JP3489531B2 - 2軸駆動機構とそれを利用した画像入力装置及び光投射装置 - Google Patents

2軸駆動機構とそれを利用した画像入力装置及び光投射装置

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JP3489531B2 JP2000077755A JP2000077755A JP3489531B2 JP 3489531 B2 JP3489531 B2 JP 3489531B2 JP 2000077755 A JP2000077755 A JP 2000077755A JP 2000077755 A JP2000077755 A JP 2000077755A JP 3489531 B2 JP3489531 B2 JP 3489531B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被駆動部を2軸回
転できる2軸駆動機構、及びその2軸駆動機構とカメラ
を組み合わせた画像入力装置、及びその2軸駆動機構と
投光器を組み合わせた光投射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】(2軸雲台カメラ)被駆動部を2軸回転
できる2軸駆動機構を用いた従来例として、図39にカ
メラと2軸駆動機構を組み合わせた2軸雲台カメラを示
す。本従来例の2軸雲台カメラは、カメラ1と、L字治
具50を回転できるモータ(モーターともいう)3A
と、L字治具50に固定されたモータ3Bと、モータ3
A及びモータ3Bを制御するカメラ回転制御手段109
と、カメラ1からの画像を表示する画像表示手段106
と、を備えて構成されている。
【0003】モータ3Aが、カメラ回転制御手段109
からの制御信号に従って回転駆動されると、L字治具5
0と、L字治具50に固定されたモータ3Bとカメラ1
の全てが水平方向(矢印A)に回転駆動される。モータ
3Bが、カメラ回転制御手段109からの制御信号に従
って回転駆動されると、カメラ1は垂直方向(矢印B)
に回転駆動される。以上より、カメラ回転制御手段10
9は、カメラ1を2軸回転駆動できる。カメラ1で取得
された画像は、画像表示手段106に送られ、表示され
る。
【0004】図39に示した2軸雲台カメラは、カメラ
1を垂直回転させるモータ3Bがカメラ1をダイレクト
ドライブする場合の一例である。市販されている2軸回
転用カメラ雲台では、ウォームギヤなどを用いて装置全
体をコンパクトにしている物も多い。しかし、いずれの
場合も、水平回転用のモータ3Aが、カメラ1及び垂直
回転用のモータ3Bの両方を回転駆動しているという点
では同じである。
【0005】(スリップリングを用いた2軸雲台カメ
ラ)図40に、水平回転の軸回りに、いわゆるスリップ
リングを備えた2軸回転雲台カメラの従来例を示す。本
従来例は、図39に示した第1の従来例とほぼ同様であ
るが、モータ3AがL字治具50を回転する回転軸の回
りに、スリップリング51が備えられている点が異な
る。スリップリング51は、内側回転端子51Aと外側
回転端子51Bとから構成されている。内側回転端子5
1Aと外側回転端子51Bは、互いに回転しつつ電気的
に接続されるように構成されている。外側回転端子51
Bは、モータ3A及びカメラ回転制御手段109及び画
像表示手段106が固定されている図示されていない装
置筐体側に固定されている。内側回転端子51Aには、
モータ3Aの回転軸及びL字治具50が固定されてい
る。したがって、モータ3Aが回転駆動されると、内側
回転端子51Aが回転され、L字治具50が回転され
る。
【0006】カメラ1からの画像を伝送するケーブル
と、モータ3Bを制御する制御信号を伝送するケーブル
は、内側回転端子51Aに接続されている。外側回転端
子51Bには、画像表示手段106に画像を伝送するケ
ーブルと、カメラ回転制御手段109からの制御信号を
伝送するケーブルが接続されている。カメラ回転制御手
段109からのモータ3Bに対する制御信号は、外側回
転端子51Bから内側回転端子51Aを介してモータ3
Bに送られる。また、カメラ1で取得された画像は、内
側回転端子51Aから外側回転端子51Bを介して画像
表示手段106に送られる。モータ3Aの制御信号は、
カメラ回転制御手段109から直接送られる。
【0007】(ミラー回転カメラ)前述した2軸雲台カ
メラは、カメラを2軸回転させることで所望の方向の画
像を取得することを目的としている。同じ目的を達成す
るものとして、カメラ前方に配置したミラーを回転させ
る方式も考えられる。図41に、従来技術の一つとして
ミラー回転型カメラを示す。
【0008】本従来技術のミラー回転型カメラは、上向
きに置かれたカメラ1と、カメラ1の光軸と中心軸を同
一にして配置されたリング形状のギヤであるリングギヤ
5と、モータ3Aの回転駆動をリングギヤ5に伝達する
ためのギヤ40と、リングギヤ5をギヤ40を介して回
転駆動するためのモータ3Aと、リングギヤ5に固定さ
れたミラー支柱9に回転可能なように保持されたミラー
2と、ミラー支柱9に固定されミラー2を垂直回転駆動
するモータ3Bと、カメラ1からの画像を取得する画像
取得手段103と、画像取得手段103で得られた画像
を回転変換処理する画像変換手段104と、から構成さ
れているコンピュータ101と、画像変換手段104か
ら出力された画像を表示する画像表示手段106と、コ
ンピュータ101からの制御信号に応じてモータ3A及
びモータ3Bを制御するミラー回転制御手段102と、
を備えて構成されている。
【0009】ミラー回転制御手段102は、コンピュー
タ101からの制御信号に応じてモータ3A及びモータ
3Bを回転駆動する。モータ3Aが回転駆動されると、
ギヤ40を介してリングギヤ5が回転駆動される。ミラ
ー2は、リングギヤ5に固定されたミラー支柱9に保持
されているので、モータ3Aの回転に伴ってカメラ1の
光軸回りに回転されることになる。一方、モータ3Bが
回転駆動されると、ミラー2は垂直方向(チルト)に回
転される。
【0010】ところで本従来例では、カメラ1が固定さ
れ、ミラー2だけをカメラ1の光軸回りに回転させて所
望方向の画像を取得するため、図2に示すような画像が
得られることになる。図中の矢印は、撮像対象の上下方
向(矢印方向が上)を表している。このため、取得した
画像をそのまま表示すれば、上下方向が傾いた画像とな
るため、画像を回転変換してから表示する必要がある。
そこで、コンピュータ101は、画像取得手段103で
取得された画像を、画像変換手段104で回転変換処理
をし、画像表示手段106に出力する。回転変換処理の
パラメータは、ミラー2のカメラ1に対する相対回転角
度で決定される。本従来例には、ミラー2の回転角度を
検出するための図示されていない原点センサ及びエンコ
ーダが内蔵されており、コンピュータ101はそれらの
値を参照することでミラー2のカメラ1に対する相対回
転角度を検出できる。回転変換処理のパラメータは、こ
れを基に算出する。
【0011】(その他)以上のように、2軸駆動機構を
用いた画像入力装置の従来例を3つ挙げて説明したが、
2軸駆動機構の応用としては、画像入力装置だけではな
く、照明ライトやパラボラアンテナの2軸回転台、ロケ
ット発射台、ロボットの関節などがある。しかし、いず
れの場合も、従来技術として説明したように、被駆動部
と、被駆動部を1軸方向に回転するモータと、前記被駆
動部と前記モータの両方を、前記モータが回転駆動させ
る方向と直交する方向に回転させるモータで構成されて
いるものが多い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】(2軸雲台カメラ)2
軸雲台カメラの課題について説明する。2軸雲台カメラ
は、カメラ1及びモータ3Bが、モータ1Aによって回
転駆動される構成となっている。カメラ1及びモータ3
Bが機能するためには、当然電気的接続が必要であり、
装置外部との間にはケーブル接続が存在する。したがっ
て、モータ3Aを回転駆動する場合、一定の角度範囲内
で往復移動する場合なら問題ないが、エンドレスに回転
駆動させることが不可能となる。
【0013】また、モータ3Aが回転する部分には、カ
メラ1及びモータ3Bが含まれており、これらを回転駆
動するためのトルクが必要となる。カメラ1が大型の場
合、モータ3Bも比較的大きなものとなり、重くなる。
モータ3Aはそれらを駆動するトルクを有するものにす
る必要がある。さらに、モータ3Aの回転軸に対するモ
ータ3Bの配置によっては、慣性モーメントが大きくな
るという問題もある。
【0014】(スリップリングを用いた2軸雲台カメ
ラ)スリップリングを用いた2軸雲台カメラでは、カメ
ラ1及びモータ3Bと装置外部との電気的接続を、スリ
ップリングにより実現するため、モータ3Aをエンドレ
スに回転することが可能になる。しかし、カメラ1の映
像、電力、モータ3Bの制御、電力、そして図示されて
いないセンサ系信号などを接続する必要があり、スリッ
プリングの軸方向の寸法(図40中のD)が長くなると
いう問題がある。また、スリップリングは摺動による接
触端子なので、耐久性についても問題がある。また、モ
ータ3Aが回転する被回転部には、やはりカメラ1及び
モータ3Bが含まれており、モータ3Aにはそれらを駆
動するトルクが必要となる。
【0015】(ミラー回転カメラ)カメラを回転させる
のではなく、ミラーを回転させて所望方向の画像を取得
するミラー回転カメラでは、一般にカメラより軽量なミ
ラーを回転させるので、モータ3Aが回転する被回転部
が軽量になる。しかし、ミラーを2軸回転させるために
は、やはり2軸のうちどちらか一方の駆動機構(この場
合はモータ3B)を、被駆動部側に搭載する必要があ
り、駆動機構の分だけ重くなる。
【0016】また、被回転部側に搭載する駆動機構には
当然電気的な接続があり、モータ3Aをエンドレスに回
転させることはできない。この場合も、スリップリング
を用いてモータ3B及び図示されていないセンサ系信号
を装置外部と接続すれば、モータ3Aをエンドレスに回
転することは可能である。しかし、ミラー回転カメラの
場合は、ミラーで反射された対象物の反射光をカメラ1
に入力する必要があるため、スリップリングの内径を大
きくしておく必要がある。通常のカメラを用いた場合、
数cm以上の内径が必要となり、高価なものとなる。
【0017】以上のように、従来技術として挙げた2軸
雲台カメラ、スリップリングを用いた2軸雲台カメラ、
ミラー回転カメラなどで用いられている2軸駆動機構で
は、駆動部と被駆動部の間に電気的接続を設けることな
く水平(パン)/垂直(チルト)回転させることができ
ない。
【0018】また、以上の他に、上記従来技術に共通の
課題が2つある。一つは、2軸回転させるためにモータ
が2つ必要ということである。被駆動部を水平及び垂直
回転させる場合、用途によっては、ある決まったパタン
で連続して回転駆動させることがある。例えば水平方向
に連続回転させながら、垂直方向に往復移動を繰り返
し、波線を描きながら回転するような場合である。従来
例では、このような決まったパタンで駆動する場合でも
モータが2つ必要である。
【0019】もう一つの課題は、垂直駆動に関するもの
である。被駆動部を水平及び垂直回転させる場合、一方
の回転、例えば垂直回転については、往復移動させるこ
とが多い。この場合、従来例では、モータ3Bを往復移
動させる必要がある。しかし、一般にモータを往復回転
させると、モータにかかる負担が大きくなり、寿命が短
くなるという問題がある。
【0020】従って、本発明は、上記諸問題を解決し、
駆動部と被駆動部との間に電気的接続を設けずに水平方
向への回転を制限することなく水平方向及び垂直方向に
回転させるよう構成することで、軽量化や耐久性に優れ
た2軸駆動機構とそれを利用した画像入力装置及び光投
射装置をより安価に提供することを目的とする。
【0021】また、上記の2軸駆動機構とそれを利用し
た画像入力装置及び光投射装置において、ある決まった
パタンで連続して回転駆動させる場合に対しては、1つ
のモータで構成された駆動部を用いることで、より軽量
で安価な2軸駆動機構とそれを利用した画像入力装置及
び光投射装置を提供することを目的とする。
【0022】更に、往復移動をさせる駆動機構におい
て、モータにかかる負担を軽減し、寿命を延長させる2
軸駆動機構とそれを利用した画像入力装置及び光投射装
置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】(請求項1) 前記目的を達成するための2軸駆動機構は、被駆動部を
回転軸Aの回りに回転させる水平回転機構と、前記被駆
動部を前記回転軸Aと垂直をなす回転軸Bの回りに回転
させる垂直回転機構と、から構成される2軸駆動機構で
あって、前記水平回転機構は、前記回転軸Aと中心軸を
同一にして配置されたリング形状のギヤであって、前記
被駆動部を保持するリングギヤと、前記リングギヤを前
記回転軸Aの回りに回転駆動するモータと、から構成さ
れ、前記垂直回転機構は、前記回転軸Aと中心軸を同一
にして配置されたリング形状のギヤであって、その上面
の高さ位置が周方向に沿って変化するエンドカムギヤ
と、前記エンドカムギヤを前記回転軸Aの回りに回転駆
動するモータと、一方の端が前記被駆動部に対して前記
回転軸Bの回りの回転を与えるように取り付けられると
共に、他方の端が前記エンドカムギヤの上面と相接触す
るように構成され、前記エンドカムギヤの回転を前記回
転軸Aに沿った自らの並行移動を介して前記回転軸B回
りの垂直回転として前記被駆動部に伝達するリンク機構
と、前記他方の端が前記エンドカムギヤの上面に接触す
るように前記リンク機構を前記エンドカムギヤに押し付
ける押付手段と、から構成した。
【0024】この構成では、前記モータを回転駆動する
ことによって前記エンドカムギヤが回転し、前記エンド
カムギヤの回転移動が前記リンク機構の並行移動として
伝達され、前記リンク機構の並行移動が前記被駆動部の
垂直回転として伝達されることにより、前記被駆動部を
前記回転軸Bの回りに垂直回転させることができる。こ
のため、被駆動部と駆動部の間に電気的接続を設けるこ
となく、被駆動部を2軸回転させるという、本発明の目
的を達成することができる。
【0025】(請求項2) また、本発明の2軸駆動機構は、被駆動部を回転軸Aの
回りに回転させる水平回転機構と、前記被駆動部を前記
回転軸Aに沿って垂直移動させる垂直移動機構と、から
構成される2軸駆動機構であって、前記水平回転機構
は、前記回転軸Aと中心軸を同一にして配置されたリン
グ形状のギヤであって、前記被駆動部を保持するリング
ギヤと、前記リングギヤを前記回転軸Aの回りに回転駆
動するモータと、から構成され、前記垂直移動機構は、
前記回転軸Aと中心軸を同一にして配置されたリング形
状のギヤであって、その上面の高さ位置が周方向に沿っ
て変化するエンドカムギヤと、前記エンドカムギヤを前
記回転軸Aの回りに回転駆動するモータと、一方の端が
前記被駆動部に取り付けられると共に、他方の端が前記
エンドカムギヤの上面と相接触するように構成され、前
記エンドカムギヤの回転を自らの並行移動にともなって
前記回転軸Aに沿う垂直移動として前記被駆動部に伝達
するリンク機構と、前記他方の端が前記エンドカムギヤ
の上面に接触するように前記リンク機構を前記エンドカ
ムギヤに押し付ける押付手段と、から構成した。
【0026】この構成では、前記モータを回転駆動する
ことによって前記エンドカムギヤが回転し、前記エンド
カムギヤの回転移動が前記リンク機構の並行移動として
伝達され、前記リンク機構の並行移動がそのまま被駆動
部の垂直移動として伝達されることにより、水平回転と
垂直並行移動の2軸駆動が可能となる。
【0027】(請求項3)さらに、前記リングギヤの回
転周期と前記エンドカムギヤの回転周期を制御する制御
手段を備えるときは、前記水平回転機構による前記被駆
動部の水平回転周期と、前記垂直回転機構による前記エ
ンドカムギヤの回転周期を同一にすることにより、前記
被駆動部を垂直回転させずに水平にのみ回転させること
が可能となる一方、これら回転周期を同一にしないこと
により、被駆動部を連続回転させた場合に、被駆動部を
該被駆動部が取りうる水平及び垂直方向の角度範囲内で
順次網羅的に回転駆動させることが可能となる。
【0028】(請求項4)また、前記リングギヤと前記
エンドカムギヤを一つのモータで駆動した場合には、2
軸の回転駆動を一つのモータで実現することができる。
【0029】(請求項5)この場合に、前記モータから
前記リングギヤおよび前記エンドカムギヤへの減速比を
調整する減速比調整手段を備えるときは、前記リングギ
ヤと前記エンドカムギヤに伝達する回転の減速比を同一
にしないことにより、被駆動部を連続回転させた場合、
被駆動部を該被駆動部が取りうる水平及び垂直方向の角
度範囲内で順次網羅的に回転駆動させることが可能とな
る。
【0030】(請求項6)前記エンドカムギヤの上面
を、その中心を通る対称線に対して対称形とすることに
より、前記対称線に対して左右どちらの部分を用いた時
でも、被駆動部を同じように垂直回転させることが可能
となる。
【0031】(請求項7)この場合に、前記エンドカム
ギヤの中心を通りかつ前記対称線に対して垂直な直線上
に前記リンク機構の他方の端が位置した時に、前記被駆
動部の垂直方向の角度あるいは位置が、垂直回転あるい
は垂直移動可能な範囲の中央値となるように設定するこ
とにより、前記被駆動部を水平からある角度位置を中心
に上下対称に垂直回転させることが可能となる。
【0032】(請求項8)さらに、本発明の2軸駆動機
構は、被駆動部を回転軸Aの回りに回転させる水平回転
機構と、前記被駆動部を前記回転軸Aと垂直をなす回転
軸Bの回りに回転させる垂直回転機構と、から構成され
る2軸駆動機構であって、前記水平回転機構は、前記回
転軸Aと中心軸を同一にして配置されたリング形状のギ
ヤであって、前記被駆動部を保持するリングギヤと、前
記リングギヤを前記回転軸Aの回りに回転駆動するモー
タと、から構成され、前記垂直回転機構は、前記回転軸
Aと中心軸を同一にして配置されたリングと、前記リン
グを前記回転軸Aに沿って往復移動させるリング移動機
構と、一方の端が前記被駆動部に回転可能なように取り
付けられると共に、他方の端が前記リングの上面と相接
触するように構成され、前記リングの往復移動を自らの
並行移動を介して前記回転軸B回りの垂直回転として前
記被駆動部に伝達するリンク機構と、前記他方の端が前
記リングの上面に接触するように前記リンク機構を前記
リングに押し付ける押付手段と、から構成してもよい。
【0033】この構成では、前記リング移動機構を駆動
することによって前記リングギヤが並行移動し、該リン
グギヤの並行移動が前記リンク機構の並行移動として伝
達され、該リンク機構の並行移動が前記被駆動部の垂直
回転として伝達されることにより、前記被駆動部を前記
回転軸Bの回りに垂直回転させることができる。このた
め、被駆動部と駆動部の間に電気的接続を設けることな
く、被駆動部を2軸回転させるという本発明の目的を達
成することができる。
【0034】(請求項9) また、本発明の2軸駆動機構は、被駆動部を回転軸Aの
回りに回転させる水平回転機構と、前記被駆動部を前記
回転軸Aに沿って垂直移動させる垂直移動機構と、から
構成される2軸駆動機構であって、前記水平回転機構
は、前記回転軸Aと中心軸を同一にして配置されたリン
グ形状のギヤであって、前記被駆動部を保持するリング
ギヤと、前記リングギヤを前記回転軸Aの回りに回転駆
動するモータと、から構成され、前記垂直移動機構は、
前記回転軸Aと中心軸を同一にして配置されたリング
と、前記リングを前記回転軸Aに沿って往復移動させる
リング移動機構と、一方の端が前記被駆動部に取り付け
られると共に、他方の端が前記リングの上面と相接触す
るように構成され、前記リングの往復移動を自らの並行
移動にともなって前記回転軸Aに沿う垂直移動として前
記被駆動部に伝達するリンク機構と、前記他方の端が前
記リングの上面に接触するように前記リンク機構を前記
リングに押し付ける押付手段と、から構成してもよい。
【0035】この構成では、前記リング機構を駆動する
ことによって前記リングが往復移動し、該リングの往復
移動が前記リンク機構の並行移動として伝達され、該リ
ンク機構の並行移動がそのまま被駆動部の垂直移動とし
て伝達されることにより、水平回転と垂直並行移動の2
軸駆動が可能となる。
【0036】(請求項10)この場合に、前記リングギ
ヤの回転周期と前記リングの往復周期を制御する制御手
段を備えるときは、前記水平回転機構による前記被駆動
部の水平回転周期と、前記垂直回転機構による前記リン
グギヤの往復周期を同一にしないことにより、被駆動部
を連続回転させた場合に、被駆動部を該被駆動部が取り
うる水平及び垂直方向の角度範囲内で順次網羅的に回転
駆動させることが可能となる。
【0037】(請求項11)以上のように構成した2軸
駆動機構とカメラを組み合わせた画像入力装置は、カメ
ラ前方に配置されたミラーを本発明の2軸駆動機構によ
って2軸回転することにより、所望方向の画像を取得す
ることが可能になり、かつ前記目的を達成することがで
きる。
【0038】(請求項12)この場合に、前記ミラーを
回転させながら入力された複数の画像を合成する画像合
成手段を備えるときは、広視野角の画像を生成すること
が可能となる。
【0039】(請求項13)この場合に、前記画像入力
装置を机上一定高さに設置するためのスタンドを備える
ときは、前記机上または前記机上にある文書などを画像
入力することが可能となる。
【0040】(請求項14) さらに、以上のように構成された2軸駆動機構と光を投
射する投光器を組み合わせた光投射装置は、投光器前方
に配置されたミラーを2軸駆動機構によって2軸回転す
ることにより、所望方向に光を投射することが可能にな
る。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明の2軸駆動機構を、カメラ
や投光器と組み合わせた場合を例にとり、いくつかの実
施の形態を挙げて説明する。
【0042】(第1の実施の形態:2軸駆動機構(エン
ドカムギヤ)+カメラ)まず、本発明の第1の実施の形
態として、2軸駆動機構とカメラとを組み合わせた画像
入力装置を図1に示す。
【0043】図1を参照すると、本発明の第1の実施の
形態は、カメラ1とこのカメラ1に像を反射させて入力
するミラー2とこのミラー2を水平方向及び垂直方向に
回転させるためのモータ3A,3Bとを有して構成され
た画像入力部200(点線枠内)と、モータ3A及びモ
ータ3Bを制御するミラー回転制御手段(制御手段)1
02と、画像取得手段103と画像変換手段104とか
らなるコンピュータ101と、コンピュータ101にお
いて処理が施された画像を表示する画像表示手段106
と、を備えて構成されている。この構成において、モー
タ3A及びモータ3Bを稼働させて、ミラー2を撮像し
たい方向に向けることにより、所望方向の画像を取得す
ることが可能になる。
【0044】コンピュータ101は、ミラー回転制御手
段102に制御信号を送る。この制御信号は、ユーザに
より入力された制御命令、若しくは、実行したプログラ
ム上においてミラー2に対して要求する制御命令に基づ
くものである。ミラー回転制御手段102は、コンピュ
ータ101から送られてきた制御信号に基づきモータ3
A,3Bを制御する。コンピュータ101及びミラー回
転制御手段102による制御及びモータ3A,3Bの回
転駆動によるミラー回転については、後で詳細に説明す
る。
【0045】一方、コンピュータ101は、カメラ1か
ら送られてくる画像を画像取得手段103で取得する
が、本実施の形態の場合、後で説明するようにカメラ1
の前方でミラー2を水平方向に回転させて撮像するた
め、従来技術として説明した図39に示す雲台カメラと
は異なり、カメラ1におけるレンズの光軸を中心として
回転された画像が取得される。すなわち、カメラ1が固
定され、ミラー2だけをカメラ1の光軸回りに回転させ
て所望方向の画像を取得するため、図2に示すような画
像が得られることになる。図中の矢印は、撮像対象の上
下方向(矢印方向が上)を表している。
【0046】図2を参照すると明らかなように、取得し
た画像をそのまま表示すれば、上下方向が傾いた画像と
なるため、画像を回転変換してから表示する必要があ
る。そこで、コンピュータ101は、画像取得手段10
3で取得された画像を、画像変換手段104で水平方向
への回転変換処理を施し、画像表示手段106に出力す
る。回転変換処理のパラメータは、ミラー2のカメラ1
に対する相対回転角度で決定される。
【0047】画像入力部200には、ミラー2の回転角
度を検出するための図示されていない原点センサ及びエ
ンコーダが内蔵されており、コンピュータ101はそれ
らの値を参照することでミラー2のカメラ1に対する相
対回転角度を検出できる。従って、画像変換手段104
による回転変換処理のパラメータは、この検出された原
点と相対回転角度とを基に算出する。
【0048】以上のように本実施の形態では、ミラー2
を2軸方向に回転できる2軸駆動機構とカメラ1とを組
み合わせ、ミラー2を回転させることで、所望方向の画
像を取得し、画像表示手段106に表示することが可能
になる。
【0049】(第1の実施の形態:画像入力部200の
説明)図3は、図1に示した第1の実施の形態における
画像入力部200の構成を示す図であり、また、図4
は、図3に示した画像入力部200を横から見た図であ
る。
【0050】図3及び図4を参照すると、画像入力部2
00は、カメラ本体1Aとレンズ1Bから構成され、上
向きに置かれたカメラ1と、レンズ1Bの光軸と中心軸
を同一にして配置されたリング形状のギヤであるリング
ギヤ5と、モータ3Aの回転駆動をリングギヤ5に伝達
するためのギヤ4Aと、リングギヤ5をギヤ4Aを介し
て回転駆動するためのモータ3Aと、リングギヤ5に固
定されたミラー支柱9に回転可能なように保持されたミ
ラー2と、レンズ1Bの光軸と中心軸を同一にして配置
されたリング形状のギヤであって、上面と底面が平行で
はなく、一定角度をなしているエンドカムギヤ6と、モ
ータ3Bの回転駆動をエンドカムギヤ6に伝達するため
のギヤ4Bと、エンドカムギヤ6をギヤ4Bを介して回
転駆動するためのモータ3Bと、一方の端がミラー2に
回転可能なように取り付けられ、他方の端が転がり軸受
け8であって、その転がり軸受け8がエンドカムギヤ6
の上を転がるように構成されたリンク機構7と、リンク
機構7がエンドカムギヤ6と接触しながら転がるように
リンク機構7をエンドカムギヤ6に押し付けるためのバ
ネ10と、を備えて構成されている。
【0051】(第1の実施の形態:ミラー水平回転機構
の説明)モータ3Aが回転駆動されると、ギヤ4Aを介
してリングギヤ5が回転駆動される。ミラー2はミラー
支柱9に垂直方向に回転可能なように取り付けられてあ
り、ミラー支柱9はリングギヤ5に固定されているの
で、ミラー2はリングギヤ5の回転によってレンズ1B
の光軸回りに回転されることになる。すなわち、モータ
3Aを回転駆動することにより、ミラー2をレンズ1B
の光軸回りに回転させることができる。
【0052】(第1の実施の形態:ミラー垂直回転機構
の概要説明)一方、モータ3Bが回転駆動されると、ギ
ヤ4Bを介してエンドカムギヤ6が回転駆動される。エ
ンドカムギヤ6は、レンズ1Bの光軸と中心軸を同一に
して配置されたリング形状のギヤであり、上面と底面が
平行ではなく、一定角度をなしている。すなわち、円周
方向に厚みが変化しているリング状のギヤである。エン
ドカムギヤ6の形状については、いくつか考えられる
が、本実施の形態では図5に示すように上面が底面に対
して一定角度をなす単純な形状をしたエンドカムギヤを
用いている。なお、図5に示したエンドカムギヤ6は、
図示した直線(対称線)Mに対して左右対称形になって
いる。このような対称形にすることで、エンドカムギヤ
6の直線Mに関してどちらのサイドを用いた時でも、ミ
ラー2を同じように垂直回転させることが可能となる。
ただし、本発明の2軸駆動機構において、エンドカムギ
ヤ6を左右対称形にする必要は必ずしもなく、用途に応
じたミラー2の回転を実現するためには、左右非対称に
する場合も当然ある。
【0053】エンドカムギヤ6の上面には、リンク機構
7の端に取り付けられた転がり軸受け8が、上面上を移
動可能なように接触している。リンク機構7は、図3ま
たは図4に示すようにミラー2及びミラー支柱9に取り
付けられてあり、リンク機構7が上下に並行移動するこ
とにより、ミラー2はミラー支柱9との取付部を中心に
垂直方向に回転されるようになっている。ミラー2とリ
ングギヤ5との間にはバネ10があり、転がり軸受け8
が常にエンドカムギヤ6に接触しているように押し付け
ている。
【0054】以上のようにモータ3B、ギヤ4B、エン
ドカムギヤ6、リンク機構7、転がり軸受け8、バネ1
0からなる機構によって、転がり軸受け8がエンドカム
ギヤ6のどの位置に接触しているかに応じてミラー2の
垂直方向の角度が決まることになる。
【0055】(第1の実施の形態:図6のリンク機構の
説明)図6は、図3に示した画像入力部200のミラー
回転部を横から見た図である。ミラー2は、水平方向か
らθ0 傾いた位置を基準とし、図示したように上方向へ
の回転角度をθとする。ミラー2が下方向に傾いた時
は、θは負の値になる。なお、ミラー2がθだけ傾く
と、撮像方向は、2θだけ回転する。エンドカムギヤ6
は、図5に示した形状をしており、底面から上面までの
高さの最大値がSmax 、最小値がSmin であり、その中
間値(Smax +Smin )/2の高さとなる場所に転がり
軸受け8が位置する時に、ミラー2はθ=0、すなわち
水平方向からθ0 傾いた基準位置になるようにしてお
く。
【0056】リンク機構7は、ミラー支柱9から水平に
延ばされたリンク棒70と回転可能なように取り付けら
れており、ミラー2とミラー支柱9との取付位置と、リ
ンク機構7とリンク棒70との取付位置との間のリンク
棒70に沿った距離をLとする。
【0057】図7を用いてミラー2の垂直回転角度θ
と、転がり軸受け8が位置する場所のエンドカムギヤ6
の底面から上面までの高さSとの関係を求める。ΔS
は、ミラー2がθだけ垂直回転した時の転がり軸受け8
が位置するエンドカムギヤ6の底面から上面までの高さ
Sと、ミラー2が水平方向からθ0 傾いた基準位置にあ
る時、すなわちθ=0の時の転がり軸受け8が位置する
エンドカムギヤ6の底面から上面までの高さ(Smax +
Smin )/2との差分であり、以下の式(1)のように
表される。
【0058】
【数1】
【0059】従って、転がり軸受け8がΔSだけ上下移
動すると、当然リンク機構7とリンク棒70との取付部
もΔSだけ上下移動する。リンク機構7がΔSだけ上下
移動すると、リンク棒70はθだけ回転するので、ΔS
とθとの関係は、以下の式(2)のようになる。
【0060】
【数2】
【0061】ΔSにマイナス符号がつくのは、式(1)
の形より、ΔSが負となる時、ミラー2がθの正方向に
回転するからである。従って、式(1)、(2)より、
高さSとθとの関係は、次の式(3)として求められ
る。
【0062】
【数3】
【0063】逆に、θをSの関数として表すと、式
(4)が得られる。
【0064】
【数4】
【0065】ここで、角度θには、エンドカムギヤ6の
形状で決まる上限と下限があり、それぞれをθmax 、θ
min とすると、それらは式(4)においてS=Smin 、
S=Smax の時のθの値なので、それぞれ式(5)及び
式(6)のようになる。
【0066】
【数5】
【数6】
【0067】この時、θmax とθmin との関係は、次の
式(7)となっている。
【0068】
【数7】
【0069】すなわち、ミラー2は水平からθ0 を中心
として垂直方向に対称な垂直回転が可能である。もし、
リンク棒70とミラー2の角度を任意に設定できるよう
にしておけば、θ0 を所望の値に設定しておくことが可
能になる。
【0070】(第1の実施の形態:図8のリンク機構の
説明)リンク機構としては、図6に示したもの以外にも
考えられ、例えば図8に示すような構成がある。リンク
機構7は、ミラー2に取り付けられている。この場合の
θとSの関係を図9を用いて説明する。
【0071】ミラー2とミラー支柱9の取付位置から、
ミラー2とリンク機構7との取付位置までのミラー2に
沿った距離をLとすると、図7で説明した式(2)に相
当する式は、式(8)となる。
【0072】
【数8】
【0073】エンドカムギヤ6の形状から求まる式
(1)の関係は、この場合でも成り立つので、高さSと
角度θとは、それぞれ式(9)及び式(10)のように
なる。
【0074】
【数9】
【数10】
【0075】この式(9)及び式(10)は、式(3)
及び式(4)に比べ多少複雑な形になっている。さら
に、ミラー2の垂直回転角度の上限及び下限は、式(1
0)より、それぞれ式(11)及び式(12)となる。
【0076】
【数11】
【数12】
【0077】ここで注意しないといけないのは、θmax
とθmin との関係が次の式(13)を満たすということ
である。
【0078】
【数13】
【0079】図5及び図8に示すエンドカムギヤ6とリ
ンク機構7を用いて、S=(Smax+Smin )/2とな
るところをθ=0としてミラー2を垂直回転した場合、
上限と下限は対称にはならない。これは、図8に示すリ
ンク機構7の、リンク機構7とミラー2との取り付け方
法及びエンドカムギヤ6の形状に由来している。しか
し、図8に示すリンク機構7を用いる場合でも、エンド
カムギヤ6の形状を工夫することにより、|θmax |=
|θmin |とすることは可能である。
【0080】以上のように、リンク機構7の構成が予め
分かっていれば、エンドカムギヤ6のSの値とミラー2
の垂直回転角度θの関係が求まる。
【0081】(第1の実施の形態:エンドカムギヤの形
状を表すρとSの関係)ところで、Sは、エンドカムギ
ヤ6の底面から上面までの高さである。したがって、エ
ンドカムギヤ6の形状が予め分かっているときは、S
は、図10に示すように角度ρの関数である式(14)
として表されるはずである。
【0082】
【数14】
【0083】これについて説明する。図のようにS=
(Smax +Smin )/2となる2つの位置の一方を角度
ρ=0とし、Sが増加する方向をρの正回転方向とす
る。図5に示したエンドカムギヤ6の形状は、上面が底
面に対して一定角度となるような平面となっていること
から、エンドカムギヤ6の半径をrとすると、SとΔS
とは、それぞれ式(15)、式(16)となる。
【0084】
【数15】
【数16】
【0085】以上より、式(3)、(4)、(15)、
あるいは式(9)、(10)、(15)を用いて、エン
ドカムギヤ6の回転角度ρと、ミラー2の垂直回転角θ
の関係を計算できる。
【0086】図3で示す画像入力部200には、エンド
カムギヤ6のカメラ1に対する回転角度を検出するため
の図示されていない原点センサ及びエンコーダが備えら
れている。さらに、リングギヤ5のカメラ1に対する回
転角度を検出するための図示されていない原点センサ及
びエンコーダが備えられている。したがって、検出され
た角度値を計算することによって、転がり軸受け8がエ
ンドカムギヤ6のどの位置に接触しているか、すなわち
角度ρの値を算出することができる。よって、モータ3
Bを回転駆動させることで、エンドカムギヤ6を回転駆
動し、ミラー2を所望の角度に垂直回転させることが可
能となる。
【0087】式(8)はエンドカムギヤ6の形状を決定
する式と言っても良いが、エンドカムギヤ6は、式
(9)で表される図5に示した形状に限られず、これ以
外も様々なものが考えられる。例えば、ρとθを図11
に示す関係となるようなエンドカムギヤ6の形状が存在
するはずであり、ミラー2をθだけ垂直回転させるため
の角度値ρを容易に計算することが可能となる。さら
に、図12に示すような形状も考えられる。つまり、用
途に応じてエンドカムギヤ6の形状を決定することで、
最適なミラー回転を実現することが可能となる。
【0088】(第1の実施の形態:ミラー2の角度φ、
θとその表現方法)以上説明した機構を有することによ
り、モータ3A及びモータ3Bを回転駆動させると、ミ
ラー2は水平または垂直方向に様々なパターンで回転駆
動される。以下、モータ3A及びモータ3Bの回転駆動
に伴うミラー2の動きについて説明する。
【0089】図13は、ミラー2の水平回転角度φと垂
直回転角度θと、ミラー2が回転駆動された時の(φ,
θ)の変化の一例を示すグラフである。垂直回転角度θ
は、エンドカムギヤ6やリンク機構7の説明において述
べたものと同じで、ミラー2がミラー支柱9回りに回転
する回転角度で、上向きに回転する方向を正としてい
る。一方、水平回転角度φは、ミラー2が、カメラ1の
光軸回りに回転するカメラ1に対する回転角度であり、
予め決められた原点位置からの水平回転角度である。ミ
ラー2は、リングギヤ5にミラー支柱9によって保持さ
れているので、ミラー2の水平回転角度φは、リングギ
ヤ5のカメラ1の光軸回りの回転角度と言うこともでき
る。リングギヤ5の回転角度は、図3などで図示されて
いない原点センサ及びエンコーダで検出することができ
る。
【0090】図13のグラフは、横軸にφ、縦軸にθを
とったものである。水平回転角度φについては、ミラー
2が何回転したかに関係なく回転角度位置を0〜2πで
表した。ミラー2が、水平及び垂直回転しながら駆動さ
れると、例えば図13に示すような軌跡θ=f(φ)と
して回転の様子を表すことが可能となる。軌跡上に示さ
れたt1 及びt2 は、ミラー2がその点で表された角度
状態にある時の時間を表している。
【0091】ここで、エンドカムギヤ6における角度ρ
と、ミラー2の水平回転角度φの関係について、数式化
することによりまとめておく。
【0092】図14に、画像入力部200を真上から見
た図を示す。φは、ミラー2のカメラ1に対する水平回
転角度で、予め決められたカメラ1に対する原点と、撮
像方向がなす角度である。ρは、図10で示したように
リンク機構7の先端に取り付けられた転がり軸受け8が
エンドカムギヤ6に接触する点の位置を示す角度であ
る。次に新しく出てきた角度ηであるが、これは、カメ
ラ1に対する原点と角度ρを決定するエンドカムギヤ6
の原点とがなす角度である。言い換えると、モータ3B
の回転駆動によりエンドカムギヤ6が回転された角度と
言うこともできる。撮像方向とリンク機構7とのなす角
度は、画像入力部200の構造から予め決まる角度φ0
=定数となっている。これらの角度は、すべて反時計回
りを正方向の回転とする。以上より、φとφ0とηとρ
とは、次の式(17)なる関係が成り立っている。
【0093】
【数17】
【0094】これを、式(10)に代入し、さらに式
(4)あるいは式(10)を用いると、結局、ミラー2
の垂直回転角度θは、ミラー2の水平回転角度、すなわ
ちリングギヤ5の回転角度であるφ及びエンドカムギヤ
6の回転角度ηを用いて表される。
【0095】リングギヤ5とエンドカムギヤ6の回転角
度あるいは回転速度は、モータ3A及びモータ3Bの回
転角度あるいは回転速度で決定される。したがって、コ
ンピュータ101及びミラー回転制御手段102はこれ
らの関係を用いてモータ3A及びモータ3Bを制御し、
ひいてはミラー2を回転制御することができるというわ
けである。
【0096】(第1の実施の形態:ミラーの動きである
5つのモードの説明)モータ3A及びモータ3Bの回
転、停止を組み合わせることで、ミラー2は様々な動き
をする。例えば、以下に示すような5つのモードがあ
る。 リングギヤ5とエンドカムギヤ6の回転周期が同一と
なるように、モータ3Aとモータ3Bを回転駆動(以
下、「第1のモード」と称する。) モータ3Bのみを回転駆動(以下、「第2のモード」
と称する。) モータ3Aとモータ3Bをそれぞれ指定角度だけ回転
駆動(以下、「第3のモード」と称する。) リングギヤ5とエンドカムギヤ6の回転周期が同一と
ならないように、モータ3Aとモータ3Bを同時に回転
駆動(以下、「第4のモード」と称する。) モータ3Aのみを回転駆動(以下、「第5のモード」
と称する。)
【0097】以下、上記5つのモードについてミラー2
がどのように回転されるかを、図13で示したグラフの
表示形式を適用して説明する。ただし、エンドカムギヤ
6としては、図5に示したものを用いた場合とする。ま
た、リングギヤ5の回転角速度をVφ、エンドカムギヤ
6の回転角速度をVηとする。
【0098】(第1のモード)リングギヤ5とエンドカ
ムギヤ6の回転速度が同一、すなわちVφ=Vη≠0に
なるようにモータ3Aとモータ3Bを駆動すると、転が
り軸受け8がエンドカムギヤ6に接触する位置が変化し
ない。したがって、リンク機構7は上下に並行移動され
ることはないため、ミラー2は垂直回転されないことに
なる。よって、ミラー2は、図15に示すように、垂直
回転角度がθc の状態で水平回転駆動される。θc は、
転がり軸受け8が、エンドカムギヤ6がどの位置に接触
しているかによって決まる。すなわち、本モードの回転
駆動に入る時の角度ηで決まる。
【0099】ミラー2が(φs ,θs )の停止状態か
ら、垂直回転角度θc での連続水平回転駆動に移行する
場合のモータ3A及びモータ3Bの駆動の様子を図16
に示す。図16の(a)は、横軸が時間、縦軸がリング
ギヤ5の水平回転速度Vφ、図16の(b)は、横軸が
時間、縦軸がミラー2の垂直回転角度θ、のグラフであ
る。
【0100】図示したように、回転速度(角速度ともい
う)Vφが、0から一定回転速度Vφc まで加速し、そ
の後一定となるようにモータ3Aを回転駆動し、かつ、
垂直回転角度θが、θs からθc になるまでエンドカム
ギヤ6の回転角度速度Vρを調節しながらモータ3Bを
回転駆動し、その後停止させると、ミラー2は、図16
の(c)に示すように動く。ミラー2は最初、(φs ,
θs )の位置で停止状態にあり、その後矢印16Aで示
す軌跡を移動し、その後、矢印16Bで示す水平回転に
移行し、矢印16Cで示す連続回転を続ける。
【0101】(第2のモード)モータ3Aを回転駆動さ
せないと、リングギヤ5は回転しないため、ミラー2は
水平回転されない。この状態で、モータ3Bを回転させ
ると、エンドカムギヤ6が回転して、ミラー2は垂直回
転する。つまり、Vφ=0、Vη≠0、とすればミラー
2は垂直方向にのみ回転駆動される。もし、モータ3B
を回転し続ければ、エンドカムギヤ6が連続回転するこ
とになり、ミラー2は、図17に示すように水平回転角
度がφc の状態で垂直方向に往復移動する。φc は、垂
直往復移動に入る時のリングギヤ5の位置で決まる。
【0102】また、垂直往復移動のパタンは、エンドカ
ムギヤ6の形状を表す式(8)であるS=S(ρ)で決
まるが、例えば図5に示したエンドカムギヤ6の場合で
は、エンドカムギヤ6が1回転すると1往復する往復移
動になる。この第2のモードでも、ある停止状態から連
続垂直往復移動にスムーズに移行することが可能となる
が、図16を用いて第1のモードの後半で説明した駆動
パタンと同様に実現することができるため、説明は省略
する。
【0103】(第3のモード)第1、第2のモードで説
明したように水平、垂直回転が可能であるということ
は、当然、指定された目標位置にミラー2を回転し、位
置決めすることも可能である。例えば、停止状態(φs
,θs )から指定目標値(φe ,θe )への移動は、
図18に示すようになる。この場合も、モータ3Aとモ
ータ3Bを同時に駆動して、それぞれが目標値に到達す
るようにすることで、スムーズなミラー回転を実現でき
る。この時、リングギヤ5の回転角度量は、φe −φs
とすれば良い。
【0104】一方、エンドカムギヤ6の回転角度量は、
リングギヤ5が停止している時に、θs をθe にするた
めに必要な回転角度量Δηに、リングギヤ5の回転角度
量φe −φs だけ足した角度量(Δη+φe −φs )と
なる。これは、エンドカムギヤ6とリングギヤ5との回
転角度の差分によって、角度ρが変化し、ミラー2の垂
直角度θが変化するからである。
【0105】以上は、モータ3Aとモータ3Bを同時駆
動して指定角度に移動させる場合であるが、もちろん、
制御系の制限等の理由で、モータ3Aを駆動してφs →
φe(矢印18A)とした後、モータ3Bを駆動してθs
→θe (矢印18B)としても良い。
【0106】(第4のモード)リングギヤ5とエンドカ
ムギヤ6の回転速度が同一とならないようにモータ3A
及びモータ3Bを同時回転駆動した時のミラー2の動き
の一例を図19に示す。グラフには、本モードで連続回
転した時の第n週目の軌跡と、第(n+1)周目の軌跡
を示してある。ただし、n=1、2、3、・・・であ
る。
【0107】第n周目の軌跡を見ると、まずφに対して
θが減少して負となり、θmin になったところで増加に
転じ、θmax まで増加して再び減少している。これは、
リングギヤ5の回転角速度Vφが、エンドカムギヤ6の
回転角速度Vηよりも速い場合であり、また第n周目の
回転が、φ=0の時、転がり軸受け8が、図5に示した
形状のエンドカムギヤ6のρ=0の場所にあったと考え
られる。
【0108】さて、図19のφt について考える。φt
は、角度θの変化が一周期する間にリングギヤ5が回転
する角度である。角度θの変化が一周期するのに要する
時間をtとし、リングギヤの回転角速度Vφが、エンド
カムギヤ6の回転角速度Vηより速いと仮定すると、リ
ングギヤ5は、時間tの間に1周(2π)して、さらに
エンドカムギヤ6が時間tの間に回転される分だけ回転
する必要があるので、φt は、式(18)のようにな
る。
【0109】
【数18】
【0110】一方、リングギヤの回転角速度Vφが、エ
ンドカムギヤ6の回転角速度Vηより遅いと仮定する
と、エンドカムギヤ6は、時間tの間に1周(2π)し
て、さらにリングギヤ5が時間tの間に回転される分だ
け回転する必要があるので、φt は、式(19)のよう
になる。
【0111】
【数19】
【0112】したがって、VφとVηの大小関係及び式
(12)、(13)を比較すると、φt は、式(20)
のように表すことができる。
【0113】
【数20】
【0114】ただし、K=Vη/Vφであり、||は絶
対値記号である。
【0115】式(14)は、VηとVφの比Kを変える
ことで、ミラー2の動きが様々に変化することを示して
いる。例えば、図19に示したグラフでは、K=約0.
07程度にした時のミラー2の動きである。
【0116】また、Vφ=Vη、すなわちK=1とする
とφt =∞となるが、これは第1のモードで示した水平
回転になることから理解できる。一方、Vη≠0かつV
φ=0とすると、K=∞となり、φt =0となるが、こ
れは第2のモードで示した垂直回転になることから理解
できる。
【0117】また、Kを0に近づければ、φt は2πに
近づき、ミラー2の動きは図20に示すようになる。と
ころで、φt の分母は絶対値形式となっているので、φ
t を2πに近づけるためには、Kを2に近づけることで
も実現できる。この場合は、エンドカムギヤ6がリング
ギヤ5のほぼ2倍の速度で回転していることになる。こ
の場合、エンドカムギヤ6がリングギヤ5よりも速く回
転するため、転がり軸受け8がエンドカムギヤ6の底面
から上面までの高さSを低くする方向に移動し、リンク
機構7が下方移動し、ミラー2の垂直角度θが増加す
る。このため、ミラー2は、φ=0の位置から回転開始
直後に、θが増加する変化を示す。つまり、図20に示
したミラー2の軌跡を、θ=θ0 の直線で反転させた軌
跡となる。
【0118】次に、Kを1に近づければ、φt は大きく
なり、ミラー2の動きは図21に示すようになる。逆
に、Kを大きくすれば、すなわちVφに比べVηを大き
くすれば、φt は小さくなり、ミラー2の動きは図22
に示すようになる。図22の第n周目の軌跡を見ると、
図19の場合と異なり水平角度φ=0の位置から角度θ
が増加している。これは、前述したK=2の場合と同様
に、Vη>Vφとなっているためである。
【0119】このように第4のモードでは、適当なKを
選び、ミラー2を連続回転させると、ミラー2は(φ,
θ)空間を網羅的に回転されることになる。この機能
は、後で述べる本発明の第2の実施の形態において画像
合成により広視野画像を得る時に役立つ。
【0120】次に、グラフ中に示したΔθについて説明
する。リングギヤ5が、モータ3Aにより回転駆動さ
れ、ちょうど360°(2πラジアン)回転する間、す
なわち原点の位置に戻って来る間に、エンドカムギヤ6
もモータ3Bにより回転駆動されている。リングギヤ5
が1回転するのに要する時間は、その水平回転周期Tφ
であり、Tφは、リングギヤ5の回転角速度Vφを用い
て、式(21)のように表される。
【0121】
【数21】
【0122】このTφの間にエンドカムギヤ6が回転さ
れる回転角度をΔηとすると、Δηは、式(22)とな
る。
【0123】
【数22】
【0124】このΔηに相当する角度ρの変化分Δρ
は、式(11)により求まるが、ミラー2は原点の位置
に戻ってきているのでφに変化はなく、φ0 =定数であ
ることから、結局、ΔηとΔρとの関係は、式(23)
のようになる。
【0125】
【数23】
【0126】グラフ中に示すΔθは、このΔρに起因す
るミラー2の垂直回転角度変化である。つまり、リング
ギヤ5が1回転する間に、エンドカムギヤ6がΔρだけ
回転しているので、その分だけミラー2が垂直回転し、
その回転角度量がΔθというわけである。Δθの値を求
めるためには、式(10)及び式(4)または式(1
0)の微分形を求め、ρ及びΔρを代入すれば良いが、
例えば、エンドカムギヤ5としては図5に示したもの、
リンク機構7としては図6に示したものを用いた場合に
ついては、次の式(24)が得られる。
【0127】
【数24】
【0128】コンピュータ101とミラー回転制御手段
102は、以上の計算結果に基づいてモータ3A及びモ
ータ3Bを制御すれば良い。
【0129】(第5のモード)エンドカムギヤ6として
図5に示したものを用い、ミラー2を水平回転させるた
めのモータ3Aのみを回転させると、ミラー2は図23
のような動きをする。ただし、図中の軌跡は、水平回転
角度φ=0の時、垂直回転角度θ=0となるように、す
なわち転がり軸受け8がエンドカムギヤ6上のρ=0の
位置に来るように、リングギヤ5及びエンドカムギヤ6
を位置決めしておいた場合のものである。
【0130】第5のモードにおいては、図12に示した
エンドカムギヤ6を用いた場合のミラー2の動きについ
ても説明しておく。図24及び図25は、図12で示し
たエンドカムギヤ6を用いた場合の画像入力部201の
構成及びそれを横から見た図である。モータ3Aのみを
回転駆動させると、ミラー2は図26に示すような動き
になる。このように、エンドカムギヤ6の形状S=S
(ρ)を工夫することで、モータ3Aのみを回転させる
だけでも、ミラー2の動きにバリエーションを持たせる
ことが可能となる。
【0131】(第2の実施の形態:モータ1つの2軸駆
動機構(エンドカムギヤ)+カメラ)図27は、本発明
の第2の実施の形態の構成を示す図である。前述した本
発明の第1の実施の形態では、リングギヤ5とエンドカ
ムギヤ6を、それぞれ異なるモータ3A及びモータ3B
で駆動していたのに対し、本実施の形態では、一つのモ
ータ3でリングギヤ5とエンドカムギヤ6を駆動してい
る。それ以外については、第1の実施の形態と同様の構
成であるため、以下その相違点である画像入力部につい
て説明する。
【0132】(第2の実施の形態:画像入力部202の
説明)本実施の形態の画像入力部202は、カメラ本体
1Aとレンズ1Bから構成され、上向きに置かれたカメ
ラ1と、レンズ1Bの光軸と中心軸を同一にして配置さ
れたリング形状のギヤであるリングギヤ5と、リングギ
ヤ5に固定されたミラー支柱9に回転可能なように保持
されたミラー2と、レンズ1Bの光軸と中心軸を同一に
して配置されたリング形状のギヤであって、上面と底面
が平行ではなく、一定角度をなしているエンドカムギヤ
6と、モータ3の回転駆動をリングギヤ5に伝達するた
めのギヤ40と、モータ3の回転駆動をエンドカムギヤ
6に伝達するためのギヤ41と、リングギヤ5をギヤ4
0を介して回転駆動し、かつエンドカムギヤ6をギヤ4
1を介して回転駆動するためのモータ3と、一方の端が
ミラー2に回転可能なように取り付けられ、他方の端が
転がり軸受け8であって、その転がり軸受けがエンドカ
ムギヤ6の上を転がるように構成されたリンク機構7
と、リンク機構7がエンドカムギヤ6と接触しながら転
がるようにリンク機構7をエンドカムギヤ6に押し付け
るためのバネ10と、を備えて構成されている。
【0133】なお、図27に示した画像入力部202の
エンドカムギヤ6は、図5に示した形状のものを用いて
いる。また、画像入力部202には、第1の実施の形態
における画像入力部200と同様に、リングギヤ5とエ
ンドカムギヤ6との回転角度を検出するための図示され
ていない原点センサ及びエンコーダが内蔵されている。
これらの値を参照することにより、角度φ、ρ、ηを算
出でき、さらにはθも計算できる。
【0134】(第2の実施の形態:ミラー回転機構の説
明)モータ3が回転駆動されると、ギヤ40を介してリ
ングギヤ5が、ギヤ41を介してエンドカムギヤ6が、
同時に回転駆動される。リングギヤ5の回転に伴い、ミ
ラー2は水平回転駆動され、エンドカムギヤ6の回転に
伴い、第1の実施の形態で説明したしくみによりミラー
2は垂直回転駆動される。この時、ギヤ40による減速
比と、ギヤ41による減速比とが問題となる。もし、減
速比を同一にすれば、ミラー2は、第1の実施の形態の
説明において、図15を用いて説明した第1のモードと
同様の動きになってしまう。しかも、エンドカムギヤ6
だけを回転させることができないため、第1の実施の形
態のように任意の垂直角度での水平回転もできない。
【0135】しかし、もし異なる減速比となるようにギ
ヤ40及び41を選定すれば、ミラー2は、第1の実施
の形態において、図19を用いて説明した第4のモード
と同様の動きを実現できる。この時、モータ3の回転速
度をV、ギヤ40及び41の減速比をそれぞれNφ、N
η、リングギヤ5及びエンドカムギヤ6の回転速度をそ
れぞれVφ、Vηとすると、それぞれの関係は、次の式
(25)により表される。
【0136】
【数25】
【0137】したがって、VηとVφの比Kは、次の式
(26)のようになる。
【0138】
【数26】
【0139】これは、ギヤ40及び41を適当に選ぶこ
とで、Kを任意の値にすることができ、第1の実施の形
態の説明で示した図19〜22に示すように、ミラー2
を様々なパタンで回転駆動させることが可能になること
を示している。すなわち、本実施の形態に係るギヤ4
0,41は、本発明の減速比調整手段を構成する。
【0140】以上のように、本実施の形態では、上記第
4のモードを一つのモータで実現することができ、エン
ドカムギヤ6の形状や、ギヤ40及び41の減速比を選
定することで、図19に示すΔφを所望の値にすること
により、ミラー2を様々なパタンで回転駆動することが
可能になる。
【0141】(第3の実施の形態:2軸駆動機構(エン
ドカムギヤ)+複数画像合成カメラ)図28は、本発明
の第3の実施の形態の構成を示す図である。図28を参
照すると、本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の
形態における画像入力部200と同様の構成である画像
入力部200(点線枠内)と、モータ3A及びモータ3
Bを制御するミラー回転制御手段(制御手段)102
と、画像取得手段103と画像変換手段104と画像合
成手段105とからなるコンピュータ101と、画像表
示手段106と、を備えて構成されている。
【0142】コンピュータ101は、ミラー回転制御手
段102に制御信号を送る。ミラー回転制御手段102
は、コンピュータ101から送られてきた制御信号に基
づきモータ3A,3Bを制御する。ミラー2は、モータ
3A及びモータ3Bの回転駆動に応じて、回転駆動され
る。モータ3Aと3Bの駆動パタンによって、ミラー2
がどのように回転されるかは、第1の実施の形態の説明
において詳しく述べた。
【0143】一方、コンピュータ101は、画像取得手
段103で取得されたカメラ1からの画像を、画像変換
手段104において第1の実施の形態と同様に回転変換
する。第1の実施の形態では、この回転変換された画像
をそのまま画像表示手段106に出力しているが、本実
施の形態では、回転変換された画像を、さらに画像合成
手段105で合成し、この合成された画像を画像表示手
段106に出力する。したがって、第1の実施の形態の
画像入力装置200は、ミラー2を回転させることで所
望の方向の画像を取得することを目的としていたのに対
し、本実施の形態の画像入力装置は、ミラー2を回転さ
せて、複数の画像を取得し、それらを合成することで広
視野画像を得ることを目的としている。
【0144】ミラー2が、垂直回転することなく水平に
のみ回転している場合、すなわち第1の実施の形態の説
明で述べた第1のモードの場合の画像取得、変換、合成
の様子を図29に示す。第1の実施の形態で、図2を用
いて説明したのと同様に画像を回転変換し、撮像対象の
上下方向を揃える。画像合成手段105は、回転変換さ
れた画像を合成する。合成する際の画像間の重なり具合
は、ミラー2の水平及び垂直回転角度を検出する図示さ
れていない原点センサ及びエンコーダによる検出値も参
照して合成する。合成された広視野画像は、回転変換さ
れた複数画像が合成されたものなので、上下部分はギザ
ギザ状となっている。したがって、画像表示手段106
へは、中央の矩形部分を切り出して出力する。
【0145】次に、ミラー2が垂直方向にも回転されて
いる場合の画像合成について説明する。図30は、ミラ
ー2が第1の実施の形態の説明の中で示した図19に示
すように回転された場合の画像合成の様子である。図1
9では、ある1回転の画像合成の様子だけを示したが、
第4のモードで説明したように周期のずれた回転をくり
かえすことによって、1回転ではカバーできない領域に
ついても画像が生成され、最終的には、矩形で示された
広視野画像が得られる。このようにミラー2が垂直回転
させた状態で画像合成することで、広視野画像の垂直画
角を拡張することが可能になる。
【0146】(第4の実施の形態: 2軸駆動機構+デ
スクスタンド型カメラ)本発明の第4の実施の形態を図
31に示す。図31を参照すると、本発明の第4の実施
の形態は、画像入力部204(点線枠内)と、画像入力
部204を机上一定高さに固定するためのスタンド60
と、モータ3A及びモータ3Bを制御するためのミラー
回転制御手段102と、画像取得手段103と画像変換
手段104と画像合成手段105とからなるコンピュー
タ101と、画像表示手段106と、を備えて構成され
ている。モータ3A及びモータ3Bを回転して、ミラー
2を撮像したい方向に向けることにより、所望方向の画
像を取得することが可能になる。
【0147】コンピュータ101は、ミラー回転制御手
段102に制御信号を送る。ミラー回転制御手段102
は、コンピュータ101から送られてきた制御信号に基
づきモータ3A,3Bを制御する。コンピュータ101
及びミラー回転制御手段102による制御及びモータ3
A,3Bの回転駆動によるミラー回転については、後で
詳細に説明する。
【0148】一方、コンピュータ101は、カメラ1か
ら送られてくる画像を画像取得手段103で取得する
が、本実施の形態の場合も、後で説明するようにカメラ
1の前方でミラー2を回転させて撮像するため、第1の
実施の形態と同様に回転された画像が取得される。すな
わち、カメラ1が固定され、ミラー2だけをカメラ1の
光軸回りに回転させて所望方向の画像を取得するため、
図2に示すような画像が得られることになる。そこで、
コンピュータ101は、画像取得手段103で取得され
た画像を、画像変換手段104で回転変換処理をし、画
像表示手段106に出力する。また、第3の実施の形態
と同様に、回転変換された画像を、画像合成手段105
で合成し、この合成された画像を画像表示手段106に
出力することもできる。
【0149】回転変換処理のパラメータは、ミラー2の
カメラ1に対する相対回転角度で決定される。画像入力
部204には、ミラー2の回転角度を検出するための図
示されていない原点センサ及びエンコーダが内蔵されて
おり、コンピュータ101はそれらの値を参照すること
でミラー2のカメラ1に対する相対回転角度を検出でき
る。回転変換処理のパラメータは、これを基に算出す
る。
【0150】以上のように本実施の形態では、ミラー2
を2軸方向に回転できる2軸駆動機構と、カメラを組み
合わせ、ミラー2を回転させることで、所望方向の画像
を取得し、画像表示手段106に表示することが可能に
なる。
【0151】(第4の実施の形態:画像入力部204の
説明)図32は、図31に示した第4の実施の形態にお
ける画像入力部204の構成を示す図、また、図33
は、図32に示した画像入力部204を横から見た図で
ある。
【0152】本実施の形態における画像入力部204
は、第1の実施の形態における画像入力部200と比
べ、2軸駆動機構の配置の仕方が異なる。すなわち、第
1及び第3の実施形態における画像入力部200では2
軸駆動機構のモータ3Aやモータ3Bは、カメラ1の周
囲に配置されていた。これに対し、本実施の形態におけ
る画像入力部204では、ミラー2だけでなく2軸駆動
機構全体をカメラ前方に配置、すなわち、カメラ1側か
ら見てミラー2の背後に2軸駆動機構を配置した。
【0153】画像入力部204と画像入力部200の相
違点は、基本的には2軸駆動機構の配置方法だけであ
り、制御方式などについては第1の実施の形態と同じで
ある。したがって、2軸駆動機構の構成や、ミラー2の
回転モード等についての説明は省略する。
【0154】(第5の実施の形態:2軸駆動機構(エン
ドカムギヤ)+投光器)第1〜4の実施の形態では、本
発明であるエンドカムギヤ6を用いた2軸駆動機構と、
カメラを組合わせた実施の形態について述べた。しか
し、本発明の2軸駆動機構は、光を発する投光器と組み
合わせることも可能である。すなわち、第1〜4の実施
の形態では、対象物からの反射光を、2軸駆動機構で回
転されるミラーによって光路変換し、カメラに入力する
ものであるが、逆に投光器から発せられた光を2軸駆動
機構で回転されるミラーによって光路変換し、対象物に
投射することもできるのである。投光器としては、液晶
プロジェクタやレーザポインタなどが考えられる。そこ
で、本発明である2軸駆動機構と、液晶プロジェクタを
組み合わせた装置を第5の実施の形態として以下で説明
する。
【0155】図34は、本発明の第5の実施の形態の構
成を示す図である。図34を参照すると、本発明の第5
の実施の形態は、光投射部203(点線枠内)と、モー
タ3A及びモータ3Bを制御するミラー回転制御手段
(制御手段)102と、画像生成手段107と画像変換
手段104とからなるコンピュータ101と、を備えて
構成されている。モータ3A及びモータ3Bを回転し
て、ミラー2を投影したい方向に向けることにより、所
望方向に画像を投射することが可能になる。
【0156】光投射部203は、本発明の第1の実施の
形態の説明で示した図3の画像入力部200において、
カメラ1を液晶プロジェクタ11に置き換えたもので、
液晶プロジェクタ11についても投射方向を上向きにし
て置かれている。液晶プロジェクタ11の前方に配置さ
れたミラー2を回転する2軸駆動機構は、画像入力部2
00のそれと同じ構成である。したがって、本実施の形
態の説明においては、2軸駆動機構についての説明は省
略する。以下、コンピュータ101、ミラー回転制御手
段102、光投射部203の間の制御及び画像の流れに
ついて説明する。
【0157】コンピュータ101は、ミラー回転制御手
段102に制御信号を送る。ミラー回転制御手段102
は、コンピュータ101から送られてきた制御信号に基
づきモータ3A,3Bを制御する。コンピュータ101
及びミラー回転制御手段102による制御及びモータ3
A,3Bの回転駆動によるミラー回転については、第1
の実施の形態において説明した。
【0158】一方、コンピュータ101は、投射すべき
画像を画像生成手段107で生成する。ただし、画像生
成手段107で生成される画像は、ミラー2の回転を考
慮していない画像である。そこで、画像変換手段108
は、画像生成手段107で生成された画像を、ミラー2
を介して投射された時に、画像の上下方向が所望の方向
になるように回転変換処理し、液晶プロジェクタ11に
送る。液晶プロジェクタ11は、画像変換手段108か
ら送られてきた画像を投射する。液晶プロジェクタ11
から投射された光は、ミラー2で光路変換されて対象物
に投射される。
【0159】本実施の形態では、投光器として液晶プロ
ジェクタ11を用いたが、例えばレーザポインタでも良
いし、照明用ライトでも構わない。いずれにしても、本
発明の2軸駆動機構を組み合わせることで、所望の光、
あるいは画像情報を含んだ投射光を、所望の方向に投射
することが可能になる。
【0160】(第6の実施の形態:2軸駆動機構(リン
グギヤ並行移動)+カメラ)次に、本発明の第6の実施
の形態を図35に示し、その構成及び機能を説明する。
図35を参照すると、本発明の第6の実施の形態は、画
像入力部205(点線枠内)と、モータ3A及びモータ
3Bを制御するミラー回転制御手段(制御手段)102
と、画像取得手段103と画像変換手段104とからな
るコンピュータ101と、画像表示手段106と、を備
えて構成されている。モータ3A及びモータ3Bを回転
して、ミラー2を撮像したい方向に向けることにより、
所望方向の画像を取得することが可能になる。
【0161】コンピュータ101は、ミラー回転制御手
段102に制御信号を送る。ミラー回転制御手段102
は、コンピュータ101から送られてきた制御信号に基
づきモータ3A,3Bを制御する。コンピュータ101
及びミラー回転制御手段102による制御及びモータ3
A,3Bの回転駆動によるミラー回転については、後で
詳細に説明する。
【0162】一方、コンピュータ101は、図1に示し
た本発明の第1の実施の形態と同様に、画像取得手段1
03でカメラ1からの画像を取得し、画像変換手段10
4で画像取得手段103で取得された画像を回転変換処
理し、画像表示手段106に送る。画像表示手段106
では、コンピュータ101から送られてきた画像を表示
する。
【0163】以上のように本実施の形態でも第1の実施
の形態と同様に、ミラー2を2軸方向に回転できる2軸
駆動機構と、カメラを組み合わせ、ミラー2を回転させ
ることで、所望方向の画像を取得し、画像表示手段10
6に表示することが可能になる。
【0164】(第6の実施の形態:画像入力部205の
説明)図36は、図35に示した第6の実施の形態にお
ける画像入力部205の構成を示す図である。図37
は、図36に示した画像入力部205を横から見た図で
ある。
【0165】図36及び図37を参照すると、本画像入
力部205は、カメラ本体1Aとレンズ1Bから構成さ
れ、上向きに置かれたカメラ1と、レンズ1Bの光軸と
中心軸を同一にして配置されたリング形状のギヤである
リングギヤ5と、モータ3Aの回転駆動をリングギヤ5
に伝達するためのギヤ4Aと、リングギヤ5をギヤ4A
を介して回転駆動するためのモータ3Aと、リングギヤ
5に固定されたミラー支柱9に回転可能なように保持さ
れたミラー2と、レンズ1Bの光軸と中心軸を同一にし
て配置されたリング12と、モータ3Bの回転をリング
12の並行移動に変換して伝達するウォームギヤ(リン
グ移動機構)42と、ウォームギヤ42を介してリング
12を上下方向に並行移動するためのモータ3Bと、一
方の端がミラー2に回転可能なように取り付けられ、他
方の端が転がり軸受け8であって、その転がり軸受けが
リング12の上を転がるように構成されたリンク機構7
と、リンク機構7がリング12と接触しながら転がるよ
うにリンク機構7をリング12に押し付けるためのバネ
10と、を備えて構成されている。
【0166】(第6の実施の形態:ミラー水平回転機構
の説明)モータ3Aが回転駆動されると、ギヤ4Aを介
してリングギヤ5が回転駆動される。ミラー2は、ミラ
ー支柱9によってリングギヤ5に保持されているので、
リングギヤ5の回転によってレンズ1Bの光軸回りに回
転されることになる。すなわち、モータ3Aを回転駆動
することにより、ミラー2をレンズ1Bの光軸回りに回
転させることができる。なお、ミラー2とミラー支柱9
は、取付部において回転可能なようになっている。
【0167】(第6の実施の形態:ミラー垂直回転機構
の概要説明)一方、モータ3Bが回転駆動されると、ウ
ォームギヤ42を介してリング12が上下方向に並行移
動される。リング12は、上述したエンドカムギヤ6と
異なり、厚みが一定のただのリングである。リング12
の上面には、リンク機構7の端に取り付けられた転がり
軸受け8が、上面上を移動可能なように接触している。
リンク機構7は、図37に示すようにミラー2及びミラ
ー支柱9に取り付けられてあり、リンク機構7が上下に
並行移動することにより、ミラー2はミラー支柱9との
取付部を中心に垂直方向に回転されるようになってい
る。ミラー2とリングギヤ5との間にはバネ10があ
り、転がり軸受け8が常にリング12に接触しているよ
うに押し付けている。
【0168】以上のようにモータ3B、ウォームギヤ4
2、リング12、リンク機構7、転がり軸受け8、バネ
10からなる機構において、リング12を上下並行駆動
させることにより、ミラー2の垂直方向に回転駆動でき
る。
【0169】(第6の実施の形態:図6のリンク機構の
説明)図38は、図36に示した画像入力部205のミ
ラー回転部を横から見た図である。リンク機構及びミラ
ー2の回転角度の定義は、図6に示した本発明の第1の
実施の形態のものと同じである。
【0170】ウォームギヤ42は、モータ3Bに取り付
けられたウォーム42Aと、リング12に取り付けられ
たウォームラック42Bとから構成されている。モータ
3Bが回転するとウォーム42Aが回転され、ウォーム
ラック42Bを上下方向に並行駆動し、リング12が上
下に並行駆動される。ここで、モータ3Bの回転角度
と、ミラー2の垂直方向の回転角度の関係を数式化する
ことにより説明する。
【0171】モータ3Bが角度ηだけ回転した時の、リ
ング12の上向きの並行移動量をΔSとする。ここで、
ウォームラック42BのピッチをPとすると、ΔSとP
との関係は、式(27)のようになる。
【0172】
【数27】
【0173】ΔSとθの間には、上述の式(2)の関係
が成り立っており、これを代入することにより、式(2
8)が得られる。
【0174】
【数28】
【0175】したがって、コンピュータ101及びミラ
ー回転制御手段102は、式(22)に基づいてモータ
3Bを制御することにより、ミラー2を所望の角度に垂
直回転駆動できる。
【0176】ここで、エンドカムギヤ6を用いた2軸駆
動機構におけるミラー2の垂直回転角度を表す式である
式(4)と、ウォームギヤ42を用いた2軸駆動機構に
おけるミラー2の垂直回転角度を表す式である式(2
2)を比較する。
【0177】式(4)では、θはΔSの関数として表さ
れている。ΔSは、式(10)から分かるように角度ρ
の関数である。さらに角度ρは、式(11)から角度φ
と角度ηの関数であることがわかる。すなわち、エンド
カムギヤ6を用いた2軸駆動機構におけるミラー2の垂
直回転角度は、モータ3A及びモータ3Bの両方の回転
角度に関係している。
【0178】一方、式(22)では、θは、モータ3B
の回転角度ηのみの関数となっており、モータ3Aの回
転角度φとは関係ない。つまり、従来技術に示した2軸
雲台カメラなどと同様に、水平及び垂直回転は互いに独
立している。
【0179】以上説明した第1〜6の実施の形態は、被
駆動部であるミラー2が水平回転及び垂直回転する場合
の実施の形態である。しかし、本発明の2軸駆動機構
は、被駆動部を水平回転及び垂直並行移動させることが
可能である。これは、リンク機構7の並行移動をそのま
ま被駆動部に伝達すれば良いことは明らかである。この
場合には、被駆動部の垂直移動をガイドするレールを併
設しておく。
【0180】以上では、本発明の2軸駆動機構を利用し
た画像入力装置及び光投射装置の実施の形態について説
明した。2軸駆動機構単独で用いる場合の実施の形態に
ついては説明しなかったが、ミラー2を2軸回転させる
画像入力装置及び光投射装置の実施の形態により、その
構成及び機能について説明した。
【0181】また、第3の実施の形態で説明した画像合
成による広視野画像の取得については、第2、第4及び
第6の実施の形態においても可能である。
【0182】最後に、第1〜6の実施の形態において、
本発明の2軸駆動機構は、ミラー2を2軸回転するのに
適用されているが、本2軸駆動機構は、例えば、パラボ
ラアンテナや望遠鏡を2軸回転させることも可能であ
る。また、ミサイル発射台や上下駆動可能な回転テーブ
ルなどへの応用も可能である。
【0183】また、これら実施の形態では、エンドカム
ギヤ6の上面に接触するリンク機構7の端に転がり軸受
8を取り付けているが、単にリンク機構7の端がリング
ギヤ6の上面を相対摺動するだけであっても構わない。
但し、転がり軸受け8を用いた方が、リンク機構7とエ
ンドカムギヤ6との接触部に生じる摩擦力が少なくなる
から、回転駆動に要するトルクの低減に有利である。特
に、上記各実施の形態では、バネ10を用いてリンク機
構7をエンドカムギヤ6に押し付けているため、転がり
軸受け8によるトルク低減効果は大きいといえる。
【0184】さらに、転がり軸受け8をエンドカムギヤ
6に押し付ける手段としてバネ10を用いたが、もちろ
んそれ以外の方法でも良い。例えば、ミラー2におもり
を取り付けておき、重力を利用して押し付ける方法など
も考えられる。
【0185】
【発明の効果】以上のように本発明の2軸駆動機構によ
れば、下記記載の効果を奏する。 (請求項1、2)本発明の2軸駆動機構によれば、被駆
動部の垂直回転あるいは垂直並行移動をリンク機構を用
いて実現するから、モータ等の駆動部を水平回転に対す
る被駆動部分に搭載する必要がなくなる。このため、水
平回転の回転軸部に電気的接続を設けることなく、被駆
動部を水平方向及び垂直方向に駆動させることが可能に
なる。また、水平回転に対する被駆動部が軽量になり、
水平回転のための駆動部に必要なトルクが小さくてす
み、駆動部の小型化、低コスト化が図れる。また、垂直
回転あるいは垂直並行移動のための駆動部に必要な電気
接続が、水平回転の回転軸において不要になるため、ス
リップリングなどを設けることなく、エンドレスに水平
回転させることが可能になる。
【0186】(請求項3)本発明の2軸駆動機構では、
リングギヤおよびエンドカムギヤの回転周期を制御する
制御手段を備えるから、被駆動部の水平回転速度、すな
わちリングギヤの回転速度と、エンドカムギヤの回転速
度の組合せによって、被駆動部を様々なパタンで駆動す
ることが可能になる。リングギヤの回転角速度をVφ、
エンドカムギヤの回転角速度をVηとおくと、例えば、
Vφ=Vη≠0の時は、被駆動部は垂直方向に回転ある
いは並行移動されることなく、水平方向のみに回転駆動
される。また、Vφ≠Vη、Vφ≠0、Vη≠0の時
は、被駆動部は、被駆動部が取りうる水平角度及び垂直
角度または垂直位置を網羅的に取りながら駆動される。
これは、被駆動部を様々な姿勢を取りながら連続駆動さ
せる時に役立つ。さらに、Vφ=0、Vη≠0の時は、
被駆動部は水平方向に回転されることはなく、垂直方向
にのみ回転あるいは並行移動される。このように、リン
グギヤ及びエンドカムギヤを単純な規則で駆動するだけ
で、被駆動部は様々な複雑な動きを実現することが可能
になる。また、被駆動部を垂直方向に往復回転あるいは
往復移動させる場合でも、エンドカムギヤを一方向に回
転させるだけで良く、エンドカムギヤを駆動するモータ
等への負担を軽減することが可能となる。
【0187】(請求項4)本発明の2軸駆動機構によれ
ば、被駆動部の水平及び垂直方向駆動を実現するリング
ギヤ及びエンドカムギヤの回転を一のモータで実現する
から、装置全体の小型化、低価格化、省電力化が図れ
る。
【0188】(請求項5)さらに、その一のモータから
リングギヤ及びエンドカムギヤへの回転伝達において、
それぞれの減速比を減速比調整手段により変えておくこ
とにより、上記のVφ≠Vη、Vφ≠0、Vη≠0の場
合における被駆動部の運動が実現可能となる。したがっ
て、被駆動部を、様々な姿勢を取りながら網羅的に連続
駆動するだけで良い用途の場合には、モータ等の駆動機
構を一つにすることが可能になる。
【0189】なお、本発明の2軸駆動機構では、被駆動
部の動きにバリエーションを持たせる方法として、リン
グギヤ及びエンドカムギヤの回転速度の組合せだけでな
く、エンドカムギヤの形状を工夫することによっても実
現できる。用途に応じた被駆動部の駆動プロファイルを
実現するようにエンドカムギヤを設計しておくことによ
り、単純な制御で所望の駆動が可能になる。
【0190】(請求項6)また、エンドカムギヤの形状
を、その中心を通る対称線に関して対称形にしておくこ
とにより、その直線に対してエンドカムギヤのどちらの
サイドを用いても同じように被駆動部を駆動することが
可能になる。
【0191】(請求項7)さらに、エンドカムギヤの中
心を通りかつ対称線に対して垂直な直線上にリンク機構
の他方の端が位置した時に、被駆動部の垂直方向の角度
あるいは位置が、垂直回転あるいは垂直移動可能な範囲
の中央値となるようにエンドカムギヤの形状を設計して
おくことで、被駆動部の垂直方向の任意の角度あるいは
位置を基準に、同じ量だけ回転あるいは移動可能とする
ことができる。
【0192】(請求項8、9)請求項1、2記載の2軸
駆動機構と同様に、水平回転の回転軸部に電気的接続を
設けることなく、被駆動部を水平方向及び垂直方向に駆
動させることが可能になる。したがって、垂直回転ある
いは垂直並行移動させるためのモータ等の駆動部を、水
平回転に対する被駆動部分に搭載する必要がなくなる。
このため、水平回転に対する被駆動部が軽量になり、水
平回転のための駆動部に必要なトルクが小さくてすみ、
駆動部の小型化、低コスト化が図れる。また、垂直回転
あるいは垂直並行移動のための駆動部に必要な電気接続
が、水平回転の回転軸において不要になるため、スリッ
プリングなどを設けることなく、エンドレスに水平回転
させることが可能になる。
【0193】また、本2軸駆動機構では、被駆動部の水
平回転は、水平回転機構によってのみ決定され、垂直駆
動は、垂直回転機構または垂直移動機構によってのみ決
定される。したがって、垂直回転機構または垂直移動機
構を停止させれば被駆動部の水平回転を実現することが
できる。このため、被駆動部を垂直回転させずに水平回
転のみさせる場合、または、垂直方向の変化量が水平方
向の変化量よりも十分小さい場合の駆動を実現する場合
には、請求項1または2記載の2軸駆動機構よりも適し
ている。
【0194】(請求項10)さらに、リングギヤの回転
周期とリングの往復周期を制御する制御手段を用いて、
リングギヤの回転周期と、リングの垂直往復周期を同一
にしないことにより、上記Vφ≠Vη、Vφ≠0、Vη
≠0の場合における被駆動部の運動が実現可能となる。
【0195】以上のように、本発明の2軸駆動機構を用
いれば、被駆動部をエンドレスに水平回転させながら垂
直方向にも回転あるいは並行移動させることが可能とな
る。また、当然に、被駆動部を2軸駆動させる用途、例
えば、パラボラアンテナや望遠鏡の2軸回転駆動、ミサ
イル発射台、水平垂直回転テーブル、水平回転及び垂直
並行移動テーブルなどに適用できる。
【0196】(請求項11)また、本発明の2軸駆動機
構で構成したミラー回転機構とカメラを組み合わせるこ
とにより、所望の方向を撮像することが可能な画像入力
装置を構成することも可能になる。この場合、カメラ自
体を水平及び垂直回転させるのではなく、ミラーのみを
本発明の2軸駆動機構を用いて水平及び垂直回転させる
ので、被駆動部にカメラ及び垂直駆動機構が含まれず、
軽量なミラーのみとなり、高速に所望方向の画像を取得
することが可能となる。また、ミラーを駆動する駆動機
構のトルクが小さくてすみ、装置の小型化、低コスト
化、省電力化が図れる。
【0197】(請求項12)このような画像入力装置で
は、ミラーを水平及び垂直方向に回転させながら順次複
数画像を取得して、それらを合成することにより広視野
画像を生成することが可能になるが、このような場合で
も、ミラーを連続で、かつ様々な角度をとりながら網羅
的に回転駆動することができるので、所望の広視野画像
を、簡単な制御により取得することが可能になる。
【0198】(請求項13)さらに、このような画像入
力装置をスタンドによって机上一定高さに設置すること
により、机上の様子や、机上にある文書などを画像入力
することが可能になる。
【0199】(請求項14)本発明の2軸駆動機構で構
成したミラー回転機構と投光器を組み合わせることによ
り、所望の方向に光を投射することが可能な光投射装置
を構成することが可能になる。例えば投光器として複雑
な画像を投影することが可能な液晶プロジェクタを用い
れば、所望方向に画像情報を投影することが可能にな
る。この時、本発明の2軸駆動機構でミラーを回転させ
て所望方向に画像を投影しているので、重い液晶プロジ
ェクタを回転駆動する必要がなく、装置の大幅な小型
化、低コスト化、省電力化が図れる。また、投光器とし
てはレーザ光を投射するレーザユニットなども考えられ
る。この場合は、本発明の2軸駆動機構を用いてミラー
を回転駆動することにより、レーザユニットよりも高速
に回転駆動できるため、残像現象などを利用した簡単な
図形の投影も実現可能となる。当然、装置小型化、低コ
スト化、省電力化も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示す図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施の形態である画像入力装置
で取得される画像の様子を示す図である。
【図3】図1に示した本発明の第1の実施の形態におけ
る画像入力部の構成を示す図である。
【図4】図3に示した画像入力部を横から見た図であ
る。
【図5】図3に示した画像入力部のエンドカムギヤの形
状を示す図である。
【図6】図3に示した画像入力部のリンク機構を示す図
である。
【図7】図6に示したリンク機構におけるθとSの関係
を説明する図である。
【図8】図6に示したものと異なるリンク機構の一例を
示す図である。
【図9】図8に示したリンク機構におけるθとSの関係
を説明する図である。
【図10】図5に示したエンドカムギヤと角度ρを示す
図である。
【図11】ρとθの関係の一例を示す図である。
【図12】エンドカムギヤの形状の一例を示す図であ
る。
【図13】ミラーの回転角度φ及びθを示す図である。
【図14】角度ρ、φの関係を示す図である。
【図15】第1のモードのミラーの動きを表すグラフを
示す図である。
【図16】(φs ,θs )の停止状態から、垂直回転角
度θc での連続水平回転駆動に移行する場合のミラーの
動きを示す図である。
【図17】第2のモードのミラーの動きを表すグラフを
示す図である。
【図18】第3のモードのミラーの動きを表すグラフを
示す図である。
【図19】第4のモードのミラーの動きの一例を表すグ
ラフを示す図である。
【図20】第4のモードにおいてKを0または2に近づ
けた場合のミラーの動きを表すグラフを示す図である。
【図21】第4のモードにおいてKが0に近い場合のミ
ラーの動きを表すグラフ示す図である。
【図22】第4のモードにおいてKが大きい場合のミラ
ーの動きを表すグラフ示す図である。
【図23】第5のモードのミラーの動きを表すグラフを
示す図である。
【図24】図12に示したエンドカムギヤを組み込んだ
画像入力部の構成を示す図である。
【図25】図23に示した画像入力部を横から見た図で
ある。
【図26】図12で示したエンドカムギヤを用いて、モ
ータ3Aのみを動かした場合のミラーの動きを示す図で
ある。
【図27】本発明の第2の実施の形態の構成を示す図で
ある。
【図28】本発明の第3の実施の形態の構成を示す図で
ある。
【図29】本発明の第3の実施の形態における広視野画
像生成の様子を示す図である。
【図30】ミラーが図19に示したように回転された時
の画像合成の様子を示す図である。
【図31】本発明の第4の実施の形態の構成を示す図で
ある。
【図32】図31に示した画像入力部204の構成を示
す図である。
【図33】図32に示した画像入力部204を横から見
た図である。
【図34】本発明の第5の実施の形態の構成を示す図で
ある。
【図35】本発明の第6の実施の形態の構成を示す図で
ある。
【図36】本発明の第6の実施の形態の画像入力部の構
成を示す図である。
【図37】図35に示した画像入力部を横から見た図で
ある。
【図38】図35に示した画像入力部のリンク機構を示
す図である。
【図39】従来技術である2軸雲台カメラの構成を示す
図である。
【図40】従来技術であるスリップリングを用いた2軸
雲台カメラの構成を示す図である。
【図41】従来技術でありミラー回転型カメラの構成を
示す図である。
【符号の説明】
1 カメラ 1A カメラ本体 1B レンズ 2 ミラー 3、3A、3B モータ 4A、4B、40、41 ギヤ 5 リングギヤ 6 エンドカムギヤ 7 リンク機構 8 転がり軸受け 9 ミラー支柱 10 バネ 11 液晶プロジェクタ 12 リング 42 ウォームギヤ(リング移動機構) 42A ウォーム 42B ウォームラック 50 L字治具 51 スリップリング 51A 内側回転端子 51B 外側回転端子 60 スタンド 70 リンク棒 101 コンピュータ 102 ミラー回転制御手段(制御手段) 103 画像取得手段 104、108 画像変換手段 105 画像合成手段 106 画像表示手段 107 画像生成手段 109 カメラ回転制御手段 200、201、202、204、205 画像入力部 203 光投射部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−322030(JP,A) 特開 平5−153060(JP,A) 特開 平7−322104(JP,A) 特開 平11−103433(JP,A) 米国特許4499490(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/222 - 5/257

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被駆動部を回転軸Aの回りに回転させる
    水平回転機構と、前記被駆動部を前記回転軸Aと垂直を
    なす回転軸Bの回りに回転させる垂直回転機構と、から
    構成される2軸駆動機構であって、 前記水平回転機構は、 前記回転軸Aと中心軸を同一にして配置されたリング形
    状のギヤであって、前記被駆動部を保持するリングギヤ
    と、 前記リングギヤを前記回転軸Aの回りに回転駆動するモ
    ータと、から構成され、 前記垂直回転機構は、 前記回転軸Aと中心軸を同一にして配置されたリング形
    状のギヤであって、その上面の高さ位置が周方向に沿っ
    て変化するエンドカムギヤと、 前記エンドカムギヤを前記回転軸Aの回りに回転駆動す
    るモータと、 一方の端が前記被駆動部に対して前記回転軸Bの回りの
    回転を与えるように取り付けられると共に、他方の端が
    前記エンドカムギヤの上面と相接触するように構成さ
    れ、前記エンドカムギヤの回転を前記回転軸Aに沿った
    自らの並行移動を介して前記回転軸B回りの垂直回転と
    して前記被駆動部に伝達するリンク機構と、 前記他方の端が前記エンドカムギヤの上面に接触するよ
    うに前記リンク機構を前記エンドカムギヤに押し付ける
    押付手段と、 から構成されることを特徴とする2軸駆動機構。
  2. 【請求項2】 被駆動部を回転軸Aの回りに回転させる
    水平回転機構と、前記被駆動部を前記回転軸Aに沿って
    垂直移動させる垂直移動機構と、から構成される2軸駆
    動機構であって、 前記水平回転機構は、 前記回転軸Aと中心軸を同一にして配置されたリング形
    状のギヤであって、前記被駆動部を保持するリングギヤ
    と、 前記リングギヤを前記回転軸Aの回りに回転駆動するモ
    ータと、から構成され、 前記垂直移動機構は、 前記回転軸Aと中心軸を同一にして配置されたリング形
    状のギヤであって、その上面の高さ位置が周方向に沿っ
    て変化するエンドカムギヤと、 前記エンドカムギヤを前記回転軸Aの回りに回転駆動す
    るモータと、 一方の端が前記被駆動部に取り付けられると共に、他方
    の端が前記エンドカムギヤの上面と相接触するように構
    成され、前記エンドカムギヤの回転を自らの並行移動
    ともなって前記回転軸Aに沿う垂直移動として前記被駆
    動部に伝達するリンク機構と、 前記他方の端が前記エンドカムギヤの上面に接触するよ
    うに前記リンク機構を前記エンドカムギヤに押し付ける
    押付手段と、 から構成されることを特徴とする2軸駆動機構。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の2軸駆動機構で
    あって、 前記リングギヤの回転周期と前記エンドカムギヤの回転
    周期を制御する制御手段を備えることを特徴とする2軸
    駆動機構。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の2軸駆動機構で
    あって、 前記リングギヤと前記エンドカムギヤは、一つのモータ
    で駆動されることを特徴とする2軸駆動機構。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の2軸駆動機構であって、 前記モータから前記リングギヤおよび前記エンドカムギ
    ヤへの減速比を調整する減速比調整手段を備えることを
    特徴とする2軸駆動機構。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の2軸駆
    動機構であって、 前記エンドカムギヤの上面が、その中心を通る対称線に
    対して対称形となっていることを特徴とする2軸駆動機
    構。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の2軸駆動機構であって、 前記エンドカムギヤの中心を通りかつ前記対称線に対し
    て垂直な直線上に前記リンク機構の他方の端が位置した
    時に、前記被駆動部の垂直方向の角度あるいは位置が、
    垂直回転あるいは垂直移動可能な範囲の中央値となるよ
    うに設定されていることを特徴とする2軸駆動機構。
  8. 【請求項8】 被駆動部を回転軸Aの回りに回転させる
    水平回転機構と、前記被駆動部を前記回転軸Aと垂直を
    なす回転軸Bの回りに回転させる垂直回転機構と、から
    構成される2軸駆動機構であって、 前記水平回転機構は、 前記回転軸Aと中心軸を同一にして配置されたリング形
    状のギヤであって、前記被駆動部を保持するリングギヤ
    と、 前記リングギヤを前記回転軸Aの回りに回転駆動するモ
    ータと、から構成され、 前記垂直回転機構は、 前記回転軸Aと中心軸を同一にして配置されたリング
    と、 前記リングを前記回転軸Aに沿って往復移動させるリン
    グ移動機構と、 一方の端が前記被駆動部に回転可能なように取り付けら
    れると共に、他方の端が前記リングの上面と相接触する
    ように構成され、前記リングの往復移動を自らの並行移
    動を介して前記回転軸B回りの垂直回転として前記被駆
    動部に伝達するリンク機構と、 前記他方の端が前記リングの上面に接触するように前記
    リンク機構を前記リングに押し付ける押付手段と、 から構成されることを特徴とする2軸駆動機構。
  9. 【請求項9】 被駆動部を回転軸Aの回りに回転させる
    水平回転機構と、前記被駆動部を前記回転軸Aに沿って
    垂直移動させる垂直移動機構と、から構成される2軸駆
    動機構であって、 前記水平回転機構は、 前記回転軸Aと中心軸を同一にして配置されたリング形
    状のギヤであって、前記被駆動部を保持するリングギヤ
    と、 前記リングギヤを前記回転軸Aの回りに回転駆動するモ
    ータと、から構成され、 前記垂直移動機構は、 前記回転軸Aと中心軸を同一にして配置されたリング
    と、 前記リングを前記回転軸Aに沿って往復移動させるリン
    グ移動機構と、 一方の端が前記被駆動部に取り付けられると共に、他方
    の端が前記リングの上面と相接触するように構成され、
    前記リングの往復移動を自らの並行移動にともなって
    記回転軸Aに沿う垂直移動として前記被駆動部に伝達す
    るリンク機構と、 前記他方の端が前記リングの上面に接触するように前記
    リンク機構を前記リングに押し付ける押付手段と、 から構成されることを特徴とする2軸駆動機構。
  10. 【請求項10】 請求項8または9記載の2軸駆動機構
    であって、 前記リングギヤの回転周期と前記リングの往復周期を制
    御する制御手段を備えることを特徴とする2軸駆動機
    構。
  11. 【請求項11】 カメラと、被写体からの反射光を前記
    カメラ方向に光路変換するために前記カメラの前方に配
    置されたミラーと、前記ミラーを前記カメラの光軸回り
    に回転させるミラー水平回転機構と、前記ミラーを前記
    カメラの光軸と垂直をなし前記ミラーの反射面に含まれ
    る直線の回りに回転させるミラー垂直回転機構と、から
    構成され、前記ミラーを回転させることで所望方向の画
    像を入力できる画像入力装置であって、 前記ミラー水平回転機構と前記ミラー垂直回転機構は、
    前記回転軸Aが前記カメラの光軸となるようにした請求
    項1、3〜8、10のいずれかに記載の2軸駆動機構で
    構成されることを特徴とする画像入力装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の画像入力装置であっ
    て、 前記ミラーを回転させながら入力された複数の画像を合
    成する画像合成手段を備えることを特徴とする画像入力
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の画像入力装置であっ
    て、 前記画像入力装置を机上一定高さに設置し、支持するた
    めのスタンドをさらに備え、 前記画像入力装置の前記ミラーは、請求項1、3〜8、
    10のいずれかに記載の2軸駆動機構によって水平方向
    及び垂直方向に回転することを特徴とする画像入力装
    置。
  14. 【請求項14】 所望の光を投射する投光器と、前記投
    光器から投射された光を光路変換するために前記投光器
    の前方に配置されたミラーと、前記ミラーを前記投光器
    の光軸回りに回転させるミラー水平回転機構と、前記ミ
    ラーを前記投光器の光軸と垂直をなし前記ミラーの反射
    面に含まれる直線の回りに回転させるミラー垂直回転機
    構と、から構成され、前記ミラーを回転させることで所
    望方向に光を投射することができる光投射装置であっ
    て、 前記ミラー水平回転機構と前記ミラー垂直回転機構は、
    前記回転軸Aが前記投光器の光軸となるようにした請求
    項1、3〜8、10のいずれかに記載の2軸駆動機構で
    構成されることを特徴とする光投射装置。
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