JP3484962B2 - 受光素子 - Google Patents

受光素子

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JP3484962B2
JP3484962B2 JP36174497A JP36174497A JP3484962B2 JP 3484962 B2 JP3484962 B2 JP 3484962B2 JP 36174497 A JP36174497 A JP 36174497A JP 36174497 A JP36174497 A JP 36174497A JP 3484962 B2 JP3484962 B2 JP 3484962B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1波長の光を使い
一本の光ファイバによって双方向通信する為のシステム
において用いる受光素子(PD)に関する。より具体的
には、1.3μm帯で時間分割して、送信受信するTime
Compression Multiplexing(TCM)、いわゆるピン
ポン伝送に好適に使用される受光素子に関する。
【0002】図1は双方向通信の為の概略構成図であ
る。局側にはLD1があり光信号を送信する。これが光
カプラ2によってファイバ3に入り、加入者側(一般家
庭など)で光カプラ4によってPD2に入る。これが下
り系である。加入者側からの送信信号はLD2によって
発信される。これは光カプラ4、ファイバ3、光カプラ
2を経て局側のPD1に至る。これが上り系である。
【0003】双方向通信には同時送受信をするものと、
時分割して交互に行うものがある。2以上の波長の光を
使う場合もあるが1波長だけのものもある。2波長を使
うとその他にWDMが必要になる。本発明は1波長でし
かも時分割して送受信する単純な双方向通信の受光素子
の改良に関する。
【0004】交互に送信と受信をするからピンポン伝送
という。1種類の光しか使わないのでもっとも単純な双
方向光通信である。それでも上りと下りの光を同じ光フ
ァイバに通すために光カプラが必要である。2本の光フ
ァイバを使えばカプラは不要であるがそうするとファイ
バ敷設により費用が掛かる。やはり1本の光ファイバで
送受信したい。1本の光ファイバで行き帰りの信号を送
ろうとすれば光カプラは必須の部品のように思える。二
つの光を分離し一方は受光素子に一方は発光素子から光
を送るのであるから光カプラは不可欠であるように見え
る。しかし光カプラは高価な部品であるから加入者側の
設備の価額を押し上げる。できれば光カプラを使わない
ような光通信が望ましい。しかしそのようなことが果た
して可能であろうか?
【0005】
【従来の技術】それは可能なのである。本発明者はその
波長の光を半分吸収するように受光素子に工夫をして受
光素子と発光素子を直列に接続し送受信光を直線上に伝
搬させるようにした。受光素子がその波長の光を半分だ
け吸収するようにすれば、背後に発光素子をおけば発光
素子の光の半分は受光素子に吸収されるが残りの半分は
受光素子を透過することができる。送信光は発光素子−
受光素子−ファイバというように直線的に光ファイバに
入る。受信光は半分が受光素子に吸収され検出される。
残りの半分は透過して発光素子に当たるが、ピンポン伝
送でありその間は発光素子は不活性なので差し支えな
い。送信光は半分に受信光も半分になるがそれは差し支
えない。十分な光量の光を送受信すれば良い事である。
そうすると分岐がなくなるので高価な光カプラを省く事
ができる。
【0006】図1のものも送信光、受信光ともに光カプ
ラで半分に減少しているのである。これは既に特願平9
−256107号(平成9年9月3日)として特許出願
している。これは、受光素子は100%光を吸収すべき
ものという従来の常識を覆したものである。このように
半分だけ光を吸収する受光素子を半透過型あるいは単に
透過型受光素子と呼ぶ。
【0007】図2はそのような透過型受光素子とレ−ザ
を組み合わせた光送受信モジュールの構成図である。フ
ァイバ62−レンズ126−透過型受光素子64−レ−
ザ70が一直線に並んでいる。光カプラは存在しない。
極めて低コストの光送受信モジュール製作する事ができ
る。時分割によるピンポン伝送であるからこれで差し支
えないのである。
【0008】半透過型の受光素子は受光層の厚みが薄い
のである。従来の受光素子は受光層が十分に厚い(4μ
m程度)ので全部の光を吸収した。半透過型の場合は厚
みdを吸収係数αに対して、d=ln2/αとすること
によって実現できる。ln2は2の自然対数である。こ
れは波長によるが受光層をInGaAsやInGaAs
Pにするとき0.7μm、1μmといった極薄いものに
なる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】半透過型の受光素子は
極めて薄い受光層を持つので新たな問題を生じた。本発
明は半透過型受光素子のさらなる改良に関する。光通信
の応用が広まるにつれて、より広い温度範囲で、より低
い電源電圧で使用できる事が強く要望されるようになっ
てきた。従来は屋内のみの使用であったので温度は、0
℃〜40℃の範囲で正常に作動すれば良かった。それが
屋外で使用したいということもあり、温度範囲は−40
℃〜+85℃に広がって来た。このように広い範囲で安
定に動作するには前記の半透過型受光素子では難しいこ
とであった。さらに電源電圧も5Vでなくて、省エネル
ギ−のために3.3Vの電源電圧を使うようになってき
た。そのような低電圧ではpn接合に十分な電圧がかか
らないということもあり良好に動作しないことがある。
【0010】従来の受光層の厚い受光素子では温度特性
は問題なかったのであるが、本発明者が開発した受光層
の薄い半透過型の受光素子は低温で感度が低下するとい
う奇妙な現象が見られた。これは従来の受光素子には見
られなかった不思議な現象であった。
【0011】図5は前記の半透過型の受光素子の電源電
圧ごとの温度特性を示すグラフである。横軸は温度
(℃)、縦軸は感度(A/W)である。電源電圧は4V
〜10V、3V、2V、1V、0Vである。電源電圧が
4V〜10Vの時は低温でもそれほど感度は下がらな
い。大体0.47A/W程度である。ところが電源電圧
が3Vであると−40℃以下で感度が半減する。感度の
低下は2Vではより早く始まる。20℃から感度の低下
が始まり、−20℃では感度は、0.16A/Wの程度
になる。このように常温に近い温度からの感度の急激な
低下は通常の受光素子にはないことである。であるから
常温近い温度で感度が急に低下すると言うような報告は
ない。
【0012】これでは本発明者が折角発明した半透過型
の受光素子は屋外や寒冷地では使用できないと言う事に
なってしまう。実際にはPDは増幅器と組み合わせて使
われるので、たとえ電源電圧が3.3Vであっても、P
Dの両端に掛かる電圧は2V程度になる。このような低
電圧では温度特性が悪すぎる。25℃以上の環境温度で
しかつかえない。
【0013】寒冷地や屋外用には従来の完全吸収型の受
光素子と光カプラを組み合わせたものを使う必要がある
というのでは、半透過型受光素子を使った光カプラなし
の光送受信モジュールの有効性が著しく減殺される。
【0014】低温で特性の劣化のない半透過型受光素子
を提供する事が本発明の第1の目的である。低電圧でも
動作する半透過型の受光素子を提供する事が本発明の第
2の目的である。
【0015】本発明の受光素子の原理は受光素子の常識
に反するので理解しにくい。小手先の改良でないからで
ある。受光素子の原理にたち帰って考察しなければなら
ない。それゆえ従来から使われて来た受光素子と半透過
型の受光素子の内部構造を説明し、pn接合と逆バイア
スの意味について原理から説明することにする。
【0016】[A.従来の100%吸収型PDの構造]
従来のInP系の受光素子は図3に示すような層構造と
不純物濃度分布を持っている。感度を上げるためには入
射光を全部吸収しなければならない。光を完全に吸収す
るため厚い受光層(4μm程度)を持っている。そのた
めにある波長より短い波長の全ての光は受光層に吸収さ
れるのである。半導体や絶縁体はそのバンドギャップ
(Eg)より小さいエネルギー(hν)の光を吸収でき
ない(Eg>hν)。その光はエネルギー(hν)が足
らず(hν<Eg)電子を価電子帯から伝導帯にたたき
上げることができないからである。反対にバンドギャッ
プ(Eg)より大きいエネルギーの光(hν>Eg)は
吸収される。その光によって電子を伝導帯に上げること
ができる。つまり電子正孔対を造る事ができるからであ
る。
【0017】受光層(Eg2 )はその他の層つまり基
板、バッファ層、窓層バンドギャップ(Eg1 )に比べ
て狭いバンドギャップを持つ(Eg2 <Eg1 )。受光
層バンドギャップ(Eg2 )よりも高くてその他の層の
バンドギャップ(Eg1 )よりも低いエネルギーの光
(Eg2 <hν<Eg1 )は自由に他の層を透過できる
が受光層で吸収される。
【0018】それで1.3μmや1.55μmの検出の
為の受光素子はInP基板、InPバッファ層、InP
窓層をもち、InGaAsの受光層をもつ。広いバンド
ギャップのInPはこれら1.3μmや1.55μmの
波長の光を全部透過させる。狭いバンドギャップのIn
GaAsは1.3μmや1.55μmを吸収し検出す
る。受光層としてよりバンドギャップの広い四元のIn
GaAsPを使う事もある。これは1.55μmより高
いエネルギーギャップなので1.55μmには感じない
で、1.3μmだけを感受する。
【0019】このように受光層はバンドギャップが低
く、光を電子正孔対に変換する層である。活性層とも呼
ばれるのはそのようなエネルギー変換を行う事ができる
からである。受光層が十分に厚いとそのバンドギャップ
より短い波長の全ての光を吸収することができる。当然
に感度も高い。感度を高めるために受光層を厚くする必
要があった。図3ではInGaAs受光層は4μm厚み
としている。
【0020】受光層の他に重要な要素はもちろんpn接
合である。pn接合がないとフォトダイオードでない。
pn接合は逆バイアスがかかるために必要である。これ
は従来必ず受光層にできるようになっていた。これは当
然のことであった。逆バイアスによって電子正孔対を引
き離すためである。
【0021】n型の素子の場合は、n型半導体層(窓
層、受光層)にp型不純物をドープすることによってp
n接合ができる。p型不純物として亜鉛、カドミウム、
マグネシウムを使う事ができるが、通常は亜鉛Znを熱
拡散してp領域を作る。n型半導体のドナー密度とp型
半導体のアクセプタ密度が均衡した部分が面状にできる
がこれがpn接合である。
【0022】図3は標準(従来の典型的な)InP系フ
ォトダイオードの層の構造と亜鉛の拡散濃度を示す。横
軸が層構造を示し、窓層、受光層、バッファ層、基板と
なっている。縦軸はログスケールの亜鉛濃度である。n
型InP窓層の不純物密度は例えばn=2×1015cm
-3である。n型InGaAs受光層の不純物濃度は例え
ばn=1015cm-3である。n型InP窓層の方から亜
鉛が熱拡散し(イ→ロ)、InGaAs受光層(ロ→
ハ)にまで拡散してゆく。窓層から拡散するから亜鉛の
濃度は窓層から遠ざかるにしたがって低下する。
【0023】p型不純物濃度がもともとのn型不純物濃
度より大きいところはp領域になる。窓層はn=2×1
15cm-3程度のn型不純物があるので亜鉛濃度はそれ
以上高濃度であることが必要である。さらにより低抵抗
にするために高濃度(p>1018cm-3)とする。これ
が高濃度のp+ 領域(A領域)である。窓層と受光層の
境界も高密度p型領域になる。
【0024】n型InGaAs受光層はn型といって
も、もともと不純物密度が低くn=1015cm-3の程度
である。それ以上の亜鉛があればp領域でありうる(B
領域;ロ〜ハ)。受光層の内部でZn濃度pは急激に減
少する。
【0025】拡散した亜鉛拡散の密度pがInGaAs
受光層の内部でp=1015cm-3となる点ハがある。こ
こでn型不純物数とp型不純物数が均衡する。n=pで
ある。これがpn接合である。pn接合は受光層の内部
にできる。
【0026】それより下の受光層では依然n型である
(n>p)。バッファ層や基板には亜鉛が殆ど拡散しな
い。受光層は低密度のn- 型であるから、pn接合の近
傍はp型不純物密度も少ない。電気伝導度を高めて抵抗
を減らす必要があるので、かなりの厚みがある基板はキ
ャリヤ濃度が高い。
【0027】従来の受光素子は受光層が4μmもあって
十分に厚い。pn接合も受光層内部にある。空乏層は受
光層にある。強い電界は空乏層だけにある。
【0028】
外部から長波長の光(hν)が窓層(バンドギャップE
1 )にはいってくると、hν<Eg1 の場合、窓層は
そのまま透過し受光層に至る。受光層バンドギャップE
2 より光のエネルギー(hν)が高い(Eg1 >hν
>Eg2 )と、光はここで電子正孔対を作り出す。でき
たての電子は強い電界によってn側へ、正孔はp側へ引
っ張られるので互いに引き離され再結合できない。電子
正孔がそれぞれn側領域、p側領域へ流れることによっ
て電極に電流が流れる。これが光電流である。ために光
を電流に変えて検出することができるのである。
【0029】電源電圧は空乏層に電界を発生させ空乏層
はpn接合の両側にできる。だからpn接合が受光層に
あるのは強い電界を受光層に存在させ、創成された電子
と正孔を引き離すためである。だからフォトダイオード
において受光層にpn接合があるのは当然なのである。
そうでなければならなかったのである。
【0030】[B.本発明者が先に提案した半透過型受
光素子の構造]図4は本発明者がかつて提案した半透過
型のフォトダイオードの亜鉛拡散濃度を示す。受光層は
低いバンドギャップを持つInGaAsである。InG
aAsの吸収係数をαとすると厚みdを、ln2/α
(lnは自然対数)とすることによって、光の半分を吸
収し半分を透過するようになっている。1.3μmに対
してα=0.99μm-1であるから、厚みd=0.7μ
mとなっている。従来のものの1/6程度の薄いもので
ある。
【0031】n型InP窓層に低抵抗のp型層を形成す
るためには亜鉛の拡散濃度pはかなり高く(p>1018
cm-3)ないといけない。InGaAs受光層は薄い
(0.7μm)のでその内部にpn接合を持ってくる
(n=p)ためには極めて浅い拡散をしなければならな
い。ところが拡散はシャープな分布の切れを作る事がで
きない。受光層の最奥部(リ)にpn接合を作るとして
も窓層と受光層のヘテロ境界(チ)は亜鉛濃度が1018
cm-3より低くなる事もある。すると窓層と受光層のヘ
テロ界面でのp領域は弱いp領域であってバンドギャッ
プの差異が正孔側に現れ易くなる。もっともこれはn型
窓層のn型不純物濃度をもっと下げれば窓層でつねにp
>nとできるので2重の接合ができるのを避ける事はで
きる。
【0032】このようにして作った半透過型フォトダイ
オードは図5のように温度特性が悪い。低温での感度低
下が著しい。特に電源電圧が低いと低温では感度が下が
る。このような事は従来のPDではなかったことであ
る。どうしてであろうか?原因を調べるために本発明者
は、感度を温度の逆数の関数としてプロットした。その
結果が図6である。横軸は1000/T(K-1)であ
る。縦軸は感度の対数である。電源電圧を0V、1V、
2V、3V、4V、5Vにした。データは図5と同一で
あるが横軸を摂氏温度から絶対温度の逆数に変えたもの
である。0V、1V、2V、3Vの時に綺麗な直線にな
る。この勾配から活性化エネルギーΔEd は0.29e
Vである事が分かる。活性化エネルギーというのは現象
の強さの温度依存性が、exp(−ΔEd /kT)と書
ける(kはボルツマン定数)ときに絶対温度Tの分母の
上に乗る分子の価である。もともとはアレニウスがΔの
ポテンシャルの壁をこえる必要がある反応が起こる確率
の温度依存性がこのような形にかけるときにそのエネル
ギーを活性化エネルギーといったものである。
【0033】つまりこの薄い受光層をもつフォトダイオ
ードは0.29eVのポテンシャルの壁を突き抜けて起
こっている現象なのだ、ということである。図6の意味
はそういうことである。何故そのようなポテンシャルの
壁ができるのか?どこにポテンシャルの不連続が生じる
のか?
【0034】本発明者は、半透過型受光素子の温度依存
性が顕著であることの原因を様々の角度から検討調査し
た。温度依存性からこの現象は、0.29eVの活性化
エネルギーを伴うことがわかった。これはいったいなに
か?InPのバンドギャップが1.35eV、InGa
Asのバンドギャップが0.75eVであるので、0.
29eVはその差の半分に近いということに本発明者は
気づいた。InPとInGaAsのヘテロ界面にこのよ
うなエネルギー差が実際に現れるのではないか?先述の
半透過型受光素子では、受光層を薄くししかもpn接合
をInGaAs受光層の中に形成することに重点をおい
た。pn接合はn型不純物濃度をp型不純物濃度が等し
くなる点をつないだ面(p=n)であるが、n型InG
aAs受光層はもともと不純物濃度が低い。
【0035】すると薄い(0.7μm程度)受光層の中
でp不純物の濃度を下げなければならない。Znは熱拡
散するから深さ方向の濃度変化はあまり急峻にはならな
い。するとInP窓層とInGaAs受光層の境界面
(ヘテロ界面)でもZn濃度を高くできない。ヘテロ界
面でのZn濃度は低い。Zn濃度が低いので窓層、受光
層のヘテロ界面にできるポテンシャル障壁にキャリヤが
トラップされるのではないか?と考えられる。そのポテ
ンシャル障壁の高さは、(1.35−0.75)/2=
0.3eV程度と推測される。このヘテロ界面でのポテ
ンシャル障壁をキャリヤが乗り越えるに必要なエネルギ
ーは約0.3eV程度であろう。先述の感度温度特性の
活性化エネルギー0.29eVは、窓層受光層の障壁を
飛び越えるエネルギーにほぼ等しい。温度が下がると熱
運動による擾乱がへるので、ポテンシャルを乗り越える
確率が減るのである。そのために低電源電圧、低温で感
度が低くなるのではないか?と考えた。
【0036】実際にSIMS(Secondary ion microspe
ctroscopy)によってウエハ中の、深さ方向のZn濃度
プロフィルを調べた。従来の厚い受光層を持つ受光素子
については図3のようであった。また本発明者の創案に
なる薄い受光層をもつ半透過型受光素子については図4
のようであった。図3の従来の素子では、窓層(n=1
18cm-3)と受光層(n=1015cm-3)のヘテロ界
面のZn濃度は1018cm-3以上である。それに反して
図4の半透過型素子ではヘテロ界面でのZn濃度は10
18cm-3よりかなり低い。窓層受光層のヘテロ界面で高
濃度のp+ になっていないのである。
【0037】より具体的に説明すると、Znの拡散は、
教科書によく書いて有るように、高濃度の領域p+ が一
様にできるのではない。図3に示すように、高濃度のA
領域が有るが、その後に急激に濃度の減少するB領域が
ある。さらにそのあとに穏やかに尾を引くC領域が存在
する。pn接合は(n=p)は低濃度のC領域ででき
る。ところがヘテロ接合でバンドギャップ差ができる。
バンドギャップ差はキャリヤにとって障壁となる。キャ
リヤ濃度が低かったり低温であったりするとバンドギャ
ップ差を飛び越える事ができない。つまりヘテロ界面の
位置と、A領域、B領域、C領域を上手く配置しない
と、PDは良好に動作しない。薄い受光層にpn接合を
もってくるとどうしてもヘテロ界面のエネルギー障壁が
邪魔になる。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明の受光素子は、半
導体基板、バッファ層、受光層、窓層よりなる受光素子
において、pn接合を受光層でなくバッファ層に設け
る。n型基板にn型バッファ層、n型受光層、n型窓層
よりなるエピタキシャルウエハに、p不純物をドープし
てp領域を造る場合は、窓層、受光層、バッファ層に及
ぶp領域を作製する。n型基板は伝導性を高くするため
n型不純物濃度が高い方がよい。たとえば基板の不純物
濃度はn=1018〜1019cm-3とする。バッファ層は
不純物濃度が低い方が良いので(pn接合を内部に引き
込むため)n=0.5〜3×1015cm-3程度である。
InGaAs叉はInGaAsP受光層のn型不純物濃
度は0.5〜3×1015cm-3の程度とする。n型窓層
はやはり低濃度の方がよいから1〜4×1015cm-3
程度である。窓層はp型になった状態で低抵抗であれば
良くn型不純物濃度は伝導に関係ない。窓層と受光層の
ヘテロ界面でのp型不純物濃度は例えばp=1〜5×1
18cm-3とする。受光層とバッファ層のヘテロ界面で
のp型不純物の濃度は3×1015cm-3以上とする。バ
ッファ層のn型不純物濃度と同じになる(p=n)とこ
ろがpn接合でありこれがバッファ層にあるのだから受
光層・バッファ層界面でのp型不純物濃度(3×1015
cm-3以上)が、バッファ層のn型不純物濃度(n=
0.5〜3×1015cm-3)以上であるのは当然であ
る。
【0039】pn接合がバッファ層にありpn接合の両
側にできる空乏層が受光層にかからないようにする。そ
のためバッファ層はある程度の厚みが必要である。空乏
層は不純物濃度と電圧によるが1μm〜3μm程度には
なるので、バッファ層は3μm以上あることが望まし
い。例えば4μm程度である。InGaAs受光層は、
0.7μmとすると長波長光(1.3μm帯と1.55
μm帯)を半分透過する。厳密に半分でなくても良いの
で、厚みは0.5μm〜0.9μmの程度であるように
する。InGaAsP受光層は、1μmとすると長波長
光(1.3μm帯)を半分透過する。厳密に半分でなく
ても良いので、厚みは0.8μm〜1.2μmの程度で
あるようにする。
【0040】ここでInGaAsとかInGaAsPと
か簡単に書いているが実際にはInP層と格子整合する
のである。三元InGaAsの場合は一意的に組成が決
まる。組成がきまるのでバンドギャップも一つ厳密に決
まる。四元InGaAsPの場合は格子整合だけでは組
成が一義的に決まらない。組成を自由パラメータとする
ことができる。バンドギャップ波長が例えば1.40μ
m〜1.44μmとすることができる。そのように選ぶ
と、1.3μmだけを検出できる。
【0041】本発明は、バッファ層にpn接合を設ける
ところに要点があり基板やバッファ層の伝導型にはよら
ない。p型基板の素子にも適用できる。p型基板にp型
バッファ層、p型受光層、p型窓層を成長させたエピタ
キシャルウェファに、n型不純物をドープする場合は、
窓層、受光層、バッファ層までn型領域にする。つまり
不純物をより深くまでドープする。不純物ドープの方法
は熱拡散でもイオン注入でも良い。要するに不純物を奥
深くまで送り込んでpn接合を受光層でなくバッファ層
に形成するのである。pn接合をバッファ層に形成した
受光素子はもちろん類例がない。pn接合は受光層(活
性層ともいう)に設けるべきものであった。pn接合は
逆バイアス電圧の殆ど全てが掛かるのでこにに強い電界
を生じる。受光層は光を吸収し電子正孔対を生じるがこ
れがそこに存在する電界によって引き離される。それで
光電流が流れるのである。
【0042】本発明はそうでなくバッファ層に電界を作
りながらも、受光層でキャリヤ対を作り出す。逆バイア
ス電界の存在場所(バッファ層)とキャリヤ対生成の場
所(受光層)が異なる。しかし受光層には不純物濃度の
勾配がありこれによって作り付けの電界が存在する。こ
れによって創成されたキャリヤ対が引き離される。だか
ら作り付け電界によって光電流が流れるのである。逆バ
イアス電圧でキャリヤを引き離す従来の受光素子とは全
く異なる原理による受光素子である。
【0043】
【発明の実施の形態】従来の受光素子は必ず受光層にp
n接合がある。薄い受光層を持つ半透過型の受光素子で
は受光層にpn接合を作ると低温で感度が低下する。そ
こで本発明者は発想を転換した。これまでの受光素子は
例外無く受光層の内部にpn接合が存在した。しかしp
n接合は本当にかならず受光層内部にないといけないの
であろうか?どうして従来の受光素子は、受光層にpn
接合を作製したのか?この理由を考察した。
【0044】従来のPD(受光素子)は、高速動作(数
MbpsからGbps)をするために、(a)キャリヤ
を高速で引っ張るための電界を受光層(光吸収層)に集
中させる事、(b)pn接合の上下に空乏層を作りその
厚みを増やす事によって静電容量を下げること、
【0045】を目的としてpn接合を受光層に設けてい
るのである。(a)において、光はバンドギャップの狭
いInGaAs受光層でのみ吸収されここでキャリヤが
生成する。そこに強い電界がないと再結合してしまう。
pn接合は電源電圧の殆ど全てが掛かるので強い電界が
存在する。(b)は容量の問題であるが空乏層の厚みd
が厚いほど容量が減る。空乏層はpn接合にできるが電
圧を増やすほどdが増え容量が減る。そのために受光層
にpn接合を作るのである。しかしながら(b)につい
ては容量を減らすため厚みdを増やしさえすれば良いの
で空乏層が何処にあっても良いはずである。電源電圧を
増やすと空乏層厚みは増え容量が減る。それは空乏層が
どこにあっても変わらない。
【0046】(a)が問題である。光によって電子正孔
対ができたときに強い電界がないと再結合して消滅す
る。強い電界を形成するためにpn接合を逆バイアスす
る必要があった。しかしpn接合逆バイアス以外に電界
を形成できる代替手段が有れば受光層にpn接合がなく
てもよい。そこで図3のB領域でのZn濃度の急な傾斜
に注目した。不純物の濃度勾配が有るという事はここに
なにがしかの電位分布ができて内部電界ができているは
ずである。B領域のような急峻なp型不純物濃度の勾配
によってもキャリヤを加速できるかも知れない。逆バイ
アス電圧による電界に限らず、強い電界が有りさえすれ
ば良いのでそれが不純物濃度勾配によってできるもので
あっても良い。
【0047】もしも濃度勾配によって生成キャリヤを加
速できるものならばB領域を受光層につくり、pn接合
はより下のバッファ層に押しやっても差し支えない。そ
のはずである。pn接合と空乏層をバッファ層に追いや
った構造の受光素子では、つぎのような現象で電流が流
れるはずである。フォトン一つが受光層に入ると電子正
孔対ができる。電子はバッファ層へ進むが空乏層、pn
接合に至りここで強電界にであってさらに加速され高速
でバッファ層を横切る。そして高濃度で低抵抗のn型I
nP基板に到達する。
【0048】一方正孔はp側にすすみp+ 領域に到達す
る。正孔はpn接合による加速を受けない。pn接合を
バッファ層に移動させるのが主な目的ではない。そうで
なくてInP窓層と、InGaAs受光層のヘテロ境界
面のZn濃度を増やすのが目的である。pn接合をより
深くバッファ層にもってくると、ヘテロ界面のZn濃度
をより高くする事ができる。1018cm-3以上のZn濃
度にできる。界面での不純物濃度が高いと低抵抗になり
正孔がギャップにトラップされなくなる。正孔がここの
0.29eVのギャップを容易に飛び越える事ができる
ようになれば、図5のような低温での感度劣化という問
題が克服できるはずである。
【0049】窓層受光層ヘテロ界面にポテンシャル障壁
ができるが、従来はここでのp型不純物濃度が高いので
キャリヤが障壁を乗り越えていたのである。ところが半
透過型受光素子でpn接合を薄い受光層にもってくる
と、ヘテロ界面でのp型不純物濃度が低くなり障壁をこ
える事が難しい。ところがpn接合をより深くバッファ
層に押し込むとヘテロ界面のZn濃度が十分に高くなり
ポテンシャル障壁を容易にこえる事ができるようにな
る。そのような予想に基づいて本発明がなされている。
【0050】本発明は、バッファ層にpn接合を、受光
層には不純物濃度勾配による内部電界を形成する。これ
によって低温、低電圧でも感度が低下しない半透過型の
受光素子を提供する。
【0051】また、ヘテロ界面でのポテンシャル障壁を
直接に低くする手段として、三元系のInGaAsの替
わりに、四元系のInGaAsPを受光層とすることも
有効である。InGaAsPはバンドギャップ波長λg
が1.42μmとなるように組成を選ぶとバンドギャッ
プEgが0.87eVであるから、InP(Eg=1.
35eV)との差の半分は0.24eVである。障壁が
0.29eVから0.24eVに減る。障壁の高さその
ものが減るので温度特性が改善される。
【0052】但しInGaAsP(Eg=0.87e
V)を受光層にすると、InGaAsP(Eg=0.7
5eV)にくらべて、0.75〜0.87eVの光に対
する感度がなくなる。1.55μmを感じなくなるが、
1.3μm帯だけの受光素子とする場合は差し支えな
い。本発明の受光素子は低温で感度低下しないで良好に
機能するがどうしてそうなるのか?動作を理解するため
に解決しなければならない問題は二つある。一つは逆バ
イアスの替わりに電子正孔対を加速する電界は何処から
くるのか?ということである。もう一つは、バッファ層
にpn接合を置く事によってどうして温度特性が改善さ
れるのか?と言う事である。
【0053】[A.受光層にできる作り付けの(内蔵)
電界]本発明の受光素子において、受光層にはpn接合
がないので逆バイアスが受光層に掛からない。しかし受
光層にはZn濃度の急激な変化がある。p不純物によっ
てアクセプタレベルができるがこれの濃度に勾配がある
とフェルミレベルに勾配ができる。フェルミレベルの勾
配は電子や正孔に対してポテンシャルの勾配になる。フ
ェルミレベルの勾配が作り付けの電界を与えるのであ
る。フェルミレベル勾配がそれほど大きい電界を形成す
るのか?これが問題である。図12は伝導帯、価電子帯
の間にある禁制帯のなかにあるフェルミレベルEfが、
アクセプタ濃度Naによってどのように変動するかを示
すグラフである。真性半導体の場合は禁制帯の大体半分
の高さにフェルミレベルがある(電子正孔の有効質量の
比の対数が入る)。p型半導体の場合はアクセプタレベ
ルと価電子帯Evの間にフェルミレベルがある。それで
アクセプタ濃度(p型不純物)を増やすとフェルミレベ
ルEfが減少する。その依存性は
【0054】 Ef=Ev−kTln{2(2πmkT/h23/2 /Na } (1)
【0055】mは正孔の有効質量、hはプランク定数、
Tは絶対温度である。対数の中にある値はほとんどが定
数であり不純物濃度Na だけが変数である。Na がp1
からp2 に変動すると、
【0056】 ΔEf=kTln{p2 /p1 } =0.0257ln{p2 /p1 } (2)
【0057】というフェルミエネルギーの変化がある。
例えばInGaAsP受光層は1μmという薄いもので
あるが、はじめの0.5μmでp1 =1018cm-3から
2 =1016cm-3までZn濃度が低下したとする。こ
の0.5μmの間でのフェルミレベルの低下分ΔEf
は、温度が25℃のとき(T=298K)
【0058】 ΔEf12=0.118eV (3)
【0059】である。InGaAsP中の後半の0.5
μmでは、p2 =1016cm-3からp3 =5×1015
-3に変化するとしてフェルミレベルの低下分は
【0060】 ΔEf23=0.0178eV (4)
【0061】となる。それぞれ0.5μmの厚みである
から電界強度はこれらを0.5μmとeで割って、 前半部 E1 =2360V/cm (5) 後半部 E2 = 356V/cm (6)
【0062】である。受光層は本発明の受光素子ではp
領域にある。光によって電子正孔対ができたとして正孔
は多数キャリヤである。多数キャリヤはそのままp電極
に流れる。個々のキャリヤの速度は動作速度に殆ど関係
しない。電子は少数キャリヤになる。これがn側半導体
まで流れることによって光電流が流れる。少数キャリヤ
の速度が遅いと再結合によって消えるので感度が悪い。
ところが受光層は薄くてかつ電子のモビリティはμ=5
000cm2 /Vsecと高い。d1 、d2 を通過する
のに要する時間τd1、τd2は、
【0063】 前半部 τd1=4.2 psec (7) 後半部 τd2=28 psec (8)
【0064】である。電子は受光層からバッファ層の方
へ流れてn領域に入り多数キャリヤとなるので、前半部
でできた電子はτd1+τd2の時間だけ掛かってバッファ
層に入る。約30psecでn領域までいたるので10
GHzの応答速度を有する。受光層のみの遮断周波数f
c(応答出力が−3dB低下する周波数)を求めると、
【0065】 fc=2.78/2π(τd1+τd2)=13GHz (9)
【0066】となる。受光層の遮断周波数が13GHz
であるから、10GHzに応答することが確認された。
【0067】上の例は、d1 =0.5μm、d2 =0.
5μmとしたが、より拡散が急であって、d1 =0.2
μm、d2 =0.8μmとすると、 前半部 τd1= 1.7 psec (10) 後半部 τd2=45 psec (11) となる。合計のトランジット時間は46.7psecで
あり遮断周波数は9.1GHzとなる。これでも10G
Hzに近い応答速度を有する。
【0068】通常の受光素子ではpn接合の空乏層に掛
かる逆バイアスによって加速する。本発明の作り付け電
界による加速と、従来の受光素子の空乏層での加速と比
較する。空乏層の厚みは逆バイアス(電源電圧)と不純
物濃度に依存するが例えば5V印加の時、空乏層厚みは
3μm程度である。空乏層の電界は、1.6×104
/cm程度である。(5)(6)の作り付け電界に比較
して大きい。空乏層の通過時間τ3
【0069】τ3 =3×10-4/[{5/(3×1
-4)}×5000]=3.6psec
【0070】である。同じように遮断周波数を求める
と、fc=120GHzになる。本発明の半透過型受光
素子の受光層の遮断周波数は10GHz程度でこれに比
べて約1/10に過ぎない。しかし通常の数10Mbp
sから数Gbpsのデジタル通信には本発明の受光素子
で十分に間に合う。受光層での電子の運動は以上のよう
である。
【0071】つぎにInPバッファ層の空乏層での電子
の運動について考える。逆バイアス電圧が2Vとする
と、空乏層が2μmと仮定して、電界は10000V/
cmである。電子の通過(トランジット)時間はτ4
4psecである。遮断周波数fc=110GHzとな
る。電子はバッファ差の空乏層を4psecで通過し遮
断波長は110GHzであるから、先ほどの受光層での
応答速度10GHzの妨げにならない。またバッファ層
の空乏層以外の部分はn型でありここでは電子は多数キ
ャリヤになるから移動速度を考慮しなくて良い。
【0072】むしろバッファ層の動作で応答速度を限定
するものは、接合容量である。接合容量と負荷抵抗の積
CRが時定数であるが、2πCRの逆数が遮断波長を与
える。実施例の受光素子は受光径が140μmであるか
ら、pn接合の静電容量Cj=2pF(Vr =2V)と
なる。増幅器の入力抵抗を1kΩとすると、この場合の
遮断周波数fcは
【0073】 fc=1/(2πCj R)=79.6MHz (12)
【0074】となる。この応答速度はデジタル通信では
100Mbpsまで使える速さである。これは負荷抵抗
を1kΩと仮定しているが、そうではなくて負荷抵抗を
50Ωとすると遮断周波数は1.6GHzとなる。
【0075】[B.拡散電流の可能性] 先ほど述べた
受光層での電子運動の駆動力はフェルミレベルの曲がり
による電界(内蔵電界)であった。つぎに拡散による電
子運動の可能性について考える。つまり受光層で電子正
孔対が沢山できるが窓層に近い方から光が入るので電子
濃度の勾配ができる。濃度勾配があれば拡散電流が流れ
る。InGaAsの中での電子の拡散係数は、Dn =2
59cm2 /secである。拡散電流の遮断周波数f
diffは、
【0076】 fdiff=2.4Dn/2πd2 (13)
【0077】である。d=1μmであるから、fdiff
9.9GHzとなる。これはフェルミ面の彎曲による電
界作用によるものよりも遅い。しかしそれでもデジタル
通信において100Mbpsの信号速度には十分に使用
できる。InGaAsPの場合は、InGaAsよりD
nが小さい。だから遮断周波数は9GHzより低いがそ
れでも100Mbpsの通信速度であれば受信機受光素
子として十分に使える。
【0078】つぎに受光層で電子が再結合しない理由に
ついて説明する。逆バイアスに比べて弱い電界であるか
ら光によって作られた電子正孔対のうち電子が受光層で
どうして吸収されないのか?これが問題である。p+
領域のトランジット時間は4.2psecである。p層
での電子のライフタイムは200psec(InGaA
sの例)である。p+ 層で生じた電子はp層を29ps
ecで通過する。ライフタイムの約1/10であるから
再結合しない。フェルミ準位の勾配による電界であって
も十分に電子を加速できるから再結合損失は少ないので
ある。
【0079】バッファ層にpn接合があり、受光層はp
型になっている半透過型の受光素子についてつぎのよう
な結論が得られる。 Znの濃度プロフィルから生じる内蔵電界によるフ
ォトキャリヤのドリフトで、遮断周波数が10GHz程
度になることが説明される。 受光層が1μm程度でごく薄いために、拡散電流と
考えても10GHz程度の応答速度が得られることの説
明ができる。 実使用時は、プリアンプの実質的な入力抵抗1kΩ
と、容量Cj =2pFの積で決まる遮断周波数80MH
zによって律速される(入力抵抗を下げるとこの値は大
きくなる)。 p層で発生したファトキャリヤは、内蔵電界によっ
て加速され、少数キャリヤのライフタイムよりも1桁短
い時間でp層を抜けて行き光電流になる。 結論として、受光層をp型に変換し、高速に動く電
子だけを考慮すればよいデバイス構造になっているので
本発明の半透過型PDが高速動作するのである。
【0080】[C.低温での温度特性が改善される理
由]本発明の受光素子は受光層をp型にしてしまってい
る。pn接合をバッファ層に押し込めることによって薄
い受光層を全部p型にすることができる。本発明の受光
素子の温度特性は図11に示すように−20℃でも感度
が殆ど低下しない。図5、図6のものと比べると特性改
善が一目瞭然である。それでは本発明の受光素子は何故
に低温で劣化しないのか?これが残された問題である。
それは半導体のバンド構造の変化を考察しなければなら
ない。
【0081】図14は図3に示すような厚い受光層をも
つ標準的な受光素子のバンド構造を示す。受光層の厚み
(4μm)が空乏層の厚み(2〜3μm)より広いとす
る。p層が左、n層が右に書いて有る。空乏層の厚みを
stとする。受光層の厚みをefとする。受光層はIn
GaAs又はInGaAsPで、両側の(窓層、バッフ
ァ層)よりもバンドギャップが小さいのでバンドに不連
続ができる。従来の受光素子では空乏層stが受光層e
fに含まれる。
【0082】窓層受光層の境界e点を考える。ここはp
領域であるから価電子帯に不連続ができない。受光層窓
層は価電子帯が滑らかにつながる。レ点では伝導帯にギ
ャップがありこれはInP窓層(1.35eV)と受光
層のバンドギャップに等しい。受光層がInGaAs
(0.75eV)であれば、レ点でのギャップは0.6
eVである。受光層がInGaAsP(0.87eV)
であればギャップは0.48eVである。
【0083】空乏層stには電荷を失ったp型とn型不
純物があるのでバンドが降下する。伝導帯はソツ間で低
下し、価電子帯はネナ間で低下する。受光層とバッファ
層のもう一方の境界fはn領域であるから伝導帯は連続
し、価電子帯は非連続になる。ラ点で価電子帯にギャッ
プが生じる。受光層がInGaAsの時は0.6eVで
ある。これは逆バイアスを少し掛けた状態でありp領域
では正孔があり、n領域では電子が存在する。受光層で
光が電子正孔対を作り出すと電子は逆バイアスの掛かっ
た勾配ソツを滑ってn領域の電子の海に入る。正孔はナ
ネを滑って正孔の海にはいる。ギャップレ、ラは経路上
にないから何等邪魔にならない。
【0084】図15は本発明者が先願で提案した半透過
型のPDのバンド図である。受光層は0.7μmとか1
μmの程度で極薄く、空乏層stより狭い。空乏層で価
電子帯テエケマ、伝導帯ムウクヤが傾斜する。逆バイア
スが掛かっているからp領域には正孔が、n領域には電
子がある。受光層はバンドギャップが狭くて、両側の窓
層、バッファ層はバンドギャップが広いので、境界ef
でバンドにギャップができる。ところが受光層は空乏層
中に有るからフェルミレベルが禁制帯のほぼ中央にあり
その両側も空乏層であるからフェルミレベルが禁制帯中
央にある。ためにギャップが伝導帯と価電子帯に半分づ
つ配分される。伝導帯にはウノ、オクのギャップがあ
る。これは0.3eVの程度である。価電子帯はエコ、
フケのギャップがある。これも0.3eVである。
【0085】光が入射すると受光層で価電子帯から伝導
帯へ電子が上げられる。電子は井戸型ポテンシャルであ
るウノオクに溜まる。正孔も井戸型ポテンシャルである
ケフコエに溜まる。そこまでは同じであるが、ここから
電子正孔について非対称性がある。電子は有効質量が小
さく平均自由行程が長く緩和時間が長くモビリティが高
い。ために運動エネルギーを得易い。それで0.3eV
の壁を易々と越えて流れる。正孔は有効質量が大きく平
均自由行程が短くモビリティが低く緩和時間が短い。た
めにポテンシャルの傾斜にそって流れてもすぐに衝突し
てエネルギーを失う。そのために0.3eVの壁コエを
飛び越える事が難しい。温度が高いと壁コエを飛び越え
ることもできるが低温になると壁コエを飛び越える事が
できない。正孔がp領域に流れなくても電子が流れるか
ら差し支えないのではないか、と思うがそうでない。正
孔がコエの壁に遮られて流れないと、電子正孔対がどん
どんできても電子が高密度の正孔と再結合して電子も流
れにくくなる。これが図5、図6に現れた低温での感度
低下の原因である。活性化エネルギー0.29eVの温
度依存性は、正孔が0.3eVの障壁に遮られることに
よるのである。
【0086】図16は本発明の受光素子のバンド図であ
る。空乏層stが受光層efから右方向にずれる。受光
層の左側のヘテロ界面はp領域にはいるから価電子帯セ
モは連続である。代わりに伝導帯はアサ、キユの非連続
ができる。両側のInPとのバンドギャップ差んに応じ
た段差ができる。段差はInGaAsの場合約0.3e
Vである。空乏層の端が受光層とバッファ層のヘテロ界
面に掛かっているから、伝導帯段差ユキは0.3V、価
電子帯段差モヒも0.3Vである。サキ、セモはZn濃
度勾配によるフェルミレベル勾配で傾いている。空乏層
コミ、ユヒは、中和されないp型n型不純物の為に傾い
ている。逆バイアスのためにp領域には正孔が、n領域
には電子が存在する。受光層で価電子帯の電子が光によ
って伝導帯に引上げられる。同時にできた正孔ははじめ
から多数キャリヤであるからp電極に向かう電流を引き
起こす。ポテンシャル勾配によってそのまま流れてしま
う。図15の壁コエのように、正孔が捕らえられて電流
を制限すると言うような事がない。電子の方は井戸型ポ
テンシャルであるアサキユに捕捉される。しかし電子は
有効質量が小さく(自由電子質量の0.08倍程度)、
モビリティが大きく(5000cm2 /Vsec)、平
均自由行程lが長く、加速されやすい。ためにギャップ
を乗り越えられるエネルギーを電界から得る事ができ
る。これによってギャップ高さユキを乗り越えることが
できる。電子は空乏層ユミ間で加速されてn領域に入
る。このように正孔の流れがポテンシャルギャップによ
って妨げられないから、温度特性が改善されるのであ
る。受光層がp領域にあるので正孔の運動に問題がなく
なるのである。
【0087】
【実施例】図7に示すように、基礎吸収端波長がλg=
1.42μmであるInGaAsP四元層にした受光層
を持つ実施例を説明する。これは1.3μmに対して5
0%の透過率をもたせるために厚みを1μmとする。I
nGaAsを受光層とする場合は、透過率を50%〜3
0%にするため厚みを、0.5μm〜0.9μmにする
必要がある。それ以外は同様であるので以下InGaA
sPについて説明する。
【0088】図3の従来例の層厚み、不純物分布と比較
すれば本発明の考え方が良く理解されよう。受光層を薄
くしたのが本発明の特徴の一つであるが、受光層が薄く
なった分バッファ層をより厚くし、バッファ層にpn接
合が確実に形成されるようにする。
【0089】まず図7の構造を具体化した、図8により
具体的な透過型PDの構造を示し、その製造手順を図9
に示す。 (1)硫黄Sを添加したn型InP基板(厚み350μ
m、キャリヤ濃度n=5×1018cm-3)31の上に、
クロライドVPE法によって、InPバッファ層32
(厚み4μm、n=1×1015cm-3)、InGaAs
P受光層33(厚み1μm、n=1×1015cm-3)、
InP窓層34(厚み2μm、n=2×1015cm-3
をエピタキシャル成長させた。
【0090】(2)つぎにSiN膜35によってエピタ
キシャルウェファを被覆した。フォトリソグラフィによ
って、SiN膜の素子中央部と周辺部に窓を明けた。残
ったSiN膜はパッシベーション膜となる。SiN膜を
マスクとしてZn拡散して、素子の中央部にp+ 領域3
6と周辺部にp+ 領域37を生成した。n型不純物とp
型不純物が釣り合う部分がpn接合である。中央部のp
n接合38と周辺部のpn接合39ができる。
【0091】(3)Zn拡散は、閉管法によった、原料
はZn、As、Pである。拡散条件は600℃、14分
である。中央のp領域は受光部である、周辺のp領域
は、周辺部に入射した光がフォトキャリヤを生成しても
それが受光部に流れ込まないようにするためのものであ
る。拡散遮蔽領域と呼ぶ。これによって周辺部に入射し
た光による遅れを防ぐことができる。
【0092】図10に1素子分の平面図を示す。中央部
には受光面50があり、その廻りにp電極40がある。
これは単純な円形でない。ワイヤをボンドするためのパ
ッドが一部にあるからである。さらにその廻りをパッシ
ベーション膜のパターン51がある。その外側は拡散遮
蔽領域52である。
【0093】(4)拡散時に、InPのモニタ基板を横
に配置して、Zn拡散深さを調べた。A領域(p>10
18cm-3以上)とB領域(p<1018cm-3)の折れ曲
がり点(p=1018cm-3)が丁度InP窓層とInG
aAsP受光層のヘテロ界面に(深さ2μm)に合致す
る事が分かった。図7にエピタキシャルウェファのZn
分布を示す。これは完成したPDチップのSIMS測定
から求めたものである。またキャリヤ濃度と深さの関係
(n−dプロフィル)からpn接合はバッファ層の中に
形成されていることを確認した。
【0094】(5)その後、p領域36の上にp側電極
(AuZn系)40をリング状に形成した。InP基板
31は裏面研磨して厚みを100μmに減らした。光学
長を短くして後方の半導体レ−ザ光をファイバに結合し
易くする為である。InP基板31の裏面にはリング状
にn側電極42(AuGeNi系)を形成した。p側電
極40によって囲まれる受光部には反射防止膜41を被
覆した。これはSiONのλ/4膜である。n側電極で
囲まれる領域にも同じように反射防止膜43を被覆し
た。
【0095】(6)こうして完成したPDチップをパッ
ケージにAuSn半田によってダイボンドした。電極と
ピンの間を直径20μmのAu線によってワイヤボンデ
イングした。さらに、レンズを用いてPDとシングルモ
ードファイバとを光学的に結合させピグテール型のPD
モジュールを完成した。
【0096】(7)このPDモジュールの温度特性を測
定した。その結果を図11に示す。電源電圧が2Vであ
る場合を示す。2Vの場合図5のものは25℃から感度
が著しく低下し始めたが、本発明の場合は、25℃から
の低下はない。−40℃の低温でも十分な感度をもって
いる。25℃で0.47A/Wであり、−45℃でも
0.46A/Wである。−40℃〜+80℃で、0.4
6A/W〜0.49A/Wという極めて安定した感度特
性を示した。また静電容量も2Vで2.0pFと極めて
低い。50Mbpsの通信には十分な特性であった。
【0097】
【発明の効果】半透過型の受光素子であるから光カプラ
が不要なピンポン伝送型の光通信システムを構築でき
る。半透過型の受光素子自体が本発明者の創案になる新
規なものである。受光層にpn接合を持つ半透過型受光
素子は図5に示すように温度特性が悪いが本発明の半透
過型受光素子は低温でも感度が下がらない。バッファ層
にpn接合を位置させるからである。屋内だけでなくて
屋外設置の光加入者系の受信機にも適用する事ができ
る。ますます安価に光通信を実用化する道を開くもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】時分割双方向光通信の為の概略構成図。
【図2】本発明者が以前に創作した半透過型の受光素子
モジュールの断面図。
【図3】従来の厚い受光層をもつ受光素子の層構造とZ
n拡散濃度の図。
【図4】本発明者が創作した半透過型の受光素子の層構
造とZn拡散濃度の図。
【図5】本発明者が創作した半透過型受光素子の電源電
圧をパラメータとする受光感度の温度依存性を示すグラ
フ。
【図6】本発明者が創作した半透過型受光素子の電源電
圧をパラメータとする感度の温度変化を示すグラフ。
【図7】本発明にかかる半透過型受光素子の層構造とZ
n拡散濃度分布図。
【図8】本発明の半透過型受光素子の断面図。
【図9】本発明の半透過型受光素子の製造工程を示す
図。
【図10】本発明の受光素子のチップ平面図。
【図11】本発明の受光素子の感度の温度依存性を示す
グラフ。
【図12】アクセプタ濃度によってp型半導体のフェル
ミレベルが変化する事を示すグラフ。横軸はp型不純物
濃度、縦軸はフェルミレベルを表す。
【図13】本発明の受光素子の受光層に於けるアクセプ
タ濃度分布図。受光層は1μmの厚みであるが前半の
0.5μmは高濃度p+ 後半の0.5μmは低濃度であ
る。
【図14】厚い受光層の中にpn接合を形成して、空乏
層が受光層のなかに含まれる従来から標準品として製造
される受光素子のバンド図。
【図15】薄い受光層の中に、pn接合を形成して、空
乏層が受光層を含むような層構造となっている半透過型
のPDのバンド図。
【図16】薄い受光層はp領域にあり、空乏層がバッフ
ァ層の中にある本発明の受光素子のバンド図。
【符号の説明】
31 n−InP基板 32 n−InPバッファ層 33 InGaAs受光層 34 n−InGaAs層 35 パッシベーション膜 36 p+ −InP窓層 37 拡散遮蔽層 38 中央のpn接合 39 周辺部のpn接合 40 p側電極 41 反射防止膜 42 n側電極 43 反射防止膜
フロントページの続き (72)発明者 寺内 均 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (56)参考文献 特開 平1−205477(JP,A) 特開 平9−269440(JP,A) 特開 平4−246867(JP,A) 特開 平6−326344(JP,A) 特開 平2−262379(JP,A) 特開 昭60−110177(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/10

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型InP基板と、その上にエピタキシ
    ャル成長されたキャリヤ濃度が0.5〜3×1015
    −3のn型InPバッファ層、キャリヤ濃度が0.5
    〜3×1015cm−3で厚みが0.5μm〜0.9μ
    mのn型InGaAs受光層、n型InP窓層と、窓層
    の側からマスクを介してp型不純物を拡散することによ
    ってInP窓層、InGaAs受光層を通り、InPバ
    ッファ層までに達するように形成されInPバッファ層
    の一部を含むp領域と、InPバッファ層の内部に形成
    されたpn接合と、InP窓層のp領域の上に形成され
    たp電極と、n型InP基板に形成された光を通すため
    の開口部を有するn電極とよりなることを特徴とする受
    光素子。
  2. 【請求項2】 n型InP基板と、その上にエピタキシ
    ャル成長されたキャリヤ濃度が0.5〜3×1015
    −3のn型InPバッファ層、キャリヤ濃度が0.5
    〜3×1015cm−3で厚みが0.8μm〜1.2μ
    mのn型InGaAsP受光層、n型InP窓層と、窓
    層の側からマスクを介してp型不純物を拡散することに
    よってInP窓層、InGaAsP受光層を通り、In
    Pバッファ層までに達するように形成されInPバッフ
    ァ層の一部を含むp領域と、InPバッファ層の内部に
    形成されたpn接合と、InP窓層のp領域の上に形成
    されたp電極と、n型InP基板に形成された光を通す
    ための開口部を有するn電極とよりなることを特徴とす
    る受光素子。
  3. 【請求項3】 p型不純物が亜鉛Znである事を特徴と
    する請求項1又は2に記載の受光素子。
  4. 【請求項4】 n型InP基板のキャリヤ濃度がn=1
    〜10×1018cm−3であり、InP窓層のキャリ
    ヤ濃度がn=1〜4×1015cm−3であることを特
    徴とする請求項1〜3の何れかに記載の受光素子。
  5. 【請求項5】 受光部の外側にも、亜鉛拡散により別異
    のpn接合を形成したことを特徴とする請求項4に記載
    の受光素子。
  6. 【請求項6】 Znの拡散によるキャリヤ濃度がInP
    窓層と、InGaAs若しくはInGaAsP受光層と
    の界面において、1〜5×1018cm−3であること
    を特徴とする請求項5に記載の受光素子。
  7. 【請求項7】 Znの拡散によるキャリヤ濃度が、In
    GaAs受光層又はInGaAsP受光層と、InPバ
    ッファ層との界面において、3×1015cm−3以上
    であることを特徴とする請求項6に記載の受光素子。
  8. 【請求項8】 InGaAsP層の組成がバンドギャッ
    プ波長にしてλg=1.40μm〜1.44μmである
    ことを特徴とする請求項2に記載の受光素子。
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