JP3491378B2 - インク噴射型プリンターヘッド基板の切断方法 - Google Patents
インク噴射型プリンターヘッド基板の切断方法Info
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Description
記録媒体上に画像を形成するインク噴射型プリンターヘ
ッド基板の切断方法に関するものである。
価格化に伴い、プリンターにも同様な特性が求められ、
従来のドットプリンターからレーザープリンター、イン
ク噴射型プリンターへと機種が切り替えられようとして
いる。
方式があるが、代表的なものとして、ピエゾ圧電素子の
変形によりインクを押し出す方式、直流電流通電による
熱抵抗加熱でインクを沸騰させてインクを吐出する方式
及び交流電流通電による高周波加熱でインクを沸騰させ
てインクを吐出する方式等がある。
電による高周波加熱でインクを沸騰させることによりイ
ンクを吐出する方式のプリンターヘッドを取り上げ、そ
の構成を図4及び図5に示している。
ク液滴を吐出するノズル6、インクタンクからノズルに
インクを供給するインク供給孔7が形成されている。そ
して、基板5上には、一対の電極4a、4bが形成され
るとともに、電極4a、4bに電圧を印加する際の駆動
制御装置8及び電源9が設けられている。なお、2は接
着剤、3は絶縁界面である。
原理を説明する。駆動制御装置8をONにすると、一対
の電極4a、4b間に高周波電圧が印加され、インク中
に存在する電解質が振動運動を行いジュール熱の発生に
よりインクは加熱沸騰するに至る。このインク沸騰によ
りインク内に気泡が発生し、インク体積の急激な膨張に
より、インク液滴が吐出口6aから押し出される。そし
て、インク液滴は記録用紙表面に向って飛翔して付着し
1ドットの印字を形成する。
と、一対の電極4a、4b間に印加されていた高周波電
圧は除かれるので、インクは急激に冷却されてインク内
の気泡は消滅し、最初の状態に戻る。
る基板(以下「ヘッド基板」と称する)は、半導体製造
プロセスと同様の製造方法で製造されている。つまり、
φ3〜φ6インチ程度の基板に、フォトリソグラフィ技
術を用いた薄膜プロセスにより、数十から数百個単位
で、多数のヘッド基板のパターンを形成した後、それぞ
れを切り離して個々のヘッド基板にするのである。
は、高度の寸法精度が要求されるだけでなく、チッピン
グの発生を極力防止することが必要であるため、前記の
切断工程では、従来、砥石による切断作業が行われてい
た。
砥石による切断作業においては、基板自体が高硬度の難
加工性材料であるため、砥石の消耗が早く、切断作業に
要するコストは非常に高いものであった。また、近年は
プリンター本体の価格低下も著しいが、基板の切断コス
トは大量生産によるコストダウンが見込める性質のもの
ではないため、製造コスト全体に占める切断コストの割
合は年々高くなっていく傾向にあった。
な切断しか行えないので、プリンターヘッドの高機能化
の進展により、将来的に求められつつある曲線を含む任
意の形状の切断の要求には、砥石切断では全く対応でき
ないのが実状である。
可能であり、かつ切断コストも安価な基板切断方法とし
て、先端の鋭利なダイヤモンドで基板にスクラッチを入
れた後、この基板に曲げ力や引張力を加えて割るという
方法があるが、寸法精度が非常に悪く、チッピングの発
生も多いため、制御が極めて困難であり、実用化は不可
能であった。
する方法が提案されているが、最終的なヘッド基板寸法
が小さいものである場合、サンドブラストで切断し終わ
った瞬間にヘッド基板が飛散してしまうため実用化に至
っていない。そこで、基板を機械的に治具に固定した
り、接着剤を使用する等の工夫がなされたが、基板を機
械的に治具に固定した場合は治具にサンドブラストの砥
粒が当たって損耗してしまい、また接着剤を使用した場
合は切断後の剥離が困難となる等の別の問題が発生して
いた。
になされたものであり、基板を高精度で切断し、任意の
ヘッド基板形状に加工することが可能で、切断コストも
極めて低い、インク噴射型プリンターヘッド基板の切断
方法を提供することを目的とする。
決するため、基板と基板保持治具を、加工中は強固に保
持し、加工後UV照射あるいは加熱などの方法により保
持力が著しく低下し容易に剥離可能となる両面接着シー
トを用いて固定し、加工面以外をマスキングして、サン
ドエロージョン加工により切断して任意の形状ヘッド基
板を形成し、加工後接着シートの接着力を低下させてヘ
ッド基板を基板保持治具より取り外すものであり、特に
切断後は表裏それぞれ異なった処理で著しく接着力が低
下する接着シートを用いて基板と基板保持治具を固定す
るものである。
ストに基板を切断し、任意の形状のチップに加工するこ
とができる。
を供給するためのインク供給孔をサンドエロージョン加
工により形成する場合、インク供給孔および切断面に対
応したマスクを用いることにより、インク供給孔形成工
程において、切断を終了することができ、切断工程その
ものを廃止することもできる。
する。
づいて説明する。
しており、基板5として、φ3インチ、厚み1.0mm
のソーダガラス基板を用いた。次に、基板5の両面に、
膜厚100μmの感光性ドライフィルム15(例えば、
東京応化製ドライフィルム(オーディルOFー11
0))を、ラミネーターにより、温度80°C、圧力
2.5kg/cm2 、速度1.0m/分の条件で、空気
が巻き込まないように注意してラミネートすると図1
(b)の状態となる。
グラフィの手法を用いて行う。図1(c)は、基板表面
開口部13aに切断ライン開口部13a1及びインク供
給孔開口部13a2、基板裏面13bにパターン面側の
インク供給孔13b2及び切断ライン開口部13b1
を、それぞれ位置が合うようにアライメントして、形成
したものである。パターン形成工程においては、エネル
ギー200mmJでの露光、30°Cの無水炭酸ナトリ
ウム水溶液0.3%、圧力1.5kg/cm2 でのスプ
レー現像、及び90°Cで30分のポストベークにより
行った。
2に示すとおりである。チップのサイズは8mm×4m
mで、白抜きの部分がインク供給孔開口部13a2及び
切断ライン開口部13a1である。なお、パターン形成
はフォトリソグラフィの手法で行うため、個々のヘッド
基板サイズは自由に設定でき、また切断ラインは直線形
状のみでなく任意の形状とすることができる。
0mm、SiN4 の第一基板保持治具14aと基板裏面
13bとを、加熱により接着力が低下する両面接着シー
ト17a(例えば、日東電工株式会社製リバアルファP
ET基材両側発泡タイプ)を用いて接着する。
13a側から、#600のSiC乾式砥粒16を、圧力
3.5kg/cm2 で15分間噴射するサンドエロージ
ョン加工を行う。
エアー吹き及び水洗浄して清浄化した後、厚さ1.0m
m、ガラスの第二基板保持治具14bと基板表面13a
とを、UV照射により接着力が低下する両面接着シート
17b(例えば、古川電気工業株式会社製UV硬化性両
面粘着テープUC−228W)を用いて接着する。この
状態で、図1(g)に示すように、第一基板保持治具1
4a側からヒーター18により、120°Cで5分間加
熱すると、加熱前に200g/cm2 であった両面接着
シート17aの接着力が、加熱後はほとんど0となるの
で、第一基板保持治具14aを基板裏面13bから容易
に剥離することができる。
13b側から#600のSiC乾式砥粒16を圧力3.
5kg/cm2 で30分間噴射するサンドエロージョン
加工を行い、基板5を貫通させる。
保持治具14b側から、1000mmJの紫外線18u
を照射すると、紫外線照射前に5g/cm2 であった接
着力が照射後はほとんど0となるので、第二基板保持治
具14bを基板表面13aから容易に剥離することがで
きる。
いか又は部分的な浮きが発生すると、砥粒の圧力が強力
であるため、貫通時に各ヘッド基板が飛散してしまう
が、本実施例では、両面接着シート17bの密着性が極
めて良好であるので、このようなヘッド基板の飛散は認
められなかった。
リウム水溶液中に10分間浸せきして、基板5表裏の感
光性ドライフィルム15を剥離することにより、図1
(j)に示すように、ヘッド基板19単品を得ることが
できる。
する吐出孔を備えたノズルプレート1を接着剤2により
接着すると、ヘッドを完成させることができる。なお、
ノズルプレート1を接着し、ヘッド基板19とノズルプ
レート1とを絶縁界面3でシールすることにより、印字
用インクが漏れることなくなり、吐出口6aへのインク
供給が可能となった。
給孔7を形成した後、砥石により切断しているが、本実
施例1の方法を用いることにより、この切断行程を完全
に省略することが可能となり、大幅なリードタイム及び
コストの削減が達成できた。
化、あるいはチップサイズが小型化すれば、その分だけ
切断長さが長くなり、切断時間の延長とともにコストが
上昇するが、本実施例1の方法では、時間の延長はほと
んどなく、量産化に適した方法であるといえる。
断方法を図3に基づいて説明する。
おり、基板5として、φ5インチ、厚さ0.3mmのS
i基板を用いた。基板5に、膜厚100μmの感光性ド
ライフィルム15(例えば、東京応化製ドライフィルム
(オーディルOF−110))を、ラミネーターによ
り、温度95°C、圧力3.5kg/cm2 、速度0.
5m/分の条件で、基板5面に空気が巻き込まないよう
にしてラミネートすると図3(b)のようになる。
法を用いて行う。インク供給孔開口部13a2及び切断
ライン開口部13a1を形成すると、図3(c)の状態
となる。フォトリソグラフィの条件は、エネルギー10
0mmJでの露光、28°Cの無水炭酸ナトリウム水溶
液0.25%、圧力1.0kg/cm2 でのスプレー現
像、及び75°C、20分のポストベークにより行っ
た。ヘッド基板単品のサイズは5mm×3.5mmであ
る。なお、パターン形成は、フォトリソグラフィの手法
で行うため、ヘッド基板サイズは自由である。また、切
断ライン開口部13a1は直線形状のみでなく、任意の
形状にすることができる。
板保持治具14aと基板裏面13bとを、加熱により接
着力が低下する両面接着シート17a(例えば日東電工
株式会社製リバアルファPET基材両側発泡タイプ)を
用いて接着すると、図3(d)の状態となる。
13a側から、#400のAl2 O 3 乾式砥粒16を、
圧力5.0kg/cm2 で15分間噴射するサンドエロ
ージョン加工を行う。なお、サンドエロージョン加工の
効果を更に向上させるために、Al2 O3 と水を混合さ
せたスラリーを用いても良い。
清浄化した後、図3(f)に示すように、第一基板保持
治具14a側からヒーター18により、90°C、3分
間加熱すると、加熱前に150g/cm2 であった両面
接着シート17aの接着力が、加熱後はほとんど0とな
り、第一基板保持治具14aを基板裏面13bから容易
に剥離することができる。基板5と第一基板保持治具1
4aとの密着力が弱いか又は部分的な浮きが発生する
と、砥粒の圧力が強力なために貫通時に各ヘッド基板が
飛散してしまうが、両面接着シート17aでは、良好な
密着性を得ることができたので、飛散は全く認められな
かった。
ナトリウム水溶液中に10分間浸せきして、感光性ドラ
イフィルム15を剥離することにより、図3(g)示す
ように単品のヘッド基板19を得ることができる。
る吐出孔を備えたノズルプレート1を接着剤2により接
着すれば、ヘッドを完成させることができる。なお、ノ
ズルプレート1を接着し、ヘッド基板19とノズルシー
ト1とを絶縁界面3でシールすることにより、インクが
漏れずに吐出口6aへのインク供給が可能となる。
板の切断方法により、基板の切断作業を高精度かつ低コ
ストで行うことができ、直線以外の形状の切断も可能と
なり、更には、インク噴射型プリンタヘッド基板の製造
工程の短縮化も可能となる。
造図
造図
Claims (3)
- 【請求項1】インク噴射型プリンターヘッド基板単品の
形状を形成した基板の片面又は両面に、両面接着シート
を介して基板保持部材を接着し、前記基板の片面又は両
面をサンドエロージョン加工で任意の形状に切断し、切
断後両面接着シートの接着力を低下させて、切断したヘ
ッド基板単品を取り外すインク噴射型プリンターヘッド
基板の切断方法であって、前記基板を切断する際に、基
板の両面に切断中は基板を強固に基板保持治具に保持
し、切断後は表裏それぞれ異なった処理で著しく接着力
が低下する接着シートを用いて基板と基板保持治具を固
定することを特徴とするインク噴射型プリンターヘッド
基板の切断方法。 - 【請求項2】片面に加熱により接着力が著しく低下する
接着シートを用い、反対面にUV照射により接着力が著
しく低下する接着シートを用いることを特徴とする請求
項1記載のインク噴射型プリンターヘッド基板の切断方
法。 - 【請求項3】インクをノズルから吐出するインク噴射型
プリンターヘッドにおいてインク滴を吐出する吐出口へ
インクを供給するためのインク供給孔を、基板にサンド
エロージョン加工で形成する際に、同時に該サンドエロ
ージョン加工で基板を切断して所定のチップ形状にする
ことを特徴とする請求項1,2のいずれか1に記載のイ
ンク噴射型プリンターヘッド基板の切断方法。
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