JP3494370B2 - 波形等化器、周波数オフセット補償方法、プログラム、記録媒体、波形等化器を用いた移動局無線装置、基地局無線装置並びに移動通信システム - Google Patents

波形等化器、周波数オフセット補償方法、プログラム、記録媒体、波形等化器を用いた移動局無線装置、基地局無線装置並びに移動通信システム

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JP3494370B2 JP2001086129A JP2001086129A JP3494370B2 JP 3494370 B2 JP3494370 B2 JP 3494370B2 JP 2001086129 A JP2001086129 A JP 2001086129A JP 2001086129 A JP2001086129 A JP 2001086129A JP 3494370 B2 JP3494370 B2 JP 3494370B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波形等化器、周波
数オフセット補償方法、該周波数オフセット補償方法を
実行させるためのプログラムおよび該プログラムを記録
した記録媒体、並びにこれら波形等化器等を周波数選択
性フェージングの影響を取り除くために使用した携帯電
話や自動車電話、自営デジタル無線通信電話等の移動局
無線装置、基地局無線装置およびこれら移動局無線装置
と基地局無線装置で構成される移動通信システムに係
り、特に、周波数オフセットが大きい場合においても等
化性能が良好な波形等化器、周波数オフセット補償方
法、プログラム、記録媒体、波形等化器を用いた移動局
無線装置、基地局無線装置並びに移動通信システムに関
する。
【0002】
【従来の技術】移動通信システムなどでは、基地局無線
装置と移動局無線装置との間を結ぶ電波の伝搬路が複数
通り存在するマルチパスという現象が観測される。その
ため、複数の伝搬路を介して受信波が到来し、各伝搬路
から到来した受信波は、それぞれ伝搬路固有の遅延時間
を伴って到来し、到来時間に差があるため、無線伝送路
の帯域内の各周波数について振幅と位相の変動が一様で
はなく、周波数選択性フェージングを生じる。該周波数
選択性フェージングの影響により、符号間干渉が生じる
などの問題が生じていた。
【0003】この対策として、波形等化器により、受信
波から周波数選択性フェージングによる波形歪みを補償
し、伝送誤りの劣化を防止していた。しかしながら、波
形等化器では、受信信号に含まれる搬送波の周波数と無
線装置が備える周波数シンセサイザの局部発振周波数と
の間に周波数オフセットが存在すると、位相が高速で回
転する現象が生じ、波形等化器の適応アルゴリズムが位
相の回転速度に追従できずに等化能力が劣化するため、
この影響を除去する方法が従来から検討されている。こ
こでは、従来の波形等化器として、特開平5−2357
91号公報に開示されている波形等化器について説明す
る。図12は、従来の波形等化器を示す構成図である。
同図において、従来の波形等化器は、フィードフォワー
ドフィルタ1201、フィードバックフィルタ120
2、加算器1203,1210、座標変換器1204,
1211、スイッチ1205、遅延器1206、減算器
1207、符号判定器1208、データ復調器120
9、等化誤差算出器1212およびタップ係数更新器1
213を備えた構成である。
【0004】次に、従来の波形等化器の動作を説明す
る。まず、入力信号であるサンプリングされた時系列の
入力データがフィードフォワードフィルタ1201に入
力される。フィードフォワードフィルタ1201および
フィードバックフィルタ1202の出力信号は、加算器
1203においてサンプリング毎に加算され、加算器1
203から出力される推定信号は、第1の座標変換器1
204に入力される。第1座標変換器1204では、入
力されたIQ信号は、極座標系(r(振幅)およびθ
(位相))に変換される。
【0005】次に、第1座標変換器1204の出力信号
は、選択スイッチ1205を介して一方の出力信号がシ
ンボル遅延器1206に入力され、他方の出力信号が加
算器1207に入力される。加算器1207には、現シ
ンボルの信号とシンボル遅延器1206により1シンボ
ル遅延された信号とが入力され、その結果、加算器12
06からは1シンボル間の位相角度の遷移量が出力され
る。この位相遷移角は符号判定器1208に入力され、
符号判定器1208では、変調方式に応じた遷移角でデ
ータ符号判定を行い、理想的な位相遷移角および振幅値
が出力される。そして、この理想的な位相遷移角に基づ
いて、データ復調器1209でータが復調される。ま
た、この位相遷移角は、加算器1210において1シン
ボル遅延された信号と加算され、第2座標変換器121
1に入力される。第2座標変換器1211では、入力信
号が直交座標系に変換される。変換されたIQ信号は、
フィードバックフィルタ1202および等化誤差算出器
1212に入力される。
【0006】そして、等化誤差算出器1212では、等
化信号と判定信号との差分が求められ、タップ係数更新
器1213,1214において、この差分情報に基づい
てタップ係数更新演算が行われ、フィードフォワードフ
ィルタ1201およびフィードバックフィルタ1202
のフィルタのタップ係数が更新される。
【0007】以上のように、本従来例の波形等化器で
は、推定信号の1シンボル前の位相角とデータ判定器1
208の出力信号との和を加算器1210で算出し、座
標変換器1211によって直交座標信号に変換した後に
フィルタ1201,1202の入力信号とすることによ
り、入力データの周波数オフセットによる位相回転にフ
ィルタの特性を追従させ、等化誤差の増大を抑えるもの
であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の波形等化器にあっては、周波数オフセット量が一定
量を越えた場合には、周波数オフセットによる位相回転
にフィルタの特性を追従させることができないために、
等化性能が劣化し、別対処法が必要とされていた。
【0009】本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされ
たものであり、波形等化器における周波数オフセットに
対する引き込み範囲をより大きくすることを可能とし、
等化性能をより向上させた波形等化器、周波数オフセッ
ト補償方法、プログラム、記録媒体、波形等化器を用い
た移動局無線装置、基地局無線装置並びに移動通信シス
テムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に係る波形等化器は、受信信号の
符号間干渉を除去する等化フィルタ手段と、前記等化フ
ィルタ手段から出力された等化信号を1シンボル遅延し
た等化信号に基づいて座標軸を形成し、該座標軸に対し
て所定の角度をなす信号点候補から現シンボルの信号点
を決定する符号判定手段と、前記現シンボルの信号点と
前記等化フィルタ手段から出力された等化信号との位相
差を表わす位相誤差信号を生成する誤差算出手段と、前
記位相誤差信号を累積加算して位相誤差累積加算信号を
生成する位相誤差信号累積手段と、前記位相誤差累積加
算信号と前記等化フィルタ手段に入力される入力信号と
を複素演算し、該入力信号に含まれる周波数オフセット
を補償する複素演算手段とを有するものである。
【0011】
【0012】 また、請求項に係る波形等化器は、受
信信号の符号間干渉を除去する等化フィルタ手段と、固
定された座標軸に対して所定の角度をなす信号点候補か
ら現シンボルの信号点を決定する固定符号判定手段と、
前記現シンボルの信号点と前記等化フィルタ手段から出
力された等化信号との位相差を表わす位相誤差信号を生
成する誤差算出手段と、前記位相誤差信号を累積加算し
て位相誤差累積加算信号を生成する位相誤差信号累積手
段と、前記位相誤差累積加算信号と前記等化フィルタ手
段に入力される入力信号とを複素演算し、該入力信号に
含まれる周波数オフセットを補償する複素演算手段とを
有するものである。
【0013】 また、請求項に係る波形等化器は、受
信信号の符号間干渉を除去する等化フィルタ手段と、前
記等化フィルタ手段から出力された等化信号を1シンボ
ル遅延した等化信号に基づいて座標軸を形成し、該座標
軸に対して所定の角度をなす信号点候補から現シンボル
の信号点を決定する符号判定手段と、固定された座標軸
に対して所定の角度をなす信号点候補から現シンボルの
信号点を決定する固定符号判定手段と、前記符号判定手
段または前記固定符号判定手段により決定された前記現
シンボルの信号点と前記等化フィルタ手段から出力され
た等化信号との位相差を表わす位相誤差信号を生成する
誤差算出手段と、前記等化信号が入力されて所定時間経
過するまでは前記符号判定手段により現シンボルの信号
点を決定させ、該所定時間経過した後は前記固定符号判
定手段により現シンボルの信号点を決定させる切換手段
と、前記位相誤差信号を累積加算して位相誤差累積加算
信号を生成する位相誤差信号累積手段と、前記位相誤差
累積加算信号と前記等化フィルタ手段に入力される入力
信号とを複素演算し、該入力信号に含まれる周波数オフ
セットを補償する複素演算手段とを有するものである。
【0014】 また、請求項に係る波形等化器は、請
求項1、2または3に記載の波形等化器において、前記
位相誤差信号累積手段は、前記位相誤差信号に対して
化開始からの累積時間に比例した重み付けを行うもので
ある。
【0015】 また、請求項に係る波形等化器は、請
求項1、2、または4に記載の波形等化器において、
前記誤差算出手段は、前記符号判定器を前記固定符号判
定器に切り替えるタイミングにおいて、前記位相誤差累
積加算信号の直交成分を約2倍にするものである。
【0016】 また、請求項に係る波形等化器は、請
求項1、2、3、4または5に記載の波形等化器におい
て、前記受信信号の周波数を中間周波数に変換する周波
数変換手段と、前記位相誤差累積加算信号から推定され
た周波数オフセットに基づいて、前記入力信号に含まれ
る周波数オフセットを補償するように前記周波数変換手
段への局部発振信号の周波数を制御する周波数制御手段
とをさらに有するものである。
【0017】
【0018】 また、請求項に係る周波数オフセット
補償方法は、受信信号の符号間干渉を除去する等化フィ
ルタステップと、前記等化フィルタステップから出力さ
れた等化信号を1シンボル遅延した等化信号に基づいて
座標軸を形成し、該座標軸に対して所定の角度をなす信
号点候補から現シンボルの信号点を決定する符号判定ス
テップと、前記現シンボルの信号点と前記等化フィルタ
ステップから出力された等化信号との位相差を表わす位
相誤差信号を生成する誤差算出ステップと、前記位相誤
差信号を累積加算して位相誤差累積加算信号を生成する
位相誤差信号累積ステップと、前記位相誤差累積加算信
号と前記等化フィルタステップに入力される入力信号と
を複素演算し、該入力信号に含まれる周波数オフセット
を補償する複素演算ステップとを具備するものである。
【0019】
【0020】 また、請求項に係る周波数オフセット
補償方法は、受信信号の符号間干渉を除去する等化フィ
ルタステップと、固定された座標軸に対して所定の角度
をなす信号点候補から現シンボルの信号点を決定する固
定符号判定ステップと、前記現シンボルの信号点と前記
フィルタステップから出力された等化信号との位相差を
表わす位相誤差信号を生成する誤差算出ステップと、前
記位相誤差信号を累積加算して位相誤差累積加算信号を
生成する位相誤差信号累積ステップと、前記位相誤差累
積加算信号と前記等化フィルタステップに入力される入
力信号とを複素演算し、該入力信号に含まれる周波数オ
フセットを補償する複素演算ステップとを具備するもの
である。
【0021】 また、請求項に係る周波数オフセット
補償方法は、受信信号の符号間干渉を除去する等化フィ
ルタステップと、前記等化フィルタステップから出力さ
れた等化信号を1シンボル遅延した等化信号に基づいて
座標軸を形成し、該座標軸に対して所定の角度をなす信
号点候補から現シンボルの信号点を決定する符号判定ス
テップと、固定された座標軸に対して所定の角度をなす
信号点候補から現シンボルの信号点を決定する固定符号
判定ステップと、前記符号判定ステップまたは前記固定
符号判定ステップにより決定された前記現シンボルの信
号点と前記等化フィルタステップから出力された等化信
号との位相差を表わす位相誤差信号を生成する誤差算出
ステップと、前記等化信号が入力されて所定時間経過す
るまでは前記符号判定ステップにより現シンボルの信号
点を決定させ、該所定時間経過した後は前記固定符号判
定ステップにより現シンボルの信号点を決定させる切換
ステップと、前記位相誤差信号を累積加算して位相誤差
累積加算信号を生成する位相誤差信号累積ステップと、
前記位相誤差累積加算信号と前記等化フィルタステップ
に入力される入力信号とを複素演算し、該入力信号に含
まれる周波数オフセットを補償する複素演算ステップと
を具備するものである。
【0022】
【0023】 また、請求項10に係る周波数オフセッ
ト補償方法は、請求項7、8または9に記載の周波数オ
フセット補償方法において、前記誤差算出ステップは、
前記符号判定ステップを前記固定符号判定ステップに切
り替えるタイミングにおいて、前記位相誤差累積加算信
号の直交成分を約2倍にするものである。
【0024】 また、請求項11に係る周波数オフセッ
ト補償方法は、請求項7、8、または10に記載の周
波数オフセット補償方法において、前記受信信号の周波
数を中間周波数に変換する周波数変換ステップと、前記
位相誤差累積加算信号から推定された周波数オフセット
に基づいて、前記入力信号に含まれる周波数オフセット
を補償するように前記周波数変換ステップへの局部発振
信号の周波数を制御する周波数制御ステップをさらに有
するものである。
【0025】 また、請求項12に係るコンピュータに
実行させるためのプログラムは、請求項7、8、9、1
または11に記載の周波数オフセット補償方法をコン
ピュータに実行させるためのプログラムである。
【0026】 また、請求項13に係るコンピュータに
より読み取り可能な記録媒体は、請求項7、8、9、1
または11に記載の周波数オフセット補償方法をコン
ピュータに実行させるためのプログラムとして記録した
ものである。
【0027】 また、請求項14に係る移動局無線装置
は、請求項1、2、3、4、5または6に記載の波形等
化器、請求項12に記載のプログラム、或いは、請求項
13に記載の記録媒体を備えるものである。
【0028】 また、請求項15に係る基地局無線装置
は、請求項1、2、3、4、5または6に記載の波形等
化器、請求項12に記載のプログラム、或いは、請求項
13に記載の記録媒体を備えるものである。
【0029】 さらに、請求項16に係る移動通信シス
テムは、請求項1、2、3、4、5または6に記載の波
形等化器、請求項12に記載のプログラム、或いは、請
求項13に記載の記録媒体を備えるものである。
【0030】 本発明の請求項1に係る波形等化器、請
求項に係る周波数オフセット補償方法、請求項12
係るプログラム、請求項13に係る記録媒体、請求項
に係る基地局無線装置、請求項15に係る移動局無線
装置および請求項16に係る移動通信システムでは、等
化フィルタ手段(等化フィルタステップ)により、受信
信号の符号間干渉を除去し、符号判定手段(符号判定ス
テップ)により、等化フィルタ手段(等化フィルタステ
ップ)から出力された等化信号を1シンボル遅延した等
化信号に基づいて座標軸を形成し、該座標軸に対して所
定の角度をなす信号点候補から現シンボルの信号点を決
定する。そして、誤差算出手段(誤差算出ステップ)に
より、現シンボルの信号点と等化フィルタ手段(等化フ
ィルタステップ)から出力された等化信号との位相差を
表わす位相誤差信号を生成し、位相誤差信号累積手段
(位相誤差信号累積ステップ)により、位相誤差信号を
累積加算して位相誤差累積加算信号を生成し、複素演算
手段(複素演算ステップ)により、位相誤差累積加算信
号と等化フィルタ手段(等化フィルタステップ)に入力
される入力信号とを複素演算して該入力信号に含まれる
周波数オフセットを補償するようにしている。
【0031】従来の波形等化器では、固定された座標軸
に対して所定の角度をなす信号点候補から現シンボルの
信号点を決定していたために、現シンボルの信号点の周
波数オフセットによる位相回転量は、現シンボルの前の
シンボルの信号点の周波数オフセットによる位相回転量
が累積された累積位相回転量であったが、本発明の波形
等化器は、符号判定手段(符号判定ステップ)によっ
て、1シンボル前の信号点の周波数オフセットによる位
相回転量を補償するように座標軸の位相が回転するの
で、現シンボルの信号点の周波数オフセットによる位相
回転量は、現シンボルの信号点の前のシンボルの信号点
の周波数オフセットによる累積位相回転量が補償される
ために小さくなる。
【0032】また、従来の波形等化器では、周波数オフ
セット量が所定量を越えた場合には、該周波数オフセッ
トによる位相回転量が大きくなり、さらに、累積された
位相回転量を用いるため、受信信号の位相が高速で回転
してしまう。その結果、等化フィルタ部の適応更新アル
ゴリズムが受信信号の位相の回転速度に追従できなくな
り、等化性能が劣化していた。これに対して、本発明の
波形等化器は、符号判定手段(符号判定ステップ)から
出力されるシンボルの信号点の周波数オフセットによる
位相回転量は、累積位相回転量が補償されているために
小さく、周波数オフセット量が所定量を越えても、受信
信号の位相が高速で回転しない。したがって、許容可能
な周波数オフセット量(以下、周波数オフセットに対す
る引き込み範囲という)が大きくなり、適応アルゴリズ
ムを位相の回転速度に十分追従させることができるの
で、波形等化器の等化性能を向上させることができる。
【0033】ここで、位相誤差信号累積手段(位相誤差
信号累積ステップ)で出力される位相誤差累積加算信号
について、図6に示す原理説明図を参照して説明する。
位相誤差累積加算信号は、現シンボルの信号点と等化フ
ィルタ手段(等化フィルタステップ)から出力された等
化信号との位相差に基づいて誤差算出手段(誤差算出ス
テップ)で出力された位相誤差信号を累積加算したもの
である。この位相誤差信号の累積加算結果である位相誤
差累積加算ベクトルΦ(位相誤差累積加算信号)は、図
6に示すように、周波数オフセットの推定ベクトルとみ
なすことができる。そのため、複素演算手段(複素演算
ステップ)により、位相誤差累積加算信号と等化フィル
タ手段(等化フィルタステップ)に入力される入力信号
とを複素演算することにより、例えば、位相誤差累積加
算信号の共役複素ベクトルを該入力信号に複素乗算する
ことにより、該入力信号に含まれる周波数オフセットに
よる位相回転量を補償することができるので、周波数オ
フセットに対する引き込み範囲がさらに大きくなり、適
応アルゴリズムを位相の回転速度に十分追従させること
ができるので、波形等化器の等化性能を向上させること
ができる。
【0034】また、上述のように符号判定手段(符号判
定ステップ)により、周波数オフセットによる位相回転
量を小さくすることができるので、誤差算出手段(誤差
算出ステップ)で出力される位相誤差信号も相対的に小
さくなる。そのため、位相誤差累積手段(位相誤差累積
ステップ)で累積された累積加算ベクトルの向きを短時
間で収束させることができ、等化初期における等化性能
を向上させることができる。
【0035】さらに、本発明の波形等化器を移動局無線
装置または基地局無線装置のいずれか一方または両方に
適用し、これら移動局無線装置または基地局無線装置の
いずれか一方または両方を備えて構成した移動通信シス
テムでは、周波数オフセットに対する引き込み範囲が大
きくなり、また、等化性能を向上させることができるの
で、様々な伝搬路条件に対して受信性能を向上させるこ
とができ、その結果、周波数選択性フェージングの影響
を確実に取り除いた高品質な移動通信システムを構築で
きる。さらに、周波数オフセット量に関するシステム設
計の拘束条件が緩和されることから、移動通信システム
の設計を容易にすることができる。
【0036】 また、本発明の波形等化器、本発明の
波数オフセット補償方法、請求項12に係るプログラ
ム、請求項13に係る記録媒体、請求項14に係る基地
局無線装置、請求項15に係る移動局無線装置および請
求項16に係る移動通信システムでは、タップ付き遅延
手段(遅延ステップ)を備える等化フィルタ手段(等化
フィルタステップ)により、受信信号の符号間干渉を除
去し、符号判定手段(符号判定ステップ)により、等化
フィルタ手段(等化フィルタステップ)から出力された
等化信号を1シンボル遅延した等化信号に基づいて座標
軸を形成し、該座標軸に対して所定の角度をなす信号点
候補から現シンボルの信号点を決定する。そして、誤差
算出手段(誤差算出ステップ)により、現シンボルの信
号点と等化フィルタ手段(等化フィルタステップ)から
出力された等化信号との差分を表わす等化誤差信号を生
成し、タップ係数更新手段(タップ係数更新ステップ)
により、等化誤差信号に基づいてタップ付き遅延手段
(遅延ステップ)のタップ係数を更新するようにしてい
る。
【0037】このように、符号判定手段(符号判定ステ
ップ)により、等化フィルタ手段(等化フィルタステッ
プ)から出力された等化信号を1シンボル遅延した等化
信号に基づいて座標軸を形成し、該座標軸に対して所定
の角度をなす信号点候補から現シンボルの信号点を決定
するので、周波数オフセットによる位相回転量が小さく
なる。そのため、誤差算出手段(誤差算出ステップ)で
出力される等化誤差信号が相対的に小さくなるので、タ
ップ係数更新手段(タップ係数更新ステップ)における
タップ係数の更新速度が速くなり、伝搬路の変動に対す
る追随性を向上させることができ、その結果、波形等化
器の性能を向上させることができる。
【0038】また、符号判定手段(符号判定ステップ)
により、1シンボル前の信号点の周波数オフセットによ
る位相回転量を補償するように座標軸の位相が回転する
ので、現シンボルの信号点の周波数オフセットによる位
相回転量は、現シンボルの信号点の前のシンボルの信号
点の周波数オフセットによる累積位相回転量が補償され
るので小さくなる。そのため、受信信号における周波数
オフセット量が所定量を越えても、受信信号の位相が高
速で回転しない。すなわち、周波数オフセットに対する
引き込み範囲が大きくなり、適応アルゴリズムを位相の
回転速度に十分追従させることができるので、波形等化
器の等化性能を向上させることができる。
【0039】さらに、本発明の波形等化器を移動局無線
装置または基地局無線装置のいずれか一方または両方に
適用し、これら移動局無線装置または基地局無線装置の
いずれか一方または両方を備えて構成した移動通信シス
テムでは、周波数オフセットに対する引き込み範囲が大
きくなり、等化性能を向上させることができ、また、伝
搬路の変動に対する追随性が向上するので、様々な伝搬
路条件に対して受信性能を向上させることができ、その
結果、周波数選択性フェージングの影響を取り除いた高
品質な移動通信システムを構築できる。さらに、周波数
オフセット量に関するシステム設計の拘束条件が緩和さ
れることから、移動通信システムの設計を容易にするこ
とができる。
【0040】 また、請求項に係る波形等化器、請求
に係る周波数オフセット補償方法、請求項12に係
るプログラム、請求項13に係る記録媒体、請求項14
に係る基地局無線装置、請求項15に係る移動局無線装
置および請求16に係る移動通信システムでは、等化フ
ィルタ手段(等化フィルタステップ)により、受信信号
の符号間干渉を除去し、固定符号判定手段(固定符号判
定ステップ)により、固定された座標軸に対して所定の
角度をなす信号点候補から現シンボルの信号点を決定
し、誤差算出手段(誤差算出ステップ)により、現シン
ボルの信号点と等化フィルタ手段(等化フィルタステッ
プ)から出力された等化信号との位相差を表わす位相誤
差信号を生成し、位相誤差信号累積手段(位相誤差信号
累積ステップ)により、位相誤差信号を累積加算して位
相誤差累積加算信号を生成し、複素演算手段(複素演算
ステップ)により、位相誤差累積加算信号と等化フィル
タ手段(等化フィルタステップ)に入力される入力信号
とを複素演算して該入力信号に含まれる周波数オフセッ
トを補償するようにしている。
【0041】このように、固定符号判定手段(固定符号
判定ステップ)により、固定された座標軸に対して所定
の角度をなす信号点候補から現シンボルの信号点を決定
しているので、実際の周波数オフセット量を反映した位
相回転量が現れる。そのため、誤差算出手段(誤差算出
ステップ)で出力された位相誤差信号も実際の周波数オ
フセット量を反映したものとなり、位相誤差信号累積手
段(位相誤差信号累積ステップ)では、位相誤差信号が
累積加算される。そして、該位相誤差信号累積手段(位
相誤差信号累積ステップ)から出力された位相誤差累積
加算信号は、実際の周波数オフセット量を反映した周波
数オフセットの推定ベクトルとみなすことができる。そ
のため、複素演算手段(複素演算ステップ)により、該
位相誤差累積加算信号と等化フィルタ手段(等化フィル
タステップ)に入力される入力信号とを複素演算するこ
とにより、該入力信号に含まれる実際の周波数オフセッ
ト量を反映した位相回転量を補償することができるの
で、波形等化器の等化性能を向上させることができる。
【0042】さらに、本発明の波形等化器を移動局無線
装置または基地局無線装置のいずれか一方または両方に
適用し、これら移動局無線装置または基地局無線装置の
いずれか一方または両方を備えて構成した移動通信シス
テムでは、周波数オフセットに対する引き込み範囲が大
きくなり、また、等化性能を向上させることができるの
で、様々な伝搬路条件に対して受信性能を向上させるこ
とができ、その結果、周波数選択性フェージングの影響
を確実に取り除いた高品質な移動通信システムを構築で
きる。さらに、周波数オフセット量に関するシステム設
計の拘束条件が緩和されることから、移動通信システム
の設計を容易にすることができる。
【0043】 また、請求項に係る波形等化器、請求
に係る周波数オフセット補償方法、請求項12に係
るプログラム、請求項1に係る記録媒体、請求項14
に係る基地局無線装置、請求項15に係る移動局無線装
置および請求項16に係る移動通信システムでは、等化
フィルタ手段(等化フィルタステップ)により、受信信
号の符号間干渉を除去し、切換手段(切替ステップ)に
より、等化フィルタ手段(等化フィルタステップ)から
出力された等化信号が入力されて所定時間経過するまで
は等化フィルタ手段(等化フィルタステップ)から出力
された等化信号を1シンボル遅延した等化信号に基づい
て座標軸を形成し、該座標軸に対して所定の角度をなす
信号点候補から現シンボルの信号点を決定する符号判定
手段(符号判定ステップ)により現シンボルの信号点を
決定させ、該所定時間経過した後は固定された座標軸に
対して所定の角度をなす信号点候補から現シンボルの信
号点を決定する固定符号判定手段(固定符号判定ステッ
プ)に切り替えて現シンボルの信号点を決定させる。そ
して、誤差算出手段(誤差算出ステップ)により、符号
判定手段(符号判定ステップ)または固定符号判定手段
(固定符号判定ステップ)により決定された現シンボル
の信号点と等化フィルタ手段(等化フィルタステップ)
から出力された等化信号との位相差を表わす位相誤差信
号を生成し、位相誤差信号累積手段(位相誤差信号累積
ステップ)により、位相誤差信号を累積加算して位相誤
差累積加算信号を生成し、複素演算手段(複素演算ステ
ップ)により、位相誤差累積加算信号と等化フィルタ手
段(等化フィルタステップ)に入力される入力信号とを
複素演算して該入力信号に含まれる周波数オフセットを
補償するようにしている。
【0044】このように、等化フィルタ手段(等化フィ
ルタステップ)から出力された等化信号が入力されてか
ら所定時間経過するまでは、切換手段(切替ステップ)
により、符号判定手段(符号判定ステップ)により現シ
ンボルの信号点を決定させると、符号判定手段(符号判
定ステップ)で出力されるシンボルの信号点の周波数オ
フセットによる位相回転量が小さいので、誤差算出手段
(誤差算出ステップ)で出力される位相誤差信号も相対
的に小さくなる。そのため、位相誤差累積手段(位相誤
差累積ステップ)で累積された累積加算ベクトルの向き
を短時間で収束させることができ、等化初期における等
化性能を向上させることができる。また、周波数オフセ
ットによる位相回転量が小さいので、周波数オフセット
に対する引き込み範囲が大きくなる。
【0045】そして、該所定時間経過した後に固定符号
判定手段(固定符号判定ステップ)に切り替えると、実
際の周波数オフセット量を反映した位相回転量があらわ
れるため、誤差算出手段(誤差算出ステップ)で出力さ
れた位相誤差信号も実際の周波数オフセット量を反映し
たものとなり、位相誤差信号累積手段(位相誤差信号累
積ステップ)からの位相誤差累積加算信号は、実際の周
波数オフセット量を反映した周波数オフセットの推定ベ
クトルとみなすことができる。また、所定時間経過する
と該位相誤差加算信号が収束するため、複素演算手段
(複素演算ステップ)により、該位相誤差累積加算信号
と等化フィルタ手段(等化フィルタステップ)に入力さ
れる入力信号とを複素演算することにより、該入力信号
に含まれる実際の周波数オフセット量を反映した位相回
転量を補償することができるので、波形等化器の等化性
能を向上させることができる。
【0046】以上の結果として、周波数オフセットに対
する引き込み範囲を大きくすることができ、さらに、等
化の初期から全時間帯にわたって周波数オフセットによ
る波形等化器の等化性能の劣化を防止することができ、
かつ等化性能を向上させることができる。
【0047】さらに、本発明の波形等化器を移動局無線
装置または基地局無線装置のいずれか一方または両方に
適用し、これら移動局無線装置または基地局無線装置の
いずれか一方または両方を備えて構成した移動通信シス
テムによれば、周波数オフセットに対する引き込み範囲
が大きくなり、また、等化性能を向上させることができ
るので、様々な伝搬路条件に対して受信性能を向上させ
ることができ、その結果、周波数選択性フェージングの
影響を確実に取り除いた高品質な移動通信システムを構
築できる。さらに、周波数オフセット量に関するシステ
ム設計の拘束条件が緩和されることから、移動通信シス
テムの設計を容易にすることができる。
【0048】 また、請求項に係る波形等化器、本発
明の周波数オフセット補償方法、請求項12に係るプロ
グラム、請求項13に係る記録媒体、請求項14に係る
基地局無線装置、請求項15に係る移動局無線装置およ
び請求項16に係る移動通信システムでは、位相誤差信
号累積手段(位相誤差信号累積ステップ)により、位相
誤差信号に対して等化開始からの累積時間に比例した
み付けを行うようにしている。
【0049】 このように、位相誤差信号累積手段(位
相誤差信号累積ステップ)により、等化時間の経過に応
じて位相誤差信号の信頼性が高まることおよび等化時間
の経過に応じて熱雑音による影響が軽減することを利用
して、位相誤差信号に対して等化開始からの累積時間に
比例した重み付けを行うことにより、位相誤差累積加算
信号の精度が高くなる。すなわち、位相誤差累積加算信
号は、より実際の周波数オフセットによる位相回転量と
みなすことができ、その結果、波形等化器の等化性能を
向上させることができる。
【0050】 また、請求項に係る波形等化器、請求
10に係る周波数オフセット補償方法、請求項12
係るプログラム、請求項13に係る記録媒体、請求項
に係る基地局無線装置、請求項15に係る移動局無線
装置および請求項16に係る移動通信システムでは、誤
差算出手段(誤差算出ステップ)により、符号判定器
(符号判定ステップ)を固定符号判定器(固定符号判定
ステップ)に切り替えるタイミングにおいて、位相誤差
累積加算信号の直交成分を約2倍にするようにしてい
る。
【0051】 このように、切換手段(切替ステップ)
により、所定時間経過するまで符号判定手段(符号判定
ステップ)により符号判定処理を行い、該所定時間経過
した後は固定符号判定手段(固定符号判定ステップ)に
切り替えて符号判定処理を行う際に、誤差算出手段(誤
差算出ステップ)により、位相誤差累積加算信号の直交
成分を約2倍にするので、符号判定手段(符号判定ステ
ップ)で得られた信号点に基づいて位相誤差信号を累積
加算した位相誤差累積加算信号から、固定符号判定手段
(固定符号判定ステップ)で得られた信号点に基づいて
位相誤差信号を累積加算した位相誤差累積加算信号に短
時間で収束させることができる。すなわち、符号判定手
段(符号判定ステップ)による等化初期における収束速
度が速い位相誤差累積加算信号から、固定符号判定手段
(固定符号判定ステップ)による実際の周波数オフセッ
ト量を反映した位相誤差累積加算信号に短時間で切替え
ることができるので、等化性能を向上させることができ
る。
【0052】 また、請求項に係る波形等化器、請求
11に係る周波数オフセット補償方法、請求項12
係るプログラム、請求項13に係る記録媒体、請求項
に係る基地局無線装置、請求項15に係る移動局無線
装置および請求項16に係る移動通信システムでは、周
波数変換手段(周波数変換ステップ)により、受信信号
の周波数を中間周波数に変換しており、周波数制御手段
(周波数制御ステップ)により、位相誤差累積加算信号
から推定された周波数オフセットに基づいて、周波数変
換手段(周波数変換ステップ)に用いる局部発振信号の
周波数を制御することにより、入力信号に含まれる周波
数オフセットを補償するようにしている。
【0053】このように、周波数制御手段(周波数制御
ステップ)により、位相誤差累積加算信号から推定され
た周波数オフセットに基づいて、周波数変換手段(周波
数変換ステップ)に用いる局部発振信号の周波数を制御
することにより、受信信号に含まれる周波数オフセット
を補償することができる。その結果、波形等化器の等化
性能を向上させることができる。
【0054】 また、本発明の波形等化器では、等化フ
ィルタ手段には、前方等化器および後方等化器を備えた
構成とするのが望ましい。このように、波形等化器の等
化フィルタ手段に、前方等化器および後方等化器を備え
た構成とすることにより、無線伝送路における時間およ
び場所の関数による激しい変動にも対応することができ
る。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明の波形等化器、周波
数オフセット補償方法、プログラム、記録媒体、波形等
化器を用いた移動局無線装置、基地局無線装置並びに移
動通信システムの実施の形態について、〔第1の実施形
態〕、〔第2の実施形態〕、〔第1および第2の実施形
態の変形例〕、〔第3の実施形態〕、〔第4の実施形
態〕の順に図面を参照して詳細に説明する。なお、それ
ぞれの実施形態の説明では、本発明に係る波形等化器お
よび周波数オフセット補償方法について詳述し、波形等
化器を用いた移動局無線装置、基地局無線装置および移
動通信システムについて言及するが、本発明に係るプロ
グラムについては周波数オフセット補償方法を実行させ
るためのプログラムであり、また本発明に係る記録媒体
については、周波数オフセット補償方法を実行させるた
めのプログラムを記録した記録媒体であることから、そ
の説明は以下の周波数オフセット補償方法の説明に含ま
れるものである。
【0056】〔第1の実施形態〕図1は、本発明の第1
の実施形態に係る波形等化器の構成を示す構成図であ
る。図1において、本実施形態の波形等化器は、破線で
囲んだ部分に相当し、複素乗算器105、フィードフォ
ワードフィルタ106、フィードバックフィルタ10
7、加算器108、符号判定器109、シンボル遅延器
110、データ復調器111、等化誤差算出器112、
タップ係数更新器113、および位相誤差ベクトル累積
器114を備えて構成されている。
【0057】フィードフォワードフィルタ106および
フィードバックフィルタ107は、例えば、タップ付き
遅延回路などのハードウェアを用いた構成とすること
も、また、DSP(ディジタル・シグナル・プロセッ
サ)内に組み込んだ構成とすることも可能である。な
お、フィードフォワードフィルタ106は、無線伝送路
のインパルス応答において、遅延波の方が先行波よりも
到来レベルが高いときに寄与度が高く、遅延波が直接波
を打ち消すような形で動作するものであり、一方、フィ
ードバックフィルタ107は、先行波の方が遅延波より
も到来レベルが高いときに寄与度が高く、直接波が遅延
波を打ち消すような形でフィルタが動作するものであ
る。
【0058】また、加算器108は、フィードフォワー
ドフィルタ106からの出力と、フィードバックフィル
タ107からの出力とを加算演算して等化出力y(k)
を出力するものである。なお、フィードフォワードフィ
ルタ106、フィードバックフィルタ107および加算
器108は等化フィルタ部に該当し、特許請求の範囲に
いう等化フィルタ手段に該当する。また、シンボル遅延
器110は、加算器108から出力された等化出力y
(k)に対して1シンボル時間だけ遅らせた等化出力y
(k−1)を出力するものである。
【0059】また、符号判定器109は、その機能を例
えばDSP上のプログラムで実現可能であり、加算器1
08から出力された等化出力y(k)と、該加算器10
8から出力され、シンボル遅延器110を経て1シンボ
ル遅延された等化出力y(k−1)とが入力されると、
等化出力y(k−1)を基準にしてIr−Qr面を形成
し、該Ir−Qr面における変調方式に応じた1シンボ
ル間の位相遷移角度によって現シンボルの復調用の信号
点d(k)を出力するものであり、特許請求の範囲にい
う符号判定手段に該当する。
【0060】また、データ復調器111は、符号判定器
109から出力された現シンボルの復調用の信号点d
(k)に基づいて復調データとして送信ビット列を再生
するものである。
【0061】また、等化誤差算出器112は、符号判定
器109から出力された復調用の信号点d(k)と加算
器108から出力された等化出力y(k)との位相を表
わす位相誤差ベクトルφ(k)および符号判定器109
から出力された復調用の信号点d(k)と加算器108
から出力された等化出力y(k)との差分を表わす等化
誤差ベクトルe(k)を算出するものであり、特許請求
の範囲にいう誤差算出手段に該当する。
【0062】また、タップ係数更新器113は、等化誤
差算出器112から出力された等化誤差ベクトルe
(k)をもとに、各種の適応アルゴリズムを用いてタッ
プ係数の更新量を定め、フィードフォワードフィルタ1
06およびフィードバックフィルタのタップ係数を更新
するものであり、特許請求の範囲にいうタップ係数更新
手段に該当する。なお、等化誤差に基づいてタップ係数
の更新量を定める際に使用する適応アルゴリズムは、例
えば、最急降下法、LMSアルゴリズム、RLSアルゴ
リズム等の適応アルゴリズムがある。
【0063】また、位相誤差ベクトル累積器114は、
位相誤差ベクトルφ(k)を累積加算して位相誤差累積
加算ベクトルΦを生成するものであり、特許請求の範囲
にいう位相誤差信号累積手段に該当する。
【0064】また、複素乗算器105は、位相誤差ベク
トル累積器114で生成された位相誤差累積加算ベクト
ルΦと該複素乗算器105入力される入力信号とを複素
演算するものであり、特許請求の範囲にいう複素乗算手
段に該当する。
【0065】さらに、ルートナイキストフィルタは、変
調波の占有帯域幅を狭くするためにナイキスト帯域制限
をするものである。
【0066】次に、図1を参照して、本実施形態の波形
等化器の動作を説明する。なお、本実施形態では、変復
調方式として、π/4シフトQPSK(Quadrature Pha
se Shift Keying)を用いる場合を例として説明する。
まず、アンテナで受信された受信信号11は、ミキサ部
101に入力され、ダウンコンバートされる。ダウンコ
ンバートされた信号は直交復調器102に入力され、直
交復調されたIQ信号が出力される。このIQ信号はA
D変換器103に入力されると、サンプリングされて、
アナログ信号のIQ信号からデジタル化されたIQ信号
へ変換される。このデジタル化されたIQ信号は、ルー
トナイキストフィルタ104によって帯域制限され、帯
域制限されたIQ信号12は複素乗算器105に入力さ
れる。
【0067】複素乗算器105では、入力されたIQ信
号12に、位相誤差ベクトル累積器114で生成された
位相誤差累積加算ベクトルΦに基づいた周波数オフセッ
ト量の推定ベクトルの複素共役ベクトルが複素乗算さ
れ、波形等化器のフィードフォワードフィルタ106に
入力される。フィードフォワードフィルタ106では畳
み込み演算が行われ、その出力信号は加算器108に入
力される。一方、フィードバックフィルタ107から同
様に得られる出力信号も加算器108に入力され、加算
器108からは等化出力y(k)が出力される。ここ
で、等化出力y(k)はI成分とQ成分をもつ複素数で
ある。
【0068】そして、符号判定器109には、現シンボ
ルの等化出力y(k)と、シンボル遅延器110によっ
て1シンボル時間遅延された等化出力y(k−1)とが
入力される。符号判定器109では、1シンボル時間遅
延された等化出力y(k−1)に基づいて座標軸を形成
し、該座標軸に対して±π/4、±3π/4の角度をな
す信号点候補から現シンボルの復調用の信号点d(k)
を出力する。
【0069】ここで、図2〜図4を参照して、符号判定
器109の動作をより詳細に説明する。まず、図2を参
照して、π/4シフトQPSK変復調方式における従来
の符号判定器(以下、固定符号判定器という)の動作を
説明する。図2は、π/4シフトQPSK変復調方式に
おける従来の固定符号判定器の復調用信号点決定方法を
示す説明図である。同図において、(a)はある時刻の
4個の信号セット、(b)は次の時刻の4個の信号セッ
トである。なお、図2(a),(b)の各々4つの星印
は、復調用の信号点d(k)の候補位置であり、このう
ち1点が符号判定器109から出力される。
【0070】図2に示すように、現シンボルの復調用の
信号点d(k)は、I−Q面内で固定的に割り当てられ
る。例えばI−Q面において、ある時刻は図2(a)の
4個のシンボルのうちいずれか1つを受信して復調し、
次の時刻には図2(b)の4個のシンボルのうちいずれ
か1つを受信して復調する。すなわち、図2(a)およ
び(b)の組合せは1シンボル毎に交互に用いられる。
【0071】次に、図3を参照して、本実施形態の符号
判定器109の動作を説明する。図3は、符号判定器の
復調用の信号点決定方法を示す説明図である。まず、1
シンボル時間前の等化出力y(k−1)を受信すると、
該1シンボル時間前の等化出力y(k−1)の方向を新
たなI軸(Ir軸)とし、これと90度をなす方向を新
たなQ軸(Qr軸)として、Ir−Qr面を構成する
(図3の破線参照)。そして、このIr軸に対して±π
/4、±3π/4の角度をなす位置を現シンボルの復調
用の信号点d(k)の候補位置(図3の一点鎖線上の4
つの星印を参照)として、受信した等化出力y(k)に
最も近い候補位置を現シンボルの復調用の信号点d
(k)(図3の黒の星印)とする。
【0072】ここで、符号判定器109の復調用信号点
の決定方法の演算例を説明する。まず、上述したよう
に、符号判定器109は、1シンボル時間前の等化出力
y(k−1)に基づいてIr−Qr面を構成する。そし
て、該Ir−Qr面において、以下のステップ1)およ
びステップ2)(2a)〜2d)の何れか)を実行す
る。 ステップ1)位相遷移ベクトルz(k)=y(k)・y
*(k−1)を演算する。(但し、y*(k−1)は、y
(k−1)の共役複素数である。) ステップ2a)z(k)の実部が正、虚部が正のとき、
d(k)=(y(k−1)/|y(k−1)|)・exp
[jπ/4]。終了。 ステップ2b)z(k)の実部が負、虚部が正のとき、
d(k)=(y(k−1)/|y(k−1)|)・exp
[j3π/4]。終了。 ステップ2c)z(k)の実部が負、虚部が負のとき、
d(k)=(y(k−1)/|y(k−1)|)・exp
[j(−3π/4)]。終了。 ステップ2d)z(k)の実部が正、虚部が負のとき、
d(k)=(y(k−1)/|y(k−1)|)・exp
[j(−π/4)]。終了。 なお、入力データや演算結果は常に直交座標系でもって
いるが、演算中の必要なときに座標変換を行ってもよ
い。
【0073】次に、図1を再び参照して、符号判定器1
09から出力された現シンボルの復調用の信号点d
(k)は、データ復調器111、フィードバックフィル
タ107および誤差算出器112に入力される。データ
復調器111では、現シンボルの復調用の信号点d
(k)が入力されると復調データとして送信ビット列が
再生される。また、等化誤差算出器112では、符号判
定器109から出力された現シンボルの復調用の信号点
d(k)および加算器108から出力された等化出力y
(k)が入力される。
【0074】等化誤差算出器112では、等化出力y
(k)と現シンボルの復調用の信号点d(k)との差分
を表わす等化誤差e(k)と、等化出力y(k)と現シ
ンボルの復調用の信号点d(k)との位相差を表わす位
相誤差ベクトルφ(k)とを算出する。そして、等化誤
差算出等化誤差e(k)はタップ係数更新器113に入
力され、位相誤差ベクトルφ(k)は位相誤差ベクトル
累積器114に入力される。
【0075】ここで、図4を参照して、等化誤差算出器
112で算出される等化誤差e(k)および位相誤差ベ
クトルφ(k)を説明する。図4は、等化誤差e(k)
および位相誤差ベクトルφ(k)を示す説明図である。
同図において、等化誤差e(k)は、信号点d(k)と
等化出力y(k)との差分を示している。また、等化出
力y(k)および復調用の信号点d(k)のなす角度を
Δθ(k)とすると、位相誤差ベクトルφ(k)は式
(1)のように表される。
【0076】 φ(k)=|y(k)|exp[jΔθ(k)] …(1)
【0077】式(1)において、位相誤差ベクトルφ
(k)によって1シンボル時間あたりの周波数オフセッ
ト量を推定することができる。なお、位相誤差ベクトル
φ(k)は、exp[jΔθ(k)]のみでもよいが、|y(k)|
が小さい場合には、exp[jΔθ(k)]の信頼性が低いた
め、これに|y(k)|を乗じることによって位相誤差ベク
トルの累積値への寄与度を高めている。
【0078】次に、図1を再び参照して、タップ係数更
新器113では、等化誤差e(k)に基づいて、次シン
ボルの等化が良好に行われるようなタップ係数が算出さ
れ、これにより、フィードフォワードフィルタ106お
よびフィードバックフィルタ107のフィルタのタップ
係数が更新される。また、位相誤差ベクトル累積器11
4では、位相誤差ベクトルφ(k)が累積加算され、位
相誤差累積加算ベクトルΦが生成される。
【0079】ここで、図5を用いて、周波数オフセット
について詳細に説明する。図5(a)はπ/4シフトQ
PSK変調方式による送信シンボル列であり、(b)は
π/4シフトQPSK復調方式による受信シンボル列で
ある。ここで、信号のシンボルレートをfs[Hz]、周
波数オフセットをfoff[Hz]とすると、周波数オフ
セットによる1シンボルあたりの位相回転量Ψ[rad]
は、式(2)のように表わせる。
【0080】 Ψ=2π*foff/fs (2)
【0081】そのため、送信信号のシンボル列をs
(n)とし、図5(a)に示すようなシンボル列を送信
すると、周波数オフセット量がfoff[Hz]であるた
め、図5(b)に示すように、受信信号のシンボル列r
i(n)(図中○に該当する)は、位相回転量Ψ[ra
d]によって送信シンボル列(図中●に該当する)に対
して、Ψ,2Ψ,3Ψ,・・・だけ位相が回転した受信
シンボル列を受信してしまう。なお、このとき伝送路
は、フェージングがまったく存在しない理想的な伝送路
であり、受信機における熱雑音もない場合を想定してい
る。
【0082】次に、再び図1を参照して、位相誤差ベク
トル累積器114から出力される位相誤差累積加算ベク
トルΦは、周波数オフセット量の推定ベクトルとみなせ
る。このため、複素乗算器105で、該位相誤差累積加
算ベクトルΦの複素共役ベクトルと入力信号12とを複
素乗算することにより、周波数オフセットを打ち消すよ
うに動作させることができる。ここで、参考のため、図
6を参照して、位相誤差累積加算ベクトルΦを説明す
る。図6は、位相誤差累積加算ベクトルΦを原理的に説
明する原理説明図である。同図において、位相誤差累積
加算ベクトルΦは、位相誤差ベクトルφ(k)が累積加
算されたものであり、周波数オフセット量の推定ベクト
ルとみなせる。そして、位相Θは、周波数オフセットに
よる1シンボルあたりの位相回転量(推定値)である。
【0083】次に、複素乗算器105における具体的な
演算処理の一例を説明する。ある受信スロットまでの位
相誤差ベクトルの位相誤差累積加算ベクトルΦは、式
(3)であり、
【0084】 Φ=Σφ(k)=Y exp[jΘ] …(3)
【0085】次の受信スロットにおけるルートナイキス
トフィルタ104の出力信号のサンプル列ri(n)が式
(4)であるとき、
【0086】 ri(n)=I(n)+jQ(n) …(4)
【0087】複素乗算器105において、式(5)に示
す演算が行われ、出力ro(n)が得られる。
【0088】 ro(n)=ri(n) exp[−j(nΘ/N)] …(5)
【0089】なお、Nは受信信号のオーバーサンプリン
グ数である。ここで、図5および図6を参照して、オー
バーサンプリング数Nについて説明する。まず、N=1
(オーバーサンプリングなし)の場合を説明する。
【0090】図6において、Θ=Ψである場合、式
(5)の演算によってri(n)が周波数オフセットに
よる位相回転方向と逆方向に位相回転され、ro(n)
が得られる。このため、ro(n)は図5(a)のs
(n)と等しくなる。すなわち、ro(n)=s(n)
となるので、周波数オフセットが補償される。しかし、
実際には、伝搬路の変動等の様々な影響により、r
o(n)=s(n)とはならないので、周波数オフセッ
トの変化に追従するためにこれを繰り返していくことに
なる。
【0091】なお、参考として、シンボルレートの4倍
でオーバーサンプリングされた送信データ列および受信
データ列を図7に示す。
【0092】以上説明したように、本実施形態における
波形等化器では、等化フィルタ部120により受信信号
の符号間干渉を除去し、符号判定器109により、等化
フィルタ部120から出力された等化信号y(k)を1
シンボル遅延した等化信号y(k−1)に基づいて座標
軸(Ir−Qr軸)を形成し、該座標軸に対して所定の
角度をなす信号点候補から現シンボルの信号点d(k)
を決定する。そして、誤差算出器112により、現シン
ボルの信号点d(k)と等化フィルタ部120から出力
された等化信号y(k)との位相差を表わす位相誤差信
号φ(k)を生成し、位相誤差ベクトル累積器114に
より、位相誤差ベクトルφ(k)を累積加算して位相誤
差累積加算ベクトルΦを生成し、複素乗算器105によ
り、位相誤差累積加算ベクトルΦと等化フィルタ部12
0に入力される入力信号12とを複素演算して該入力信
号12に含まれる周波数オフセットを補償するようにし
ている。
【0093】従来の波形等化器では、固定された座標軸
(I−Q軸)に対して所定の角度をなす信号点候補から
現シンボルの信号点d(k)を決定していたために、現
シンボルの信号点d(k)の周波数オフセットによる位
相回転量は、現シンボルの前のシンボルの信号点d(k
−1)の周波数オフセットによる位相回転量が累積され
た累積位相回転量であったが、本実施形態の波形等化器
は、符号判定器109によって、1シンボル前の信号点
d(k−1)の周波数オフセットによる位相回転量を補
償するように座標軸(Ir−Qr軸)の位相が回転する
ので、現シンボルの信号点d(k)の周波数オフセット
による位相回転量は、現シンボルの信号点の前のシンボ
ルの信号点d(k−1)の周波数オフセットによる累積
位相回転量が補償されるために小さくなる。
【0094】また、従来の波形等化器では、周波数オフ
セット量が所定量を越えた場合には、該周波数オフセッ
トによる位相回転量が大きくなり、さらに、累積された
位相回転量を用いるので、受信信号の位相が高速で回転
してしまう。その結果、等化フィルタ部の適応更新アル
ゴリズムが受信信号の位相の回転速度に追従できなくな
り、等化性能が劣化していた。これに対して、本実施形
態の波形等化器は、符号判定器109から出力されるシ
ンボルの信号点d(k)の周波数オフセットによる位相
回転量は、累積位相回転量が補償されているために小さ
く、周波数オフセット量が所定量を越えても、受信信号
の位相が高速で回転しない。したがって、許容可能な周
波数オフセット量(以下、周波数オフセットに対する引
き込み範囲という)が大きくなり、適応アルゴリズムを
位相の回転速度に十分追従させることができるので、波
形等化器の等化性能を向上させることができる。
【0095】また、位相誤差累積加算ベクトルΦ(位相
誤差累積加算信号)を周波数オフセットの推定ベクトル
とみなすことができるため、複素乗算器105によっ
て、位相誤差累積加算ベクトルΦの共役複素ベクトルを
該入力信号12に複素乗算することにより、該入力信号
12に含まれる周波数オフセットによる位相回転量を補
償することができるので、周波数オフセットに対する引
き込み範囲がさらに大きくなり、適応アルゴリズムを位
相の回転速度に十分追従させることができるので、波形
等化器の等化性能を向上させることができる。
【0096】また、符号判定器109により、周波数オ
フセットによる位相回転量が小さくなるので、誤差算出
器112から出力される位相誤差ベクトルφ(k)も相
対的に小さくなる。そのため、位相誤差ベクトル累積器
114生成された位相誤差累積加算ベクトルΦの向きを
短時間で収束させることができ、等化初期における等化
性能を向上させることができる。
【0097】また、本実施形態における波形等化器で
は、符号判定器109により、等化フィルタ部120か
ら出力された等化信号y(k)を1シンボル遅延した等
化信号y(k−1)に基づいて座標軸(Ir−Qr軸)
を形成し、該座標軸に対して所定の角度をなす信号点候
補から現シンボルの信号点d(k)を決定し、誤差算出
器112により、現シンボルの信号点d(k)と等化フ
ィルタ部120から出力された等化信号y(k)との差
分を表わす等化誤差信号e(k)を生成し、タップ係数
更新器113により、等化誤差信号e(k)に基づいて
タップ係数を更新するようにしている。
【0098】このように、符号判定器109により、等
化フィルタ部120から出力された等化信号y(k)を
1シンボル遅延した等化信号y(k−1)に基づいて座
標軸(Ir−Qr)を形成し、該座標軸に対して所定の
角度をなす信号点候補から現シンボルの信号点d(k)
を決定するので、周波数オフセットによる位相回転量が
小さくなる。そのため、誤差算出器112で出力される
等化誤差ベクトルe(k)が相対的に小さくなるので、
タップ係数更新器113におけるタップ係数の更新速度
が速くなり、伝搬路の変動に対する追随性を向上させる
ことができ、その結果、波形等化器の性能を向上させる
ことができる。
【0099】また、符号判定器109によれば、1シン
ボル前の信号点d(k−1)の周波数オフセットによる
位相回転量を補償するように座標軸(Ir−Qr軸)の
位相が回転するので、現シンボルの信号点d(k)の周
波数オフセットによる位相回転量は、現シンボルの信号
点の前のシンボルの信号点d(k−1)の周波数オフセ
ットによる累積位相回転量が補償されるので小さくな
る。そのため、入力信号12における周波数オフセット
量が所定量を越えても、入力信号12の位相が高速で回
転しない。すなわち、周波数オフセットに対する引き込
み範囲が大きくなり、適応アルゴリズムを位相の回転速
度に十分追従させることができるので、波形等化器の等
化性能を向上させることができる。
【0100】さらに、符号判定器109が、固定された
座標軸(I−Q軸)に対して所定の角度をなす信号点候
補から現シンボルの信号点d(k)を決定する固定符号
判定器であっても、等化フィルタ部120により、受信
信号の符号間干渉を除去し、固定符号判定器により、固
定された座標軸に対して所定の角度をなす信号点候補か
ら現シンボルの信号点を決定し、誤差算出器112によ
り、現シンボルの信号点d(k)と等化フィルタ部12
0から出力された等化信号y(k)との位相差を表わす
位相誤差ベクトルe(k)を生成し、位相誤差ベクトル
累積器114により、位相誤差累積加算ベクトルΦを生
成し、複素乗算器105により、位相誤差累積加算ベク
トルΦと等化フィルタ部120に入力される入力信号1
2とを複素演算して該入力信号12に含まれる周波数オ
フセットを補償するようにしている。
【0101】このように、固定符号判定器により、固定
された座標軸(I−Q軸)に対して所定の角度をなす信
号点候補から現シンボルの信号点d(k)を決定してい
るので、実際の周波数オフセット量を反映した位相回転
量が現れる。そのため、誤差算出器112で出力された
位相誤差ベクトルφ(k)も実際の周波数オフセット量
を反映したものとなり、位相誤差ベクトル累積器114
では、位相誤差ベクトルφ(k)が累積加算される。そ
して、該位相誤差ベクトル累積器114から出力された
位相誤差累積加算ベクトルΦは、実際の周波数オフセッ
ト量を反映した周波数オフセットの推定ベクトルとみな
すことができる。そのため、複素乗算器105により、
該位相誤差累積加算ベクトルΦの複素共役ベクトルと等
化フィルタ部120に入力される入力信号12とを複素
乗算することにより、該入力信号12に含まれる実際の
周波数オフセット量を反映した位相回転量を補償するこ
とができるので、波形等化器の等化性能を向上させるこ
とができる。
【0102】〔第2の実施形態〕次に、本発明の第2の
実施形態に係る波形等化器について説明する。第2の実
施形態は、第1の実施形態の構成に復調用の信号点d
(k)をI−Q面に対して固定的に割り当てる固定符号
判定器を付加し、制御部により符号判定器と固定判定器
とを切り替えるようにしたものである。図8を参照し
て、本実施形態の波形等化器を説明する。図8は、符号
判定器および固定符号判定器を備え、スイッチによって
切り替え可能な符号判定部を示す構成図である。
【0103】図8において、符号判定部800は、符号
判定器801、固定符号判定器802、制御部803a
およびスイッチsw1a,sw1bを備えて構成されて
いる。まず、符号判定器801は、1シンボル前の等化
出力y(k−1)に基づいてIr−Qr面を形成し、該I
r−Qr面を基準として現シンボルの復調用の信号点d
(k)を決定するものであり、第1の実施形態で説明し
た符号判定器109と同様の機能および動作であるの
で、詳しい説明を省略する。
【0104】また、固定符号判定器802は、現シンボ
ルの復調用の信号点d(k)を、固定されたI−Q軸に
対して所定の角度をなす信号点候補から現シンボルの復
調用の信号点d(k)を決定するものである。例えば、
π/4シフトQPSKでは、固定されたI−Q面におい
て、図2(a)(b)に示すシンボルセットから1シン
ボル毎に用い、これらの中から等化出力y(k)に最も
近い候補位置を現シンボルの復調用の信号点d(k)に
決定する。
【0105】また、制御部803aは、等化フィルタ部
120からの等化出力y(k)が入力されてから所定時
間経過後に符号判定器801から固定符号判定器802
へ切り替えるために、切り替え信号CNTをスイッチs
w1a,sw1bに出力するものである。ここで、制御
部803aは、受信スロットを所定数計数するカウンタ
や所定時間の遅延を持つ遅延回路などのハードウェアに
よる構成としてもよいし、DSPやMPU内のタイマ等
に基づいてソフト的に切り替え信号CNTを生成しても
よい。さらに、スイッチsw1a,sw1bは、制御部
803aからの切り替え信号CNTに基づいて符号判定
器801と固定符号判定器802とを切り替えるもので
ある。
【0106】ところで、図6および式(3)を参照する
と、Θは、周波数オフセットによる1シンボル時間当た
りの位相回転量(スカラ量)を表しているが、Θは実際
の周波数オフセット量よりも小さい位相回転量である。
これは、図1に示す符号判定器109において、復調用
の信号点をI−Q面に対して固定的に割り当てずに、現
シンボルの等化出力の復調用の信号点d(k)を1シン
ボル前の等化出力y(k−1)を基準にIr−Qr面を形
成しているからである。
【0107】そのため、位相誤差累積加算ベクトルΦ
(周波数オフセット量の推定ベクトル)の向きの収束
は、現シンボルの復調用の信号点d(k)が周波数オフ
セットとともに位相回転するので速いが、収束した位相
誤差累積加算ベクトルΦの向きは、実際より小さい周波
数オフセット量に相応する向きとなるため、位相誤差累
積加算ベクトルΦの収束後も恒常的に誤りビットが発生
しやすい。そこで本実施形態の波形等化器は、制御部8
03aにより、符号判定器801と固定符号判定器80
2とを切替え、等化の初期から全時間帯にわたって等化
性能を向上させるようにしたものである。
【0108】次に、図8を参照して、符号判定器801
から固定符号判定器802への切り替え動作を説明す
る。等化フィルタ部120からの等化出力y(k)が入
力されてから所定時間までは、符号判定器801で符号
判定処理をさせ、所定時間経過後に、制御部803aが
切り替え信号CNTによりスイッチsw1a,sw1b
を操作して、符号判定器801から固定判定器802に
切り替え、固定符号判定器802により符号判定処理を
させる。このとき、位相誤差ベクトル累積器114で
は、これら2つの符号判定器801,802の違いに関
わらず、入力される位相誤差ベクトルφ(k)を逐次累
積加算していく。
【0109】次に、図9を参照して、本実施形態の符号
判定器の切り替えによる位相誤差累積加算ベクトルの変
化を説明することにより、本実施形態の特徴を説明す
る。図9(a)は、符号判定器801を用いた場合の位
相誤差累積加算ベクトルおよび固定符号判定器802を
用いた場合の位相誤差累積加算ベクトルを示す説明図で
あり、(b)は、所定時間経過後に符号判定器801か
ら固定符号判定器802に切り替えた場合の位相誤差累
積加算ベクトルを示す説明図である。なお、同図の位相
誤差累積加算ベクトルは、速いドップラーフェージング
の条件下で得られたデータであるが、遅いドップラーフ
ェージングの条件下でも同様である。
【0110】図9(a)を参照すると、プロット○は、
符号判定器801を用いたときの位相誤差累積加算ベク
トルを示す。プロット○を見ると、等化処理の開始から
比較的短時間で位相誤差累積加算ベクトルの向きが定ま
っている(収束している)ことがわかる。符号判定器8
01では、現シンボルの復調用の信号点を周波数オフセ
ットとともに位相回転するので、周波数オフセット量が
実際よりも小さくあらわれることもあり、そのため、位
相誤差ベクトル累積器114における位相誤差累積加算
ベクトル(周波数オフセット量の推定ベクトル)の向き
の収束が速い。
【0111】しかし、符号判定器801では、収束した
位相誤差累積加算ベクトルの向きが、実際の周波数オフ
セットに対応していない(実際の周波数オフセット量よ
り小さい)ため、プロット○の軌跡が実際のオフセット
量に対応した傾きより小さい。
【0112】一方、プロット△は、固定符号判定器80
2を用いたときの位相誤差累積加算ベクトルを示す。プ
ロット△は、プロット○と比較して等化処理の初期段階
に、その傾きにバラツキがみられる。しかし、傾きが一
旦定まると、この傾きは実際の周波数オフセット量をよ
く反映したものである。
【0113】すなわち、符号判定器802では、位相誤
差ベクトル累積器114における位相誤差累積加算ベク
トルの向きの収束は遅いが、収束した位相誤差ベクトル
の累積加算ベクトルの向きは、実際の周波数オフセット
量を良く反映したものとなり、収束後の等化性能も安定
する。
【0114】そのため、本実施形態の波形等化器は、符
号判定器801および固定符号判定器802のそれぞれ
が優れている時間帯の利点を利用したものであり、図9
(b)のプロット□で示すように、等化開始直後は、位
相誤差累積加算ベクトルの収束が速い符号判定器801
を用いることにより、等化処理の初期段階における等化
性能を向上させ、所定時間が経過して、位相誤差累積加
算ベクトルが収束した後は、より等化性能が良好な固定
符号判定器802に切り替えている。
【0115】また、本実施形態の波形等化器では、所定
時間経過後に符号判定器801から固定符号判定器80
2に切り替えているが、符号判定器801を固定符号判
定器802に切り替えるタイミングにおいて、位相誤差
ベクトルの累積加算ベクトルに対してQ成分のみを逓倍
してもよい。
【0116】図9(b)のプロット×は、あるタイミン
グにて、位相誤差累積加算ベクトルの直交成分を逓倍し
たときの位相誤差累積加算ベクトルである。同図におい
て、プロット□は、直交成分を逓倍しないときの位相誤
差累積加算ベクトルであり、プロット×は、位相誤差累
積加算ベクトルの直交成分を逓倍したときの位相誤差累
積加算ベクトルである。同図において、プロット×が、
プロット□よりも、速く固定符号判定器802によるラ
イン(図9(a)におけるプロット△)に乗っているこ
とがわかる。つまり、直交成分を逓倍することにより、
固定符号判定器802で期待される位相誤差累積加算ベ
クトルの値に速く収束することができる。
【0117】以上説明したように、本実施形態における
波形等化器によれば、等化フィルタ部120により、受
信信号の符号間干渉を除去し、制御部803aおよびス
イッチsw1a,sw1bにより、等化フィルタ部12
0から出力された等化信号y(k)が入力されて所定時
間経過するまでは等化フィルタ部120から出力された
等化信号を1シンボル遅延した等化信号y(k−1)に
基づいて座標軸(Ir−Qr軸)を形成し、該座標軸に
対して所定の角度をなす信号点候補から現シンボルの信
号点d(k)を決定する符号判定器801により現シン
ボルの信号点d(k)を決定させ、該所定時間経過した
後は固定された座標軸(I−Q軸)に対して所定の角度
をなす信号点候補から現シンボルの信号点d(k)を決
定する固定符号判定器802に切り替えて現シンボルの
信号点d(k)を決定させる。そして、誤差算出器11
2により、符号判定器801または固定符号判定802
により決定された現シンボルの信号点d(k)と等化フ
ィルタ部120から出力された等化信号y(k)との位
相差を表わす位相誤差ベクトルφ(k)を生成し、位相
誤差ベクトル累積器により、位相誤差ベクトルφ(k)
を累積加算して位相誤差累積加算ベクトルΦを生成し、
複素乗算器105により、位相誤差累積加算ベクトルΦ
の複素共役ベクトルと等化フィルタ部120に入力され
る入力信号12とを複素乗算して該入力信号に含まれる
周波数オフセットを補償するようにしている。
【0118】このように、等化フィルタ部120から出
力された等化信号y(k)が入力されてから所定時間経
過するまでは、制御部803aおよびスイッチsw1
a,sw1bにより、符号判定器801により現シンボ
ルの信号点d(k)を決定させると、符号判定器801
から出力されるシンボルの信号点d(k)の周波数オフ
セットによる位相回転量が小さいので、誤差算出器11
2から出力される位相誤差ベクトルφ(k)も相対的に
小さくなる。そのため、位相誤差ベクトル累積器114
で累積された位相誤差累積加算ベクトルΦの向きを短時
間で収束させることができ、等化初期における等化性能
を向上させることができる。また、周波数オフセットに
よる位相回転量が小さいので、周波数オフセットに対す
る引き込み範囲が大きくなる。
【0119】そして、該所定時間経過した後に固定符号
判定器802に切り替えると、実際の周波数オフセット
量を反映した位相回転量があらわれるため、誤差算出器
112で出力された位相誤差ベクトルφ(k)も実際の
周波数オフセット量を反映したものとなり、位相誤差ベ
クトル累積器114からの位相誤差累積加算ベクトルΦ
は、実際の周波数オフセット量を反映した周波数オフセ
ットの推定ベクトルとみなすことができる。また、所定
時間経過すると該位相誤差累積加算ベクトルΦが収束す
るため、複素乗算器105により、該位相誤差累積加算
ベクトルΦの共役複素数と等化フィルタ部120に入力
される入力信号12とを複素乗算することにより、該入
力信号12に含まれる実際の周波数オフセット量を反映
した位相回転量を補償することができるので、波形等化
器の等化性能を向上させることができる。
【0120】以上の結果として、周波数オフセットに対
する引き込み範囲を大きくすることができ、さらに、等
化の初期から全時間帯にわたって周波数オフセットによ
る波形等化器の等化性能の劣化を防止することができ、
かつ等化性能を向上させることができる。
【0121】また、本実施形態における波形等化器で
は、誤差算出器112により、位相誤差累積加算ベクト
ルΦ(k)の直交成分を逓倍するので、符号判定器80
1で得られた復調用の信号点d(k)に基づいて位相誤
差ベクトルφ(k)を累積加算した位相誤差累積加算ベ
クトルΦから、固定符号判定器802で得られた復調用
の信号点d(k)に基づいて位相誤差ベクトルφ(k)
を累積加算した位相誤差累積加算ベクトルΦに、短時間
で収束させることができる。すなわち、符号判定器80
1による等化初期における収束速度が速い位相誤差累積
加算ベクトルΦから、固定符号判定器802による実際
の周波数オフセット量を反映した位相誤差累積加算ベク
トルΦに短時間で切替えることができるので、等化性能
を向上させることができる。
【0122】〔第1および第2の実施形態の変形例〕次
に、第1および第2の実施形態の変形例について説明す
る。本変形例の構成は、図1および図8に示すように、
第1および第2の実施形態の構成と同様である。ただ
し、第1および第2の実施形態の位相誤差ベクトル累積
器114では、位相誤差ベクトルを等化時間に関係なく
単純加算しているが、本変形例では、位相誤差ベクトル
φ(k)に対して累積時間に応じた重み付けを行ってい
る。このため、等化時間に応じて位相誤差ベクトルの信
頼性が高まるので、位相誤差ベクトルは、より実際の周
波数オフセット量を反映したものとなり、その結果、等
化性能が向上する。
【0123】また、位相誤差ベクトル累積器114にお
いて、等化時間に応じた重み付けを行って加算すること
により、等化時間が長くなるほど熱雑音による影響がφ
(k)に表れなくなるため、すなわち、熱雑音による影
響が軽減するため、位相誤差ベクトルの信頼性が高ま
り、その結果、等化性能が向上する。
【0124】以上のように、本実施形態の波形等化器で
は、位相誤差ベクトル累積器114により、等化時間の
経過に応じて位相誤差ベクトルφ(k)の信頼性が高ま
ることおよび等化時間の経過に応じて熱雑音による影響
が軽減することを利用して、位相誤差ベクトルφ(k)
に対して累積時間に応じた重み付けを行うことにより、
位相誤差累積加算ベクトルΦの精度が高くなる。すなわ
ち、位相誤差累積加算ベクトルΦは、より実際の周波数
オフセットによる位相回転量とみなすことができので、
波形等化器の等化性能を向上させることができる。
【0125】〔第3の実施形態〕次に、本発明の第3の
実施形態に係る波形等化器について説明する。本実施形
態の波形等化器では、第1および第2の実施形態の構成
(図1および図8を参照)に周波数シンセサイザおよび
制御部を付加した構成である。図10は、本実施形態の
波形等化器を示す構成図である。なお、同図において、
図1と重複する部分には同一の符号を附して説明を省略
する。
【0126】制御部803bは、位相誤差ベクトル累積
器114から出力された位相誤差累積加算ベクトルΦか
ら周波数オフセット量を推定し、該周波数オフセット量
を補償するように周波数シンセサイザ1000によって
生成される局部発振信号の周波数を制御するものであ
り、特許請求の範囲にいう周波数制御手段に該当する。
また、周波数シンセサイザ1000は、制御部803b
からの制御信号に応じた周波数の局部発振信号を生成し
て、ミキサ部101に供給するものである。なお、ミキ
サ部101は、受信信号の周波数を中間周波数に変換す
るもので、特許請求の範囲にいう周波数変換手段に該当
する。
【0127】次に、図10を参照して、本実施形態の波
形等化器の動作を説明する。まず、位相誤差ベクトル累
積器114から出力された位相誤差累積加算ベクトルΦ
が、制御部803bに入力される。そして、制御部80
3bは、該位相誤差累積加算ベクトルΦから周波数オフ
セット量を推定し、該周波数オフセット量を補償するよ
うに周波数シンセサイザ1000によって生成される局
部発振信号の周波数を制御する。
【0128】ここで、図6を参照して、位相誤差累積加
算ベクトルΦから周波数オフセット量の推定方法を説明
する。位相誤差ベクトル累積器114により、位相誤差
累積加算ベクトルΦが生成されるので、その位相である
Θを求めることができる。第1の実施形態で説明したよ
うに、式(2)において、信号のシンボルレートをfs
[Hz]、周波数オフセットをfoff[Hz]とすると、周
波数オフセットによる1シンボルあたりの位相回転量Ψ
[rad]は、Ψ=2π*foff/fsである。
【0129】図6に示すように、位相誤差累積加算ベク
トルΦが推定されると、周波数オフセットによる1シン
ボルあたりの位相回転量がΘ[rad]と推定される。周
波数オフセットの推定量est−foff[Hz]は、式
(6)で求めることができる。
【0130】 est−foff=Θ*fs/2π …(6)
【0131】このように、制御部803bで推定された
周波数オフセット量を補償するように、周波数シンセサ
イザ1000によって生成される局部発振信号の周波数
を制御する。そして、制御された周波数を持つ局部発振
信号をミキサ部101に入力することにより、受信信号
11の周波数オフセット量を補償する。なお、局部発信
信号の周波数を制御した後には、位相誤差ベクトル累積
器114における位相誤差累積加算ベクトルΦをゼロに
リセットする。
【0132】以上説明したように、本実施形態における
波形等化器によれば、制御部803bにより、位相誤差
累積加算ベクトルΦから推定された周波数オフセットを
補償するようにミキサ部101で用いる局部発振信号の
周波数を制御することにより、受信信号11に含まれる
周波数オフセットを補償することができ、その結果、波
形等化器の等化性能を向上させることができる。
【0133】なお、第1の実施形態、第2の実施形態、
並びに第1および第2の実施形態の変形例において、波
形等化器への入力信号の位相回転をルートナイキストフ
ィルタ104の後段に複素乗算器105を設けて実現し
ているが、この場合、周波数オフセットが存在する信号
をルートナイキストフィルタに入力しているため、帯域
内信号が一部削られてしまう。
【0134】このような事情に対処するべく、複素乗算
器105をルートナイキストフィルタ104の前段に配
置する構成としてもよい。この構成により、複素乗算器
105の出力信号の周波数オフセット量が小さくなるこ
とから、ルートナイキストフィルタ104によって削ら
れる帯域内信号が少なくなり、等化性能を向上させるこ
とができ、その結果、受信性能を向上させることができ
る。
【0135】〔第4の実施形態〕次に、本発明の第4の
実施形態に係る移動局無線装置、基地局無線装置および
移動通信システムについて説明する。大ゾーン方式の移
動通信システムや伝送速度が高速な移動通信システムな
どでは、基地局と移動局との間を結ぶ電波の伝搬路が複
数通り観測される。そのため、複数の伝搬路から受信波
が到来し、各伝搬路から到来した受信波は、それぞれ伝
搬路固有の遅延時間を伴って到来し、到来時間に差があ
るため、無線伝送路の帯域内の各周波数について振幅と
位相の変動が一様ではなく、周波数選択性フェージング
を生じる。該周波数選択性フェージングの影響により、
符号間干渉が生じるなどの問題が生じる。この対策とし
て、波形等化器を用いて受信波から周波数選択性フェー
ジングによる波形歪みを打ち消し、伝送誤りの劣化を防
止している。
【0136】また、到来する受信波に含まれる搬送波の
周波数と移動局無線装置が備える局部発振周波数との間
に、個体間の局部発振周波数のバラツキに起因する周波
数オフセットがあると、位相が高速で回転する現象が生
じ、等化器の更新アルゴリズムが位相の回転速度に追従
できずに等化性能が劣化するという移動通信システム特
有の問題がある。
【0137】本実施形態は、第1の実施形態、第2の実
施形態、並びに第1および第2の実施形態の変形例で説
明した波形等化器を、移動局無線装置および基地局無線
装置に適用し、これら移動局無線装置および基地局無線
装置を備えて移動通信システムを構成したものである。
本実施形態の移動通信システムの一構成例を図11に示
す。なお、波形等化器を設ける位置としては、例えば、
移動局無線装置の復調部または基地局無線装置の復調部
(図11では基地局BS1の受信部内)のいずれか一方
または両方に設けることができる。
【0138】以上説明したように、第1の実施形態、第
2の実施形態、並びに第1および第2の実施形態の変形
例における波形等化器を、移動局無線装置または基地局
無線装置のいずれか一方または両方に適用し、これら移
動局無線装置および基地局無線装置を備えて構成した移
動通信システムでは、周波数オフセットに対する引き込
み範囲が大きくなり、また、等化性能を向上させること
ができるので、様々な伝搬路条件に対して受信性能を向
上させることができる。そのため、受信性能が良好な移
動通信端末および基地局インフラとなり、これらを組み
合わせることにより、周波数選択性フェージングおよび
周波数オフセットに強い、高品質な移動通信システムを
構築することができる。さらに、周波数オフセット量に
関するシステム設計の拘束条件が緩和されることから、
移動通信システムの設計を容易にすることができ、その
結果、高品質な移動通信システムを構築することができ
る。
【0139】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の波形等化
器、周波数オフセット補償方法、プログラム、記録媒
体、波形等化器を用いた移動局無線装置、基地局無線装
置並びに移動通信システムによれば、等化フィルタ手段
(等化フィルタステップ)により、受信信号の符号間干
渉を除去し、符号判定手段(符号判定ステップ)によ
り、等化フィルタ手段(等化フィルタステップ)から出
力された等化信号を1シンボル遅延した等化信号に基づ
いて座標軸を形成し、該座標軸に対して所定の角度をな
す信号点候補から現シンボルの信号点を決定する。そし
て、誤差算出手段(誤差算出ステップ)により、現シン
ボルの信号点と等化フィルタ手段(等化フィルタステッ
プ)から出力された等化信号との位相差を表わす位相誤
差信号を生成し、位相誤差信号累積手段(位相誤差信号
累積ステップ)により、位相誤差信号を累積加算して位
相誤差累積加算信号を生成し、複素演算手段(複素演算
ステップ)により、位相誤差累積加算信号と等化フィル
タ手段(等化フィルタステップ)に入力される入力信号
とを複素演算して該入力信号に含まれる周波数オフセッ
トを補償することとし、符号判定手段(符号判定ステッ
プ)により、1シンボル前の信号点の周波数オフセット
による位相回転量が補償されるように座標軸の位相を回
転させるので、現シンボルの信号点の周波数オフセット
による位相回転量が、現シンボルの信号点の前のシンボ
ルの信号点の周波数オフセットによる累積位相回転量が
補償されて小さくなり、その結果、周波数オフセット量
が所定量を越えても受信信号の位相が高速で回転するこ
となく、許容可能な周波数オフセット量(即ち、周波数
オフセットに対する引き込み範囲)が大きくなり、適応
アルゴリズムを位相の回転速度に十分追従させることが
できるので、等化性能を向上させ得た波形等化器を提供
することができる。
【0140】また、本発明によれば、位相誤差累積加算
ベクトル(位相誤差累積加算信号)を、周波数オフセッ
トの推定ベクトルとみなすことができるので、複素演算
手段(複素演算ステップ)により、位相誤差累積加算信
号と等化フィルタ手段(等化フィルタステップ)に入力
される入力信号とを複素演算することにより、該入力信
号に含まれる周波数オフセットによる位相回転量を補償
することができるので、周波数オフセットに対する引き
込み範囲がさらに大きくなり、適応アルゴリズムを位相
の回転速度に十分追従させることができ、等化性能をよ
り向上させた波形等化器を提供することができる。
【0141】また、本発明によれば、符号判定手段(符
号判定ステップ)により、周波数オフセットによる位相
回転量を小さくすることができ、誤差算出手段(誤差算
出ステップ)で出力される位相誤差信号も相対的に小さ
くなり、その結果、位相誤差累積手段(位相誤差累積ス
テップ)で累積された累積加算ベクトルの向きを短時間
で収束させることができ、等化初期における等化性能を
向上させた波形等化器を提供することができる。
【0142】さらに、本発明の波形等化器を移動局無線
装置または基地局無線装置のいずれか一方または両方に
適用し、これら移動局無線装置または基地局無線装置の
いずれか一方または両方を備えて構成した移動通信シス
テムによれば、周波数オフセットに対する引き込み範囲
が大きくなり、また、等化性能を向上させることができ
るので、様々な伝搬路条件に対して受信性能を向上させ
ることができ、その結果、周波数選択フェージングの影
響を確実に取り除いた高品質な移動通信システムを構築
できる。さらに、周波数オフセット量に関するシステム
設計の拘束条件が緩和されることから、移動通信システ
ムの設計を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る波形等化器の構成を示す
構成図である。
【図2】π/4シフトQPSK変復調方式の固定符号判
定器における復調用信号点決定方法を示す説明図であ
る。
【図3】第1の実施形態の符号判定器における復調用の
信号点決定方法を示す説明図である。
【図4】等化誤差および位相誤差ベクトルの説明図であ
る。
【図5】(a)は、π/4シフトQPSK変調方式によ
る送信シンボル列を例示する説明図であり、(b)は、
π/4シフトQPSK復調方式による受信シンボル列を
例示する説明図である。
【図6】位相誤差累積加算ベクトルの原理説明図であ
る。
【図7】シンボルレートの4倍でオーバーサンプリング
された送信データ列および受信データ列を例示する説明
図である。
【図8】第2の実施形態に係る波形等化器の符号判定器
および固定符号判定器の切り替え構成を示す部分構成図
である。
【図9】(a)は、符号判定器801を用いた場合の位
相誤差累積加算ベクトルおよび固定符号判定器802を
用いた場合の位相誤差累積加算ベクトルを例示する説明
図であり、(b)は、所定時間経過後に符号判定器80
1から固定符号判定器802に切り替えた場合の位相誤
差累積加算ベクトルを例示する説明図である。
【図10】第3の実施形態に係る波形等化器を示す構成
図である。
【図11】第4の実施形態に係る移動局無線装置および
基地局無線装置、並びにこれら移動局無線装置および基
地局無線装置を備えた移動通信システムの構成図であ
る。
【図12】従来の波形等化器の構成を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
11 受信信号 12 入力信号 101 ミキサ部 102 直交復調器 103 AD変換器 104 ルートナイキストフィルタ 105 複素乗算器 106 フィードフォワードフィルタ 107 フィードバックフィルタ 108 加算器 109 符号判定器 110 シンボル遅延器 111 データ復調器 112 等化誤差算出器 113 タップ係数更新器 114 位相誤差ベクトル累積器 120 等化フィルタ部 800 符号判定部 801 符号判定器 802 固定符号判定器 803a 制御部 803b 制御部 1000 周波数シンセサイザ 1201 フィードフォワードフィルタ 1202 フィードバックフィルタ 1203,1210 加算器 1204,1211 座標変換器 1205 スイッチ 1206 遅延器 1207 減算器 1208 符号判定器 1209 データ復調器 1212 等化誤差算出器 1213 タップ係数更新器 sw1a,sw1b スイッチ CNT 制御信号 d(k) 現シンボルの復調用の信号点 y(k) 等化出力 y(k−1) 1シンボル時間遅延された等化出力 φ(k) 位相誤差信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−235791(JP,A) 特開 平6−188786(JP,A) 特開 平6−177801(JP,A) 特開 平6−188787(JP,A) 特開 平7−235917(JP,A) 特開2000−183991(JP,A) 江崎 智宏, 会田 幸作, 岡本 貞二,“周波数オフセット補償機能をも つ判定帰還型等化器の検討”,1991年電 子情報通信学会春季全国大会講演論文集 分冊2,1991年 3月15日,p.2− 388,(B−388) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/76 H04B 3/00 H04B 7/00 H04L 27/00

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号の符号間干渉を除去する等化フ
    ィルタ手段と、 前記等化フィルタ手段から出力された等化信号を1シン
    ボル遅延した等化信号に基づいて座標軸を形成し、該座
    標軸に対して所定の角度をなす信号点候補から現シンボ
    ルの信号点を決定する符号判定手段と、 前記現シンボルの信号点と前記等化フィルタ手段から出
    力された等化信号との位相差を表わす位相誤差信号を生
    成する誤差算出手段と、 前記位相誤差信号を累積加算して位相誤差累積加算信号
    を生成する位相誤差信号累積手段と、 前記位相誤差累積加算信号と前記等化フィルタ手段に入
    力される入力信号とを複素演算し、該入力信号に含まれ
    る周波数オフセットを補償する複素演算手段と、 を有することを特徴とする波形等化器。
  2. 【請求項2】 受信信号の符号間干渉を除去する等化フ
    ィルタ手段と、 固定された座標軸に対して所定の角度をなす信号点候補
    から現シンボルの信号点を決定する固定符号判定手段
    と、 前記現シンボルの信号点と前記等化フィルタ手段から出
    力された等化信号との位相差を表わす位相誤差信号を生
    成する誤差算出手段と、 前記位相誤差信号を累積加算して位相誤差累積加算信号
    を生成する位相誤差信号累積手段と、 前記位相誤差累積加算信号と前記等化フィルタ手段に入
    力される入力信号とを複素演算し、該入力信号に含まれ
    る周波数オフセットを補償する複素演算手段と、 を有することを特徴とする波形等化器。
  3. 【請求項3】 受信信号の符号間干渉を除去する等化フ
    ィルタ手段と、 前記等化フィルタ手段から出力された等化信号を1シン
    ボル遅延した等化信号に基づいて座標軸を形成し、該座
    標軸に対して所定の角度をなす信号点候補から現シンボ
    ルの信号点を決定する符号判定手段と、 固定された座標軸に対して所定の角度をなす信号点候補
    から現シンボルの信号点を決定する固定符号判定手段
    と、 前記符号判定手段または前記固定符号判定手段により決
    定された前記現シンボルの信号点と前記等化フィルタ手
    段から出力された等化信号との位相差を表わす位相誤差
    信号を生成する誤差算出手段と、 前記等化信号が入力されて所定時間経過するまでは前記
    符号判定手段により現シンボルの信号点を決定させ、該
    所定時間経過した後は前記固定符号判定手段により現シ
    ンボルの信号点を決定させる切換手段と、 前記位相誤差信号を累積加算して位相誤差累積加算信号
    を生成する位相誤差信号累積手段と、 前記位相誤差累積加算信号と前記等化フィルタ手段に入
    力される入力信号とを複素演算し、該入力信号に含まれ
    る周波数オフセットを補償する複素演算手段と、 を有することを特徴とする波形等化器。
  4. 【請求項4】 前記位相誤差信号累積手段は、前記位相
    誤差信号に対して等化開始からの累積時間に比例した重
    み付けを行うことを特徴とする請求項1、2または3に
    記載の波形等化器。
  5. 【請求項5】 前記誤差算出手段は、前記符号判定器を
    前記固定符号判定器に切り替えるタイミングにおいて、
    前記位相誤差累積加算信号の直交成分を約2倍にするこ
    とを特徴とする請求項3または4に記載の波形等化器。
  6. 【請求項6】 前記受信信号の周波数を中間周波数に変
    換する周波数変換手段と、 前記位相誤差累積加算信号から推定された周波数オフセ
    ットに基づいて、前記入力信号に含まれる周波数オフセ
    ットを補償するように前記周波数変換手段への局部発振
    信号の周波数を制御する周波数制御手段と、 をさらに有することを特徴とする請求項1、2、3、4
    または5に記載の波形等化器。
  7. 【請求項7】 受信信号の符号間干渉を除去する等化フ
    ィルタステップと、 前記等化フィルタステップから出力された等化信号を1
    シンボル遅延した等化信号に基づいて座標軸を形成し、
    該座標軸に対して所定の角度をなす信号点候補から現シ
    ンボルの信号点を決定する符号判定ステップと、 前記現シンボルの信号点と前記等化フィルタステップか
    ら出力された等化信号との位相差を表わす位相誤差信号
    を生成する誤差算出ステップと、 前記位相誤差信号を累積加算して位相誤差累積加算信号
    を生成する位相誤差信号累積ステップと、 前記位相誤差累積加算信号と前記等化フィルタステップ
    に入力される入力信号とを複素演算し、該入力信号に含
    まれる周波数オフセットを補償する複素演算ステップ
    と、 を有することを特徴とする周波数オフセット補償方法。
  8. 【請求項8】 受信信号の符号間干渉を除去する等化フ
    ィルタステップと、 固定された座標軸に対して所定の角度をなす信号点候補
    から現シンボルの信号点を決定する固定符号判定ステッ
    プと、 前記現シンボルの信号点と前記フィルタステップから出
    力された等化信号との位相差を表わす位相誤差信号を生
    成する誤差算出ステップと、 前記位相誤差信号を累積加算して位相誤差累積加算信号
    を生成する位相誤差信号累積ステップと、 前記位相誤差累積加算信号と前記等化フィルタステップ
    に入力される入力信号とを複素演算し、該入力信号に含
    まれる周波数オフセットを補償する複素演算ステップ
    と、 を有することを特徴とする周波数オフセット補償方法。
  9. 【請求項9】 受信信号の符号間干渉を除去する等化フ
    ィルタステップと、 前記等化フィルタステップから出力された等化信号を1
    シンボル遅延した等化信号に基づいて座標軸を形成し、
    該座標軸に対して所定の角度をなす信号点候補から現シ
    ンボルの信号点を決定する符号判定ステップと、 固定された座標軸に対して所定の角度をなす信号点候補
    から現シンボルの信号点を決定する固定符号判定ステッ
    プと、 前記符号判定ステップまたは前記固定符号判定ステップ
    により決定された前記現シンボルの信号点と前記等化フ
    ィルタステップから出力された等化信号との位相差を表
    わす位相誤差信号を生成する誤差算出ステップと、 前記等化信号が入力されて所定時間経過するまでは前記
    符号判定ステップにより現シンボルの信号点を決定さ
    せ、該所定時間経過した後は前記固定符号判定ステップ
    により現シンボルの信号点を決定させる切換ステップ
    と、 前記位相誤差信号を累積加算して位相誤差累積加算信号
    を生成する位相誤差信号累積ステップと、 前記位相誤差累積加算信号と前記等化フィルタステップ
    に入力される入力信号とを複素演算し、該入力信号に含
    まれる周波数オフセットを補償する複素演算ステップ
    と、 を有することを特徴とする周波数オフセット補償方法。
  10. 【請求項10】 前記誤差算出ステップは、前記符号判
    定ステップを前記固定符号判定ステップに切り替えるタ
    イミングにおいて、前記位相誤差累積加算信号の直交成
    分を約2倍にすることを特徴とする請求項9に記載の周
    波数オフセット補償方法。
  11. 【請求項11】 前記受信信号の周波数を中間周波数に
    変換する周波数変換ステップと、前記位相誤差累積加算
    信号から推定された周波数オフセットに基づいて、前記
    入力信号に含まれる周波数オフセットを補償するように
    前記周波数変換ステップで用いる局部発振信号の周波数
    を制御する周波数制御ステップとをさらに有することを
    特徴とする請求項7、8、9または10に記載の周波数
    オフセット補償方法。
  12. 【請求項12】 請求項7、8、9、10または11に
    記載の周波数オフセット補償方法をコンピュータに実行
    させるためのプログラム。
  13. 【請求項13】 請求項7、8、9、10または11に
    記載の周波数オフセット補償 方法をコンピュータに実行
    させるためのプログラムとして記録したコンピュータに
    より読み取り可能な記録媒体。
  14. 【請求項14】 請求項1、2、3、4、5または6に
    記載の波形等化器、請求項12に記載のプログラム、或
    いは、請求項13に記載の記録媒体を有することを特徴
    とする移動局無線装置。
  15. 【請求項15】 請求項1、2、3、4、5または6に
    記載の波形等化器、請求項12に記載のプログラム、或
    いは、請求項13に記載の記録媒体を有することを特徴
    とする基地局無線装置。
  16. 【請求項16】 請求項1、2、3、4、5または6に
    記載の波形等化器、請求項12に記載のプログラム、或
    いは、請求項13に記載の記録媒体を有することを特徴
    とする移動通信システム。
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江崎 智宏, 会田 幸作, 岡本 貞二,"周波数オフセット補償機能をもつ判定帰還型等化器の検討",1991年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集 分冊2,1991年 3月15日,p.2−388,(B−388)

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