JP3486917B2 - 窒化アルミニウム基板およびその製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム基板およびその製造方法

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    • H05K3/381Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by special treatment of the substrate

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  • Ceramic Products (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は窒化アルミニウム基板
に関し、特に、熱伝導率に優れ、かつ、強度および耐食
性の高い窒化アルミニウム基板およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウム基板は、ウルツ鉱型の
構造をとる共有結合性結晶体である。この窒化アルミニ
ウムは、熱伝導率が高く、かつ、熱膨張率がシリコンに
近い。そのため、窒化アルミニウムは、半導体分野での
放熱基板として製品化されている。
【0003】また、窒化アルミニウムは、放熱基板とし
て応用されている酸化ベリリウムと比較して毒性がない
ため、特に、製造工程において安全である。
【0004】しかし、窒化アルミニウムの単結晶を製作
することは困難である。そのため、放熱基板として用い
る場合は、窒化アルミニウム粉末を焼結した多結晶体か
らなる窒化アルミニウム焼結体が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、窒化アルミニ
ウムの熱伝導率は、理論的には320W/mkに達する
といわれている。しかし、放熱基板として製造されてい
る窒化アルミニウム焼結体は、多結晶体なので、粒界な
どの欠陥や結晶粒内に固溶した不純物などのためにフォ
ノンが散乱されている。
【0006】その結果、窒化アルミニウム焼結体の熱伝
導率は大幅に低下してしまう。この窒化アルミニウム焼
結体の熱伝導率低下に対する最大の要因は、窒化アルミ
ニウム焼結体の結晶粒中に固溶した酸素である。
【0007】G. A. Slack (参考文献:G. A. Slack,
J. Phys. Ghem. Solids 34,321(1973))
によれば、窒化アルミニウムの結晶粒中に酸素が固溶す
ると、電荷の中性条件からアルミニウム原子を格子位置
から放出して、アルミニウム空孔(VA1)を生成する。
【0008】この空孔(VA1)が窒化アルミニウム中を
移動するフォノンの散乱源となり、熱伝導率が低下して
しまう。
【0009】この問題に対する対策として、1800℃
以上の高温で長時間窒化アルミニウムを加熱することに
よって、窒化アルミニウムの結晶粒中に存在する各種の
欠陥および粒界を除去することができる。そのため、長
時間加熱処理された高熱伝導窒化アルミニウム結晶体で
は、破壊源寸法が大きくなるなどの理由から、強度を上
げることが困難である。
【0010】しかし、半導体装置に用いられるシリコン
基板の多層化による高集積化に伴い、半導体装置に使用
する放熱基板も大型化の傾向にある。そのため、窒化ア
ルミニウムにより形成される放熱基板に対して高熱伝導
化および高強度化が必要とされている。
【0011】従来、セラミックの強度向上の手段とし
て、ウィスカなどを添加したり、構成する結晶粒を小さ
くすることが挙げられている。
【0012】しかし、これらの手法では、フォノンの散
乱源を窒化アルミニウムの焼結体内部に導入する結果と
なり、高熱伝導化を図ることが困難である。
【0013】また、特開平4−209767号公報にお
いては、表面を酸化したアルミナ層を形成し、強度を向
上させる方法も考えられている。しかし、そのために
は、ある程度基板の厚みが必要となり、その結果、窒化
アルミニウムの結晶体の熱伝導率が低下してしまう。
【0014】また、窒化アルミニウム焼結体は、耐食性
に関しても問題点を有している。たとえば、強酸溶液中
で窒化アルミニウム焼結体を使用すると、強酸のために
粒界が腐食されてしまう。
【0015】その結果、窒化アルミニウム焼結体の粒界
の喪失に伴って、表面から窒化アルミニウム焼結体の結
晶粒が欠落してしまう。
【0016】したがって、このような環境下での使用は
困難であり、窒化ケイ素セラミックスなどと比較して
も、構造材としての利用が進んでいない。
【0017】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたもので、窒化アルミニウム焼結体の表面近傍の
粒界を強化することによって、高熱伝導率を維持しなが
ら、強度および耐食性の向上を可能とする窒化アルミニ
ウム基板およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明に基づいた窒化
アルミニウム基板においては、窒化アルミニウム基板の
表面から10〜100μmの深さの領域にかけて、アル
ミニウムの酸窒化物からなる反応層と、この反応層の下
面から200μmの深さの領域にかけて、窒化アルミニ
ウムの結晶粒の粒界にアルミニウムの酸窒化物を含む強
化層とを有している。
【0019】次に、この発明に基づいた窒化アルミニウ
ム基板の製造方法においては、以下の工程を備えてい
る。
【0020】まず、窒化アルミニウムの焼結体を所定気
圧の窒素雰囲気中において、所定時間加熱処理を行なう
ことにより、窒化アルミニウムの結晶粒径の大きさを5
μm以上とする。その後、この窒化アルミニウムの結晶
体の表面層の近傍に、所定量以上の酸素を含む酸化層を
形成する。
【0021】次に、この窒化アルミニウムの焼結体を、
所定気圧の窒素雰囲気中において、所定時間加熱処理を
行なうことにより、表面から10〜100μmの深さの
領域にかけて、アルミニウムの酸窒化物からなる反応層
と、この反応層の下面から200μmの深さの領域にか
けて、窒化アルミニウムの結晶粒の粒界にアルミニウム
の酸窒化物を含む強化層とを形成する。
【0022】
【作用】この発明に基づいた窒化アルミニウム基板およ
びその製造方法によれば、窒化アルミニウム基板の表面
から10〜100μmの深さの領域にかけて、アルミニ
ウムの酸窒化物からなる反応層と、この反応層の下面か
ら200μmの深さの領域にかけて、窒化アルミニウム
の結晶粒の粒界にアルミニウムの酸窒化物を含む強化層
とを有している。
【0023】この反応層を設けていることにより、窒化
アルミニウムに比べて、安定な酸化物層が表面に生成
されている。その結果、酸性溶液中においても、良好な
耐酸化性を示す。したがって、酸性溶液による粒界の腐
食を防止し、結晶粒の欠落なども抑制することが可能と
なる。
【0024】また、強化層を設けていることにより、窒
化アルミニウムの結晶粒の粒界の部分以外は、窒化アル
ミニウムの結晶粒が粒成長した形でそのまま残留したこ
ととなるため、熱伝導率が高い値のまま維持されてい
る。
【0025】さらに、窒化アルミニウムの結晶粒の粒界
に、アルミニウムの酸窒化物結晶を有している。その結
果、窒化アルミニウム基板の強度の向上を図ることが可
能となる。なお、上記基板上にメタライズした場合、メ
タライズした金属の種類を問わずメタライズ強度が4〜
20kg/mm2 に向上する。
【0026】
【実施例】まず、この発明に基づいた第1の実施例につ
いて説明する。
【0027】この発明において示される窒化アルミニウ
ム基板は、あらゆる市販の窒化アルミニウム焼結体から
製造することができる。
【0028】まず、処理しようとする窒化アルミニウム
焼結体を、0.01〜10気圧の窒素雰囲気中におい
て、約1600℃以上の温度で、0.5分〜100時間
保持することにより、窒化アルミニウムの平均粒径を5
μm以上に結晶粒を成長させる。
【0029】以上のように処理した焼結体の表面もしく
はその近傍に、以下に示す(1)〜(4)の手法を用い
て、酸化層を形成する。このとき酸化層中の酸素濃度
は、焼結体表面の均一な酸化膜を形成する上で30wt
%以上であることが好ましい。
【0030】この酸化層を形成する方法に関しては、以
下の4つの方法を用いることができる。
【0031】(1) 大気などの酸化雰囲気中におい
て、窒化アルミニウム焼結体を600℃以上の温度で加
熱する。
【0032】(2) Al2 3 やアルミニウムの酸窒
化物、もしくはIIa,IIIa族の金属酸化物や遷移
金属の酸化物の粉末について、これら単体もしくは2種
以上の混合粉を、有機溶剤(たとえばテルピネオール)
と混合し、その混合物を窒化アルミニウム焼結体の表面
に塗布する。
【0033】(3) 酸化イオンを、窒化アルミニウム
焼結体の表面にイオン注入する。 (4) 非平衡もしくは熱平衡酸素イオンプラズマに、
窒化アルミニウム焼結体の表面を接触させる。
【0034】以上(1)〜(4)のうちのいずれかの方
法により、窒化アルミニウム焼結体の表面に酸化層を形
成する。
【0035】その後、窒化アルミニウム焼結体を0.0
1〜10気圧の窒素雰囲気下において、1200℃以上
の温度で加熱処理を行ない、窒化アルミニウム焼結体の
表面に存在している酸素を、窒化アルミニウム焼結体の
内部に拡散させる。
【0036】このとき、酸素は、窒化アルミニウムの結
晶粒内部での反応拡散と、結晶粒の粒界を通る粒界拡散
とによって窒化アルミニウム結晶体内部を移動してい
く。
【0037】このときの酸素の拡散係数は、反応拡散と
粒界拡散を比較した場合、粒界拡散の方が約100倍以
上大きな値となる。
【0038】その結果、窒化アルミニウム焼結体の表面
からの進入深さは、粒界拡散の方が長距離に及ぶ。
【0039】このとき、窒化アルミニウムの結晶の粒界
において、酸素は、アルミニウム,窒素および処理過程
で導入した金属と、アルミニウムの酸窒化物の結晶層を
形成する。
【0040】なお、窒化アルミニウム結晶体について
は、製造過程で生じた焼結助剤が残留し、上記窒化アル
ミニウムの結晶粒の粒界拡散の速度に影響を及ぼす可能
性はあるが、酸素の拡散は基本的に熱酸化過程をとるの
で、処理温度を調節することにより、酸素を拡散させる
ことが望ましい。
【0041】上記手法を用いて、作製した窒化アルミニ
ウム基板は、図1を参照して、基板表面から10〜10
0μmの範囲の深さに、アルミニウム酸窒化物からなる
反応層12が形成されている。
【0042】さらに、この反応層12の下面から200
μmの範囲の深さにおいて、窒化アルミニウム結晶14
の粒界がアルミニウム酸窒化物の結晶16で強化された
強化層18が形成されている。
【0043】なお、図1に示す窒化アルミニウム基板の
断面図は、μ−XRD(マイクロX線アナライザ)を用
いて測定した。
【0044】以上、この実施例によって得られた窒化ア
ルミニウム基板は、表面にアルミニウム酸窒化物からな
反応層12を設けていることにより、酸性溶液中にお
いても、良好な耐酸化性を得ることができる。したがっ
て、酸性溶液による粒界の腐食を防止し、結晶粒の欠落
なども抑制することが可能となる。
【0045】また、強化層18を設けることにより、窒
化アルミニウムの結晶粒の粒界の部分以外は、窒化アル
ミニウムの結晶粒が粒成長した形でそのまま残留したこ
ととなるため、熱伝導率が高い値のまま維持されてい
る。さらに、窒化アルミニウムの結晶粒の粒界に、アル
ミニウム酸窒化物結晶を有している。その結果、窒化ア
ルミニウム基板の強度の向上を図ることが可能となる。
【0046】次に、この発明に基づいた第2の実施例に
ついて説明する。まず、使用した窒化アルミニウムの結
晶体は、含有酸素が0.4wt%以下で、他の不純物含
有量が100ppm以下である。
【0047】この窒化アルミニウム結晶体を1気圧の窒
素雰囲気中において、1850℃で5時間加熱した。こ
のときの窒化アルミニウム結晶体の平均粒径は、15μ
mに達した。
【0048】次に、上記第1の実施例に示した酸化層の
形成方法(2)に従い、平均粒径0.6μm,純度9
9.99%Al2 3 粉末を、有機溶剤(テルピネオー
ル)に混合しペースト状にして、Al2 3 混合物を形
成して、上記窒化アルミニウム焼結体の表面に塗布す
る。このときのAl2 3 混合物層の厚みは150μm
である。
【0049】次に、このAl2 3 混合物が塗布された
窒化アルミニウム焼結体を1気圧の窒素雰囲気中におい
て、1850℃で2時間加熱処理を行なう。
【0050】この加熱処理の後、Al2 3 混合物の塗
布層と窒化アルミニウム焼結体の接合界面においては、
この接合界面から窒化アルミニウム焼結体中に、酸素の
反応拡散と粒界拡散とが同時に起こっている。
【0051】この塗布層が形成された窒化アルミニウム
焼結体の塗布面に垂直に切断した断面について、電子プ
ローブX線マイクロアナライザ(EPMA)を用いて測
定した酸素濃度分布図を図2に示す。
【0052】図2を参照して、図中白色に近い部分は酸
素濃度の値が高い領域を示し、黒色に近い領域が酸素濃
度の値が低い領域を示している。
【0053】この図から、反応拡散によって形成した
層の厚みは約80μmである。また粒界拡散によって
移動した酸素は、180μmの深さにまで達している。
【0054】また、図3に、窒化アルミニウムの結晶粒
の粒界に生成した、酸窒化物結晶層の透過型電子顕微鏡
(TEM)写真を示す。
【0055】次に、この窒化アルミニウムの焼結体につ
いて、熱伝導率を測定した結果、202W/mkであっ
た。この値は、処理前の窒化アルミニウムの焼結体の熱
伝導率と比較して、10〜20W/mk程度低い値であ
る。また、3点曲げ強度に関しては、処理前が32.8
kg/mm2 に対して、処理後の窒化アルミニウムの焼
結体では、46.3kg/mm2 であった。
【0056】以上の結果より、熱伝導率は多少低下して
いるものの、実用に耐える範囲であり、強度に関しては
上昇していることがわかる。
【0057】また、この焼結体を10Nの硝酸溶液中に
約1時間入れたところ、処理前の窒化アルミニウム焼結
体では、重量減少量が20%にまで及んだのに対して、
処理をした窒化アルミニウムの焼結体では、ほとんど重
量減少が生じなかった。
【0058】次に、この発明に基づいた第3の実施例に
ついて説明する。まず、使用した窒化アルミニウムの焼
結体は、含有酸素量が0.4wt%以下で、他の不純物
量が100ppm以下である。
【0059】この窒化アルミニウム焼結体を1気圧の窒
素雰囲気中において1850℃で5時間加熱した。この
とき、窒化アルミニウム焼結体の平均粒径は、15μm
に達した。
【0060】次に、上述した実施例1において、酸化層
の形成方法(3)の方法に従い、窒化アルミニウムの焼
結体の表面に酸素イオンを注入して、酸化層を形成し
た。
【0061】その後、この窒化アルミニウムの焼結体を
1気圧の窒素雰囲気中において、1850℃で2時間加
熱を行った。加熱処理の後、形成された窒化アルミニウ
ム基板には、表面に形成された反応層の厚みは約35μ
mであり、強化層については、27μmの厚みを有して
いた。
【0062】この窒化アルミニウム基板について、熱伝
導率と3点曲げ強度を測定したところ、それぞれ225
W/mk、41.3kg/mm2 であった。
【0063】また、上記窒化アルミニウム基板におい
て、酸素を拡散させなかった窒化アルミニウム焼結体の
表面酸化焼結体についても、熱伝導率と強度を測定した
ところ、それぞれ221W/mk、37.5kg/mm
2 であった。
【0064】酸素の拡散前と拡散後とでは、強度が上昇
していることがわかる。これは、拡散によって生成した
強化層が存在するためである。
【0065】また、熱伝導率に関してはほとんど変化し
ていない。これは、粒界強化層において結晶粒の部分が
窒化アルミニウムの結晶のまま存在しているためであ
る。
【0066】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明に基づいた
窒化アルミニウム基板およびその製造方法によれば、窒
化アルミニウム基板の表面から10〜100μmの深さ
の領域にかけて、アルミニウム酸窒化物からなる反応
と、この反応層の下面から200μmの深さの領域にか
けて窒化アルミニウムの結晶粒の粒界にアルミニウム酸
窒化物を含む強化層とを設けている。
【0067】この反応層を設けていることにより、窒化
アルミニウムに比べて安定な基板となる。
【0068】その結果、酸性溶液中においても、良好な
耐酸化性を示す。したがって、酸性溶液による粒界の腐
食を防止し、結晶粒の欠落なども抑制することが可能と
なる。
【0069】また、強化層を設けていることにより、窒
化アルミニウムの結晶粒の粒界の部分以外は、窒化アル
ミニウムの結晶粒が粒成長した形でそのまま残留したこ
ととなるため、熱伝導率が高い値のまま維持されてい
る。
【0070】さらに、窒化アルミニウムの結晶粒の粒界
にアルミニウム酸窒化物結晶を有している。その結果窒
化アルミニウム基板の強度の向上を図ることが可能とな
る。
【0071】以上により、高熱伝導率を維持しながら、
強度および耐食性の向上を達成する信頼性の高い窒化ア
ルミニウム基板を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に基づいた窒化アルミニウム基板の結
晶構造を示す概略断面図である。
【図2】この発明に基づいた第2の実施例における窒化
アルミニウム基板の酸素濃度分布を示す図である。
【図3】この発明に基づいた第2の実施例における強化
層に形成された酸窒化物結晶層の透過型電子顕微鏡で見
た様子を示す図である。
【符号の説明】
10 窒化アルミニウム基板表面 12 反応層 14 窒化アルミニウム結晶 16 アルミニウム酸窒化物結晶からなる粒界 18 強化層 なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
フロントページの続き (72)発明者 山川 晃 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住 友電気工業株式会社 伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−303879(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/581 C04B 41/87

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウムの焼結体からなる窒化
    アルミニウム基板において、 前記窒化アルミニウム基板の表面から10〜100μm
    の深さの領域にかけて、アルミニウムの酸窒化物からな
    る反応層と、 前記反応層の下面から200μmの深さの領域にかけて
    窒化アルミニウムの結晶粒の粒界にアルミニウムの酸窒
    化物を含む強化層と、を有する窒化アルミニウム基板。
  2. 【請求項2】 窒化アルミニウムの焼結体を所定気圧の
    窒素雰囲気中において、所定時間加熱処理を行なうこと
    により、窒化アルミニウムの結晶粒径の大きさを5μm
    以上にする工程と、 前記窒化アルミニウムの焼結体の表面層の近傍に所定量
    以上の酸素を含む酸化層を形成する工程と、 前記窒化アルミニウムの焼結体を所定気圧の窒素雰囲気
    下において、所定時間加熱処理を加えることにより、表
    面から10〜100μmの深さの領域にかけてアルミニ
    ウムの酸窒化物からなる反応層と、この反応層の下面か
    ら200μmの深さの領域にかけて窒化アルミニウムの
    結晶粒の粒界にアルミニウムの酸窒化物を含む強化層と
    を形成する工程と、を備えた窒化アルミニウム基板の製
    造方法。
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WO2009119603A1 (ja) * 2008-03-25 2009-10-01 パナソニック電工株式会社 酸化層を有する窒化アルミニウム基板、窒化アルミニウム焼結体、それらの製造方法、回路基板、及びledモジュール
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