JP3491705B2 - オゾン水センサー - Google Patents

オゾン水センサー

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JP3491705B2
JP3491705B2 JP30304894A JP30304894A JP3491705B2 JP 3491705 B2 JP3491705 B2 JP 3491705B2 JP 30304894 A JP30304894 A JP 30304894A JP 30304894 A JP30304894 A JP 30304894A JP 3491705 B2 JP3491705 B2 JP 3491705B2
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博一 塩田
和夫 栗原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶オゾンのオゾン濃
度、つまりオゾン水中のオゾンの濃度変化を電圧変化に
変換するオゾン水センサ−に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オゾン水濃度の検出法は大別する
と、化学薬品を使用する薬品反応法、紫外線吸収度を比
較測定する紫外線吸収法、そして起電力や電解液の導電
度変化を検出する電気的検出法が代表的なものである
が、何れも一長一短あることが知られている。
【0003】先ず、化学薬品を使用する方法の代表的な
ものは、ヨウ化カリを使用する方法で、最も正確な方法
として知られているが、一定量のオゾン水をサンプリン
グし、滴定操作が必要であるので、連続測定は不能であ
る。これの機械化したもので電量測定法も実用化されて
いるが、これも濃度測定値をデジタル表示したもので、
一定量のサンプリングとヨウ化カリ液等の試薬を必要と
したバッチ操作が必要である。その他インジゴ等の色素
を使用した変色試薬法も提案されているが、同様に試薬
を必要としたバッチ法であることに変わりはない。
【0004】次の紫外線吸収法は、オゾンが紫外線領域
253.7nm付近に強い吸収スペクトルをもつ現象を
利用したもので、気相オゾンの測定には、最も普及して
いる方法である。しかし、オゾン水の測定には、多量の
通過オゾン水を必要とし、かつ、気体と異なり、測定用
オゾン水によって紫外線カラムに付着するスライム等に
よって測定値が著しく誤差を生じるため、頻度高く洗浄
操作を必要とする欠点があった。
【0005】 最後の電気的検出法においては、現在メ
ンブレン電解液法が最も知られているが、この方法にお
いては、数ミクロンのテフロン(登録商標)薄膜(メン
ブレン)を通してオゾンが電解液中に流入し、電解液の
電導度の変化を読み取る方法であり、この方法の欠点
は、先ず応答速度が遅く、とくに停止時からの立ち上が
りにかなりの時間を要し、また消耗電解液の補充、汚染
メンブレンの定期取り替え等、煩雑な維持を必要として
いる。
【0006】 上記の種々の方法に比べ、最も簡便で応
答速度の早い方法は、裸電極法(英語での表現はBar
e Electrode Method)であり、通常
金または白金の陽極と銅製の陰極をオゾン水中に挿入す
ると、オゾン水の濃度変化に追従する電圧が発生する現
象を利用したものである。しかし、この方法において
は、とくに陰極電極の銅がオゾンによって酸化されるの
で、絶えず表面を磨く機構が必要である。第4図は、そ
の一例であり、欧米の水処理場などで実用されている装
置である。
【0007】この「図4」従来例は、本体1にサンプル
液の流入口2と流出口3とが設けられ、この本体1には
モ−タ−4によって回転する円柱状の回転子5が収納さ
れている。そしてこの回転子5の周面にはアノ−ド側電
極Aとして金(Au)またはプラチナ(Pt)が貼付し
てあり、更に、上記本体1の回転子5の周面と同心状で
所定の間隔を有した内面にはカソ−ド側電極Kとして銅
(Cu)が貼付してある。そして、流入口2より流入し
たサンプル液は、アノ−ド側電極Aとカソ−ド側電極K
との間に満たされた後、流出口3より流出するようにな
っており、アノ−ド側電極Aとカソ−ド側電極Kとには
電流計6が連結してある。更に、上記回転子5と本体1
の内面との間にはプラスチックまたは水晶の粒子7,
7,7・・・が投入されており、回転子5が回転する
と、該粒子7,7,7・・・が酸化した回転子5の表面
のカソ−ド側電極Kの表面酸化皮膜を研磨するようにな
してある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】最近、オゾン水の利用
範囲が非常に高まり、食品の殺菌、医療用手洗いなどに
必須の殺菌手段として普及してきたのであるがオゾン水
による殺菌においては、殺菌しようとする微生物によっ
て(例えば、大腸菌、ビブリオ、MRSA等)によって
オゾン耐性が著しく異なり、対象とする微生物を完全に
殺菌するためには、濃度・時間(CTと呼ぶ)の条件管
理が必須とされる。従って、すべてのオゾン水装置に簡
便に装着できるオゾン水濃度センサ−が要求されている
が、未だ理想的なものが発表されていないという課題を
有している。
【0009】そこで、本発明は上記課題にかんがみなさ
れたもので、発明者らは研究の結果、簡便で応答速度の
早い先述の裸電極式において、もし電極のオゾン水によ
る酸化を防止することが可能となり、かつオゾンの濃度
変化に追従した電圧が発生する電極組み合わせが創出で
きたならば、複雑な電極研磨機構が不必要となり著しく
簡素化される結果オゾン水応用における利便性が極めて
大きくなると判断し、これを解決する研究を行ったの
で、簡便な装置でオゾン濃度が測定できるオゾン水セン
サ−を提供することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的に沿い、先述
特許請求の範囲を要旨とする本発明の構成は前述課題を
解決するために、流動しているオゾン水流中に、第一電
極11と第二電極12とを浸漬し、この第一電極11と
第二電極12との間に発生するオゾン水濃度変化に追従
する電圧変化を検知するオゾン水センサーにおいて、上
記第一電極11を、金属銀または、塩化銀によって被覆
された金属銀によって構成し、上記第二電極12を、表
面にオゾン酸化膜を形成したニッケル・クロム合金によ
って構成したことを特徴とする技術的手段を講じたもの
である。
【0011】さらにこの上記電極構成においては、比較
的低濃度、例えばば0−5ppmの範囲においてはほぼ
オゾン水濃度に比例した起電力を持つが、それ以上の高
濃度範囲においては、起電力の割合が漸減する。そこ
で、「請求項2」の発明は、流動しているオゾン水流中
に、第一電極11と第二電極12とを浸漬し、この第一
電極11と第二電極12との間に発生するオゾン水濃度
変化に追従する電圧変化を検知するオゾン水センサーに
おいて、上記第一電極11を、金属銀または、塩化銀に
よって被覆された金属銀によって構成し、上記第二電極
12を、パラジュ−ムを0.5%以上5%以下の割合で
含有し、表面にオゾン酸化膜を形成したニッケル・クロ
ム・パラジューム合金によって構成したことを特徴とす
る技術的手段を講じたものである。
【0012】さらに、上記の高濃度のオゾン水での漸減
度を改良は、第三電極としてパラジュ−ム電極を配設
し、第二電極と第三電極を高抵抗14により連通せしめ
ることによっても同じような効果を得ることが判明し、
「請求項3」の発明は、流動しているオゾン水流中に、
第一電極11と第二電極12とを浸漬し、この第一電極
11と第二電極12との間に発生するオゾン水濃度変化
に追従する電圧変化を検知するオゾン水センサーにおい
て、上記第一電極11を、金属銀または、塩化銀によっ
て被覆された金属銀によって構成し、上記第二電極12
を、表面にオゾン酸化膜を形成したニッケル・クロム合
金によって構成し、さらに、オゾン水流中に、上記第一
電極11と第二電極12と間に発生する起電力変化特性
を修正するためのパラジュ−ム製の第三電極13を浸漬
し、この第三電極13と第二電極とを高抵抗14により
接続したことを特徴とする技術的手段を講じたものであ
る。
【0013】さらに、上記第三電極に金を使用すると、
オゾン水濃度下降時の電圧応答速度が迅速に行われ濃度
制御に迅速な応答速度を得られることが判明し、「請求
項4」の発明は、流動しているオゾン水流中に、第一電
極11と第二電極12とを浸漬し、この第一電極11と
第二電極12との間に発生するオゾン水濃度変化に追従
する電圧変化を検知するオゾン水センサーにおいて、上
記第一電極11を、金属銀または、塩化銀によって被覆
された金属銀によって構成し、上記第二電極12を、パ
ラジュ−ムを0.5%以上5%以下の割合で含有し、表
面にオゾン酸化膜を形成したニッケル・クロム・パラジ
ューム合金によって構成し、さらに、オゾン水流中に、
上記第一電極11と第二電極12と間に発生する起電力
変化特性を修正するための金製の第三電極13を浸漬
し、この第三電極13と第二電極とを高抵抗14により
接続したことを特徴とする技術的手段を講じたものであ
る。
【0014】さらに、上記第一電極11と第二電極12
との間に発生する電圧変化は微少なものであるので、安
定した早期定置を得るべく、「請求項5」の発明は、第
一電極11と第二電極12とが金属線をコイル状に巻い
て形成したことを特徴とする技術的手段を講じたもので
ある。
【0015】
【作用】
「酸化ニッケル・クロム電極と銀電極の作用」それ故、
先ず本発明オゾン水センサ−はニッケル・クロム合金製
電極の表面に生成せしめた強固な酸化膜によってなる陽
極と銀製陰極がオゾン水中に浸積されて、オゾン水ガル
バニ電池が構成されたものと考えられる。この組み合わ
せは、非情に高いオゾン水選択起電作用を有することが
実験によって証明されており、さらに約1000時間の
連続運転後も当初の起電力を維持している耐久性が認め
られた。
【0016】さらに、上記両センサー電極の、オゾン水
濃度の変化に対する起電電圧の追従応速度は、例えば0
から10ppmまで5秒間で立ち上げた際、電圧応答は
7秒であり、かつてこの種のセンサ−では考えられなか
った迅速な応答速度を示す作用を呈した。ただ、同様の
濃度下降時においては同じ5秒の下降に対し、起電電圧
0まで下降するのに約20秒かかった。下降時の遅延の
原因は、酸化膜界面において若干のオゾニドが形成さ
れ、それが流水で掃引されるのに時間を要したものと思
考されるが、この価とて現在使用されている他の方法に
比べるとはるかに迅速な応答であり、実用上差しつかえ
はないと考えられる。
【0017】「パラジュ−ムによる特性改善作用」た
だ、ニッケル・クロム酸化膜電極と銀電極の組み合わせ
は、非常に高いオゾン選択性を持ち、水のみ、または他
の元素、例えば塩素には起電しないという優れた特性を
持つが、オゾン水の高濃度域、例えば5ppm以上の帯
域における起電性が鈍化する性質がある。「図3」にそ
の一例を示し、破線部が本ニッケル・クロム酸化膜電極
の特性例である。この特性をより直線的に改善すれば、
二次曲線補正回路のごとき煩雑な装置なしでもデジタル
またはアナログ計器によるオゾン水濃度の直読指示が可
能であるので、補正方法の研究を行い、パラジュ−ムの
持つ特性の活用法を発見したものである。即ちパラジュ
−ムは銀電極と組み合わせることで高濃度のオゾン水で
起電することを見出だした。そこで、少量のパラジュ−
ムをニッケル・クロム合金に混合したところ、「図3」
の実線で表したごとき直線度が改善される作用を呈する
ものであった。
【0018】「第三電極による補正」前述パラジュ−ム
を少量混入した電極材料は、合金の製造入手が困難で特
注すると、かなり高価となるので、比較的入手しやすい
純パラジュ−ム線または板を使用した第三電極13を使
用し、第二電極12と並列に使用し、同様な高濃度域の
補正を行うことができる作用を確認した。ただしこの場
合、ニッケル・クロム合金製の第二電極12は正電極と
して、銀電極との間に電圧を発生せしめ、一方パラジュ
−ム製の第三電極13は高濃度域補正電極として動作せ
しめ、第二電極12と高抵抗14、望ましくは可変高抵
抗で接続し、最適の補正曲線を得るごとく調整使用する
ことが望ましいものであった。
【0019】「第三電極に金製電極を使用する作用」先
述の酸化ニッケル・クロム電極の応答特性において、オ
ゾン濃度の上昇時の応答特性に比べ、下降時の応答特性
が遅い現象を知った。この遅延特性について種々検討し
たのであるが、酸化ニッケル・クロム電極のオゾン水と
の接触界面において、オゾン水の濃度が急激に低下して
も数秒ないし数十秒はオゾンによる励起信号が残存する
ことによる微弱な起電がある現象を見出したのである。
そこで第二電極12に接近した第三電極材料13として
金を使用し、同じく高抵抗14で第二電極12と連結し
たところ上記遅延時間がかなり改善される作用を呈し
た。この現象は、第二・第三電極12,13間で水中に
惹起された電界により酸化ニッケッル・クロム電極界面
に残存した信号の水流による掃引が助長されたものと解
釈される。ただし、金製第三電極13の影響と思われる
が、系全体の起電力が若干低下した。この低下したデ−
タについては次の実施例に一例を記載する。
【0020】なお、上記第一電極11と第二電極12と
を金属線をコイル状に巻いて形成したところ、表面積が
大きく直読可能な電圧値を得る作用を呈するものであっ
た。
【0021】
【実施例】図中、10が測定用小型水槽で、この測定用
小型水槽10には流入口8と流出口9が配置され、該測
定用小型水槽10が一定の流速のオゾン水の流路の一部
を形成している。
【0022】そして、上記測定用小型水槽10内におい
て流動しているオゾン水流中に、第一電極11と第二電
極12とを浸漬し、この第一電極11と第二電極12と
の間に発生するオゾン水濃度変化に追従する電圧変化を
電圧計15で検知するようになしてあるのは従来と同じ
である。
【0023】そして、本発明は、上記第一電極11を、
金属銀または、塩化銀によって被覆された金属銀によっ
て構成した。図示実施例ではこの第一電極11は、0,
5mm径の純銀製線100mm長を、約5mm直径のス
パイラル巻として使用した。
【0024】また、上記第二電極12を、表面にオゾン
酸化膜を形成したニッケル・クロム合金によって構成し
た。図示実施例では0,5mm径のクロム40%ニッケ
ル60%の合金線100mm長を、第一電極と同様の約
5mm直径のスパイラル巻して使用した。なお、この段
階ではニッケル・クロム合金はその表面は何ら加工を施
していない状態である。
【0025】そして、第一電極11を電圧計15の負極
に、第二電極を電圧計15の正極に連結し、先ず濃度約
10ppmの高濃度オゾン水を上記測定用小型水槽10
内に流し、両電極11,12をオゾン水中に浸漬したと
ころ、電圧計15はまず極逆性を示すごとく0以下に振
り切ったが、約15秒後徐々に正極側に指示を戻し、約
2分後に約200mvを指しその後安定した。すなわ
ち、この現象は、先ず金属電極としてはニッケル・クロ
ム合金は銀電極に対して負の起電を行なったが、徐々に
合金表面に高濃度オゾン水による酸化皮膜が形成され、
正負が転換し、この状態で「図3」の破線に示すごとき
オゾン水濃度と起電力の関係を得たものであり、多数行
なった実験によっても正しく再現できることが認めら
れ、表面にオゾン酸化膜を形成することで、金属銀また
は、塩化銀によって被覆された金属銀によって構成した
第一電極11に対して正極側のセンサー電極として機能
できるものである。
【0026】なお、上記酸化皮膜は非常に堅牢なもの
で、一度形成されるとそのまま放置しても変質したりは
げ落ちることはなく、以後はそのまま正極側のセンサー
電極として使用できるものであった。
【0027】また、「請求項2」の発明は、上記第二電
極12を、パラジュ−ムを0.5%以上5%以下の割合
で含有し、表面にオゾン酸化膜を形成したニッケル・ク
ロム・パラジューム合金によって構成した。このパラジ
ュームを混合した理由は前記したようにオゾン水の高濃
度域における特性改善のためで、前記ニッケル・クロム
合金にパラジュームを4%混入したニッケル・クロム・
パラジューム合金を製造し、上記実施例と同様に0.5
mm径の合金線を成形した。そして前記と同じ条件で約
10ppmのオゾン水による酸化膜形成作業を行なった
が、この場合、極性の逆転は観察できず、当初はほとん
ど電圧0の状態で約1分を経過し、その後徐々に電圧が
上昇し、約5分後「図4」実線に示すごとくオゾン濃度
と起電力との関係を得て、その後正しい再現性が観察さ
れたものである。
【0028】なお、パラジュームはその混合率を0.5
%未満とすると上記特性改善がほとんど確認できず、5
%を越すと低濃度オゾン域での測定値が不安定となるも
のであった。
【0028】また、「請求項3」の発明は、上記第二電
極12は、表面にオゾン酸化膜を形成したニッケル・ク
ロム合金を使用するも、オゾン水流中に、上記第一電極
11と第二電極12と間に発生する起電力変化特性を修
正するためのパラジュ−ム製の第三電極13を浸漬し、
この第三電極13と第二電極とを高抵抗14により接続
したものである。
【0029】上記第三電極13は本実施例では寸法・形
状を第一電極11及び第二電極と同じとし、純パラジュ
−ム線を使用した。この場合、高抵抗14を10Kオー
ムの可変抵抗となし、補正に最も適した抵抗値を実験に
よって求めたところ約3.5Kオームの抵抗値で「図
3」実線と相似の高濃度域特性を得ることができた。
【0030】また、「請求項4」の発明は、上記第二電
極12を、パラジュ−ムを0.5%以上5%以下の割合
で含有し、表面にオゾン酸化膜を形成したニッケル・ク
ロム・パラジューム合金によって構成し、さらに、オゾ
ン水流中に、上記第一電極11と第二電極12と間に発
生する起電力変化特性を修正するための金製の第三電極
13を浸漬し、この第三電極13と第二電極とを高抵抗
14により接続した。
【0031】すなわち、第二電極12は「請求項2」と
同じものを使用し、第三電極13は「請求項3」のパラ
ジュウムに代え金を使用したものである。
【0032】上記金よりなる第三電極13は、本実施例
では0.5mm径で30mm長のものを直線状となして
第二電極12と平行に設けて使用し、第二電極とは2.
5Kオームの高抵抗14で連結した。
【0033】この金よりなる第三電極12を使用し、前
記と同じ第二電極酸化膜形成工程を得て、オゾン水濃度
と起電力との関係を実験によって求めたところ、前記の
場合は約200mvの起電力が合ったのに対し、約15
0mvと約25%の出力低下を見た。しかしながら濃度
低下時の電圧指示遅延特性は大幅に改善され、0〜10
ppmでの上昇時の遅延約2秒、下降時の遅延約20秒
が、上昇時は同じく約2秒の遅延であったが、下降時に
はわずか5秒と、遅延時間が約1/4に高速化され、敏
速な指示を要求する用途に適するものであった。
【0034】また、「請求項5」の発明は、上記「請求
項1」乃至「請求項4」記載の第一電極11と第二電極
12とが金属線をコイル状に巻いて形成してある。
【0035】第一電極11と第二電極12とは通常の板
材を使用してもよいのは無論であるが、大きくて安定し
た起電力を得るには、その表面積を増すことが一つの有
効な手段である。そして、前記具体的実施例で説明した
ように第一電極11と第二電極12とを金属線をスパイ
ラル巻きしたものを使用すると、最大200mv程度の
起電力が得られ、従来既存の器機でアナログまたはデジ
タルの表示器機を駆動することができるものである。
【0036】
【発明の効果】本発明は上記のごときであるので、極め
て構造が簡易であり、測定が自動的に行なえ操作性がよ
く、また、オゾン水濃度の変化に迅速に追従できるオゾ
ン水センサ−を提供できるものである。
【0037】また、「請求項2」の発明は、第二電極1
2に、パラジュ−ムを0.5%以上5%以下の割合で含
有し、表面にオゾン酸化膜を形成したニッケル・クロム
・パラジューム合金を使用したことで、比較的高濃度の
オゾン水濃度域でも信頼性高く濃度を測定できるオゾン
水センサ−を提供できるものである。
【0038】また、「請求項3」の発明は、上記ニッケ
ル・クロム・パラジューム合金に代え、ニッケル・クロ
ム合金と、純パラジュームを別途第三電極として使用し
たので、製造が容易で「請求項2」に比べて安価に、比
較的高濃度のオゾン水濃度域でも信頼性高く濃度を測定
できるオゾン水センサ−を提供できるものである。
【0039】また、「請求項4」の発明は、第三電極1
3に金を使用たところ、応答が迅速化され、より信頼性
が向上し、極めて正確なオゾン水濃度が要求される場合
にも対処できるオゾン水センサ−を提供できるものであ
る。
【0040】さらに、「請求項5」の発明は、第一電極
11と第二電極12とが金属線をコイル状に巻いて形成
してあるので出力が高く安定的で、アナログまたはデジ
タルの表示器機を駆動することができ、極めて経済的
で、かつ小型のオゾン水センサ−を提供できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明オゾン水センサ−の一実施例を示す要部
縦断面図である。
【図2】別の実施例要部縦断面図である。
【図3】本発明に依る測定結果の一例を示すグラフであ
る。
【図4】従来例縦断面図である。
【符号の説明】 11 第一電極 12 第二電極 13 第三電極 14 高抵抗 15 電圧計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 康之 兵庫県高砂市新井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所 高砂製作所内 (56)参考文献 特開 平6−148133(JP,A) 特開 平5−113425(JP,A) 特開 平5−296968(JP,A) 特開 平5−87775(JP,A) 特開 平3−100453(JP,A) 特開 昭57−191536(JP,A) 実開 平2−88166(JP,U) 実開 平6−2216(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/26 - 27/49 G01N 31/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動しているオゾン水流中に、第一電極
    (11)と第二電極(12)とを浸漬し、この第一電極
    (11)と第二電極(12)との間に発生するオゾン水
    濃度変化に追従する電圧変化を検知するオゾン水センサ
    ーにおいて、 上記第一電極(11)を、金属銀または、塩化銀によっ
    て被覆された金属銀によって構成し、 上記第二電極(12)を、表面にオゾン酸化膜を形成し
    たニッケル・クロム合金によって構成したことを特徴と
    するオゾン水センサー。
  2. 【請求項2】 流動しているオゾン水流中に、第一電極
    (11)と第二電極(12)とを浸漬し、この第一電極
    (11)と第二電極(12)との間に発生するオゾン水
    濃度変化に追従する電圧変化を検知するオゾン水センサ
    ーにおいて、 上記第一電極(11)を、金属銀または、塩化銀によっ
    て被覆された金属銀によって構成し、 上記第二電極(12)を、パラジュ−ムを0.5%以上
    5%以下の割合で含有し、表面にオゾン酸化膜を形成し
    たニッケル・クロム・パラジューム合金によって構成し
    たことを特徴とするオゾン水センサー。
  3. 【請求項3】 流動しているオゾン水流中に、第一電極
    (11)と第二電極(12)とを浸漬し、この第一電極
    (11)と第二電極(12)との間に発生するオゾン水
    濃度変化に追従する電圧変化を検知するオゾン水センサ
    ーにおいて、 上記第一電極(11)を、金属銀または、塩化銀によっ
    て被覆された金属銀によって構成し、 上記第二電極(12)を、表面にオゾン酸化膜を形成し
    たニッケル・クロム合金によって構成し、 さらに、オゾン水流中に、上記第一電極(11)と第二
    電極(12)と間に発生する起電力変化特性を修正する
    ためのパラジュ−ム製の第三電極(13)を浸漬し、こ
    の第三電極(13)と第二電極とを高抵抗(14)によ
    り接続したことを特徴とするオゾン水センサー。
  4. 【請求項4】 流動しているオゾン水流中に、第一電極
    (11)と第二電極(12)とを浸漬し、この第一電極
    (11)と第二電極(12)との間に発生するオゾン水
    濃度変化に追従する電圧変化を検知するオゾン水センサ
    ーにおいて、 上記第一電極(11)を、金属銀または、塩化銀によっ
    て被覆された金属銀によって構成し、 上記第二電極(12)を、パラジュ−ムを0.5%以上
    5%以下の割合で含有し、表面にオゾン酸化膜を形成し
    たニッケル・クロム・パラジューム合金によって構成
    し、 さらに、オゾン水流中に、上記第一電極(11)と第二
    電極(12)と間に発生する起電力変化特性を修正する
    ための金製の第三電極(13)を浸漬し、この第三電極
    (13)と第二電極とを高抵抗(14)により接続した
    ことを特徴とするオゾン水センサー。
  5. 【請求項5】上記第一電極(11)と第二電極(12)
    とが金属線をコイル状に巻いて形成したことを特徴とす
    請求項1から請求項4の何れかに記載のオゾン水セン
    サー。
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