JP3485844B2 - 電動機の制御装置 - Google Patents

電動機の制御装置

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JP3485844B2 JP25695599A JP25695599A JP3485844B2 JP 3485844 B2 JP3485844 B2 JP 3485844B2 JP 25695599 A JP25695599 A JP 25695599A JP 25695599 A JP25695599 A JP 25695599A JP 3485844 B2 JP3485844 B2 JP 3485844B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、誘導電動機、同期
電動機等の交流電動機の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】PWM(パルス幅変調)のスイッチング
パタ−ン(電圧ベクトルデ−タ)をメモリに予め書き込
んでおき、これを読み出すことによってインバ−タを制
御し、インバ−タに接続された交流モ−タを制御する方
式は、例えば、特開平4-301485号公報、及び昭
和61年発行の「電気学会論文誌B」昭61-1号、第9頁
〜第16頁の高橋勲、野口敏彦の論文「瞬時すべり周波数
制御に基づく誘導電動機の新高速トルク制御法」に記載
されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の特開
平4−301485号公報では、誘導電動機の回転速度
の検出値と目標値との偏差、及び一次鎖交項磁束の検出
値と一定基準値との偏差に基づいてインバ−タのスイッ
チングパタ−ンを決定している。また、上記の電気学会
論文誌Bの昭61−1では、検出トルクと目標値との偏
差、及び一次鎖交磁束と一定基準値との偏差に基づいて
インバ−タのスイッチングパタ−ンを決定している。従
って、従来の上記各方式では、一次鎖交磁束の検出値と
比較する基準値が一定であるために、誘導電動機、同期
電動機、リラクタンスモ−タ等の種々の交流電動機にお
いて、種々の形態の制御を行うことができなかった。 【0004】そこで、本発明の目的は交流電動機におい
て、弱め界磁制御、力率一定制御、効率最大制御、最大
トルク制御等の特殊制御を行うことができる制御装置を
提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、上記
目的を達成するための本発明は、 インバ−タをパルス
幅変調制御するためのスイッチングパタ−ンが予め書き
込まれているメモリから、前記スイッチングパタ−ンを
読み出して前記インバ−タを制御することにより前記イ
ンバ−タに接続された交流電動機を制御する装置であっ
て、前記インバ−タの出力電流を検出する電流検出手段
と、前記インバ−タの出力電圧を検出する電圧検出手段
と、前記電流検出手段の出力と前記電圧検出手段の出力
とに基づいて前記交流電動機における一次磁束鎖交数を
演算する一次磁束鎖交数演算手段と、前記交流電動機の
トルクを最大又はほぼ最大にする制御を達成するための
最適な一次磁束の値を更新可能に決定し、この値を出力
する最適一次磁束決定手段と、前記一次磁束鎖交数演算
手段の出力と前記最適一次磁束決定手段の出力との差を
出力する第1の比較手段と、前記電流検出手段の出力と
前記一次磁束鎖交数演算手段の出力とに基づいて前記交
流電動機のトルクを演算するトルク演算手段と、トルク
指令値と前記トルク演算手段の出力との差を出力する第
2の比較手段と、前記第1の比較手段の出力と前記第2の
比較手段の出力と前記一次磁束鎖交数演算手段の出力と
に基づいて、前記メモリから読み出すべきスイッチング
パタ−ンを選択する手段とを備え、前記交流電動機は、
前記交流電動機の一次入力電圧を V 、その入力電流を I
その電機子巻線抵抗を Ra 、その電機子自己インダクタン
スを La 、その逆起電力を E0 、前記一次入力電圧 V から前
記電機子巻線抵抗 Ra による電圧降下を差し引いた電圧を
V ´、前記 V ´と前記 E0 との位相角をδと表すことができ
るものであり前記最適一次磁束決定手段は交流電動
機のトルクを最大又はほぼ最大にするために最適な前記
位相角δに相当する基準位相角δ r を示す値を発生する
基準位相角発生手段と前記電圧検出手段の出力と前記
電流検出手段の出力とによって前記交流電動機の前記位
相角δを演算する位相角演算手段と前記基準位相角発
生手段の出力δ r と前記位相角演算手段の出力δとの差
を示す信号を形成する減算手段と、前記減算手段の出力
によって交流電動機のトルクを最大にするために最適な
磁束指令値を形成する手段とから成ることを特徴とする
交流電動機の制御装置に係わるものである。 【0006】 本発明によれば最大トルクを得ることが
できるように最適一次磁束の値を決定することができ
る。 【0007】 【発明の効果】各請求項の発明によれば、最適一次磁束
を更新することによって交流の電動機の特別な制御を容
易に達成することができる。また、電動機の回転位置及
び速度センサを使用しないで、電動機の制御を行うこと
ができる。 【0008】 【実施形態及び実施例】次に、図1〜図23を参照して
本発明の実施形態及び実施例を説明する。 【0009】図1は交流電動機の制御装置を概略的に示
すブロック図である。図1において、直流電源1が一対
の直流電源ライン2a、2bによって三相インバ−タ3
に接続されている。インバ−タ3の三相出力ライン4
a、4b、4cには三相交流電動機5が接続されてい
る。 【0010】インバ−タ3は、図2に示すように一対の
直流電源ライン2a、2b間にブリッジ接続されたトラ
ンジスタから成る6個のスイッチ素子A1、A2、B1、B2、
C1、C2と、駆動回路3aとから成る。駆動回路3aはラ
イン6a、6b、6cの第1、第2及び第3の制御信号
Sa、Sb、Scによってスイッチ素子A1、A2、B1、B2、C
1、C2のオン・オフ制御信号を形成する。上側の3つの
スイッチ素子A1、B1、C1と下側の3つのスイッチ素子
A2、B2、C2は互いに逆に動作するので、一方のオン
・オフ状態を特定すればインバ−タ全体の制御が特定さ
れる。ここでは、ライン6a、6b、6cの第1、第2
及び第3の制御信号Sa、Sb、Scによりインバ−タ
制御状態を特定し、信号Sa、Sb、Scが高レベル即
ち論理“1”の時にスイッチ素子A1、B1、C1がオ
ン、低レベル即ち論理“0”の時にスイッチA1、B1、
C1がオフとなる。 【0011】インバ−タ3によって電動機5を所望状態
に制御するために、スイッチングテ−ブル7、テ−ブル
選択手段8、一次磁束鎖交数演算手段9、トルク演算手
段10、トルク指令手段11、トルク比較手段12、最
適一次磁束決定手段13、磁束比較手段14、電圧検出
器15、電流検出器16a、16b、16c、直流電流
検出器17、電圧安定化用コンデンサ18が設けられて
いる。なお、スイッチングテ−ブル7、テ−ブル選択手
段8、一次磁束鎖交数演算手段9、トルク演算手段1
0、トルク指令手段11、トルク比較手段12、最適一
次磁束決定手段13、磁束比較手段14はマイクロコン
ピュ−タから成るデイジタル回路で形成され、一定のサ
ンプリング周期で動作する。また、電圧検出手段として
の電圧検出回路15はA/D変換器を含み、一定のサンプ
リング周期でデイジタル値を出力する。また電流検出手
段としての電流検出器16a、16b、16c、17もA
/D変換器を含み、一定サンプリング周期でデイジタル
値を出力する。 【0012】 【制御の概略】図1の制御装置の詳細を説明する前に、
図1の制御装置の概略及び制御原理を説明する。この制
御方式では、インバ−タで磁束とトルクの直接的な制御
を行う。即ち、この制御方式では電動機5の瞬時一次鎖
交磁束φ1と瞬時トルクTを一次電圧V1a、V1b、V1
c及び一次電流I1a、I1b、I1cから演算し、適当
なインバ−タスイッチングモ−ドを選択することにより
それらを独立かつ直接的に制御する。この選択は最適一
次鎖交磁束指令値φrとトルク指令値Trに対して、各
演算値が微小な許容誤差範囲内で追従するように行われ
る。すなわち、各指令値と各演算値の誤差を個別に量子
化した後、その信号の組み合わせから多次元スイッチン
グテ−ブル7を直接参照することによりインバ−タのス
イッチングモ−ドを決定している。このとき、テ−ブル
7を適当に構成することによって瞬時的な電動機の状態
に対して最適なインバ−タ制御を実現できる。以上のよ
うに、本制御方式では、電動機とそれを駆動する制御装
置を一体化して考えており、インバ−タのPWMスイッ
チングパタ−ンを改善して平均スイッチング周波数を低
減するだけでなく、電動機のトルク応答性、トルクリッ
プル、高周波損失を大幅に改善することができる。ま
た、本制御方式では回転子位置検出器を基本的に必要と
しない。これは制御演算がすべて静止座標上で行われて
おり、回転座標変換をする必要がないためである。従っ
て、制御演算部の構成も非常に簡単化されると同時に二
次抵抗の変動による悪影響を直接受けることがない。な
お、本発明に従う図1の制御方式は、最適一次磁束決定
手段13を除いて前述した昭和61年発行の「電気学会
論文誌B」昭61−1号の第9〜16頁に記載されてい
るものと同一の制御原理に基づいている。 【0013】 【インバ−タと電動機系の電圧ベクトルと磁束ベクトル
との関係】図1の制御方式では、スイッチングテ−ブル
7が一次電圧ベクトルV1(Sa、Sb、Sc)で示さ
れている。この一次電圧ベクトルV1と一次鎖交磁束ベ
クトルφ1との関係は、前述の「電気学会論文誌B」昭
61−1号に記載されている通りであるが、理解を容易
にするためにここでも説明する。図1の電動機5を三相
誘導電動機とし、インバ−タ出力電圧Va1、Vb1、V
c1を仮想中線点に対する相電圧とする。また、図2の
上側のスイッチ素子A1、B1、C1がオン状態であり、
且つ下側のスイッチA2、B2、C2がオフ状態であるこ
とをスイッチング関数を用いてSa=1、Sb=1、S
c=1で表し、逆に下側のスイッチ素子A2、B2、C
2がオン状態であり、上側のスイッチ素子A1、B1、C
1がオフ状態であることをSa=0、Sb=0、Sc=
0で表す。 【0014】三相インバ−タの瞬時電圧ベクトルV1は
次式で示される。 V1={√(2/3)}{Va1+Vb1ej(2/3)π+Vc1ej(4/3)π} (1)式 誘導電動機5の各相の一次電流をIa1、Ib2、Ic3、二次電
流Ia2、Ib2、Ic2とすれば、これ等の瞬時一次及び二次
電流ベクトルI1、I2を次式で示すことができる。 I1={√(2/3)}{Ia1+Ib1ej(2/3)π+Ic1ej(4/3)π} (2)式 I2={√(2/3)}{Ia2+Ib2ej(2/3)π+Ic2ej(4/3)π} (3)式 瞬時トルクTは次式で示すことができる。 T=Im(φ1I1) (4)式 ここで、Imは虚数部、φ1は一次鎖交磁束ベクトル
の供役瞬時ベクトルを示す。 【0015】上記(1)式の一次電圧ベクトルV1は次式の
ようにSa、Sb、Scの関数として表現できる。 V1(Sa、Sb、Sc) ={√(2/3)}V{Sa+Sbej(2/3)π+Scej(4/3)π} (5)式 ここでVは直流電源1の電圧である。 【0016】従って、図1のインバ−タには23=8通り
のスイッチングモ−ドが存在し、各モ−ドに対応する瞬
時電圧ベクトルは(5)式を用いて次式のように簡単に
求めることができる。これを直交座標即ちdq座標上に
表すと図3のようになる。 V1(1,0,0)={√(2/3)}V V1(1,1,0)={√(2/3)}Vej(π/3) V1(0,1,0)={√(2/3)}Vej(2/3)π V1(0,1,1)=−{√(2/3)}V V1(0,0,1)={√(2/3)}Vej(4/3)π V1(1,0,1)={√(2/3)}Vej(5/3)π V1(0,0,0)=V1(1,1,1)=0 (6)式 なお、上記7つの式をまとめて(6)式と呼ぶことにす
る。このように、三相インバ−タが出力可能な電圧ベク
トルは7種類の離散的のものであり、スイッチングの瞬
間を除いて一定と考えてよい。特にこれらの電圧ベクト
ルの中でもV1(0,0,0)とV1(1,1,1)は大きさを持た
ない零ベクトルとなる。 【0017】 【一次磁束ベクトル】図1の電動機5に発生する一次鎖
交磁束ベクトルφ1は前述の電気学会誌B昭61−1号
の論文から明らかなように次式で示すことができる。 φ1=L11I1+MI2 (7)式 ここで、L11は電動機の一次巻線自己インダクタンス、
Mは一次、二次巻線間相互インダクタンスである。ま
た、電動機の一次巻線の抵抗をR1とすると、一次鎖交
磁束ベクトルφ1を次式で示すことができる。 φ1=∫(V1−R1I1)dt (8)式 この(8)式に(5)式を代入すると次式が得られる。 φ1=∫{V1(Sa,Sb,Sc)−R1I1}dt =V1(Sa,Sb,Sc)t−∫R1I1dt+φ10 (9)式 但し、φ10はt=0におけるφ1の初期値である。 【0018】(9)式から一次鎖交磁束ベクトルφ1は一次
巻線抵抗の電圧降下が小さいので、ほぼ一次電圧ベクト
ルV1(Sa,Sb,Sc)の方向へ変化することがわ
かる。このとき移動速度は直流電源電圧に比例し一定で
あるが、V1(0,0,0)やV1(1,1,1)のよう
な零ベクトルの場合にはφ1はほぼ停止すると考えられ
る。図4は特定の一次電圧ベクトルV1(0,1,0)
が出力された場合に、その方向へ一次鎖交磁束ベクトル
φ1が変化する様子をdq座標で示したものである。以
上より、三相インバ−タでは完全な円形軌跡を持つ回転
磁界を得ることは不可能であるが、図3の7種類の電圧ベ
クトルの中から適当なものを選択し、順次出力すること
によって、例えば図5のように絶対値がほぼ一定の回転
磁界を作ることができる。また、φ1を回転させる電圧
ベクトルとほぼ停止させる零電圧ベクトルを交互に用い
ることによって、すべり周波数の瞬時制御が可能とな
る。なお、図5は一次鎖交磁束を一定に制御する場合に
おけるベクトルφ1の変化をdq座標で示している。 【0019】 【トルク制御】上述のように、三相インバ−タから出力
可能な一次電圧ベクトルV1は7種類の離散量となり、制
御上の自由度は限られている。従って、それらの中から
電動機の状態に最適な一つの瞬時電圧ベクトルを選択す
ることは、さほど困難なことではない。本方式では電動
機の一次鎖交磁束および瞬時トルクがそれらの目標値に
対して一定の誤差範囲内に収まるよう、しかもインバ−
タのスイッチング周波数が最小となるように選択が行わ
れる。図5はφ1を所望範囲に収める制御を示し、φ1を
時計方向に回転させた場合のベクトル軌跡と一次電圧ベ
クトルの関係を表したものである。図のようにdq平面
上に磁束の上限値φmaxと下限値のφminを設定してお
き、常にφmin≦|φ1|≦φmaxが満足されるように一
次電圧ベクトルV1(Sa,Sb,Sc)の選択が行われ
る。例えば点P1のようにφ1が上限値φmaxに達した場合
には図3に示したV1(Sa,Sb,Sc)のうちV1
(0,1,0)を用いることによって|φ1|を減少さ
せながらφ1を回転させる。逆に点P2のように下限値φm
inに達した場合にはV1(1,1,0)を用いて|φ1|を
増大させる。また、適切な電圧ベクトルの選択には一次
鎖交磁束ベクトルの絶対値だけでなく、その方向も考慮
に入れなければならない。すなわち、図5のようにd軸
とφ1のなす角度をθとし、dq平面を(2n−3)π
/6≦θ≦(2n-1)π/6,n=1,…,6の6領域θ
(1),θ(2),θ(3),θ(4),θ(5),θ
(6)に分割すると、各領域ごとに選択すべき電圧ベク
トルは当然異なる。ここまで述べてきたようにφmin≦
|φ1|≦φmaxの微小領域内でφ1の空間的なリミット
サイクル制御を行うことによって一次鎖交磁束ベクトル
の絶対値をほぼ一定に制御することが可能となる。次に
図6を用いて瞬時トルクの制御法について述べる。同図
は横軸に時間t、縦軸に瞬時トルクTをとったもので、
時計方向のトルクを正としている。いま誘導電動機を時
計方向へ回転させる場合を考えると、この図に示された
ようにTr−△T≦T≦Trの微小領域内で|φ1|同様Tのリ
ミットサイクル制御を行う。なお、Trは目標トルクを示
す。この時リミットサイクルの周波数が直接インバ−タ
のスイッチング周波数に影響を及ぼすためのトルクの切
り換え頻度は可能な限り低減する必要がある。そこで点
P3のようにTがトルク指令値Trに達した場合には一次電
圧ベクトルとしてV1(0,0,0)もしくはV1(1,
1,1)を選び、φ1をほぼ停止させることによってTを
減少させる。逆に点P4のようにTr−ΔTに達した場合に
はφ1を高速に回転させてTを増加させる。このように
零電圧ベクトルを積極的に活用することによってトルク
ΔTの範囲内に入っている時間を長くとれるためインバ
−タの平均的なスイッチング周波数を低減することがで
きる。なお、誘導電動機を反時計方向へ回転させる場合
には、Tr≦T≦Tr+ΔTの微小領域内で同様の制御を行
えばよい。 【0020】上述の瞬時トルクTの目標トルク指令値T
rに対する偏差ΔTは図1の第2の比較手段としてのトル
ク比較手段12で求める。また、一次鎖交磁束φ1の目
標磁束指令値φrに対する偏差△φは第1の比較手段と
しての磁束比較手段14で求める。図1のテ−ブル選択手
段8はこれ等の偏差ΔT、Δφに基づいてスイッチング
テ−ブル7から所望パタ―ンを選択する。PWMインバ
−タ3はスイッチングテ−ブル7から出力されるSa、
Sb、Scに基づいて動作する。 【0021】 【一次磁束鎖交数演算手段】上述の制御を実行するため
に図1に設けられた一次磁束鎖交数演算手段9はライン1
9a、19b、19cによって電圧検出手段としての電
圧検出回路15に接続されている。電圧検出回路15は電動
機5の電源ライン4a、4b、4cに接続され、第1、第
2及び第3の相電圧Va1、Vb1、Vc1をデイジタル値
で出力する。一次磁束鎖交数演算手段9にはライン20
a、20b、20cによってA/D変換器を含む電流検
出器9a、9b、9cも接続されている。図7は一次磁
束鎖交数演算手段9を等価的に示すブロック図である。
(8)式の一次鎖交磁束ベクトルφ1を直交座標で示すと、
φ1=φd1+jφq1となり、d軸成分とq軸成分は次式で
示すことができる。 φd1=∫(Vd1−R1Id1)dt (10)式 φq1=∫(Vq1−R1Iq1)dt (11)式 よって求める一次鎖交磁束|φ1|は次式で示される。 |φ1|=√(φd12+φq12) (12)式 (12)式を求めるためには、Vd1、Vq1、Id1、Iq1が必要
になる。Vd1、Vq1は周知の一次電圧三相/ニ相変換器2
1で求めることができ、Id1、Iq1は周知の一次電流三相
/ニ相変換器22で求めることができる。変換器21、2
2の入出力関係は次式に示す通りである。 【0022】 V1=Vd1+jVq1 =√(2/3)〔(Va1−(1/2)Vb1−Vc1 +j{(31/2/2)Vb1−(31/2/2)Vc1}〕 (13)式 I1=Id1+jIq1 =√(2/3)〔Ia1−(1/2)Ib1 −Ic1+j{(31/2/2)Ib1−(31/2/2)Ic1}〕 (14)式 上記(13)、(14)式において31/2は√3を示
す。 【0023】図7の電圧の三相/ニ相変換器21はライ
ン19a、19b、19cの入力電圧Va1、Vb1、Vc1に
基づいてVd1、Vq1を演算で求める。電流の三相/ニ相変
換器22はライン20a、20b、20cの入力電流I
a1,Ib1、Ic1に基づいてId1、Iq1を演算で求める。第1
の掛け算器23は、Id1に抵抗R1を掛け算してR1Id1を
出力する。第2の掛け算器24はIq1にR1を掛け算して
R1Iq1を出力する。第1の減算器25はVd1からR1Id1
を減算してVd1−R1Id1を出力する。第2の減算器26
はVq1からR1Iq1を減算してVq1−R1Iq1を出力する。第1
の積分器27は(10)式の積分を行ってφd1を出力す
る。第2の積分器28は(11)式の積分を行ってφq1を出
力する。演算器29は(12)式の演算をして|φ1|をラ
イン30に出力する。なお、電流の三相/ニ相変換器22
から図1のトルク演算手段10にId1、Iq1を送るための
ライン31、32が設けられている。また、φd1、φq2
をトルク演算手段10とテ−ブル選択手段8とに送るため
のライン33、34が設けられている。 【0024】図1のトルク演算手段10は一次磁束鎖交
数演算手段9から導出されているライン31、32、3
3、34に接続され、(4)式の瞬時トルクTを次式に従
って求めるように構成されている。 T=φd1Iq1−φq1Id1 (15)式 即ち、トルク演算手段10は、図8に示すように2つの掛
算器41、42と1つの減算器43とから成り、一方の
掛算器41によってφd1Iq1を求め、他方の掛算器42に
よってφq1Id1を求める。減算器43は、φd1Iq1から
φq1Id1を減算して瞬時トルクTを示す信号をライン4
4に出力する。 【0025】図1のトルク指令手段11は目標トルクTr
を示す信号を出力する。トルク比較手段12は、Tr−T=
ΔTの演算を行うものであって、目標トルクTrから検出
トルクTを減算し、トルク偏差ΔTをライン45に出力す
る。 【0026】磁束比較手段14は、φr−φ1=ΔTの演
算をするものであって、最適一次磁束決定手段13から
ライン46に出力された最適一次磁束を示す目標一次磁束
指令値φrからライン30の検出一次磁束|φ1|の値を
減算して磁束偏差Δφをライン47に出力する。 【0027】テ−ブル選択手段8は、ライン45のトル
ク偏差ΔTと、ライン47の磁束偏差Δφ1と、ライン
30の検出磁束|φ1|と、ライン33のφd1と、ライ
ン34のφq1とに基づいてスイッチングテ−ブル7のス
イッチングパタ−ンを選択するための信号を形成するも
のであって、図9に詳細に示すようにトルク量子化信号
形成手段51と、磁束量子化信号形成手段52と、磁束ベ
クトル角度領域判定手段53とを有する。トルク量子化信
号形成手段51はヒステリシス比較器から成り、ライン45
から入力したトルク偏差ΔT=Tr−Tを3値に量子化す
る。即ち、トルク量子化信号形成手段51は、図9におい
てこのブロックの内に示すこの特性図から明らかなよう
に入力したトルク偏差ΔTが0の方向から正方向に増大
し、上限値Taに至るまではτ=0の2値化トルク信号を2
ビット並列伝送ライン54に送出し、トルク偏差ΔTが上
限値Ta以上になるとτ=1の2値化トルク信号を出力
し、トルク偏差ΔTが上限値Ta以上からゼロに戻ると、
τ=0の2値化トルク信号を出力し、トルク偏差ΔTがゼ
ロから下限値−Ta以下に変化するとτ=−1の2値化ト
ルク信号を出力する。なお、上限値Ta及び下限値−Taは
トルクリップルの許容範囲を考慮して決定され、例えば
トルク指令値Tr(目標トルク)の例えば5%以下の適当な
値に設定される。Tr−TaからTr+Taまでの範囲が目標ト
ルク制御範囲になる。 【0028】磁束量子化信号形成手段52は、ヒステリシ
ス比較器から成り、ライン47から入力した磁束偏差Δφ
1=φr−|φ1|を2値に量子化する。即ち、磁束量子化
信号形成手段52は、図9においてこのブロックの中に示
すこの特性図から明らかなように、ライン47で入力した
磁束偏差Δφ1=φr−|φ1|が下限値−φaよりも大き
く且つ上限値φaよりも小さい範囲では出力ライン55に
φ=0の2値化信号を送出し、磁束偏差Δφ1が上限値φ
a以上になり且つその後に下限値−φaに低下するまでは
φ=1の2値化信号を送出し、磁束偏差Δφ1が下限値−
φaよりも小さくなり、その後上限値φa未満に保たれて
いる時にはφ=0の2値化信号を出力する。上限値φa及
び下限値−φaは磁束のリップル許容範囲を考慮して決
定され、例えば目標磁束φrの5%以下の適当な値に設
定される。このφaは図5の磁束最大値φmaxと最小値φm
inとの差の半分に相当する。即ちφmax−φmin=2φaの
関係を有する。 【0029】磁束ベクトル角度領域判定手段53は、図
9のこのブロックの中に示す第1〜第6の角度領域θ(1)〜
θ(6)の内のどの領域に磁束ベクトルφ1が位置してい
るか否かを判定するものである。図9の角度領域θ(1)〜
θ(6)は図5で同一記号で示す領域と同一である。角
度領域の6分割は、 (2N−3)π/6≦θ(N)≦(2N−1)π/6 N=1〜6 の条件で決定されている。検出磁束ベクトルの属する角
度領域θ(N)の決定はライン30の検出磁束|φ1|とラ
イン33の磁束ベクトルのd軸成分φd1とライン34の磁束
ベクトルq軸成分φq1とに基づいて実行される。図10〜
図12は上記の角度領域の判定方法を説明するためのもの
である。 【0030】図10にはdq直交座標の中にφd1=0の境
界線57と、φq1=−|φ1|/2の境界線58と、φq1
=|φ1|/2の境界線59と、ベクトルの先端軌跡を
示す円60とが描かれている。図10の3つの境界線57、5
8、59に対する検出磁束|φ1|、d軸成分φd1、q軸
成分φq1の大小関係と第1〜第6の角度領域θ(1)〜θ
(6)との関係は図11に示す通りである。φd1と0との
大小関係を示す出力が第1ビット出力B1となり、−|φ1
|/2とφq1との大小関係を示す出力が第2ビット出力B
2となり、|φ1|/2とφq1との関係を示す出力が第3
ビット出力B3となる。角度領域θ(N)は3ビットB1、
B2、B3のデイジタル信号で示される。 【0031】図12は図11の論理に従って3ビットB1、B
2、B3の出力を伝送するライン56に得るための角度領域
判定手段8を詳しく示すものである。この図12から明ら
かなように角度領域判定手段8は、0≦φd1判定手段6
1と、0≧φd1判定手段62と、−|φ1|/2≦φq1
判定手段63と、−|φ1|/2≧φq1判定手段64と、
|φ1|/2≧φq1判定手段65と、|φ1|/2≦φq1
判定手段66と、3つのORゲ−ト67、68、69とか
ら成り、3つのORゲ−ト67、68、69から角度領域判
定出力θ(N)を示す3ビットB1、B2、B3の信号が送
出される。 【0032】スイッチングテ−ブル7は、多数のスイッ
チングパタ−ンを格納したメモリから成り、図1に示す
ように6個のアドレス端子A0〜A5を有する。このアド
レス端子A0〜A5にはテ−ブル選択手段8の6本の出力ライ
ン54、55、56が接続されている。 【0033】図13はスイッチングテ−ブル7に格納され
ている多数の電圧ベクトルV1とアドレス信号の関係を示
している。ライン55の磁束量子化信号φが1を示してい
る時と0を示している時とで選択すべき電圧ベクトルV1
が変化する。また、トルク量子化信号τが1、0、−1
のように変化すると選択すべき電圧レベルV1が変化す
る。また、B1、B2、B3で特定される角度領域θ(N)
がθ(1)〜θ(6)ように変化すると、選択すべき電
圧レベルV1が変化する。1例として、φ=1、τ=
1、θ(1)の時にはV1(1,1,0)の電圧ベクトルが
選択される。図13の電圧ベクトルV1はV1(Sa、Sb、Sc)
を示しているので、V1(1,1,0)の場合には、スイッ
チングテ−ブル7の出力ライン6a、6b、6cにSa=
1、Sb=1、Sc=0の出力が送出され、図2のスイッチ
グ素子A1、B1、C2がオン、スイッチング素子A2、B2、C
1がオフになる。 【0034】図13のスイッチングテ−ブルから電圧ベ
クトルV1を適宜選択すれば、磁束ベクトルφ1を図5に
示すように変化させることができる。また、トルクTを
図6に示すように制御することができる。 【0035】 【最適一次磁束決定手段】ところで、従来は目標磁束φ
rとして一定値を与えていたので、電動機5の種類の変
化、負荷の変化等に対応する制御が不可能であった。こ
の問題を解決するために、図1には磁束指令値φrを更
新することが可能な最適一次磁束決定手段13が設けら
れている。最適一次磁束演算手段とも呼ぶことができる
最適一次磁束決定手段13には電圧検出ライン19a、
19b、19cと、電流検出ライン20a、20b、2
0cと、直流電流検出ライン17aとが接続されてい
る。最適一次磁束決定手段13は図14に概略的に示す
ように、弱め界磁制御最適磁束決定手段71と力率一定
制御最適磁束決定手段72と効率最大制御最適磁束決定
手段73と最大トルク最適磁束決定手段74と選択手段
75とを有し、4っの内のいずれか1っの最適磁束を示
す信号を磁束指令φrとしてのライン46に送出するよ
うに構成されている。 【0036】 【弱め界磁制御最適磁束決定手段】電動機5を定出力領
域で運転させるためには、弱め界磁制御が必要になる。
この弱め界磁制御は、図15に示すように電動機5の定
格回転速度に対応する定格角周波数ωmよりも高い領域
(定出力領域)では一次磁束φ1を双曲線状に徐々に下
げる制御である。そこで、弱め界磁制御最適磁束決定手
段71は、磁束指令値φrを図15に示すように変化さ
せるように構成され、図16に示すように、φc発生手
段81、ω検出手段82、ωm発生手段83、比較手段
84、及び演算手段85、選択手段86を有する。φc
発生手段81は図15の定格角周波数ωm以下の定トル
ク領域における一定磁束φcを示す信号を発生する。ω
検出手段82は電圧検出ライン19a、19b、19cの
電圧Va1、Vb1、Vc1の周波数fに基づいて電動機5の角周
波数ωを検出する。ωm発生手段83は図15の定格角
周波数ωmを示す信号を出力する。比較手段84はωと
ωmとの大小関係を比較し、ω≦ωmの時に選択手段86
の接点aをオンにし、ω>ωm時に選択手段86の接点b
をオンにする。φcωm/ω演算手段85は、図15の定
格角周波数ωmよりも高い領域(回転数とトルクの積が
一定の定出力領域)の磁束φ1を決定するためにφcωm
/ωの演算を行い、この結果を選択手段86の接点bに
送る。なお、図15の左半分の負のωの領域は逆方向回転
時を示している 【0037】図14の選択手段75の接点aをオンにし
てライン46に磁束指令φrとして図16に示す弱め界
磁制御最適磁束決定手段71の出力信号を送出すると、
電動機5の磁束が図15に示すように制御され、電動機
5の定格回転速度以上において弱め界磁制御が可能にな
る。 【0038】 【力率一定制御最適磁束決定手段】電動機5として同期
電動機を使用した場合に、端子電圧即ち入力電圧を上げ
ると減磁作用によって進み電流が流れ、入力電圧を下げ
ると増磁作用で遅れ電流が流れる。そこで、この力率変
化を一次磁束φ1の変化で補償するように変化させる。
即ち、同期電動機において、図17の実線で示すように
磁束φ1を大きくすると進み位相になり、磁束φ1を小さ
くすると遅れ位置になる。力率一定制御最適磁束決定手
段72はこの原理を利用して力率を制御する。 【0039】力率一定制御最適磁束決定手段72は、図
18に概略的に示すように基準力率発生手段91と、負
荷力率検出手段92と、減算手段93と、最適磁束信号
発生用PI(比例積分)補償回路94とから成る。基準
力率発生手段91はcosθ=1又はこれに近い所定力率
値を示す信号を発生する。負荷力率検出手段92は電圧
検出ライン19a、19b、19cの電圧Va1、Vb1、V
c1と電流検出ライン20a、20b、20cの電流Ia
1、Ib1、Ic1とに基づいて電動機5の入力力率を検出す
る。減算手段93は基準力率と負荷力率との差を出力す
る。PI補償回路94は減算手段93の出力に基づいて負荷
力率を基準力率に近づけるように変化する信号を図14の
選択手段75の接点bを介してライン46に送出する。これ
により、電動機5の磁束がライン46の指令値で示す磁束
に近づき、高力率運転が達成される。なお、電動機5を
誘導電動機とした場合には、磁束と力率との関係が図17
で点線で示すように磁束φ0をピ−クとして山型に変化
する。力率が最も良いφ0の場合には鉄損が多くなるの
で、φ0を基準力率とすることは望ましくない。φ0より
も下側のφL及び上側のφHにおいて鉄損が小さくなるの
で、φL又はφHを基準力率として選ぶことが望ましい。 【0040】 【効率最大制御最適磁束決定手段】電動機5の効率η
は、図19に示すように一次磁束φ1によって変化し、磁
束φ0で最大になる。直流電源1から供給する電圧を一
定とした場合、図19に示すように直流電流検出器17で検
出された直流電流Idcが最小の時に最大効率になる。定
常状態においては、山登り法による直流電流Idcの最小
化制御を行い、この直流電流Idcを用いて最適一次磁束
を演算する。過状態においては、トルク及び回転数に
より最大効率の一次磁束が決るので、定常状態で得られ
た結果をグラフにしてメモリ−に蓄えておき使用する。 【0041】 【最大トルク制御最適磁束決定手段】電動機5を表面磁
石形モ−タ(SPM)から成る同期電動機とした場合に
は、この等価回路を図20で示すことができる。なお、
図20において、Vは1次入力電圧、Raは電機子巻線抵
抗、Laは電機子巻線自己インダクタンス、E0は逆起電力
である。この同期電動機に電流Iを流した時のベクトル
図は図21になる。 【0042】同期電動機のトルクTは次式で示すことが
できる。 T=(VE0/Xs)sinδ なお、δはE0とV´との角度である。上記トルクの式か
ら明らかなようにδが90度の時に最大トルクが得られ
る。 【0043】最大トルク制御磁束決定手段74は図22に
示すように例えば記憶手段から成る基準位相角発生手段
110と、位相角δ演算手段111と、減算器112と、PI補償
器113から成る。 【0044】基準位相角発生手段110はδ=90度又は
これに近い所定位相角δrを示す信号を発生する。位相
角δ演算手段111は一次入力電圧Vと一次電流Iとに基づ
いて電動機5の図21のベクトル図に示す位相角δを演
算によって検出する。なお、逆起電力E0は回転速度、即
ち角周波数ωに応じて変化するので、予め複数段階の回
転速度ごとに最適逆起電力E0をメモリ−に収納し、そ
の都度読み出して位相角δの検出に使用することが望ま
しい。 【0045】減算器112は基準値位相角δrから検出位
相角δを減算し、誤差信号を出力する。 【0046】PI(比例積分)補償器113は減算器112の出
力に基づいて目標磁束指令値φrを作成し、これを図14
の選択手段75の接点dを介してライン46に送出する。 【0047】この最大トルク制御磁束決定手段74によ
って磁束指令値φrを与えることによっって最大トルク
を得るための基準位相角δrに検出位相角δを一致させ
る動作が生じ、最大トルクを得ることができる。なお、
上記制御は、一次磁束φ1と図20及び図21に示すV´と
の間にjφ1=V´の関係があり、図20のベクトル図のE
0とφ1とが同相になればδ=90°になるので、E0とφ
1とを同相にするように制御することに相当している。 【0048】以上、SPMについて述べたが、IPM即
ち内部磁石形モ−タ及びその他のモ−タにも適用でき
る。IPMの場合には最大トルクを得るためのδrを11
0゜〜130゜にすることが望ましい。 【0049】上述から明らかなように、本実施例によれ
ば、種々の制御を容易に実行することができる。また、
電動機5の回転子の位置センサ又は回転センサを使用し
ないで、種々の制御を行うことができる。 【0050】 【変形例】本発明は、上述の実施例に限定されるもので
なく、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 本発明は、誘導電動機、動機電動機に限ること
なく、リラクタンスモ−タ等のあらゆる交流電動機に適
用することができる。 (2) 図14には最適一次磁束決定手段13として、4
つの最適一次磁束決定手段71、72、73、74を設
けたが、この内のいずれか1つ又はいずれか2つ又はいず
れか3つにすることができる。 (3) テ−ブル選択手段8、一次磁束鎖交数演算手段
9、トルク演算手段10、トルク指令手段11、比較手段
12、最適一次磁束決定手段13、比較手段14はディジタ
ル回路即ちマイクロロコンピュ−タで構成されている
が、これ等の一部又は全部をアナログ回路とすることが
できる。 (4) 弱め界磁制御を行うために図16ではω検出手段
82を設け、ωmよりも高い領域の一次磁束を演算で求め
ているが、この代わりにメモリに図15に示すωとφ1と
の関係を予め格納しておき、ω検出手段82の出力によっ
てメモリからφ1を読み出して磁束指令値φrとするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例に係わる交流電動機の制御装置
を示すブロック図である。 【図2】図1のインバ−タを詳しく示す回路図である。 【図3】電圧ベクトルを直交座標で示すベクトル図であ
る。 【図4】電圧ベクトルによる一次磁束ベクトルの変化を
直交座標で示すベクトル図である。 【図5】電圧ベクトルによる磁束ベクトルの変化を示す
図である。 【図6】電圧ベクトルによるトルクの変化を示す図であ
る。 【図7】図1の一次磁束鎖交数演算手段を詳しく示すブロ
ック図である。 【図8】図1のトルク演算手段を詳しく示すブロック図
である。 【図9】図1のテ−ブル選択手段を詳しく示すブロック
図である。 【図10】直交座標における角度領域を示す図である。 【図11】図10の第1〜第6の角度領域θ(1)〜θ
(6)とφd1,φq1,|φ1|との関係を示す図であ
る。 【図12】図1のテ−ブル選択手段を更に詳しく示すブ
ロック図である。 【図13】図1のスイチングテ−ブルの内容を示す図で
ある。 【図14】図1の最適一次磁束決定手段を詳しく示すブ
ロック図である。 【図15】電動機の一次角周波数と飽和を防止すること
ができる一次磁束との関係を示す図である。 【図16】図14の弱め界磁制御最適磁束決定手段を詳し
く示すブロック図である。 【図17】電動機の一次磁束と力率の関係を示す図であ
る。 【図18】図14の力率一定制御最適磁束決定手段を詳し
く示すブロック図である。 【図19】電動機の一次磁束と効率及びインバ−タ入力
電流との関係を示す図である。 【図20】同期電動機の等価回路図である。 【図21】同期電動機のベクトル図である。 【図22】図14の最大トルク制御最適磁束決定手段を
詳しく示すブロック図である。 【符号の説明】 3 PWMインバ−タ、 5 電動機、 7 スイッチングテ−ブル、 8 テ−ブル選択手段、 9 一次磁束鎖交数演算手段、 10 トルク演算手段、 11 トルク指令手段、 12 比較手段、 13 最適一次磁束決定手段、 14 比較手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−291687(JP,A) 特開 平4−217897(JP,A) 特開 平11−8990(JP,A) 特開 昭62−31393(JP,A) 特開 昭64−50792(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 インバ−タをパルス幅変調制御するため
    のスイッチングパタ−ンが予め書き込まれているメモリ
    から、前記スイッチングパタ−ンを読み出して前記イン
    バ−タを制御することにより前記インバ−タに接続され
    た交流電動機を制御する装置であって、 前記インバ−タの出力電流を検出する電流検出手段と、 前記インバ−タの出力電圧を検出する電圧検出手段と、 前記電流検出手段の出力と前記電圧検出手段の出力とに
    基づいて前記交流電動機における一次磁束鎖交数を演算
    する一次磁束鎖交数演算手段と、 前記交流電動機のトルクを最大又はほぼ最大にする制御
    を達成するための最適な一次磁束の値を更新可能に決定
    し、この値を出力する最適一次磁束決定手段と、 前記一次磁束鎖交数演算手段の出力と前記最適一次磁束
    決定手段の出力との差を出力する第1の比較手段と、 前記電流検出手段の出力と前記一次磁束鎖交数演算手段
    の出力とに基づいて前記交流電動機のトルクを演算する
    トルク演算手段と、 トルク指令値と前記トルク演算手段の出力との差を出力
    する第2の比較手段と、 前記第1の比較手段の出力と前記第2の比較手段の出力と
    前記一次磁束鎖交数演算手段の出力とに基づいて、前記
    メモリから読み出すべきスイッチングパタ−ンを選択す
    る手段と を備え、前記交流電動機は、前記交流電動機の一次入力電圧を
    V 、その入力電流を Iその電機子巻線抵抗を Ra 、その電
    機子自己インダクタンスを La 、その逆起電力を E0 、前記
    一次入力電圧 V から前記電機子巻線抵抗 Ra による電圧降
    下を差し引いた電圧を V ´、前記 V ´と前記 E0 との位相角
    をδと表すことができるものであり前記最適一次磁束決定手段は交流電動機のトルクを最大又はほぼ最大にするために最
    適な前記位相角δに相当する基準位相角δ r を示す値を
    発生する基準位相角発生手段と前記電圧検出手段の出力と前記電流検出手段の出力とに
    よって前記交流電動機の前記位相角δを演算する位相角
    演算手段と前記基準位相角発生手段の出力δ r と前記位相角演算手
    段の出力δとの差を示す信号を形成する減算手段と前記減算手段の出力によって交流電動機のトルクを最大
    にするために最適な磁束指令値を形成する手段 とから成
    ることを特徴とする交流電動機の制御装置。
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