JP3493685B2 - 高炉の溶銑/溶滓落口部回り集塵装置 - Google Patents

高炉の溶銑/溶滓落口部回り集塵装置

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JP3493685B2
JP3493685B2 JP14439193A JP14439193A JP3493685B2 JP 3493685 B2 JP3493685 B2 JP 3493685B2 JP 14439193 A JP14439193 A JP 14439193A JP 14439193 A JP14439193 A JP 14439193A JP 3493685 B2 JP3493685 B2 JP 3493685B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高炉の溶銑/溶滓落口部
回り集塵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉からの出銑は、炉体の出銑口から出
銑樋に溶銑せしめられ、スキンマで銑滓分離した後、
(a) 溶銑は溶銑樋から傾注樋に流下させ、ひいては傾注
樋から左右の溶銑鍋(トピードカー)に切換的に落下し
て連続的に受銑せしめられ、(b)溶滓は溶滓樋から傾注
樋に落下し、ひいては傾注樋から左右の溶滓鍋に切換的
に落下して連続的に受滓せしめられる。
【0003】然るに、上記(a) の溶銑樋から傾注樋への
溶銑落口部、傾注樋から溶銑鍋への溶銑落口部は相当の
発塵領域となる。また、上記(b) の溶滓樋から傾注樋へ
の溶滓落口部、傾注樋から溶滓鍋への溶滓落口部も相当
の発塵領域となる。
【0004】そこで、従来技術では、上記(a) の溶銑落
下部では溶銑樋及び傾注樋を集塵フードで囲み、このフ
ードに接続した吸引ダクトにてフード外への発塵を防止
し、或いは上記(b) の溶滓落下部では溶滓樋及び傾注樋
を集塵フードで囲み、このフードに接続した吸引ダクト
にてフード外への発塵を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、集塵フー
ドには、溶銑鍋/溶滓鍋の受銑/受滓レベルの監視、傾
注樋の監視のための開口、或いは近年実施されている溶
銑予備処理用の脱珪ランス挿入口を開けている。また、
前記(a) の溶銑落下部、(b) の溶滓落下部のいずれにお
いても、集塵フードは溶銑鍋、溶滓鍋の通過領域を囲む
ことができず、集塵フードは溶銑鍋の受銑口、溶滓鍋の
受滓口との間に一定の空間Gを設けている。そして、
集塵フードと、受銑口に付着する溶銑、受滓口に付着す
る溶滓との干渉を避けるため、上記空間Gは比較的大と
されており、左右一方の溶銑鍋、溶滓鍋の満杯時に、
傾注樋を他方の溶銑鍋、溶滓鍋へと切換え、満杯の溶銑
鍋、溶滓鍋を空の溶銑鍋、溶滓鍋と入れ替える際に、上
記空間Gは更に大となる。このため、集塵吸引風量の増
大或いは集塵吸引風量の不足を招き易い。
【0006】従来、この集塵のための吸引風量を低減す
る手段として実開昭62-11156号並びに実開昭62-23847号
公報にかかる技術の開示がある。これらは、集塵のため
の吸引風量を含塵ガスを冷却することによりガスボリュ
ームを下げ、効率的集塵を成すもので、含塵ガスを捕集
するフードと集塵装置間を結ぶダクトを冷却方式とする
ことで実現している。
【0007】ところが、集塵フードには前述の溶銑鍋/
溶滓鍋の受銑/受滓レベルの監視、傾注樋の監視のため
の開口、或いは溶銑予備処理用の脱珪ランス挿入口が開
けられており、また、集塵フードと溶銑鍋或いはトピー
ドカーの受銑口、溶滓鍋の受滓口との空間Gが上述の如
くに大となることから、これらの開口や空間Gからフー
ド外の冷風をも吸引するものとなり、集塵フードの吸引
風量が増大し、このため、冷却による集塵ガスのガスボ
リュームの低減手段でも、ダクトの冷却効率の問題もあ
って、集塵風量低減効果は予想されるほど大きくなく、
より効率の良い集塵装置が望まれていた。
【0008】また、集塵フード内における集塵効率が悪
いと、溶銑/溶滓落口部の視界をその発塵により不良と
し、溶銑鍋/溶滓鍋の受銑/受滓レベルの監視、傾注樋
の監視、脱珪ランス挿入位置の制御を困難にし、生産効
率を低下せしめるものとなる。
【0009】本発明は、溶銑/溶滓落口部回りでの集塵
効率を大幅に向上し、集塵風量を削減しながら十分な集
塵を可能とし、ひいては生産効率を向上可能とすること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、溶銑樋/溶滓樋から傾注樋への第1の溶銑/溶滓落
口部と、傾注樋から溶銑鍋/溶滓鍋への第2の溶銑/溶
滓落口部とを集塵フードによって覆ってなる、高炉の溶
銑/溶滓落口部回り集塵装置において、第1の溶銑/溶
滓落口部の周囲で傾注樋上部の水平方向に、エア吹出し
ヘッドを配設し、該エア吹出しヘッドからの吹出しエア
によって形成されるエアカーテンの伴流作用によって該
落口部回りに旋回気流を形成し、該旋回気流の軸方向の
上方にはエア吸引口を設け、上記エア吹出しヘッドとエ
ア吸引口の同時運転により上記落口部に水平方向に沿う
人工竜巻を発生させるとともに、第2の溶銑/溶滓落口
部の周囲の鉛直方向に、エア吹出しヘッドを立設し、該
エア吹出しヘッドからの吹出しエアによって形成される
エアカーテンの伴流作用によって該落口部回りに旋回気
流を形成し、該旋回気流の軸方向の上方にはエア吸引口
を設け、上記エア吹出しヘッドとエア吸引口の同時運転
により上記落口部に鉛直方向に沿う人工竜巻を発生させ
るようにしたものである。
【0011】請求項2に記載の本発明は、請求項1記載
の本発明において更に、前記第1と第2の各溶銑/溶滓
落口部回りの集塵フード内壁面を、それらの落口部に発
生せしめられる人工竜巻の中心軸と略同軸をなす円筒面
の一部にて形成し、人工竜巻の発生を助長せしめるよう
にしたものである。
【0012】請求項3に記載の本発明は、請求項1記載
の本発明において更に、前記第2の溶銑/溶滓落口部の
周囲に立設されるエア吹出しヘッドを集塵フードとの接
続部側で水平方向に曲げることにて第1の溶銑/溶滓落
口部の周囲に配設されるエア吹出しヘッドと隣接配置
し、或いは前記第1の溶銑/溶滓落口部の周囲に配設さ
れるエア吹出しヘッドを集塵フードとの接続部側で鉛直
方向に曲げることにて第2の溶銑/溶滓落口部の周囲に
立設されるエア吹出しヘッドと隣接配置し、更に、上述
の如くに隣接配置された両エア吹出しヘッドのそれぞれ
が発生させる人工竜巻の回転方向を互いに逆方向の関係
に設定し、両人工竜巻を互いに助長せしめると同時に干
渉を防ぐようにしたものである。
【0013】請求項4に記載の本発明は、請求項1記載
の本発明において更に、前記第2の溶銑/溶滓落口部の
周囲に立設されるエア吹出しヘッドにおける、溶銑鍋/
溶滓鍋直上の集塵フード最下端部レベルに位置するエア
吹出しノズルのエア吹出し方向を、溶銑鍋/溶滓鍋の受
銑口/受滓口に向かう斜め下方に指向せしめ、集塵フー
ドと溶銑鍋/溶滓鍋との間の間隙に円筒形状のエアカー
テンを形成せしめるようにしたものである。
【0014】
【作用】本発明によれば、下記〜の作用効果があ
る。 溶銑/溶滓落口部回りに集塵フードを設けるととも
に、該落口部の周囲にエア吹出しヘッドと、エア吸引口
とを設け、このエア吹出しヘッドとエア吸引口によって
該落口部に人工竜巻を発生させた。従って、該落口部で
生じた発塵は、人工竜巻の渦流収束性により確実に集塵
フードの吸引ダクトに吸引捕集され、該落口部回りの集
塵を効率良く行なうことができる。
【0015】即ち、エア吹出しヘッドを溶銑樋/溶滓樋
から傾注樋への第1の溶銑/溶滓落口部の周囲で傾注樋
上部の水平方向に配設し、該落口部に水平方向に沿う人
工竜巻を発生させることにより、溶銑樋/溶滓樋から傾
注樋への第1の溶銑/溶滓落口部回りの集塵を効率良く
行なうことができる。
【0016】また、エア吹出しヘッドを傾注樋から溶銑
鍋/溶滓鍋への第2の溶銑/溶滓落口部の周囲に立設
し、該落口部に鉛直方向に沿う人工竜巻を発生させるこ
とにより、傾注樋から溶銑鍋/溶滓鍋への第2の溶銑/
溶滓落口部回りの集塵を効率良く行なうことができる。
【0017】上記により、溶銑/溶滓落口部回りで
の集塵効率を向上し、集塵風量を削減しながら十分な集
塵を可能とすることができる。これにより、作業環境の
改善、高炉建設費、運転費(電力費)の低減を実現でき
る。また、集塵フード内における発塵の広がりを人工竜
巻によって局所化し、溶銑/溶滓落口部の視界を向上さ
せ、溶銑鍋/溶滓鍋の受銑/受滓レベルの監視、傾注樋
の監視、脱珪ランス挿入位置の制御を容易化し、生産効
率を向上可能とする。
【0018】第1と第2の溶銑/溶滓落口部回りの集
塵フード内壁面を、それらの落口部に発生せしめられる
人工竜巻の中心軸と略同軸をなす円筒面の一部にて形成
することにより、人工竜巻の発生を助長し、より少ない
エネルギで人工竜巻を発生させ得るものとなる。
【0019】第1の溶銑/溶滓落口部の周囲に配設さ
れるエア吹出しヘッドと、第2の溶銑/溶滓落口部の周
囲に立設されるエア吹出しヘッドとを、集塵フードとの
接続部側で互いに並行となるようにいずれかのエア吹出
しヘッドを曲げ設定して隣接配置するとき、互いに隣接
することとなる人工竜巻の回転方向を互いに逆方向の関
係に設定することにより、隣接する人工竜巻の渦の接線
方向の流れが共通になる。この結果、両人工竜巻は互い
に助長し合うと同時に干渉しないものとなる。
【0020】溶銑鍋/溶滓鍋直上の集塵フード最下端
部レベルに位置する、エア吹出しヘッドのエア吹出しノ
ズルのエア吹出し方向を、旋回方向と同時に斜め下方に
も向けることにより、集塵フードと溶銑鍋/溶滓鍋の空
間に円筒形状のエアカーテンを形成し、当該空間からの
外部空気の吸引を防止し、集塵効率を確実に向上するも
のとなる。
【0021】
【実施例】図1は溶銑落口部回りの集塵装置の一実施例
を示す模式図、図2は図1のII-II 線に沿う断面図、図
3は図1のIII-III 線に沿う断面図、図4はエア吹出し
ヘッドによる旋回気流形成状態を示す模式図、図5は人
工竜巻の発生原理を示す模式図、図6は高炉鋳床レイア
ウトを示す模式図である。
【0022】高炉10からの出銑は、図6に示す如く、
炉体11に設けられた出銑口12を開孔機13で開孔
し、出銑口12の前面に延設してある出銑樋14に溶銑
を流し込み、出銑樋14に配設してあるスキンマ15で
銑滓分離した後、溶銑は溶銑樋16に流し、溶滓は溶滓
樋17に流すことにてなされる。そして、溶銑樋16に
流し込まれた溶銑は、脱珪打ち込み装置18により脱珪
剤を打ち込まれた後、傾注樋19により左右の溶銑鍋
(トピードカー)20に連続的に受銑せしめられる。ま
た、溶滓樋17に流し込まれた溶滓は、傾注樋21によ
り左右の溶滓鍋22に連続的に受滓せしめられる。尚、
出銑終了後、出銑口12はマッドガン23により閉塞さ
れる。
【0023】このとき、溶銑樋16から傾注樋19に落
下せしめられた溶銑は左右一方の溶銑鍋20に受銑さ
れ、この溶銑鍋20が満杯になると、傾動装置24によ
り傾注樋19を他方の溶銑鍋20に切換える。そして、
満杯になった上述の溶銑鍋20を空の溶銑鍋20と入れ
替える。これを繰り返すことにより、高炉10からの溶
銑を連続的に受銑可能とするのである(傾注樋切換方
式)。
【0024】ここで、溶銑樋16から傾注樋19への第
1の溶銑落口部A、傾注樋19から溶銑鍋20への第2
の溶銑落口部B、Cは、それぞれ相当の発塵領域とな
る。本実施例では、上述の落口部A、B、Cの溶銑樋1
6、傾注樋19を集塵フード30で囲み、この集塵フー
ド30に接続した吸引ダクト31A、31A、31B、
31Cにてフード30外への発塵を防止している。30
B、30Cはフード30に設けた溶銑落下口である。3
2は排気ファンである。
【0025】尚、集塵フード30には、溶銑鍋20の受
銑レベルの監視、傾注樋19の監視のための開口、或い
は溶銑予備処理用の脱珪ランス挿入口が開けられている
(不図示)。また、集塵フード30は溶銑鍋20の通過
領域を囲むことができず、集塵フード30の溶銑落下口
30B、30Cは溶銑鍋20の受銑口20Aとの間に一
定の空間Gを設けている。そして、集塵フード30
と、受銑口20Aに付着する溶銑との干渉を避けるた
め、上記空間Gは比較的大とされており、左右一方の
溶銑鍋20の満杯時に、満杯の溶銑鍋20を空の溶銑鍋
20と入れ替える際に、上記空間Gは更に大となる。
【0026】然るに、本実施例では、集塵フード30に
上述の溶銑鍋20の受銑レベルの監視、傾注樋19の監
視のための開口、或いは脱珪ランス挿入口が存在し、か
つ上述の集塵フード30と溶銑鍋20の受銑口20Aと
の空間Gが大となるにもかかわらず、フード30の吸引
風量の増大を回避するため、下記(1) 〜(4) の如くの構
成を採用するものである。
【0027】 (1) 第1の溶銑落口部A回りの集塵装置100 溶銑樋16から傾注樋19への溶銑落口部Aの周囲で傾
注樋19の上部の水平方向の両側には、各4本のエア吹
出しヘッド40が配設されている(図4参照)。各エア
吹出しヘッド40は軸方向に多数のエア吹出しノズル4
0Aを備えている。そして、各エア吹出しヘッド40か
らの吹出しエアによって形成されるエアカーテンaの伴
流作用によって、該落口部A回りに旋回気流bを形成す
るのである。尚、42は給気ファンである。
【0028】また、上記旋回気流bの軸方向にて、集塵
フード30の吸引ダクト31A、31Aに連なるエア吸
引口41A、41Aが設けられている。
【0029】これにより、本実施例では、上記エア吹出
しヘッド40とエア吸引口41Aの同時運転により上記
落口部Aに水平方向に沿う人工竜巻cを発生させ、落口
部Aで生じた発塵をこの人工竜巻cの渦流収束性により
確実にフード30の吸引ダクト31Aに吸引捕集するも
のである。
【0030】この人工竜巻発生の原理は、図5に示す如
く、エア吹出しヘッド40から吹出すエアカーテンaの
流れ方向が落口部Aを中心とする円に、互いに外接する
ように規制することにて旋回気流bを形成させ、エア吸
引口41Aによって該旋回気流bの中心部を吸引し、旋
回気流bの中心に沿った負圧域(コア)eを形成し、こ
れらの合成作用により、旋回気流bの渦流を中心コアe
に収束させながらエア吸引口41Aに向かう連続的な人
工竜巻cを発生させるものである。
【0031】尚、エア吹出しヘッド40は、その給気経
路に設けられている風量調整バルブ40B等により、落
口部Aでの発塵量、発塵範囲等に応じて、エア吹出しノ
ズル40Aからのエア吹出し量を調整可能とされ、落口
部Aに適正な人工竜巻cを形成可能としている。風量調
整バルブ40Bは、落口部A回りに設けた発塵計の出力
等に応じて自動制御され、或いは手動制御される。
【0032】また、エア吹出しヘッド40は、回動装置
40Cにより、落口部Aでの発塵量、発塵範囲等に応じ
て、ノズル40Aからのエア吹出し角度を調整可能とさ
れ、落口部Aに適正な人工竜巻cを形成可能としてい
る。回動装置40Cは、落口部A回りに設けた発塵計の
出力等に応じて自動制御され、或いは手動制御される。
【0033】また、エア吸引口41Aは、その排気経路
に設けられている風量調整バルブ41B等により、落口
部Aでの発塵量、発塵範囲等に応じて、エア吸引量を調
整可能とされ、落口部Aに適正な人工竜巻cを形成可能
としている。風量調整バルブ41Bは、落口部A回りに
設けた発塵計の出力等に応じて自動制御され、或いは手
動制御される。
【0034】また、集塵フード30において、溶銑落口
部A回りの内壁面61は水平軸と略同軸をなす円筒面の
一部にて形成し、これによって落口部A回りでの人工竜
巻cの発生を助長せしめるようにしている。
【0035】また、落口部A回りに発生せしめられる人
工竜巻cの回転方向は、溶銑樋16の出口における溶銑
の流れに逆らうことのない方向、即ち図2に示した方向
に設定し、人工竜巻cの発生を助長せしめるのが良い。
【0036】(2) 第2の溶銑落口部B(Cも同じ)回り
の集塵装置200 集塵フード30内における傾注樋19から溶銑鍋20へ
の溶銑落口部Bの回りの鉛直方向には、4本のエア吹出
しヘッド50が立設されている。各エア吹出しヘッド5
0は軸方向に多数のエア吹出しノズル50Aを備えてい
る。そして、各エア吹出しヘッド50からの吹出しエア
によって形成されるエアカーテンaの伴流作用によっ
て、該落口部B回りに旋回気流bを形成するのである。
【0037】また、上記旋回気流bの軸方向の上方に
て、集塵フード30の吸引ダクト31Bに連なるエア吸
引口51Aが設けられている。
【0038】これにより、本実施例では、上記エア吹出
しヘッド50とエア吸引口51Aの同時運転により上記
落口部Bに鉛直方向に沿う人工竜巻cを発生させ、落口
部Bで生じた発塵をこの人工竜巻cの渦流収束性により
確実に集塵フード30の吸引ダクト31Bに吸引捕集す
るものである。
【0039】尚、エア吹出しヘッド50は、前記エア吹
出しヘッド40と同様に、エア吹出しノズル50Aから
のエア吹出し量、エア吹出し角度を調整可能とされ、落
口部Bに適正な人工竜巻cを形成可能としている。尚、
50Bは風量調整バルブ、50Cは回動装置である。
【0040】また、エア吸引口51Aは、前記エア吸引
口41Aと同様に、エア吸引量を調整可能とされ、落口
部Bに適正な人工竜巻cを形成可能としている。尚、5
1Bは風量調整バルブである。
【0041】また、集塵フード30において、溶銑落口
部B回りの内壁面62は鉛直軸と略同軸をなす円筒面の
一部にて形成し、これによって落口部B回りでの人工竜
巻cの発生を助長せしめるようにしている。
【0042】 (3) 落口部Aと落口部B(C)の人工竜巻の関係 落口部B(C)の周囲に立設されるエア吹出しヘッド5
0を集塵フード30との接続部側で、図1に示す如く水
平方向に曲げることにて、落口部Aの周囲に配設されて
いるエア吹出しヘッド40と略平行に隣接配置せしめ
る。これにより、落口部B(C)でエア吹出しヘッド5
0によって鉛直方向に生じた人工竜巻cが、その上部
で、落口部Aに生じている水平方向の人工竜巻cと干渉
することを防止できる。また、このようにして隣接配置
された各エア吹出しヘッド40、50のそれぞれが発生
させる人工竜巻cの回転方向Naと、Nb(Nc)と
は、図2に示す如く、互いに逆方向の関係に設定され
る。これにより、両人工竜巻c、cをそれらの境界接触
域で互いに助長せしめると同時に干渉を防ぐようにして
いる。
【0043】また、このとき、落口部Aのためのエア吸
引口41Aと、落口部B(C)のためのエア吸引口51
Aとは共通単一化しても良い。
【0044】尚、本発明の変形例として、落口部Aの周
囲に配設されるエア吹出しヘッド40を集塵フード30
との接続部側で、鉛直方向に曲げることにて、落口部B
(C)の周囲に立設されているエア吹出しヘッド50と
略平行に隣接配置するものであっても良い。このとき、
隣接配置された両エア吹出しヘッド40、50のそれぞ
れが発生させる人工竜巻cの回転方向を互いに逆方向の
関係に設定し、両人工竜巻を互いに助長せしめると同時
に干渉を防ぐようにすることができる。更にこのとき、
落口部Aのためのエア吸引口41Aと、落口部B(C)
のためのエア吸引口51Aとを共通単一化しても良い。
【0045】(4) 溶銑鍋20と集塵フード30との間の
空間Gのエアカーテンf 落口部B(C)の周囲に立設されるエア吹出しヘッド5
0における、溶銑鍋20の直上の集塵フード最下端部レ
ベルに位置するエア吹出しノズル50Aの吹出し方向
を、旋回気流bの方向と同時に、溶銑鍋20の受銑口2
0Aに向かう斜め下方に指向せしめ(図1、図2)、集
塵フード30と溶銑鍋20との間の間隙に円筒形状のエ
アカーテンfを形成している。これにより、空間Gから
の外部空気吸引を防止し、集塵吸引風量の大幅な削減を
可能としている。
【0046】以下、本実施例の作用について説明する。 溶銑樋16から傾注樋19への第1の落口部A回りに
集塵フード30を設けるとともに、上記落口部Aの周囲
で傾注樋19の上部の水平方向に4本のエア吹出しヘッ
ド40と、エア吸引口41Aとを設け、これらのエア吹
出しヘッド40とエア吸引口41Aによって該落口部A
に水平方向に沿う人工竜巻cを発生させた。従って、該
落口部Aで生じた発塵は、人工竜巻cの渦流収束性によ
り確実に集塵フード30の吸引ダクト31Aに吸引捕集
され、該落口部A回りの集塵を効率良く行なうことがで
きる。
【0047】また、傾注樋19から溶銑鍋20への第2
の落口部B、C回りに集塵フード30を設けるととも
に、該落口部Bの周囲の鉛直方向に4本のエア吹出しヘ
ッド50と、エア吸引口51Aとを設け、これらのエア
吹出しヘッド50とエア吸引口51Aによって該落口部
B、Cに鉛直方向に沿う人工竜巻cを発生させた。従っ
て、該落口部B、Cで生じた発塵は、人工竜巻cの渦流
収束性により確実に集塵フード30の吸引ダクト31B
に吸引捕集され、該落口部B、C回りの集塵を効率良く
行なうことができる。
【0048】上記により、落口部A、B、C回りで
の集塵効率を向上し、集塵風量を従来の1/2 〜1/3 に削
減しながら十分な集塵を可能とすることができる(従来
の集塵風量は通常で2500〜4000m3/min、鋳床脱珪実施時
で4000〜8000m3/min)。これにより、作業環境の改善、
高炉建設費、運転費(電力費)の低減を実現できる。ま
た、集塵フード30内における発塵の広がりを人工竜巻
cによって局所化し、落口部A、B、Cの視界を向上さ
せ、溶銑鍋20の受銑レベルの監視、傾注樋19の監
視、脱珪ランス挿入位置の制御を容易化し、生産効率を
向上可能とする。例えば、鋳床脱珪ランス位置を高精度
で位置制御でき、脱珪効率は大幅に向上する。
【0049】第1と第2の溶銑落口部A、B、C回り
の集塵フード内壁面61、62を、それらの落口部に発
生せしめられる人工竜巻cの中心軸と略同軸をなす円筒
面の一部にて形成することにより、人工竜巻cの発生を
助長し、より少ないエネルギで人工竜巻cを発生させ得
るものとなる。
【0050】第1の落口部Aの周囲に配設されている
エア吹出しヘッド40と、第2の落口部B(C)の周囲
に立設されているエア吹出しヘッド50とを、集塵フー
ド30との接続部側で互いに平行となるようにいずれか
のエア吹出しヘッド40、50を曲げ設定して隣接配置
するとき、互いに隣接することとなる人工竜巻cの回転
方向Na、Nb(Nc)を互いに逆方向の関係に設定す
ることにより、隣接する人工竜巻c、cの渦の接線方向
の流れが共通になる。この結果、両人工竜巻c、cは互
いに助長し合うと同時に干渉しないものとなる。
【0051】溶銑鍋20の直上の集塵フード最下端部
レベルに位置する、エア吹出しヘッド50のエア吹出し
ノズル50Aの吹出し方向を、旋回方向と同時に斜め下
方にも向けることにより、集塵フード30と溶銑鍋20
の空間Gに円筒形状のエアカーテンfを形成し、当該空
間Gからの外部空気の吸引を防止し、集塵効率を確実に
向上するものとなる。
【0052】尚、上記実施例では、落口部A、B、Cの
周囲に各4本のエア吹出しヘッド40、50を設けた。
然しながら、各落口部に設けるエア吹出しヘッドの本数
は、人工竜巻を発生可能とするものであれば何本でも良
く、特に3本以上とするのが良い。
【0053】また、上記実施例は、本発明を溶銑落口部
回りの集塵装置として実施する場合について説明した
が、本発明は溶滓落口部回りの集塵装置としても実質的
に同様に適用できることは勿論である。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、溶銑/溶
滓落口部回りでの集塵効率を大幅に向上し、集塵風量を
削減しながら十分な集塵を可能とし、ひいては生産効率
を向上可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は溶銑落口部回りの集塵装置の一実施例を
示す模式図である。
【図2】図2は図1のII-II 線に沿う断面図である。
【図3】図3は図1のIII-III 線に沿う断面図である。
【図4】図4はエア吹出しヘッドによる旋回気流形成状
態を示す模式図である。
【図5】図5は人工竜巻の発生原理を示す模式図であ
る。
【図6】図6は高炉鋳床レイアウトを示す模式図であ
る。
【符号の説明】
10 高炉 16 溶銑樋 17 溶滓樋 19 傾注樋 20 溶銑鍋 21 傾注樋 22 溶滓鍋 30 集塵フード 31A、31B、31C 吸引ダクト 40 エア吹出しヘッド 40A エア吹出しノズル 41A エア吸引口 50 エア吹出しヘッド 50A エア吹出しノズル 51A エア吸引口 Na、Nb、Nc 人工竜巻の回転方向 61、62 集塵フード内壁面 a、f エアカーテン b 旋回気流 c 人工竜巻

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶銑樋/溶滓樋から傾注樋への第1の溶
    銑/溶滓落口部と、傾注樋から溶銑鍋/溶滓鍋への第2
    の溶銑/溶滓落口部とを集塵フードによって覆ってな
    る、高炉の溶銑/溶滓落口部回り集塵装置において、 第1の溶銑/溶滓落口部の周囲で傾注樋上部の水平方向
    に、エア吹出しヘッドを配設し、該エア吹出しヘッドか
    らの吹出しエアによって形成されるエアカーテンの伴流
    作用によって該落口部回りに旋回気流を形成し、該旋回
    気流の軸方向の上方にはエア吸引口を設け、上記エア吹
    出しヘッドとエア吸引口の同時運転により上記落口部に
    水平方向に沿う人工竜巻を発生させるとともに、 第2の溶銑/溶滓落口部の周囲の鉛直方向に、エア吹出
    しヘッドを立設し、該エア吹出しヘッドからの吹出しエ
    アによって形成されるエアカーテンの伴流作用によって
    該落口部回りに旋回気流を形成し、該旋回気流の軸方向
    の上方にはエア吸引口を設け、上記エア吹出しヘッドと
    エア吸引口の同時運転により上記落口部に鉛直方向に沿
    う人工竜巻を発生させることを特徴とする高炉の溶銑/
    溶滓落口部回り集塵装置。
  2. 【請求項2】 前記第1と第2の各溶銑/溶滓落口部回
    りの集塵フード内壁面を、それらの落口部に発生せしめ
    られる人工竜巻の中心軸と略同軸をなす円筒面の一部に
    て形成し、人工竜巻の発生を助長せしめる請求項1記載
    の高炉の溶銑/溶滓落口部回り集塵装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の溶銑/溶滓落口部の周囲に立
    設されるエア吹出しヘッドを集塵フードとの接続部側で
    水平方向に曲げることにて第1の溶銑/溶滓落口部の周
    囲に配設されるエア吹出しヘッドと隣接配置し、 或いは前記第1の溶銑/溶滓落口部の周囲に配設される
    エア吹出しヘッドを集塵フードとの接続部側で鉛直方向
    に曲げることにて第2の溶銑/溶滓落口部の周囲に立設
    されるエア吹出しヘッドと隣接配置し、 更に、上述の如くに隣接配置された両エア吹出しヘッド
    のそれぞれが発生させる人工竜巻の回転方向を互いに逆
    方向の関係に設定し、両人工竜巻を互いに助長せしめる
    と同時に干渉を防ぐ請求項1記載の高炉の溶銑/溶滓落
    口部回り集塵装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の溶銑/溶滓落口部の周囲に立
    設されるエア吹出しヘッドにおける、溶銑鍋/溶滓鍋直
    上の集塵フード最下端部レベルに位置するエア吹出しノ
    ズルのエア吹出し方向を、溶銑鍋/溶滓鍋の受銑口/受
    滓口に向かう斜め下方に指向せしめ、集塵フードと溶銑
    鍋/溶滓鍋との間の間隙に円筒形状のエアカーテンを形
    成せしめる請求項1記載の高炉の溶銑/溶滓落口部回り
    集塵装置。
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