JP3483794B2 - 永久磁石モータの制御装置 - Google Patents

永久磁石モータの制御装置

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JP3483794B2 JP09547599A JP9547599A JP3483794B2 JP 3483794 B2 JP3483794 B2 JP 3483794B2 JP 09547599 A JP09547599 A JP 09547599A JP 9547599 A JP9547599 A JP 9547599A JP 3483794 B2 JP3483794 B2 JP 3483794B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータにより
駆動される永久磁石モータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の永久磁石モータの制御装置は図7
に示す構成であり、モータ回転速度ωrを入力として、
モータ回転子と同期して回転するdq座標軸において永
久磁石モータMの無負荷誘起電圧の発生する方向をq軸
にとったときのq軸電圧指令Vqrefを演算して出力する
q軸電圧設定部12と、このq軸電圧設定部12から出
力されるq軸電圧指令Vqrefとモータ回転子位相角θと
を入力として、UVW3相の電圧指令Vu,Vv,Vwを出力
する3相電圧演算部13を備えている。
【0003】そして、インバータ制御の永久磁石モータ
Mを電車や電気自動車などの可変速用途に用いる場合、
高速回転時には、いわゆる弱め界磁制御によりモータ誘
起電圧がインバータINVの最大出力電圧を超える場合
にもモータ端子電圧が一定となるように制御を行なって
いる。
【0004】このような高速回転において、インバータ
INVが過電流保護動作により停止した場合には弱め界
磁制御ができなくなり、過大なブレーキ電流が流れてイ
ンバータINVを破壊する恐れがあるので、モータMと
インバータINVの間に電気的に接続を遮断するスイッ
チSWを入れることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の永久磁石モータの制御装置では、高速走行時
に過電流保護動作が働いてスイッチSWにより回路を遮
断した場合、保護動作から復帰するために再度スイッチ
SWを投入すると、再び急激にブレーキ電流が流れてし
まい、永久磁石モータの円滑な再運転ができない問題点
があった。
【0006】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、スイッチを再投入する前に永久磁石モ
ータの無負荷誘起電圧に相当する値、又は無負荷誘起電
圧と同一方向のインバータ最大電圧を出力するようにイ
ンバータにスイッチング動作させた上で、その後にスイ
ッチを投入することにより、円滑な再運転を可能にする
永久磁石モータの制御装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の永久磁
石モータの制御装置は、永久磁石モータに所望のトルク
を発生させるべく、電圧電流を供給するインバータと、
前記インバータと前記永久磁石モータとを接続する配線
を電気的に入切するスイッチと、再運転指令を入力とし
て、前記インバータに対する運転指令と前記スイッチに
対する投入指令とを、インバータの運転指令に対してス
イッチの投入指令を遅らせて出力する再運転シーケンス
制御部と、モータ回転速度を入力として、モータ回転子
と同期して回転するdq座標軸において前記永久磁石モ
ータの無負荷誘起電圧の発生する方向をq軸にとったと
きのq軸電圧指令を演算して出力するq軸電圧設定部
と、前記q軸電圧設定部から出力されるq軸電圧指令と
モータ回転子位相角とを入力として、前記永久磁石モー
タの無負荷誘起電圧又は無負荷誘起電圧と同一方向のイ
ンバータ最大電圧を前記インバータが出力するのに必要
な電圧指令を求め、UVW3相の電圧指令として出力す
る3相電圧演算部とを備えたものである。
【0008】請求項1の発明の永久磁石モータの制御装
置では、再運転シーケンス制御部が再運転指令を入力と
して、インバータに対する運転指令とスイッチに対する
投入指令とを、インバータの運転指令に対してスイッチ
の投入指令を遅らせて出力する。そしてq軸電圧設定部
がモータ回転速度を入力として、q軸電圧指令を演算し
て出力し、3相電圧演算部がq軸電圧設定部から出力さ
れるq軸電圧指令とモータ回転子位相角とを入力とし
て、永久磁石モータの無負荷誘起電圧又は無負荷誘起電
圧と同一方向のインバータ最大電圧をインバータが出力
するのに必要な電圧指令を求め、UVW3相の電圧指令
としてUVW3相の電圧指令を出力する。
【0009】こうして、スイッチを再投入する前に永久
磁石モータの無負荷誘起電圧に相当する値、又は無負荷
誘起電圧と同一方向のインバータ最大電圧を出力するよ
うにインバータにスイッチング動作させた上で、その後
にスイッチを投入することにより、円滑な再運転を可能
にする。
【0010】請求項2の発明の永久磁石モータの制御装
置は、請求項1において、前記再運転シーケンス制御部
が、前記再運転指令の他に前記q軸電圧設定部から出力
される前記q軸電圧指令と前記インバータの入力直流電
圧とを入力し、入力された前記q軸電圧指令と前記イン
バータの入力直流電圧との比較結果に応じて出力する前
記インバータに対する運転指令と前記スイッチに対する
投入指令との順序を逆転するものであり、スイッチを再
投入する前に永久磁石モータの無負荷誘起電圧に相当す
る値、又は無負荷誘起電圧と同一方向のインバータ最大
電圧を出力するようにインバータにスイッチング動作さ
せた上で、その後にスイッチを投入することによって円
滑な再運転が可能であり、また、インバータ停止状態で
スイッチを投入しても永久磁石モータ側からブレーキ電
流が流れない低誘起電圧の状態においては通常通りの起
動シーケンスをとることができる。
【0011】請求項3の発明の永久磁石モータの制御装
置は、請求項1又は2において、さらに、d軸電流指令
とd軸電流フィードバック値とを入力として、d軸電圧
補正値を出力するd軸電流制御部と、q軸電流指令とq
軸電流フィードバック値とを入力として、q軸電圧補正
値を出力するq軸電流制御部とを備え、前記3相電圧演
算部は、前記q軸電圧設定部から出力される前記q軸電
圧指令、前記d軸電流制御部から出力される前記d軸電
圧補正値、前記q軸電流制御部から出力される前記q軸
電圧補正値及び前記モータ回転子位相角を入力として、
前記永久磁石モータの無負荷誘起電圧又は無負荷誘起電
圧と同一方向のインバータ最大電圧を前記インバータが
出力するのに必要な電圧指令を求め、UVW3相の電圧
指令として出力するものであり、スイッチ投入時にモー
タ誘起電圧とインバータ電圧との差に起因して発生する
電流の振動を抑制し、より安定な再起動が可能になる。
【0012】請求項4の発明の永久磁石モータの制御装
置は、請求項3において、さらに、前記q軸電流指令と
前記q電流フィードバック値とを入力として、電圧位相
補正値を出力する電圧位相補正部を備え、前記3相電圧
演算部は、前記q軸電圧設定部から出力される前記q軸
電圧指令、前記d軸電流制御部から出力されるd軸電圧
補正値、前記q軸電流制御部から出力されるq軸電圧補
正値、及び前記電圧位相補正部が出力される電圧位相補
正値と前記モータ回転子位相角との加算値を入力とし
て、前記永久磁石モータの無負荷誘起電圧又は無負荷誘
起電圧と同一方向のインバータ最大電圧を前記インバー
タが出力するのに必要な電圧指令を求め、UVW3相電
圧指令として出力するものであり、スイッチ投入時にモ
ータ誘起電圧とインバータ電圧との差に起因して発生す
る電流の振動を抑制すると共に、dq軸電流制御による
電圧補正の結果発生する定常電流偏差をなくし、不要な
定常トルクが発生するのを抑制する。
【0013】請求項5の発明の永久磁石モータの制御装
置は、永久磁石モータに所望のトルクを発生させるべく
電圧電流を供給するインバータと、前記インバータと前
記永久磁石モータとを接続する配線を電気的に入切する
スイッチと、再運転指令を入力として、前記インバータ
に対する運転指令と前記スイッチに対する投入指令と
を、インバータの運転指令に対してスイッチの投入指令
を遅らせて出力する再運転シーケンス制御部と、モータ
端子間電圧検出値を入力として、前記永久磁石モータの
無負荷誘起電圧又は無負荷誘起電圧と同一方向のインバ
ータ最大電圧を前記インバータが出力するのに必要な電
圧指令を求め、UVW3相の電圧指令として出力する3
相電圧演算部とを備えたものである。
【0014】請求項5の発明の永久磁石モータの制御装
置では、モータ回転子位相角の検出手段を用いることな
く永久磁石モータを駆動するセンサレス制御システムに
おいても、永久磁石モータの安定な再運転が可能とな
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の
永久磁石モータの制御装置の構成を示している。直流電
源PSはフィルタコンデンサFCを介してインバータI
NVに直流電力を供給し、このインバータINVはその
スイッチング制御によって所定周波数の交流電力を生成
して永久磁石モータMに供給してこれを駆動する。従来
と同様に、インバータINVと永久磁石モータMとの間
の配線には、スイッチSWが設けられている。
【0016】そして第1の実施の形態の永久磁石モータ
の制御装置では、再運転シーケンス制御部11と、q軸
電圧設定部12と、3相電圧演算部13が備えられてい
る。
【0017】再運転シーケンス制御部11は、再運転指
令Rstを入力として、インバータINVに対する運転指
令GstとスイッチSWに対する投入指令SWonとを、イン
バータの運転指令Gstに対してスイッチSWの投入指令S
Wonを遅らせて出力する。
【0018】q軸電圧設定部12は、永久磁石モータM
の速度センサ(図示せず)からフィードバックされるモ
ータ回転速度ωrを入力として、モータ回転子と同期し
て回転するdq座標軸において永久磁石モータMの無負
荷誘起電圧の発生する方向をq軸にとったときのq軸電
圧指令Vqrefを演算して出力する。
【0019】3相電圧演算部13は、q軸電圧設定部1
2から出力されるq軸電圧指令Vqrefとモータ回転子位
相角ωrとを入力として、UVW3相の電圧指令Vu,V
v,Vwを出力する。
【0020】次に、上記構成の永久磁石モータの制御装
置の動作を説明する。図2は再運転シーケンスのタイミ
ングチャートである。再運転シーケンス制御部11は、
運転台から再運転指令Rstを入力すると、次の順序でス
イッチ投入指令SWonとインバータ運転指令Gstとを出力
する。
【0021】Rstが0→1に変化した瞬間を時刻t=0
とおくと、この時刻t=0でGst=1(0がインバータ
停止指令、1がインバータ運転指令)を出力してインバ
ータINVを再起動し、その後の時刻t=t1で、SWon=
1(0がスイッチオフ、1がスイッチオン)を出力して
スイッチSWを投入させる。ただし、この時間t1は、イ
ンバータINVが確実に動作開始するのに必要な時間以
上の値に設定してある。
【0022】q軸電圧設定部12は、モータ回転角周波
数ωrを入力として、次の演算によりq軸電圧指令Vqre
fを求めて出力する。
【0023】
【数1】Vqref=p・ωr・ΦPM ここで、pはモータ極対数、ΦPMはモータ永久磁石磁束
である。
【0024】この演算結果によるq軸電圧指令Vqref
が、インバータ出力可能最大電圧よりも大きい場合に
は、インバータ出力可能最大電圧V1maxを出力する。
【0025】
【数2】 3相電圧演算部13は、q軸電圧指令Vqrefとモータ回
転子位相角θを入力として、次の演算により3相電圧指
令Vu,Vv,Vwを求めて出力する。
【0026】
【数3】 インバータINVはこの3相電圧指令Vu,Vv,Vwに基づ
き、これらに一致するように電力変換し、3相交流を永
久磁石モータMに供給する。
【0027】これにより、第1の実施の形態の永久磁石
モータの制御装置では、永久磁石モータMの高速回転時
に過電流保護動作が働いてスイッチSWにより回路を遮
断した場合、保護動作から復帰するために再度スイッチ
SWを投入しても、永久磁石モータMの誘起電圧とイン
バータINVの出力電圧との差電圧のみに起因した無効
電流しか流れないためにブレーキ力は働かず、安定した
再投入が可能となる。次に、本発明の第2の実施の形態
の永久磁石モータの制御装置を、図3に基づいて説明す
る。
【0028】第2の実施の形態の永久磁石モータの制御
装置の特徴は、再運転シーケンス制御部11が、第1の
実施の形態と同様に再運転指令Rstを入力とするとと
も、q軸電圧設定部12から出力されるq軸電圧指令Vq
refとインバータINVの入力直流電圧Vdcを入力し、入
力されたq軸電圧指令Vqrefとインバータ入力直流電圧V
dcとの比較結果に応じて、インバータINVに対する運
転指令GstとスイッチSWに対する投入指令SWonとの順
序を逆転するようにした点にある。その他の構成要素は
図1に示した第1の実施の形態と同様であるので、同一
の部分には同一の符号を用いて、以下説明する。
【0029】再運転シーケンス制御部11は次のように
動作する。いま、再運転指令Rstが0→1に変化した時
刻をt=0とおく。
【0030】[1]Vqref≧Vdc/√2の場合 t=0で、Gst=1(0がインバータ停止指令、1がイ
ンバータ運転指令)を出力してインバータINVを再起
動し、その後の時刻t=t1で、SWon=1(0がスイッチ
オフ、1がスイッチオン)を出力してスイッチSWを投
入させる。ただし、この時間t1は、インバータINVが
確実に動作開始するのに必要な時間以上の値である。
【0031】[2]Vqref<Vdc/√2の場合 t=0でSWon=1を出力してスイッチSWを投入させ、
その後、t=t2でGst=1を出力してインバータINV
を再起動する。ただし、この時間t2は、スイッチSWが
動作完了するのに必要な時間以上の値に設定してある。
【0032】このようにして、第2の実施の形態では、
永久磁石モータMの高速回転時に過電流保護動作が働い
てスイッチSWにより回路を遮断した場合、保護動作か
ら復帰するために再度スイッチSWを投入しても、永久
磁石モータMの誘起電圧とインバータINVの出力電圧
との差電圧のみに起因した無効電流しか流れないために
ブレーキ力は働かず、安定した再投入が可能であり、し
かも、インバータINVの停止状態でスイッチSWを投
入してもブレーキ電流が流れる恐れがない低誘起電圧の
状態においては、通常通りの起動シーケンスをとること
ができる。
【0033】次に、本発明の第3の実施の形態の永久磁
石モータの制御装置を、図4に基づいて説明する。この
実施の形態永久磁石の制御装置は、図1に示した第1の
実施の形態と同様、再運転シーケンス制御部11とq軸
電圧設定部12と3相電圧演算部13を備え、加えて、
d軸電流制御部14とq軸電流制御部15とを備えてい
る。
【0034】d軸電流制御部14は、d軸電流指令Idre
fとd軸電流フィードバック値Idとを入力として、d軸
電圧補正値ΔVdを出力する。q軸電流制御部15は、q
軸電流指令Iqrefとq軸電流フィードバック値Iqとを入
力として、q軸電圧補正値ΔVqを出力する。そして、3
相電圧演算部13は、q軸電圧設定部12が出力するq
軸電圧指令Vqref、モータ回転子位相角θ、そして新た
に追加されたd軸電流制御部14から出力されるd軸電
圧補正値ΔVdとq軸電流制御部15から出力されるq軸
電圧補正値ΔVqを入力として、UVW3相の電圧指令を
求めて出力する。
【0035】次に、この第3の実施の形態の永久磁石モ
ータの制御装置の動作を説明する。再運転シーケンス制
御部11は、第1の実施の形態と同様に、運転台から再
運転指令Rstを入力すると、図2のシーケンスによりス
イッチ投入指令SWonとインバータ運転指令Gstとを出力
する。
【0036】q軸電圧設定部12はモータ回転角周波数
ωrを入力として、第1の実施の形態と同様の演算によ
ってq軸電圧指令Vqrefを求めて出力する。
【0037】d軸電流制御部14はd軸電流指令Idref
とd軸電流フィードバック値Idとを入力として、次の演
算によってd軸電圧補正値ΔVdを出力する。
【0038】
【数4】ΔVd=Kp・(Idref−Id) ここで、Kpは比例ゲインである。
【0039】またq軸電流制御部15はq軸電流指令Iq
refとq軸電流Iqとを入力として、次の演算によってq
軸電圧補正値ΔVqを出力する。
【0040】
【数5】ΔVq=Kp・(Iqref−Iq) そして3相電圧演算部13は、q軸電圧設定部12から
のq軸電圧指令Vqrefと、d軸電流制御部14からのd
軸電圧補正値ΔVdと、q軸電流制御部15からのq軸電
圧補正値ΔVq、そしてモータ回転子位相角θを入力し
て、次の演算によって3相電圧指令Vu,Vv,Vwを求めて
出力する。
【0041】まず、電圧位相角δvは、次の式によって
求める。
【0042】
【数6】 次に、この電圧位相角δvを用いて、次の式により、3
相電圧指令Vu,Vv,Vwを求めてインバータINVに出力
する。
【0043】
【数7】 インバータINVはこの3相電圧指令Vu,Vv,Vwに基づ
き、これらに一致するように電力変換し、3相交流を永
久磁石モータMに供給する。
【0044】これにより、第3の実施の形態の永久磁石
モータの制御装置では、第1の実施の形態と同様に、永
久磁石モータMの高速回転時に過電流保護動作が働いて
スイッチSWにより回路を遮断した場合、保護動作から
復帰するために再度スイッチSWを投入しても、永久磁
石モータMの誘起電圧とインバータINVの出力電圧と
の差電圧のみに起因した無効電流しか流れないためにブ
レーキ力は働かず、安定した再起動が可能となる。しか
も、スイッチSWの再投入時にモータ誘起電圧とインバ
ータ電圧との差に起因して発生する無効電流の振動があ
ってもそれを抑制することができ、より安定な再起動が
可能になる。
【0045】次に、本発明の第4の実施の形態の永久磁
石モータの制御装置を、図5に基づいて説明する。
【0046】第4の実施の形態の特徴は、図4に示した
第3の実施の形態に対して、さらに、q軸電流指令Iqre
fとq軸電流フィードバック値Iqとを入力として、電圧
位相補正値Δθを出力する電圧位相補正部16を追加的
に備え、また、3相電圧演算部13が、q軸電圧設定部
12から出力されるq軸電圧指令Vqref、d軸電流制御
部14から出力されるd軸電圧補正値ΔVd、q軸電流制
御部15から出力されるq軸電圧補正値ΔVq、そして上
記の電圧位相補正部16から出力される電圧位相補正値
Δθとモータ回転子位相角θとの加算値を入力として、
UVW3相電圧指令を出力するようにした点にある。
【0047】次に、この第4の実施の形態の永久磁石モ
ータの制御装置の動作を説明する。再運転シーケンス制
御部11は、第1の実施の形態、第3の実施の形態それ
ぞれと同様に、運転台から再運転指令Rstを入力する
と、図2のシーケンスによりスイッチ投入指令SWonとイ
ンバータ運転指令Gstとを出力する。
【0048】q軸電圧設定部12は第1〜第3の実施の
形態と同様の演算によりq軸電圧指令Vqrefを求めて出
力する。d軸電流制御部14とq軸電流制御部15は第
3の実施の形態と同様の演算により、それぞれd軸電圧
補正値ΔVd、q軸電圧補正値ΔVqを求めて出力する。
【0049】そして、この実施の形態の特徴である電圧
位相補正部16は、q軸電流指令Iqrefとq軸電流フィ
ードバック値Iqとを入力して、次の演算により電圧位相
補正値Δθを出力する。
【0050】
【数8】 ここで、Kiは積分ゲイン、sは微分演算子である。
【0051】この電圧位相補正値Δθは、モータ回転子
位相角θと加算され、θd(=θ+Δθ)として3相電
圧演算部13に入力される。そして3相電圧演算部13
は、q軸電圧指令Vqrefとd軸電圧補正値ΔVdとq軸電
圧補正値ΔVq、そしてモータ回転子位相角θと電圧位相
補正値Δθとの加算結果θdとを入力して、次の演算に
よって3相電圧指令Vu,Vv,Vwを求めて出力する。
【0052】まず、電圧位相角δvは、上記の数6式に
よって求める。次に、この電圧位相角δvを用いて、次
の式により、3相電圧指令Vu,Vv,Vwを求めてインバー
タINVに出力する。
【0053】
【数9】 インバータINVはこの3相電圧指令Vu,Vv,Vwに基づ
き、これらに一致するように電力変換し、3相交流を永
久磁石モータMに供給する。
【0054】これにより、第4の実施の形態の永久磁石
モータの制御装置では、第1の実施の形態と同様に、永
久磁石モータMの高速回転時に過電流保護動作が働いて
スイッチSWにより回路を遮断した場合、保護動作から
復帰するために再度スイッチSWを投入しても、永久磁
石モータMの誘起電圧とインバータINVの出力電圧と
の差電圧のみに起因した無効電流しか流れないためにブ
レーキ力は働かず、安定した再起動が可能となる。しか
も、第3の実施の形態と同様に、スイッチSWの再投入
時にモータ誘起電圧とインバータ電圧との差に起因して
発生する無効電流の振動があってもそれを抑制すること
ができ、より安定な再起動が可能になる。加えて、dq
軸電流制御による電圧補正の結果発生する定常電流偏差
をなくして、不要な定常トルクが発生するのを抑制する
ことができる。
【0055】なお、これらの第3及び第4の実施の形態
においては、再運転シーケンス制御部11は、図3に示
した第2の実施の形態と同様に、インバータINVの停
止状態でスイッチSWを投入してもブレーキ電流が流れ
る恐れがない低誘起電圧の状態においては、通常通りの
起動シーケンスをとる構成にすることができる。
【0056】次に、本発明の第5の実施の形態の永久磁
石モータの制御装置を、図6に基づいて説明する。第5
の実施の形態の永久磁石モータの制御装置は、図1に示
した第1の実施の形態と同様、再運転指令Rstを入力と
して、インバータINVに対する運転指令Gstとスイッ
チSWに対する投入指令SWonとを出力する再運転シーケ
ンス制御部11と、モータ端子間電圧検出値Vuv,Vvwを
入力としてUVW3相の電圧指令Vu,Vv,Vwを出力する
3相電圧演算部13とを備えている。
【0057】次に、この第5の実施の形態の永久磁石モ
ータの制御装置の動作を説明する。再運転シーケンス制
御部11は、第1、第3、そして第4の実施の形態それ
ぞれと同様に、運転台から再運転指令Rstを入力する
と、図2のシーケンスによりスイッチ投入指令SWonとイ
ンバータ運転指令Gstとを出力する。
【0058】この実施の形態の特徴部である3相電圧演
算部13は、モータ端子間電圧Vuv,Vvwを入力として、
次の演算により3相電圧指令Vu,Vv,Vwを求めて出力す
る。
【0059】
【数10】 インバータINVはこの3相電圧指令Vu,Vv,Vwに基づ
き、これらに一致するように電力変換し、3相交流を永
久磁石モータMに供給する。
【0060】ここで、モータ端子電圧が3相交流である
ことから、PLLループ(位相同期ループ)を用いて位
相を検出し、3相電圧指令を演算することもできる。
【0061】これにより、第5の実施の形態の永久磁石
モータの制御装置では、モータ回転子位相角θの検出手
段を用いることなく永久磁石モータMを駆動するセンサ
レス制御システムにおいても、永久磁石モータMの安定
な再運転が可能となる。
【0062】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
スイッチを再投入する前に永久磁石モータの無負荷誘起
電圧に相当する値、又は無負荷誘起電圧と同一方向のイ
ンバータ最大電圧を出力するようにインバータにスイッ
チング動作させた上で、その後にスイッチを投入するこ
とにより、円滑な再運転を可能にする。
【0063】請求項2の発明によれば、スイッチを再投
入する前に永久磁石モータの無負荷誘起電圧に相当する
値、又は無負荷誘起電圧と同一方向のインバータ最大電
圧を出力するようにインバータにスイッチング動作させ
た上で、その後にスイッチを投入することによって円滑
な再運転を可能であり、また、インバータ停止状態でス
イッチを投入しても永久磁石モータ側からブレーキ電流
が流れない低誘起電圧の状態においては通常通りの起動
シーケンスをとることができる。
【0064】請求項3の発明によれば、請求項1又は2
の発明の効果に加えて、スイッチ投入時にモータ誘起電
圧とインバータ電圧との差に起因して発生する電流の振
動を抑制し、より安定な再起動が可能になる。
【0065】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
の効果に加えて、スイッチ投入時にモータ誘起電圧とイ
ンバータ電圧との差に起因して発生する電流の振動を抑
制すると共に、dq軸電流制御による電圧補正の結果発
生する定常電流偏差をなくし、不要な定常トルクが発生
するのを抑制することができる。
【0066】請求項5の発明によれば、モータ回転子位
相角の検出手段を用いることなく永久磁石モータを駆動
するセンサレス制御システムにおいても、永久磁石モー
タの安定な再運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図。
【図2】上記の実施の形態による再運転シーケンス制御
のタイミングチャート。
【図3】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図。
【図5】本発明の第4の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図。
【図6】本発明の第5の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図。
【図7】従来例の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
INV インバータ M 永久磁石モータ SW スイッチ 11 再運転シーケンス制御部 12 q軸電圧設定部 13 3相電圧演算部 14 d軸電流制御部 15 q軸電流制御部 16 電圧位相補正部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/12 H02P 21/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石モータに所望のトルクを発生さ
    せるべく、電圧電流を供給するインバータと、 前記インバータと前記永久磁石モータとを接続する配線
    を電気的に入切するスイッチと、 再運転指令を入力として、前記インバータに対する運転
    指令と前記スイッチに対する投入指令とを、インバータ
    の運転指令に対してスイッチの投入指令を遅らせて出力
    する再運転シーケンス制御部と、 モータ回転速度を入力として、モータ回転子と同期して
    回転するdq座標軸において前記永久磁石モータの無負
    荷誘起電圧の発生する方向をq軸にとったときのq軸電
    圧指令を演算して出力するq軸電圧設定部と、 前記q軸電圧設定部から出力されるq軸電圧指令とモー
    タ回転子位相角とを入力として、前記永久磁石モータの
    無負荷誘起電圧又は無負荷誘起電圧と同一方向のインバ
    ータ最大電圧を前記インバータが出力するのに必要な電
    圧指令を求め、UVW3相の電圧指令として出力する3
    相電圧演算部とを備えて成る永久磁石モータの制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記再運転シーケンス制御部は、前記再
    運転指令の他に前記q軸電圧設定部から出力される前記
    q軸電圧指令と前記インバータの入力直流電圧とを入力
    し、入力された前記q軸電圧指令と前記インバータの入
    力直流電圧との比較結果に応じて出力する前記インバー
    タに対する運転指令と前記スイッチに対する投入指令と
    の順序を逆転することを特徴とする請求項1に記載の永
    久磁石モータの制御装置。
  3. 【請求項3】 d軸電流指令とd軸電流フィードバック
    値とを入力として、d軸電圧補正値を出力するd軸電流
    制御部と、q軸電流指令とq軸電流フィードバック値と
    を入力として、q軸電圧補正値を出力するq軸電流制御
    部とを備え、 前記3相電圧演算部は、前記q軸電圧設定部から出力さ
    れる前記q軸電圧指令、前記d軸電流制御部から出力さ
    れる前記d軸電圧補正値、前記q軸電流制御部から出力
    される前記q軸電圧補正値及び前記モータ回転子位相角
    を入力として、前記永久磁石モータの無負荷誘起電圧又
    は無負荷誘起電圧と同一方向のインバー タ最大電圧を前
    記インバータが出力するのに必要な電圧指令を求め、
    VW3相の電圧指令として出力することを特徴とする請
    求項1又は2に記載の永久磁石モータの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記q軸電流指令と前記q電流フィード
    バック値とを入力として、電圧位相補正値を出力する電
    圧位相補正部を備え、 前記3相電圧演算部は、前記q軸電圧設定部から出力さ
    れる前記q軸電圧指令、前記d軸電流制御部から出力さ
    れるd軸電圧補正値、前記q軸電流制御部から出力され
    るq軸電圧補正値、及び前記電圧位相補正部が出力され
    る電圧位相補正値と前記モータ回転子位相角との加算値
    を入力として、前記永久磁石モータの無負荷誘起電圧又
    は無負荷誘起電圧と同一方向のインバータ最大電圧を前
    記インバータが出力するのに必要な電圧指令を求め、
    VW3相電圧指令として出力することを特徴とする請求
    項3に記載の永久磁石モータの制御装置。
  5. 【請求項5】 永久磁石モータに所望のトルクを発生さ
    せるべく電圧電流を供給するインバータと、 前記インバータと前記永久磁石モータとを接続する配線
    を電気的に入切するスイッチと、 再運転指令を入力として、前記インバータに対する運転
    指令と前記スイッチに対する投入指令とを、インバータ
    の運転指令に対してスイッチの投入指令を遅らせて出力
    する再運転シーケンス制御部と、 モータ端子間電圧検出値を入力として、前記永久磁石モ
    ータの無負荷誘起電圧又は無負荷誘起電圧と同一方向の
    インバータ最大電圧を前記インバータが出力するのに必
    要な電圧指令を求め、UVW3相の電圧指令として出力
    する3相電圧演算部とを備えて成る永久磁石モータの制
    御装置。
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