JP2939914B2 - ブラシレス自励同期発電機 - Google Patents

ブラシレス自励同期発電機

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JP2939914B2 JP15081091A JP15081091A JP2939914B2 JP 2939914 B2 JP2939914 B2 JP 2939914B2 JP 15081091 A JP15081091 A JP 15081091A JP 15081091 A JP15081091 A JP 15081091A JP 2939914 B2 JP2939914 B2 JP 2939914B2
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隆幸 藤川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造が簡単で信頼性が
高く、負荷の力率に応じて適切な出力電圧補償機能を発
揮するブラシレス自励同期発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のブレシレス自励同期発電機として
は、本発明者自身の発明による特願平2−41225号
に示されたものがあり、固定子鉄心に集中全節巻または
集中全節巻に準ずる巻線態様で巻装された主発電巻線
と、この主発電巻線の極数の奇数倍の磁極を有する固定
子界磁巻線とが巻装され、回転子鉄心には固定子界磁巻
線と磁気的結合をなす回転子励磁巻線と、この回転子励
磁巻線の起電力が直流に変換された後に供与され、かつ
上記主発電巻線と同一極数の回転子界磁巻線とが巻装さ
れると共に、回転子鉄心には上記回転子励磁巻線の起電
力を直流に変換するための整流器を備えることを特徴と
し、固定子界磁巻線への励磁電流の調整と、負荷電流に
よる電機子反作用磁界中の奇数次空間高調波磁界の利用
とによって任意な出力電圧調整及び優れた出力電圧補償
機能を具備せしめ、また主磁界を正弦波形分布になし得
て良好な出力電圧波形の供給を可能にしたものであっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のブ
ラシレス自励同期発電機には、次のような課題が残され
た。 固定子鉄心に主発電機巻線と固定子界磁巻線と
いった2種類の巻線を巻装しなければならない。巻装巻
線の種類が多いことは、それだけ絶縁劣化等による巻線
間の短絡焼損事故の発生率が高くなることであり、信頼
性向上のためには巻線の種類を減らしたい。
【0004】 負荷時の出力電圧降下は、負荷の力率
により異なり、例えば力率1より遅れ力率の負荷の場合
の方が出力電圧降下が大きいことは周知の事実である。
従って、遅れ力率負荷の場合においては、出力電圧を上
昇させる方向のより大きな出力電圧補償機能が要求され
るが、上記従来のブラシレス自励同期発電機の出力電圧
補償機能は、負荷電流の大きさによってほぼ決まり、負
荷力率によっては顕著な変化を示さない。言い換えると
遅れ力率負荷の場合の出力電圧補償機能に設定された上
記従来の発電機に、力率1の負荷を接続した場合、不必
要に大きな電圧補償が行われ、出力電圧が高くなり過ぎ
るといった不合理な特性を有しているということであ
る。この不合理性を解消し、負荷の力率に応じた適切な
出力電圧補償機能を自動的に発揮し得る発電機とした
い。
【0005】 負荷には、力率改善を目的としてコン
デンサを内蔵するものが多種存在するが、不注意な取扱
いによってコンデンサのみが発電機の出力端子に接続さ
れてしまう場合が多々ある。この場合、コンデンサへの
進相電流による発電機の自己励磁現象によって過大電圧
が発生し、発電機の絶縁や電子部品をはじめコンデンサ
そのものまで破壊してしまう事態さえ発生する。上記従
来のブラシレス自励同期発電機においても、このような
問題を有しており、進相電流による過大電圧の発生を防
止し得る機能を発電機自体に持たせたい。
【0006】そこで本発明は、上記課題を解決し、巻
装巻線の種類を減じて構造を簡単にし信頼性を高め、
負荷の力率に応じた適切な出力電圧補償機能を発揮し、
かつ進相電流による過大電圧の発生を防止し得るブラ
シレス自励同期発電機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成すべくなされたもので、固定子鉄心全節巻した三
相の電機子巻線U,V,Wを巻装し、この電機子巻線
U,V,Wからの引出し端に、電機子巻線U,V,Wか
らリアクトル励磁電流が流れ、第5空間高調波磁界を含
む電機子反作用磁界を生じさせるリアクトル11を接続
し、回転子鉄心3には、上記電機子巻線U,V,Wの5
倍の極数を有する回転子励磁巻線と、この回転子励磁
巻線の起電力が直流に変換された後に供され、か
上記電機子巻線U,V,Wと同一極数の回転子界磁
巻線とを巻装すると共に、回転子鉄心には上記回転
子励磁巻線の起電力を直流に変換するための整流器
を備えてなることを特徴とするブラシレス自励同期発
電機としたものである。
【0008】
【作用】 本発明は次のように作用する。 先ず、 回転子を
回転させれば、回転子鉄心の残留磁界によって上記
機子巻線U,V,Wに起電力が生じ、電機子巻線U,
V,Wとリアクトル11にリアクトル励磁電流が流れ
る。この電機子巻線U,V,Wからのリアクトル励磁電
流によって生じる電機子反作用磁界は、上記電機子巻線
U,V,Wの全節巻きした2極三相の巻線態様から第5
空間高調波磁界を含むものとなり、この第5空間高調波
磁界が、回転子の回転方向に対し逆方向に回転する磁
界となって、磁気的に結合する回転子励磁巻線に起電
力を発生させる。
【0009】上記回転子励磁巻線の起電力は上記整流
12を介して回転子界磁巻線に供されて主磁界を
増強させる。上記回転子界磁巻線には上記電機子巻線
U,V,Wが磁気的に結合させてあることから上記電機
子巻線U,V,Wの起電力が増大し、これを繰り返して
出力電圧が確立される。この時、上記リアクトル11
可変リアクトルとしリアクトル励磁電流を調整すれば、
無負荷電圧を任意に設定し得る。
【0010】次いで、三相負荷時においては、負荷電流
と上記リアクトル励磁電流とのベクトル和の電機子電流
上記電機子巻線U,V,Wを流れる。この電機子電流
によって生ずる電機子反作用磁界は、上記電機予巻線
U,V,W全節巻した三相の巻線態様から第5空間高
調波磁界を含むものとなり、この第5空間高調波磁界が
回転子の回転方向に対して逆方向に回転する磁界とな
って磁気的に結合する回転子励磁巻線に起電力を発生
させ、回転子界磁巻線に回転子励磁電流を供給する。
【0011】上記第5空間高調波磁界の強さは電機子電
流の大きさに比例し、この電機子電流の大きさは、負荷
電流およびリアクトル励磁電流の大きさを一定とした場
合、負荷の力率によって変化する。すなわち、電機子電
流の成分であるリアクトル励磁電流が、上記リアクトル
11を流れる遅相電流であることから、負荷電流がこの
遅相電流と同相に近づくほど、すなわち負荷力率が遅
れ力率になるほど電機子電流は大きくなり力率1また
進み力率となるにつれ電機子電流は、次第に小さくな
るという様相を呈する。従って、負荷力率が遅れ力率に
移行するほど、第5空間高調波磁界の強さ、延いては回
転子励磁電流の供給は増大することになり、本発明によ
ブラシレス自励同期発電機は、負荷力率に応じた適切
な出力電圧補償機能を発揮し得ることになる。
【0012】また、上述した進み力率負荷による電機子
電流の低下は、進相電流による自己励磁現象を効果的に
抑制し、過大電圧の発生を防止する。単相負荷の場合も
単相交流電流による交番電機子反作用磁界中に含まれる
第5空間高調波磁界を利用するので上記三相の場合と同
じである。また、第5空間高調波磁界の極数は、電機子
巻線の極数及び回転子界磁巻線の極数とは異なるため、
第5空間高調波磁界と回転子界磁巻線による磁界とは互
いに影響を及ぼし合うことなく所望の出力が得られる。
【0013】
【実施例】以下に本発明に係わるブラシレス自励同期発
電機の一実施例に基づき詳細に説明する。図1に示おい
て、U,V,WはU相、V相、W相からなる集中全節巻
した2極三相の電機子巻線である。この電機子巻線U,
V,Wは、図2に示す如く、固定子鉄心1の内周部に形
成した固定子スロット2内に集中全節巻の巻線態様にて
2極三相に巻装させてある。また、上記電機子巻線U,
V,Wは、図1に示す如くスター結線されて各相の引
出し端が出力端子7〜9を介して負荷に接続されるよう
になっている。また、上記電機子巻線U,V,Wの中性
点Nは別に引き出されて出力端子10に接続されてお
り、この出力端子10と上記出力端子7〜9のうちの任
意に選択された1つの出力端子との間で単相出力を取り
出し得るようになっている。リアクトル11は、上記
機子巻線U,V,Wの各相の引出し端に接続され、この
電機子巻線U,V,Wとリアクトル11とによる閉回路
を形成し、この電機子巻線U,V,Wからリアクトル1
1にリアクトル励磁電流が流れる。
【0014】一方、回転子Rは図2に示す如く、回転子
鉄心3に回転子スロット4が形成されてあって、この回
転子スロット4内に回転子界磁巻線5と回転子励磁巻線
6とを巻装させてある。この回転子界磁巻線5は、上記
電機子巻線U,V,Wと同数の磁極を形成するように巻
装する。また、回転子励磁巻線6は電機子巻線U,V,
Wの極数の5倍(奇数倍)の磁極と磁気的に結合し得る
よう巻装する。回転子励磁巻線6には、4個のダイオー
ドからなるダイオードブリッジ回路12を介して回転子
界磁巻線5を接続する。ダイオードブリッジ回路12は
回転子鉄心3に付設させてあって、回転子鉄心3と共に
回転する回転整流器形式になっている。
【0015】次に上記構成のブラシレス自励同期発電機
の動作について説明すると、まず無負荷時において回転
子Rを回転駆動させれば、回転子鉄心3の残留磁界によ
り電機子巻線U,V,Wに僅かな起電力が誘起する。こ
の起電力により電機子巻線UV,Wとリアクトル11と
からなる閉回路にリアクトル励磁電流ie,ie
ieが、それぞれ無負荷時における三相の電機子電流
,i,iとして流れて電機子反作用磁界が生ず
るが、電機子巻線U,V,Wが集中全節巻にしてあるこ
とから、その電機子反作用磁界は第5空間高調波磁界、
即ち10極の磁界成分を含むものとなる。更にこれを以
下に解析する。
【0016】電機子巻線のU相についてフーリエ級数で
表わした矩形波磁界分布図を示せば、図3の如き通りで
ある。図3においては、固定子Sと回転子R間のギャッ
プを省略してある。上記の如く集中全節巻の電機子巻線
Uによる磁界分布は、電機子巻線Uの巻数をn(T)、
電機子巻線Uに流れる電機子電流をi(A)、比例定
数をkとすると振幅をkin(AT/m)とする矩形
波になる。但し、磁路の磁気飽和は無視する。
【0017】矩形波の中心点0を基点とし、この0点か
ら電気角でθ(rad)の距離における任意の点Pにお
ける磁界の強さHをフーリエ級数で表すと、 となり、磁界分布Hは、第1項の基本波磁界Hmsi
n(ωt−φ)cosθと第2項の第3空間高調波磁
界、第3項の第5空間高調波磁界などの奇数次空間高調
波磁界から成り立っていることが分かる。
【0018】次に固定子Sに2π/3(rad)ずつず
らした位置に巻装された集中全節巻の電機子巻線U,
V,Wに次式で示される三相電機子電流 が流れた時、各相の電機子巻線による磁界の強さをそれ
ぞれHu,Hv,Hwとすると となる。
【0019】従って、集中全節巻された三相の電機子巻
線による磁界分布Hは、式におけるHu,Hv,H
wの合成であるから次式が得られる。 式より磁界分布H、即ち三相電機子電流i
,iによる電機子反作用磁界は、第1項の基本波
磁界3/2Hmsin(ωt−φ−θ)と、第2項の第
5空間高調波磁界、第3項の第7空間高調波磁界等の奇
数次空間高調波磁界から成り立っており、位相角の符号
から第5空間高調波磁界は基本波磁界とは逆の方向に、
第7空間高調波磁界は基本波磁界と同じ方向に回転する
ことも分かる。
【0020】本発明は、以上の解析結果より導出される
奇数次空間高調波磁界を積極的に利用するものであり、
図1、図2による実施例は、第5空間高調波磁界を利用
すべく構成されている。即ち、第5空間高調波磁界には
回転子励磁巻線6を磁気的に結合させてあることから電
機子電流i,i,iによって発生する10極の磁
界を回転子励磁巻線6が切ることによって、この回転子
励磁巻線6に起電力Erが発生する。この起電力Er
は、ダイオードブリッジ回路12で直流に変換されて回
転子界磁巻線5に回転子励磁電流Ifrとして供与され
て、回転子界磁巻線5によるSN2極の主磁界が発生す
る。従って、回転子励磁電流Ifrにより回転子鉄心3
の主磁界が増強し、延いては電機子巻線U,V,Wの起
電力が増大し、この繰り返しにより漸次増大して、遂に
は出力電圧が確立されるものである。この時、リアクト
ルを可変リアクトルとしリアクトル励磁電流ie,i
,ie即ち無負荷時における電機子電流i,i
,iを調整すれば、上記起電力Er,延いては回転
子励磁電流Ifrを調整することとなって、無負荷電
圧、つまり電機子巻線U,V,Wの出力電圧を任意に調
整し得るものである。
【0021】次に三相負荷時における動作について説明
する。電機子電流i,i,iは、無負荷時におい
てはリアクトル励磁電流ie,ie,ieそのも
のであったが、三相負荷時においては、上記リアクトル
励磁電流に三相負荷電流ia,ia,iaがベク
トル的に合成されたものとなる。このことは電機子電流
,i,iの大きさ、延いては第5空間高調波磁
界の強さが、負荷電流ia,ia,iaの大きさ
のみでなく、リアクトル励磁電流ie,ie,ie
と負荷電流ia,ia,iaとの位相差、ま
た、その位相差を決定する負荷の力率に依存することを
意味する。
【0022】今、簡単のため、電機子巻線のU相のみに
ついて上記のことを考察する。電機子巻線の漏れリアク
タンスと抵抗とを無視し、U相の内部起電力eを基準
とした電機子電流、リアクトル励磁電流、負荷電流の関
係を、それぞれ実効値に π/2(rad)遅れる。即ちφ=−π/2(rad)
であるとする。また、αは、負荷の力率角を表わしてい
る。各電流の大きさを で表わされる。
【0023】式においてIe,Ia,φの値を一
定とすると、電機子電流Iは負荷が遅れ力率角α=−
π/2(rad)の時最大となり、逆に進み力率角α=
π/2(rad)の時最小となることが分かる。言い換
えると、遅相電流であるリアクトル励磁電流Ieと同
相に近づく負荷電流Iaにおいて、即ち遅れ力率負荷
において電機子電流Iは大きく、力率1、進み力率と
負荷の力率が進み方向に変化するに従って電機子電流I
は次第に小さくなる。従って、第5空間高調波磁界の
強さ、延いては回転子励磁電流Ifrの供給は、負荷の
力率が遅れ方向に変化するにつれて増大し、逆に進み方
向に変化するにつれて減少するという特性を有すること
になるから負荷力率に応じた合理的かつ適切な出力電圧
補償機能を発揮することが可能になるわけである。この
時、リアクトルを可変リアクトルとしリアクトル励磁電
流ie,ie,ieを調整して、電機子電流
,i,iの大きさを変化させれば、回転子励磁
電流Ifrを調整することとなって出力電圧を任意に調
整し得る。更に進み力率負荷に対する上記特性は、進相
電流による自己励磁現象を効果的に抑制し、過大電圧の
発生を防止する。
【0024】図5は、本発明によるブラシレス自励同期
発電機に力率の異なる平衡三相負荷を接続した場合の負
荷特性の実験結果であり、上記考察に裏付けされた特性
を示している。特に進相電流の大きな純コンデンサ負荷
の場合には、速やかに発電機能を停止し、発電機及び負
荷を自己励磁現象による過大電圧の発生から保護する。
【0025】次に単相負荷時における動作を図1におけ
る出力端子7と10とに単相負荷を接続したものとして
説明する。まず無負荷時においては、前述したように出
力電圧は確立されており、次に単相負荷電流が電機子巻
線Uを流れることにより交番電機子反作用磁界が発生す
る。この交番電機子反作用磁界分布を前述の式が示し
ているものである。従って、式第3項の第5空間高調
波磁界が10極の交番磁界として、回転子励磁巻線6に
作用する結果、リアクトル励磁電流ie,ie,i
による第5空間高調波磁界の作用と相まって三相負
荷時と同様の出力電圧補償作用が行なわれ所望の出力が
得られる。尚、以上の動作は出力端子7、8、9中から
選択された2つの端子に単相負荷を接続する出力形態に
おいても同様に行なわれる。更に単相負荷電流による交
番電機子反作用磁界中には、第3空間高調波磁界が含ま
れることを式第2項が示している。即ち電機子巻線を
2極一相のみとし、その引出し端に単相のリアクトルを
接続し回転子励磁巻線6を第3空間高調波磁界に感応す
る巻線態様とした場合には、本発明による単相出力専用
のブラシレス自励同期発電機が実現できる。
【0026】以上、図1、図2で示した実施例におい
て、三相の電機子巻線U,V,Wは、完全なる集中全節
巻がなされているものとして説明してきたが、本発明に
おける電機子巻線U,V,Wの巻線態様は、これに限る
ものではない。即ち電機子電流による電機子反作用磁界
中に奇数次空間高調波磁界を形成するためには、理論的
に集中全節巻が理想であるが、集中全節巻に準じた巻線
態様も実際的見地からとり得ることが可能である。ここ
に言う集中全節巻に準じた巻線態様とは、電機子電流に
よる電機子反作用磁界中に、積極的に奇数次空間高調波
磁界を形成させる意図で、電機子巻線の巻線係数を適宜
選択した、あらゆる巻線態様を含むものとする。
【0027】例えば図6は、本発明における電機子巻線
U,V,Wの巻線態様について、他の実施例の1つを示
したものであり、ここでは、隣合う2つの固定子スロッ
トに分布させた分布全節巻としたものである。言うまで
もなく、電機子反作用磁界中の奇数次空間高調波磁界
は、電機子巻線U,V,Wそれぞれを広く分布させるほ
ど弱くなるが、図6の実施例は、奇数次空間高調波磁界
の強さを実用に供し得る範囲に選択した場合において、
分布全節巻も可能であることを示している。本発明の実
施例として電機子巻線U,V,Wが2極の場合について
説明してきたが、4極以上の極数を有する発電機におい
ても適用可能であることは言うまでもない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したような本発明のブラシレス
自励同期発電機によれば、次のような作用・効果が得ら
れる。 すなわち、回転子を回転させれば、回転子鉄心の
残留磁界によって上記電機子巻線に起電力が生じ、電機
子巻線からリアクトルにリアクトル励磁電流が流れる。
このリアクトル励磁電流によって生じる電機子反作用磁
界は、上記電機子巻線の全節巻きした2極三相の巻線態
様から第5空間高調波磁界を含むものとなり、この第5
空間高調波磁界が、回転子の回転方向に対し逆方向に回
転する磁界となって、磁気的に結合する回転子励磁巻線
に起電力を発生させる。 上記回転子励磁巻線の起電力は
整流器を介して回転子界磁巻線に供給されて主磁界を増
強させる。上記回転子界磁巻線には上記電機子巻線が磁
気的に結合させてあることから、上記電機子巻線の起電
力が増大し、これを繰り返して出力電圧が確立される。
上記第5空間高調波磁界の強さは電機子電流の大きさに
比例し、この電機子電流の大きさは負荷電流およびリア
クトル励磁電流の大きさを一定とした場合、負荷の力率
によって変化する。 すなわち、電機子電流の成分である
リアクトル励磁電流がリアクトルを流れる遅相電流であ
ることから、負荷電流がこの遅相電流と同相に近づくほ
ど、すなわち、負荷力率が遅れ力率になるほど電機子電
流は大きくなり、力率1および進み力率となるにつれて
電機子電流は次第に小さくなるという様相を呈する。
って、負荷力率が遅れ力率に移行するほど、上記第5空
間高調波磁界の強さ、延いては回転子励磁電流の供給は
増大することになり、負荷力率に応じた適切な出力電圧
補償機能を発揮し得る。 上述のように、本発明は、巻装
巻線の種類を減らして構造を簡単にし、信頼性を高め、
負荷の力率に応じた適切な出力電圧補償機能を発揮し、
かつ、進相電流による過大電圧の発生を防止し得るブラ
シレス自励同期発電機を提供することができる。
【0029】また負荷の力率に応じた合理的かつ適切な
出力電圧補償機能を発揮させることが可能となり、かつ
進相電流による自己励磁現象を抑制して、過大電圧の発
生を防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブラシレス自励同期発電機の一実
施例を示す回路図である。
【図2】図1の固定子及び回転子の要部断面及び各種巻
線の巻線の態様を示す図である。
【図3】図1の電機子巻線のU相についてフーリエ級数
で表わした矩形波磁界分布図である。
【図4】U相の起電力を基準とした電機子電流、リアク
トル励磁電流、負荷電流の関係を表わすベクトル図であ
る。
【図5】図1において、力率の異なる三相負荷を接続し
た場合の負荷特性を示す図である。
【図6】本発明における三相電機子巻線U,V,Wの巻
線態様について他の実施例を示す図である。 S 固定子 R 回転子 U,V,W 電機子巻線 1 固定子鉄心 3 回転子鉄心 5 回転子界磁巻線 6 回転子励磁巻線 11 リアクトル 12 整流器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 19/00 - 19/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子鉄心に全節巻した三相の電機子巻
    線を巻装し、この電機子巻線からの引出し端に、電機子
    巻線からリアクトル励磁電流が流れ、第5空間高調波磁
    界を含む電機子反作用磁界を生じさせるリアクトルを接
    し、回転子鉄心には上記電機子巻線の5倍の極数を
    有する回転子励磁巻線と、この回転子励磁巻線の起電力
    が直流に変換された後に供され、かつ上記電機子巻
    線と同一極数の回転子界磁巻線とを巻装すると共に、回
    転子鉄心には上記回転子励磁巻線の起電力を直流に変換
    するための整流器を備えてなることを特徴とするブラシ
    レス自励同期発電機。
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