JP3486731B2 - 全残留塩素測定用ヨウ化カリウム試薬 - Google Patents
全残留塩素測定用ヨウ化カリウム試薬Info
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Description
ヨウ化カリウム試薬に関し、さらに詳しくは、簡便に使
用することができ且つ保存性を向上した全残留塩素測定
用ヨウ化カリウム試薬に関する。 【0002】 【従来の技術】ジエチル−P−フェニレンジアミン(D
PD)法により検水中の残留塩素を測定する場合、従来
は次の手順によっている。 (1)リン酸緩衝液2.5mlを共栓比色管(50m
l)にとり、これにDPD試薬0.5gを加え、さらに
検水を加えて、全量を50mlとし、混和後、比色分析
し、遊離残留塩素濃度(mg/l)を求める。 (2)錠剤,顆粒,粉末状の全残留塩素測定用ヨウ化カ
リウム試薬約0.5gを上記(1)の遊離塩素発色溶液
に加えて溶かし、約2分間静置後、比色分析し、全残留
塩素濃度を求める。 (3)上記(2)で測定した全残留塩素から上記(1)
で測定した遊離残留塩素を差し引き、結合残留塩素濃度
(mg/l)を求める。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の全残留塩素測定
用ヨウ化カリウム試薬は、錠剤,顆粒,粉末状になって
いる。これは、水溶液にすると、ヨウ化カリウムが酸化
されやすくなり保存性が悪くなるからである(室温保存
で約0.5年)。すなわち、ヨウ化カリウムが酸化され
るとヨウ素が遊離し水容液は黄色を呈する。ヨウ素はD
PDと反応して残留塩素と同様の赤桃色の発色を生じさ
せるため、測定誤差となる。しかし、錠剤,顆粒,粉末
状であると、上記(1)の遊離塩素発色溶液に加えて溶
かす溶解作業が必要となり、簡便に使用できない問題点
がある。一方、全残留塩素ヨウ化カリウム試薬を水溶液
にすれば、溶解作業が不要になるが、上述のように保存
性が悪くなる問題点がある。そこで、本発明の目的は、
簡便に使用でき且つ保存性を向上した全残留塩素測定用
ヨウ化カリウム試薬を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、ジエチル−P
−フェニレンジアミン法により検水中の全残留塩素を測
定するのに用いられる全残留塩素測定用ヨウ化カリウム
試薬であって、0.002規定より多く0.06規定よ
り少ないアルカリを含む水溶液であることを特徴とする
全残留塩素測定用ヨウ化カリウム試薬を提供する。本発
明の発明者は、鋭意研究した結果、水溶液にした全残留
塩素測定用ヨウ化カリウム試薬に0.002規定より多
く0.06規定より少ないアルカリを添加することで、
保存性を向上できることを見いだした。すなわち、水溶
液にした全残留塩素測定用ヨウ化カリウム試薬に少量の
アルカリを添加することで保存性を向上できるが、0.
002規定より少ない場合は保存性を十分に向上でき
ず、0.06規定より大きい場合はDPDによって発色
した液が退色するため、0.002規定より多く0.0
6規定より少ないアルカリを添加すればよいことを見い
だした。これにより、水溶液であるから、簡便に使用で
きるようになる。また、保存性を向上することが出来
る。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、図に示す実施の形態により
本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発
明が限定されるものではない。図1に示すように、本発
明の全残留塩素測定用ヨウ化カリウム試薬100は、
0.002規定より多く0.06規定より少ないアルカ
リを含む水溶液であり、試薬ビンG1に入れられて保存
される。使用に際しては、前記(1)の遊離塩素発色溶
液に滴下するだけでよく、溶解作業の必要がない。従っ
て、簡便に使用することが出来る。 【0006】図2は、ヨウ化カリウム濃度0.5g/m
lの水溶液、その水溶液に0.0004規定の濃度で水
酸化ナトリウムを加えたもの、前記水溶液に0.002
0規定の濃度で水酸化ナトリウムを加えたもの及び前記
水溶液に0.0100規定の濃度で水酸化ナトリウムを
加えたものの4種類の全残留塩素測定用ヨウ化カリウム
試薬について、曝気により酸化加速を行って一定期間保
存した水溶液の全残留塩素測定用ヨウ化カリウム試薬を
DPD試薬を加えた蒸留水(残留塩素を含まない)に滴
下し、ヨウ化カリウムによる発色の程度を吸光度で表し
た特性図である。アルカリ濃度が高いほど、吸光度の変
化が小さくなっており、保存性が向上している。しか
し、0.0020規定までは効果が十分でない。従っ
て、実用的には0.0020規定より多くする必要があ
る。 【0007】図3は、ヨウ化カリウム濃度0.5g/m
lの水溶液、その水溶液に0.01規定の濃度で水酸化
ナトリウムを加えたもの、前記水溶液に0.02規定の
濃度で水酸化ナトリウムを加えたもの、前記水溶液に
0.04規定の濃度で水酸化ナトリウムを加えたもの及
び前記水溶液に0.08規定の濃度で水酸化ナトリウム
を加えたものの5種類の全残留塩素測定用ヨウ化カリウ
ム試薬を、容量3.7mlのセルに入れた前記(1)の
遊離残留塩素発色溶液(遊離残留塩素濃度2.20mg
/l)に1滴(約0.05ml)だけ滴下し、吸光度の
変化を調べた特性図である。アルカリ濃度が高いほど、
吸光度が減少してしまっている。しかし、実用的に1.
0%の減少率まで許容すれば、0.06規定より少なく
すればよい。 【0008】以上の全残留塩素測定用ヨウ化カリウム試
薬100によれば、水溶液であるため、溶解作業の必要
がなく、簡便に使用することが出来る。また、保存性が
改善されている。また、滴下による、遊離残留塩素発色
への影響も抑制できる。 【0009】次に、本発明の全残留塩素測定用ヨウ化カ
リウム試薬100を用いたDPD法による残留塩素測定
方法の手順を説明する。図4および図5は、測定に用い
る全残留塩素測定装置500の概略図である。この全残
留塩素測定装置500は、上蓋aと、下蓋bと、全残留
塩素測定結果を数値表示できる表示窓cと、前記表示窓
cで表示された数値をゼロに戻すゼロ調スイッチdと、
測定スイッチeと、全残留塩素測定溶液を入れることが
できるよう凹設したセルfと、電池gと、前記セルfの
外壁部が結露しないようにするための乾燥剤であるシリ
カゲルhと、前記上蓋aと前記下蓋bとを咬合させ繋止
するようにしたビスiと、基板jとを具備している。 【0010】図6は、測定手順のフロー図である。ステ
ップST1では、ビーカーに検水を約30ml採水す
る。ステップST2では、溶解ビンにDPD試薬Kを入
れる。ステップST3では、溶解ビンへ検水を10ml
注入する。ステップST4では、溶解ビンを振ってDP
D試薬Kを検水に溶かす。ステップST5では、残留塩
素測定装置500のセルfに検水を2ml以上注入す
る。ステップST6では、前記ステップST5の操作終
了後10秒してから残留塩素測定装置500の測定スイ
ッチeを押し、前記表示窓cの数値を読みとる。この数
値は、遊離残留塩素濃度であり、単位は(mg/l)で
ある。ステップST7では、図7に示すように、試薬ビ
ンG1から前記全残留塩素測定用ヨウ化カリウム試薬1
00を1滴だけ前記セルfに滴下する。ステップST8
では、前記ステップST7の操作終了後2分してから残
留塩素測定装置500の測定スイッチeを押して、前記
表示窓cの数値を読みとる。この数値は、全残留塩素濃
度であり、単位は(mg/l)である。ステップST9
では、検水を排水する。ステップST10では、前記セ
ルfを水で洗浄する。ステップST11では、上記ステ
ップST6の結果を上記ステップST8の結果から減算
して、結合残留塩素濃度を算出する。 【0011】 【発明の効果】本発明の全残留塩素測定用ヨウ化カリウ
ム試薬によれば、全残留塩素測定時に定量スポイト滴下
が可能となり、錠剤,顆粒,粉末の検水への溶解作業が
不要となり、簡便に使用でき、作業時間も短縮できるよ
うになる。また、保存期間を延ばすことが出来るので、
経済的となる。
の保存形態の説明図である。 【図2】一定期間保存した水溶液の全残留塩素測定用ヨ
ウ化カリウム試薬をDPD試薬を加えた蒸留水(残留塩
素を含まない)に滴下し、ヨウ化カリウムによる発色の
程度を吸光度で表した特性図である。 【図3】水溶液の全残留塩素測定用ヨウ化カリウム試薬
を遊離塩素発色溶液に滴下したことによる吸光度の変化
の特性図である。 【図4】全残留塩素測定装置の上面図である。 【図5】全残留塩素測定装置の概略断面図である。 【図6】DPD法による残留塩素測定手順のフロー図で
ある。 【図7】本発明の全残留塩素測定用ヨウ化カリウム試薬
を滴下する状態の説明図である。 【符号の説明】 100 全残留塩素測定用ヨウ化カリウム
試薬 G1 試薬ビン 500 全残留塩素測定装置
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ジエチル−P−フェニレンジアミン法に
より検水中の全残留塩素を測定するのに用いられる全残
留塩素測定用ヨウ化カリウム試薬であって、 0.002規定より多く0.06規定より少ないアルカ
リを含む水溶液であることを特徴とする全残留塩素測定
用ヨウ化カリウム試薬。
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---|---|---|---|
JP01852299A JP3486731B2 (ja) | 1999-01-27 | 1999-01-27 | 全残留塩素測定用ヨウ化カリウム試薬 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01852299A JP3486731B2 (ja) | 1999-01-27 | 1999-01-27 | 全残留塩素測定用ヨウ化カリウム試薬 |
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JP2000214153A JP2000214153A (ja) | 2000-08-04 |
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JP01852299A Expired - Lifetime JP3486731B2 (ja) | 1999-01-27 | 1999-01-27 | 全残留塩素測定用ヨウ化カリウム試薬 |
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1999
- 1999-01-27 JP JP01852299A patent/JP3486731B2/ja not_active Expired - Lifetime
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