JP3494218B2 - エンジンの吸気通路可変型吸気装置 - Google Patents

エンジンの吸気通路可変型吸気装置

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JP3494218B2 JP2000239714A JP2000239714A JP3494218B2 JP 3494218 B2 JP3494218 B2 JP 3494218B2 JP 2000239714 A JP2000239714 A JP 2000239714A JP 2000239714 A JP2000239714 A JP 2000239714A JP 3494218 B2 JP3494218 B2 JP 3494218B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動二輪
車のような車両に搭載されるエンジンであって、吸気通
路の長さを可変としたエンジンの吸気装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】エンジンの運転時には、吸気通路の長さ
に応じた吸気振動が発生し、この吸気振動がエンジン性
能(充填効率)に影響を及ぼすことが知られている。そ
こで、従来では、エンジンの回転数に対応して吸気通路
の長さを調整することが行われている。例えばエンジン
の吸気通路の上流側に蛇腹状の管を接続して、この管を
伸縮させることにより吸気通路の長さを可変とした吸気
装置が提案されている(特開平9ー133055号公
報)。さらに、吸気通路の長さ方向の中途に開口部を形
成するとともに、この開口部をスライド管により開閉す
ることにより、吸気通路の実質長さを可変とした吸気装
置も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
吸気装置は、吸気管の長手方向にスライドするスライド
管を設けているのために、車載時に吸気通路の可変長さ
は、ほぼ50mm程度しか確保できないので、十分な効
果が得られにくい。しかも、多気筒型エンジンの場合は
各気筒ごとに前記スライド管を設ける必要があるので、
構造が複雑化する。また、スライド操作で吸気通路の長
さを調整するときに音が発生することもある。
【0004】以上のことを解決するため、エンジンの吸
気通路の上流側に通路長の短い短通路と通路長の長い長
通路を設け、これら長,短通路の分岐部に回転バルブを
設けて、これの回転操作により前記各通路をエンジン回
転数の大小に応じて選択的に開放させることが考えられ
る。これによれば、比較的狭い空間内にコンパクトに設
置することができ、また各通路の切り替え時に音も発生
しない。
【0005】ところが、このような回転式の2段切替型
吸気装置では、エンジンの回転数に応じて長,短通路を
切り替えるときのトルクの変化が大きくなって、エンジ
ンの滑らかな出力特性が得られない。また、切替えの効
果を大きくするために、長・短通路の通路長の差を大き
くすると、必然的に長通路が長くなる結果、長通路を使
用する低回転域において回転数を上昇または減少の一方
向のみに単調に変化させても、トルク値に山谷が発生
し、やはりエンジンの滑らかな出力特性が得られない。
【0006】そこで、本発明の目的は、広い回転域にお
いて高い充填効率を確保しながら、トルクの変化を小さ
くしてエンジンの出力特性を向上させることができる吸
気装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の吸気装置は、エンジンの吸気通路
複数有し、各吸気通路の上流側が通路長の短い短通路と
短通路よりも通路長の長い長通路とに分岐しており、そ
の分岐部に、前記短通路と長通路とをエンジン回転数の
大小に応じて選択的に開放する回転バルブが設けられ、
前記複数の長通路は、2つ以上の相異なる通路長さに設
定されている。
【0008】この吸気装置では、長,短通路が設けら
れ、短通路と長通路とをエンジン回転数の大小に応じて
選択的に開放するので、広い回転域において吸気振動を
吸気タイミングに合わせることができ、エンジンの高い
充填効率が確保される。しかも、前記長通路は通路長さ
の異なる複数本が設けられているので、エンジンの回転
数に応じて長,短通路を切り替えるとき、トルクの山谷
が互いに相殺され、山谷の差が小さくなってエンジンの
出力特性が向上する。また、従来のスライド式のものに
較べて比較的狭い空間内にコンパクトに設置することが
可能であり、また各通路の切り替え時に音も発生しな
い。
【0009】請求項2記載の吸気装置は、エンジンの吸
気通路の上流側が通路長の短い短通路と短通路よりも通
路長さの長い長通路とに分岐しており、その分岐部に、
前記短通路と長通路とをエンジン回転数の大小に応じて
選択的に開放する回転バルブが設けられ、この回転バル
ブの弁体に、弁体が短通路を開放する第1の弁位置と長
通路を開放する第2の弁位置との間の位置にあるときに
吸気通路の両側部を広く開放するように切込み部が形成
されている。
【0010】この吸気装置では、やはり、短通路と長通
路との切替えによってエンジンの高い充填効率が確保さ
れる。さらに、回転バルブの弁体を短,長通路の間で切
り替えるとき、つまりエンジン回転数を低,高速に切り
替えるとき、その過渡状態において前記弁体に設けた切
込み部により弁体の両側に広い吸気通路が確保されて、
短,長通路から十分な量の空気がエンジン側に送られる
ので、エンジンの回転数を切り替えるときのトルクの変
化が小さくなってエンジンの出力特性が向上する。
【0011】
【0012】
【0013】 請求項3記載の吸気装置は、請求項1の
構成において、エンジンが複数の気筒を持ち、前記短通
路および長通路が前記各気筒に1つずつ設けられ、前記
複数の長通路は、比較的短い少なくとも1つの第1通路
と、これよりも長い少なくとも1つの第2通路を有して
いる。この構成によれば、前記長通路として長さの異な
る第1および第2通路を用い、これらを各気筒ごとに割
り当てたことにより、トルク特性がフラットになるた
め、短、長通路の切替え回転数において短通路と同等の
トルクを発生するように設定可能となることから、複数
気筒において長,短通路を切り替えるときのトルクの変
化が小さくなってエンジンの出力特性が向上する。しか
も、長,短通路が通常配置されるエアクリーナケース
は、一般に両端が内側へ絞られた形状をしているので、
このエアクリーナケースの形状に応じて長い第2通路を
ケース中央に、短い第1通路をケース壁近傍に配置する
ことにより、これら第1,第2通路のケース内への配置
が無理なく行える。
【0014】 請求項4記載の吸気装置は、請求項1か
ら3のいずれかの構成において、前記吸気通路に設けら
れたスロットルバルブの閉止動作に連動して、前記回転
バルブを吸気通路を狭くすることにより吸気量を適正化
する吸気量適正化位置に回動させる吸気量適正化手段を
備えている。この構成によれば、スロットルバルブを閉
止動作させたとき、回転バルブは吸気量適正化手段によ
り強制的に、目標とするトルクが得られるよう吸気量適
正化位置に設定されるので、前記スロットルバルブを閉
止位置から急開したような場合でも、トルクを目標どお
りに制御する、いわゆるトラクションコントロールを行
うことにより、エンジン出力の急激な増大が抑制されて
出力特性が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の吸気装
置を装着した4気筒4サイクルエンジンの一部を切欠い
た側面図を示している。このエンジンは自動二輪車のよ
うな車両に搭載される。同図の吸気装置1は、エンジン
2の各気筒21の吸気口フランジ22に接続され、スロ
ットルバルブ31を内装したスロットルボディ3と、こ
れの上流側に接続される吸気管4と、各吸気管4が配置
されるエアクリーナケース5を備えている。また、スロ
ットルボディ3から吸気管4にかけて、その内部に吸気
通路6を形成している。図中、32はスロットルボディ
3に取り付けた燃料噴射器、51はエアクリーナケース
5に形成した空気導入孔であり、図示しない吸気ダクト
を介して車両の前方部分に向けて開口している。
【0016】図2は図1のIIーII線に沿ったエアクリー
ナケース5の断面図、図3は吸気管4の側断面図を示し
ている。この吸気管4は、図3に示すように、側面視Y
形状に形成されており、前記スロットルボディ3(図
1)に連結されて吸気通路6の基部通路40を形成する
基部ダクト40Aの上流側に、通路長の短い短通路41
を形成する短ダクト41Aと、この短通路41よりも通
路長の長い長通路42を形成する長ダクト42Aとが一
体形成されている。図2に示すように、これら基部ダク
ト40Aと短,長ダクト41A,42Aを1組として、
合計4組がエンジン1の幅方向に並べて設けられてい
る。
【0017】図3に示す前記吸気管4の内部には短,長
通路41,42の分岐部43を貫通する円形孔44が形
成され、この円形孔44に、サーボモータのような駆動
機により回転駆動される回転バルブ7が挿入されてい
る。こうして、前記短,長通路41,42の分岐部43
に回転バルブ7に設けた弁体70を配置し、この弁体7
0により前記短,長通路41,42をエンジン回転数の
大小に応じて選択的に開放させる。
【0018】前記長ダクト42は、図2に示すように、
長さが比較的短い第1通路42aを形成する2本の第1
ダクト42Aaと、これよりも長い第2通路42bを形
成する2本の第2ダクト42Abを備え、これら第2通
路42bを吸気管4の幅方向中央に配置し、第1通路4
2aを第2通路42bの両側に配置し、これら通路42
a,42bを一直線上に位置させている。このようにす
れば、前記吸気管4が配置されるエアクリーナケース5
は、通常両端が内側に絞られた形状をしているので、こ
のケース5内に第1および第2通路42a,42bを配
置するのを、無理なく容易に行える。
【0019】図3に示す回転バルブ7の回転軸心G1
は、短通路41と長通路42の通路中心線P1,P2が
交わる通路交点G2よりも両通路41,42の上流寄り
に設定している。また、前記短,長通路41,42間で
の回転バルブ7の切り替え操作性を高めるため、前記通
路交点G2を通る上流側吸気通路6の通路中心線P3に
対する前記通路中心線P1,P2の各角度θ1,θ2を
それぞれ同一角度に設定している。
【0020】前記回転バルブ7は、図4の正面図に示す
ように、側面視円形の胴部71と、これの両端の中心上
に突設された軸部72とを有しており、胴部71には、
図3の吸気管4の各通路41,42と対応する4個所
に、図4のV−V線に沿った断面図である図5に示すよ
うに、切欠部73を形成し、その切欠された残部に、前
記短,長通路41,42(図3)を開閉する横断面三日
月状の前記弁体70を形成している。弁体70は、各気
筒21(図1)に1つずつ対応させて、合計4個設けら
れている。
【0021】前記切欠部73の奥内部にあたる弁体70
の内面70aは、バルブ軸方向と直交する横断面がR1
の曲率半径を持ち、図6に示すバルブ軸方向に沿った縦
断面がR2の曲率半径を持つ弯曲面となっている。R1
はR2よりも大きく設定されている。さらに、図4の弁
体70の長手方向両側には、この弁体70が図3の短通
路41を開放する第1の弁位置(図8)と、長通路42
を開放する第2の弁位置(図7)との中間に位置すると
き、図4の弁体70の両側に広い吸気通路6を確保する
ための円弧状の切込み部74が形成されている。
【0022】次に、以上の構成による作用について説明
する。図7はエンジンを低速回転する場合の回転バルブ
7の弁体70の位置を、図8はエンジンを高速回転する
場合の弁体70の位置をそれぞれ示している。エンジン
の低速回転時には、図7のように、スロットルボディ3
に設けたスロットルバルブ31が適宜の開度(図7では
半開状態)に設定され、一方回転バルブ7は、その弁体
70が吸気管4の短通路41の位置に設定されて、この
短通路41を閉鎖し、長通路42を開放する。この長通
路42の開放により吸気通路6を長くして、発生する吸
気振動を低速回転時の吸気タイミングに適合させ、これ
によりエンジンの充填効率を高める。
【0023】また、エンジンの高速回転時には、図8の
ように、前記スロットルバルブ31が全開またはそれに
近い状態とされ、一方回転バルブ7の弁体70は、前記
短通路41の位置から長通路42の位置に回転されて、
この長通路42を閉鎖し、短通路41を開放する。この
短通路41の開放により吸気通路6を短くして、吸気振
動を高速回転時の吸気タイミングに適合させ、これによ
りエンジンの充填効率を高める。
【0024】このように、前記吸気管4には、基部通路
40と短,長通路41,42とを1組として合計4組が
設けられ、また長通路42は、長さの短い2本の第1ダ
クト42aと、長さの長い2本の第2ダクト42bから
形成されているので、エンジンの低,高速回転時に、
短,長通路41,42をエンジンの回転数に応じて切り
替えるとき、トルクの変化が小さくなる。この点に関し
ては、後で詳述する。
【0025】また、前記弁体70を短,長通路41,4
2の位置に回転させたとき、弁体70の内面には、基部
通路40と、短通路41もしくは長通路42とを滑らか
に連結する弯曲した円弧面70aが形成されているの
で、短,長通路41,42を選択的に開放して吸気する
ときの吸気抵抗の増大が抑制される。さらに、図3に示
す回転バルブ7の回転軸心G1は、前記短,長通路4
1,42の通路中心線P1,P2が交わる通路交点G2
よりも、短,長通路41,42の上流寄りに設定されて
いるので、前記回転バルブ7の径を小さくして軽量化
し、小さな駆動力で迅速に回転させることができる。し
たがって、低速と高速の間の切替時間が短くなるので、
切替えの途中に生じるトルク変化の継続時間が短くなっ
て、エンジンの出力特性が向上する。また、前記通路交
点G2を通る上流側通路中心線P3に対し、前記通路中
心線P1,P2の各角度θ1,θ2がそれぞれ同一角度
に設定されているので、短、長いずれの通路41,42
に切り替えた場合でも、通路41,42が上流側通路と
滑らかに接続される。
【0026】図9は、前記回転バルブ7の弁体70が、
短通路41を開放する第1の弁位置(図8)と長通路4
2を開放する第2の弁位置(図7)との中間に位置した
状態を示している。図10は図9の矢印X方向から見た
矢視図を示している。図10に示すように、弁体70の
両側部には切込み部74が設けられているので、前記弁
体70が図9の状態にあるとき、つまり、エンジンが低
速回転から高速回転に移行する過渡状態で、前記弁体7
0が短,長通路41,42の間に位置しているとき、前
記切込み部74により弁体70の両側部分に広い吸気通
路6が確保されて、短,長通路41,42から十分な量
の空気がエンジン側に送られる。このため、低速から高
速へ切り替えるときのトルクの変化が小さくなる。
【0027】図11は、エンジンの回転を急激に低下さ
せるような場合にスロットルバルブ31を全閉位置にし
た状態を示している。このように、スロットルバルブ3
1が全閉位置にあるときには、前記回転バルブ7を、そ
の弁体70が基部通路40を塞ぐ位置と長通路42を塞
ぐ位置の中間位置で、吸気通路6を狭くして吸気量を適
正化する吸気量適正化位置に、強制的に回転させる。回
転バルブ7の吸気量適正化位置は、図11に二点鎖線で
示すように、基部通路40を塞ぐ位置と短通路41を塞
ぐ位置の中間位置としてもよい。
【0028】図12は前記回転バルブ7を回動させるた
めの制御ブロック図を示している。同図では、コントロ
ーラ8に、前記回転バルブ7の切替手段81と優先制御
手段82および吸気制御手段83を設けて、この切替手
段81の入力側にエンジンの回転数を検出するエンジン
回転検出センサ84を、また吸気制御手段83の入力側
に前記スロットルバルブ31の開度を検出するスロット
ル開度検出センサ85をそれぞれ接続するとともに、前
記優先制御手段82の出力側に、回転バルブ7を駆動す
るサーボモータのような駆動機87を接続している。
【0029】前記開度検出センサ85で検出するスロッ
トルバルブ31の開度が吸気量適正化対象位置(例えば
全閉位置)外にあるとき、切替手段81からの出力が前
記優先制御手段82を通って駆動機87に入力される。
このとき、回転検出センサ84で検出するエンジンの回
転数が一定値以下であれば、駆動機87の作動により回
転バルブ7を回転させて、図7に示した低速位置に弁体
70を位置させ、エンジン回転数が一定値を越えている
場合、図8に示した高速用位置に弁体70を位置させ
る。
【0030】さらに、スロットルバルブ31の開度が吸
気量適正化対象(全閉位置)にあるとき、吸気量適正化
手段83からの出力が優先制御手段82を通って優先的
に駆動機87に入力され、回転バルブ7を、図11に示
した吸気量適正化位置に強制的に回動させる。このよう
にすれば、吸気通路が狭くなって、目標とするトルクが
得られるように吸気量が適正化されるから、ライダーが
前記スロットルバルブ31を閉止位置から急開したよう
な場合でも、トルクを目標どおりに制御する、いわゆる
トラクションコントロールを行うことにより、エンジン
出力の急激な増大が抑制されて出力特性が向上する。
【0031】図13は、縦軸にエンジントルクを、横軸
にエンジン回転数をとったエンジン性能の基礎データを
示す特性グラフである。図13において、点線Aは吸気
管に長さaのダクトを設けた場合を、二点鎖線Bは長さ
a+α(α=45±10mm)のダクトを設けた場合
を、実線Cは長さaとa+αの2つのダクトを設けた場
合をそれぞれ示している。前記Bから明らかなように、
Aに対し長さa+αのダクトを設ける場合は、エンジン
の低回転数領域において高いトルクが得られるが、エン
ジンの回転数によってトルクの山谷が頻繁に発生し、ま
たトルク値の変化の回転数による差も大きくなる。
【0032】しかも、前記AとBは互いに逆相となって
発生する。このため、前記AとBの特性をもつダクトを
各気筒に設けるとき、これらAとBは、線で重なる領域
がなく、点でしか交差しないので、A,Bの間で大きな
トルク差を招くことなく切り替えるのが難しい。つま
り、AとBの交差点Qに対応する一定回転数で切替えを
行うように制御しても、実際の切替えでは、この交差点
Qから外れる場合が多いが、交差点Qを僅かでも外れて
BからAへ切り替えを行うと、高速用Aと低速用B間の
トルクギャップG1が大きいので、エンジンの出力特性
を低下させる。ところが、前記Cのように、aと2aの
異なる長さを組み合わせた場合は、前記A,Bの山谷の
差が互いに打ち消されて、比較的滑らかな勾配となるの
で、交差点Qを外れた回転数でCからAへ切り替えて
も、トルクギャップG2は小さい。
【0033】図14は縦軸にエンジントルクを、横軸に
エンジン回転数をとった本発明のエンジンの性能を示す
特性図である。同図において、実線Dは吸気管に短通路
として所定長さbの通路を設けた場合を、破線Eは長通
路として、前記bよりも長い長さb+cの通路と、長さ
b+c+α(α=45±10mm)の通路を設けた場合
をそれぞれ示している。図14から明らかなように、前
記破線Eは、比較的ゆるやかな勾配となるだけではな
く、エンジンの回転数が一定の領域Sにあるとき、前記
実線Dに近接する。よって、この近接する領域S内の位
置Fにおいて低速用のEから高速用のDへトルク差を招
くことなく容易に切り替えられる。また、破線Eは低速
から中速領域にわたる広い領域で高いトルク性能を有し
ているので、この破線Eと高速領域で高いトルク性能が
得られる前記実線Dを組み合わせて、これらの線E,D
を前記F位置で連続させた同図の太い破線および太い実
線に沿ってエンジンの制御を行うことにより、低速から
高速の広い領域にわたって大きなトルクが得られる。
【0034】以上の実施形態では、4気筒4サイクルエ
ンジンについて説明したが、本発明はこれ以外の2気筒
や多気筒4サイクルエンジンおよび多気筒2サイクルエ
ンジンにも適用できる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明の吸気装置によれ
ば、広い回転域において高い充填効率を確保しながら、
長短通路を切り替えるときのトルクの変化を小さくし
て、エンジンの出力特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸気装置を装着した4サイクルエンジ
ンの一部を切欠いた側面図である。
【図2】図1のIIーII線に沿ったエアクリーナケー
スの断面図である。
【図3】吸気管の縦断面図である。
【図4】回転バルブの正面図である。
【図5】図4のV−V線方向から見た回転バルブの断面
図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿った回転バルブの断面
図である。
【図7】エンジンの低速回転を行う場合の回転バルブの
位置を示す吸気管の縦断面図である。
【図8】エンジンの高速回転を行う場合の回転バルブの
位置を示す吸気管の縦断面図である。
【図9】回転バルブの弁体が短通路を開放する第1の弁
位置と長通路を開放する第2の弁位置との中間に位置し
た状態を示す吸気管の縦断面図である。
【図10】図9の矢印X方向から見た矢視図である。
【図11】前記回転バルブの弁体が吸気量適正化位置に
位置された状態を示す吸気管の縦断面図である。
【図12】回転バルブを制御するための制御回路を示す
ブロック図である。
【図13】エンジン性能の基礎データを示す特性図であ
る。
【図14】本発明のエンジン性能を示す特性図である。
【符号の説明】
2…エンジン、4…吸気管、6…吸気通路、7…回転バ
ルブ、21…気筒、31…スロットルバルブ、41…短
通路、42…長通路、42a…第1通路、42b…第2
通路、43…分岐部、70…弁体、74…切込み部、8
3…吸気量適正化手段、P1,P2…通路中心線、G1
…回転バルブの回転軸心、G2…通路交点
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 27/02 F02M 35/10 F02M 35/104 F02M 35/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの吸気通路を複数有し、各吸気
    通路の上流側が通路長の短い短通路と短通路よりも通路
    長の長い長通路とに分岐しており、 その分岐部に、前記短通路と長通路とをエンジン回転数
    の大小に応じて選択的に開放する回転バルブが設けら
    れ、 前記複数の長通路は、2つ以上の相異なる通路長さに設
    定されている吸気装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの吸気通路の上流側が通路長の
    短い短通路と短通路よりも通路長さの長い長通路とに分
    岐しており、 その分岐部に、前記短通路と長通路とをエンジン回転数
    の大小に応じて選択的に開放する回転バルブが設けら
    れ、 前記回転バルブの弁体に、弁体が短通路を開放する第1
    の弁位置と長通路を開放する第2の弁位置との間の位置
    にあるときに吸気通路の両側部を広く開放するように、
    切込み部が形成されている吸気装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、エンジンは複数の気
    筒を持ち、前記短通路および長通路は前記各気筒に1つ
    ずつ設けられ、前記複数の長通路は、比較的短い少なく
    とも1つの第1通路と、これよりも長い少なくとも1つ
    の第2通路を有している吸気装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかにおいて、前
    記吸気通路に設けられたスロットルバルブの閉止動作に
    連動して、前記回転バルブを吸気通路を狭くすることに
    より吸気量を適正化する吸気量適正化位置に回動させる
    吸気量適正化手段を備えた吸気装置。
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