JP3489639B2 - 無溶剤型剥離性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

無溶剤型剥離性オルガノポリシロキサン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗工性に優れ、かつ離
型性等の良好な硬化皮膜を与え、表面平滑性に劣る基材
にも有効利用できる無溶剤型剥離性オルガノポリシロキ
サン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
紙、加工紙、プラスチックフィルムなどの基材と粘着性
シートとの間の接着、固着を防止することを目的とし
て、基材面にシリコーン組成物の硬化皮膜を形成して剥
離性を付与することが行われている。
【0003】この場合、基材面にシリコーン皮膜を形成
する方法としては、(1)白金系化合物を触媒として、
脂肪族不飽和基を含有するオルガノポリシロキサンとオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させ
て離型性皮膜を形成する方法、(2)有機すず化合物な
どの有機酸金属塩触媒を使用し、オルガノポリシロキサ
ンを縮合反応させて離型性皮膜を形成する方法などが知
られている。これらの方法において使用するシリコーン
組成物は、いずれも加熱によって皮膜を形成させる熱キ
ュアータイプと称されるものであり、その性状によって
トルエン等の有機溶剤に溶解したタイプ、これをエマル
ジョン化したエマルジョンタイプ、シリコーンのみから
なる無溶剤タイプに分類される。
【0004】近年、溶剤規制及び環境衛生の観点より、
無溶剤タイプの割合が増えているが、無溶剤タイプは、
溶剤タイプに比べて塗工精度に劣るという問題点があ
る。よって、塗工精度の高い無溶剤タイプの熱硬型シリ
コーン組成物の開発が望まれる。
【0005】本発明は、上記要望に応えるためになされ
たもので、塗工性に優れ、しかも剥離性、粘着性能及び
印刷特性が良好な硬化皮膜を与える無溶剤型剥離性オル
ガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、剥離性硬化
皮膜を形成し得る無溶剤型オルガノポリシロキサン組成
物に、下記式(1)又は(2)で示される、1分子中の
ケイ素原子数が2〜10の非反応性オルガノシロキサン
オリゴマーを組成物中のベースとなるオルガノポリシロ
キサン成分100重量部に対し0.8〜5重量部添加す
ることにより、塗工性に優れている上、剥離性、残留接
着率、シリコーン移行性が良好な硬化皮膜を与える無溶
剤型剥離性オルガノポリシロキサン組成物が得られるこ
とを知見した。
【0007】即ち、従来よりオルガノポリシロキサン組
成物の塗工性を向上させる方法として、ベースシロキサ
ンを低粘度化する方法が提案されているが、この方法
は、ベースシロキサンに脂肪族不飽和基等の官能基が少
なくとも2つ必要であるため、低粘度化するに従って官
能基含有率が増大し、剥離特性上、不利が生じる。これ
に対して、無溶剤型剥離性オルガノポリシロキサン組成
物に、ケイ素原子数が2〜10の非反応性オルガノポリ
シロキサンオリゴマーを添加すると、官能基含有率を増
大させることなく組成物を低粘度化することができ、硬
化皮膜の剥離特性を良好に維持できると共に、レベリン
グ性が向上し、優れた塗工性を得ることができ、しか
も、上記オルガノシロキサンオリゴマーは低分子量であ
ることから、硬化皮膜の粘着性能(残留接着率)及び印
刷特性(シリコーン移行性)の低下も少ない。それ故、
グラシン紙、クレーコート紙などの表面平滑性のあまり
良くない基材に無溶剤型シリコーン組成物の剥離性硬化
皮膜を形成する際も優れた剥離特性が得られ、塗工性も
向上し得るものである。
【0008】従って、本発明は、剥離性硬化皮膜を形成
し得る無溶剤型オルガノポリシロキサン組成物に、下記
式(1)又は(2)で示されるオルガノ(ポリ)シロキ
サン
【化1】 (但し、式中Rは非置換又は置換の脂肪族不飽和基以外
の1価炭化水素基で、かつ分子中のRの少なくとも1つ
はメチル基であり、n,mはそれぞれ1≦n≦9、3≦
m≦10を満たす整数である。)を組成物中のベースと
なるオルガノポリシロキサン成分100重量部に対し
0.8〜5重量部添加したことを特徴とする良好な移行
性及び塗工性を有する硬化皮膜を与える無溶剤型剥離性
オルガノポリシロキサン組成物を提供する。
【0009】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の無溶剤型剥離性オルガノポリシロキサン組
成物は、上述したように、剥離性硬化皮膜を形成し得る
無溶剤型オルガノポリシロキサン組成物に、1分子中の
ケイ素原子数が2〜10の非反応性オルガノシロキサン
オリゴマーを配合したものである。
【0010】ここで、非反応性オルガノシロキサンオリ
ゴマーとしては、硬化反応に関与する官能基を含有しな
い低分子量のオルガノポリシロキサンで、かつ1分子中
のケイ素原子数が2〜10であるものを使用する。ケイ
素原子数が2に満たないものは満足な添加効果を得るこ
とができず、ケイ素原子数が10を超えると分子量及び
粘度が増大し、組成物を低粘度化できなくなるため、少
量添加で塗工性(レベリング性)向上が期待できない
上、粘着物性及び印刷特性に対しても悪影響を与えるよ
うになる。
【0011】このような非反応性オルガノシロキサンオ
リゴマーとしては、下記式(1)で示される直鎖状のオ
ルガノ(ポリ)シロキサン、下記式(2)で示される環
状のオルガノポリシロキサンが好適に使用される。
【0012】
【化2】 (但し、式中Rは非置換又は置換の脂肪族不飽和基以外
の1価炭化水素基で、かつ分子中のRの少なくとも1つ
はメチル基であり、n,mはそれぞれ1≦n≦9、3≦
m≦10を満たす整数である。)
【0013】上記式(1)、(2)において、Rとして
は、好ましくは炭素数1〜12のもの、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロヘキ
シル基等のシクロアルキル基、フェニル基、ビフェニル
基、ナフチル基等のアリール基、トリル基、キシリル
基、エチルフェニル基等のアラルキル基やこれらの基の
炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン
原子、シアノ基等で置換したクロロメチル基、フロロメ
チル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等から選
択される同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素
基が挙げられるが、Rのうち少なくとも1つはメチル基
であることが必要である。n,mはそれぞれ1≦n≦
9、好ましくは2≦n≦8、3≦m≦10、好ましくは
4≦m≦6を満たす整数である。
【0014】このようなオルガノシロキサンオリゴマー
の中でも特に上記式(1)のRの全てがメチル基である
直鎖状のジメチル(ポリ)シロキサン、上記式(2)の
Rの全てがメチル基である環状のジメチルポリシロキサ
ンがより好適に用いられる。
【0015】上記オルガノシロキサンオリゴマーは、そ
の1種を単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用
してもよいが、その添加量は、組成物中のベースとなる
オルガノポリシロキサン成分100部(重量部、以下同
様)に対して0.8〜5部、特に0.8〜4部とするこ
とが好ましい。添加量が0.5部より少ないとほとんど
効果が得られない場合があり、5部より多いと塗工性は
向上するものの、非反応性シリコーン転移による粘着物
性及び印刷特性低下が問題となる場合がある。
【0016】而して、上記オルガノシロキサンオリゴマ
ーを添加する無溶剤型剥離性硬化皮膜形成オルガノポリ
シロキサン組成物は、その硬化方法に特に限定はなく、
加熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型のいずれであ
ってもよく、これら硬化型の種類に応じた公知の組成の
ものを用いることができるが、付加反応で加熱硬化する
加熱硬化型オルガノポリシロキサン組成物であることが
望ましい。
【0017】ここで、付加反応性加熱硬化型オルガノポ
リシロキサン組成物は、通常、(1)一分子中に珪素原
子に結合した少なくとも2個の脂肪族不飽和基を有する
ベースとなるオルガノポリシロキサン、(2)一分子中
に珪素原子に直結した少なくとも3個の水素原子を有す
るオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(3)白金
又は白金化合物等を配合してなる。このオルガノポリシ
ロキサンは、第一成分中の脂肪族不飽和基と第二成分中
のSiH基が第三成分の触媒の存在下に付加反応し、硬
化皮膜を形成するもので、ケイ素原子に結合した脂肪族
不飽和基は2個以上、水素原子は3個以上存在しないと
良好な硬化皮膜を形成することができない。
【0018】ここで、第一成分の脂肪族不飽和基含有オ
ルガノポリシロキサンは、付加硬化型シリコーンゴム組
成物の主原料として使用されている公知のオルガノポリ
シロキサンであり、下記一般式(3) R1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (3) (但し、式中R1は脂肪族不飽和基、R2は脂肪族不飽和
基以外の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、a、
bはそれぞれa+b≦3を満たす正数である。)で示さ
れ、一分子中に珪素原子に結合した脂肪族不飽和基を少
なくとも2個含有するものが好適である。
【0019】上記式中R1は好ましくは炭素数2〜8の
脂肪族不飽和基であり、例えばビニル基、アリル基、ヘ
キセニル基等のアルケニル基が挙げられ、特にビニル基
等のアルケニル基が好適である。R2は脂肪族不飽和基
以外の非置換又は置換の一価炭化水素基、好ましくは炭
素数1〜12のものであり、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等の
シクロアルキル基、フェニル基、ビフェニル基等のアリ
ール基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基等の
アラルキル基、これらの基の炭素原子に結合した水素原
子の一部又は全部のハロゲン原子、シアノ基等で置換し
たクロロメチル基、フロロメチル基、3,3,3−トリ
フルオロプロピル基等が挙げられる。また、a、bはそ
れぞれa+b≦3を満たす正数である。
【0020】上記式(3)のオルガノポリシロキサン
は、一分子中に珪素原子に結合した脂肪族不飽和基を少
なくとも2個含有する。
【0021】上記式(3)のオルガノポリシロキサン
は、直鎖状であってもR1SiO3/2単位もしくはR2
iO3/2単位又はSiO4/2単位を部分的に含んだ分岐状
であってもよいが、25℃における粘度は50〜10,
000センチポイズ(cp)の範囲が好適である。
【0022】上記式(3)のオルガノポリシロキサン
は、公知の方法、例えばオルガノシクロポリシロキサン
とヘキサオルガノジシロキサンとをアルカリ又は酸触媒
の存在下に平衡反応させることにより合成することがで
きる。
【0023】次に、オルガノハイドロジェンポリシロキ
サンは、第一成分のオルガノポリシロキサンと反応して
架橋剤として作用するもので、下記一般式(4) R3 cdSiO(4-c-d)/2 (4) (但し、式中R3は非置換又は置換の一価炭化水素基で
あり、c、dはそれぞれc+d≦3を満たす正数であ
る。)で示され、一分子中に珪素原子に結合した水素原
子を少なくとも3個有するものが好適である。
【0024】上記式(4)においてR3は非置換又は置
換の一価炭化水素基であり、上記式(3)中のR1と同
様の基が挙げられる。
【0025】また、上記式(4)のオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンは、その分子構造に特に制限はなく
線状、環状、分岐状等各種の構造のものが使用可能であ
るが、25℃における粘度は10〜500cpの範囲で
あることが好適である。
【0026】上記式(4)のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンは、公知の方法、例えばオクタメチルシク
ロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキ
サンと末端基となり得るヘキサメチルジシロキサン又は
1,1’−ジハイドロ−2,2’,3,3’−テトラメ
チルジシロキサン単位を含む化合物とを硫酸、トリフル
オロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存
在下に−10〜+40℃程度の温度で平衡化させるとい
う一般的な方法により容易に合成することができる。
【0027】上記オルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンの添加量は、第一成分中の脂肪族不飽和基含有量と第
二成分中のSiH基含有量により調整されるものであ
り、第二成分中のSiH基含有量/第一成分中の脂肪族
不飽和基含有量が0.5〜5、特に0.8〜4の範囲が
望ましい。上記割合が0.5に満たないと硬化皮膜形成
が不十分になる場合があり、5を超えると過剰のSiH
基により優れた剥離特性が得られなくなる場合がある。
なお、本発明では、上記第一及び第二成分の混合物の2
5℃における粘度をその塗工上50〜10000cpの
範囲とすることが好ましい。
【0028】第三成分の白金又は白金化合物は、第一及
び第二成分を付加反応させるための公知の触媒成分であ
り、例えば白金黒、固体白金をアルミナ、シリカ等の担
体に担持させたもの、塩化白金酸、アルコール変性塩化
白金塩、塩化白金酸と不飽和基含有オルガノシロキサン
との反応生成物などが好適に使用される。
【0029】白金又は白金化合物触媒の添加量は、第一
成分及び第二成分の合計量100部に対して白金量とし
て0.001〜1部の範囲が好ましく、0.001部に
満たないと触媒効果が不十分になる場合があり、1部を
超えると触媒効果がほぼ一定で経済的に不利になる場合
がある。
【0030】なお、上記組成物には、上記成分以外に必
要に応じてポットライフの延長、常温における白金の活
性化を抑制する目的で活性抑制剤を添加してもよく、具
体的には各種有機窒素化合物、有機リン化合物、アセチ
レン化合物などが例示される。なお、活性抑制剤の添加
量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすること
ができる。
【0031】上記の無溶剤型剥離性オルガノポリシロキ
サン組成物は、白金又は白金化合物を除いた各成分を予
め均一に混合しておき、これに白金又は白金化合物を添
加後、速やかに均一に混合して塗工液を調製し、この塗
工液をクラフト紙、ポリエチレンラミネート紙、グラシ
ン紙、その他各種加工紙などの基材に公知の方法により
塗工、加熱硬化させることで、シリコーンセパレーター
とすることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明の無溶剤型剥離性シリコーン組成
物は、優れた塗工性を有する上、硬化皮膜の剥離性、粘
着剤の性能(残留接着率)及び印刷特性(シリコーン移
行性)も良好であり、それ故、グラシン紙、クレーコー
ト紙などの表面平滑性のあまり良くない基材に対しても
良好な特性を有する剥離性硬化皮膜を形成することがで
きる。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、各例中の部はいずれも重量部であ
る。
【0034】〔実施例1〕分子鎖両末端がジメチルビニ
ルシロキシ基で封鎖された粘度が990cpのジメチル
ポリシロキサン100部、分子鎖両末端がトリメチルシ
ロキシ基で封鎖された粘度が20cpのメチルハイドロ
ジェンポリシロキサン1.6部(≡SiH/≡SiCH
=CH2=2.0)、1−エチニル−1−シクロヘキサ
ノール0.3部、下記式(5)で示される環状のジメチ
ルシロキサンオリゴマー1.5部を加え、均一に混合
し、これに塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯体1.
0部(白金換算0.002部)を添加し、均一に混合し
てシリコーン塗工液を調製した。
【0035】
【化3】
【0036】〔実施例2〕シロキサンオリゴマーとして
下記式(6)で示される直鎖状のジメチルシロキサンオ
リゴマー2.0部を添加する以外は実施例1と同様にし
てシリコーン塗工液を調製した。
【0037】
【化4】
【0038】〔比較例1〕ジメチルシロキサンオリゴマ
ーを添加しない以外は実施例1と同様にしてシリコーン
塗工液を調製した。
【0039】
【0040】〔実施例3〕分子鎖両末端がジメチルビニ
ルシロキシ基で封鎖された粘度が1500cpのジメチ
ルポリシロキサン100部、分子鎖両末端がトリメチル
シロキシ基で封鎖された粘度が20cpのメチルハイド
ロジェンポリシロキサン1.75部(≡SiH/≡Si
CH=CH2=2.5)、1−エチニル−1−シクロヘ
キサノール0.3部、下記式(7)で示される直鎖状の
ジメチルシロキサンオリゴマー3部を加え、均一に混合
し、これに塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯体1.
0部(白金換算0.002部)を添加し、均一に混合し
てシリコーン塗工液を調製した。
【0041】
【化5】
【0042】〔比較例2〕 直鎖状のジメチルシロキサンオリゴマーを添加しない以
外は実施例3と同様にしてシリコーン塗工液を調製し
た。
【0043】上記実施例及び比較例で得られたシリコー
ン塗工液を秤量85g/m2のグラシン紙に塗工量が
0.8g/m2になるようにオフセットコーターを用い
て塗工し、150℃の熱風乾燥機中に30秒間加熱して
シリコーン硬化皮膜を形成させ、25℃で1日静置した
後、それぞれの物性を下記方法で測定した。結果を表1
に示す。 剥離力:シリコーン組成物を薄膜状フィルム又はシート
状の基材表面に所定量塗布し、所定温度の熱風式乾燥機
中で加熱して硬化皮膜を形成した後、この硬化皮膜表面
にゴム系溶剤型粘着剤・オリバインBPS−3942
(東洋インキ製造株式会社製)を塗布して100℃で3
分間加熱処理した。次に、この処理面に秤量64g/m
2の上質紙を貼合わせ、25℃で20時間エージングさ
せた後、試料を5cm幅に切断し、引っ張り試験機を用
いて180度の角度で剥離速度0.3m/分で貼り合わ
せ紙を引っ張り、剥離するのに要する力(g)を測定し
た。 移行性:剥離力測定の場合と同様にして基材表面に形成
されたシリコーン組成物の硬化皮膜表面に25μmのP
ETフィルムを貼り合わせて10kg/cm2、25℃
で60分圧着処理を行い、処理後のPETフィルムのシ
リコーン圧着面に油性のマジックを塗布し、そのハジキ
の有無により移行性を評価した。 残留接着率:剥離力測定の場合と同様にして基材表面に
形成されたシリコーン組成物の硬化皮膜の表面にポリエ
ステルテープ(ルミラー31B、日東電工株式会社製)
を貼り合わせ、20g/cm2の荷重を載せて70℃で
20時間加熱エージングした後、テープを剥がしてステ
ンレス板に貼り付けた。次に、このテープをステンレス
板から180度の角度で剥離速度0.3m/分で剥が
し、剥離するのに要する力(g)を測定した。また、ブ
ランクとしてテフロン板に貼り合わせ、同様に処理した
テープをステンレス板から剥離するのに要する力(g)
を測定し、これらの比をとって百分率で表した。 塗工性:剥離力測定の場合と同様にして基材表面に形成
されたシリコーン組成物の硬化皮膜表面に水性の塗料の
水溶液を塗布し、30秒後に乾いた布で拭き取り、皮膜
表面への塗料の残り具合を下記基準で評価した。 ○:塗料による色残りなし ×:塗料による色残りあり
【0044】表1の結果より、本発明の無溶剤型剥離性
オルガノポリシロキサン組成物(実施例)は、塗工性に
優れている上、硬化皮膜の剥離性、粘着性能及び印刷特
性が良好であることが確認された。
【0045】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大庭 敏夫 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−41153(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/04 C09J 7/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剥離性硬化皮膜を形成し得る無溶剤型オ
    ルガノポリシロキサン組成物に、下記式(1)又は
    (2)で示されるオルガノ(ポリ)シロキサン 【化1】 (但し、式中Rは非置換又は置換の脂肪族不飽和基以外
    の1価炭化水素基で、かつ分子中のRの少なくとも1つ
    はメチル基であり、n,mはそれぞれ1≦n≦9、3≦
    m≦10を満たす整数である。)を組成物中のベースと
    なるオルガノポリシロキサン成分100重量部に対し
    0.8〜5重量部添加したことを特徴とする良好な移行
    性及び塗工性を有する硬化皮膜を与える無溶剤型剥離性
    オルガノポリシロキサン組成物。
  2. 【請求項2】 グラシン紙またはクレーコート紙基材へ
    の塗工用である請求項1記載の無溶剤型剥離性オルガノ
    ポリシロキサン組成物。
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