JP3484864B2 - 共重合ポリエステル及びその製造方法 - Google Patents

共重合ポリエステル及びその製造方法

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JP3484864B2
JP3484864B2 JP05738796A JP5738796A JP3484864B2 JP 3484864 B2 JP3484864 B2 JP 3484864B2 JP 05738796 A JP05738796 A JP 05738796A JP 5738796 A JP5738796 A JP 5738796A JP 3484864 B2 JP3484864 B2 JP 3484864B2
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武夫 立林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属貼合せ用及び感
熱孔版原紙用原料ポリエステル、及びその製造方法に係
わり、更に詳しくは、イソフタル酸共重合ポリエステル
チップの連続式結晶化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属貼合わせ缶、包装材料等に用
いられるフイルム原料は、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、及びポリ塩化ビニル等が使われていたが、近年ポリ
エステルが機械的特性、耐熱性に優れているという理由
でポリエステルフイルム原料、成形方法の両面から検討
されている。しかし、ホモポリエステルは融点が高く高
結晶性であるため成形性に劣る。このため、イソフタル
酸を共重合したポリマが使用されるようになってきた。
一方、感熱孔版原紙に用いられるフイルム原料は、共重
合成分について種々検討されてきたが、収縮及び穿孔性
に優れていることからイソフタル酸を共重合したポリマ
が使用されている。
【0003】そして現在、技術の進歩と共に、ますます
製品の高品位化及びコストダウン、例えばイソフタル酸
共重合率アップ、製品フイルムの薄膜化等が要求される
様になってきており、それに伴ってフイルム用原料チッ
プも品質改善を求められているのが実状である。
【0004】元来、イソフタル酸共重合ポリエステル
は、ホモポリエステルに比較して融点が低く、結晶化し
にくいポリマである。即ち、溶融重縮合反応により得ら
れるイソフタル酸共重合ポリエステルチップは、乾燥、
固相重合及び製膜する際に機壁とチップ、チップ同志が
融着を起す等、いわゆるブロックを形成し、原料チップ
を供給できなくなったり、食い込み不良を起す等のチッ
プハンドリング性を損うと共に固有粘度低下を促進させ
たりするのである。この欠点は、イソフタル酸を高モル
で共重合した場合に著しく、今だに工業的に有効な手法
が開発されていないのが現状である。
【0005】これらの欠点を回避するために、参考とな
る公知技術は次のものがある。例えば特開平4−239
606号公報に記載の、溶融重縮合反応により得られる
プレポリマチップ表面に剪断処理を施して粗面にし、部
分表面結晶化によりチップの融着又はブロッキングを防
ぐ方法。特公昭55−94936号公報に記載の、減圧
下熱処理温度をTgからTc+25℃の範囲で段階的に
昇温規制し、融着を防止する方法。特開平5−9275
号公報に記載の、溶剤中でチップを溶解し、非溶剤で再
沈結晶化する方法。特開平1−180309号公報に記
載の、温水又は加熱水蒸気を用いて結晶化する方法等で
ある。しかしながら、剪断処理方法はイソフタル酸を低
率(1〜5モル%)で共重合した場合は有効であるが、
共重合率を6モル%程度以上とした場合、ポリマの結晶
化速度が遅くなるために、チップ表面の十分な結晶性が
得られず、その後の熱履歴により可塑化し、チップ同志
が融着してしまうという欠点を有している。次に、熱処
理温度をTgからTc+25℃に規制する方法は、前記
問題を抱えると共に、耐熱性が劣るためにチップが着色
し、かかるチップを使用すると、最終製品にした場合、
着色と共に劣化が促進される等の欠点が顕在化し、製品
としての価値がなくなる。又、溶剤使用については、環
境問題、操作性及びコストアップ等の生産における重大
な欠点があった。更に、温水を用いる方法は工業的に実
施するには新たな工程、設備が必要となり、コストアッ
プを伴うと共に問題を本質的には解決するに至っていな
いなかった。これらの他にスーパーグラッシュミキサー
を使用して、半溶融したポリマに水を加えて粉砕する等
の方法があるが、得られるポリマが加水分解を起し易
く、かつポリマが分級してしまうため、この後に引き続
く製膜工程で重大なトラブル、即ち品質異常及びチップ
ハンドリング異常を起し、到底使用に値しない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記欠点
が、イソフタル酸共重合ポリエステルチップに対して特
定の結晶化条件を採用して得たポリエステルにより回避
できることを見いだし、本発明に到達した。特に、チッ
プ同志の融着が少なく、チップハンドリング性及び固有
粘度低下の問題のない、かつ工業的に有用な金属貼合わ
せ用及び感熱孔版原紙用原料ならびに予備結晶化方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、イソフタル酸共重合ポリエステルにおいて、DSC
で測定されるTm´が少くとも一個以上出現し、それぞ
れにおけるΔHm´の合計がTmにおけるΔHmの0.
1〜8倍であり、かつ結晶化度が25〜50%であるこ
とを特徴とする共重合ポリエステルによって達成でき
る。ここで、Tm´;Tmよりも低温側に発現する多重
融解ピーク温度(℃) ΔHm ;Tmの吸熱量(Cal/g) ΔHm´;Tm´の吸熱量(Cal/g) である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。なお、チップの熱特性は,パーキンエルマー社の
差動走査熱量計DSC−4型を用い、試料量10mg、窒
素雰囲気下で測定する。測定方法は、16℃/分の速度
で30℃から280℃まで昇温することにより行う。こ
こで、Tgはガラス転移温度(℃)、Tcは結晶化温度
(℃)、Tm及びΔHmはそれぞれ融解ピ−ク温度
(℃)とその吸熱量(Cal/g)、Tm´及びΔHm
´はそれぞれTmよりも低温側に発現する多重融解ピー
ク温度(℃)とその吸熱量(Cal/g)を示す。そし
て、少くとも一個以上出現したTm´のそれぞれにおけ
るΔHm´の合計(ΣΔHm)をTmにおけるΔHmで
除した倍率はΣΔHm´/ΔHmで表した。
【0009】チップの結晶化度は、密度から求めたもの
であり、密度は密度勾配管法により、軽液としてn−ヘ
プタン、重液として四塩化炭素を連続的に混合して求め
た。なお密度と結晶化度の関係は次の式を用いた。 1/d=x/dc+(1−x)/da ここで、x ;結晶化度(×100%) d ;試料の密度 da;非晶部の密度 1.335 (g/cm3 ) dc;結晶部の密度 1.455 (g/cm3 ) であ
る。
【0010】チップの融着率は、1粒及び2又は3粒以
上融着しているチップそれぞれについて重量を求め、該
当するチップ総重量当りの%で表した。
【0011】又、固有粘度低下は結晶化前後の固有粘度
(o−クロルフェノールを溶媒とした25℃での値)の
変化により判定した。
【0012】更に、総合評価は、結晶化処理から製膜工
程までのチップハンドリング性と、コスト及び効率性を
含めたものを総合評価し、○;全く問題がなく極めて良
好、△;良好、×;不良で表した。
【0013】以下、順を追って説明する。まず、本発明
における共重合ポリエステルは、主たる成分がポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
エチレンビフェノキシジカルボキシレート、ポリエチレ
ンフェノキシグリシジルエーテルカルボキシレート、及
びポリエチレンジフェノキシグリシジルエーテルジカル
ボキシレート等に代表されるポリエステルであり、共重
合成分をイソフタル酸としたものである。好ましくは主
たる成分をポリエチレンテレフタレートとし、イソフタ
ル酸を共重合したポリエステルである。そして本発明に
おいて適用されるイソフタル酸の共重合率は、高モルで
の結晶化処理に有用性があり、10〜35モル%の範囲
である。より好ましくは13〜32モル%であり、特に
好ましくは15〜30モル%である。
【0014】この共重合ポリエステルは、エステル化反
応及びそれに続く重縮合反応により得られる。好ましく
は、テレフタル酸及びイソフタル酸とエチレングリコー
ルから直接重縮合法によって得られる共重合ポリエステ
ルである。なぜなら、直接エステル化の際に特別な触媒
金属化合物を必要とせず、本発明による結晶化処理後、
チップを乾燥する際に劣化を最小限に抑えられるからで
ある。即ち、金属化合物はポリエステルの反応触媒とし
て作用すると共に、劣化分解を促進する作用を併せもっ
ている。このため、金属化合物を必要以上に添加した場
合は、ポリエステルの劣化を抑えることができないので
ある。従って、直接エステル化反応によらないエステル
交換反応においても、触媒金属化合物は必要最小限にと
どめることが望ましい。エステル交換反応触媒はアルカ
リ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、マンガン化合
物、コバルト化合物、チタン化合物及び亜鉛化合物等を
使用できる。又、重縮合触媒はアンチモン化合物、チタ
ン化合物及びゲルマニウム化合物等の一種以上が使用さ
れるが、前述と同じ理由により、必要最小限にするべき
である。好ましくは、ポリマ中の金属元素残存量が30
0ppm以下になる様にすることである。
【0015】又、エステル化反応は、なるべく低温でな
おかつ短時間に終らせることが望ましい。なぜならば、
エチレングリコールは高温酸性下においてジエチレング
リコールを副生し、ポリエステル分子鎖に組込まれるこ
とにより、本発明にとって好ましくない影響を与えるか
らである。即ち、ポリエステル分子鎖にジエチレングリ
コールの様な脂肪族ソフトセグメントが組込まれると可
塑性が増して粘着を起し易く、又、分子鎖にエーテル結
合を有するが故に、熱及び酸化分解し易くなり、かかる
チップの劣化が促進されるのである。具体的には、エス
テル交換反応において、一般に反応終了後リン化合物を
添加するが、酸性溶液で高温に推移するのを防ぐため、
速やかに過剰エチレングリコールを追い出して重縮合す
る等の手法がとられる。又、直接エステル化反応におい
ては、反応系が既に酸性溶液であり、ジエチレングリコ
ールを生成し易いために、できるだけ低温で反応を推移
させる必要がある。好ましくは240℃程度とするべき
である。
【0016】溶融重縮合反応は、通常実施される条件で
行われ、得られたポリマは吐出後水冷しチップ化され
る。ここで、チップ一粒当りの重量は後述する理由から
30〜60mgにすることが好ましく、より好ましくは3
0〜45mgである。又、ポリマの固有粘度は通常0.5
5〜0.80の範囲に設定される。なお、必要に応じて
本発明の効果を損なわない程度に酸化防止剤、熱安定
剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、無機粒子、有機粒子、
滑剤、及び顔料等の添加剤を配合することができる。
【0017】本発明の処理は図1において、温度計7が
設置され、モーターMで相反する方向に駆動する撹拌翼
5、6を備え、水分供給口4、排気口2、溢流板を備え
たチップ排出口8を設け、ヒーター1で加熱される乾燥
機本体のチップ投入口3よりチップを投入することによ
り行われる。使用する水分は後述する乾燥機壁からチッ
プへの熱伝導を高め、結晶化を促進するために必要不可
欠であり、乾燥機内では液体及び/又は気体として存在
する。なお、ここで使用される乾燥機は乾燥を主目的と
せず、予備結晶化装置として使用する。
【0018】本発明において、チップ仕込み時の乾燥機
内温度をTg未満とするのは、仕込み時の機壁への粘着
及びチップ同志の粘着時間を最小限にするためである。
即ち、共重合ポリエステルチップは、Tg以上に加熱さ
れた場合に、必ずチップが一時的にチップ同志及び機壁
に粘着し、結晶化の進行に伴なう体積収縮により、粘着
状態が壊される過程をとるものなのであり、その時の処
理以前の熱履歴を最小限にするためである。又、チップ
仕込み後、−1.7M+132≦T≦−1.7M+17
7式を満足する温度まで、−0.065T+10≦t≦
−0.065T+13式を満足する時間で昇温しなけれ
ばならない。この条件を下回る場合には結晶化が不十分
になり、この後に引続く工程で融着トラブルを起してし
まう。又、この条件を上回る場合には本発明の効果を有
効に発揮できず、急激な昇温による融着を起したり、逆
に結晶化に時間がかかり過ぎ、工業的に成り立たない。
好ましくは、−1.7M+147≦T≦−1.7M+1
62式を満足する温度まで、−0.065T+11≦t
≦−0.065T+12式を満足する時間で昇温するべ
きである。なお、tが0.25以上でなければならない
理由は、Tがチップの結晶化温度(Tc)前後となる
と、処理時間tが短くて済むものの、処理条件を乾燥機
内のチップに追随させることが不可能である領域を示
す。
【0019】又、チップは乾燥機に水分供給下連続又は
間欠的に投入されなければならない。水分は機壁からチ
ップへの熱伝導を高め、結晶化を促進し、チップ同志の
融着を最小限にするために必要不可欠であり、連続又は
間欠的に供給されなければならない。即ち分子鎖がラン
ダムな非晶状態から折りたたまれた結晶状態に進行する
ためには、分子鎖のGAUCHE体から安定なTRAN
S体への変化の増加及び隣接分子鎖の並進が前駆状態と
して必要であり、水分がその前駆状態を作るのに重要な
役目を果たしていると考えられる。なお、水分はチップ
同志及び機壁との一時的な隔壁としても作用していると
考えられ、チップの付着水分として十分な量存在する必
要がある。好ましくは仕込みチップの5〜30%程度で
あるがこれに限定すべきではない。更に驚くべきこと
に、前記した温度と時間の範囲において、チップ同志の
融着程度は2粒が存在するものの、3粒以上の融着が殆
ど存在しないことが判明したのである。この理由は、溶
融重合後チップ化された表面の微妙な構造差、即ち、ダ
イシングマシン(チップカッター)を例にとると、ドラ
ム面と非ドラム面及びカッターの入り具合による前後の
切断面に微妙な違いができ、本発明による条件と相まっ
て、3粒以上の融着を最小限に抑える効果を有すると考
えられる。このために、前述したチップ1粒の重量は2
粒融着が問題にならない30〜60mgの範囲にすること
が望ましいのである。
【0020】次に、チップを連続又は間欠的に給排出す
るのは、処理時間をなるべく短くするためであり、バッ
チ式では効率が悪く、かつ、装置の大型化によるコスト
アップにより、到底工業的に成り立たないからである。
又、乾燥機は混合できるタイプであって、強制攪拌しな
ければならない。好ましくは向流螺旋型であって、更に
好ましくは連続処理に都合の良い横型とすべきである
が、これに限定されるべきではない。
【0021】この様にして得られたチップは、Tm´が
出現し、本発明による処理方法をとることによりΔHm
´の合計がTmにおけるΔHmの0.1〜8倍になる。
Tm´の出現は、結晶成長の一過程であり、好ましくは
0.2〜6倍となるのである。また、結晶化度は25%
以上でなければならず、25%未満ではこの後に引続く
工程で結晶化発熱を伴った融着を起こし易く、50%を
越える結晶化度では不経済であり、好ましくは30〜4
5%である。更に、チップ同志3粒以上の融着は5%以
下になり、残りの2粒融着〜1粒が、2粒:0.1〜6
0%、及び/又は1粒:99.9〜40%になる。3粒
以上の融着が5%を越えると食い込み不良等のチップハ
ンドリング上の問題が顕在化する。好ましくはチップ同
志3粒以上の融着が3%以下であって、残りの2粒融着
〜1粒が、2粒:0.2〜50%、及び/又は1粒:9
9.8〜50%である。チップが一度これらの範囲に入
れば、この後の熱処理、即ちチップの乾燥工程において
も急激な昇温等極端な条件をとらない限りTm´からマ
イルドかつ連続的に結晶化が進行するために、チップが
ブロッキングを起さず良好なチップハンドリング性を維
持し本発明における効果の恩恵に浴するのである。
【0022】本願発明では、チップの結晶化処理条件
を、従来考えられなかったポリマ自身の結晶化前駆状態
を有効に利用した点に特徴があり、処理条件を特定範囲
とする製造方法をとることにより、融着及び固有粘度低
下に対する改善をもたらし、チップのハンドリング性を
さして損なわないのである。これは、共重合ポリエステ
ルの組成、製法、及び結果として得られるチップの特
性、これらの構成要件がバランス良く保たれるため、従
来予想もできなかった効果を奏すると考えられる。即
ち、共重合ポリエステルは、一度融着を起してしまう
と、それを基にしてせっかく結晶化を起させた正常なチ
ップさえも巻き込んで、急激な結晶化発熱を伴う融着が
進行することから、これらの融着を適度に抑えた特定の
処理条件即ち、本発明により許容される融着の範囲で予
備結晶化することが、この後に引続くチップの本乾燥、
固相重合、製膜工程での融着をも抑制し、製造工程にお
けるチップのハンドリング性も問題無いことを確認でき
たのである。更に、新たな設備、工程も最小限ですむ有
利な製造工程を可能にし、特別な薬品等も必要とせず、
工業的に非常に有用である。
【0023】
【実施例】以下の実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。なお、結晶化前のチップ(プレポリマ)特性及
び結晶化条件を表1に、チップ評価結果、および総合評
価を表2にまとめて示す。
【0024】実施例1 ジメチルテレフタル酸145.5重量部、ジメチルイソ
フタル酸48.5重量部(M=25)、エチレングリコ
ール115重量部、酢酸カルシウム0.175重量部、
三酸化アンチモン0.0776重量部及びテトラエチル
アンモニウムヒドロキシド20%のメタノール溶液0.
097重量部の混合物を130℃から235℃まで3時
間で昇温し、エステル交換反応終了後、トリメリト酸メ
チル0.0834重量部及びエチレングリコールを分散
媒として平均粒径2.6μmの湿式法SiO2 0.97
重量部を添加する。次に重縮合反応缶へ移し、真空下に
おいて240℃から285℃の温度で4時間反応し、水
浴中に吐出、ダイシングマシンでチップ化(一粒当りの
重量;43mg)した。次に、このチップを機内壁温度6
5℃の乾燥機に連続的に投入し、投入チップに対して1
0%の純水供給下攪拌しながら連続的に結晶化し排出し
た。この予備結晶化したチップをこの後通常の条件で乾
燥したが、ブロッキングも起さず、チップハンドリング
性も特に問題なかった。
【0025】実施例2 ジメチルテレフタル酸160.0重量部、ジメチルイソ
フタル酸34.0重量部(M=17.5)及び重合時間
を2.75時間とした以外実施例1と同様にしてチップ
化(一粒当りの重量:46mg)した。次に、このチップ
を機内壁温度70℃の乾燥機に連続的に投入し、投入チ
ップに対して10%の純水供給下攪拌しながら連続的に
結晶化し排出した。
【0026】この予備結晶化したチップをこの後通常の
条件で乾燥したが、ブロッキングも起さず、チップハン
ドリング性も全く問題なかった。更に、このチップを用
いて引続き通常の方法で製膜し、厚さ25μの製缶性の
良い金属貼合わせ用フイルムを得ることができた。
【0027】実施例3 ジメチルテレフタル酸150.4重量部、ジメチルイソ
フタル酸43.6重量部(M=22.5)及び重合時間
を4時間とした以外実施例1と同様にしてチップ化(一
粒当りの重量:40mg)した。次に、このチップを機内
壁温度65℃の乾燥機に連続的に投入し、投入チップに
対して15%の純水供給下攪拌しながら連続的に結晶化
し排出した。
【0028】実施例4〜5 実施例1〜2で得たそれぞれのチップ(プレポリマ)に
ついて、温度と時間を変えた以外実施例2と同じ条件で
処理した。
【0029】実施例6 ジメチルテレフタル酸171重量部、ジメチルイソフタ
ル酸23.3重量部、エチレングリコール118重量
部、及び酢酸マンガン0.0679重量部の混合物を1
40℃から235℃まで4時間で昇温し、エステル交換
反応終了後、トリメリト酸メチル0.0524重量部を
添加する。次に重縮合反応缶へ移し、エチレングリコー
ルを分散媒として平均粒径0.4μmの乾式法SiO2
0.23重量部及びテトラエチルアンモニウムヒドロキ
シドに溶解した二酸化ゲルマニウム0.0504重量部
を添加後、真空下において240℃から285℃の温度
で3時間反応し、水浴中に吐出、ダイシングマシンでチ
ップ化(一粒当りの重量:50mg)した。
【0030】次に、このチップを温度と時間を変えた以
外実施例2と同じ条件で処理した。なお、実施例3〜6
について予備結晶化したチップをこの後通常の条件で乾
燥したが、ブロッキングも起さずチップハンドリング性
も全く問題がなかった。
【0031】更に、実施例3のチップを用いて引続き通
常の方法で製膜し、厚さ2μの高感度穿孔性を有する感
熱孔版原紙用フイルムを得ることができた。
【0032】比較例1〜 実施例1において、それぞれ温度と時間を変えて処理し
た。
【0033】比較例1については結晶化処理中、125
℃に到達した付近から撹拌翼及び乾燥機壁とチップ、及
びチップ同志が融着し、処理継続不能になった。又、比
較例2については結晶化処理後に行った乾燥工程でブロ
ッキングが発生し、この後のチップハンドリングに問題
があっ
【0034】比較例 実施例において、温度と時間を変えて処理した。
【0035】比較例については結晶化処理後に行った
乾燥工程でブロッキングが発生し、この後のチップハン
ドリングに問題があった。
【0036】比較例 実施例6において、温度と時間を変えて処理した。
【0037】
【表1】
【表2】 この表から明らかな様に本発明品は、チップ同志の融着
が少なく、チップハンドリング性も良好である。又、固
有粘度低下が小さく、工業性も良好であり、金属張合わ
せ用及び孔版原紙用予備結晶化チップを得るために極め
て有効である。なお、実施例1〜6についてはこの後に
引続く製膜工程におけるハンドリング性が容易であり、
フイルム品質も良好であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の共重合ポリエステル及びその製
造方法によって、イソフタル酸高モル共重合ポリエステ
ルチップの融着が少く、チップハンドリング性及び固有
粘度低下の問題のない予備結晶化が可能になった。又、
工業的にも有用である。更に、この後に引続くチップの
乾燥、製膜工程でのチップハンドリング性も容易であ
り、金属貼合わせフイルム及び感熱孔版原紙フイルム用
の原料チップとして好適である。このためこの技術は、
内装、外装資材及び包装材料等の原料チップにも応用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる結晶化用乾燥機の概略図であ
る。
【符号の説明】
1 ; ヒーター 2 ; 排気口 3 ; チップ投入口 4 ; 水分供給口 5 ; 撹拌翼 6 ; 撹拌翼 7 ; 温度計 8 ; チップ排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソフタル酸共重合ポリエステルにおい
    て、DSCで測定されるTm´が少くとも一個以上出現
    し、それぞれにおけるΔHm´の合計がTmにおけるΔ
    Hmの0.1〜8倍であり、かつ結晶化度が25〜50
    %であることを特徴とする共重合ポリエステル。 ここで、Tm´;Tmよりも低温側に発現する多重融解
    ピーク温度(℃) ΔHm;Tmの吸熱量(Cal/g) ΔHm´;Tm´の吸熱量(Cal/g)である。
  2. 【請求項2】請求項1からなる金属貼合わせ用共重合ポ
    リエステル。
  3. 【請求項3】請求項1からなる感熱孔版原紙用共重合ポ
    リエステル。
  4. 【請求項4】 イソフタル酸共重合ポリエステルを結晶化
    するに際し、水分供給下、チップ仕込み時の乾燥機内温
    度がDSCで測定される結晶化前のTg未満であり、連
    続又は間欠的に仕込みながら、仕込み後下記(1)式を満
    足する温度まで、(2)式を満足する時間で昇温した後、
    連続又は間欠的に排出することを特徴とする共重合ポリ
    エステルの製造方法。 (1)−1.7M+132≦T≦−1.7M+177 (2)−0.065T+10≦t≦−0.065T+13 ここで、T;乾燥機内温度(℃) M;イソフタル酸の共重合率(モル%) (但しM;10≦M≦35) Tg;ガラス転移温度(℃) t;結晶化処理時間 (但しt;t≧0.25)である。
  5. 【請求項5】請求項4からなる金属貼合わせ用共重合ポ
    リエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項4からなる感熱孔版原紙用共重合ポ
    リエステルの製造方法。
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