やしたり、入力端から離れた位置で比較的分散の大きな部分では、分散の正負を交互に配置する等により小区間を適切に組み合せることによって、更に変換帯域を拡大することができる。
光ファイバを分割するに際して各区間をどの程度短くすれば十分か否かの目安としては、例えば、非線形長を基準にすればよい。非線形長に比べて十分短いファイバ内でのFWMにおいては、位相整合はそのファイバの平均分散値に依存すると考えることができる。一例として、非線形係数γが2.6W-1km-1のファイバで30mW程度のポンプ光パワーを用いたFWMにおいては、非線形長は12.8km程度になるから、その1/10程度、即ち1km程度が1つの目安となる。他の例としては、非線形係数γが15W-1km-1のファイバで30mW程度のポンプ光パワーを用いたFWMにおいては、非線形長は2.2km程度になるから、その1/10程度、即ち200mが1つの目安となろう。いずれにしても、非線形長に比べて十分短いファイバの平均零分散波長を測定し、ほぼ同じ値のものを組み合わせて所要の変換効率のファイバを構成すれば、広い変換帯域を得ることができる。
このように、図9に示される光リタイミング器36の実施形態においては、非線形光学媒質としてのHNL−DSFの零分散波長を波形整形光の波長λSとクロックパルスの波長λCの中間付近に設定することによって、二つのパルス(波形整形光のパルスの一つとクロックパルスの一つ)の間にウォークオフ(Walk−off)が発生し難くなる。或いは、零分散波長は二つのパルスよりも長波長側或いは短波長側に設定されても良い。長波長側に設定する場合には、正常分散領域が得られ、変調不安定効果を抑圧可能である。また、短波長側に設定する場合には、異常分散領域が得られ、ソリトン効果を用いることが出来る。零分散波長をどのように設定するかは実際のシステム条件に応じて決定することが出来る。
また、必要に応じて、光フィルタ、光増幅器及び光アイソレータ等を図7に示される構成の前後或いは構成内に設けても良い。
図10は本発明によるシステムの実施形態を示すブロック図である。このシステムは、信号光を伝送する光ファイバ伝送路70と、光ファイバ伝送路70に沿って設けられた複数の(図では二つの)光中継器(R)72とを備えている。一つの光中継器が用いられても良い。信号光は光送信機(OS)74から光ファイバ伝送路70に供給され、光ファイバ伝送路70により伝送された信号光は光受信機(OR)76により受信される。
以上説明した本発明の実施形態の少なくとも一つを各光中継器72に適用することによって、光/電気変換を行うことなしに、所謂3R機能或いは2R機能が得られる。ここで、3Rは波形等化(Reshaping)、タイミング再生(Retiming)及び識別再生(Regeneration)を意味し、2Rはタイミング再生を除く二つを意味する。特に、各光中継器72にEDFA等の光増幅器が含まれている場合には、光増幅器において生じるASEが累積するので、各光中継器72に本発明を適用することによって、効果的に波形整形或いは全光信号再生を行うことが出来る。
光ファイバ伝送路70の出力端において、本発明に従って波形整形或いは全光信号再生を行っても良い。この場合、本発明による種々の実施形態の少なくとも何れか一つが光受信機76に適用される。受信感度を高めるために、光受信機76内にEDFA等からなる光増幅器が光プリアンプとして設けられていても良い。
図10に示されるシステムにおいては、光ファイバ伝送路70における分散や非線形光学効果により信号光の波形が歪んだり、光増幅器による中継伝送に際しての光増幅器のASE雑音の累積により信号光の波形が乱れることがある。分散や非線形光学効果による信号光の波形の歪みは、分散補償器或いは非線形補償器を各光中継器72内或いは光受信機76内に設けることによって防止することが出来る。また、ASE雑音の累積による波形の乱れは、本発明に従って波形整形を行うことによって、有効に防止し得る。従って、本発明と分散補償器或いは非線形補償器との組み合わせは、長距離・超高速の高品質な光伝送システムを構築する上で極めて有効である。なお、非線形補償器としては、位相共役変換を用いたもの等を採用可能である。
しばしば単純に分散と称される波長分散は、光ファイバ内における光信号の群速度が光信号の波長(周波数)の関数として変化する現象である。例えば標準的なシングルモードファイバにおいては、1.3μmよりも短い波長に対しては、より長い波長を有する光信号がより短い波長を有する光信号よりも速く伝搬し、その結果としての分散は、通常、正常分散と称される。1.3μmよりも長い波長に対しては、より短い波長を有する光信号がより長い波長を有する光信号よりも速く伝搬し、その結果としての分散は異常分散と称される。
近年、EDFAの採用による光信号パワーの増大に起因して、非線形性が注目されている。伝送容量を制限する光ファイバの最も重要な非線形性は光カー効果である。光カー効果は光ファイバの屈折率が光信号の強度に伴って変化する現象である。屈折率の変化は光ファイバ中を伝搬する光信号の位相を変調し、その結果信号スペクトルを変更する周波数チャーピングが生じる。この現象は自己位相変調(self-phase modulation:SPM)として知られている。SPMによってスペクトルが拡大され、波長分散による波形歪みが更に大きくなる。
このように、波長分散及びカー効果は、伝送距離の増大に伴って光信号に波形歪みを与える。従って、光ファイバによる長距離伝送を可能にするためには、波長分散及び非線形性は制御され、補償され或いは抑圧されることが必要である。
波長分散及び非線形性を制御する技術として、主信号のための電子回路を含む再生中継器を用いたものが知られている。伝送路の途中に例えば複数の再生中継器が配置され、各々の再生中継器では、光信号の波形歪みが過剰になる前に光/電気変換、再生処理及び電気/光変換がこの順で行われる。しかし、この方法では、高価で複雑な再生中継器が必要であるとともに、再生中継器が有する電子回路が主信号のビットレートを制限するという問題がある。
波長分散及び非線形性を補償する技術として、光ソリトンが知られている。与えられた異常分散の値に対して精度よく規定された振幅、パルス幅及びピークパワーを有する光信号パルスが発生させられ、それにより光カー効果によるSPMと異常分散とによるパルス圧縮と、分散によるパルス拡がりとがバランスし、光ソリトンはその波形を維持したまま伝搬して行く。
波長分散及び非線形性を補償するための他の技術として、光位相共役の適用がある。例えば、伝送路の波長分散を補償するための方法がヤリフ(Yariv)らによって提案されている(A. Yariv, D. Fekete, and D. M. Pepper,“Compensation for channel dispersion by nonlinear optical phase conjugation” Opt. Lett., vol. 4, pp. 52-54, 1979)。伝送路の中間点で光信号が位相共役光に変換され、伝送路の前半で受けた波長分散による波形歪みが伝送路の後半の波長分散による歪みで補償される。
特に、2つの地点での電場の位相変化の要因が同じであり、その要因をもたらす環境変化が2地点の間の光の伝搬時間内で緩やかであるとすれば、2地点の中間に位相共役器(位相共役光発生器)を配置することによって、位相変化は補償される(S. Watanabe,“Compensation of phase fluctuation in a transmission line by optical conjugation ”Opt. Lett., vol. 17, pp. 1355-1357, 1992)。従って、位相共役器の採用によって、SPMに起因する波形歪みも補償される。しかし、位相共役器の前後で光パワーの分布が非対称である場合には、非線形性の補償が不完全になる。
発明者は、先に、位相共役器を用いる場合に光パワーの非対称性による補償の不完全さを克服するための技術を提案した(S. Watanabe and M. Shirasaki, “Exact compensation for both chromatic dispersion and Kerr effect in a transmission fiber using optical phase conjugation”J. Lightwave Technol., vol. 14, pp. 243-248, 1996 )。位相共役器は伝送路におけるその前後の分散値又は非線形効果の総量が等しくなる点の近傍に配置され、その前後における種々のパラメータが微小区間ごとに設定される。
光ファイバ及び半導体光増幅器等のような三次の非線形光学媒質を用いて、非縮退四光波混合により位相共役光を発生させることができる。角周波数ωS の信号光と角周波数ωP (ωP ≠ωS )のポンプ光とがその非線形光学媒質に供給されると、非線形光学媒質内における信号光及びポンプ光の四光波混合に基き、角周波数2ωP −ωS の位相共役光(変換信号光)が発生し、この位相共役光は信号光及びポンプ光と共に非線形光学媒質から出力される。
尚、「非縮退」というのは、信号光の波長とポンプ光の波長とが異なるという意味で用いられている。信号光の波長、ポンプ光の波長及び位相共役光の波長(角周波数)は前述した関係を満たすので、位相共役光の発生と同時に波長変換が行なわれることになる。従って、位相共役変換及び波長変換のための非線形光学媒質としてHNL−DSFが用いられている場合には、前述した「変換」の語をこれらの変換に当てはめることにより、高い変換効率及び広い変換帯域を得るための前述の議論はそのまま適用され得る。
図11は本発明による波形整形器の第4実施形態を示すブロック図である。この波形整形器は、図6に示されるDFB−LD2、駆動回路4、プローブ光源6及び光フィルタ26と、これらにそれぞれ対応するDFB−LD2´、駆動回路4´、プローブ光源6´及び光フィルタ26´とを備えている。DFB−LD2及び2´をカスケード接続(或いはタンデム接続)するために、光フィルタ26から出力された光がDFB−LD2´に入力されるようになっている。
このように本実施形態では、2台のDFB−LD2及び2´をカスケード接続しているので、一つのDFB−LDを用いている場合と比較して波形整形の程度を高めることができる。
DFB−LD2にプローブ光が供給されていることにより、波長λの発振レーザ光の生成を有効に抑圧し得る。従ってこの場合、光フィルタ26を省略してDFB−LD2から出力された光を直接DFB−LD2´に入力するようにすれば、プローブ光源6からのプローブ光はDFB−LD2を透過した後にDFB−LD2´にも供給されるので、プローブ光源6´を省略することができる。又この場合、DFB−LD2´における波長λの発振レーザ光の発生が有効に抑圧されていれば、光フィルタ26´に要求される機能は、波長λPのプローブ光を除去することである。
このように、複数のDFB−LDをカスケード接続して本発明を実施することによって、効果的に波形整形を行うことができる波形整形器の提供が可能になる。
以上、DFBレーザが用いられる場合について本発明の実施形態を説明したが、本発明はDFBレーザが用いられることによって限定されない。DFBレーザ以外のレーザを用いる場合であっても光増幅に関連して利得クランプ状態を得ることができるので、DFBレーザを用いた場合と同様に信号光の波形整形を行うことができる。例えば、マルチモードで発振するファブリペロ型のレーザダイオードを用いて本発明を実施することができる。この場合、そのレーザダイオードは複数のレーザ発振波長を有するので、波形整形されるべき信号光の波長はそれらのレーザ発振波長とは異なるように設定される。
図1は本発明の原理の説明図である。 図2の(A)及び図2の(B)はDFB−LD(分布帰還型レーザダイオード)の入出力特性の例を示すグラフである。 図3は本発明による波形整形器の第1実施形態を示すブロック図である。 図4は本発明による波形整形器の第2実施形態を示す図である。 図5の(A)は図4に示される各DFB−LDの入出力特性を示すグラフ、図5の(B)は図4に示される波形整形器の入出力特性を示すグラフである。 図6は本発明による波形整形器の第3実施形態を示すブロック図である。 図7は本発明による全光信号再生装置の実施形態を示すブロック図である。 図8は図7に示されるクロック再生器の実施形態を示すブロック図である。 図9は図7に示される光リタイミング器の実施形態を示す図である。 図10は本発明によるシステムの実施形態を示すブロック図である。 図11は本発明による波形整形器の第4実施形態を示すブロック図である。
符号の説明
2,2(#1),2(#2) DFB−LD
4 駆動回路
6 プローブ光源
8 導波路基板
10 マッハツェンダ干渉器
24 位相シフタ
26 光フィルタ
28 過飽和吸収体
32 波形整形器
34 クロック再生器
36 光リタイミング器

Claims (27)

  1. (a) レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有する分布帰還(DFB)レーザを提供するステップと、
    (b) 上記DFBレーザが上記阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するように上記DFBレーザを駆動するステップと、
    (c) 上記阻止帯域に含まれない第2の波長を有する信号光を上記DFBレーザに入力するステップと、
    (d) 上記阻止帯域に含まれない第3の波長を有する制御光を上記DFBレーザに入力するステップとを備えた方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    上記制御光は実質的に一定のパワーを有している方法。
  3. (a) レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有する分布帰還(DFB)レーザを提供するステップと、
    (b) 上記DFBレーザが上記阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するように上記DFBレーザを駆動するステップと、
    (c) 上記阻止帯域に含まれない第2の波長を有する信号光を上記DFBレーザに入力するステップとを備えた方法であって、
    上記DFBレーザは出力飽和特性を有しており、
    上記出力飽和特性に基き上記信号光を波形整形して得られた波形整形光が上記DFBレーザから出力される方法。
  4. (a) レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有する分布帰還(DFB)レーザを提供するステップと、
    (b) 上記DFBレーザが上記阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するように上記DFBレーザを駆動するステップと、
    (c) 上記阻止帯域に含まれない第2の波長を有する信号光を上記DFBレーザに入力するステップと、
    (d) 上記DFBレーザから出力された光を第2のDFBレーザに入力するステップとを備えた方法。
  5. (a) 信号光を第1の信号光と第2の信号光に分けるステップと、
    (b) 第1の出力飽和特性を有する第1の分布帰還(DFB)レーザに上記第1の信号光を入力するステップと、
    (c) 上記第1の出力飽和特性と異なる第2の出力飽和特性を有する第2の分布帰還(DFB)レーザに上記第2の信号光を入力するステップと、
    (d) 上記第1の出力飽和特性に従って上記第1のDFBレーザから出力された第1の波形整形光と上記第2の出力飽和特性に従って上記第2のDFBレーザから出力された第2の波形整形光とを加え合せるステップとを備えた方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって、
    上記ステップ(d)において上記第1の波形整形光と上記第2の波形整形光の差信号としての出力信号光が得られるように上記第2の波形整形光に位相シフトを与えるステップを更に備えた方法。
  7. レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有する分布帰還(DFB)レーザと、
    上記DFBレーザが上記阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するように上記DFBレーザに駆動電流を供給する駆動回路とを備え、
    上記阻止帯域に含まれない第2の波長を有する信号光が上記DFBレーザに入力する装置であって、
    上記阻止帯域に含まれない第3の波長を有する制御光を上記DFBレーザに入力する光源を更に備えた装置。
  8. 請求項7に記載の装置であって、
    上記信号光はハイレベル及びローレベルを有し、
    上記制御光のパワーは、上記信号光の上記ローレベルでの雑音の増加が抑圧されるように設定される装置。
  9. 請求項7に記載の装置であって、
    上記DFBレーザの出力に光学的に接続され、上記第2の波長を含み上記第1及び第3の波長を含まない通過帯域を有する光フィルタを更に備えた装置。
  10. レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有する分布帰還(DFB)レーザと、
    上記DFBレーザが上記阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するように上記DFBレーザに駆動電流を供給する駆動回路とを備え、
    上記阻止帯域に含まれない第2の波長を有する信号光が上記DFBレーザに入力する装置であって、
    上記DFBレーザの出力に光学的に接続され、上記第2の波長を含み上記第1の波長を含まない通過帯域を有する光フィルタを更に備えた装置。
  11. レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有する分布帰還(DFB)レーザと、
    上記DFBレーザが上記阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するように上記DFBレーザに駆動電流を供給する駆動回路とを備え、
    上記阻止帯域に含まれない第2の波長を有する信号光が上記DFBレーザに入力する装置であって、
    上記DFBレーザの入力及び出力の少なくとも一方に光学的に接続された過飽和吸収体を更に備えた装置。
  12. レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有する分布帰還(DFB)レーザと、
    上記DFBレーザが上記阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するように上記DFBレーザに駆動電流を供給する駆動回路とを備え、
    上記阻止帯域に含まれない第2の波長を有する信号光が上記DFBレーザに入力する装置であって、
    上記DFBレーザは、第1の出力飽和特性を有する第1のDFBレーザと、上記第1の出力飽和特性と異なる第2の出力飽和特性を有する第2のDFBレーザとからなり、
    上記信号光を上記第1のDFBレーザに入力される第1の信号光と上記第2のDFBレーザに入力される第2の信号光とに分ける第1の光カプラと、
    上記第1の出力飽和特性に従って上記第1のDFBレーザから出力された第1の波形整形光と上記第2の出力飽和特性に従って上記第2のDFBレーザから出力された第2の波形整形光とを加え合せる第2の光カプラとを更に備えた装置。
  13. 請求項12に記載の装置であって、
    上記第1の波形整形光と上記第2の波形整形光の差信号としての出力信号光が得られるように上記第2の波形整形光に位相シフトを与える位相シフタを更に備えた装置。
  14. 信号光を第1の信号光と第2の信号光に分ける第1の光カプラと、
    第1の出力飽和特性を有し、上記第1の信号光が入力される第1の分布帰還(DFB)レーザと、
    上記第1の出力飽和特性と異なる第2の出力飽和特性を有し、上記第2の信号光が入力される第2の分布帰還(DFB)レーザと、
    上記第1の出力飽和特性に従って上記第1のDFBレーザから出力された第1の波形整形光と上記第2の出力飽和特性に従って上記第2のDFBレーザから出力された第2の波形整形光とを加え合せる第2の光カプラとを備えた装置。
  15. 請求項14に記載の装置であって、
    上記第1の波形整形光と上記第2の波形整形光の差信号としての出力信号光が得られるように上記第2の波形整形光に位相シフトを与える位相シフタを更に備えた装置。
  16. 請求項14に記載の装置であって、
    上記第1及び第2の光カプラは導波路基板上に形成されたマッハシェンダ干渉器により提供される装置。
  17. 信号光を第1の信号光と第2の信号光に分ける光分岐部と、
    上記第1の信号光を受け、受けた第1の信号光を波形整形して得られた波形整形光を出力する波形整形器と、
    上記第2の信号光を受け、受けた第2の信号光に基きクロックパルスを再生するクロック再生器と、
    上記波形整形光及び上記クロックパルスを受け、上記クロックパルスに基き上記波形整形光のタイミングを補正して得られた再生信号光を出力する光リタイミング器とを備え、
    上記波形整形器は、
    レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有し、上記第1の信号光が入力される分布帰還(DFB)レーザと、
    上記DFBレーザが上記阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するように上記DFBレーザに駆動電流を供給する駆動回路とを備えており、
    上記信号光は上記阻止帯域に含まれない第2の波長を有している装置。
  18. 請求項17に記載の装置であって、
    上記クロック再生器は上記第2の信号光が導入されるリングレーザを含み、
    上記第2の信号光に基く上記リングレーザのモードロックにより上記クロックパルスが再生される装置。
  19. 請求項17に記載の装置であって、
    上記波形整形器は非線形ループミラーを含む装置。
  20. 信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、
    上記光ファイバ伝送路に沿って設けられた少なくとも一つの光中継器とを備え、
    上記少なくとも一つの光中継器の各々は、
    レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有し、上記光ファイバ伝送路により伝送された信号光が供給される分布帰還(DFB)レーザと、
    上記DFBレーザが上記阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するように上記DFBレーザに駆動電流を供給する駆動回路とを含み、
    上記信号光は上記阻止帯域に含まれない第2の波長を有しているシステム。
  21. 信号光を伝送する光ファイバ伝送路と、
    上記光ファイバ伝送路の出力端に接続された光受信機とを備え、
    上記光受信機は、
    レーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有し、上記光ファイバ伝送路により伝送された信号光が供給される分布帰還(DFB)レーザと、
    上記DFBレーザが上記阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するように上記DFBレーザに駆動電流を供給する駆動回路とを含み、
    上記信号光は上記阻止帯域に含まれない第2の波長を有しているシステム。
  22. 信号光が通過するようにカスケード接続された複数の分布帰還(DFB)レーザを備え、
    上記各DFBレーザはレーザ発振可能な波長の範囲として定義される阻止帯域を有し、
    上記各DFBレーザは上記阻止帯域に含まれる第1の波長でレーザ発振するように駆動され、
    上記信号光は上記阻止帯域に含まれない第2の波長を有している装置。
  23. 出力飽和特性を有する分布帰還(DFB)レーザを提供するステップと、
    上記DFBレーザに信号光を入力するステップと、
    上記出力飽和特性に基き上記信号光を波形整形して得られた波形整形光を上記DFBレーザから出力するステップとを備えた方法。
  24. 第1の波長でレーザ発振する分布帰還(DFB)レーザを提供するステップと、
    上記第1の波長と異なる第2の波長を有する信号光を上記DFBレーザに入力するステップと、
    上記DFBレーザ内で上記信号光が波形整形されるように上記信号光のパワーを調節するステップとを備えた方法。
  25. 分布帰還(DFB)レーザと、
    上記DFBレーザが第1の波長でレーザ発振するように上記DFBレーザに駆動電流を供給する駆動回路とを備え、
    上記第1の波長と異なる第2の波長を有する信号光が上記DFBレーザに入力され、
    上記信号光が上記DFBレーザ内で波形整形されるように上記信号光のパワーが調節されている装置。
  26. レーザダイオードに対しレーザ光を発光する状態まで電流を供給し、
    該レーザダイオードが出力する光の波長と異なる光をレーザダイオードに入射させることで光波形整形を行うことを特徴とする光波形整形方法。
  27. レーザダイオードと、
    該レーザダイオードにレーザ光を発光する状態まで電流を供給する電流供給手段と、
    該レーザダイオードが出力する光の波長と異なる光をレーザダイオードに入射する光入力手段とを有する光波形整形装置。
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