JP3489337B2 - 位置検出装置 - Google Patents
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Description
械等において使用されるディジタルスケール,ゲージあ
るいはエンコーダ等の、物体の直線位置や回転角度位置
等の検出のために使用して好適な磁気式の位置検出装置
に関する。
磁気式の位置検出装置として、特公昭59ー25441
号公報に開示されているように、一定波長の交番磁気信
号(スケール信号)を記録することによって磁気目盛を
設けた磁気スケールの、磁気目盛上の所定位置における
目盛の磁化の方向及び/ 又は大きさをスケール信号とは
異ならしめることにより、この所定位置に原点信号を記
録し、スケール信号と原点信号とを別々の磁気検出器に
よって検出するようにしたものが提案されている。
ケール上の各磁気記録トラックのトラック幅(本明細書
では、トラック幅とは、磁気スケール上での交番方向に
直交する方向における磁気記録トラックの長さのことを
いうものとする)の全体にわたってスケール信号を記録
した後、この所定位置における磁気記録トラックのトラ
ック幅のやはり全体にわたって原点信号を重畳記録する
ようにしていた。
ラック幅の全体にわたって原点信号が記録されている
と、スケール信号用検出器によるスケール信号の検出の
際、原点信号の記録位置付近において、スケール信号に
原点信号の影響による歪みが生じてしまい、これを原因
としてスケール精度が悪化してしまうという問題があっ
た。
録位置付近においても、必要とされるスケール精度を確
保することができるようにした位置検出装置を提供する
ことを目的とする。
位置検出装置は、一定波長の交番磁気信号が磁気記録ト
ラックに記録された磁気スケールと、磁気記録トラック
の長手方向に沿って相対移動可能な磁気検出器とを有す
る位置検出装置において、磁気記録トラックの長手方向
における交番磁気信号の記録位置に、磁気記録トラック
のトラック幅方向における交番磁気信号の記録幅よりも
短い幅で、かつ前記磁気検出器のうちの前記交番磁気信
号用の検出器の前記トラック幅方向における検出領域内
に原点信号が記録されており、磁気検出器として、交番
磁気信号用の検出器のほかに、トラック幅方向における
検出領域の長さが原点信号の記録幅に対応した原点信号
用検出器を有していることを特徴とするものである。ま
た本発明の請求項2に係る位置検出装置は、一定波長の
交番磁気信号が磁気記録トラックに記録された磁気スケ
ールと、磁気記録トラックの長手方向に沿って相対移動
可能な磁気検出器とを有する位置検出装置において、磁
気記録トラックの長手方向における交番磁気信号の記録
位置に、磁気記録トラックのトラック幅方向における交
番磁気信号の記録幅よりも短い幅で原点信号が記録され
ており、磁気検出器として、交番磁気信号用の検出器の
ほかに、トラック幅方向における検出領域の長さが原点
信号の記録幅に対応した原点信号用検出器を有してお
り、この原点信号の記録位置とはこの長手方向において
等しく且つトラック幅方向において異なる1または複数
の位置に、交番磁気信号用の検出器に対する原点信号の
影響を相殺する偽原点信号が更に記録されていることを
特徴とするものである。
向における原点信号の記録幅がスケール信号の記録幅よ
りも短くなっているので、スケール信号用検出器による
スケール信号の検出の際、原点信号の記録位置付近にお
けるスケール信号の歪みが、この原点信号の記録幅の短
さに応じて小さくなる。これにより、それらのトラック
においても、必要とされるスケール精度を確保すること
ができる。
号が記録されているので、スケール信号の記録幅が原点
信号の存在によって制限されることがない。これによ
り、スケール信号の記録幅をトラック幅の範囲内で十分
に広くとることができるので、十分な出力でスケール信
号を検出できる。さらに、請求項1に係る発明によれ
ば、トラック幅方向におけるスケール信号用検出器の検
出領域内に原点信号が記録されているので、スケール信
号用検出器の検出領域の長さも原点信号の存在によって
制限されることがない。これにより、スケール信号用検
出器の検出領域もトラック幅の範囲内で十分に広くとる
ことができるので、さらに十分な出力でスケール信号を
検出できる。 さらに、請求項2に係る発明によれば、原
点信号記録位置付近において、原点信号の影響によるス
ケール信号の歪みと偽原点信号の影響によるスケール信
号の歪みとが相殺されることになるので、原点信号記録
位置付近においても、原点信号記録位置付近以外におけ
るのと同程度に高いスケール精度が確保されるようにな
るという利益がある。しかもこの場合には、原点信号の
記録電流を大きくしても、それに応じて偽原点信号の記
録電流を大きくすればスケール信号用の検出器に対する
影響が相殺されるので、原点信号を十分な出力で検出す
ることもできる。
号が記録されているので、磁気スケールの寸法は、スケ
ール信号のみが記録されている磁気スケールと同じ大き
さで足りる。これにより、磁気スケールの小型化ひいて
は位置検出装置全体の小型化・低コスト化を図ることが
できる。
の実施例を詳細に説明する。図3A及びBは、本発明を
採用した磁気式スケール装置の一例の全体構成を示す図
である。この装置では、円柱状の磁気スケール1が、再
生ヘッド部2の貫通孔2a,再生ヘッド部2を保持する
周知の構造体14の貫通孔14a及びブラケット8,9
の貫通孔8a,9a(それぞれ磁気スケール1の直径よ
りも大きい内径を有している)に挿入されている。
ケル及び鉄等を含む合金か、鉄,クロム及びコバルトを
含む合金か、あるいは銅または真鍮等の線材に磁性メッ
キを施したものを材質とする着磁媒体である。
スケール信号用の記録ヘッド(図示せず)を用いて、図
1に示すように、円周方向の全周(すなわち磁気記録ト
ラックのトラック幅の全体)にわたって一定波長λの交
番磁気信号が記録されることによって磁気目盛(スケー
ル信号記録部1A)が形成されている。
るスケール信号記録部1Aの所定の位置には、図1Aに
示すように、スケール信号とは磁化の方向が反対の(逆
極性の)原点信号が記録されることにより、原点信号記
録部1Bが形成されている。(尚、図1Aは、後述する
原点信号検出用ヘッド5がシングルギャップの磁束応答
型ヘッドである場合の原点信号の記録例であり、図のヘ
ッド5の上側の波形図は、こうしたシングルギャップの
ヘッド5によって検出される原点信号を、磁気記録トラ
ックの長手方向上の位置と対応させて示したものであ
る。)
号の記録角度範囲(すなわちトラック幅方向における原
点信号の記録幅)は、図1Bに示すように、所定の角度
範囲に限定されている。このような原点信号を記録する
ためには、磁気スケール1の円周上の所定の角度範囲に
のみ信号の記録を行える原点信号用記録ヘッド(図示せ
ず)を用いるようにすればよい。尚、原点信号の記録角
度範囲は、一例として90度以内であり、その中で特に
好適な角度範囲は10乃至20度である。
号はスケール信号の記録位置上に記録されているので、
磁気スケール1としては、スケール信号のみを記録する
場合と全く直径が等しい磁気スケール(一例として直径
約2ミリメートルのもの)を用いている。
個のスケール信号検出用ヘッド3,4と1個の原点信号
検出用ヘッド5とを磁気スケール1に近接させた状態で
ヘッドベース6に固定し、且つそれらのヘッド3,4及
び5を磁気シールド用ケース7で覆って成るものであ
る。
ッドのギャップによるトラック幅方向における実効的な
検出領域の長さがそれぞれスケール信号の記録幅に対応
して磁気スケール1の円周方向の全周(トラック幅の全
体)にわたっているマルチギャップの磁束応答型ヘッド
である。スケール信号検出用ヘッド3と4とは、90度
位相の異なる2相の信号を得るために、磁気記録トラッ
クの長手方向に沿ってスケール信号の記録波長λの(n
+1/ 4)倍の距離だけ相互に離れて配置されている。
のヘッド3,4の代わりに、磁気抵抗効果素子による実
効的な検出領域の長さがトラック幅の全体にわたってい
るMRヘッドをスケール信号検出用ヘッドとして用いる
ようにしてもよい。
ドのギャップによるトラック幅方向における実効的な検
出領域の長さが原点信号の記録幅に対応して磁気スケー
ル1の円周方向上の所定の角度範囲(すなわちトラック
幅の一部)に限られているシングルギャップの磁束応答
型ヘッドか、あるいは、各ヘッドのギャップによるトラ
ック幅方向における実効的な検出領域の長さがそれぞれ
原点信号の記録幅に対応してトラック幅の一部に限られ
ており且つギャップ間の間隔がスケール信号の記録波長
λに等しいデュアルギャップの磁束応答型ヘッドであ
る。ヘッド5は、トラック幅方向における原点信号の記
録位置に対向するような位置状態でヘッドベース6に固
定されている。
ではシングルギャップの磁束応答型ヘッドに比べて約2
倍の大きさの出力信号を得ることができるので、絶対原
点をより安定的に検出するという観点と回路の簡素化を
図るという観点とからは、ヘッド5は、シングルギャッ
プの磁束応答型ヘッドであるよりはデュアルギャップの
磁束応答型ヘッドであることが好適である。また、別の
例として、このような磁束応答型のヘッド5の代わり
に、磁気抵抗効果素子による実効的な検出領域の長さが
原点信号の記録幅に対応してトラック幅の一部に限られ
ているMRヘッドを原点信号検出用ヘッドとして用いる
ようにしてもよい。
部を下方に向けたコの字型の断面形状のスケール筺体1
0(装置内部への外部の磁気の影響を少なくするための
シールド部材から成っている)がボルト(図示せず)を
用いて固定されることにより、磁気スケール1の収納体
が構成されている。このスケール収納体は、スケール筺
体10の筺体取付穴10a,10bに通されたボルト
(図示せず)により、測定対象の機械(工作機械または
産業機械等) の可動部分か非可動部分かのいずれかに取
り付けられている。
スケール筺体10の開口部の下方に位置するヘッドキャ
リア11に搭載されている。スケール筺体10の開口部
とヘッドキャリア11との間の空隙は、筺体内部への埃
の侵入を防止するためのダストシール12によって塞が
れている。
付穴11a,11bに通されたボルト(図示せず)によ
り、前述の測定対象の機械の可動部分と非可動部分との
うちスケール収納体が取り付けられていないほうの部分
に取り付けられている。これにより、測定対象の機械の
可動部分が移動すると、それに連動して、ヘッドキャリ
ア11とともに再生ヘッド部2が磁気スケール1の磁気
記録トラックの長手方向に沿って相対移動するようにな
っている。
(図示せず)から信号ケーブル13を経て励磁用交流信
号が供給される。また、再生ヘッド部2によって検出さ
れたスケール信号,原点信号は、信号ケーブル13を経
て、相対的変位量を表示または出力するための周知の信
号処理回路群,絶対原点を求めるための周知の信号処理
回路群(図示せず)にそれぞれ送られる。
明する。スケール信号検出用ヘッド3,4を相互に位相
がπ/ 4だけずれた交流信号で励磁した状態で、前述の
測定対象の機械の可動部分が移動すると、それに連動し
て再生ヘッド部2が磁気スケール1の磁気記録トラック
の長手方向に沿って相対移動することにより、ヘッド
3,4からは、図4A及びBに例示するように、磁気ス
ケール1との間での相対的変位量xに応じて空間的に波
長λの正弦波状に変化し且つ相互にλ/ 4だけ位相がず
れた信号が、それぞれスケール信号Sa,Sbとして検
出される。前述の信号処理回路群では、このスケール信
号Sa,Sbに対して合成,パルス化,量子化,計数処
理等の周知の処理を施した後、相対的変位量xに応じた
計数値を表示または出力する。
が原点信号記録部1B付近に達したときには原点信号の
影響による歪みがスケール信号Sa,Sbに生じること
になるが、トラック幅方向における原点信号の記録幅が
所定の角度範囲に限られていることにより、スケール信
号Sa,Sbの歪みは一定の範囲内に抑えられるように
なる。従って、原点信号記録部1B付近においても、必
要とされるスケール精度を確保した計数値が表示または
出力されることになる。
号が記録されているので、スケール信号の記録幅は、原
点信号の存在によって制限されることなく、トラック幅
の全体にわたっている。従って、十分な出力のスケール
信号Sa,Sbがスケール信号検出用ヘッド3,4から
得られる。
された原点信号に基づいて絶対原点を求める処理過程例
を示すと、図5及び図6の通りである。図5は、原点信
号検出用ヘッド5がシングルギャップである場合の例で
ある。ヘッド5を任意の交流信号(例えばスケール信号
検出用ヘッド3,4と同じ交流信号)で励磁すると、ヘ
ッド5からは、既に図1Aに示したように、磁気スケー
ル1との間での相対的変位量xに応じて空間的に波長λ
の正弦波状に変化するが原点信号記録部1B付近では波
長λよりも長くなる信号が、原点信号として検出され
る。図5Aもこの原点信号を示しており、この原点信号
を波形整形すると、図5Bのような、原点信号記録部1
B付近以外ではパルス幅がλ/ 2であるが原点信号記録
部1B付近ではパルス幅がλ/ 2よりも長くなるパルス
状信号が得られる。
らのスケール信号Sa,Sb(図4参照)を所定の電気
回路(図示せず)にて処理し、図5Cに例示するよう
な、相対的変位量xに応じて空間的に間隔λ・パルス幅
λ/ 4のパルス状に変化する信号を生成する。また、ス
ケール信号Sa,Sbを合成した信号と発振器からの励
磁 用交流信号とを用いて周知の処理を施すと、図5D
に例示するような、相対的変 位量xに応じて空間的に
間隔λ/ 4のパルス状に変化する信号を得ることができ
る。
のパルス状信号と図5Cのパルス状信号との双方によっ
てゲートをかけると、図5Eのように、原点信号記録部
1Bに対応した1パルスのみが抽出される。このパルス
が抽出される位置が絶対原点とされる。
ギャップ間の間隔がスケール信号の記録波長λに等しい
2個のコア5A,5Bからなるデュアルギャップである
場合の、原点信号記録部1Bの形成例(図6A)と、絶
対原点を求める処理過程例(図6B乃至図6F)とを示
した図である。ヘッド5を任意の交流信号(例えばスケ
ール信号検出用ヘッド3,4と同じ交流信号)で励磁す
ると、ヘッド5からは、図6Aでヘッド5の上側に磁気
記録トラックの長手方向上の位置と対応させて示したよ
うに、原点信号記録部1B付近では磁気スケール1との
間での相対的変位量xに応じて空間的に山状に変化する
が原点信号記録部1B付近以外ではほぼゼロとなる信号
が、原点信号として検出される。図6Bもこの原点信号
を示しており、この原点信号を波形整形すると、図6C
のように、原点信号記録部1B付近でのみパルス幅λ’
(λ’ λ)のパルス状信号が得られる。
らのスケール信号Sa,Sb(図4参照)を所定の電気
回路(図示せず)にて処理し、図6Dに例示するよう
な、相対的変位量xに応じて空間的に間隔λ・パルス幅
λ/ 4のパルス状に変化する信号を生成する。また、ス
ケール信号Sa,Sbを合成した信号と発振器からの励
磁 用交流信号とを用いて周知の処理を施すと、図6E
に例示するような、相対的変 位量xに応じて空間的に
間隔λ/ 4のパルス状に変化する信号を得ることができ
る。
のパルス状信号と図6Dのパルス状信号との双方によっ
てゲートをかけると、図6Fのように、原点信号記録部
1Bに対応した1パルスのみが抽出される。このパルス
が抽出される位置が絶対原点とされる。
した実施例を、図7乃至図10を参照して説明する。こ
の実施例では、前述のシングルギャップヘッド用の原点
信号の記録の実施例(図1乃至図3参照)におけるのと
同様な構成の磁気式スケール装置において、図7A及び
Bに示すように、磁気スケール1の磁気記録トラックの
長手方向上で原点信号記録部1Bと等しい位置であり且
つ磁気スケール1の円周方向上で原点信号記録部1Bと
は約180度離れた位置(すなわちトラック幅方向にお
いて原点信号の記録位置とは異なる1つの位置)に、原
点信号とは磁化の方向が反対の(逆極性の)偽原点信号
が記録されることによって偽原点信号記録部1Cが更に
形成されている。
は、一例としてやはりそれぞれ90度以内であり、その
中で特に好適な角度範囲はやはり10乃至20度であ
る。この偽原点信号もスケール信号の記録位置上に記録
されているので、磁気スケール1としては、やはりスケ
ール信号のみを記録する場合と全く同じ大きさの直径の
磁気スケールを用いることができることはもちろんであ
る。
検出用ヘッド(図示せず)は、やはりトラック幅方向に
おける原点信号の記録位置に対向するような位置状態で
(したがって原点信号を検出するが偽原点信号は検出し
ないような位置状態で)再生ヘッド部のヘッドベース
(図示せず)に固定されている。
記録されていることにより、測定対象の機械の可動部分
の移動に連動して再生ヘッド部2が磁気スケール1の原
点信号記録部1Bの長手方向に沿って相対移動したと
き、原点信号記録部1B付近においては、図8Aに示す
ような原点信号の影響によるスケール信号の歪みと図8
Bに示すような偽原点信号の影響によるスケール信号の
歪みとが相殺されることにより、図8Cに示すように、
原点信号記録部1B付近以外におけるのと同様に正弦波
状に変化する信号が検出されることになる。
いても、原点信号記録部1B付近以外におけるのと同程
度に高いスケール精度が確保されるようになる。しか
も、原点信号の記録電流を大きくしても、それに応じて
偽原点信号の記録電流を大きくすればスケール信号検出
用ヘッドに対する影響が相殺されるので、原点信号を十
分な出力で検出することもできるようになる。
各位置におけるスケール精度(誤差率を尺度としたも
の)を、原点信号のみを記録して偽原点信号を記録しな
い場合(図9A)と、原点信号とともに偽原点信号を記
録した場合(図9B)とで比較した実測例である。この
実測例では、偽原点信号を記録した場合、原点信号記録
部1B付近における誤差率が、偽原点信号を記録しない
場合の3分の1程度となり、原点信号記録部1B付近以
外における誤差率と同程度にまで低下した。
を記録するためには、一例として、図10に示すよう
に、磁気記録トラックの長手方向上で等しい位置であり
且つ磁気スケール1の円周方向上で相互に約180度離
れた位置にそれぞれ所定の角度範囲にのみ信号の記録を
行える1対の原点信号用記録ヘッド14,15を用意し
た上で、同図のように一方のヘッド14に流す記録電流
の方向と他方のヘッド15に流す記録電流の方向とを逆
にするか、あるいは記録電流の方向を等しくしたままヘ
ッド14のコイルの巻き方向とヘッド15のコイルの巻
き方向とを逆にするかすればよい。
磁束応答型ヘッドを用いた場合には、スケール精度が最
も向上したのは、原点信号を記録するための記録電流と
偽原点信号を記録するための記録電流とを約3対2の大
きさに設定したときであった。これに対し、スケール信
号検出用ヘッドとしてMRヘッドを用いた場合には、原
点信号を記録するための記録電流と偽原点信号を記録す
るための記録電流とを約1対1の大きさに設定するのが
よい。
ているが、別の例として、磁気記録トラックの長手方向
において原点信号の記録位置と等しい位置であり且つト
ラック幅方向において原点信号の記録位置とは異なる2
以上の位置に、このような偽原点信号をそれぞれ記録す
るようにしてもよい。このような原点信号と2つ以上の
偽原点信号とを記録するためには、図10からも容易に
推察されるように、磁気記録トラックの長手方向上で等
しい位置であり且つ磁気スケール1の円周方向上で相互
に均等な角度だけ離れた位置においてそれぞれ所定の角
度範囲にのみ信号の記録を行える3個以上の原点信号用
記録ヘッドを用意した上で、1つのヘッドに流す記録電
流の向きと残りのヘッドに流す記録電流の向きとを逆に
するか、あるいは記録電流の向きを等しくしたまま1つ
のヘッドのコイルの巻き方向と残りのヘッドのコイルの
巻き方向とを逆にするかすればよい。
は、原点信号及び各偽原点信号の記録角度範囲は、一例
として75度以下とするのが望ましい。またこの場合に
は、スケール信号検出用ヘッドが磁束応答型ヘッドとM
Rヘッドのいずれであっても、原点信号を記録するため
の記録電流と各偽原点信号を記録するための記録電流と
を約2対1対1の大きさに設定するのがよい。
は、原点信号及び各偽原点信号の記録角度範囲は、一例
として60度以下とするのが望ましい。またこの場合に
は、スケール信号検出用ヘッドが磁束応答型ヘッドとM
Rヘッドのいずれであっても、原点信号を記録するため
の記録電流と各偽原点信号を記録するための記録電流と
を約3対1対1対1の大きさに設定するのがよい。(よ
り一般的には、n個の偽原点信号(ここではnは2以上
の自然数)を記録する場合には、個々の偽原点信号の記
録電流に対する原点信号の記録電流の大きさをn倍に設
定するのがよい。)
薄板状の磁気スケールを用いた実施例を、図11を参照
して説明する。図11は、薄板状の磁気スケールの一部
分を示す図である。この磁気スケール21も、一例とし
て、銅,ニッケル及び鉄等を含む合金か、鉄,クロム及
びコバルトを含む合金か、あるいは薄板状のガラス,銅
または真鍮等に磁性メッキを施したものを材質とする着
磁媒体である。
ラックには、トラック幅の全体にわたって一定波長の交
番磁気信号が記録されることにより、スケール信号記録
部21Aが形成されている。
るスケール信号記録部21Aの所定の位置には、トラッ
ク幅方向において上記スケール信号の記録幅よりも短い
幅にのみ原点信号が記録されることによって原点信号記
録部21Bが形成されている。更に、磁気記録トラック
の長手方向上で原点信号記録部21Bと等しい位置であ
り且つトラック幅方向において原点信号記録部21Bと
は異なる1つの位置に、偽原点信号を記録することによ
って偽原点信号記録部21Cを形成するようにしてもよ
い。原点信号,偽原点信号の記録範囲は、一例としてそ
れぞれトラック幅の4分の1以下となっている。
位置上に記録しているので、磁気スケール21として
は、スケール信号のみを記録する場合と全く同じ幅の磁
気スケールを用いている。
のように、原点信号検出用ヘッド22(一例として、磁
気抵抗効果素子による実効的な検出領域の長さが原点信
号の記録幅に対応してトラック幅の一部に限られている
MRヘッド)を、磁気スケール21に近接し且つトラッ
ク幅方向における原点信号の記録位置に対向するような
位置状態で(したがって原点信号を検出するが偽原点信
号は検出しないような位置状態で)、磁気スケール21
を取り付けた磁気式スケール装置の再生ヘッド部のヘッ
ドベース(図示せず)にスケール信号検出用ヘッド23
(一例として、磁気抵抗効果素子による実効的な検出領
域の長さがトラック幅の全体にわたっているMRヘッ
ド)とともに固定するようにすればよい。あるいは別の
例として、スケール信号検出用ヘッド23と同一の基板
上に原点信号検出用のMRヘッドを構成することにより
両者を1つの検出ヘッドとしてもよい。
号の記録波長と原点信号の記録波長との関係は、信号処
理回路の構成にも左右されるが、一般的には原点信号の
記録波長のほうが約2倍になるように決定するとよい。
がスケール信号と反対の信号である(すなわち検出時に
原点信号とスケール信号とが逆相になる)が、これに限
らず、原点信号は検出時にスケール信号に対して適宜の
位相状態を保つような信号であってよく、あるいは、磁
化の方向がスケール信号と等しく磁化の大きさのみがス
ケール信号と異なった信号であってもよい。そして、図
7の例では、図1の例に対応して、偽原点信号も原点信
号と磁化の方向が反対になっているが、例えば原点信号
が磁化の方向はスケール信号と等しく磁化の大きさのみ
がスケール信号と異なった信号である場合には、この原
点信号の磁化の大きさに応じて、やはり原点信号の影響
によるスケール信号の歪みを相殺するような磁化の方向
及び大きさを有する偽原点信号を記録すればよい。
スケール及び薄板状の磁気スケールを例にとったが、磁
気スケールはそれ以外の適宜の形状であってよい(例え
ば、角棒状の磁気スケールや、端面上または盤面上に磁
気記録トラックを有する円盤状の磁気スケール等であっ
てもよい)ことはもちろんである。
本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が
取り得ることはもちろんである。
る原点信号の記録幅がスケール信号の記録幅よりも短く
なっているので、スケール信号検出器によるスケール信
号の検出の際、原点信号記録位置付近におけるスケール
信号の歪みが、この原点信号の記録幅の短さに応じて小
さくなる。これにより、原点信号記録位置付近において
も、必要とされるスケール精度を確保することができる
という利益がある。
号が記録されているので、スケール信号の記録幅が原点
信号の存在によって制限されることがない。これによ
り、スケール信号の記録幅をトラック幅の範囲内で十分
に広くとることができるので、十分な出力のスケール信
号が得られるようになるという利益がある。さらにトラ
ック幅方向におけるスケール信号用検出器の検出領域内
に原点信号を記録するようにした場合には、スケール信
号用検出器の検出領域の長さも原点信号の存在によって
制限されることがない。これにより、スケール信号用検
出器の検出領域もトラック幅の範囲内で十分に広くとる
ことができるので、さらに十分な出力のスケール信号が
得られるようになるという利益がある。
号が記録されているので、磁気スケールの寸法は、スケ
ール信号のみが記録されている磁気スケールと同じ大き
さで足りる。これにより、磁気スケールの小型化ひいて
は位置検出装置全体の小型化・低コスト化が図られるよ
うになるという利益がある。
て原点信号の記録位置と等しい位置であり且つトラック
幅方向において原点信号の記録位置とは異なる1または
複数の位置に、スケール信号用の検出器に対する原点信
号の影響を相殺する偽原点信号を更に記録するようにし
た場合には、原点信号記録位置付近において、原点信号
の影響によるスケール信号の歪みと偽原点信号の影響に
よるスケール信号の歪みとが相殺されることになるの
で、原点信号記録位置付近においても、原点信号記録位
置付近以外におけるのと同程度に高いスケール精度が確
保されるようになるという利益がある。しかもこの場合
には、原点信号の記録電流を大きくしても、それに応じ
て偽原点信号の記録電流を大きくすればスケール信号用
の検出器に対する影響が相殺されるので、原点信号を十
分な出力で検出することもできるようになるという利益
がある。
の記録位置の一例を示す図であり、Aは正面図、Bは側
面図である。
ある。
であり、Aは一部断面正面図、Bは側面図である。
処理過程との一例を示す図である。
処理過程との別の一例を示す図である。
び偽原点信号の記録位置の一例を示す図であり、Aは正
面図、Bは側面図である。
の影響の一例を示す図である。
示す正面図である。
及び偽原点信号の記録位置の別の一例を示す斜視図であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 一定波長の交番磁気信号が磁気記録トラ
ックに記録された磁気スケールと、前記磁気記録トラッ
クの長手方向に沿って相対移動可能な磁気検出器とを有
する位置検出装置において、 前記磁気記録トラックの長手方向における前記交番磁気
信号の記録位置に、前記磁気記録トラックのトラック幅
方向における前記交番磁気信号の記録幅よりも短い幅
で、かつ前記磁気検出器のうちの前記交番磁気信号用の
検出器の前記トラック幅方向における検出領域内に原点
信号が記録されており、前記磁気検出器として、前記交
番磁気信号用の検出器のほかに、前記トラック幅方向に
おける検出領域の長さが前記原点信号の記録幅に対応し
た原点信号用検出器を有していることを特徴とする位置
検出装置。 - 【請求項2】 一定波長の交番磁気信号が磁気記録トラ
ックに記録された磁気スケールと、前記磁気記録トラッ
クの長手方向に沿って相対移動可能な磁気検出器とを有
する位置検出装置において、 前記磁気記録トラックの長手方向における前記交番磁気
信号の記録位置に、前記磁気記録トラックのトラック幅
方向における前記交番磁気信号の記録幅よりも短い幅で
原点信号が記録されており、前記磁気検出器として、前
記交番磁気信号用の検出器のほかに、前記トラック幅方
向における検出領域の長さが前記原点信号の記録幅に対
応した原点信号用検出器を有しており、 前記原点信号の記録位置とは前記長手方向において等し
く且つ前記トラック幅方向において異なる1または複数
の位置に、前記交番磁気信号用の検出器に対する前記原
点信号の影響を相殺する偽原点信号が更に記録されてい
ることを特徴とする位置検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15710496A JP3489337B2 (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | 位置検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15710496A JP3489337B2 (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | 位置検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH102758A JPH102758A (ja) | 1998-01-06 |
JP3489337B2 true JP3489337B2 (ja) | 2004-01-19 |
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ID=15642327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP15710496A Expired - Fee Related JP3489337B2 (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | 位置検出装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3489337B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6234497B2 (ja) * | 2016-03-15 | 2017-11-22 | Thk株式会社 | エンコーダ装置及びエンコーダ装置付き運動案内装置 |
-
1996
- 1996-06-18 JP JP15710496A patent/JP3489337B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH102758A (ja) | 1998-01-06 |
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