JP2832258B2 - 炉 蓋 - Google Patents

炉 蓋

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JP2832258B2
JP2832258B2 JP22528689A JP22528689A JP2832258B2 JP 2832258 B2 JP2832258 B2 JP 2832258B2 JP 22528689 A JP22528689 A JP 22528689A JP 22528689 A JP22528689 A JP 22528689A JP 2832258 B2 JP2832258 B2 JP 2832258B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は処理物の溶解や精錬を行なう為の炉におい
て用いられている炉蓋に関し、詳しくはその水冷構造に
関する。
〔従来の技術〕
従来の水冷炉蓋は、1〜4kg/cm2Gの圧力水を通じるた
め一種の圧力容器であり、しかも冷却効率向上を狙って
複雑な流路を形成する為、炉蓋全体を多数(例えば8〜
12)の独立した板構造体(パネル)で形成している。各
パネルへの給排水は、圧損の増大を避ける為と、通水量
低下又は停止時に全部のパネルの破損防止の為に、各パ
ネル個別又はせいぜい2パネル毎に連通して行なってい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
この従来の炉蓋では、炉蓋の冷却効率が比較的低い問
題点があり、しかも冷却水自体の利用の効率も低くて多
量の冷却水を必要とする問題点があり、更には、例えば
12区分のパネル群の場合には、2本の太い給水管と6本
の細い排水管に夫々接続する多数のホースが炉蓋にぶら
下る状態となる為、他の電纜や別の冷却部へのホースと
干渉しホースワークが困難となる問題点もある。
本発明は以上のような点に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、炉蓋の冷却効率が高くしかも冷
却水を効率良く利用でき、その上、給水や排水の為に接
続すべきホースの数も極めて少なくて足りるようにした
炉蓋を提供することである。
〔課題を解決する為の手段〕
上記目的を達成する為に、本願発明は前記請求の範囲
記載の通りの手段を講じたものであって、その作用は次
の通りである。
〔作用〕
給水管から冷却水の水滴が炉蓋の下板における高所部
分に吹き付けられ、その部分を冷却する。吹き付けられ
た冷却水は下板に沿ってその低所部分に流下する。冷却
水はその流下過程でも下板を冷却する。下板の低所部分
まで流下した冷却水は、排水管を通して排出される。
〔実施例〕
以下本願の実施例を示す図面について説明する。炉及
びその関連設備の周知の構成を示す第2、3図におい
て、1は炉で、周知のアーク炉を示し、炉体プラットフ
ォーム2の上に設けられている。3は炉1における炉体
で、内部には溶湯5を入れる為の空間4を有し、一方の
側の側壁には第3図に示すように出湯樋6が設けられ、
その反対側には図示しないが周知の除滓口が設けてあ
る。7は炉1における炉蓋を示し、中部には複数本のア
ーク加熱用の黒鉛電極8が挿通され、中心部から偏在し
た位置に設けられている排気口には直引煙道9が接続し
てある。
上記炉体プラットフォーム2は炉脚10、炉台11によっ
て支えられ、傾動装置12例えば油圧シリンダによって炉
1を出湯の為に第3図矢印A方向に傾動させたり、除滓
の為に炉1を矢印B方向に傾動させ得るようになってい
る。13は炉1の傾動を検知する為の傾動検知手段を示
す。
次に15は周知の炉蓋上昇旋回装置で、上昇及び旋回自
在な腕16を備え、その腕16によって上記炉蓋7が支持さ
れている。
次に17〜23は電極8に係わる周知の構成を示し、17は
電極支柱、18は電極支腕、19は電極クランプ、20は支腕
母線、21は可撓電線、22は炉用変圧器、23は変圧器二次
側母線を夫々示す。
上記のような構成のアーク炉1においては、周知の如
く炉蓋7を上昇旋回させて炉体3の上方を開放させた状
態で空間4に溶解原料が装入され炉蓋7が閉じられる。
この状態において電極8にアーク発生用の電力が供給さ
れ、その電極8から発せられるアークによって上記溶解
原料が溶解され、溶湯5が形成される。溶湯5の形成後
炉1は第3図矢印B方向に傾動されて除滓が行われた
り、矢印A方向に傾動されて出湯が行われる。
次に上記アーク炉1における炉蓋7の冷却構造につい
て第1、4図に基づき説明する。上記炉蓋7は、中央部
の小天井を除き、鋼板を用いて第4図に示される如く下
板7aと上板7bとを有する中空状に形成されている。上記
下板7aは図示の如く中心部の側が高く外周部の側が低く
なるよう傾斜している。上板7bも同様である。25は上記
炉蓋に付設した冷却装置を示し、冷却水の吹付装置26
と、吹き付けられた後の冷却水の排出装置27とから構成
される。先ず吹付装置26について説明する。29は給水管
で、上記下板7aにおける高所部分に冷却水の水滴を吹き
付け得るよう、上記中心部近くの位置において円弧状に
設けられている。30は給水管29における給水ヘッダで、
炉蓋7の中空部において炉蓋7の中心部の周囲に略環状
に設けられている。31はヘッダ30に対し放射状に接続し
た多数の枝管、32は枝管31に取付けた吹付手段で、スプ
レーノズルをもって構成してある。この吹付手段32は上
記下板7aに対してミストを吹き付けるようにしたもので
あってもよい。尚33は給水ホースで、一端を上記給水管
29におけるヘッダ30に、他端を図示外の冷却水供給装置
に接続してある。
次に排出装置27について説明する。36,37は夫々排水
管を示し、各々の一端には夫々吸引口34,35を備えてい
る。各吸引口34,35は上記炉蓋7の中空部において、炉
の傾動方向の一方の側の縁部と他方の側の縁部の夫々低
所部分に位置させてある。排水管36,37の他端はホース
の接続を可能に炉蓋外に突出させてある。38は炉外に設
けられた吸引用のポンプを示し、一例としてベンチェリ
ポンプ(エゼクター)が用いてある。39は該ポンプにお
ける吸口で、前記排水管36,37の他端に対し夫々個別の
開閉弁40,41及び排水用のホース36a,37aを介して接続し
てある。尚42はポンプ38における駆動水の入口で、モー
タ44によって作動されるようにした昇圧ポンプ43が接続
してある。45はポンプ38における吐出口を示す。
次に50は上記開閉弁の制御手段を示す。51は該制御手
段における制御装置で、前記傾動検知手段13からの傾動
信号を受けて開閉弁40,41の開閉を制御できるようにな
っている。又この制御装置51はタイマ52からの信号を受
けて上記開閉弁40,41に対しそれらを予め定められた順
位で開閉させる指令を所定時間毎に与え得るようにも構
成してある。
次に上記構成の冷却装置25による炉蓋7の冷却につい
て説明する。
(A)溶解或いは精錬等、炉1の操業が略水平状態で行
われている場合 アーク炉1の操業中において給水ヘッダ30に供給され
た冷却水は、枝管31を通して多数のノズル32から冷却用
の水滴となって炉蓋7における下板7a(炉内の空間4に
面する板)に吹き付けられる。その吹き付けられた水滴
により炉蓋7の下板7aが冷却される。吹き付けられた水
滴は上記下板7aに沿って炉蓋7の外周方向に流下する。
一方、上記のような操業状態においてポンプ38の入口
42には駆動水が送り込まれ、吸口39には負圧が生じてい
る。又タイマ52からは制御装置51に時間信号が与えら
れ、制御装置51は開閉弁40,41に対してそれらを予め定
められた順位の一例として交互に開閉させる指令を所定
時間毎に与える。この為、開閉弁40,41は所定時間毎に
交互に開閉し、吸引口34又は35は交互にポンプ38の吸口
39に連通される。その結果、上記炉蓋7の外周側に流下
してきた水は吸引口34又は35を通して交互に吸引され
る。その結果、炉蓋7内には流下した水が滞留すること
は殆どなく、炉蓋7における下板7aには常に新しい冷却
用の水滴が吹き付けられる状態が保たれる。従って、上
記下板7aの冷却は極めて効率良く行われる。
上記排水の場合、上記のように吸引口34又は35を通し
て冷却水の吸引が所定時間毎に交互に行われる為、例え
ばアーク炉1が略水平状態ではあるが僅かに傾いておっ
ていずれか一方の吸引口34又は35が常に水面上にある状
況下であっても、下位となっている側の吸引口34又は35
を通しての冷却水の吸引が行われ、炉蓋7内に冷却水が
溢れることが防止される。上記所定時間は例えば炉蓋7
内に冷却水が溢れる状態となる時間(例えば2〜3分)
の1/3乃至1/4に設定することにより、吸引口34又は35の
各々を通しての吸引の交代が頻度高く行われて、炉蓋7
内の溢水が確実に防止され、上述の如き水滴による高効
率の冷却が確実に行われるようにするとよい。
尚上記水平状態での操業の場合には、両開閉弁40,41
を共に開放させて両吸引口34,35を通しての冷却水の除
去を同時的に行っても良い。
(B)出湯の為にアーク炉1を第3図矢印A方向に傾動
させる場合 この場合においても吹付手段(ノズル)32からの冷却
水の吹き付けは前述の場合と同様に継続される。この
為、炉蓋7における下板7aに吹き付けられた冷却水は吸
引口35の側に流下する。この場合における排出装置27に
よる冷却水の排出は次の通りである。アーク炉1が傾動
すると傾動検知手段13がその傾動方向(又は角度でもよ
い)を検知し、制御装置51に向けて傾動信号を与える。
制御装置51はその信号を受けて上位となる側の吸引口34
に連なる開閉弁40に閉指令を与える。この場合、他方の
開閉弁41に開指令が与えられることはいうまでもない。
従ってポンプ38の吸口39には吸引口35のみが連通し、吸
引口34と吸口39との連通は断たれる。この為吸引口34か
ら誤って空気を吹い込むようなことは無く、上記吸引口
35の側に流下した冷却水は該吸引口35を通して安定に吸
引、排除される。
尚除滓の為にアーク炉1が第3図矢印B方向に傾動さ
れる場合は、傾動検知手段13からの傾動信号により制御
装置51によって開閉弁40が開かれ、開閉弁41が閉じられ
る。その結果吸引口34を通して冷却水の吸引が安定して
行われる。
次に上記炉蓋7の構造を更に詳細に説明する。第5図
及び第6図において、上記炉蓋7は透孔部を有する環状
の大炉蓋54とその透孔部に着脱自在に嵌め込んだ円盤状
の小炉蓋(小天井)55とから構成してある。先ず大炉蓋
54について説明する。該大炉蓋54は下板7a、上板7b、内
周側板56、外周側板57によって中空状に構成してある。
上記下板7aは第6図に明示されるように中心部の側が高
く、外周部の側が低くなるよう傾斜させてある。その角
度は10゜乃至20゜の内から任意に選ばれる。又この下板
7aは板圧が9〜12mmの軟鋼の薄板で形成される。尚大炉
蓋54の下面における外周部分はやや肉厚の縁部下板58で
形成される。下板7aと内周側板56とは一続きに形成され
ており、両者の接合部59は丸みをもったコーナー部とな
っている。この接合部59の丸みの外半径は板厚の5〜8
倍の寸法に形成される。次に上板7bは更に薄い例えば6m
m程度の鋼板で形成され、各所に点検口60が設けられて
通常は蓋61によって閉ざされている。上記外周側板57は
例えば板厚16mm程の鋼板で形成される。次に第5図に示
される62は大炉蓋54の中空部内の各所に放射状に設けら
れた補強リブを示し、大炉蓋54の補強を行なうと共に、
大炉蓋54の内部空間を仕切って冷却水がその補強リブ62
を越えて側方へ流れることを制限する為に設けられてい
る。尚第6図において62a,62bは補強リブの下縁を示
し、その下側は大炉蓋54の全周にわたる連通部63a,63b
となっている。
次に上記大炉蓋54の中空部に備えられた給水管29につ
いて更に説明する。給水ヘッダ30は第5図に示されるよ
うに炉蓋における排気口64の部分を除く略環状の形状に
配設されている。65は給水接続口で、上板7b上において
図示されるような位置に設けられており、上記給水ヘッ
ダ30に接続している。スプレーノズル32としては第6図
に示される円錐頂角θが110゜以上で、中実のスプレー
パターンを有するものが用いてある。又それらのスプレ
ーノズル32は例えば各々のスプレーパターンが第5、6
図に破線で示されるようになって、炉の中心部側の水量
密度が密で、外周部側の水量密度が粗となるように配置
してある。
次に排水管の関連について説明すると、第6図に示さ
れる70は排水管37における吸込管を示し、その下端は開
口しておって前記吸引口35となっている。尚排水管36に
ついても同様の構造がとられている。第5図に示される
符号66,67は夫々排水管36,37における排水接続口で、第
7図に示されるように外周側板57から側方を向けて突出
させてある。これらの接続口66,67には第5図の如く夫
々止め弁(例えばバタフライ弁)68,69が付設されてお
り、各止め弁68,69に対して前記排水ホース36a,37aが接
続される。
次に小炉蓋55は例えば耐火物で構成されている。第5
図に示される71は加熱用電極の存置部を示し、複数の電
極孔72が穿設されている。
次に第8、9図に基づき下板7aの下面の構造について
説明する。73は下板7aの下面に取付けた凸起物で、後か
ら述べるようなスラグの捕着用のものである。この凸起
物としては、例えば外径30〜50mmの鋼管を切断して高さ
10〜30mmとしたものが用いられる。下板7aに対する凸起
物73の取付手段は例えば溶接手段が用いられる。上記凸
起物73は、第8図に示されるように、相互の関係が略等
間隔となるよう多数が配列される。尚配列ピッチは例え
ば100〜200mmである。
次に第10図には炉蓋7において排気口64に関連する部
分の構造が示されている。図において直引煙道9は一例
としてエルボが示されている。この直引煙道9は水冷手
段を備えた周知の構造のものである。76は水冷手段に対
する冷却水の供給口で、符号77で示されるように給水用
の配管でもって前記給水ヘッダ30と接続してある。78は
水冷手段からの冷却水の排水口で、符号79で示されるよ
うに配管でもって炉蓋7における大炉蓋54内の空間と接
続して、排水口78から排出される冷却水を炉蓋内の空間
に排出できるようになっている。尚直引煙道9に備えら
れている水冷手段が例えば冷却水を螺旋状に流通させる
ようにした流路の場合には、上記排水口78は直接上記大
炉蓋54内の空間に連通させるだけでもって冷却水を上記
空間に排出できる。又直引煙道9の水冷手段がスプレー
手段の場合には、排水口78を排水管36又は37に接続し
て、その水冷手段において下部へ流下してきた水を排水
口78から吸い上げるようにすれば良い。
直引煙道9の水冷手段に対する給排水の配管を上記の
ように接続することによって、炉蓋7の周りにおいては
上記直引煙道9の水冷手段に対する給水及び排水のホー
スが省略され、炉体周りの配管が簡素化される。
次に第11図には炉蓋7の溢水構造が示される。図にお
いて、81は溢水管で、その上部は炉蓋7の上板7bに接続
されてその端81aは炉蓋の中空部に開口しており、下部
は炉蓋7の外周側を立ち下げられて下端81bは下向きに
開口している。82は炉体3における炉壁3bに取付けた溢
水受けで、上記下端81bと対向しており、溢水を排水す
る為の導水管83が接続してある。
上記のような構成の炉蓋を用いた炉において操業が行
われる場合、第6図に示されるようにノズル32から吹き
出された水滴は内周側板56や下板7aに吹き掛かり、それ
らを冷却する。吹き掛かった冷却水は下板7aの勾配に沿
って流下し、炉蓋外周部の低所部分に至る。そこへ流下
した冷却水は吸引口35から吸い込まれて排水管37を経て
排出される。
上記のようにして操業が行われる場合、炉内全体での
溶解を均一に行わせる為に炉体傾動が行われる。その角
度は一般に±5゜以内である。一方、下板7aの傾斜は10
゜以上としてある。この為、上記のような炉体傾動が行
われた場合においても、上述の如き吹き付けられた冷却
水の流下は支障なく行われる。尚下板7aの傾斜の最大限
である20゜は、炉蓋全体の背の高さの制限と炉蓋上に人
が乗って作業を行う場合の作業性の面から定められるも
のであって、上記のような制限が無い場合或いは作業性
を考慮する必要がない場合にはより大きな角度としても
良い。
上記のようにノズル32から吹き出す冷却水によって冷
却が行われる場合、ノズル32として前述のように大きな
円錐頂角を有する広角のスプレーノズルを用いている
為、一つのノズル32でもって広い面積の下板7a或いは内
周側板56を冷却でき、比較的少ない数のノズル32でもっ
て下板7a或いは内周側板56の全体を冷却することができ
る。このようにノズルの数が少ないと、ノズル1個当た
りの容量が大きくなり、ノズル内の水の通路寸法が大き
くなる。すると使用中において水の通路にごみが詰まる
事故を少なくすることができて、冷却性能を安定に維持
できる効果がある。
上記冷却水の排水に関しては、接続口66,67が側方を
向けて設けられている為、そこを通して水を外部へ吸引
するのに要する吸引力が比較的小さくて良い。
上記炉蓋の冷却中において、排水手段が故障又は停止
し給水が継続すると、炉蓋の中空部には冷却水が溢れ
る。しかしその溢れた冷却水は溢水管81を通ることによ
り炉蓋の外側を通って溢水受け82に排出される。従って
溢水が炉回りの熱スラグに注がれて爆発事故を起こした
りすることを未然に防止できる。
上記炉の操業中においては、下板7aはアークや炉内溶
融物からの高熱(例えばアーク柱は5000℃〜7000℃)を
受ける。しかし下板7aとしては、熱伝導率が比較的大き
く又線膨張率が小さい軟鋼が用いてある為、下板7aに発
生する熱応力は比較的小さい。又下板7aとしては上記の
ように比較的薄い鋼板が用いてある為、その点において
も上記熱応力が小さくなる。尚板厚が極度に薄いと炉蓋
としての強度上の問題が生ずる為、そのような問題が生
ぜぬよう前述のような板厚に選ぶのが良い。
さらに上記操業中において、下板7aと内周側板56との
接合部59は、最も熱負荷が高くて応力が集中する。しか
しその部分59は前記の如き丸みを持たせてある為、そこ
に加わる応力は丸みが無い場合に比べて約20%低減で
き、亀裂損傷を低減して長寿命化を図り得る。
上記操業中においては炉内においてスラグのスプラッ
シュ(溶湯のスプラッシュも含まれる)が発生し、それ
が炉蓋に向けて飛散する。炉蓋における下板7aの下面に
は前述のように多数の凸起物73が取付けてある。それら
の凸起物は下板7aに溶接取付けしてある為、下板7aとの
間の熱伝導がよく、従って凸起物73は比較的よく冷却さ
れている。この為、上記飛散したスラグが下板7a或いは
凸起物73に接触すると素早く熱を奪われて、下板7aや凸
起物73によって捕着される。このような捕着は次第に進
行し、やがて下板7aの下面全域がスラグによって覆われ
る状態となる。このように下板7aを覆う状態となったス
ラグは一種の断熱材として下板7aを保護する。尚上記捕
着されるスラグの厚みは、第12図に示されるスラグの厚
みと下板の温度との関係を示すグラフや、第13図に示さ
れるスラグの厚みと下板における内外面の温度差(下板
に生ずる熱応力はこの温度差に比例)との関係を示すグ
ラフから判断できるように、10〜30mmとなると上記下板
7aの保護効果が比較的大きくなる。従ってその程度の厚
みのスラグを良好に捕着できるよう、上記凸起物73の高
さは10乃至30mmとするのが良い。
次に、上記炉の操業の場合において炉体内に溶解原料
を装入する場合、炉蓋7は炉蓋旋回装置15により第5図
において符号15aで示される点を中心に矢印C方向に旋
回される。この場合上記炉蓋7にあっては次のような利
点がある。即ち上記旋回中心15aと炉蓋7が被せられる
炉体の中心3a(炉蓋が炉体に正しく被せられた状態にお
いては炉蓋7の中心7cと一致している)とを結ぶ第1の
直線L1と、この第1の直線L1と直交しかつ炉体の中心3a
を通る第2の直線L2との二つの直線で区画される象限の
内、炉蓋7の中心7cの移動軌跡7c′を含む象限内に給水
接続口65及び排水接続口66,67が設けられている。従っ
て、炉蓋7が上記矢印C方向に旋回される場合、それら
の接続口65,66,67に接続されているホースは炉体から離
れる方向に動く。この為それらのホースが炉体内におい
て赤熱している空間の上方に覆い被さったりすることが
なく、それらのホースの損傷が防止される。又上記のよ
うな接続口に接続されたホースは上記炉蓋の旋回時に炉
蓋旋回機構と干渉したりすることも無い。更に又上記接
続口65,66,67が上記のような象限にまとめて配置してあ
る為、ホースワークが容易で、又メンテナンス時のホー
スの脱着も容易に行うことができる。
次に、上記炉蓋7を修繕或いは交換する為に炉体上か
ら降ろす場合、給水或いは排水ホースを外す為に冷却水
の通水が停止される。この場合、排水接続口66,67の止
め弁68,69を閉じて炉蓋内の空間に水を張ることによっ
て、通水停止後においても炉内の残熱により炉蓋7が損
傷することを防止することができる。
次に、上記炉蓋としては前記第3図に示されるように
矢印A方向とB方向の二方向に傾動する炉において用い
られる炉蓋を示した。この為炉蓋においていずれの側が
低くなっても冷却水の排出ができるよう、2本の排水管
36,67を備えて各々の吸引口34,35を各方向への傾動時に
夫々最も低所となる部分に位置させた例を示した。しか
し傾動方向が一方向に定まっている炉において用いられ
る炉蓋、或いは実質的な傾動が行われない構造の炉(例
えば取鍋精錬炉)において用いられる炉蓋の場合には、
排水管を1本だけ備えさせてその排水管における吸引口
を常に低所となる場所に位置させても良い。
〔発明の効果〕
以上のように本発明にあっては、炉の操業中において
炉蓋7の下板7aに水滴を吹き付けて下板7aを冷却する場
合、下板7aに吹き付けられた水は順次下方に流下させる
から、下板7aには常に新しい水滴を接触させることがで
きて高い冷却効率を得られる効果がある。
しかも上記下板7aは中心部の側が高く外周部の側が低
くなるよう傾斜させ、その高い所に対して水滴を吹き付
けるようにしてあるから、上記冷却の場合、上記中心部
近くの高温化し易い部分を新鮮で冷たい冷却水で冷却で
き、その上、その周囲の比較的温度の低い場所もそこへ
流下してくる冷却水によって冷却でき、極めて効率良く
冷却水を利用できる効果がある。
その上、上記のような優れた特長を有するものであっ
ても、給水管29は下板7aの高所へ水滴を吹き、排水管36
は下板7aの低所へ流下した水を排出するものであるか
ら、それらの数は少なくてよく(例えば給水管は1本、
排水管は1本又は2本)、それら給水管や排水管に対し
て水の供給あるいは排出を行なう為に接続するホースの
数を極めて少なくできる(例えば、給水ホースは1本、
排水ホースは1又は2本にできる)特長がある。このこ
とは、炉蓋7を動かす場合においてそれら少ない数のホ
ースは邪魔になることが極めて少なく、炉蓋の移動作業
を安易化できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
図面は本願の実施例を示すもので、第1図は炉蓋の冷却
装置を示す系統図、第2図はアーク炉及びその関連設備
を示す縦断面図、第3図はアーク炉の傾動構造を説明す
る為の図、第4図は炉蓋の縦断面略示図、第5図は炉蓋
の詳細な構造を示す一部破断平面図、第6図は第5図に
おけるVI−VI線拡大断面図、第7図は第5図におけるVI
I矢視図、第8図は炉蓋の下板における凸起物の配列を
示す部分底面図、第9図は下板に対する凸起物の取付状
態を示す縦断面図、第10図は炉蓋の排気口とそれに接続
した直引煙道との関係を示す部分図、第11図は炉蓋の溢
水構造を示す部分図(第5図におけるXI−XI線断面
図)、第12図はスラグの厚みと下板の温度との関係を示
すグラフ、第13図はスラグの厚みと下板の内外面の温度
差との関係を示すグラフ。 7……炉蓋、7a……下板、29……給水管、36……排水
管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F27D 1/00 - 1/18

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心部に加熱用電極の存置部を有する炉蓋
    において、該炉蓋は上板と下板を有する中空状に構成し
    てあると共に、上記下板は中心部の側が高く外周部の側
    が低くなるよう傾斜しており、上記炉蓋には、上記下板
    における高所部分に冷却水の水滴を吹き付け得るよう、
    上記中心部近くの位置において円弧状の給水管を付設し
    てあると共に、上記高所部分に吹付けられて低所部分に
    流下した水を排出し得るようにした排水管を付設してあ
    ることを特徴とする炉蓋。
  2. 【請求項2】給水管は下板に冷却水の水滴を吹き付ける
    ようにした複数のノズルを有していると共に、各ノズル
    は円錐頂角110゜以上で中実のスプレーパターンを有し
    ており、しかもそれらのノズルは、炉蓋の中心部の側が
    密で、外周部の側が粗な水量密度を与えるように配置し
    てある請求項1記載の炉蓋。
  3. 【請求項3】下板が板厚9〜12mmの軟鋼の薄板で形成し
    てある請求項1記載の炉蓋。
  4. 【請求項4】炉蓋に設けられた排気口上に、水冷手段を
    備えた直引煙道が設けられ、該直引煙道の水冷手段に対
    する冷却水の供給口は炉蓋の給水管と接続してあり、冷
    却水の排水口は炉蓋内へ向けて冷却水を排出し得るよう
    炉蓋内の空間に連通させてある請求項1記載の炉蓋。
  5. 【請求項5】炉蓋は炉蓋旋回装置により支承されて旋回
    可能になっており、給水管における接続口と排水管にお
    ける接続口は、旋回中心と炉蓋が被せられる炉体の中心
    とを結ぶ第1の直線と、この第1の直線と直交しかつ炉
    体の中心を通る第2の直線との二つの直線で区画される
    象限の内、炉蓋の中心の移動軌跡を含む象限内に設けら
    れている請求項1記載の炉蓋。
  6. 【請求項6】排水管における接続口が炉蓋の側面に露出
    している請求項1記載の炉蓋。
  7. 【請求項7】下板の下面に、炉内において発生し飛散す
    るスラグを捕着する為の多数の凸起物が取付けられてい
    る請求項1記載の炉蓋。
  8. 【請求項8】排水管の接続口に止め弁が設けられている
    請求項1記載の炉蓋。
  9. 【請求項9】炉蓋は、透孔部を有する環状の大炉蓋と、
    上記透孔部に嵌込むようにした円盤状の小炉蓋とから構
    成され、上記大炉蓋が上板と下板と内周側板とを有する
    中空状に構成してあると共に、上記内周側板と下板とは
    板厚の5〜8倍の外半径の丸みをもった接合部で繋がっ
    ており、給水管は上記内周側板にも水滴を吹き付けるよ
    うにしてある請求項1記載の炉蓋。
  10. 【請求項10】炉蓋は傾動自在の炉体に被せるようにし
    た炉蓋であり、一方、溢水管の上部が上記炉蓋の上板に
    対して炉蓋内の中空部と連通する状態に取付けてあり、
    上記溢水管の下部は炉蓋の側方を立下げられて、上記炉
    体に取付けられた溢水受けと対向させてある請求項1記
    載の炉蓋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200004321A (ko) * 2017-04-18 2020-01-13 시스템즈 스프레이-쿨드, 인코포레이티드 야금로의 표면을 위한 냉각 시스템
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