JP3489108B2 - ブラシレス自励単相同期発電機 - Google Patents

ブラシレス自励単相同期発電機

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JP3489108B2
JP3489108B2 JP05045695A JP5045695A JP3489108B2 JP 3489108 B2 JP3489108 B2 JP 3489108B2 JP 05045695 A JP05045695 A JP 05045695A JP 5045695 A JP5045695 A JP 5045695A JP 3489108 B2 JP3489108 B2 JP 3489108B2
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覺 佐竹
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幸男 大野木
英生 山下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、負荷の変動に対して平
複巻特性の正弦波電圧を出力し、かつ無負荷時および負
荷時の出力電圧をそれぞれ任意に調整可能で様々な負荷
に対応し得るブラシレス自励単相同期発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】発電機が本体内に直巻励磁機能を有し、
平複巻特性の正弦波電圧を出力するブラシレス自励単相
同期発電機としては、図7に示す野中氏により考案され
たいわゆる野中式発電機15が著名である。図7におい
て、固定子16には不平衡二相巻線にした主発電巻線W
と励磁巻線Wが巻装され、前記主発電巻線Wには
負荷を接続し、前記励磁巻線WにはコンデンサCが接
続してある。回転子17には円筒形状の回転子鉄心に平
衡二相巻線として界磁巻線Wf1とWf2が巻装してあ
り、該界磁巻線Wf1とWf2にダイオードDとD
が接続してある。
【0003】このブラシレス自励単相同期発電機は、コ
ンデンサCに基づいて励磁巻線Wに流れる進み電流I
c がつくる交番磁界の正相分による磁極N,Sの自己励
磁と、該交番磁界の逆相分によって誘導する界磁巻線W
f1とWf2の起電力をダイオードDとDによって
整流した界磁電流If1とIf2に基づく増磁作用と
が、主発電巻線の端子電圧Eの自己確立を容易にし、
かつ負荷の増減に対しては負荷電流Iがつくる電機子
反作用磁界の逆相分によって前記界磁巻線に誘導する起
電力が増減して、界磁電流If1とIf2がそれぞれ増
減し出力電圧(端子電圧E)の変動が抑制されて平複
巻特性の出力電圧が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の野中式ブラシレス自励単相同期発電機は次のような
問題がある。
【0005】野中式ブラシレス自励単相同期発電機は、
発電原理上必ずコンデンサを必要とするものである。し
かしコンデンサは使用上種々の制約があり且つコンデン
サを使用するとその取扱いが煩雑なものとなる。例えば
その制約の一例として、使用周囲温度は40゜以下の規
定がある。また取扱いの煩雑さの一例として、発電機で
は電圧の自己確立において、回転子の残留磁気が不足し
て発電が不可能な場合には、コンデンサを励磁巻線から
一度開放してコンデンサを他の電源で充電し、その後接
続して電圧の自己確立をはからなければならない。すな
わちこのブラシレス自励単相同期発電機はコンデンサを
有しているため、コンデンサの周囲温度を40゜以下に
保持するための冷却の問題やコンデンサの開閉操作の複
雑化の問題などを抱えている。
【0006】更にこの発電機は出力電圧を任意に調整す
る場合に励磁巻線の交流電流を制御する必要があり、そ
の制御装置としてコンデンサと並列に可変リアクトルを
接続しなければならないという問題がある。この制御装
置はコンデンサの励磁効果を可変リアクトルによって打
ち消して電圧制御する方式のために、制御効率が悪いも
のとなっていた。また、コンデンサとは別の可変リアク
トルを設けることにより装置は複雑化し、そのために発
電機の設備費が増大するという問題があった。
【0007】以上のことから、本発明では、野中式ブラ
シレス自励単相同期発電機が有するコンデンサを不要と
し、励磁直流電力制御による発電機出力電圧の任意調整
が可能であるブラシレス自励単相同期発電機の提供を目
的とする。
【0008】更に本発明では、野中式ブラシレス自励単
相同期発電機が有する励磁巻線とコンデンサとを不要と
し、励磁交流電力制御による発電機出力電圧の任意調整
が可能であるブラシレス自励単相同期発電機の提供を目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、単相の主発電巻線(Wa)と該主発電巻線
(Wa)の極数の奇数倍の極数を有する励磁巻線(W
e)とを巻装した固定子コア(3)を有する固定子
(2)と、 前記主発電巻線(Wa)と同極数の界磁巻
線(Wf)を回転子コア(8)に複数個巻装した回転子
(7)と、 前記主発電巻線(Wa)の誘導起電力を全
波整流して前記励磁巻線(We)に直流電流を流すよ
う、前記主発電巻線(Wa)と前記励磁巻線(We)と
の間に設けた制御整流装置(5)と、 前記複数個の界
磁巻線(Wf)の各々の誘導起電力を半波整流して界磁
巻線(Wf)に直流電流を流すよう、前記複数個の界磁
巻線の各々に直列に設けた半導体整流素子(D)と、を
備えたブラシレス自励単相同期発電機であって、 前記
回転子(6)への回転子励磁巻線を不要とするととも
に、前記固定子(2)の励磁巻線(We)に介在するコ
ンデンサを不要とするべく、前記複数個の界磁巻線(W
f)の配列位置を、前記固定子(2)の励磁巻線(W
e)が形成する静止磁界と前記主発電巻線(Wa)が形
成する電機子反作用磁界の奇数次の空間高調波成分との
双方と磁気的結合をなす位置にする、という技術的手段
を講じた。
【0010】また、前記回転子の複数個の界磁巻線(W
f)は、該複数個の界磁巻線のそれぞれを、前記主発電
巻線(Wa)の磁極ピッチが電気角で180°であるのと
同じ磁極ピッチを持つように形成するとよい。
【0011】
【0012】以上の構成の発電機において、回転子を回
転させると回転子コアの残留磁気によって主発電巻線に
僅かの誘導起電力が生じる。この時の誘導起電力は次の
ような二つの作用を経て回転子の界磁巻線の主磁界、す
なわち界磁(回転子コア)の主磁束に影響を与える。
【0013】一つは、主発電巻線の誘導起電力が主発電
巻線と励磁巻線との間に接続した制御整流装置(単相全
波整流器と可変抵抗器)によって整流され、励磁巻線に
直流電流が流れて静止磁界(これが界磁の分巻励磁効果
をもたらす)を生じることにある。そこで、回転子の複
数個の界磁巻線は前記励磁巻線が作る静止磁界と磁気的
結合を成す位置に配列して巻装してあるので、回転子の
複数個の界磁巻線には励磁巻線が作る静止磁界によって
誘導起電力が生じることになる。
【0014】もう一つの作用は、前記単相主発電巻線の
誘導起電力によって主発電巻線には前記励磁巻線の直流
電流に対応する交流電流が流れて電機子反作用磁界(こ
れが界磁の直巻励磁効果をもたらす)を生じることにあ
る。この電機子反作用磁界は方形波的に空間分布してお
り、これをフーリエ級数展開すると基本波成分の外に第
3次空間高調波、第5次空間高調波等の奇数次空間高調
波成分を含むものとなっている。そこで、回転子の複数
個の界磁巻線は各々の極数が主発電巻線の極数と同極数
に巻装されており、且つ前記主発電巻線が作る電機子反
作用磁界の奇数次の空間高調波成分と磁気的結合を成す
位置に配列して巻装してあるので、電機子反作用磁界の
空間基本波成分およびその奇数次の空間高調波成分と回
転子の複数個の界磁巻線とはそれぞれ磁気的結合をな
し、回転子の複数個の界磁巻線にはそれぞれ電機子反作
用磁界の空間基本波成分の逆相分とその奇数次の空間高
調波成分とによって誘導起電力が生じることになる。
【0015】すなわち、前記の静止磁界と電機子反作用
磁界との重畳磁界は、それらの奇数次の空間調波成分の
全てによって回転子の複数個の界磁巻線の各々に起電力
を誘導する。この複数個の界磁巻線の各々の誘導起電力
は界磁巻線の各々に直列に設けたダイオード等の半導体
整流素子によって各々が半波整流され、前記複数個の界
磁巻線の各々に直流電流が流れて界磁の主磁束を増磁す
る。そしてこの主磁束の増磁は主発電巻線の前記誘導起
電力を増加させることになり、この動作の繰り返しによ
って主発電巻線の無負荷電圧が自己確立する。ここで、
前記制御整流装置の可変抵抗器を調整すると、固定子の
励磁巻線に流れる直流電流が制御され、結果的に界磁巻
線の電流が制御されて発電機の無負荷電圧が任意に可変
設定できる。なお、回転子コアに前記残留磁気が無いと
きには、固定子の励磁巻線にバッテリ−を瞬時投入して
初期励磁を得る。
【0016】さて、この発電機に単相の抵抗負荷を接続
すると、単相負荷の増加に対する発電機の出力電圧の降
下が、主発電巻線を流れる負荷電流による電機子反作用
磁界の奇数次の空間調波成分に基づく界磁の直巻励磁効
果によって、次のように補償される。すなわち、単相負
荷の接続によって主発電巻線から負荷電流が流出するた
め、該負荷電流によって前記主発電巻線が作る電機子反
作用磁界が増大する。したがって、電機子反作用磁界の
奇数次の空間調波成分も負荷電流の大きさに比例して増
大することになり、この奇数次の空間調波成分の増大が
前記複数個の界磁巻線の各々の誘導起電力の増加、つま
り各々の半波整流電流の増加をもたらし、界磁の主磁束
が増磁して主発電巻線の誘導起電力が増加する。その結
果、負荷電流による前記主発電巻線の出力電圧の降下が
前記誘導起電力の増加によって補われることになり、発
電機の出力電圧は負荷電流に対して平複巻特性となる。
【0017】なお、前記ブラシレス自励単相同期発電機
は、前述したように主発電巻線の電流に基づく電機子反
作用磁界の奇数次の空間調波成分の増大に比例して界磁
の主磁束が増磁する原理のため、前記主発電巻線に負荷
を接続し、該主発電巻線に負荷電流が流れている状態で
の電圧自己確立も可能である。
【0018】また、この発電機の主発電巻線に誘導起電
力をもたらす界磁の主磁束は、固定子の励磁巻線の直流
電流が作る静止磁界に基づいて前記複数個の界磁巻線の
各々に誘導した起電力(分巻励磁効果)と、主発電巻線
の電流によって生じる電機子反作用磁界の空間基本波成
分の逆相分および奇数次の空間高調波成分に基づいてそ
れぞれ誘導した起電力(直巻励磁効果)との重畳起電力
を、回転子の複数個の界磁巻線の各々に接続したダイオ
−ドが半波整流して作っている。したがって、この発電
機は、前記励磁巻線の直流電流を制御することによって
界磁の主磁束が増減することになり、発電機の無負荷時
および負荷時の出力電圧の任意設定がそれぞれ可能であ
る。
【0019】ところで、一般に発電機の主発電巻線を集
中全節巻にしておくと電機子反作用磁界の空間分布は奇
数次の空間高調波成分を含むものとなり、且つその空間
高調波成分の値は通常の分布短節巻などのそれに比べて
大であるが、前記ブラシレス自励単相同期発電機の主発
電巻線の巻線態様は、界磁の直巻励磁作用において、電
機子反作用磁界の空間基本波成分の逆相分に基づく直巻
励磁作用の不足分を補い得る程度の電機子反作用磁界の
奇数次の空間高調波成分を発生させるための巻線態様で
あればよく、前記集中全節巻に限定されるものではな
い。
【0020】また、前記制御整流装置を制御可能な半導
体整流素子で構成することも可能であり、半導体整流素
子として、サイリスタ、直流チョッパGTOなど有るが
これらに限定されるものではない。
【0021】なお、前記ブラシレス自励単相同期発電機
は、固定子の励磁巻線の極数が主発電巻線の極数の奇数
倍となって主発電巻線の極数と異なり、また界磁巻線の
極数は主発電巻線の極数と同一で前記励磁巻線の極数と
は異なっているため、主発電巻線が作る電機子反作用磁
界の空間基本波成分および界磁巻線が作る界磁の主磁束
はそれぞれ固定子の励磁巻線に起電力を誘導しない。
【0022】以上のことから、本発明では、従来技術に
おいて必要であったブラシレス自励単相同期発電機の固
定子の励磁巻線に接続されたコンデンサを不要として発
電機の取扱いを簡単にし、且つ前記励磁巻線を流れる直
流電流を制御することによって発電機の無負荷および負
荷時の出力電圧をそれぞれ任意に設定することができる
ブラシレス自励単相同期発電機の提供を可能とした。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【実施例】本発明による好適な第1の実施例を図1から
図3によって説明する。まず図1に第1の実施例のブラ
シレス自励単相同期発電機1の回路図を示し、図2に第
1の実施例における2極発電機の場合の固定子の主発電
巻線と励磁巻線との空間的相対位置と、両巻線が作るそ
れぞれの磁界分布を固定子コア表面に展開した図を示
す。更に、図3には前記磁界分布の空間調波成分と界磁
巻線とが磁気的結合を成す位置を示した。
【0031】まず、図1及び図2により固定子2の回路
構成について説明すると、固定子コア3に設けられたス
ロット4に、2極の主発電巻線(単相巻線)Wと6極
の励磁巻線Wが巻装され、該励磁巻線Wは制御整流
装置5を介して前記主発電巻線Wの中間タップuに接
続されている。制御整流装置5はダイオ−ドによる単相
全波整流器Dと可変抵抗器Rとから構成している。
また、始動装置6が前記励磁巻線Wと並列に接続され
ている。この始動装置6と前記制御整流装置5はそれぞ
れ発電機1の外部に設けられる。なお、単相全波整流器
を、制御可能なサイリスタまたは直流チョッパ等の
半導体整流素子で構成した場合には前記可変抵抗器D
は不要となり、また回転子コア8に残留磁気が存在する
場合は始動装置6が不要となる。
【0032】次に、図1、図2、図3により回転子7の
回路構成について説明すると、回転子コア8にはそれぞ
れが2極の3個の界磁巻線Wf1,Wf2,Wf3が巻
装され、該界磁巻線Wf1,Wf2,Wf3は、前記単
相主発電巻線の電流Iに基づく電機子反作用磁界の奇
数次の空間調波成分および前記励磁巻線Wの電流I
に基づく静止磁界の奇数次の空間調波成分の双方と磁気
的結合を成すスロット位置に配列されており、前記3個
の界磁巻線Wf1,Wf2,Wf3はそれぞれがダイオ
−ドD,D,Dを介して短絡されている。より詳
しくは、回転子7の3個の界磁巻線Wf1,Wf2,W
f3は、電機子反作用磁界および静止磁界のそれぞれの
空間基本波成分および空間高調波成分と磁気的結合を成
さしめるために、該界磁巻線の個々を前記主発電巻線W
の磁極間隔と等しい磁極間隔となる電気角で180゜
のピッチにし、且つ前記空間高調波成分の中でその値が
最も大きな低次の高調波成分、すなわち電機子反作用磁
界の第3次空間高調波成分(6極)および静止磁界の空
間基本波成分(6極)とは最大に磁気的結合を成さしめ
るため(6極の磁界はその全てを界磁巻線の誘導起電力
に寄与させるため)に、電気角で60°の間隔で設けた
スロット(S〜S)に順次配列して巻装してある。
【0033】以上の構成において、前記図1における界
磁巻線W(Wf1,Wf2,W )を巻装した回転
子7を回転させると、回転子コア8の残留磁気が作用し
て主発電巻線Wに僅かの起電力が誘導する。このとき
の主発電巻線Wの誘導起電力は図1の制御整流装置5
によって整流され、励磁巻線Wに直流電流Iが流れ
て6極の静止磁界が生じる。また、このとき主発電巻線
にはIに対応する交流電流Iaeが流れて2極の
電機子反作用磁界が生じる。そして、これらの磁界の空
間分布を固定子コア3の表面にわたって図示すると、主
発電巻線Wおよび励磁巻線Wをそれぞれ集中巻とし
た場合には図2に示すようにそれぞれが方波形となる。
なお、主発電巻線Wおよび励磁巻線Wをそれぞれ分
布巻としても本発明は実施可能であるが、この場合の前
記磁界の空間分布はそれぞれ階段状の波形となる。
【0034】さて、前記図2に示す電機子反作用磁界お
よび静止磁界のそれぞれの方形波をフーリエ級数展開す
ると、
【0035】
【数1】 となり、それぞれの波形には右辺第1項の基本波以外に
第3次空間高調波、第5次空間高調波等の奇数次空間高
調波成分が含まれている。そこで、図3に示すように3
個の界磁巻線Wf1,Wf2,Wf3はそれぞれが電気
角で180°のピッチに巻装されているため、それらと
静止磁界および電機子反作用磁界のそれぞれの奇数次の
空間調波成分とは磁気的結合を成し、界磁巻線Wf1
f2,Wf3にはそれぞれ次式のような重畳起電力が
誘導することになる。
【0036】
【数2】 そして、3個の界磁巻線Wf1,Wf2,Wf3の誘導
起電力ewf1,ewf ,ewf3はダイオード
,D,Dによってそれぞれが半波整流され、W
f1,Wf2,Wf3に整流電流If1,If2,I
f3が流れる。その結果、該整流電流の直流分によっ
て、図4に示すように回転子7に2極の磁極が形成さ
れ、回転子7の主磁束が増磁して主発電巻線Wの起電
力が増加する。
【0037】以上の動作の繰り返しにより、主発電巻線
の発電電圧が確立する。なお、このとき前記制御整
流装置5の可変抵抗器Rを調整すると、励磁巻線W
に流れる電流Iが制御されて、結果的に発電機1の無
負荷電圧を任意に可変設定できる。なお、本発明は、前
記励磁巻線電流Iが作る静止磁界によって界磁の分巻
励磁作用が行われ、それに前記主発電巻線電流Iが作
る電機子反作用磁界の奇数次の空間調波成分による界磁
の直巻励磁作用が加わり、両励磁作用の効果によって発
電機1の発電電圧が確立する原理のため、発電機1に負
荷が掛けられている状態の下、すなわち負荷電流Iが主
発電巻線Wに流れている状態の下でも発電電圧の確立
が可能という特徴がある。
【0038】ところで、回転子7に残留磁気が無いとき
には、励磁巻線Wに接続した始動装置6を操作して、
回転子7の界磁巻線Wf1,Wf2,Wf3のそれぞれ
に僅かの起電力を誘導させ、これらの起電力の半波整流
電流によって回転子7に僅かの主磁界を発生させる。
【0039】次に、この発電機1に抵抗負荷を接続する
と以下のように作用する。つまり、抵抗負荷の接続によ
り主発電巻線Wから負荷電流Iが流出することにな
り、この負荷電流Iによって主発電巻線Wが作る電機
子反作用磁界が増大する。したがって電機子反作用磁界
の空間調波成分は増大し、この空間調波成分と磁気的結
合を成す位置にそれぞれ個別に巻装されている界磁巻線
f1,Wf2,Wf3の各々の起電力が増加して界磁
巻線に流れる整流電流If1,If2,If3が増す。
その結果、主発電巻線Wの誘導起電力が増加して、そ
のインピーダンス電圧降下の増加に対する出力電圧の変
動を補償する。つまり、本発明による発電機Iは、負荷
の増減にともなう負荷電流Iの増減が回転子7の界磁巻
線の電流I f1,If2,If3の増減をもたらすこと
になり、結果的に主発電巻線Wの誘導起電力が増減し
て主発電巻線のインピ−ダンス電圧降下の増減を補償
し、負荷の増減に対して平複巻特性の発電機出力電圧が
得られる。
【0040】ところで、AVR(自動電圧調整装置)を
励磁巻線Wに併用して、励磁が不足する場合にAVR
でまかなうようにすることもあり、この他、固定子の直
流励磁に関する公知技術は利用可能で、本実施例に限定
されることはない。
【0041】本発明による好適な第2の実施例を図5に
よって説明する。図5に第2の実施例のブラシレス自励
単相同期発電機10の回路図を示す。なお、第2の実施
例による回転子14は第1の実施例による回転子7と同
様となるので図3を代用して省略する。まず、固定子1
1の回路構成について説明すると、固定子に設けられた
スロットに、第1の実施例の単相主発電巻線Wが巻装
されている。すなわち、図2において励磁巻線Wを取
り除いた巻線構成になっている。そして、この主発電巻
線の出力端子U,Vに負荷と並列に可変リアクトル12
と、スイッチSおよびバッテリーBから成る始動装置1
3とが接続してある。ところで本実施例の回転子14の
回路構成は、前述した第1の実施例の回転子7と同様の
構成であり、ここでの回転子の詳細な説明は省略する。
【0042】以上の構成において、図3に示す界磁巻線
f1,Wf2,Wf3と同一に巻装した回転子14を
回転させると、回転子コア(図3の回転子コア8と同
一)の残留磁気が作用して主発電巻線Wに僅かの起電
力が誘導し、図5に示す主発電巻線Waの出力端子U,
Vに負荷と並列に接続した可変リアクトル12に電流I
Leが流れ、主発電巻線Wに電流Iが流れて電機子
反作用磁界が生じる。
【0043】その結果、該電機子反作用磁界の奇数次の
空間調波成分と磁気的結合を成す回転子14の界磁巻線
f1,Wf2,Wf3の各々に起電力が誘導する。該
誘導起電力は、各界磁巻線に直列に設けたダイオ−ドD
,D,Dによって各々が半波整流されて回転子1
4の主磁束を増磁し、主発電巻線Wの起電力を増大さ
せる。この動作の繰り返しにより、主発電巻線Wの発
電電圧が確立する。なお、このとき前記可変リアクトル
12を制御すると、該可変リアクトル12に流れるリア
クトル電流ILeが制御されて、結果的に発電機10の
無負荷電圧を任意に可変設定できる。また、本発明は、
主発電巻線電流Iが作る電機子反作用磁界の奇数次の
空間調波成分を利用して界磁の主磁束の増磁をはかる原
理のため、発電機10に負荷を掛けた状態の下での発電
電圧の確立も可能である。
【0044】ところで、回転子14に残留磁気が無いと
きには、主発電巻線Wに接続した始動装置13を操作
して回転子14の界磁巻線Wf1,Wf2,Wf3のそ
れぞれに僅かの起電力を誘導させ、これらの起電力の半
波整流電流によって回転子14に僅かの主磁束を発生さ
せる。
【0045】次に、この発電機10に誘導性負荷あるい
は容量性負荷を接続すると以下のように作用する。つま
り、負荷の接続により主発電巻線Wには負荷電流Iと
リアクトル電流ILeとのベクトル和の電流Iが流れ
る。したがって、主発電巻線Wを流れる電流の大きさ
は、負荷電流Iの大きさが一定であってもリアクトルの
効用によって負荷の力率が遅れ力率になるほど増大し、
負荷の力率が進み力率になるほど減少する。そこで主発
電巻線Wの電流Iが作る電機子反作用磁界が増減す
ることになる。したがって、電機子反作用磁界の奇数次
の空間調波成分も増減し、この空間調波成分と磁気的結
合を成す位置にそれぞれ個別に巻装されている界磁巻線
f1,Wf2,Wf3の各々の起電力が増減して界磁
巻線の半波整流電流If1,If2,If3が増減し、
結果的に主発電巻線の誘導起電力が増減する。したがっ
て、この第2の実施例の発電機は、負荷力率が遅れ力率
になるほど界磁の直巻励磁効果が増大して出力電圧の低
下が抑制され、また負荷力率が進み力率になるほど界磁
の直巻励磁効果が減少して進相電流による自己励磁現象
に基づく出力電圧の上昇が抑制される。つまり、この発
電機は負荷力率の変化に適切に対応できる自動電圧調整
機能を発電機自体が有している。
【0046】ここで図1に示した第1の実施例における
制御整流装置5を、制御可能な半導体整流素子で構成し
た実施例を図6に示す。ここに示す制御整流装置18
は、制御可能な半導体整流素子Sで構成している。こ
の半導体整流素子Sはサイリスタであり、この他にも
制御可能な半導体整流素子である直流チョッパ、GTO
などで構成することが可能である。サイリスタで制御整
流装置18を構成すると、サイリスタの点弧角を制御す
ることによって励磁巻線Wに流れる電流Iの制御が
自動化できるので、負荷変動による負荷電流の増減にと
もなう出力電圧の変動への対応を、電機子反作用磁界の
空間調波成分の増減だけに頼ることなく、これら出力変
動への対応を自動化してより迅速にすることができる。
【0047】ところで、本発明の第1と第2の実施例の
回転子は、固定子の主発電巻線Wの極数と同極数を有
する3個の界磁巻線Wf1,Wf2,Wf3を、回転子
コア8に設けた6個のスロットに巻装しているが、発電
機の界磁巻線は主発電巻線の極数と同じ極数を有し、且
つ奇数次の空間調波成分と磁気的結合を成す位置に巻装
されていればよく、前記の界磁巻線の個数は3個、また
スロット数は6個にそれぞれ限定されるものではない。
例えば、図3において、スロット間隔が電気角で30°
を成す12個のスロットを回転子コア8に設け、それら
に6個の界磁巻線を巻装しても本発明の発電機は成り立
つ。
【0048】
【発明の効果】以上のことから、本発明では、従来技術
において必ず必要であったブラシレス自励単相同期発電
機の固定子の励磁巻線に接続されたコンデンサを不要と
したので、発電機のコアの残留磁気の不足およびコンデ
ンサの自然放電に基づく充電不足に原因した発電機の電
圧自己確立の不確実性が改善された。更に、発電機の無
負荷および負荷時のそれぞれの発電電圧の任意設定を行
う場合、従来技術のブラシレス励磁単相同期発電機では
固定子の励磁巻線に接続された前記コンデンサに新たに
可変リアクトルを並列接続する必要があり、装置の大型
化や高価格の問題を有するが、本発明の実施例1では固
定子の励磁巻線に直流可変抵抗器(低廉)を接続するこ
ととにより、発電機の任意設定を簡単に行うことができ
る。また、本発明の実施例2においては、従来技術のブ
ラシレス自励単相同期発電機の固定子の励磁巻線を不要
としたので簡単な固定子構造の発電機を可能とし、且つ
従来技術では困難であった誘導性および容量性負荷時の
発電機出力電圧の変動の抑制が、発電機の出力端子に接
続した可変リアクトルの効果により、実現できた。
【0049】以上のように、本発明によって多大な効果
を奏することのできるブラシレス自励単相同期発電機を
提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるブラシレス自励単相同期発電機の
回路図。
【図2】本発明によるブラシレス自励単相同期発電機の
主発電巻線および励磁巻線のそれぞれの巻線態様と、両
巻線の電流が作るそれぞれの固定子側の磁界分布を固定
子コア表面に亘って展開した図。
【図3】本発明によるブラシレス自励単相同期発電機の
複数個の界磁巻線の巻線態様と、固定子側磁界分布の奇
数次の空間調波成分を示す図。
【図4】本発明によるブラシレス自励単相同期発電機の
複数個の界磁巻線の直流電流が作る回転子側の磁界分布
を回転子コア表面に亘って展開した図。
【図5】本発明による第2の実施例のブラシレス自励単
相同期発電機の回路図。
【図6】第1の実施例における制御整流装置をサイリス
タで構成した場合の制御整流装置の回路図。
【図7】従来のブラシレス自励単相同期発電機。
【符号の発明】
1 ブラシレス自励単相同期発電機 2 固定子 3 固定子コア 4 固定子スロット 5 制御整流装置(D:ダイオード,R:可変抵抗
器) 6 始動装置(S:スイッチ,B:バッテリー) 7 回転子 8 回転子コア 9 回転子スロット 10 ブラシレス自励単相同期発電機 11 固定子 12 可変リアクトル 13 始動装置(S:スイッチ,D:ダイオード,
B:バッテリー) 14 回転子 15 ブラシレス自励単相同期発電機 16 固定子 17 回転子 18 制御整流装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−220746(JP,A) 特開 昭63−43557(JP,A) 特開 昭62−23348(JP,A) 特開 昭60−241755(JP,A) 特開 平6−284657(JP,A) 特開 平5−168207(JP,A) 特開 平4−347566(JP,A) 特開 平4−285454(JP,A) 特開 平3−245755(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 19/00 H02P 9/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単相の主発電巻線(Wa)と該主発電巻
    線(Wa)の極数の奇数倍の極数を有する励磁巻線(W
    e)とを巻装した固定子コア(3)を有する固定子
    (2)と、 前記主発電巻線(Wa)と同極数の界磁巻線(Wf)を
    回転子コア(8)に複数個巻装した回転子(7)と、 前記主発電巻線(Wa)の誘導起電力を全波整流して前
    記励磁巻線(We)に直流電流を流すよう、前記主発電
    巻線(Wa)と前記励磁巻線(We)との間に設けた制
    御整流装置(5)と、 前記複数個の界磁巻線(Wf)の各々の誘導起電力を半
    波整流して界磁巻線(Wf)に直流電流を流すよう、前
    記複数個の界磁巻線の各々に直列に設けた半導体整流素
    子(D)と、を備えたブラシレス自励単相同期発電機で
    あって、 前記回転子(6)への回転子励磁巻線を不要とするとと
    もに、前記固定子(2)の励磁巻線(We)に介在する
    コンデンサを不要とするべく、前記複数個の界磁巻線
    (Wf)の配列位置を、前記固定子(2)の励磁巻線
    (We)が形成する静止磁界と前記主発電巻線(Wa)
    が形成する電機子反作用磁界の奇数次の空間高調波成分
    との双方と磁気的結合をなす位置にしたことを特徴とす
    るブラシレス自単相同期発電機。
  2. 【請求項2】 前記回転子の複数個の界磁巻線(Wf)
    は、該複数個の界磁巻線のそれぞれを、前記主発電巻線
    (Wa)の磁極ピッチが電気角で180°であるのと同じ
    磁極ピッチを持つように形成してなる請求項1記載のブ
    ラシレス自励単相同期発電機。
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