JP3483420B2 - 加熱定着装置 - Google Patents

加熱定着装置

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JP3483420B2
JP3483420B2 JP05831497A JP5831497A JP3483420B2 JP 3483420 B2 JP3483420 B2 JP 3483420B2 JP 05831497 A JP05831497 A JP 05831497A JP 5831497 A JP5831497 A JP 5831497A JP 3483420 B2 JP3483420 B2 JP 3483420B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加熱定着装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機・プリンター等の画像形成
装置の多くは画像定着手段、即ち、転写方式または直接
方式の電子写真・静電記録・磁気記録等の適宜の画像形
成プロセス手段(作像手段)により加熱溶融性の樹脂等
より成る顕画剤(トナー)を用いて転写材シート・静電
記録紙・エレクトロファックス紙・印字用紙等の被記録
材に形成担持させた目的の画像情報に対応した未定着画
像を永久画像として加熱定着させる装置として、熱効
率、安全性が良好な接触加熱型の熱ローラ定着方式の装
置や、省エネルギータイプのフィルム加熱方式の装置を
採用している。
【0003】熱ローラ定着方式の加熱定着装置は、加熱
用回転体としての加熱ローラ(定着ローラ)と、これに
圧接させた加圧用回転体としての弾性加圧ローラを基本
構成とし、この一対のローラを回転させて該両ローラ対
の圧接ニップ部(定着ニップ部)に未定着画像(トナー
画像)を形成担持させた被加熱材としての被記録材を導
入して圧接ニップ部を挟持搬送通過させることで、加熱
ローラからの熱と圧接ニップ部の加圧力にて未定着画像
を被記録材面に永久固着画像として熱圧定着させるもの
である。
【0004】また、フィルム加熱方式の加熱定着装置は
例えば特開昭63−313182号公報、特開平2−1
57878、4−44075〜44083、4−204
980〜204984号公報等に提案されており、加熱
体に加熱用回転体である耐熱性フィルム(定着フィル
ム)を加圧用回転体(弾性ローラ)で密着させて摺動搬
送させ、該フィルムを挟んで加熱体と加圧用回転体とで
形成される圧接ニップ部に未定着画像を担持させ被記録
材を導入してフィルムと一緒に搬送させて、フィルムを
介して付与される加熱体からの熱と圧接ニップ部の加圧
力によって未定着画像を被記録材面に永久固着画像とし
て熱圧定着させるものである。
【0005】フィルム加熱方式の加熱定着装置は、加熱
体として低熱容量線状加熱体を、フィルムとして薄膜の
低熱容量のものを用いることが出来るため、省電力化・
ウエイトタイム短縮化(クイックスタート性)が可能で
ある。
【0006】又、フィルムの駆動方式として、フィルム
内周面に駆動ローラを設け、フィルムにテンションを加
えながら駆動する方式(定着フィルム駆動方式)、フィ
ルムをフィルムガイドにルーズに嵌合させ、加圧用回転
体である加圧ローラを駆動することで、フィルムを加圧
ローラに対し従動回転させる方式(加圧ローラ駆動方
式)が知られている。近年では部品点数が少なくて済む
ことから、後者の加圧ローラ駆動方式が採用されること
が多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
a)上記加熱定着装置において、特に加熱用回転体とし
てのフィルムをフィルムガイドにルーズに嵌合させ、加
圧ローラを駆動することで、フィルムを加圧ローラに対
し従動回転させる加圧ローラ駆動方式においては、加圧
ローラの駆動搬送力が不十分な場合、フィルムと加圧ロ
ーラ間に被記録材が通過するときに加圧ローラと被記録
材間でスリップが発生して被記録材の搬送が良好に行わ
れない場合があり、特にこの現象は加圧ローラ表層を離
型性及び耐久性に優れたPFAチューブで形成した場合
に発生しやすく、更に画像形成装置の画像形成速度(≒
加圧ローラ周速)が速いほど発生しやすい。
【0008】このため、熱ローラ定着方式の加熱定着装
置や、定着フィルム駆動タイプのフィルム加熱方式の加
熱定着装置では広く用いられている上記PFAチューブ
被覆加圧ローラが、加圧ローラ駆動タイプのフィルム加
熱方式の加熱定着装置ではあまり使用されず、加圧ロー
ラとしては、単に芯金の上にシリコーンゴム層を設けた
もの、あるいは上記シリコーンゴム層上にフッ素樹脂混
入フッ素ゴムラテックスをコーティングしたものが用い
られているが、何れも表層にPFAチューブを設けた加
圧ローラに比べ、耐久性に劣るという欠点を有してい
る。
【0009】b)また、加圧ローラ駆動タイプのフィル
ム加熱方式の加熱定着装置においては、被記録材やフィ
ルムの搬送速度はこの加圧ローラの周速で決まるため、
駆動ローラとしての加圧ローラの熱膨張が大きいと周速
が変化しやすく、被記録材が画像転写部等の作像部と加
熱定着装置との間にまたがっているとき被記録材が加熱
定着装置に引っ張られることになって作像部では形成画
像が伸びたり、ぶれたりする。
【0010】この問題を軽減するために、加圧ローラの
熱膨張率を小さくする必要があるが、単に熱膨張を小さ
くするために弾性層の肉厚を薄くすることは、十分な圧
接ニップ幅を得ることが困難となり、特に加熱定着装置
の高速化に対応しづらくなる。
【0011】そこで本発明は、加圧用回転体駆動タイプ
の加熱定着装置においても、離型性及び耐久性に優れて
いる樹脂チューブ被覆タイプの加圧用回転体を上記a)
のような加圧用回転体と被記録材間でスリップ現象の問
題や、b)のような加圧用回転体の過度な熱膨張による
画像不良発生の問題を生じさせることなしに、支障なく
利用できるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする加熱定着装置である。
【0013】(1)未定着画像を担持させた被記録材を
加熱用回転体及び加圧用回転体によって形成されたニッ
プ部内を通過させることにより未定着画像を定着する加
熱定着装置において、上記加圧用回転体は外部より駆動
力が伝達されて駆動されるベルトであり、加熱用回転体
は加圧用回転体に対して従動回転し、加圧用回転体は樹
脂チューブからなる表層としての離型層とその内側の弾
性層を有し、該加圧用回転体の離型層及びその内層1m
mまでの弾性層の熱容量が単位長さ(1cm)当たり
1.17(J/K)以下であることを特徴とする加熱定
着装置。(2)加熱用回転体は無端状の耐熱性フィルムからな
り、ニップ部において被記録材の未定着画像担持面と接
するフィルム表面側とは反対のフィルム裏面側に加熱体
を有していることを特徴とする(1)に記載の加熱定着
装置。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】〈作 用〉 後述の実施形態例に詳述したように、加圧用回転体駆動
タイプの加熱定着装置において、加圧用回転体を外部よ
り駆動力が伝達されて駆動される樹脂チューブ被覆タイ
プのベルトにし、該加圧用回転体の樹脂チューブからな
表層としての離型層及びその内層1mmまでの弾性層
の熱容量が単位長さ(1cm)当たり1.17(J/
K)以下である構成のものにすることで、被記録材が定
着ニップ部でスリップする現象が防止でき、加圧用回転
体汚れが長期に渡って発生しないこと、加圧用回転体の
熱膨張による被記録材搬送速度変化を最小限に抑えるこ
とが可能となり、上記効果に加え高速化に対応可能な小
型で低コストな加熱定着装置を構成できることを知見し
て本発明を完成したものである。
【0020】即ち本発明によれば、加圧用回転体駆動タ
イプの加熱定着装置においても、離型性及び耐久性に優
れている樹脂チューブ被覆タイプの加圧用回転体を、該
加圧用回転体と被記録材間でのスリップ現象の問題や、
加圧用回転体の過度な熱膨張による画像不良発生の問題
を生じさせることなしに支障なく利用できて、加圧用回
転体汚れが長期に渡って発生しない、高速化に対応可能
な小型で低コストな加熱定着装置を提供することができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】〈参考例1〉(図1〜図3)本参考例1は本発明を理解する上で参考となる例であ
る。 (1)画像形成装置例 図1は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の
画像形成装置は転写方式電子写真プロセス利用のレーザ
ープリンターである。
【0022】1は像担持体としての回転ドラム型の電子
写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢示の
時計方向に所定の周速度(プロセススピード)にて回転
駆動される。この感光ドラムは、OPC、アモルファス
Se、アモルファスSi等の感光材料をアルミニウムや
ニッケルなどのシリンダ状の基板上に形成した構成から
成る。
【0023】感光ドラム1はその回転過程においてドラ
ム周面が帯電装置としての帯電ローラ2によって所定の
極性・電位に一様に帯電され、その一様帯電面に対して
露光手段であるレーザースキャナー3によるレーザービ
ーム走査露光Lがなされることで、回転感光ドラム面に
目的の画像情報の静電潜像が形成される。レーザースキ
ャナー3はコンピュータ等の不図示の外部機器からプリ
ンター側に入力する目的の画像情報の時系列電気デジタ
ル画素信号に対応してON/OFF変調制御されたレー
ザービームを出力し、そのレーザービームで回転感光ド
ラム面を走査露光Lする。
【0024】回転感光ドラム面の静電潜像は現像装置4
でトナー現像されて可視化される。現像方法としては、
ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法な
どが用いられ、イメージ露光と反転現像との組み合わせ
で用いられることが多い。
【0025】一方、給紙カセット5に積載収納した被記
録材としての転写材Pが給紙ローラ5aにより一枚宛送
り出され、ガイド板5b・レジストローラ対5c等から
構成されるシートパスを通って、感光ドラム1と転写装
置としての転写ローラ6との圧接部である転写ニップ部
Tに所定の制御タイミングにて給送され、その給送転写
材の面に感光ドラム1面側のトナー画像が順次に転写さ
れていく。
【0026】転写ニップ部Tを通った転写材は回転感光
ドラム1面から順次に分離されて、搬送装置7で加熱定
着装置9へ導入され、未定着のトナー画像が永久画像と
して熱圧定着される。この加熱定着装置9については次
の(2)項で詳述する。
【0027】加熱定着装置9を通った転写材は搬送ロー
ラ対10a・ガイド板10b・排出ローラ対10c等か
ら構成されるシートパスを通って、プリンター上面パネ
ル部に設けた排紙トレイ11にプリントアウトされる。
【0028】また転写材分離後の回転感光ドラム1面
は、クリーニング装置8により、転写後に感光ドラム1
上に残留する転写残留トナー等の付着汚染物の除去処理
を受けて清浄面化されて繰り返して作像に供される。
【0029】(2)加熱定着装置9 図2は本例における加熱定着装置9の概略構成模型図で
ある。本例の加熱定着装置9は特開平4−44075〜
44083号公報等に開示の加圧ローラ駆動式・テンシ
ョンレスタイプのフィルム加熱方式の加熱装置である。
【0030】A)装置の全体的概略構成 12は加熱用回転体としてのエンドレスベルト状もしく
は円筒状の耐熱性フィルム(定着フィルム)であり、横
断面略半円弧状樋型のフィルムガイド部材(スティ)1
3に対して周長に余裕を持たせた形でルーズに外嵌させ
てある。
【0031】14は加熱体であり、本例は所謂セラミッ
クヒータである。この加熱体14は上記フィルムガイド
部材12の下面に長手に沿って設けた溝部に嵌入して保
持させてある。
【0032】15は加圧用回転体としての弾性加圧ロー
ラであり、本例の該加圧ローラは、鉄・アルミニウム等
の芯金15aと、この芯金15aの外周に形成したシリ
コーンゴム等の弾性層15bと、さらにこの弾性層15
bの外周に形成した表層としての離型層15cからな
り、離型層15cはPFAチューブである。
【0033】そしてフィルムガイド部材13の下面の加
熱体14と弾性加圧ローラ15とをフィルム12を挟ま
せて弾性加圧ローラ15の弾性に抗して所定の押圧力例
えば総圧4〜15kgf程度の加圧力をもって圧接させ
て加熱部としての所定幅の定着ニップ部Nを形成させて
ある。
【0034】弾性加圧ローラ15は駆動手段Mにより矢
印の反時計方向に回転駆動される(加圧ローラ駆動
式)。この弾性加圧ローラ15の回転駆動による該ロー
ラ15とフィルム12の外面との定着ニップ部Nにおけ
る接触摩擦力でフィルム12に回転力が作用し、該フィ
ルム12がフィルムガイド部材13の外回りを定着ニッ
プ部Nにおいてフィルム内面が加熱体14の下向き表面
に密着して摺動しながら矢印の時計方向に回転する。加
熱体14とフィルム12の間の摩擦抵抗を小さく抑える
ために加熱体14及びフィルムガイド部材13とフィル
ム12の間に耐熱性グリース等の潤滑剤を少量介在させ
るとよい。
【0035】加熱体としてのセラミックヒータ14は後
述するように電力供給により発熱する通電発熱体(抵抗
発熱体)を含み、該通電発熱体の発熱により昇温し、温
度検出素子を含む温度制御系により通電発熱体への電力
供給が制御されて所定の温度(定着温度)に温調管理さ
れる。
【0036】弾性加圧ローラ15の回転駆動によるフィ
ルム12の回転がなされ、加熱体14に対する通電によ
り該加熱体14が所定に昇温した状態において、定着ニ
ップ部Nのフィルム12と弾性加圧ローラ15との間に
未定着トナー画像tを担持した被記録材Pが導入されト
ナー画像担持面がフィルム12の外面に密着してフィル
ム12と一緒に定着ニップ部Nを通過することで、加熱
体14の熱がフィルム12を介して被記録材Pに付与さ
れ未定着トナー画像tが被記録材P面に加熱定着され
る。定着ニップ部Nを通った被記録材Pはフィルム12
の面から曲率分離されて排出搬送される。
【0037】フィルムガイド部材13は加熱体14の支
持部材として機能するとともに、定着ニップ部Nへの加
圧、フィルム12の回転搬送安定性を図る役目をし、耐
熱・断熱材、例えば液晶ポリマー・フェノール樹脂・P
PS・PEEK等の成形体である。
【0038】フィルム12は熱容量を小さくしてクイッ
クスタート性を向上させるために、膜厚を総厚100μ
m以下、好ましくは60μm以下20μm以上とした、
耐熱性・離型性・強度・耐久性等のあるPTFE、PF
A、PPS等の単層フィルム、あるいはポリイミド、ポ
リアミドイミド、PEEK、PES等のフィルム表面に
PTFE、PFA、FEP等を離型層としてコーティン
グした複合層フィルム等である。
【0039】図3の(a)は加熱体としてのセラミック
ヒータ14の一例の拡大横断面模型図、(b)は途中部
分省略・一部切欠き平面模型図である。このヒータ14
は定着ニップ部Nにおけるフィルム12もしくは被加熱
材としての被記録材Pの移動方向aに対して直交する方
向を長手とする細長の耐熱性・絶縁性・良熱伝導性のヒ
ータ基板14a(例えばアルミナ等のセラミック材)、
該基板14aの表面側の短手方向中央部に基板長手に沿
って形成具備させた通電発熱体14b(抵抗発熱体、例
えば銀−パラジウム)、該通電発熱体14bの長手両端
部の給電用電極14c・14c(例えば銀)、通電発熱
体14bを形成したヒータ基板面を保護させた耐熱性オ
ーバーコート層14d(例えば耐熱性ガラス層)8、ヒ
ータ基板裏面側に具備させた、加熱体温度を検知する検
温素子14e(例えばサーミスタ)からなる全体に低熱
容量の線状加熱体である。
【0040】このヒータ14を、通電発熱体14bを形
成具備させた表面側を下向きに露呈させてフィルムガイ
ド部材12の下面に長手に沿って設けた溝部に嵌入して
保持させてある。
【0041】ヒータ14は通電発熱体14bの両端部電
極14c・14cに対する給電により該通電発熱体14
bが長手全長にわたって発熱することで昇温し、その昇
温が検温素子14eで検知され、その検知温度が温度制
御回路(不図示)へフィードバックされてヒータの温度
が所定の温度に維持されるように通電発熱体14bへの
通電が制御される。即ち定着時この検温素子14eの検
知出力が一定となるように通電発熱体14bへの通電が
制御される。
【0042】B)加圧ローラ15 加圧用回転体としての加圧ローラ15は、本例のものは
前記したように、鉄・アルミニウム等の芯金15aと、
この芯金15aの外周に形成したシリコーンゴム等の弾
性層15bと、さらにこの弾性層15bの外周に形成し
た表層としての離型層15cからなり、離型層15cは
PFAチューブである。
【0043】より具体的には、該加圧ローラ15は鉄・
アルミ等の芯金15aをブラスト等の表面粗し処理を行
った後、洗浄を行い、次いで該芯金15aを筒型に挿入
し、液状のシリコーンゴムを型内に注入し加熱硬化させ
ることで弾性層15bを形成させる。この時、この弾性
層15bの外周面に表層としての離型層15cをPFA
チューブ等の樹脂チューブ層で形成する為に、型内に予
め内面にプライマーを塗布した樹脂チューブを挿入して
おくことにより、弾性層15bのゴムの加熱硬化と同時
に離型層15cとしての樹脂チューブと弾性層15bと
してのゴム層の接着を行う。このようにして成型された
加圧ローラ15は脱型処理した後、2次加硫を行う。
【0044】上記のように離型層15cとして樹脂チュ
ーブ層を用いた加圧ローラ15において、定着ニップ部
Nに導入された被加熱材としての転写材P(被記録材)
とのスリップを防止するために、本発明者等は鋭意検討
した結果、加圧ローラ15の持つ熱容量が重要なファク
ターで有ることがわかった。以下その結果を詳述する。
【0045】加圧ローラ15は、芯金15aにφ15〜
φ25の鉄材を用い、その外周に弾性層15bとして肉
厚3mmのシリコーンゴム層を形成し、更にその外周に
離型層(加圧ローラ表層)15cとして厚み50μmの
フッ素樹脂チューブ層を形成した。
【0046】そしてフィルムガイド部材13の下面の加
熱体14とこの弾性加圧ローラ15とをフィルム12を
挟ませて加圧ローラ15の弾性に抗して総圧5kgの荷
重で圧接させて加熱部としての定着ニップ部Nを形成さ
せた。
【0047】画像形成装置(プリンター)の転写材送り
速度は100mm/sec、転写材の通紙間隔は50m
mとした。
【0048】加熱体14はA4サイズ(幅216mm)
の転写材Pを充分定着可能なように通電発熱体14bの
長さを220mmとし、800Wの電力を供給した。
【0049】スリップテストは、最も現象が発生しやす
い高温高湿(30℃・80%)の環境下で1日以上放置
されたA4サイズの転写材(坪量64g/m2 )を同環
境条件化で装置9に通紙して行った。
【0050】.実験例1 1-1. 加圧ローラ外径 φ30(芯金径φ24) 結果→スリップが1枚目で発生しジャムとなる。
【0051】1-2. 加圧ローラ外径 φ28(芯金径φ2
2) 結果→スリップが1枚目で発生しジャムとなる。
【0052】1-3. 加圧ローラ外径 φ26(芯金径φ2
0) 結果→スリップが2枚目で発生しジャムとなる。
【0053】1-4. 加圧ローラ外径 φ24(芯金径φ1
8) 結果→スリップが2〜5枚目で発生したが(目視で確
認)ジャムには至らず。6枚目以降はスリップせず。
【0054】1-5. 加圧ローラ外径 φ22(芯金径φ1
6) 結果→スリップの発生は無し。
【0055】1-6. 加圧ローラ外径 φ20(芯金径φ1
4) 結果→スリップの発生は無し。
【0056】以上のようにスリップ性は加圧ローラ外径
に依存することがわかる。
【0057】更に要因を明確にする為に、加圧ローラ1
5の弾性層であるシリコーンゴム層15bの肉厚を5m
m、2mm、1mmと変化させ同様の実験を行ったとこ
ろ、上記実験と同一の結果が得られ、スリップ現象は加
圧ローラ外径に依存しており、外径が小さいほどスリッ
プが発生しづらいことがわかった。
【0058】このような外径依存のメカニズムについて
検討を行ったところ、スリップが発生する場合には吸湿
した被記録材Pが定着装置9の定着ニップ部Nを通過す
る際に発生する水蒸気が、加圧ローラ15の外径が大き
い場合には加圧ローラ表面の離型層であるPFAチュー
ブ層15cに水滴となって付着しており(白濁している
のが目視で観察された)、一方スリップが発生しない加
圧ローラの場合この様な現象が観測されないことから上
記水滴の加圧ローラチューブ層15cへの付着がスリッ
プの主原因であり、その付着は加圧ローラの外径に依存
していることがわかった。
【0059】更に本現象を明確にする為に、加圧ローラ
15としてシリコーンゴムを加硫発泡させたスポンジ層
を弾性層15bとして設け、その上に離型層15cとし
てPFAチューブ層を50μm厚で設けたものを使用し
て上記と同様の実験を行った。ここで弾性層15bとし
てスポンジ層の厚みは3mmとした。
【0060】.実験例2 2-1. 加圧ローラ外径 φ38(芯金径φ32) 結果→スリップが1枚目で発生しジャムとなる。
【0061】2-2. 加圧ローラ外径 φ36(芯金径φ3
0) 結果→スリップが1枚目で発生しジャムとなる。
【0062】2-3. 加圧ローラ外径 φ34(芯金径φ2
8) 結果→スリップが2枚目で発生しジャムとなる。
【0063】2-4. 加圧ローラ外径 φ32(芯金径φ2
6) 結果→スリップが2〜4枚目で発生したが(目視で確
認)ジャムには至らず。5枚目以降はスリップせず。
【0064】2-5. 加圧ローラ外径 φ30(芯金径φ2
4) 結果→スリップの発生は無し。
【0065】2-6. 加圧ローラ外径 φ28(芯金径φ2
2) 結果→スリップの発生は無し。
【0066】又、弾性層15bとしての加圧ローラスポ
ンジ層の肉厚を5mm、2mm、1mmと変化させた場
合でも同じ結果が得られた。
【0067】以上の結果より、スリップ現象は前記結果
と同様に加圧ローラ外径に依存していることがわかる
が、加圧ローラ弾性層15bとしてスポンジ層を用いた
場合はソリッドゴム層を用いたものに比べスリップが防
止できる加圧ローラ外径値が大きいことがわかる。これ
は加圧ローラ弾性層15bの熱容量がソリッドゴムに比
べスポンジの方が小さいためと考えられる。
【0068】加圧ローラ15の熱容量とスリップの関係
を表1に示す。ここで、加圧ローラ15の熱容量は弾性
層15bの肉厚が1mm以上の時スリップ性はその肉厚
によらないことから、表層(離型層)である樹脂チュー
ブ層15cとその内側1mm厚分の弾性層15bの熱容
量で代表させた。また実験例1に使用した弾性層15b
としてのシリコーンゴムは比重が1.2(g/cm
3 )、比熱が0.30(cal/g℃)、表層であるP
FAチューブ15cは比重が2.15(g/cm3)、
比熱が0.25(cal/g℃)であり、実験例2で使
用した弾性層15bとしてのシリコーンスポンジは比重
が0.8(g/cm3 )、比熱が0.32(cal/g
℃)、表層であるPFAチューブ15cは前記と同じも
のを使用した。
【0069】尚、熱容量はMKSA単位(J/K)で表
示されており、単位長さ(1cm)当たりの値を示す。
【0070】
【表1】 上記の結果より、スリップ性は加圧ローラ15の熱容量
に依存していることがわかり、熱容量が1.17(J/
K)以下、好ましくは1.08以下であればスリップ性
は実用上問題の無い範囲となることがわかる。これは加
圧ローラ15の熱容量が小さいときには加圧ローラ表面
温度が容易に上昇することで、表層15cであるPFA
チューブ層表面に付着しようとする転写材から発生する
水蒸気が水滴となって加圧ローラ表面に付着することが
防止できるためと考えられる。
【0071】尚、加圧ローラ表面温度は加熱体14に供
給する電力にも依存しているが、上記実験例に対し、供
給電力を半分の400Wとした場合には加熱体14が転
写材上のトナー像を定着可能な温度となるための時間を
要することから、単位時間当たりの供給熱量は上記実験
例の半分だが、転写材が定着装置9に到達する前に加圧
ローラ15に与えられるトータルの熱量は殆ど変わらな
いため、必要とされる加圧ローラ15の熱容量も殆ど変
わらない。
【0072】この様にスチレン・アクリル系等の熱可塑
性樹脂からなるトナーを加熱定着するシステムにおいて
は転写材に供給する熱エネルギーは大きく変わらないた
めに、転写材が給紙されて定着装置9に突入される迄に
加熱体温度を立ち上げなければならないオンデマンド定
着装置ではその時間内に加圧ローラの供給する熱量は画
像形成装置の転写材送り速度、加熱体の最大供給電力等
にはあまり依存しない。
【0073】更に本明細書中では加圧ローラ15の熱容
量を弾性層15bの厚み1mmで規定したが、弾性層1
5bの厚みが1mm以下の場合殆ど弾性体としての効果
が得られなくなるために弾性層15bの厚みが1mm以
下の場合を想定した熱容量規定は実用上の意味はない。
従って本加熱定着装置において使用される加圧ローラの
熱容量規定値は実用可能範囲を包含した数値といえる。
【0074】この様に加圧ローラ駆動型のオンデマンド
定着装置(フィルム加熱方式定着装置)において、加圧
ローラ表層(離型層)15cをフッ素樹脂チューブと
し、その熱容量(本明細書規定に従う)を1.17(J
/K)以下、好ましくは1.08以下とすることで、加
圧ローラ表面への転写材から発生した水蒸気による水滴
付着をなくし、転写材の定着部Nでのスリップ現象を防
止することができ、長期に渡って加圧ローラ汚れの発生
しない加熱定着装置の提供が可能となることがわかる。
【0075】尚、本参考例1では加圧ローラ表層のフッ
素樹脂チューブ層としてPFAチューブを例に説明した
が、PFAに限らず、FEPチューブ、ETFEチュー
ブ等の使用も可能であり、特に本参考例1の作用効果を
より安定的に得るためにはPFA中にフッ素ゴム等の摩
擦係数の高い物質を2〜10wt%分散させたもの、P
FA中のパーフロロアルコキシヴィニルエーテル基の分
子量を低下させたもの等がPFAに対しより高摩擦係数
を示し、同時に離型性、耐久性の低下も殆どないことか
ら本構成の加熱定着装置においては好適なフッ素樹脂チ
ューブとして使用可能である。
【0076】また本参考例1では加圧ローラ15の熱容
量の下限値は示されていないが、本発明者等の検討によ
ると加圧ローラの熱容量が小さすぎる場合定着時に転写
材に加圧ローラが奪われる熱量により加圧ローラ表面温
度の変化が大きすぎる場合に、定着性のムラが生じるこ
とがわかり、実験結果からは0.52以上であることが
好ましいといえる。
【0077】〈実施形態例1〉(図4)本例は本発明の実施形態例である。 図4は本実施形態例
の加熱定着装置9の概略構成模型図である。本実施形態
例では加圧用回転体として弾性層15bとしてのシリコ
ーンゴム層の上に表層(離型層)15cとしてのPFA
チューブ層を設けた無端状の加圧ベルト15Aを用いた
ことを特徴としている。前述の参考例1の加熱定着装置
9(図2)と共通する構成部材・部分には同一の符号を
付して再度の説明は省略する。
【0078】加圧ベルト15Aは、弾性層15bとして
の厚み2mmのシリコーンゴム層の上に、表層15cと
しての50μm厚のPFAチューブ層を設けており、駆
動ローラ34により回転駆動力が与えられ、テンション
ローラ35によりに張力が与えられる。加熱体14と対
向するニップ部Nにおいては定着フィルム12への当接
力を与えるためにバックアップ部材36が設けられてい
る。
【0079】上記構成の加熱定着装置9において加圧ベ
ルト15Aの外周長を種々に変化させ前記の参考例1
同様のスリップテストを行ったところ、以下のような結
果が得られた。
【0080】実験例3 3-1. 加圧ベルト外周長 90mm 結果→スリップが1枚目で発生しジャムとなる。
【0081】3-2. 加圧ベルト外周長 85mm 結果→スリップが1枚目で発生しジャムとなる。
【0082】3-3. 加圧ベルト外周長 80mm 結果→スリップが2枚目で発生しジャムとなる。
【0083】3-4. 加圧ベルト外周長 75mm 結果→スリップが2〜6枚目で発生したが(目視で確
認)ジャムには至らず。7枚目以降はスリップせず。
【0084】3-5. 加圧ベルト外周長 70mm 結果→スリップの発生は無し。
【0085】3-6. 加圧ベルト外周長 65mm 結果→スリップの発生は無し。
【0086】上記の結果より、スリップ現象は加圧ベル
ト15Aの外周長に依存していることがわかる。
【0087】ここで、加圧ベルト15Aの弾性層15b
であるシリコーンゴム層の肉厚を1mm、3mm、5m
mと変化させて同様の実験を行ったところ、加圧ローラ
外周長の依存性に関して同一の実験結果が得られた。
【0088】本実験結果を前記の参考例1と同様に、弾
性層15bであるシリコーンゴム層の表層(離型層)1
5cから1mmまでの熱容量と、表層15cであるPF
Aチューブ層の熱容量を加えた値に対してスリップとの
相関を求めた結果を下記表2に示す。
【0089】ここで、弾性層15bとしてのシリコーン
ゴムは比重が1.2(g/cm3 )、比熱が0.30
(cal/g℃)、表層15cとしてのPFAチューブ
は比重が2.15(g/cm3 )、比熱が0.25(c
al/g℃)であり、熱容量はMKSA単位(J/K)
で表示されており、単位長さ(1cm)当たりの値を示
す。
【0090】
【表2】 上記の表2より本実施形態例の構成においても、加圧ベ
ルト15Aの熱容量にスリップの発生が依存することが
わかり、その最適な熱容量の値は1.17(J/K)以
下と前記の参考例1と同様の数値となり、弾性層15b
であるシリコーンゴム層の表層15cから1mmまでの
熱容量と、表層15cであるPFAチューブ層の熱容量
を加えた値が有効であることがわかる。
【0091】また熱容量の下限値も前記の参考例1と同
様に0.52以上であることが定着性のムラを防止する
うえで好ましい。
【0092】また本実施形態例でも、弾性層15bであ
るシリコーンゴム層の肉厚が1mm未満の場合は、弾性
層の弾性効果が得られず、均一な定着性を得ることがで
きず、ベタ画像等でムラが発生するため、熱容量規定は
弾性層厚みが1mm以下の場合を想定する必要は無いと
言える。
【0093】尚、本実施形態例では表層15cのフッ素
樹脂チューブ層としてPFAチューブを例に説明した
が、PFAに限らず、FEPチューブ、ETFEチュー
ブ等の使用も可能であり、特に本実施形態例の作用効果
をより安定的に得るためにはPFA中にフッ素ゴム等の
摩擦係数の高い物質を2〜10wt%分散させたもの、
PFA中のパーフロロアルコキシヴィニルエーテル基の
分子量を低下させたもの等がPFAに対しより高摩擦係
数を示し、同時に離型性、耐久性の低下も殆どないこと
から本構成の加熱定着装置においては好適なフッ素樹脂
チューブとして使用可能である。
【0094】更に本実施形態例の作用効果として上記転
写材のスリップを防止するだけでなく、加圧用回転体と
してベルト体15Aを用いているため定着ニップ部Nで
曲率が0に近いため、弾性層15bの熱膨張による周速
変化が生じにくく、転写材Pの搬送速度変化が少ないと
いう利点も有する。
【0095】〈参考例2〉(図5)本参考例2 は、前記の参考例1の加熱定着装置9(図
2)と同様に、加圧用回転体としてシリコーンゴム層を
弾性体層として有する加圧ローラ15を用い、加圧ロー
ラ熱膨張を抑えながら必要な定着ニップ幅を確保する構
成に関する。
【0096】前記の参考例1より、加圧ローラ15とし
てシリコーンゴムからなる弾性層15bを用い、その上
にフッ素樹脂系のチューブ層を表層(離型層)15cと
して有する構成においては、転写材のスリップを防止す
る為には加圧ローラ15の熱容量をできるだけ小さくす
ること、具体的にはその外径を小さくすることが好まし
い。
【0097】しかしながら、一般的に加圧ローラ外径が
小さいと定着ニップ幅を広くできず、特に画像形成装置
の高速化に対応することが困難となる。そこで弾性層1
5bとして低硬度のシリコーンゴムを用いローラ硬度を
低くし定着ニップ幅を確保することが行われる。特にシ
リコーンゴム硬度が5度(JIS A)以下のものを用
いることで小径の加圧ローラでも充分な定着ニップ幅が
確保し易くなる。
【0098】しかしこの様な低硬度ゴムは比較的熱膨張
率が高いため本参考例2のように加圧ローラを駆動ロー
ラとして用いる加熱定着装置には転写材の安定した搬送
性維持という面では使いづらいローラであった。
【0099】これに対し本発明者等は鋭意検討した結
果、加圧ローラ15の熱膨張を最小限にする為にはシリ
コーンゴムの比重が重要なファクターで有ることがわか
った。以下その結果を詳述する。
【0100】本参考例2では、鉄からなるφ14mmの
芯金15aの上に、弾性層15bとして厚み3mmのシ
リコーンゴム層を設け、その上に表層(離型層)15c
として厚み50μmのPFAチューブ層を設け、外径を
φ20mmとした加圧ローラ15を前記の参考例1と同
様の構成の加熱定着装置9に用い、転写材の送り速度が
120mm/secの画像形成装置に適用した。
【0101】図5は、加圧ローラ15に用いる弾性層1
5bとしてのシリコーンゴムの比重と、定着ニップ部N
における転写材の搬送速度変化の関係を示したグラフ
で、実線グラフAは硬度が5度のシリコーンゴムを用い
たデータを示し、破線グラフBは硬度が3度のシリコー
ンゴムを用いたときのデータを示す。
【0102】図5のグラフの横軸はシリコーンゴムの比
重、縦軸は上記画像形成装置で転写材(A4サイズを毎
分20枚の速度で通紙)を連続200枚通紙したとの初
期と、200枚目の転写材の搬送速度変化を示し、初期
速度を100%としたときの変化率を示している。
【0103】転写材搬送速度変化は2%以下ならば転写
材へのトナー像の転写時に加熱定着装置の転写材搬送速
度が速すぎ、転写材を転写部で引っ張ることによる画像
乱れは殆ど発生しないことから、転写材搬送速度変化率
が1.5%以下の領域が最適レベルと判定した。
【0104】また転写材搬送速度変化が2%以下の場合
は通常のテキスト画像ならば画像乱れは殆ど認識できな
いことから実使用可能レベルと判定した。
【0105】図5のグラフからわかるように、硬度5度
のシリコーンゴムでは比重が1.15、3度のゴムでは
1.16で実使用可能レベルとなることがわかり、硬度
5度のシリコーンゴムでは比重が1.2、3度のゴムで
は1.22で実使用可能レベルとなることがわかる。
【0106】この様に弾性層15bとして低硬度のシリ
コーンゴムを使用した場合でも、その比重を1.15以
上、好ましくは1.2以上とすることで加圧ローラ駆動
型・フィルム加熱方式の加熱定着装置において、高速化
に対応すると同時に、被記録材の安定した搬送性を得る
ことが可能となる。更に加圧ローラ外径が小さくて済む
ために、スリップ性が良好なことは勿論、装置の低コス
ト化、小型化にも寄与することができる。
【0107】尚、シリコーンゴムの比重を高くする手段
として、比較的粒径の大きな(5μm程度)無機フィラ
ー(石英等)を分散させることで硬度に影響を与えず比
重を高くすることが可能である。またベースゴムの架橋
密度、分子量を適宜調整することでも比重を高くするこ
とが可能となる。
【0108】〈参考例3〉(図6)本参考例3 は電磁(磁気)誘導加熱方式の加熱定着装置
である。
【0109】図6の(a)の装置9は、前記の参考例1
の加熱定着装置9(図2)において加熱体としてセラミ
ックヒータ14に代えて鉄板等の電磁誘導発熱性部材1
4Aを用い、この電磁誘導発熱性部材14Aに対して高
周波磁界を作用させる励磁コイル16aと励磁コア16
bからなる磁場発生手段16をフィルムガイド部材13
の内側に配設した構成である。前述図2の加熱定着装置
9と共通する構成部材・部分には同一の符号を付して再
度の説明は省略する。
【0110】この装置においては、磁場発生手段16か
らの発生磁場(高周波磁界)により加熱体としての電磁
誘導発熱性部材14Aが電磁誘導発熱し、定着ニップ部
Nのフィルム12と弾性加圧ローラ15との間に未定着
トナー画像tを担持した被記録材Pが導入されトナー画
像担持面がフィルム12の外面に密着してフィルム12
と一緒に定着ニップ部Nを通過することで、加熱体とし
ての電磁誘導発熱性部材14Aの熱がフィルム12を介
して被記録材Pに付与され未定着トナー画像tが被記録
材P面に加熱定着される。
【0111】図6の(b)の装置9は、加熱用回転体と
しての定着フィルムを電磁誘導発熱性フィルム12Aに
し、定着ニップ部Nにおいてこのフィルム12Aに高周
波磁界を作用させる励磁コイルと励磁コアからなる磁場
発生手段16をフィルムガイド部材13の内側に配設し
た構成である。前述図2の加熱定着装置9と共通する構
成部材・部分には同一の符号を付して再度の説明は省略
する。
【0112】この装置においては、磁場発生手段16か
らの発生磁場により加熱用回転体としての電磁誘導発熱
性フィルム12A自体の発熱により、定着ニップ部Nの
フィルム12Aと弾性加圧ローラ15との間に導入され
た被記録材Pが加熱されて未定着トナー画像tが被記録
材P面に加熱定着される。
【0113】加圧用回転体としての弾性加圧ローラ15
は前述図4のような加圧ベルト体15Aにすることもで
きる。
【0114】〈その他〉 1)加熱体としてのセラミックヒータ14や電磁誘導発
熱性部材14Aの構成形態は任意であり、実施形態例の
ものに限られるものではない。
【0115】2)本発明において加熱装置はフィルム加
熱方式に限られない。
【0116】3)本発明において加熱装置は加熱定着装
置としてばかりでなく、画像を担持した被記録材を加熱
して表面性(つや等)を改質する装置、仮定着する装
置、乾燥処理や熱ラミネート処理する装置等の加熱装置
として広く使用できる。
【0117】4)加圧用回転体側からも被加熱材に熱エ
ネルギーを供給するために、加圧用回転体15・15A
側にもハロゲンヒータや電磁誘導加熱等の発熱手段を設
けて所定の温度に加熱・温調する装置構成にすることも
できる。
【0118】5)画像形成装置の画像形成原理・方式は
電子写真プロセスに限らず、転写方式あるいは直接方式
の静電記録プロセス、磁気記録プロセスなどその他任意
である。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
加圧用回転体駆動タイプの加熱定着装置においても、離
型性及び耐久性に優れている樹脂チューブ被覆タイプの
加圧用回転体を、該加圧用回転体と被記録材間でのスリ
ップ現象の問題や、加圧用回転体過度な熱膨張による画
像不良発生の問題を生じさせることなしに支障なく利用
できて、加圧用回転体汚れが長期に渡って発生しない、
高速化に対応可能な小型で低コストな加熱定着装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例の概略構成図
【図2】参考例1における加熱定着装置の概略構成模型
【図3】(a)は加熱体としてのセラミックヒータの横
断面模型図、(b)は途中部分省略・一部切欠き平面模
型図
【図4】実施形態例1における加熱定着装置の概略構成
模型図
【図5】参考例2における加熱定着装置の、加圧ローラ
の弾性層としてのシリコーンゴム比重と記録材搬送速度
変化の関係を示すグラフ
【図6】(a)・(b)はそれぞれ参考例3における加
熱定着装置(電磁誘導加熱1式)の概略構成模型図 1符号の説明】 1 感光ドラム(像担持体) 2 帯電ローラ 3 レーザースキャナー 4 現像装置 6 転写ローラ 7 搬送装置 8 クリーニング装置 9 加熱定着装置 12 定着フィルム(加熱用回転体) 13 フィルムガイド部材 14 加熱体(セラミックヒータ) 15 加圧用回転体(弾性加圧ローラ) 15a 芯金 15b 弾性層 15c 表層(離型層) P 被記録材(転写材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴見 雅彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−314312(JP,A) 特開 平7−334024(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未定着画像を担持させた被記録材を加熱
    用回転体及び加圧用回転体によって形成されたニップ部
    内を通過させることにより未定着画像を定着する加熱定
    着装置において、 上記加圧用回転体は外部より駆動力が伝達されて駆動さ
    るベルトであり、加熱用回転体は加圧用回転体に対し
    て従動回転し、加圧用回転体は樹脂チューブからなる表
    層としての離型層とその内側の弾性層を有し、該加圧用
    回転体の離型層及びその内層1mmまでの弾性層の熱容
    量が単位長さ(1cm)当たり1.17(J/K)以下
    であることを特徴とする加熱定着装置。
  2. 【請求項2】 加熱用回転体は無端状の耐熱性フィルム
    からなり、ニップ部において被記録材の未定着画像担持
    面と接するフィルム表面側とは反対のフィルム裏面側に
    加熱体を有していることを特徴とする請求項1に記載の
    加熱定着装置。
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