JPH07260408A - アブソリュート型スケール装置 - Google Patents

アブソリュート型スケール装置

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JPH07260408A
JPH07260408A JP5214594A JP5214594A JPH07260408A JP H07260408 A JPH07260408 A JP H07260408A JP 5214594 A JP5214594 A JP 5214594A JP 5214594 A JP5214594 A JP 5214594A JP H07260408 A JPH07260408 A JP H07260408A
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casing
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scales
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JP5214594A
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Takuyo Miyashita
卓世 宮下
Takashi Tanaka
孝 田中
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Sony Magnescale Inc
Original Assignee
Sony Magnescale Inc
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 異波長2トラック位相差方式のアブソリュー
ト型スケール装置で検出部の磁気トランスジューサを周
囲の悪環境より保護する。 【構成】 ケーシング21の空洞部23内に摺動自在に
配設した少なくとも磁気トランスジューサ1A,1B及
び2A,2Bをケーシング内に密閉した状態でアブソリ
ュート型スケール装置を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は少なくとも2個の磁気ス
ケールを夫々の磁気格子の波長を異ならせて配設し、こ
れら磁気スケールに対向配置した磁気ヘッド等の磁気ト
ランスジューサから得られる2つの位相変調信号の位相
比較を行なってアブソリュート位置を測定する様に成し
た異波長2トラック位相差方式のスケール装置の構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から異波長2トラック位相差方式の
アブソリュート型スケール装置は例えば本出願人が先に
提案した特公昭50−23618号公報に開示されてい
て公知である。
【0003】この様なアブソリュート型スケール装置の
構成及びその動作を図9及び図10を用いて説明する1
7は全体としてアブソリュート型スケール装置を示し、
3はガラス、金属等の帯状板材上に磁気媒体がコーティ
ングされた磁気スケールを示す。この磁気スケールの磁
気媒体上の第1の磁気スケールT1 には一定波長λ1
信号が記録され、第2の磁気スケールT2 にはNλ1
λ2 (N−1)、(但しNは整数)の信号が記録され、
互に異なる波長を有する磁気格子が形成されている。こ
の様な磁気スケール3は工作機械の移動部に帯状板材を
介して移動方向に延在する様に取り付けられている。
【0004】この様な第1及び第2のスケールT1 及び
2 に対向して一対の磁束応答型磁気ヘッド1Aと1B
並に2Aと2Bが配され、これら1対の第1の磁気ヘッ
ド1Aと1Bとはλ1 /4だけ間隔を保持して、工作機
械の固定部に取り付けられ、同様に1対の第2の磁気ヘ
ッド2A及び2Bはλ2 /4だけ間隔を保持して工作機
械の固定部に第1の磁気ヘッド1A及び1Bと並設する
様に配設されている。これら第1及び第2の1対の磁気
ヘッドには夫々励磁コイル及び出力コイルが巻回されて
いる。
【0005】図9の系統図で4は発振回路であり、これ
よりnfo(例えば20MHz)の発振周波数信号が分
周回路5で分周され周波数fo(例えば25KHz)の
信号に分周され、定電流アンプ6に供給されて、夫々1
対の磁気ヘッド1A及び1B並びに2A及び2Bの励磁
巻線にsin(ωt)(ω=2πfo)の励磁電流が供
給される。第1及び第2の1対の磁気ヘッド1A及び1
B並びに2A及び2Bは夫々λ1 /4及びλ2 /4=π
/4だけ離間配置されている。
【0006】第1及び第2の1対の磁気ヘッド1A及び
1B並びに2A及び2Bの夫々の出力巻線にはKA1
KB1 ,KA2 ,KB2 で示す数1式の出力信号が出力
されて初段アンプ7A1 及び7B1 並びに7A2 及び7
2 に供給される。
【0007】
【数1】 KA1 =cos(2πx/λ1 )sin(ωt) KB1 =sin(2πx/λ1 )sin(ωt) KA2 =cos(2πx/λ2 )sin(ωt) KB2 =sin(2πx/λ2 )sin(ωt) (但しxは磁気格子から各磁気ヘッドギャップまでのへ
だたり)
【0008】初段アンプ7B1 及び7B2 に供給された
KB1 及びKB2 信号は位相シフト回路9A及び9Bに
供給され位相調整が行われて、数2式で示す位相シフト
信号SKB1 及びSKB2 を得る。
【0009】
【数2】 SKB1 =sin(2πx/λ1 )cos(ωt) SKB2 =sin(2πx/λ2 )cos(ωt)
【0010】初段アンプ7A1 及び7A2 からの出力信
号KA1 及びKA2 と位相シフト回路9A及び9Bから
の位相シフト信号SKB1 及びSKB2 は夫々加算回路
10A及び10Bに供給されてKA1 及びSKB1 信号
並びにKA2 及びSKB2 が加算され、数3式に示す加
算信号は可変抵抗器等を介してゲイン調整が成された後
に帯域通過濾波器(BPF)11A及び11Bに供給さ
れる。
【0011】
【数3】S1 =KA1 +SKB1 =sin(ωt+2π
x/λ1 ) S2 =KA2 +SKB2 =sin(ωt+2πx/
λ2
【0012】即ち、磁気ヘッド1A,1B並に2A,2
Bに対する磁気スケール3の変位xが加算出力信号S1
及びS2 の位相変位θ1 =2πx/λ1 及びθ2 =2π
x/λ2 に変換される。この様に位相変調された信号波
形θ1 及びθ2 を図10A及び図10Bに示す。これら
の波長は例えばλ1 =14mm及びλ2 =15mmであ
る。
【0013】次にBPF11A及び11Bを通して帯域
制限を行った後に波形整形回路12A及び12Bで矩形
波信号と成す。この様なλ1 及びλ2 の位相変調波を波
形整形した波形を図10D及び図10Eに示す。
【0014】この様に波形整形回路12A及び12Bで
波形整形した矩形波信号をパルス幅変調回路13に供給
する。パルス幅変調回路13では夫々矩形波信号の立ち
下がりでパルス幅(位相差)信号を図10Fの様に得て
積分回路14に供給することで位相差に相当する図10
Gの如き電圧が得られる。この電圧をアンプ15を介し
て増幅し、ゲイン調整及びオフセット調整を行なって出
力端子16に図10Hに示す様な直角三角形型のアナロ
グのアブソリュート波形を得る。
【0015】即ち、位相差θ1 とθ2 との差に対応した
図10Cに示す1周期の位相差θ1−θ2 に於いて直角
三角波形が取り出せる。図10Hの縦軸は直流電圧、横
軸は距離mm(210mm)、位相角、アブソリュート
値(mm)を夫々示している。
【0016】この様に絶対的な位相位置を2トラック位
相差方式で求めることが可能となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き2トラック
位相差方式のアブソリュート型スケール装置によると磁
気スケール3を構成する第1及び第2の磁気媒体から構
成されている第1及び第2の磁気スケールT1 及びT2
は帯状板材を介して工作機械の移動部に取り付けられ、
1対の磁気ヘッド1A及び1B並びに2A及び2Bから
なる磁気トランスジューサは工作機械の固定部に取り付
けられる様に成されている。従って工作機械から油や切
削した時の切粉等が直接磁気トランスジューサや磁気ス
ケールに付着し、検出精度を低下させる等の問題があっ
た。
【0018】又、磁気スケールを構成する第1及び第2
の磁気スケールT1 及びT2 は帯状板材上に並設配置さ
れているため磁気媒体間で磁気的な相互干渉を生じて測
定精度を低下させる等の問題があった。
【0019】更に、磁気スケール部分と磁気トランスジ
ューサ部分を工作機械に別々に取り付けるためにこれら
両者の位置合せが極めて煩雑となる問題があった。
【0020】本発明は叙上の問題点を解消したアブソリ
ュートスケール装置を提供しようとするもので、その目
的とするところは特に塵埃等が磁気トランスジューサに
付着して検出精度が低下するのを防止するためにケーシ
ング内に密閉する様に成したアブソリュートスケール装
置を提供するにある。
【0021】本発明の他の目的は磁気スケールを構成す
る1対の第1及び第2の磁気スケールT1 及びT2 を相
互に磁気的干渉が生じない程度に隔離したアブソリュー
トスケール装置を提供するものである。
【0022】本発明の更に他の目的は工作機械への取り
付け時に磁気スケールと磁気トランスジューサの相対位
置を考慮しなくても、極めて容易に取り付けが可能なア
ブソリュート型スケール装置を提供するにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のアブソリュート
型スケール装置はその例が図1に示されている様に長手
方向に沿って空洞部23が設けられたケーシング21
と、このケーシング21の外周部24又は空洞部23内
にケーシング21の長手方向に沿って配された少なくと
も1対の磁気スケールT1 及びT2 と、ケーシング21
の空洞部23内又は外周部24にケーシング21の長手
方向に摺動自在に1対の磁気スケールT1及びT2 と対
向配置された少なくとも1対の磁気トランスジューサ1
A,1B及び2A,2Bと、ケーシング21又は磁気ト
ランスジューサ側1A,1B又は2A,2Bのいずれか
一方を固定部に固定し、他方を摺動自在とし、1対の磁
気スケールT1 及びT2 の磁界が相互に干渉しない程度
に離間配置して成るものである。
【0024】
【作用】本発明のアブソリュート型スケール装置によれ
ば第1及び第2のトランスジューサ1A,1B及び2
A,2Bは閉蓋したケーシング21内でケーシング21
の長手方向に摺動自在と成されケーシング21の外周部
24の長手方向に延設し、180°対向配置された第1
及び第2の磁気スケールT1 及びT2 と対向する様に配
設させたので磁気トランスジューサ1A,1B及び2
A,2Bへの塵埃や油の飛散による付着は回避可能とな
り、第1及び第2の磁気スケールT1 及びT2の相互の
干渉が回避出来、工作機械への取り付けも容易なものが
得られる。
【0025】
【実施例】以下、本発明のアブソリュート型スケール装
置として異波長2トラック位相差方式の磁気スケール及
び磁気トランスジューサの取付構造の1例を図1乃至図
3によって詳記する。図1は側断面図、図2は平面図、
図3Aは図1のA−A断面矢視図、図3Bは図1のB方
向からみた磁気トランスジューサの平面図である。
【0026】図1乃至図3のアブソリュート型スケール
装置は図2の平面外観並に図3の断面図に示す様に筒状
のケーシング21を有する。このケーシング21は円筒
状と成され、ステンレスパイプ等を所定寸法長さに切断
する。勿論、ケーシング21の材質はアルミニウム、鉄
等の金属、或は塩化ビニルパイプ等の合成樹脂であって
もよい。金属の場合は非磁性体を選択するを可とする。
【0027】この様なケーシング21の一側端の開口部
を金属、合成樹脂等で構成したベース25で閉蓋する。
このベース25は例えばキャップ状と成され、ケーシン
グ21の外周部24と嵌着する様な凹状の座ぐり部26
が形成されている。例えばこの座ぐり部26の内周に形
成した雌螺子とケーシング21の外周に形成した雄螺子
とを螺合させて螺着させる。これらの固定方法は適宜方
法が選択可能である。又、このベース25の矢印C側か
らみた形状は円形に限らず、例えば正方形状であっても
よい。正方形の場合一辺を工作機械の所定位置(固定位
置又は移動位置)に対接し易いのでアブソリュート型ス
ケール装置を取り付け易くすることが出来る。
【0028】円筒状のケーシング21の外周部24の1
80°対向する上下(左右)にはその長手方向に沿って
第1及び第2の磁気スケールT1 及びT2 が貼着されて
いる。この第1及び第2の磁気スケールT1 及びT2
磁性媒体は例えば帯状に形成したゴム磁石で形成され、
λ1 =14mm,λ2 =15mmの正弦波によって記録
が行われNS,NS‥‥と磁気格子が形成されている。
【0029】ケーシング21のベース25による閉蓋側
とは反対側の開口端には同じく円形又は正方形状の軸受
け27を嵌着させる。この軸受け27は滑りのよい金属
又はポリテトラ、フルオロエチレン等をキャップ状に構
成し、中心部に内軸28と遊嵌する軸受部となる透孔2
9が穿たれ、凹状の座ぐり部30が形成され、ケーシン
グ21の外周部24と嵌着して適宜方法で固定される。
勿論、この軸受け27は工作機械への固定位置又は移動
位置の取付部材として用いられる。
【0030】ケーシング21の外周部24に固着した第
1及び第2の磁気スケールT1 及びT2 の始端位置には
円周方向に溝を形成した位置決め凹部(又は凸部)31
が形成されている。
【0031】上述の軸受27はメタル型の軸受けとして
説明したが、内軸との摺動面となる透孔29部分にベア
リング軸受けを介在させる様にしてもよい。
【0032】ケーシング21の空洞部23内に軸受け2
7の軸受部を構成する透孔29に摺接し、ケーシング2
1の長手方向に摺動自在と成された内軸28を有する。
この内軸28は金属、合成樹脂等の材料が用いられ、内
軸の一端にはフランジ部32が構成され、このフランジ
部32の直径はケーシング21の空洞部23を構成する
内径に接しない程度に所定のギャップを有する様に形成
する。更に内軸28の長手方向に透孔33が穿たれてい
る。
【0033】フランジ部32の内軸28側にはスライダ
ーブッシュ34が内軸28の外径に嵌着されている。こ
のスライダーブッシュ34はポリテトラ、フルオロエチ
レン等の様に潤滑性のよい材料をカラー状に構成し、そ
の外周部を一部ケーシング21の空洞部23の内径部に
対接させ、例えば線接触する様に構成させて内軸28を
軸受け27とスライダーブッシュ34間で両持ち支持さ
せつつ、軸方向に摺動自在となす。
【0034】フランジ部32の内軸側とは反対面に検出
部35が取り付けられ、この検出部35は、本例の場合
は磁束応答型磁気ヘッド(磁気変調型磁気ヘッド)であ
る第1及び第2の磁気トランジューサ1A,1B並びに
2A,2Bがフランジ部32の背面に直接固着されてい
るが、磁気トランスジューサのギャップ面とケーシング
21の内径とは所定のギャップG(例えば5mm)を有
する様に固定されている。
【0035】そして、1対の磁気トランスジューサ2A
及び2Bを図1のB方向からみた場合の平面図が図3B
に示されている様に第2の磁気スケールT2 の長手方向
に沿って第1及び第2の磁気トランスジューサ2A及び
2Bがλ2 /4離間して配される様に成される。同様に
図1の矢印D方向からみた第1の磁気トランスジューサ
1A及び1Bも図3Bのカッコ内に示す様にλ1 /4離
間して第1の磁気スケールT1 の長手方向に沿って配設
されることになる。
【0036】上述の構成では第1及び第2の磁気トラン
スジューサとして、磁束応答型の磁気ヘッド1A,1B
及び2A,2Bを配設した場合を説明したが磁界の強さ
を電気信号として取り出し得るホール効果及び磁気抵抗
効果素子であるホールIC及び磁気ダイオード、磁気ト
ランジスタ、MRヘッド等を用いたり、各種コイルの磁
気誘導を用いる様に成したトランスジューサであってよ
いことは明らかである。
【0037】上述の検出部35に配設された第1及び第
2の磁気トランスジューサ1A,1B及び2A,2Bか
らの検出信号は内軸28に穿った透孔33に挿通したケ
ーブル36を介して図9に示す外部回路に取り出され、
更に励磁巻線等へは発振器4等から励磁電流が供給され
る様に成されている。
【0038】上述の如き構成のアブソリュート型スケー
ル装置によれば、磁気トランスジューサ1A,1B及び
2A,2Bはケーシング21の空洞部23内にベース2
5と軸受け27を介して摺動自在に密閉されているので
油や切粉等の塵埃の付着を完全に防止可能なものが得ら
れる。
【0039】又、第1及び第2の磁気スケールT1 及び
2 も、非磁性体のケーシング21の外周部24に18
0°対向して配設され、これら1対の第1及び第2の磁
気スケールT1 及びT2 は相互に磁気的干渉が生じない
程度に離間して配設することが可能となる。
【0040】更に、工作機械へのスケール装置の取付け
に際しても、ベース25及び/又は軸受27を介して、
工作機械の固定部又は移動部に固定し、内軸を工作機械
の移動部又は固定部に固着するだけで磁気スケールT1
及びT2 と磁気トランスジューサ1A,1B及び2A,
2Bの相対位置を考慮しなくても、極めて簡単に、工作
機械等への取付けが行なえるものが得られる。
【0041】上述の実施例では図3の様にケーシング2
1の外周部24に第1及び第2の磁気スケールT1 及び
2 として帯状のゴム磁石をケーシング21の中心軸に
対し180°の角度、即ち上下外周に対向配置したが、
図4に示す様にケーシング21の外周部24に全面に磁
気媒体Tをコーティングし、これらの磁気媒体Tの上下
対向位置の第1及び第2の磁気スケールT1 及びT2
相当する帯状部(ケーシング21の長手方向に沿った部
分)に異波長の正弦波信号を記録して所定の磁気格子を
ケーシングの長手方向に沿って並べる様にしてもよい。
尚、図4は図3と同様の図1のA−A断面矢視図を示し
ている。この構成では第1及び第2の磁気スケールT1
及びT2 のケーシング21への煩雑な貼着作業が省略出
来る。
【0042】本例の更に他の構成としてケーシングの断
面が矩形状の筒状部材で構成したものを図5に示す。図
5は円筒部材21を断面が矩形状の筒状部材からなるケ
ーシング21Aと成した図1のA−A断面矢視図を示す
もので、合成樹脂材を断面がロ字状の注入口を有する金
型を介して引抜いた長尺の合成樹脂筒状部材を適当な長
さに切断して、第1及び第2の磁気スケールT1 及びT
2 を断面が矩形状のケーシング21Aの上下短辺37外
周上に対向する様にケーシングの長手方向に沿って延設
したもので、例えば磁気媒体を帯状にコーティングさせ
て異波長の正弦波を記録している。又、断面がロ字状に
成された空洞部23内に摺動自在に配設される検出ヘッ
ド部35の第1及び第2の磁気トランスジューサ1A,
1B及び2A,2BはMRヘッドが用いられている。こ
の様な構成によれば第1及び第2の磁気スケールT1
びT2 の磁気的干渉を少なくする様に構成したアブソリ
ュート型スケール装置の薄型化が図れる。
【0043】図6は本例のスケール装置の更に他の構成
を示すもので、ケーシング21の断面を正方形状とした
長尺の筒状部材を図1のA−Aに沿って切断したA−A
方向矢視図である。
【0044】この構成ではケーシング21Bとしては引
抜き鋼材が用いられる。又、本例では1対の磁気スケー
ルT1 及びT2 だけでなく、更にもう1組の異波長信号
が記録された磁気スケールT3 及びT4 が断面ロ字状の
ケーシング21Bの上下左右内壁にケーシング21Bの
長手方向に沿って配設される。更に検出部35としては
第1〜第4の磁気スケールT1 〜T4 と対向し十字状に
例えばホール素子からなる磁気トランスジューサ1A,
1B及び2A,2B並びに38A,38B及び39A,
39Bが上記第1〜第4の磁気スケールT1 〜T4 と所
定のギャップG 1 を介して対向配置されている。勿論、
検出部は内軸28の先端に係止され、ケーシング21の
長手方向に摺動自在と成されている。
【0045】この場合は第1及び第2の磁気スケールT
1 及びT2 並びに第3及び第4の磁気スケールT3 及び
4 で位相変調信号を夫々取り出し、その位置比較信号
同士を位相比較して、より1波長の周期が長い図10C
に示す様な絶対値を得るための波形を電気的に得る場合
に用い得る。この構成では磁気スケールT1 〜T4 並び
に磁気トランスジューサ1A,1B及び2A,2B並び
に38A,38B及び39A,39Bがケーシング21
B内に完全に密閉出来るので塵埃の影響を磁気スケール
及び磁気トランスジューサが共に受けずに精度よく測定
可能なアブソリュート型スケール装置が得られる。上述
の各実施例ではケーシング21,21A,21Bとして
断面が円形、矩形並びに正方形状の筒状部材を用いた
が、断面が六角形、八角形等の多角形状の筒状部材を用
い得ることは明らかである。
【0046】図7及び図8に本発明の更に他の構成を示
す。この例はケーシング21C,21Dとしてアルミニ
ウム等の引抜成型部材を用いたものである。図7の場合
は空洞部23に対応する溝部23A〜23Dが断面を正
方形状の各辺の外周中央近傍に長手方向に沿って延設さ
れている。この溝部23A及び23Bに第1及び第2の
磁気スケールT1 及びT2 がケーシング21の長手方向
に沿って貼着されている。
【0047】勿論、この構成では内軸28を挿通する円
筒状の空洞部23がないので、左右の空洞部23に対応
する溝部23C及び23D内に断面が矩形状のロッド4
1A及び41Bを摺動自在に枢着し、これら両ロッドの
先端の上下に断面が略々コ字状に折り曲げられた一定幅
の板材で構成したスライダ40A及び40Bを枢着させ
る。
【0048】スライダ40A及び40Bはケーシング2
1Cの長手方向に沿って摺動自在となされる。よって第
1及び第2の磁気スケールT1 及びT2 と対向する位置
に所定のギャップG2 を介して磁気トランスジューサ1
A,1B並びに2A,2Bをスライダ40A,40Bの
裏面に固定させる様に成す。この構成の場合、ケーシン
グ21Cの空洞部対応の溝部23A,23Bに対向配置
された磁気トランスジューサ1A,1Bはスライダ40
A及び40Bで密閉する様に成すことはすこぶる簡単に
行なえるので、磁気トランスジューサへの油の飛散等は
防止可能となる。
【0049】図8に示した引抜部材から構成した長尺の
ケーシング21Dは断面が正方形のロ字状で筒状体に構
成されると共に上下辺の中央部にケーシング21Dの長
手方向に沿って溝部23A,23Bが形成され、これら
の溝部内にケーシング21Dの長手方向に沿って帯状の
磁気スケールT1 及びT2 が配され夫々異波長記録が成
されている。
【0050】更に断面正方形状の空洞部23内の左右内
壁の略々中央位置から空洞部23内に対向する様にガイ
ド部42A及び42Bが突出されている。この両ガイド
部42A及び42Bはケーシング21Dの長手方向に沿
って延設されている。検出部35は内軸28の終端に設
けたフランジ部(正方形状)32に取り付けられ、略々
十字状に形成され磁気スケールT1 及びT2 と対向する
位置に空洞部23内壁と所定ギャップG3 を介して第1
及び第2の磁気トランスジューサ1A,1B並びに2
A,2Bが配され、検出部35の左右突出部にはガイド
部42A及び42Bを挟む様にベアリング等を介在さ
せ、検出部35をケーシング21Dの長手方向に摺動自
在と成す。更にケーシング21Dの上下に帯状の板材か
らなる蓋部43A及び43Bで磁気スケールT1 及びT
2 を覆う様に閉蓋する様に成されている。
【0051】上述の構成によれば空洞部23内の検出部
35は密閉され、磁気トランスジューサへの塵埃付着が
防止出来ると共に磁気スケールT1 及びT2 への油の飛
散等も回避可能なアブソリュート型スケール装置が得ら
れる。
【0052】
【発明の効果】本発明のアブソリュート型スケール装置
によれば特に塵埃等が磁気トランスジューサに付着して
検出精度が低下するのを防止出来ると共に1対の第1及
び第2の磁気スケールT1 及びT2 が相互に磁気的干渉
が生じない構成と成し得る。更に工作機械への取付け時
に磁気スケールと磁気トランスジューサの相対位置を考
慮しなくても、極めて容易に取り付けが可能なアブソリ
ュート型スケール装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアブソリュート型スケール装置の一実
施例を示す側断面図である。
【図2】本発明のアブソリュート型スケール装置の一実
施例を示す外観図である。
【図3】図1のA−A断面及びB矢視図である。
【図4】本発明の他の構成を説明する図1のA−A断面
に対応する矢視図である。
【図5】本発明の更に他の構成で多角形にしたケーシン
グを説明する図1のA−A断面に対応する矢視図であ
る。
【図6】本発明の更に他の構成で2対の磁気スケールを
説明する図1のA−A断面に対応する矢視図である。
【図7】本発明の更に他の構成で引抜型材を用いたケー
シングを説明する図1のA−A断面に対応する矢視図で
ある。
【図8】本発明の更に他の構成で筒状の引抜型材を用い
たケーシングを説明する図1のA−A断面に対応する矢
視図である。
【図9】従来の異波長2トラック位相差方式のアブソリ
ュート型スケール装置の系統図である。
【図10】図9の波形説明図である。
【符号の説明】
1 ,T2 第1及び第2の磁気スケール 1A,1B,2A,2B 第1及び第2の磁気トランス
ジューサ 21 ケーシング 23 空洞部 28 内軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に沿って空洞部が設けられたケ
    ーシングと、 上記ケーシングの外周部又は上記空洞部内に該ケーシン
    グの長手方向に沿って配された少なくとも1対の磁気ス
    ケールと、 上記ケーシングの上記空洞部内又は外周部に該ケーシン
    グの長手方向に摺動自在に上記磁気スケールと対向配置
    された少なくとも1対の磁気トランスジューサと、 上記ケーシング又は上記磁気トランスジューサ側のいず
    れか一方を固定部に固定し、他方を摺動自在とし、上記
    1対の磁気スケールの磁界が相互に干渉しない程度に離
    間配置して成ることを特徴とするアブソリュート型スケ
    ール装置。
  2. 【請求項2】 前記ケーシングを中空部を有する筒状部
    材で構成させて成ることを特徴とする請求項1記載のア
    ブソリュート型スケール装置。
  3. 【請求項3】 前記ケーシングの長手方向に連続して上
    記空洞部として溝部を形成したことを特徴とする請求項
    1又は請求項2記載のアブソリュート型スケール装置。
  4. 【請求項4】 前記ケーシング内に摺動自在に配設され
    る前記磁気トランスジューサ又は前記磁気スケールを密
    閉する様に構成させて成ることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3記載のいずれか1項記載のアブソリュート型
    スケール装置。
  5. 【請求項5】 前記ケーシング外に配設した磁気スケー
    ル又は磁気トランスジューサを密閉する様に構成させて
    成ることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のいず
    れか1項記載のアブソリュート型スケール装置。
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