JP3484955B2 - 引き戸の構造 - Google Patents

引き戸の構造

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JP3484955B2
JP3484955B2 JP31404197A JP31404197A JP3484955B2 JP 3484955 B2 JP3484955 B2 JP 3484955B2 JP 31404197 A JP31404197 A JP 31404197A JP 31404197 A JP31404197 A JP 31404197A JP 3484955 B2 JP3484955 B2 JP 3484955B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、引き戸の構造に
関し、詳しくは引き戸の端面に錠機構が装着される凹所
が形成された引き戸の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、引き戸の場合は開き戸と違っ
て、すべての引き戸に錠機構を取付ける必要がなく、例
えば洗面所用引き戸のように錠機構を必要とするもの
と、錠機構を必要としないものとがある。そこで、従来
では、引き戸に錠機構を取付けたタイプのものと、錠機
構を取付けないタイプのものを別々に作製し、用途に応
じて引き戸の種類を選択するようにしているため、引き
戸の生産性が悪く、コストが高くつき、商品管理が複雑
化するなどの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来例
に鑑みてなされたもので、1種類の引き戸でありながら
錠機構を取付けた場合と取付けない場合との選択が可能
であると共に、錠機構を取付けない場合でも、引き戸の
端面の外観を良好に保つことができる引き戸の構造を提
供することを目的とし、また、穴隠しプレートと表面化
粧材との外観上の一体感を得ることができる引き戸の構
造を提供することを目的とし、さらに、操作用引手と通
常の引手部材との交換が容易にできる引き戸の構造を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、引き戸1の端面1aに鎌錠用凹所3が形
成されると共に引き戸1の前面に引手用凹所4が形成さ
れた引き戸の構造であって、引手用凹所4を鎌錠用凹所
3内に連通させ、引き戸1を固定するため鎌錠2aと鎌
錠用凹所3を塞ぐための穴隠しプレート5とが鎌錠用凹
所3に選択的に装着され、鎌錠2aを操作する操作手段
10を備えた操作用引手11と操作手段10を有しない
通常の引手部材とが引手用凹所4に選択的に装着された
ことを特徴としている。このように構成することで、錠
機構2を必要としない場合には、鎌錠用凹所3内に穴隠
しプレート5を装着することにより、穴隠しプレート5
によって鎌錠用凹所3を塞いで、外観を良くすることが
できる。また、穴隠しプレート5を取外すことで、錠機
構2としての鎌錠2aとの交換が容易にできるようにな
る。また引手用凹所4に操作用引手11を取付けること
により、鎌錠用凹所3内の鎌錠2aと操作用引手11の
操作手段10とを鎌錠用凹所3内部で連結可能となり、
また操作用引手11を引手用凹所4から取外すことで、
操作手段10を持たない通常の引手部材との交換も容易
となる。従って、1種類の引き戸でありながら、錠機構
2を取付けた場合と取付けない場合との選択が可能とな
るので、従来のように別々に作製したりする必要がなく
なり、引き戸の生産性が向上し、コストを低減できると
共に、商品管理を楽に行うことができる。
【0005】上記引き戸1の端面1aに表面化粧材9が
設けられ、錠機構2が装着される凹所3に穴隠しプレー
ト5が装着されたときには穴隠しプレート5の表面5a
が表面化粧材9と略面一に形成されるのが好ましく、こ
のように構成することで、穴隠しプレート5と表面化粧
材9との間に外観上の一体感が得られるようになり、引
き戸1の端面1aの外観が一層良好となる。
【0006】
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の一例を
説明する。引き戸1は、例えば図2に示すように、左右
の縦框14,15と上框16と下框17とで構成された
枠部18に面材19を取付けて構成されており、引手側
の縦框14には、錠機構2である鎌錠2aが装着され
鎌錠用凹所3と、引手用凹所4とがそれぞれ形成されて
いる。鎌錠用凹所3は引き戸1の端面1aに開口してお
り、引手用凹所4は引き戸1の前後両面にそれぞれ開口
していると共に、各引手用凹所4が鎌錠用凹所3内にそ
れぞれ連通している。
【0008】引手用凹所4は、図1に示すように、上下
方向に長い長孔状に形成されており、鎌錠2aを操作す
るための操作手段10を備えた操作用引手11又は通常
の引手部材(図示せず)のいずれか一方がネジ12で固
定されるようになっている。例えば操作用引手11は、
図1(c)に示すように、前面に手掛け用凹部20と操
作レバー10aとを備えた本体部21と、本体部21の
外周に突出してネジ12で引手用凹所4内に固定される
つば部22とから成る。一方、図示省略した引手部材
は、操作レバー10aを備えておらず、この点を除いて
他の構造は操作用引手11と同様であり、これにより引
手用凹所4内には引手部材又は操作用引手11のいずれ
か一方が選択自在に取付けられるものである。なお、操
作手段10として、操作レバー10aを例示したが、も
ちろんこれに限定されるものではなく、例えば押し釦等
であってもよいものである。
【0009】一方、鎌錠用凹所3は、引き戸1の端面1
aにおける引手用凹所4と略同じ高さ位置に形成されて
おり、例えば図4に示すように、引き戸1の端面1aを
構成する表面化粧材9よりも段落ちした上下方向に長い
係止段部23と、係止段部23の略中央部から更に段落
ちした挿入孔部24とで構成されている。挿入孔部24
は、小径孔部24aと大径孔部24bとから成り、この
大径孔部24bの前面壁が鎌錠用凹所3を塞ぐための穴
隠しプレート5の係止面24cとなっており、これによ
り鎌錠用凹所3内に穴隠しプレート5が着脱自在に取付
けられるものである。さらに、大径孔部24bの前後両
側は上記引き戸1の前後両面に開口した引手用凹所4内
にそれぞれ連通しており、これにより鎌錠用凹所3内に
鎌錠2aを嵌め込んだときには、引手用凹所4に取付け
られた操作用引手11の操作レバー10aと鎌錠2aの
駆動部とが接続可能となっている。
【0010】ここで、穴隠しプレート5は、鎌錠用凹所
3内に差込みによって着脱自在に装着されるものであ
り、例えば合成樹脂製から成り、図3及び図4(b)に
示すように、鎌錠用凹所3の係止段部23に係止されて
鎌錠用凹所3全体を塞ぐためのプレート部6と、プレー
ト部6の裏面から突出して鎌錠用凹所3の挿入孔部24
に挿入される撓み自在な一対の脚部7と、一対の脚部7
の各先端部から互いに離れる方向に屈曲した一対の円形
状の係止凸部8とで構成されており、各脚部7を鎌錠用
凹所3の挿入孔部24に差し込むことで、各係止凸部8
が大径孔部24bの係止面24cにそれぞれ係止して、
穴隠しプレート5を鎌錠用凹所3内に係止できるもので
ある。ここで、穴隠しプレート5と表面化粧材9との外
観上の連続性を得るためには、鎌錠用凹所3に穴隠しプ
レート5を装着したときには穴隠しプレート5のプレー
ト部6の表面と表面化粧材9の表面9aとを略面一にす
るのが望ましい。さらにプレート部6の表面を表面化粧
材9と同じ材質としたり、或いは同じ色に着色したりし
てもよいものである。
【0011】一方、鎌錠2aは、図1(b)に示すよう
に、鎌錠用凹所3の係止段部23に固定されるプレート
部30と、プレート部30の裏面から突出して鎌錠用凹
所3の挿入孔部24に挿入される鎌錠本体31とで構成
されており、鎌錠本体31を挿入孔部24内に挿入した
状態でプレート部30を鎌錠用凹所3の係止段部23に
ネジ13で締め付けることで、鎌錠2aを鎌錠用凹所3
内に固定できるものである。
【0012】しかして、鎌錠2aを必要としない場合に
あっては、図4(b)に示すように、鎌錠用凹所3内に
穴隠しプレート5の一対の脚部7を差し込む。このと
き、撓み自在な各脚部7の先端に設けた一対の係止凸部
8が挿入孔部24の小径孔部24aの内面に沿って摺接
し、プレート部6が係止段部23に当たるまで穴隠しプ
レート5を差し込むと係止凸部8が挿入孔部24の大径
孔部24bに挿入されて各脚部7が広がり、係止凸部8
が係止面24cにカチッと係止して、穴隠しプレート5
が鎌錠用凹所3に抜け止め固定されると同時に、穴隠し
プレート5のプレート部6によって鎌錠用凹所3全体が
塞がれるようになる。従って、引き戸1の端面1aの外
観を良好に保つことができるようになり、さらに鎌錠用
凹所3内にゴミや埃等が溜まって見苦しくなるという問
題も生じなくなる。またこのとき、穴隠しプレート5の
表面5aは表面化粧材9の表面9aと略面一(両表面5
a,9aが面一の場合だけでなく、図4(b)のように
表面5aが表面9aよりも僅かに突出している場合、或
いは表面5aが表面9aよりも僅かに凹んでいる場合も
含む)となるので、穴隠しプレート5と表面化粧材9と
が外観上一体的となり、引き戸1の端面1aの外観を更
に向上させることができ、そのうえ、穴隠しプレート5
は差込み式であるので、素人でもワンタッチで取付ける
ことができる。一方、引手用凹所4内には、図1(c)
のように操作レバー10aを持った操作用引手11或い
は通常の引手部材(図示せず)のいずれかを選択して、
ネジ12で引手用凹所4内に固定しておくことにより、
操作用引手11等の手掛け用凹部20に手を掛けて引き
戸1の開閉操作が行えるようになる。
【0013】次に、鎌錠2aを必要とする場合にあって
は、図1(a)のように穴隠しプレート5を鎌錠用凹所
3の外部に引き抜く。このとき、穴隠しプレート5の一
対の脚部7は鎌錠用凹所3内に着脱自在に係止している
にすぎないので、穴隠しプレート5の取外しを簡単に行
うことができるものであり、その後、図1(b)のよう
に鎌錠2aを鎌錠用凹所3内に嵌め込み、ネジ13で固
定することによって、鎌錠2aとの交換が容易にでき
る。また、引手用凹所4は鎌錠用凹所3内に連通してい
るので、図1(c)に示す操作用引手11が既に引手用
凹所4に取付けられている場合には、鎌錠2aを鎌錠用
凹所3内に嵌め込んだときに、操作用引手11の操作レ
バー10aと鎌錠本体31の駆動部とを鎌錠用凹所3と
引手用凹所4との連通部分を介して連結させることがで
きる。従って、操作用引手11の操作レバー10aを操
作すると、鎌錠2aに設けた鎌形ボルト(図示せず)が
引き戸1の端面1aから突出して、対向する戸当たり側
に設けた受け部材(図示せず)に引っ掛かることにより
引き戸1を固定できるものとなる。なお、引手用凹所4
に操作レバー10aを持たない通常の引手部材を取付け
る場合は、操作用引手11を引手用凹所4から取外すこ
とで、通常の引手部材との交換も容易に行うことができ
る。
【0014】このように、1種類の引き戸1でありなが
ら錠機構2を取付けた場合と取付けない場合との選択が
可能となるので、従来のように引き戸に錠機構を取付け
たタイプのものと、錠機構を取付けないタイプのものを
別々に作製したりする必要がないものである。前記実施
形態では、穴隠しプレート5を差込み式によって鎌錠用
凹所3に着脱自在に取付けるようにしたが、必ずしもこ
れに限定されるものではなく、例えばネジによって取付
けるようにしてもよい。
【0015】本発明に係る引き戸1は、洗面所用引き戸
だけでなく、すべての引き戸に広く適用可能である。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1記載の発明は、引き戸の端面に鎌錠用凹所が形成さ
れると共に引き戸の前面に引手用凹所が形成された引き
戸の構造であって、引手用凹所を鎌錠用凹所内に連通さ
せ、引き戸を固定するため鎌錠と鎌錠用凹所を塞ぐため
の穴隠しプレートとが鎌錠用凹所に選択的に装着され、
鎌錠を操作する操作手段を備えた操作用引手と操作手段
を有しない通常の引手部材とが引手用凹所に選択的に装
着されたので、錠機構を必要としない場合には、鎌錠用
凹所内に穴隠しプレートを装着することにより、穴隠し
プレートによって鎌錠用凹所を塞ぐことができ、引き戸
の端面の外観を良好に保つことができる。また、穴隠し
プレートを取外すことで、錠機構としての鎌錠との交換
が容易にできるようになる。また引手用凹所に操作用引
手を取付けることにより、鎌錠用凹所内の錠機構と操作
用引手の操作手段とを鎌錠用凹所内部で連結可能とな
り、また操作用引手を引手用凹所から取外すことで、操
作手段を持たない通常の引手部材との交換も容易に行う
ことができるものである。従って、1種類の引き戸であ
りながら、錠機構を取付けた場合と取付けない場合との
選択が可能となるので、従来のように別々に作製したり
する必要がなくなり、引き戸の生産性が向上し、コスト
を低減できると共に、商品管理を楽に行うことができる
ものである。
【0017】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の効果に加えて、引き戸の端面に表面化粧材が設けら
れ、錠機構が装着される凹所に穴隠しプレートが装着さ
れたときには穴隠しプレートの表面が表面化粧材と略面
一に形成されるものであるから、穴隠しプレートによる
段差が生じるのを防止でき、穴隠しプレートと表面化粧
材とが一体感を呈するようになるので、引き戸の端面の
外観を更に向上させることができる。
【0018】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示し、(a)は鎌錠
用凹所から穴隠しプレートを取外す場合の説明図、
(b)は鎌錠用凹所内に錠機構を取付ける場合の説明
図、(c)は引手用凹所に操作用引手を取付ける場合の
説明図である。
【図2】(a)(b)は引き戸の正面図及び側面図であ
る。
【図3】同上の穴隠しプレートを示し、(a)は平面
図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は下面図
である。
【図4】(a)は同上の鎌錠用凹所を示す側面図、
(b)は正面図である。
【符号の説明】
1 引き戸 1a 端面 2 錠機構 3 凹所 4 引手用凹所 5 穴隠しプレート 5a 穴隠しプレートの表面 9 表面化粧材 10 操作手段 11 操作用引手
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E06B 3/46 E05B 9/08 E05B 65/08 E06B 3/82 E05B 15/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引き戸の端面に鎌錠用凹所が形成される
    と共に引き戸の前面に引手用凹所が形成された引き戸の
    構造であって、引手用凹所を鎌錠用凹所内に連通させ、
    引き戸を固定するため鎌錠と鎌錠用凹所を塞ぐための穴
    隠しプレートとが鎌錠用凹所に選択的に装着され、鎌錠
    を操作する操作手段を備えた操作用引手と操作手段を有
    しない通常の引手部材とが引手用凹所に選択的に装着さ
    れたことを特徴とする引き戸構造。
  2. 【請求項2】 引き戸の端面に表面化粧材が設けられ、
    錠機構が装着される凹所に穴隠しプレートが装着された
    ときには穴隠しプレートの表面が表面化粧材と略面一に
    形成されることを特徴とする請求項1記載の引き戸の
    造。
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