JP3484423B2 - スパッタリング装置 - Google Patents

スパッタリング装置

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JP3484423B2
JP3484423B2 JP2001037295A JP2001037295A JP3484423B2 JP 3484423 B2 JP3484423 B2 JP 3484423B2 JP 2001037295 A JP2001037295 A JP 2001037295A JP 2001037295 A JP2001037295 A JP 2001037295A JP 3484423 B2 JP3484423 B2 JP 3484423B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリング装
置に関し、特に、カラー液晶表示装置用の透明電極付き
基板を形成するスパックリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カラー液晶表示装置に用いられる
透明電極付き基板は、一般的に、ガラス基板上の有機樹
脂製のカラーフィルタ上に、同じく有機樹脂製の保護膜
を被覆してカラーフィルタ基板を形成し、その上に導電
性の透明電極を形成することによって製造される。この
ように形成された透明導電膜は、通常、ウェットエッチ
ングによって所望の配線形状に成形される。また、透明
導電膜の材料としては、酸化錫をドープした酸化インジ
ウム(以下「ITO:Indium-Tin-Oxide」という。)が
一般的に用いられている。
【0003】このITO膜は、その製造コスト低減のた
め、後に所望の大きさにカットされることになる大面積
のカラーフィルタ基板に形成され、また、このITO膜
形成のためのスパッタリングは、カラーフィルタや保護
膜が有機樹脂を材料としていることから、有機樹脂の耐
熱温度以下で行われる。このため、ITO膜を形成する
方法としては、比較的低温度でITO膜を形成すること
ができるいくつかのマグネトロンスパッタリング法が用
いられている。これらのマグネトロンスパッタリング法
は、スパッタ電力をカソードに印加してグロー放電によ
り真空室内のプロセスガス雰囲気の下にプラズマを発生
させ、そのプラズマでターゲットをスパッタさせること
により基板上にITO膜を形成するものである。
【0004】これらのマグネトロンスパッタリング法の
中でも、スパッタ電力として直流(DC)電力に高周波
(VHF,RF)電力を重畳させたものを使用するDC
・RF重畳方式のマグネトロンスパッタリング法は、D
C電力のみを使用するDC電力方式のものと比べて比較
的低温度でも低比抵抗のITO膜を形成することができ
る。なぜならば、DC方式のものと比べてスパッタ電力
を小さくできるので、プラズマ中の高エネルギのArイ
オンによるITO膜へのダメージが低減し、ITO膜の
導電率を決定する易動度(電子や正孔等のキャリアの物
質内での移動のし易さ)が大きくなってITO膜の比抵
抗を低くすることができるからである(例えば、特開平
10−265926号公報)。また、DC・RF重畳方
式のマグネトロンスパッタリング法において、グロー放
電を時間的に安定状態に維持することによりプラズマを
安定状態に維持する方法も知られている(例えば、特開
2000−034564号公報)。
【0005】図8は、従来のDC・RF重畳方式のマグ
ネトロンスパッタリング装置の説明図である。
【0006】従来のDC・RF重畳方式のマグネトロン
スパッタリング装置は、図8に示すように、内部に真空
室201を形成するケーシング202と、ケーシング2
02の側部に絶縁物(不図示)を介して取付けられたI
TOカソード203とを有する。ITOカソード203
の内面には、バッキングプレート204を介して大面積
のターゲット205が取付けられている。また、真空室
201内には、スパッタされるべきガラス基板(不図
示)がターゲット205に対向して配されている。
【0007】ITOカソード203は、背面側に凹部が
形成され、その中に、スパッタリングのためのマグネッ
ト206が配されている。このITOカソード203の
凹部を形成する側面部材は、ITOカソード203の強
度確保の観点から一般にステンレス綱製の板で構成さ
れ、背面側は開口している。さらに、ITOカソード2
03は、電源装置208を支持するカソードケース20
9で覆われている。
【0008】カソードケース209に支持された電源装
置208は、互いに直列に接続された高周波(RF)電
源及びマッチングボックスと、これらに並列して接続さ
れた直流(DC)電源とから成る回路構成(不図示)を
有する。ここに、マッチングボックスは、主として大容
量のコンデンサから成る回路を有している。
【0009】このような電源装置208は、DC電力と
RF電力を重畳してスパッタ電力としてITOカソード
203に供給する。電源装置208のマッチングボック
スからのRF電力の出力210は、銅等から成るフレキ
シブル金属帯211を介してITOカソード203にそ
の側面部材の端面上の略中央にある点接触部212で接
触する。電源装置208のDC電力の出力213は、R
F電力とは並列に接続され、同軸ケーブル214を介し
てITOカソード203にその側面部材の端面上の略中
央部にある点接触部215で接触する。これにより、電
源装置208から供給されるスパッタ電力は、ターゲッ
ト206の周囲まで等方的に伝搬する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す従来のDC・RF重畳方式のマグネトスパッタリン
グ装置では、スパッタ電力は、互いに異種金属であるI
TOカソード203とフレキシブル金属帯211及び同
軸ケーブル214の各々との点接触部212,215を
介してITOカソード203に供給されるので、接触抵
抗が変化し易く、ITOカソード203全体としてイン
ピーダンスが変化してグロー放電を時間的に安定状態に
維持することができず、異常放電や不均一なプラズマが
発生しがちである。このようなインピーダンスの変化は
RF電力成分の方がDC電力成分よりプラズマに強く影
響する。
【0011】また、カソードケース209に支持された
電源装置208に対応する位置において基板上のITO
膜の膜厚は、基板上の他の位置における膜厚より小さく
なるので、ITO膜の膜厚が不均一になる。これは、I
TOカソード203に供給されたスパッタ電力のうち高
周波成分の一部がカソードケース209の開口部を介し
てマッチングボックス内に漏れるのでITOカソード2
03全面に均一に給電されなくなったり、また、マッチ
ングボックス内で発生する高周波ノイズがITOカソー
ド203に供給されたRF電力と干渉したりして、点接
触部212に対応する位置におけるプラズマ密度が小さ
くなるからである。
【0012】本発明は、基板全面に亘って膜厚膜質共に
均一な被膜を形成することができるスパッタリング装置
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のスパッタリング装置は、真空室と、
前記真空室内に配されると共にターゲットが取り付けら
れる少なくとも1つのカソードと、前記真空室内におい
て基板を前記ターゲットに対向させつつ所定の方向に移
動させる移動手段と、前記カソードに接続されると共
に、直流電力と高周波電力を重畳させてスパッタ電力と
して前記カソードに供給する複数の電源装置とを備え、
前記基板上にDC・RF重畳方式のマグネトロンスパッ
タリング法により導電性の薄膜を形成するスパッタリン
グ装置において、前記複数の電源装置は、前記所定の方
向に垂直な方向に関して互いに異なる位置に配されるこ
とを特徴とする。
【0014】請求項1記載のスパッタリング装置によれ
ば、複数の電源装置が、基板の移動方向に垂直な方向に
関して互いに異なる位置でカソードにスパッタ電力を供
給するので、ターゲット全面に亘ってターゲットの近傍
に形成されるプラズマの密度を均一化することができ、
もって基板全面に亘って膜厚膜質共に均一な薄膜を形成
することができる。
【0015】請求項2記載のスパッタリング装置は、請
求項1記載のスパッタリング装置において、前記複数の
電源装置の位置は、前記電源装置位置の1つに基づく前
記基板上の薄膜の膜厚分布が、前記電源装置位置の1つ
に隣接する電源装置位置の他の1つに基づく前記基板上
の薄膜の膜厚分布を補完するように決定されることを特
徴とする。
【0016】請求項2記載のスパッタリング装置によれ
ば、複数の電源装置の位置は、電源装置位置の1つに基
づく前記基板上の薄膜の膜厚分布が、前記電源装置位置
の1つに隣接する電源装置位置の他の1つに基づく基板
上の薄膜の膜厚分布を補完するように決定されるので、
基板全面に亘って膜厚膜質共により均一な薄膜を形成す
ることができる。
【0017】請求項3記載のスパッタリング装置は、請
求項1又は2記載のスパッタリング装置において、前記
電源装置は、前記カソードに、前記垂直方向に沿って面
接触する板状の導体を介して前記スパッタ電力を供給す
るように構成されていることを特徴とする。
【0018】請求項3記載のスパッタリング装置によれ
ば、電源装置が、カソードに、垂直方向に沿って面接触
する板状の導体を介してスパッタ電力を供給するように
構成されているので、スパッタ電力がターゲットの周囲
まで等方的に伝搬し、もってターゲット近傍に形成され
るプラズマの密度を確実に空間的に均一化することがで
きる。
【0019】請求項4記載のスパッタリング装置は、請
求項1乃至3のいずれか1項に記載のスパッタリング装
置において、前記カソードは前記所定の方向に沿って少
なくとも2つ配置され、前記電源装置の1つは前記カソ
ードの1つに接続されると共に前記電源装置の他の1つ
は前記カソードの他の1つに接続されることを特徴とす
る。
【0020】請求項4記載のスパッタリング装置によれ
ば、カソードが基板の移動方向に沿って少なくとも2つ
配置されるので、グロー放電の安定状態を維持しつつ薄
膜形成レー卜を向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
スパッタリング装置の構成を図面を参照して説明する。
【0022】図1は、本発明の実施の形態に係るスパッ
タリング装置の主要部の部分切欠平面図である。
【0023】図1において、スパッタリング装置100
は、内部に真空室101を形成するケーシング102
と、ケーシング102内の中央に配置され、不図示のモ
ータ(移動手段)により図中の矢印方向に回転する十二
角柱状のカルーセル(基板ホルダ)103と、ケーシン
グ102の周側部に配置されたスパッタリングカソード
としての一対のITOカソード部104a,104b
と、この一対のITOカソード部104a,104bに
対向するように配置されたSiO2カソード部105
a,105bとを備える。
【0024】カルーセル103の各側面には、表面に有
機樹脂製のカラーフィルタが形成された縦300〜50
0mm×横400〜600mmの長方形のガラス基板1
06が垂直方向に直列に複数枚、例えば4枚配置されて
いる。基板106をカルーセル103の各側面に垂直方
向に複数枚配置することにより、その総面積を増大させ
製造効率を高めることができる。ITOカソード部10
4a,104bの各々には、真空室101に面する部分
に縦800〜1800mm×横100〜200mmの大
きさの長方形をした大面積のターゲット107が取り付
けられている。ターゲット107は、スパッタリングさ
れて基板106にITO膜を形成するために酸化インジ
ウムと酸化スズが所定の比率で配合された焼結体から成
る。
【0025】このようなスパッタリング装置100は、
マグネトロンスパッタリング法を用いてターゲット10
7をプラズマ中のイオンでスパッタリングし、回転する
カルーセル103に取り付けられた基板106にターゲ
ット107によるSiO2膜及びITO膜(導電性の薄
膜)を形成して透明導電膜付き基板106を製造する。
すなわち、スパッタリング装置100は、所定の回転速
度(2〜4min-1)でカルーセル103を連続的に回
転させ、SiO2カソード部105a,105bに取り
付けられたターゲットの正面を基板106が通過すると
きに、該ターゲットから飛来する原料粒子を基板106
上に堆積させ、SiO2膜を所定の膜厚になるまで形成
し、次いで、同様にその表面にITOカソード部104
a,104b上のターゲット107,107によりIT
O膜を所定の膜厚になるまで形成する。SiO2膜とI
TO膜の堆積順は逆でもよい。
【0026】図2は、図1のスパッタリング装置100
の構成図である。図2は、図1のスパッタリング装置1
00のうち説明に必要な構成のみを模式化して示してい
る。
【0027】スパッタリング装置100は、その真空室
101が真空ポンプ110により真空に維持されると共
に、真空室101内にはスパッタガスボンベ111から
プロセスガスが導入されて真空室101内はスパッタ雰
囲気が調整される。この場合、プロセスガスは、Ar等
の不活性ガスから成るが、必要に応じてO2、N2等の反
応性ガスが加えられる。
【0028】一方、ITOカソード部104上のターゲ
ット107に対向する位置に基板106が配置され、タ
ーゲット107をスパッタさせるためのプラズマを真空
室101内で発生させるために、ITOカソード部10
4にはフレキシブル金属帯113と同軸ケーブル117
とを介して電源装置112が接続される。
【0029】電源装置112は、互いに直列に接続され
且つフレキシブル金属帯113に接続された高周波(R
F)電源114及びマッチングボックス115と、これ
らに並列して接続され且つ同軸ケーブル117に接続さ
れた直流(DC)電源116とから成る回路構成を有す
る。この回路構成により、マッチングボックス115を
介して供給されるRF電源114の高周波(RF)電力
と直接供給されるDC電源116の直流(DC)電力と
を重畳してスパッタ電力としてITOカソード部104
に供給する(DC・RF重畳方式)。
【0030】また、マッチングボックス115は、IT
Oカソード部104のインピーダンス変動の影響をうち
消すための主として大容量コンデンサから成る回路を有
する。これにより、DC・RF重畳方式による電力供給
上の欠点、即ち、RF電力成分がITOカソード部10
4側のインピーダンス変動の影響を受けるのを防止する
ことにより、グロー放電を安定化させて、いわゆる異常
放電の発生を防止し、その結果、ターゲット107やそ
の周辺部材から多量の異物が発生するのを防止すること
ができる。
【0031】RF電力はフレキシブル金属帯113を介
して、またDC電力は同軸ケーブル117を介してIT
Oカソード部104に供給される。
【0032】上記のように得られたDC電力とRF電力
が重畳したスパッタ電力は、スパッタ雰囲気が調整され
た真空室101内のITOカソード部104に供給され
てプラズマを発生し、そのプラズマでターゲット107
をスパッタさせて基板106にITO膜を形成する。
【0033】次にフレキシブル金属帯113のITOカ
ソード部104への接続方法を説明する。
【0034】図3は、図1におけるITOカソード部1
04の部分切欠き縦断面図であり、図4は、図3のIT
Oカソード120の凹部開口部の端面図であり、図5
は、図1におけるITOカソード部104の部分切欠き
横断面図である。以下の説明は、適宜図1及び図2を参
照しながら行い、図1及び図2の構成要素と同じものに
は同じ参照番号を付してある。但し、ITOカソード部
104a,104bは、電源装置112の取付け位置
や、フレキシブル金属帯113の接続位置が異なるだけ
であるので、以下の説明は、ITOカソード部104a
に着目して行う。
【0035】以下の説明においては、DC電力の供給に
関する記載は必要ないので、参照する図においてもDC
電力に関する部分は不図示とする。
【0036】ITOカソード部104aは、図3〜図5
に示すように、内部に真空室101を形成するケーシン
グ102の側部に取付けられたITOカソード120を
有する。ITOカソード120の内面には、バッキング
プレート121を介してターゲット107が取付けられ
ている。また、真空室101内には、スパッタされるべ
きガラス基板(不図示)がターゲット107に対向して
配されている。ITOカソード120は、背面側に凹部
が形成され、その中に、スパッタリングのためのマグネ
ット122が配されている。このITOカソード120
の凹部の開口部には、後述するRF接続導体123が取
付けられている。さらに、ITOカソード120の凹部
及びRF接続導体123は、前述の電源装置112を支
持するカソードケース126で覆われている。
【0037】RF接続導体123は、梯子状をなしてお
り、凹部開口部の両側においてITOカソード120の
端面上に面接触の状態で固定された銅製の縦方向導体1
24a,124b(厚さ2mm、幅40mm、長さ10
66mm)と、これらの縦方向導体124a,124b
を等間隔で接続する銅製の横方向導体125a〜125
eとから成る。縦方向導体124a,124bは、ター
ゲット107の移動方向に垂直な方向、即ちターゲット
107の長手方向に沿って面接触している。
【0038】ITOカソード部104aには、その上部
において電源装置112が取付けられており(図6参
照)、電源装置112の出力からは、フレキシブル金属
帯113(厚さ0.2mm、幅40mm)が引き出さ
れ、その端部は、図示しないボルトで横方向導体125
cのほぼ中央部に接続されている。一方、ITOカソー
ド部104bには、その下部において電源装置112が
取付けられており(図6参照)、同様に、電源装置11
2の出力からは、フレキシブル金属帯113が引き出さ
れ、その端部は、図示しないボルトで横方向導体125
cのほぼ中央部に接続されている。
【0039】このように、ITOカソード部104a,
104bにスパッタ電力を供給する2つの電源装置11
2は基板106の移動方向に垂直な方向に関して互いに
異なる位置に取り付けることができる。電源装置112
から引き出されるフレキシブル金属帯113は、RF接
続導体123の略中央部の横方向導体125cの中央部
に接続するのが望ましい。なぜならば、RF接続導体1
23の中央部に供給されたRF電力は、RF接続導体1
23とこれに面接触しているITOカソード120を介
してターゲット107の周囲まで等方的に伝搬させるこ
とができるからである。
【0040】本実施の形態によれば、電源装置112
は、ITOカソード部104aでは、その上部に取り付
けられて、フレキシブル金属帯113を介して横方向導
体125cのほぼ中央部に接続され、電源装置112は
ITOカソード部104bでは、その下部に取り付けら
れて、フレキシブル金属帯113を介して横方向導体1
25cのほぼ中央部に接続され、その結果、2つの電源
装置112が、基板106の移動方向に垂直な方向に関
して互いに異なる位置に配設されてITOカソード12
0にスパッタ電力を供給し、もって、1つの電源装置位
置に基づく基板106上のITO膜の膜厚分布が、他の
1つの電源装置位置に基づく基板106上のITO膜の
膜厚分布を補完するので、ターゲット107全面に亘っ
てターゲット107の近傍に形成されるプラズマの密度
を均一化することができ、もって基板106全面に亘っ
て膜厚膜質共に均一なITO膜を形成することができ
る。
【0041】上記実施の形態において、ITOカソード
部104は、3つ以上設けられてもよい。例えば、IT
Oカソード部104の数が3つの場合は、ITOカソー
ド部104の各々に電源装置112を取付けて、3つの
電源装置のITOカソード部104への取付け位置を互
いに垂直方向に関して等間隔に配置する。
【0042】上記実施の形態のようにITOカソード部
104を複数用いることは、それぞれのターゲット10
7に大電力のスパッタ電力を負荷することなく、すなわ
ち放電の不安定を招くことなく成膜レー卜を上げるとい
う工業的理由で、従来から採られてきた装置形態であ
る。本発明はこの利点を活用させるとともに、大面積の
基板106に均一なITO膜を形成させるために大きな
効果をもたらす。
【0043】上記実施の形態では、1つのITOカソー
ド部104に対して電源装置112が1つ配されている
が、1つのITOカソード部104に対して複数の電源
装置112を配してもよい。この場合、複数の電源装置
112のITOカソード部104への取付け位置を互い
に垂直方向に関して等間隔に分散させる。
【0044】フレキシブル金属帯113はフレキシブル
金属帯113と同種の金属、即ち銅から成る横方向導体
125に取り付けられるため、接触抵抗の変化によるI
TOカソード120全体のインピーダンスの変化を防止
することができる。
【0045】さらに、横方向導体125を介して供給さ
れるスパッタ電力は、ターゲット107と平行に取り付
けられている縦方向導体124a,124bからITO
カソード120に供給されるので、ターゲット107の
周囲で等方的にスパッタ電力を伝搬させることができ
る。また、縦方向導体124a,124bとITOカソ
ード部104aとは、面接触しているので確実に等方的
にスパッタ電力の伝搬を行うことができる。
【0046】また、ITOカソード部104a上のRF
接続導体123の形状はその外縁がターゲット107の
外縁と平行でかつその長辺と短辺がターゲット103の
長辺と短辺とそれぞれ同方向になるように配置されてい
ることが好ましい。これにより、供給されたスパッタ電
力をターゲット107の周囲までより等方的に伝搬させ
ることができる。
【0047】RF接続導体123の寸法やフレキシブル
金属帯113の接続方法については、本発明の主旨に従
う内容であれば特に制限はない。一般にスパッタ電力が
導入されるITOカソード部104a,104bの背面
には冷却水配管をはじめ、様々な部材が取り付けられて
いるので、それら部材と相互に干渉しないように配置
し、且つ接続すればよい。
【0048】DC電力を供給する同軸ケーブル117の
接続方法についてもフレキシブル金属帯の接続方法と同
様にすればよい。
【0049】また、フレキシブル金属帯113の材質は
一般的に銅であるが、導電率が大きく、適度な耐候性を
有する材料から選択され、銅の他、銀、アルミニウム、
金などが例示される。
【0050】縦方向導体124及び横方向導体125の
材質も、同様の理由から、銅、銀、アルミニウム、金な
どが例示される。
【0051】さらに、カルーセル103の各側面に取り
付けられている全ての基板106に均一な膜厚分布を得
るためには、スパッタガスボンベ111からプロセスガ
スを真空室101内に供給する位置やガス圧分布を操作
したり、ターゲット107の形状に工夫を施したり、ま
た、膜厚補正板を併用してもよい。
【0052】また、1つのITOカソード部104に対
して、電源装置112が1つである場合、電源装置11
2をITOカソード部104の一端側に取付けるのに対
して、ITOカソード部104の他端側に可変コンデン
サを介して接地回路を取付けてもよい。これにより、電
源装置112が取付けられるカソードケースの開口部を
介して電源装置112側に戻るスパッタ電力と同等の電
力を接地回路を介してアースして、ITOカソード部1
04全体に供給されているスパッタ電力の分布を均一化
することができる。
【0053】さらに、上記実施の形態は、ITOカソー
ド部104を対象としているが、本発明は、SiO2
ソード部105についても適用できる。
【0054】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0055】4枚の基板106を、図1のカルーセル1
03の回転方向と垂直方向(上下方向)に直列に配置
し、図3のように2つの電源装置112をそれぞれのカ
ソードケース126の中央をはさんで、互いに反対側に
取り付けた。スパッタ電力をITOカソード部104に
供給することにより基板106上にITO膜を形成した
試験片を作成した。
【0056】〔ITO膜形成条件〕 1.目標膜厚:180nm,目標抵抗値:10Ω 2.ターゲットサイズ:幅127mm、長さ1625m
m 3.プロセスガス:Ar 600cm3/分(300cm
3/分×2系統) O2 2cm3/分(1cm3/分×2系統) 4.真空室圧力:0.29Pa(2.2×10-3Tor
r) 5.基板温度:200℃ 6.スパッタ方式:DC・RF重畳方式(DC 1.5
kW、RF 3.0kW) 7.使用電源装置数:2 8.膜形成時間:実施例 約25分 9.基板:0.7×300×400mm3 カラーフィル
タと樹脂保護膜付き 図7に示すように、基板106の300mmの辺を縦に
して、ターゲット103の長手方向に4枚を直列に配置
するようにカルーセル103に取り付け、ITO膜特性
の測定点として、各基板106のターゲット107の長
手方向に対応する方向に3カ所、上から1〜12までの
番号を振り、各測定点についてそのITO膜厚(n
m)、表面抵抗(Ω)、及び比抵抗(μΩ・cm)の3
つの特性値を測定した。また、測定した各特性値のバラ
ツキは(最大値−最小値)/(2×平均値)に±の記号
を付した分布%により示す。
【0057】また、比較例として、図3の2つの電源装
置112のうち、片側の電源装置113からのスパッタ
電力のみで約50分間ITOカソード部104に供給す
ることにより基板106上にITO膜を形成した試験片
を作成した(比較例1,2)。
【0058】以下に、比較例1として上側の電源装置1
12からのみスパッタ電力がITOカソード部104に
供給されたときの結果を示す。
【0059】
【表1】
【0060】この表1から明らかなように、比較例1で
は、測定点の番号が小さい程ITO膜厚が小さくなり、
その分布%は±7.1%と大きくなることが確認され
た。また、表面抵抗も測定点の番号が小さい程高くな
り、その分布%は±8.8%と大きくなることが確認さ
れた。しかし、電源装置112の位置は、比抵抗には大
きな影響は与えず、その分布%は±3.6%に留まって
おり、表面抵抗は専ら膜厚に依存していることが確認さ
れた。
【0061】次に、比較例2として下側の電源装置11
2からのみスパッタ電力がITOカソード部104に供
給されたときの結果を示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2から明らかなように、比較例2では、
測定点の番号が大きい程ITO膜厚が小さくなり、その
分布%は±9.8%と大きくなることが確認された。ま
た、表面抵抗も測定点番号が大きい程高くなり、その分
布%は±10.5%と大きくなることが確認された。し
かし比較例1と同じく、電源装置112の位置は、比抵
抗には大きな影響は与えず、その分布%は±2.7%に
留まることが確認された。
【0064】これらに対して、実施例の膜形成条件によ
りスパッタ電力がITOカソード部104に供給された
ときの結果を示す。
【0065】
【表3】
【0066】表3から明らかなように、実施例1では、
ITO膜厚、表面抵抗、及び比抵抗の各特性値は測定点
により影響せず、その各分布%は順に±3.5%、±
4.2%、及び±3.8%となり、製品として許容され
ているバラツキ範囲内に各特性値の分布が収まり、カル
ーセル103に取り付けられている全ての基板106に
形成するITO膜の膜厚および膜質を均一にすることが
できる。
【0067】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1記
載のスパッタリング装置によれば、複数の電源装置が、
基板の移動方向に垂直な方向に関して互いに異なる位置
配されるので、ターゲット全面に亘ってターゲットの
近傍に形成されるプラズマの密度を均一化することがで
き、もって基板全面に亘って膜厚膜質共に均一な薄膜を
形成することができる。
【0068】請求項2記載のスパッタリング装置によれ
ば、複数の電源装置の位置は、電源装置位置の1つに基
づく前記基板上の薄膜の膜厚分布が、前記電源装置位置
の1つに隣接する電源装置位置の他の1つに基づく基板
上の薄膜の膜厚分布を補完するように決定されるので、
基板全面に亘って膜厚膜質共により均一な薄膜を形成す
ることができる。
【0069】請求項3記載のスパッタリング装置によれ
ば、電源装置が、カソードに、垂直方向に沿って面接触
する板状の導体を介してスパッタ電力を供給するように
構成されているので、スパッタ電力がターゲットの周囲
まで等方的に伝搬し、もってターゲット近傍に形成され
るプラズマの密度を確実に空間的に均一化することがで
きる。
【0070】請求項4記載のスパッタリング装置によれ
ば、カソードが基板の移動方向に沿って複数配置される
ので、グロー放電の安定状態を維持しつつ薄膜形成レー
卜を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスパッタリング装置
の主要部の部分切欠平面図である。
【図2】図1のスパッタリング装置100の構成図であ
る。
【図3】図1におけるITOカソード部104の部分切
欠き縦断面図である。
【図4】図3のITOカソード120の凹部開口部の端
面図である。
【図5】図1におけるITOカソード部104の部分切
欠き横断面図である。
【図6】図1におけるITOカソード部104a,10
4bのカソード面の説明図である。
【図7】ITO膜特性の測定点を示す図である。
【図8】従来のDC・RF重畳方式のマグネトロンスパ
ッタリング装置の説明図である。
【符号の説明】
100 スパッタリング装置 101 真空室 102 ケーシング 103 カルーセル 104a,104b ITOカソード部 105a,105b SiO2カソード部 106 基板 107 ターゲット 110 真空ポンプ 111 スパッタガスボンベ 112 電源装置 113 フレキシブル金属帯 114 高周波(RF)電源 115 マッチングボックス 116 直流(DC)電源 117 同軸ケーブル 120 ITOカソード 122 マグネット 123 RF接続導体 126 カソードケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 G02G 1/1343

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空室と、前記真空室内に配されると共
    にターゲットが取り付けられる少なくとも1つのカソー
    ドと、前記真空室内において基板を前記ターゲットに対
    向させつつ所定の方向に移動させる移動手段と、前記カ
    ソードに接続されると共に、直流電力と高周波電力を重
    畳させてスパッタ電力として前記カソードに供給する複
    数の電源装置とを備え、前記基板上にDC・RF重畳方
    式のマグネトロンスパッタリング法により導電性の薄膜
    を形成するスパッタリング装置において、 前記複数の電源装置は、前記所定の方向に垂直な方向に
    関して互いに異なる位置に配されることを特徴とするス
    パッタリング装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の電源装置の位置は、前記電源
    装置位置の1つに基づく前記基板上の薄膜の膜厚分布が
    前記電源装置位置の1つに隣接する電源装置位置の他の
    1つに基づく前記基板上の薄膜の膜厚分布を補完するよ
    うに決定されることを特徴とする請求項1記載のスパッ
    タリング装置。
  3. 【請求項3】 前記電源装置は、前記カソードに、前記
    垂直方向に沿って面接触する導体を介して前記スパッタ
    電力を供給するように構成されていることを特徴とする
    請求項1又は2記載のスパッタリング装置。
  4. 【請求項4】 前記カソードは前記所定の方向に沿って
    少なくとも2つ配置され、前記電源装置の1つは前記カ
    ソードの1つに接続されると共に前記電源装置の他の1
    つは前記カソードの他の1つに接続されることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスパッタリ
    ング装置。
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