JP3489003B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents
自動変速機の油圧制御装置Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の油圧
制御装置に関するものである。
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の自動変速機の油圧制御装置として
は、例えば特開昭59−19755号公報に開示される
ものが知られている。 上記従来例は、入力側プーリ
であるプライマリプーリおよび出力側プーリであるセカ
ンダリプーリの一対のプーリを備え、これらの一対のプ
ーリ間にVベルトを巻き掛けして伝達系を構成してい
る。 前記伝達系は、セカンダリプーリのプーリV溝
を形成する対向フランジのうち一方の可動フランジを、
ライン圧制御弁によって調圧されるライン圧により、他
方の固定フランジに向けて常時行勢するとともに、プラ
イマリープーリのプーリV溝を形成する対向フランジの
うち一方の可動フランジを他方の固定フランジに向けて
付勢する変速制御弁を変化させて、両プーリに対するV
ベルトの巻き掛け円弧系を連続的に変化させ得るように
し、これにより無段変速が可能となるようにしたもので
ある。
は、例えば特開昭59−19755号公報に開示される
ものが知られている。 上記従来例は、入力側プーリ
であるプライマリプーリおよび出力側プーリであるセカ
ンダリプーリの一対のプーリを備え、これらの一対のプ
ーリ間にVベルトを巻き掛けして伝達系を構成してい
る。 前記伝達系は、セカンダリプーリのプーリV溝
を形成する対向フランジのうち一方の可動フランジを、
ライン圧制御弁によって調圧されるライン圧により、他
方の固定フランジに向けて常時行勢するとともに、プラ
イマリープーリのプーリV溝を形成する対向フランジの
うち一方の可動フランジを他方の固定フランジに向けて
付勢する変速制御弁を変化させて、両プーリに対するV
ベルトの巻き掛け円弧系を連続的に変化させ得るように
し、これにより無段変速が可能となるようにしたもので
ある。
【0003】セカンダリプーリの可動フランジを固定フ
ランジに向け付勢するライン圧は、エンジンからの入力
負荷に応じて設定されることでVベルトに滑りが生じな
いようにするために、車両の運転状態に応じて設定され
るライン圧の目標値(目標ライン圧信号)にライン圧が
追従するようライン圧のフィードバック制御を行ってい
る。
ランジに向け付勢するライン圧は、エンジンからの入力
負荷に応じて設定されることでVベルトに滑りが生じな
いようにするために、車両の運転状態に応じて設定され
るライン圧の目標値(目標ライン圧信号)にライン圧が
追従するようライン圧のフィードバック制御を行ってい
る。
【0004】フィードバック制御は、ライン圧が目標値
より大きい場合はライン圧を減少し、ライン圧が目標値
より小さい場合はライン圧を増大させるよう、ライン圧
センサ、によって検出される検出ライン圧信号と目標ラ
イン圧信号との偏差に応じた制御量を前記ライン圧制御
弁に印加する構成となる。ライン圧制御弁は、印加され
る制御量に応じたデューティ駆動によって、油圧源とし
てのオイルポンプからの吐出圧をライン圧に減圧調整し
て出力する。
より大きい場合はライン圧を減少し、ライン圧が目標値
より小さい場合はライン圧を増大させるよう、ライン圧
センサ、によって検出される検出ライン圧信号と目標ラ
イン圧信号との偏差に応じた制御量を前記ライン圧制御
弁に印加する構成となる。ライン圧制御弁は、印加され
る制御量に応じたデューティ駆動によって、油圧源とし
てのオイルポンプからの吐出圧をライン圧に減圧調整し
て出力する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の自動変速機の油圧制御装置において、ライン圧
センサによって検出される検出ライン圧信号には、デュ
ーティ駆動による圧力変動が外乱として内在するととも
に、ライン圧センサで検出することによって発生する観
測雑音も内在している。外乱や観測雑音は検出ライン圧
信号において高周波領域の雑音(ノイズ)として現れる
ため、検出ライン圧信号は振動的な性質をもつようにな
る。このような検出ライン圧信号をライン圧の検出値と
してそのままフィードバック制御に用いると、高周波ノ
イズが制御系の応答波形ライン圧にも影響を与えるた
め、ライン圧が目標値に追従しなくなるといった問題が
生じることとなる。
た従来の自動変速機の油圧制御装置において、ライン圧
センサによって検出される検出ライン圧信号には、デュ
ーティ駆動による圧力変動が外乱として内在するととも
に、ライン圧センサで検出することによって発生する観
測雑音も内在している。外乱や観測雑音は検出ライン圧
信号において高周波領域の雑音(ノイズ)として現れる
ため、検出ライン圧信号は振動的な性質をもつようにな
る。このような検出ライン圧信号をライン圧の検出値と
してそのままフィードバック制御に用いると、高周波ノ
イズが制御系の応答波形ライン圧にも影響を与えるた
め、ライン圧が目標値に追従しなくなるといった問題が
生じることとなる。
【0006】そこで、フィードバックループにローパス
フィルタを設けて、検出ライン圧信号の高周波領域のノ
イズを除去する方法が考えられるが、ローパスフィルタ
が有する遅れの特性から、検出ライン圧信号はライン圧
に対して遅れを伴うものとなってしまう。遅れを伴う検
出ライン圧信号をフィードバックしてライン圧の制御を
行なうと、制御系の制御定数(ゲイン)を大きく設定し
た際に、遅れによる検出ライン圧信号と目標ライン圧信
号との誤差を増幅させて実際のライン圧に影響を及ぼす
ことになるので、ライン圧が目標値に追従しない不安定
な系になるといった問題があった。 本発明の目的
は、このような問題点に鑑みてなされたもので、ライン
圧に対して遅れを伴わずに検出ライン圧信号に内在する
外乱および観測雑音を除去するところにある。
フィルタを設けて、検出ライン圧信号の高周波領域のノ
イズを除去する方法が考えられるが、ローパスフィルタ
が有する遅れの特性から、検出ライン圧信号はライン圧
に対して遅れを伴うものとなってしまう。遅れを伴う検
出ライン圧信号をフィードバックしてライン圧の制御を
行なうと、制御系の制御定数(ゲイン)を大きく設定し
た際に、遅れによる検出ライン圧信号と目標ライン圧信
号との誤差を増幅させて実際のライン圧に影響を及ぼす
ことになるので、ライン圧が目標値に追従しない不安定
な系になるといった問題があった。 本発明の目的
は、このような問題点に鑑みてなされたもので、ライン
圧に対して遅れを伴わずに検出ライン圧信号に内在する
外乱および観測雑音を除去するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明における第1の発明は、車両の運転状態に基
づいて自動変速機の作動油圧の目標値を設定する目標油
圧設定手段と、自動変速機の実際の作動油圧を検出する
油圧検出手段と、該油圧検出手段の検出値が前記目標値
に一致するよう、制御量を出力する制御量設定手段と、
前記制御量に基づいて実際の作動油圧を調整する油圧調
整手段と、を備える自動変速機の油圧制御装置を要旨構
成の基礎前提とする。
に、本発明における第1の発明は、車両の運転状態に基
づいて自動変速機の作動油圧の目標値を設定する目標油
圧設定手段と、自動変速機の実際の作動油圧を検出する
油圧検出手段と、該油圧検出手段の検出値が前記目標値
に一致するよう、制御量を出力する制御量設定手段と、
前記制御量に基づいて実際の作動油圧を調整する油圧調
整手段と、を備える自動変速機の油圧制御装置を要旨構
成の基礎前提とする。
【0008】 そして第1の発明による油圧制御装置は
特に、前記油圧調整手段に入力される制御量と、前記油
圧検出手段にて検出される検出値との間における入出力
特性より低次で与えられる動特性モデルに基づいて作動
油圧の推定値を設定するとともに、この推定値と前記検
出値との偏差に第1の制御定数を乗じたものがフィード
バックされる油圧推定手段を備え、この油圧推定手段は
更に、前記入出力特性が変化したか否かを判断する特性
変化判定手段と、該特性変化判定手段によって入出力特
性の変化が判定される場合、その変化に応じて前記動特
性モデルを変更するモデル変更手段、及び、前記第1の
制御定数を変更する第1の制御定数変更手段とを有した
構成とし、前記制御量設定手段は、前記目標値と前記推
定値との偏差に第2の制御定数を乗じたものを前記制御
量として出力するよう構成したことを特徴とするもので
ある。
特に、前記油圧調整手段に入力される制御量と、前記油
圧検出手段にて検出される検出値との間における入出力
特性より低次で与えられる動特性モデルに基づいて作動
油圧の推定値を設定するとともに、この推定値と前記検
出値との偏差に第1の制御定数を乗じたものがフィード
バックされる油圧推定手段を備え、この油圧推定手段は
更に、前記入出力特性が変化したか否かを判断する特性
変化判定手段と、該特性変化判定手段によって入出力特
性の変化が判定される場合、その変化に応じて前記動特
性モデルを変更するモデル変更手段、及び、前記第1の
制御定数を変更する第1の制御定数変更手段とを有した
構成とし、前記制御量設定手段は、前記目標値と前記推
定値との偏差に第2の制御定数を乗じたものを前記制御
量として出力するよう構成したことを特徴とするもので
ある。
【0009】 さらに、請求項2記載の発明において
は、前記制御量設定手段は、前記推定値に含まれる、油
圧調整手段による外乱と油圧検出手段による観測雑音に
起因する雑音を雑音信号として検出する推定値雑音検出
手段と、該推定値雑音検出手段の雑音信号が小さければ
第2の制御定数を大きくし、雑音信号が大きければ第2
の制御定数を小さくする第2の制御定数変更手段と、を
備えることを特徴としている。
は、前記制御量設定手段は、前記推定値に含まれる、油
圧調整手段による外乱と油圧検出手段による観測雑音に
起因する雑音を雑音信号として検出する推定値雑音検出
手段と、該推定値雑音検出手段の雑音信号が小さければ
第2の制御定数を大きくし、雑音信号が大きければ第2
の制御定数を小さくする第2の制御定数変更手段と、を
備えることを特徴としている。
【0010】 さらにまた、請求項3記載の発明におい
ては、前記制御量設定手段は、第2の制御定数変更手段
が第2の制御定数を小さく設定しても、実際の作動油圧
の振動が低減しなければ、油圧制御装置の異常と判定す
る異常判定手段と、該異常判定手段が異常と判定すると
警報処理をおこなう警報手段と、を備えることを特徴と
している。
ては、前記制御量設定手段は、第2の制御定数変更手段
が第2の制御定数を小さく設定しても、実際の作動油圧
の振動が低減しなければ、油圧制御装置の異常と判定す
る異常判定手段と、該異常判定手段が異常と判定すると
警報処理をおこなう警報手段と、を備えることを特徴と
している。
【0011】
【作用及び効果】上記構成により請求項1に記載される
本発明の自動変速機の油圧制御装置は、油圧推定手段
は、油圧調整手段に入力される制御量と、油圧検出手段
にて検出される検出値との間における入出力特性より低
次で与えられる動特性モデルに基づいて作動油圧の推定
値を設定し、この推定値と前記検出値との偏差に第1の
制御定数を乗じたものがフィードバックされることで、
検出値に対して遅れを伴わずに、前記入出力特性の高次
の部分に現れる外乱、あるいは油圧検出手段による観測
雑音といった雑音を除去した推定値を得ることができ
る。
本発明の自動変速機の油圧制御装置は、油圧推定手段
は、油圧調整手段に入力される制御量と、油圧検出手段
にて検出される検出値との間における入出力特性より低
次で与えられる動特性モデルに基づいて作動油圧の推定
値を設定し、この推定値と前記検出値との偏差に第1の
制御定数を乗じたものがフィードバックされることで、
検出値に対して遅れを伴わずに、前記入出力特性の高次
の部分に現れる外乱、あるいは油圧検出手段による観測
雑音といった雑音を除去した推定値を得ることができ
る。
【0012】 また、請求項1に記載される本発明の自
動変速機の油圧制御装置においては、前記入出力特性の
変化に応じて、動特性モデル及び第1の制御定数を変更
することで、前記入出力特性の変化による検出値の変化
に応じて推定値を補正できるため、油温変化等による入
出力特性の変化によって検出値が変化しても、推定値が
検出値に追従することを可能としている。
動変速機の油圧制御装置においては、前記入出力特性の
変化に応じて、動特性モデル及び第1の制御定数を変更
することで、前記入出力特性の変化による検出値の変化
に応じて推定値を補正できるため、油温変化等による入
出力特性の変化によって検出値が変化しても、推定値が
検出値に追従することを可能としている。
【0013】 さらに、請求項2に記載される本発明の
自動変速機の油圧制御装置は、推定値に含まれる雑音信
号を検出し、雑音信号が小さければ第2の制御定数を大
きくし、雑音信号が大きければ第2の制御定数を小さく
することで、推定値が検出値に含まれる雑音を完全に除
去したものでなくても、推定値に対する雑音の影響が小
さなときは、制御量設定手段による制御の応答特性を早
めて、実際の作動油圧を目標値に早く追従させることが
でき、推定値に対する雑音の影響が大きなときは、制御
量設定手段による制御の応答特性を緩やかにして、実際
の作動油圧に雑音の影響が現れないようにすることがで
きる。
自動変速機の油圧制御装置は、推定値に含まれる雑音信
号を検出し、雑音信号が小さければ第2の制御定数を大
きくし、雑音信号が大きければ第2の制御定数を小さく
することで、推定値が検出値に含まれる雑音を完全に除
去したものでなくても、推定値に対する雑音の影響が小
さなときは、制御量設定手段による制御の応答特性を早
めて、実際の作動油圧を目標値に早く追従させることが
でき、推定値に対する雑音の影響が大きなときは、制御
量設定手段による制御の応答特性を緩やかにして、実際
の作動油圧に雑音の影響が現れないようにすることがで
きる。
【0014】 さらにまた、請求項3に記載される本発
明の自動変速機の油圧制御装置は、第2の制御定数変更
手段が第2の制御量を小さく設定しても実際の作動油圧
の振動が低減せずに、異常判定手段によって油圧制御装
置に異常が発生したものと判定されると、警報手段を作
動させて警報処理を行うことで、油圧制御装置の異常を
運転者等に正確に認識させることが可能となる。
明の自動変速機の油圧制御装置は、第2の制御定数変更
手段が第2の制御量を小さく設定しても実際の作動油圧
の振動が低減せずに、異常判定手段によって油圧制御装
置に異常が発生したものと判定されると、警報手段を作
動させて警報処理を行うことで、油圧制御装置の異常を
運転者等に正確に認識させることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳細に説明する。 図3は、本発明に
よる自動変速機の油圧制御装置を変速機構とともに例示
するものである。変速機構は、図示せざるエンジン(原
動機)の回転を入力される入力プーリとしてのプライマ
リプーリ1、変速後の回転を出力する出力プーリとして
のセカンダリプーリ2、および、両プーリ1、2間に巻
き掛けたVベルト3とによって構成され、両プーリ1,
2に対するVベルト3の巻き掛け円弧径を変化させてプ
ーリ間伝動比、つまり変速比を無段階に変化させること
ができる。
図面に基づいて詳細に説明する。 図3は、本発明に
よる自動変速機の油圧制御装置を変速機構とともに例示
するものである。変速機構は、図示せざるエンジン(原
動機)の回転を入力される入力プーリとしてのプライマ
リプーリ1、変速後の回転を出力する出力プーリとして
のセカンダリプーリ2、および、両プーリ1、2間に巻
き掛けたVベルト3とによって構成され、両プーリ1,
2に対するVベルト3の巻き掛け円弧径を変化させてプ
ーリ間伝動比、つまり変速比を無段階に変化させること
ができる。
【0016】このために、プライマリプーリ1は、固定
フランジ1aに対向してプーリV溝を形成する可動フラ
ンジ1bを軸線方向へ変位可能とし、セカンダリプーリ
2も固定フランジ2aに対向してプーリV溝を形成する
可動フランジ2bを軸線方向へ変位可能とする。そし
て、可動フランジ1bには固定フランジ1aに向かう方
向に変速制御圧Psを作用させ、可動フランジ2bには
固定フランジ2aに向かう方向にライン圧PLを作用さ
せ、変速制御圧Psとライン圧PLとの差圧に応じて両
プーリ1,2に対するVベルト3の巻き掛け円弧径を無
段階に変化させて無段変速を行うものとする。
フランジ1aに対向してプーリV溝を形成する可動フラ
ンジ1bを軸線方向へ変位可能とし、セカンダリプーリ
2も固定フランジ2aに対向してプーリV溝を形成する
可動フランジ2bを軸線方向へ変位可能とする。そし
て、可動フランジ1bには固定フランジ1aに向かう方
向に変速制御圧Psを作用させ、可動フランジ2bには
固定フランジ2aに向かう方向にライン圧PLを作用さ
せ、変速制御圧Psとライン圧PLとの差圧に応じて両
プーリ1,2に対するVベルト3の巻き掛け円弧径を無
段階に変化させて無段変速を行うものとする。
【0017】ライン圧PLを調整するライン圧調整部
(油圧調整手段に相当)140について説明する。ライ
ン圧調整部140は、圧力源11からの作動油をライン
圧PLに調圧するプレッシャーレギュレータ弁12と、
このプレッシャーレギュレータ弁12にライン圧制御用
のモディファイア圧Pmを供給するためのプレッシャー
モディファイア弁13と、このプレッシャーモディファ
イア弁13を制御するライン圧ソレノイド14と、ライ
ン圧ソレノイド14に一定の圧力Ppを供給するパイロ
ット弁15と、ライン圧ソレノイド14を駆動させるた
めの駆動デューティ決定部17で構成する。
(油圧調整手段に相当)140について説明する。ライ
ン圧調整部140は、圧力源11からの作動油をライン
圧PLに調圧するプレッシャーレギュレータ弁12と、
このプレッシャーレギュレータ弁12にライン圧制御用
のモディファイア圧Pmを供給するためのプレッシャー
モディファイア弁13と、このプレッシャーモディファ
イア弁13を制御するライン圧ソレノイド14と、ライ
ン圧ソレノイド14に一定の圧力Ppを供給するパイロ
ット弁15と、ライン圧ソレノイド14を駆動させるた
めの駆動デューティ決定部17で構成する。
【0018】プレッシャーレギュレータ弁12は、圧力
源11からの作動油を回路16に漏洩させつつ、また必
要に応じてドレンポート12aよりドレンしつつ、モデ
ィファイア圧Pmに応じたライン圧PLに調圧する。パ
イロット弁15は回路16から漏れ油を一定圧Ppにし
てライン圧ソレノイド14に供給し、駆動デューティ決
定部17は駆動デューティDをライン圧ソレノイド14
に指令値として入力し、ライン圧ソレノイド14は一定
圧Ppを駆動デューティDに応じたデューティ圧Pdに
してモディファイア弁13に印加する。モディファイア
弁13は、回路16から漏れ油をデューティ圧Pd、す
なわちライン圧ソレノイド14の駆動デューティDに応
じたモディファイア圧Pmにし、これをプレッシャーレ
ギュレータ弁12に印加してライン圧PLの制御を行
う。したがって、ライン圧制御は、ライン圧ソレノイド
14の駆動デューティDを加減することでライン圧PL
を制御することができる。したがって、ソレノイド駆動
デューティDは、後述のごとくに与えられるライン圧制
御量信号Pcに基づいて決定されるため、ライン圧制御
信号Pcをコントローラ100によって決定することで
ライン圧制御を実行している。
源11からの作動油を回路16に漏洩させつつ、また必
要に応じてドレンポート12aよりドレンしつつ、モデ
ィファイア圧Pmに応じたライン圧PLに調圧する。パ
イロット弁15は回路16から漏れ油を一定圧Ppにし
てライン圧ソレノイド14に供給し、駆動デューティ決
定部17は駆動デューティDをライン圧ソレノイド14
に指令値として入力し、ライン圧ソレノイド14は一定
圧Ppを駆動デューティDに応じたデューティ圧Pdに
してモディファイア弁13に印加する。モディファイア
弁13は、回路16から漏れ油をデューティ圧Pd、す
なわちライン圧ソレノイド14の駆動デューティDに応
じたモディファイア圧Pmにし、これをプレッシャーレ
ギュレータ弁12に印加してライン圧PLの制御を行
う。したがって、ライン圧制御は、ライン圧ソレノイド
14の駆動デューティDを加減することでライン圧PL
を制御することができる。したがって、ソレノイド駆動
デューティDは、後述のごとくに与えられるライン圧制
御量信号Pcに基づいて決定されるため、ライン圧制御
信号Pcをコントローラ100によって決定することで
ライン圧制御を実行している。
【0019】変速制御系は、前記ライン圧PLと変速制
御圧Psとの差圧により変速比を無段階に設定するもの
であり、変速制御圧Psを決定する変速制御弁21と、
変速リンク22と、ステップモータ23とで構成され
る。変速リンク22は、一端をプライマリプーリ可動フ
ランジ1bとともに変位するシフタ24に連節し、他端
をステップモータ23により駆動されるよう連結し、両
端間を変速制御弁21のスプール21aに枢着する。こ
こで変速制御弁21はライン圧回路25からのライン圧
PLを減圧して変速制御回路26に変速制御圧Psを作
り出すもので、スプール21aを図中上昇される時、変
速制御圧回路26をライン圧回路25に通じて変速制御
圧Psを上昇させ、スプール21aを図中下降される
時、変速制御圧回路26をドレンポート21bに通じて
変速制御圧Psを低下させるものとしスプール21aの
上記ストロークをステップモータ23により変速リンク
22を介して制御する。そして、ステップモータ21の
回転位置をコントローラ100により決定することで、
以下の変速制御を実行するものである。
御圧Psとの差圧により変速比を無段階に設定するもの
であり、変速制御圧Psを決定する変速制御弁21と、
変速リンク22と、ステップモータ23とで構成され
る。変速リンク22は、一端をプライマリプーリ可動フ
ランジ1bとともに変位するシフタ24に連節し、他端
をステップモータ23により駆動されるよう連結し、両
端間を変速制御弁21のスプール21aに枢着する。こ
こで変速制御弁21はライン圧回路25からのライン圧
PLを減圧して変速制御回路26に変速制御圧Psを作
り出すもので、スプール21aを図中上昇される時、変
速制御圧回路26をライン圧回路25に通じて変速制御
圧Psを上昇させ、スプール21aを図中下降される
時、変速制御圧回路26をドレンポート21bに通じて
変速制御圧Psを低下させるものとしスプール21aの
上記ストロークをステップモータ23により変速リンク
22を介して制御する。そして、ステップモータ21の
回転位置をコントローラ100により決定することで、
以下の変速制御を実行するものである。
【0020】コントローラ100は、上記のライン圧制
御と変速制御とを行うものであり、エンジンスロットル
開度TVOを検出するスロットル開度センサ101から
の信号、プライマリプーリ1の回転数Npriを検出す
るためのプライマリプーリ回転センサ102からの信
号、セカンダリプーリ2の回転数(車速)Nsecを検
出するセカンダリプーリ回転センサ103からの信号、
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ10
4からの信号、およびライン圧PLを検出するライン圧
センサ(油圧検出手段に相当)105からの信号をそれ
ぞれ入力する。
御と変速制御とを行うものであり、エンジンスロットル
開度TVOを検出するスロットル開度センサ101から
の信号、プライマリプーリ1の回転数Npriを検出す
るためのプライマリプーリ回転センサ102からの信
号、セカンダリプーリ2の回転数(車速)Nsecを検
出するセカンダリプーリ回転センサ103からの信号、
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ10
4からの信号、およびライン圧PLを検出するライン圧
センサ(油圧検出手段に相当)105からの信号をそれ
ぞれ入力する。
【0021】コントローラ100による変速制御は、例
えば図2に示す変速制御特性に対応したマップをもとに
車速Nsecおよびスロットル開度TVOから目標とす
べき入力回転数Niを求め、これに対応した変速指令を
ステップモータ23に発する。
えば図2に示す変速制御特性に対応したマップをもとに
車速Nsecおよびスロットル開度TVOから目標とす
べき入力回転数Niを求め、これに対応した変速指令を
ステップモータ23に発する。
【0022】これによりステップモータ23は指令通り
の回転位置となり、変速リンク22をシフタ24の周り
に回動させて変速制御弁スプール21aをストロークさ
せる。
の回転位置となり、変速リンク22をシフタ24の周り
に回動させて変速制御弁スプール21aをストロークさ
せる。
【0023】これにより変速制御弁21は、変速制御回
路26をライン圧回路25およびドレンポート21bに
対して同じ連通度にされた平衡位置からずれて、変速制
御圧Psを変化させ、両プーリ1、2の可動フランジ1
b,2bが変位することで変速比が上記の目標入力回転
数Niに対応した変速比となる。
路26をライン圧回路25およびドレンポート21bに
対して同じ連通度にされた平衡位置からずれて、変速制
御圧Psを変化させ、両プーリ1、2の可動フランジ1
b,2bが変位することで変速比が上記の目標入力回転
数Niに対応した変速比となる。
【0024】この変速が進行するにつれてプライマリプ
ーリ1の可動フランジ1bはシフタ24を介し変速リン
ク22をステップモータ23の周りで、変速制御弁スプ
ール21aを元のストローク位置に戻すよう回勅させ、
変速比が上記の目標入力回転数Niに対応した変速比に
なったところで変速制御弁21が平衡位置に復帰して変
速制御を終了し、目標変速比を維持することができる。
ーリ1の可動フランジ1bはシフタ24を介し変速リン
ク22をステップモータ23の周りで、変速制御弁スプ
ール21aを元のストローク位置に戻すよう回勅させ、
変速比が上記の目標入力回転数Niに対応した変速比に
なったところで変速制御弁21が平衡位置に復帰して変
速制御を終了し、目標変速比を維持することができる。
【0025】また、コントローラ100によるライン圧
制御は、図1に示すように、目標ライン圧設定部110
(目標油圧設定手段に相当)、制御量設定部120(制
御量設定手段に相当)、およびライン圧推定部150
(油圧推定手段に相当)によって構成される。目標ライ
ン圧設定部110は、エンジンスロットル開度TVO、
およびエンジン回転数Neに基づいて車両の運転状態に
応じたライン圧の目標値を設定して目標ライン圧信号P
tとして出力する。
制御は、図1に示すように、目標ライン圧設定部110
(目標油圧設定手段に相当)、制御量設定部120(制
御量設定手段に相当)、およびライン圧推定部150
(油圧推定手段に相当)によって構成される。目標ライ
ン圧設定部110は、エンジンスロットル開度TVO、
およびエンジン回転数Neに基づいて車両の運転状態に
応じたライン圧の目標値を設定して目標ライン圧信号P
tとして出力する。
【0026】ライン圧推定部150は、図4に示すよう
に、ライン圧モデル部151(動特性モデルに相当)、
補正ゲイン部152(第1の制御定数に相当)、モデル
変更部153(モデル変更手段に相当)、補正ゲイン変
更部154(第1の制御定数変更手段に相当)、および
特性変化判定部155(特性変化判定手段に相当)とに
よって構成される。ライン圧モデル部151は、後述す
るライン圧制御量信号Pcが入力され、ライン圧調整部
140およびライン圧センサ105を経て、検出ライン
圧信号Plとして出力されるまでの入出力特性(動特
性)のうち、時間的変化量の小さな要素のみを近似して
得られる動特性モデルとしてのライン圧モデルである。
ライン圧モデルの次数が前記入出力特性より低次になる
よう、例えば、2次とすると次式(1) Plm={(ω×ω)/(s×s+2×ζ×ω×s+ω×ω)}Pc・・(1) のように与えられ、ライン圧制御量信号Pcが入力され
るとライン圧PLの推定値としての推定ライン圧信号P
lmを出力する。ここで、ζは減衰率、ωは固有振動数
を表すパラメータである。
に、ライン圧モデル部151(動特性モデルに相当)、
補正ゲイン部152(第1の制御定数に相当)、モデル
変更部153(モデル変更手段に相当)、補正ゲイン変
更部154(第1の制御定数変更手段に相当)、および
特性変化判定部155(特性変化判定手段に相当)とに
よって構成される。ライン圧モデル部151は、後述す
るライン圧制御量信号Pcが入力され、ライン圧調整部
140およびライン圧センサ105を経て、検出ライン
圧信号Plとして出力されるまでの入出力特性(動特
性)のうち、時間的変化量の小さな要素のみを近似して
得られる動特性モデルとしてのライン圧モデルである。
ライン圧モデルの次数が前記入出力特性より低次になる
よう、例えば、2次とすると次式(1) Plm={(ω×ω)/(s×s+2×ζ×ω×s+ω×ω)}Pc・・(1) のように与えられ、ライン圧制御量信号Pcが入力され
るとライン圧PLの推定値としての推定ライン圧信号P
lmを出力する。ここで、ζは減衰率、ωは固有振動数
を表すパラメータである。
【0027】 また、補正ゲイン部152は、推定ライ
ン圧信号Plmと検出ライン圧信号Plとの偏差に、例
えば、2次の列ベクトルとして次式(2) 転置K=転置[−k0−k1]・・・(2) のように与えられる補正ゲインKを乗じたものをライン
圧モデル部151にフィードバックして、推定ライン圧
信号Plmと検出ライン圧信号Plとの偏差を低減させ
るよう機能している。
ン圧信号Plmと検出ライン圧信号Plとの偏差に、例
えば、2次の列ベクトルとして次式(2) 転置K=転置[−k0−k1]・・・(2) のように与えられる補正ゲインKを乗じたものをライン
圧モデル部151にフィードバックして、推定ライン圧
信号Plmと検出ライン圧信号Plとの偏差を低減させ
るよう機能している。
【0028】 特性変化判定部155は、検出ライン圧
信号Plから、ライン圧調整部140およびライン圧セ
ンサ105の入出力特性が変化するか否かを判定するも
のであり、入出力特性が変化していると判定される場合
であって、その変化が減衰特性の変化であればモデル変
更部153により減衰率ζを変更し、振動特性の変化で
あればモデル変更部153により固有振動数ωを変更し
て、モデル変更部153によるライン圧モデルの特性変
更を補う。また、入出力特性が不安定な系へと変化する
ような場合は、制御量設定部120による制御系の収束
性よりライン圧推定部150の収束性の方が早くなるよ
う補正ゲイン変更部154により補正ゲインk0、k1
を変更する。
信号Plから、ライン圧調整部140およびライン圧セ
ンサ105の入出力特性が変化するか否かを判定するも
のであり、入出力特性が変化していると判定される場合
であって、その変化が減衰特性の変化であればモデル変
更部153により減衰率ζを変更し、振動特性の変化で
あればモデル変更部153により固有振動数ωを変更し
て、モデル変更部153によるライン圧モデルの特性変
更を補う。また、入出力特性が不安定な系へと変化する
ような場合は、制御量設定部120による制御系の収束
性よりライン圧推定部150の収束性の方が早くなるよ
う補正ゲイン変更部154により補正ゲインk0、k1
を変更する。
【0029】上記のようにライン圧推定部150は、ラ
イン圧モデルの次数を2次としてライン圧調整部140
およびライン圧センサ105の低次の入出力特性をモデ
ル化することで、ライン圧調整部140の動特性の高次
の部分に現れる、デューティ駆動による振動的な要素
(外乱)や、ライン圧センサ105によって検出するこ
とによる振動的な要素(観測雑音)を除去した、ライン
圧PLの推定値としての推定ライン圧信号Plmを得る
ことができる。さらに、パラメータζ、ω、k0、およ
びk1を変更することができるため、油圧制御装置にお
ける油温変化や、プレッシャーレギュレータ弁12やラ
イン圧センサ105の経年変化等に起因して入出力特性
が変化しても、推定ライン圧信号Plmと検出ライン圧
信号Plとの偏差が大きくなることを防止し、推定ライ
ン圧信号Plmに現れる外乱や観測雑音の影響を低減す
ることができる。
イン圧モデルの次数を2次としてライン圧調整部140
およびライン圧センサ105の低次の入出力特性をモデ
ル化することで、ライン圧調整部140の動特性の高次
の部分に現れる、デューティ駆動による振動的な要素
(外乱)や、ライン圧センサ105によって検出するこ
とによる振動的な要素(観測雑音)を除去した、ライン
圧PLの推定値としての推定ライン圧信号Plmを得る
ことができる。さらに、パラメータζ、ω、k0、およ
びk1を変更することができるため、油圧制御装置にお
ける油温変化や、プレッシャーレギュレータ弁12やラ
イン圧センサ105の経年変化等に起因して入出力特性
が変化しても、推定ライン圧信号Plmと検出ライン圧
信号Plとの偏差が大きくなることを防止し、推定ライ
ン圧信号Plmに現れる外乱や観測雑音の影響を低減す
ることができる。
【0030】制御量設定部120は、図5に示すよう
に、制御量決定部121、ハイパスフィルタ122(推
定値雑音検出手段に相当)、制御ゲイン設定部123
(第2の制御定数変更手段に相当)、異常判定部124
(異常判定手段に相当)、および警報装置160(警報
手段)によって構成される。制御量決定部121は、目
標ライン圧信号Ptおよびライン圧推定部150からフ
ィードバックされる推定ライン圧信号Plmを入力と
し、それらの偏差に制御ゲインG(第2の制御定数に相
当)を乗じたものをライン圧制御量信号Pcとして出力
する。
に、制御量決定部121、ハイパスフィルタ122(推
定値雑音検出手段に相当)、制御ゲイン設定部123
(第2の制御定数変更手段に相当)、異常判定部124
(異常判定手段に相当)、および警報装置160(警報
手段)によって構成される。制御量決定部121は、目
標ライン圧信号Ptおよびライン圧推定部150からフ
ィードバックされる推定ライン圧信号Plmを入力と
し、それらの偏差に制御ゲインG(第2の制御定数に相
当)を乗じたものをライン圧制御量信号Pcとして出力
する。
【0031】ハイパスフィルタ122は、例えば次式
(3) np=s/(s+ωc)×Plm‐・・(3) によって与えられ、推定ライン圧信号Plmを入力した
際にカットオフ周波数ωc以上の周波数領域に存在する
雑音信号npを検出する。このカットオフ周波数ωc
は、推定ライン圧信号Pmの周波数帯域において制御量
決定部121でのライン圧制御に使用される周波数帯域
以上となるように設定される。制御ゲイン設定部123
は、雑音信号npが小さいとき制御ゲインGを大きく設
定し、逆に、雑音信号npが大きいとき制御ゲインGを
小さく設定するよう作動する。したがって、推定ライン
圧信号Plmが検出ライン圧信号Plに含まれる雑音を
完全に除去できない場合であっても、雑音信号npが小
さく、推定ライン圧信号Plmが雑音の影響を受けずに
振動的でなければ、制御ゲインGを大きく設定すること
で、制御両決定部121によるライン圧PLの応答特性
を早めて、ライン圧の目標値に素早く追従させることが
でき、一方、雑音信号npが大きく、推定ライン圧信号
Plmが雑音の影響を受けて振動的であると、制御ゲイ
ンGを小さく設定することで、ライン圧PLの応答特性
を緩やかなものとし、ライン圧PLに雑音の影響が現れ
ないようにすることができる。
(3) np=s/(s+ωc)×Plm‐・・(3) によって与えられ、推定ライン圧信号Plmを入力した
際にカットオフ周波数ωc以上の周波数領域に存在する
雑音信号npを検出する。このカットオフ周波数ωc
は、推定ライン圧信号Pmの周波数帯域において制御量
決定部121でのライン圧制御に使用される周波数帯域
以上となるように設定される。制御ゲイン設定部123
は、雑音信号npが小さいとき制御ゲインGを大きく設
定し、逆に、雑音信号npが大きいとき制御ゲインGを
小さく設定するよう作動する。したがって、推定ライン
圧信号Plmが検出ライン圧信号Plに含まれる雑音を
完全に除去できない場合であっても、雑音信号npが小
さく、推定ライン圧信号Plmが雑音の影響を受けずに
振動的でなければ、制御ゲインGを大きく設定すること
で、制御両決定部121によるライン圧PLの応答特性
を早めて、ライン圧の目標値に素早く追従させることが
でき、一方、雑音信号npが大きく、推定ライン圧信号
Plmが雑音の影響を受けて振動的であると、制御ゲイ
ンGを小さく設定することで、ライン圧PLの応答特性
を緩やかなものとし、ライン圧PLに雑音の影響が現れ
ないようにすることができる。
【0032】また、異常判定部124は、雑音信号np
が大きなときに制御ゲインGを小さく設定しても、ライ
ン圧PLにおける雑音の影響が低減しなければ、油圧制
御装置に何らかの異常、例えばライン圧センサ105の
故障等、が発生したものと判定し、警報装置160を作
動させるための起動信号を発する。また、油圧制御装置
の異常を判定する基準として、雑音信号npがある基準
値neより大きくなると、制御ゲインGを小さくしても
ライン圧PLにおける雑音の影響が低減しない、といっ
た基準値neを予め実験等により経験的に設定すること
も可能である。この場合、異常判定部124は、雑音信
号npが基準値neを超えると、油圧制御装置に異常が
発生したものと判定することができ、異常判定部124
の設計が容易になる。そして、警報装置160は、起動
信号が入力されると、警報表示もしくは警報音を発して
運転者等に異常状態であることを正確に認識させる。
が大きなときに制御ゲインGを小さく設定しても、ライ
ン圧PLにおける雑音の影響が低減しなければ、油圧制
御装置に何らかの異常、例えばライン圧センサ105の
故障等、が発生したものと判定し、警報装置160を作
動させるための起動信号を発する。また、油圧制御装置
の異常を判定する基準として、雑音信号npがある基準
値neより大きくなると、制御ゲインGを小さくしても
ライン圧PLにおける雑音の影響が低減しない、といっ
た基準値neを予め実験等により経験的に設定すること
も可能である。この場合、異常判定部124は、雑音信
号npが基準値neを超えると、油圧制御装置に異常が
発生したものと判定することができ、異常判定部124
の設計が容易になる。そして、警報装置160は、起動
信号が入力されると、警報表示もしくは警報音を発して
運転者等に異常状態であることを正確に認識させる。
【0033】上記構成から得られるライン圧制御量信号
Pcは、駆動デューティ決定部17において、実際にラ
イン圧ソレノイド14を駆動させるための指令値として
の駆動デューティDに変換された後、ライン圧ソレノイ
ド14に印可される。これによってソレノイド14は、
パイロット弁15からの一定圧Ppを駆動デューティD
に応じたデューティ圧Pdにしてモディファイア弁13
に印加し、モディファイア弁13は、デューティDに応
じたモディファイア圧Pmをプレッシャーレギュレータ
弁12に印加し、プレッシャーレギュレータ弁12は、
圧力源11からの作動油をデューティDに応じたライン
圧PLに調圧する。以上によりライン圧PLは設定した
ライン圧の目標値に追従することとなる。
Pcは、駆動デューティ決定部17において、実際にラ
イン圧ソレノイド14を駆動させるための指令値として
の駆動デューティDに変換された後、ライン圧ソレノイ
ド14に印可される。これによってソレノイド14は、
パイロット弁15からの一定圧Ppを駆動デューティD
に応じたデューティ圧Pdにしてモディファイア弁13
に印加し、モディファイア弁13は、デューティDに応
じたモディファイア圧Pmをプレッシャーレギュレータ
弁12に印加し、プレッシャーレギュレータ弁12は、
圧力源11からの作動油をデューティDに応じたライン
圧PLに調圧する。以上によりライン圧PLは設定した
ライン圧の目標値に追従することとなる。
【0034】また、式(1)で与えたライン圧モデル
は、2行2列の行列A、2次の列ベクトルb、x
(t)、2次の行ベクトルc、外乱w(t)、および観
測雑音v(t)と置き、入力をライン圧制御量信号Pc
(t)、出力を推定ライン圧信号Pm(t)とすると
き、2次のライン圧モデルとして次式(4) dx(t)/dt=Ax(t)+bPc(t)+v(t) Pm(t)=cx(t)+v(t) ・・・(4) のように与えることもできる。この式(4)に基づいて
カルマンフィルタの設計法に従って補正ゲインKを算出
してもよい。
は、2行2列の行列A、2次の列ベクトルb、x
(t)、2次の行ベクトルc、外乱w(t)、および観
測雑音v(t)と置き、入力をライン圧制御量信号Pc
(t)、出力を推定ライン圧信号Pm(t)とすると
き、2次のライン圧モデルとして次式(4) dx(t)/dt=Ax(t)+bPc(t)+v(t) Pm(t)=cx(t)+v(t) ・・・(4) のように与えることもできる。この式(4)に基づいて
カルマンフィルタの設計法に従って補正ゲインKを算出
してもよい。
【0035】さらにまた、本実施の形態ではライン圧モ
デルを2次のモデルで近似したが、ライン圧モデルの次
数はライン圧制御部140の入出力特性より低次であれ
ばよく2次に限定されるものではない。これに加えて、
ライン圧モデルはライン圧調整部140の出力するライ
ン圧PLを推定する手段として用いたが、近似する対象
が油圧弁であればどのようなものに適用しても構わな
い。
デルを2次のモデルで近似したが、ライン圧モデルの次
数はライン圧制御部140の入出力特性より低次であれ
ばよく2次に限定されるものではない。これに加えて、
ライン圧モデルはライン圧調整部140の出力するライ
ン圧PLを推定する手段として用いたが、近似する対象
が油圧弁であればどのようなものに適用しても構わな
い。
【0036】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られ
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におけ
る設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られ
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におけ
る設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
【図1】本発明による自動変速機の油圧制御装置の実施
の形態におけるコントローラのライン圧制御部に係るブ
ロック線図を示す図である。
の形態におけるコントローラのライン圧制御部に係るブ
ロック線図を示す図である。
【図2】同実施の形態における変速制御に用いる通常の
変速制御パターンを示す線図である。
変速制御パターンを示す線図である。
【図3】同実施の形態における油圧制御装置を変速制御
装置とともに例示する図である。
装置とともに例示する図である。
【図4】同実施の形態におけるライン圧推定手段に係る
ブロック線図を示す図である。
ブロック線図を示す図である。
【図5】同実施の形態における制御量設定手段に係るブ
ロック線図を示す図である。
ロック線図を示す図である。
105 ライン圧センサ(油圧検出手段)
110 目標ライン圧設定部(目標油圧設定手段)
120 制御量設定部(制御量設定手段)
121 制御量決定部
122 ハイパスフィルタ(推定値雑音検出手段)
123 制御ゲイン設定部(第2の制御定数変更手段)
124 異常判定部(異常判定手段)
140 ライン圧調整部(油圧調整手段)
150 ライン圧推定部(油圧推定手段)
151 ライン圧モデル部(動特性モデル)
152 補正ゲイン部(第1の制御定数)
153 モデル変更部(モデル変更手段)
154 補正ゲイン変更部(第1の制御定数変更手段)
155 特性変化判定部(特性変化判定手段)
160 警報装置(警報手段)
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F16H 59/00 - 63/48
Claims (3)
- 【請求項1】 車両の運転状態に基づいて自動変速機の
作動油圧の目標値を設定する目標油圧設定手段と、 自動変速機の実際の作動油圧を検出する油圧検出手段
と、 該油圧検出手段の検出値が前記目標値に一致するよう、
制御量を出力する制御量設定手段と、 前記制御量に基づいて実際の作動油圧を調整する油圧調
整手段と、を備える自動変速機の油圧制御装置におい
て、 前記油圧調整手段に入力される制御量と、前記油圧検出
手段にて検出される検出値との間における入出力特性よ
り低次で与えられる動特性モデルに基づいて作動油圧の
推定値を設定するとともに、この推定値と前記検出値と
の偏差に第1の制御定数を乗じたものがフィードバック
される油圧推定手段を備え、この油圧推定手段は更に、前記入出力特性が変化したか
否かを判断する特性変化判定手段と、 該特性変化判定手段によって入出力特性の変化が判定さ
れる場合、その変化に応じて前記動特性モデルを変更す
るモデル変更手段、及び、前記第1の制御定数を変更す
る第1の制御定数変更手段とを有した構成とし、 前記制御量設定手段は、前記目標値と前記推定値との偏
差に第2の制御定数を乗じたものを前記制御量として出
力するよう構成したことを特徴とする自動変速機の油圧
制御装置。 - 【請求項2】 前記制御量設定手段は、前記推定値に含
まれる、油圧調整手段による外乱あるいは油圧検出手段
による観測雑音に起因する雑音を雑音信号として検出す
る推定値雑音検出手段と、該推定値雑音検出手段の雑音
信号が小さければ第2の制御定数を大きくし、雑音信号
が大きければ第2の制御定数を小さくする第2の制御定
数変更手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記
載の自動変速機の油圧制御装置。 - 【請求項3】 前記制御量設定手段は、第2の制御定数
変更手段が第2の制御定数を小さく設定しても、実際の
作動油圧の振動が低減しなければ、油圧制御装置の異常
と判定する異常判定手段と、該異常判定手段が異常と判
定すると警報処理をおこなう警報手段と、を備えること
を特徴とする請求項2に記載の自動変速機の油圧制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14629499A JP3489003B2 (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | 自動変速機の油圧制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14629499A JP3489003B2 (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | 自動変速機の油圧制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000337488A JP2000337488A (ja) | 2000-12-05 |
JP3489003B2 true JP3489003B2 (ja) | 2004-01-19 |
Family
ID=15404436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14629499A Expired - Fee Related JP3489003B2 (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | 自動変速機の油圧制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3489003B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104154074A (zh) * | 2014-08-11 | 2014-11-19 | 盛瑞传动股份有限公司 | 一种自动变速箱主油路压力测试方法和系统 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003269588A (ja) * | 2002-03-15 | 2003-09-25 | Toyota Motor Corp | 無段変速機の入力回転速度予測装置、無段変速機の入力慣性トルク算出装置、それらのいずれかを含む無段変速機の制御装置、無段変速機の入力回転速度予測方法、無段変速機の入力慣性トルク算出方法及びそれらのいずれかを用いた無段変速機の制御方法 |
JP4799967B2 (ja) * | 2005-09-06 | 2011-10-26 | 富士重工業株式会社 | 無段変速機の変速制御装置 |
JP5863837B2 (ja) | 2013-03-07 | 2016-02-17 | 本田技研工業株式会社 | 自動変速機 |
JP7033236B2 (ja) * | 2019-03-15 | 2022-03-09 | ジヤトコ株式会社 | 無段変速機の変速油圧制御装置及び無段変速機の変速油圧制御方法 |
-
1999
- 1999-05-26 JP JP14629499A patent/JP3489003B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104154074A (zh) * | 2014-08-11 | 2014-11-19 | 盛瑞传动股份有限公司 | 一种自动变速箱主油路压力测试方法和系统 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000337488A (ja) | 2000-12-05 |
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