JP3483060B2 - 平版印刷版用支持体の製造方法 - Google Patents

平版印刷版用支持体の製造方法

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JP3483060B2 JP04755795A JP4755795A JP3483060B2 JP 3483060 B2 JP3483060 B2 JP 3483060B2 JP 04755795 A JP04755795 A JP 04755795A JP 4755795 A JP4755795 A JP 4755795A JP 3483060 B2 JP3483060 B2 JP 3483060B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平版印刷版用アルミニウ
ム支持体に使用されるアルミニウム合金板及びその表面
処理方法に特徴を有する平版印刷版用アルミニウム支持
体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に平版印刷版用のアルミニウム板と
しては従来JISA1050、A1100、A3008
などからなる板厚0.1〜0.6mm程度の圧延板が用
いられており、このようなアルミニウム板の製造には半
連続鋳造(DC鋳造)が用いられている。また特開平5
−156414号公報には、双ロール連続鋳造後、冷間
圧延前後に焼鈍し粗面化する方法が開示されている。ま
た、支持体の親水性、保水性を優れたものにするために
アルミニウム板表面を砂目立てして微細な凹凸を付与す
るのが通例である。この砂目立てには具体的には機械的
砂目立て法、電気化学的砂目立て法などが単独または組
み合わされて実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記したDC鋳造法に
よるアルミニウム合金の製造方法は工程が複雑で長時間
の処理工程を必要とし、必然的に製造コストが割高にな
る。これを解決するために連続鋳造圧延によるアルミニ
ウム板を平版印刷版用支持体として使用する特許が出願
されているがその際には連続鋳造圧延時の影響を強く受
け、鋳造板表面に存在する不均一層が圧延されたアルミ
ニウム板表面にも残存して電解粗面化性、処理後の外観
等の不均一性の原因となっていた。そこで本発明の目的
は製造工程を簡略化できる連続鋳造圧延によるアルミニ
ウム板を用いて安定した表面処理性、外観を得ることが
できる平版印刷版用支持体の製造方法を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らが上記課題の
解決のために検討を重ねた結果連続鋳造圧延によるアル
ミニウム板の表面の欠陥の原因は鋳造時に発生する表面
の不均一層に起因するものであることを見いだした。す
なわち、ここでいう表面欠陥としては表面処理の後現れ
るスジ状の欠陥などであり、この部分を元素分析したと
ころFe等の元素の不均一分布が確認できた。つまり鋳
造時の不均一性が板の状態でも残存しこれがスジ状の欠
陥となると推定された。またこのような不均一分布は板
の状態では表層部分に偏在していることを確認し、この
部分が除去されればスジ状欠陥が良化することが予想さ
れた。そこでこの不均一層を除去するための表面処理方
法として順に (a)毛径が0.2〜0.8mmの回転するナイロンブ
ラシロールとアルミニウム板表面に供給されるスラリー
液で機械的に粗面化を行い、 (b)アルカリ水溶液中でアルミニウム板の溶解量が4
g/m以上30g/m以下となるようにエッチング
処理し、 (c)酸性水溶液中でデスマット処理し、またはデスマ
ット処理しないで、 (d)酸性溶液中でアルミニウム板の溶解量が少なくと
も1.5g/m以上になるように電気化学的粗面化
し、 (e)アルカリ水溶液中でアルカリエッチングし、 (f)酸性水溶液中でデスマット処理し、 (g)陽極酸化処理して陽極酸化皮膜を形成させること
により外観上の欠陥がない平版印刷版用支持体を得るこ
とができることを見いだした。
【0005】以下に本発明の平版印刷版用アルミニウム
支持体の製造方法について詳しく述べる。本発明に使用
するアルミニウム板は連続鋳造圧延法により鋳造され圧
延されたものであり純アルミニウム、アルミニウムを主
成分とし、微量の異元素を含む合金板であるがその組成
については特定されるものではなく従来より公知である
素材のもの例えばJISA1050、JISA110
0、JISA3103、JISA3005などを適宜利
用することができる。本発明に用いられているアルミニ
ウム板の厚みはおよそ0.1〜0.6mm程度である。
【0006】本発明における砂目立て方法は塩酸または
硝酸電解液中で電気化学的に砂目立てする電気化学的砂
目立て方法、及びアルミニウム表面を金属ワイヤーでひ
っかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でア
ルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、ナイ
ロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイ
ン法のような機械的砂目立て法を用いることができ上記
いずれの砂目立て方法単独あるいは組み合わせて用いる
こともできる。
【0007】このように砂目立てしたアルミニウムは酸
またはアルカリにより化学的にエッチングされる。酸を
エッチング剤として用いる場合は、微細構造を破壊する
のに時間がかかり、工業的に本発明を適用するに際して
は不利であるが、アルカリをエッチング剤として用いる
ことにより改善できる。本発明において好適に用いられ
るアルカリ剤は、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸
ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム等を用い、濃度と温度の好ましい
範囲はそれぞれ1〜50%、20〜100℃であり、A
lの溶解量が5〜20g/mとなるような条件が好ま
しい。エッチングのあと表面に残留する汚れ(スマッ
ト)を除去するために酸洗いが行われる。用いられる酸
は硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化
水素酸等が用いられる。特に電気化学的粗面化処理後の
スマット除去処理には好ましくは特開昭53−1273
9号公報に記載されているような50〜90℃の温度の
15〜65重量%の硫酸と接触させる方法及び特公昭4
8−28123号公報に記載されているアルカリエッチ
ングする方法である。
【0008】以上のようにして処理されたアルミニウム
合金板は平版印刷版用支持体として使用することができ
るが、必要に応じてさらに陽極酸化処理、化成処理など
の処理を施すことができる。陽極酸化処理はこの分野で
従来より行われている方法で行うことができる。具体的
には、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミ
ン酸、ベンゼンスルフォン酸等あるいはこれらの二種以
上を組み合わせて水溶液または非水溶液中でアルミニウ
ムに直流または交流を流すとアルミニウム支持体表面に
陽極酸化皮膜を形成することができる。陽極酸化の条件
は使用される電解液によって種々変化するので一概に決
定され得ないが、一般的には電解液の濃度が1〜80
%、液温5〜70℃、電解密度0.5〜60アンペア/
dm、電圧1〜100V、電解時間10〜100秒の
範囲が適当である。これらの腸極酸化皮膜処理のうちで
も特に英国特許第1,412,768号明細書に記載さ
れている発明で使用されている、硫酸中で高電流密度で
陽極酸化する方法及び米国特許第3,511,661号
明細書に記載されているリン酸を電解浴として腸極酸化
する方法が好ましい。
【0009】陽極酸化処理を施された後、アルミニウム
表面は必要により親水化処理が施される。本発明に使用
される親水化処理としては、米国特許第2,714,0
66号、第3,181,461号、第3,280,73
4号および第3,902,734号に開示されているよ
うなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム
水溶液)法がある。この方法に於いては、支持体がケイ
酸ナトリウム水溶液中で浸漬処理されるかまたは電解処
理される。他に、特公昭36−22063号公報に開示
されている弗化ジルコン酸カリウムおよび米国特許第
3,276,868号、第4,153,461号および
第4,689,272号に開示されているようなポリビ
ニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。ま
た、砂目立て処理及び陽極酸化後、封孔処理を施したも
のも好ましい。かかる封孔処理は熱水及び無機塩または
有機塩を含む熱水溶液への浸漬ならびに水蒸気浴などに
よって行われる。
【0010】アルミニウム板は、感光層を塗設する前に
必要に応じて有機下塗層が設けられる。この有機下塗層
に用いられる有機化合物としては例えば、カルボキシメ
チルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−ア
ミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン
酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフ
チルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホ
ン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン
酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニ
ルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリ
セロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフ
ェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキル
スルフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホ
スフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸
類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロ
キシル基を有するアミンの塩酸塩などから選ばれるが、
二種以上混合して用いてもよい。
【0011】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことが出来る。即ち、水またはメタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれら
の混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアル
ミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水または
メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有
機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を
溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記有機
化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗浄、乾
燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法で
は、上記の有機化合物の0.005〜10重量%の濃度
の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコータ
ー塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などい
ずれの方法を用いてもよい。またこの後者の方法では、
溶液の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.0
5〜5重量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好まし
くは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20
分、好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶液
は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムな
どの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質により
pHを調節し、pH1〜12の範囲で使用することもで
きる。また、感光性平版印刷版の調子再現性改良のため
に黄色染料を添加することもできる。有機下塗層の乾燥
後の被覆量は、2〜200mg/mが適当であり、好
ましくは5〜100mg/mである。上記の被覆量が
2mg/mより少ないと十分な耐刷性が得られない。
また、200mg/mより大きくても同様である。
【0012】本発明の感光層に使用される感光性組成物
としては、o−キノンジアジド化合物を主成分とするポ
ジ型のもの、ジアゾニウム塩、アルカリ可溶性ジアゾニ
ウム塩、不飽和二重結合含有モノマーを主成分とする光
重合性化合物および桂皮酸やジメチルマレイミド基を含
む光架橋性化合物などを感光物とするネガ型のものが用
いられる。また特公昭37−17172号、同38−6
961号、特開昭56−107246号、同60−25
4142号、特公昭58−36259号、同59−25
217号、特開昭56−146145号、同62−19
4257号、同57−147656号、同58−100
862号、同57−161863号等に記載の電子写真
感光層も使用することができる。上記感光物のうち不飽
和二重結合含有モノマーを主成分とする光重合性化合物
としては例えば米国特許第2,760,863号、同第
3,060,023号明細書および特開昭59−538
36号公報に記載の2個またはそれ以上の末端エチレン
基を有する付加重合性不飽和化合物と光重合開始剤より
なる組成物が使用できる。またジメチルマレイミド基を
含む光架橋性化合物を含むネガ型感光物としては例えば
特開昭52−988号、欧州特許0410654号、特
開平3−288853号および特開平4−25845号
各公報に記載の感光物をあげることができる。
【0013】このうちポジ型の感光性組成物として用い
られるo−ナフトキノンジアジド化合物としては、特公
昭43−28403号公報に記載されている1,2−ジ
アゾナフトキノンスルホン酸とピロガロール・アセトン
樹脂とのエステルが好ましい。その他の好適なオルトキ
ノンジアジド化合物としては例えば、米国特許第8,0
46,120号および同第3,188,210号明細書
に記載されている1,2−ジアゾナフトキノン−5−ス
ルホン酸とフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエス
テルがあり、特開平2−96163号公報、特開平2−
96165号公報および特開平2−96761号公報に
記載されている1,8−ジアゾナフトキノン−1−スル
ホン酸とフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステ
ルがある。その他の有用なo−ナフトキノンジアジド化
合物としては、数多くの特許等で公知のものが挙げられ
る。例えば、特開昭47−5303号、同48−358
02号、同48−63803号、同48−96575
号、同49−38701号、同48−13854号、特
公昭37−18015号、同41−11222号、同4
5−9610号、同49−17481号公報、米国特許
第2,797,213号、同第3,453,400号、
同第3,544,323号、同第3,573,917
号、同第3,674,495号、同第3,785,82
5号、英国特許第1,227,602号、同第1,25
1,345号、同第1,267,005号、同第1,3
29,888号、同第1,330,932号、ドイツ特
許第854,890号などの各明細書中に記載されてい
るものをあげることができる。
【0014】特に好ましい、o−ナフトキノンジアジド
化合物は、分子量1,000以下のポリヒドロキシ化合
物と1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸との反応に
より得られる化合物である。このような化合物の具体例
は、特開昭51−139402号、同58−15094
8号、同58−203434号、同59−165053
号、同60−121445号、同60−134235
号、同60−163043号、同61−118744
号、同62−10645号、同62−10646号、同
62−153950号、同62−178562号、同6
4−76047号、米国特許第3,102,809号、
同第3,126,281号、同第3,130,047
号、同第3,148,983号、同第3,184,31
0号,同第3,188,2l0号、同第4,639,4
06号などの各公報または明細書に記載されているもの
を挙げることができる。これらのo−ナフトキノンジア
シド化合物を合成する際に、ポリヒドロキシ化合物のヒ
ドロキシル基に対して1,2−ジアゾナフトキノンスル
ホン酸クロリドを0.2〜1.2当量反応させることが
好ましく、0.3〜1.0当量反応させることが更に好
ましい。1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリ
ドとしては、1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホ
ン酸クロリドまたは、1,2−ジアゾナフトキノン−4
−スルホン酸クロリドを用いることができる。また、得
られるo−ナフトキノンジアシド化合物は、1,2−ジ
アゾナフトキノンスルホン酸エステル基の位置および導
入量の種々異なるものの混合物となるが、ヒドロキシル
基の全てが1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸エス
テル化された化合物が、この混合物中に占める割合(完
全にエステル化された化合物の含有率)は5モル%以上
であることが好ましく、更に好ましくは20〜99モル
%である。感光性組成物中に占めるこれらのポジ型に作
用する感光性化合物(上記のような組合せを含む)の量
は10〜50重量%で適当であり、より好ましくは15
〜40重量%である。
【0015】o−キノンジアジド化合物は単独でも感光
層を構成することができるが、アルカリ水に可溶な樹脂
を結合剤(バインダー)として併用することが好まし
い。この様なアルカリ水に可溶な樹脂としては、ノボラ
ック型の樹脂があり、例えばフェノールホルムアルデヒ
ド樹脂、o−、m−およびp−クレゾールホルムアルデ
ヒド樹脂、m/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹
脂、フェノール/クレゾール(o−、m−、p−、m/
p−およびo/m−混合のいずれでもよい)混合ホルム
アルデヒド樹脂などが挙げられる。また、フェノール変
性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲ
ン化ヒドロキシスチレン、特開昭51−34711号公
報に開示されているようなフェノール性水酸基を含有す
るアクリル系樹脂も用いることができる。その他の好適
なバインダーとして以下(1)〜(13)に示すモノマ
ーをその構成単位とする通常1万〜20万の分子量を持
つ共重合体を挙げることができる。 (1)芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタク
リルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エ
ステル類およびヒドロキシスチレン類、例えばN−(4
−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4
−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−
およびp−ヒドロキシスチレン、o−、m−およびp−
ヒドロキシフェニルアクリレートまたはメタクリレー
ト、 (2)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類およ
びメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエ
チルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、 (3)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレィン酸、メ
タコン酸などの不飽和カルボン酸、
【0016】(4)アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸アミル、アクリル酸へキシル、アクリル酸シクロヘキ
シル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アク
リル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アク
リル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレー
ト、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどの(置
換)アクリル酸エステル、 (5)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
アミル、メタクリル酸へキシル、メタクリル酸シクロへ
キシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロ
エチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジ
ルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリ
レートなどの(置換)メタクリル酸エステル、 (6)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリル
アミド、N−へキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメ
タクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、
N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシ
エチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリル
アミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメ
タクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベ
ンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリル
アミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エ
チル−N−フェニルアクリルアミドおよびN−エチル−
N−フェニルメタクリルアミドなどのアクリルアミドも
しくはメタクリルアミド、
【0017】(7)エチルビニルエーテル、2−クロロ
エチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなど
のビニルエーテル類、 (8)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル
類 (9)スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレ
ンなどのスチレン類、 (10)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プ
ロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニ
ルケトン類、 (11)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジ
エン、イソプレンなどのオレフィン類、 (12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリルなど、 (13)N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリ
ルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アク
リルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)ア
クリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナ
フチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニル
エチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−
(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、
N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリル
アミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチ
ル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエ
チル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド類、ま
た、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−
アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノス
ルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスル
ホニルフェニルナフチル)アクリレートなどのアクリル
酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、o−アミノ
スルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホ
ニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフ
ェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルフ
ェニルナフチル)メタクリレートなどのメタクリル酸エ
ステル類などの不飽和スルホンアミド。
【0018】更に、上記モノマーと共重合し得るモノマ
ーを共重合させてもよい。また、上記モノマーの共重合
によって得られる共重合体を例えば、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレートなどによって修飾し
たものも含まれるがこれらに限られるものではない。上
記共重合体には(3)に掲げた不飽和カルボン酸を含有
することが好ましく、その共重合体の好ましい酸価は0
〜10meq/g、より好ましくは0.2〜5.0me
q/gである。上記共重合体の好ましい分子量は1万〜
10万である。また、上記共重合体には必要に応じて、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリア
ミド樹脂およびエポキシ樹脂を添加してもよい。このよ
うなアルカリ可溶性の高分子化合物は1種類あるいは2
種類以上組み合わせることができ、全感光性組成物の8
0重量%以下の添加量で用いられる。更に、米国特許第
4,123,279号明細書に記載されているように、
t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチル
フェノールホルムアルデヒド樹脂のような炭素数3〜8
のアルキル基を置換基として有するフェノールとホルム
アルデヒドとの縮合物を併用することは画像の感脂性を
向上させる上で好ましい。本発明における感光性組成物
中には、感度を高めるために環状酸無水物類、フェノー
ル類、有機酸類を添加することが好ましい。
【0019】環状酸無水物としては米国特許第4,11
5,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、へキサヒドロ無水フタル酸、
3,6−エンドオキシ−△−テトラヒドロ無水フタル
酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレィン酸、クロ
ル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水
コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。フェ
ノール類としては、ビスフェノールA、p−ニトロフェ
ノール、p−エトキシフェノール、2,4,4′−トリ
ヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキ
シベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、
4,4′,4″−トリヒドロキシ−トリフェニルメタ
ン、4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,
5,3′,5′−テトラメチルトリフェニルメタンなど
が挙げられる。更に、有機酸類としては、特開昭60−
88942号、特開平2−96755号公報などに記載
されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル
硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類およびカルボ
ン酸類などがあり、具体的には、p−トルエンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフ
ィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホ
スフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息
香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、
3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル
酸、1,4−シクロヘキセン−2,2−ジカルボン酸、
エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビ
ン酸などが挙げられる。上記の環状酸無水物類、フェノ
ール類および有機酸類の感光性組成物中に占める割合
は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは
0.1〜5重量%である。
【0020】また、本発明における感光性組成物中に
は、現像条件に対する処理の安定性(いわゆる現像ラチ
チュード)を広げるため、特開昭62−251740号
公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開
昭59−121044号公報、特開平4−13149号
公報に記載されているような両性界面活性剤を添加する
ことができる。非イオン界面活性剤の具体例としては、
ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテ
ート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリ
セリド、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどが挙げ
られる。両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ
(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチル
グリンン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル
−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN
−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名
アモーゲンK、第一工業(株)製)およびアルキルイミ
ダゾリン系(例えば、商品名レボン15、三洋化成
(株)製)などが挙げられる。上記非イオン界面活性剤
および両性界面活性剤の感光性組成物に占める割合は、
0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.
1〜5重量%である。
【0021】本発明における感光性組成物中には、露光
後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤
としての染料や顔料を加えることができる。焼き出し剤
としては、露光によって酸を放出する化合物(光酸放出
剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙
げることができる。具体的には、特開昭50−3620
9号、同53−8128号の各公報に記載されているo
−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと
塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223
号、同54−74728号、同60−3626号、同6
1−143748号、同61−151644号および同
63−58440号の各公報に記載されているトリハロ
メチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げること
ができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキ
サゾール系化合物とトリアジシ系化合物とがあり、どち
らも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0022】画像の着色剤としては、前述の塩基性有機
染料以外に他の染料を用いることができる。塩基性有機
染料も含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染
料を挙げることができる。具体的には、オイルイエロー
#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#3
12、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイ
ルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラッ
クBS、オイルブラックT−505(以上、オリエント
化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリス
タルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレ
ット(CI42535)、エチルバイオレット、ロ−ダ
ミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン
(CI42000)、メチレンブルー(CI5201
5)などを挙げることができる。また、特開昭62−2
93247号公報に記載されている染料は特に好まし
い。
【0023】感光性組成物は、上記各成分を溶解する溶
媒に溶かして支持体のアルミニウム板上に塗布される。
ここで使用される溶媒としては、特開昭62−2517
39号公報に記載されているような有機溶剤が単独ある
いは混合して用いられる。感光性組成物は、2〜50重
量%の固形分濃度で溶解、分散され、支持体上に塗布・
乾燥される。支持体上に塗設される感光性組成物の層
(感光層)の塗布量は用途により異なるが、一般的に
は、乾燥後の重量にして0.3〜4.0g/mが好ま
しい。塗布量が小さくなるにつれて画像を得るための露
光量は小さくて済むが、膜強度は低下する。塗布量が大
きくなるにつれ、露光量を必要とするが感光膜は強くな
り、例えば、印刷版として用いた場合、印刷可能枚数の
高い(高耐刷の)印刷版が得られる。感光性組成物中に
は、塗布面質を向上するための界面活性剤、例えば、特
開昭62−170950号公報に記載されているような
フッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい
添加量は、全感光性組成物の0.001〜1.0重量%
であり、更に好ましくは0.005〜0.5重量%であ
る。
【0024】次にネガ型のPS版の感光性組成物として
は、感光性ジアゾ化合物を含む感光層、光重合性感光
層、光架橋性感光層などを有するものが挙げられるが、
このうち感光性ジアゾ化合物からなる光硬化性感光性複
写材料について例を挙げて詳しく説明する。感光性ジア
ゾ化合物としては、芳香族ジアゾニウム塩と反応性カル
ボニル基含有有機縮合剤、特にホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒドなどのアルデヒド類またはアセタール類と
を酸性媒体中で縮合したジアゾ樹脂が好適に用いられ
る。その最も代表的なものにp−ジアゾジフェニルアミ
ンとホルムアルデヒドとの縮合物がある。これらのジア
ゾ樹脂の合成法は、例えば、米国特許第2,678,4
98号、同第3,050,502号、同第3,311,
605号および同第3,277,074号の明細書に記
載されている。更に、感光性ジアゾ化合物としては、特
公昭49−48001号公報に記載の芳香族ジアゾニウ
ム塩とジアゾニウム基を含まない置換芳香族化合物との
共縮合ジアゾ化合物が好適に用いられ、中でもカルボキ
シル基や水酸基のようなアルカリ可溶基で置換された芳
香族化合物との共縮合ジアゾ化合物が好ましい。更に
は、特開平4−18559号公報、特開平4−1903
61号および特開平4−172353号公報記載のアル
カリ可溶性基を持つ反応性カルボニル化合物で芳香族ジ
アゾニウム塩を縮合した感光性ジアゾ化合物も好適に用
いられる。これらのジアゾニウム塩の対アニオンとして
塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸などの鉱酸または
塩化亜鉛との複塩などの無機アニオンを用いたジアゾ樹
脂があるが、実質的に水不溶性で有機溶剤可溶性のジア
ゾ樹脂の方が特に好ましい。かかる好ましいジアゾ樹脂
は特公昭47−1167号、米国特許第3,300,3
09号公報に詳しく記載されている。
【0025】更には特開昭54−98613号、同56
−121031号公報に記載されているようなテトラフ
ルオロホウ酸、へキサフルオロリン酸などのハロゲン化
ルイス酸および過塩素酸、過ヨウ素酸などの過ハロゲン
酸を対アニオンとしたジアゾ樹脂が好適に用いられる。
また、特開昭58−209733号、同62−1757
31号、同63−262643号公報に記載きれている
長鎖のアルキル基を有するスルホン酸を対アニオンとし
たジアゾ樹脂も好適に用いられる。感光性ジアゾ化合物
は感光層中に5〜50重量%、好ましくは8〜20重量
%の範囲で含有させられる。 感光性ジアゾ化合物は、アルカリ水に可溶性もしくは膨
潤性の親油性高分子化合物を結合剤(バインダー)とし
て併用することが好ましい。この様な親油性高分子化合
物としては、先に述べたポジ型感光性組成物で用いたの
と同様の前記(1)〜(13)に示すモノマーをその構
成単位とする通常1万〜20万の分子量を持つ共重合体
を挙げることができるが、更に以下(14)、(15)
に示したモノマーを構成単位として共重合した高分子化
合物も使用できる。 (14)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミ
ド、N−アセチルアクリルアミド、N−プロピオニルア
クリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)アクリル
アミド、N−アセチルアクリルアミド、N−アクリロイ
ルメタクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、
N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロ
ベンゾイル)メタクリルアミドなどの不飽和イミド、 (15)N−〔2−(アクリロイルオキシ)−エチル〕
−2,3−ジメチルマレイミド、N−〔6−(メタクリ
ロイルオキシ)−へキシル〕−2,3−ジメチルマレイ
ミド、ビニルシンナメートなどの側鎖に架橋性基を有す
る不飽和モノマー。
【0026】更に、上記モノマーと共重合し得るモノマ
ーを共重合させてもよい。また、上記モノマーの共重合
によって得られる共重合体を例えば、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレートなどによって修飾し
たものも含まれるがこれらに限られるものではない。上
記共重合体には(3)に掲げた不飽和カルボン酸を含有
することが好ましく、その共重合体の好ましい酸価は0
〜10meq/g、より好ましくは0.2〜5.0me
q/gである。上記共重合体の好ましい分子量は1万〜
110万である。また、上記重合体には必要に応じて、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリア
ミド樹脂およびエポキシ樹脂を添加してもよい。また、
ノボラック型の樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、ポ
リヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチ
レン、特開昭51−43711号公報に開示されている
ようなフェノール性水酸基を含有するアルカリ可溶性樹
脂も用いることができる。このようなアルカリ可溶性の
高分子化合物は1種類あるいは2種類以上組み合わせる
ことができ、全感光性組成物の固形分中に通常40〜9
5重量%の範囲で含有させられる。
【0027】感光性組成物中には、画像の感脂性を向上
させるための感脂化剤(例えば、特開昭55−527号
公報記載のスチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコ
ールによるハーフエステル化物、ノボラック樹脂、p−
ヒドロキシスチレンの50%脂肪酸エステルなど)が加
えられる。更には、塗膜の柔軟性、酎摩耗性を付与する
ための可塑剤が加えられる。例えば、ブチルフタリル、
ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル
酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、
フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ
ブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロ
フルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸のオリゴマ
ーおよびポリマーが挙げられ、この中で特にリン酸トリ
クレジルが好ましい。また、感光性組成物中には、経時
の安定性を広げるため、例えば、リン酸、亜リン酸、ク
エン酸、蓚酸、ジピコリン酸、ベンゼンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸、スルホサリチル酸、4−メトキシ
−2−ヒドロキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、酒
石酸などが加えられる。
【0028】また、感光性組成物中には、露光後直ちに
可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての
染料や顔料などの色素を加えることができる。該色素と
しては、フリーラジカルまたは酸と反応して色調を変え
るものが好ましく用いられる。例えば、ビクトリアピュ
アブルーBOH(保土谷化学製)、オイルイエロー#1
01、オイルイエロー#103、オイルピンク#31
2、オイルレッド、オイルグリーンBG、オイルブルー
BOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、
オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以
上、オリエント化学工業(株)製)、パテントピュアブ
ルー(住友三国化学社製)、クリスタルバイオレット
(CI42555)、メチルバイオレット(CI425
35)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI14
5170B)、マラカイトグリーン(CI4200
0)、メチレンブルー(CI52015)、ブリリアン
トブルー、メチルグリ−ン、エリスリシンB、ベーシッ
クフクシン、m−クレゾールパープル、オーラミン、4
−p−ジエチルアミノフェニルイミナフトキノン、シア
ノ−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリドなどに
代表されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン
系、オキサジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン
系、アゾメチン系またはアントラキノン系の色素が有色
から無色あるいは異なる有色の色調へ変化する例として
挙げられる。
【0029】一方、無色から有色に変化する変色剤とし
ては、ロイコ色素および、例えば、トリフェニルアミ
ン、ジフェニルアミン、o−クロロアニリン、1,2,
3−トリフェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミ
ノジフェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノ
ジフェニルアミン、1,2−ジアニリノエチレン、p,
p′,p″−トリス−ジメチルアミノトリフェニルメタ
ン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニルメチル
イミン、p,p′,p″−トリアミノ−o−メチルトリ
フェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフ
ェニル−4−アニリノナフチルメタン、p,p′,p″
−トリアミノトリフェニルメタンに代表される第1級ま
たは第2級アリールアミン系色素が挙げられる。特に好
ましくはトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系色
素であり、更に好ましくはトリフェニルメタン系色素で
あり、特にビクトリアピュアブルーBOHである。上記
色素は、感光性組成物中に通常約0.5〜10重量%、
より好ましくは約15重量%含有される。
【0030】感光性組成物中には、現像性を高めるため
に環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類および高級
アルコールを添加することができる。感光性組成物は、
上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体のアルミニ
ウム板上に塗布される。ここで使用される溶媒として
は、特開昭62−2517391号公報に記載されてい
るような有機溶剤が単独あるいは混合して用いられる。
感光性組成物は、2〜50重量%の固形分濃度で溶解、
分散され、支持体上に塗布・乾燥される。支持体上に塗
設される感光性組成物の層(感光層)の塗布量は用途に
より異なるが、一般的には、乾燥後の重量に対して0.
3〜4.0g/mが好ましい。塗布量が小さくなるに
つれて画像を得るための露光量は小さくて済むが、膜強
度は低下する。塗布量が大きくなるにつれ、露光量を必
要とするが感光膜は強くなり、例えば、印刷版として用
いた場合、印刷可能枚数の高い(高耐刷の)印刷版が得
られる。感光性組成物中には、先に示したポジ型感光性
組成物と同様に、塗布面質を向上するための界面活性剤
を添加することができる。感光性平版印刷版の製造に当
たっては裏面のバックコート層と表面の感光性組成物層
のどちらが先に支持体上に塗布されても良く、また両者
が同時に塗布されても良い。
【0031】本発明の感光性平版印刷版(PS版)の支
持体の裏面には重ねた場合の感光層の傷付きを防ぐため
の有機高分子化合物からなる被覆層(以後この被覆層を
バックコート層と称す。)が必要に応じて設けられる。
このバックコート層の主成分としては、ガラス転移点2
0℃以上の、飽和共重合ポリエステル樹脂、フェノキシ
樹脂、ポリビニルアセタール樹脂及び塩化ビニリデン共
重合樹脂の群から選ばれる少なくとも一種の樹脂が用い
られる。飽和共重合ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸
ユニットとジオールユニットからなる。本発明に用いら
れるポリエステルのジカルボン酸ユニットとしてはフタ
ル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラブロムフタ
ル酸、デトラクロルフタル酸などの芳香族ジカルボン
酸;アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、蓚酸、スベ
リン酸、セバチン酸、マロン酸、1,4−シクロへキサ
ンジカルボン酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸などが挙
げられる。
【0032】バックコート層には更に、着色のための染
料や顔料、アルミニウム支持体との密着性向上のための
シランカップリング剤、ジアゾニウム塩からなるジアゾ
樹脂、有機ホスホン酸、有機リン酸およびカチオン性ポ
リマー等、更には滑り剤として通常用いられるワック
ス、高級脂肪酸、高酸脂肪酸アミド、ジメチルシロキサ
ンよりなるシリコーン化合物、変性ジメチルシロキサ
ン、ポリエチレン粉末等が適宜加えられる。バックコー
ト層の厚さは基本的には合紙がなくとも感光層を傷付け
にくい厚みがあれば良く、0.01μmの範囲が好まし
い。厚さ0.01μm以下ではPS版を重ねて取り扱っ
た場合の感光層の擦れ傷を防ぐことができない。厚さが
8μmを越えると印刷中、印刷版周辺で用いられる薬品
によってバックコート層が膨潤して厚みが変動し、印圧
が変化して印刷特性を劣化させることがある。バックコ
ート層をアルミニウム支持体の裏面に被覆するには種々
の方法が適用できる。例えば適当な溶媒に溶液にして、
または乳化分散液にして塗布、乾燥する方法、例えば予
めフィルム状に成形したものを接着剤や熱でアルミニウ
ム支持体に貼り合わせる方法および溶融押し出し機で溶
融皮膜を形成し、支持体に貼り合わせる方法等が挙げら
れるが、上記の塗布量を確保する上で最も好ましいのは
溶液にして塗布、乾燥する方法である。ここで使用され
る溶媒としては、特開昭62−251739号公報に記
載されているような有機溶剤が単独あるいは混合して用
いられる。
【0033】上記のようにして設けられた感光層の表面
には、真空焼き枠を用いた密着露光の際の真空引きの時
間を短縮し、且つ焼きボケを防ぐため、マット層が設け
られる。具体的には、特開昭50−125805号、特
公昭57−6582号、同61−28986号の各公報
に記載されているようなマット層を設ける方法、特公昭
62−62337号公報に記載されているような固体粉
末を熱融着させる方法などが挙げられる。本発明に用い
られるマット層の平均径は100μm以下が好ましく、
これよりも平均径が大きくなるとPS版を重ねて保存す
る場合、感光層とバックコート層との接触面積が増大
し、滑り性が低下、感光層およびバックコート層双方の
表面に擦れ傷を生じ易い。マット層の平均高さは10μ
m以下が好ましく、より好ましくは2〜8μmである。
この範囲より平均高さが高いと細線が付き難く、ハイラ
イトドットも点減りし、調子再現上好ましくない。平均
高さが2μm以下では真空密着性が不十分で焼きボケを
生じる。マット層の塗布量は5〜200mg/mが好
ましく、更に好ましくは20〜150mg/mであ
る。塗布量がこの範囲よも大きいと感光層とバックコー
ト層との接触面積が増大し擦れ傷の原因となり、これよ
りも小さいと真空密着性が不十分となる。
【0034】かくして得られたPS版は透明原画を通し
てカーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドランプ、
キセノンランプ、タングステンランプなどを光源とする
活性光線により露光された後、現像処理される。かか
る、PS版の現像液および補充液としては従来より知ら
れているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸
ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カ
リウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、同カ
リウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、
同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、
同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ剤が挙
げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイ
ソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチ
ルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチ
レンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いら
れる。
【0035】これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以
上を組み合わせて用いられる。これらのアルカリ剤の中
で特にポジ型PS版用現像液として好ましいのはケイ酸
ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸水溶液である。
その理由はケイ酸塩の成分である酸化ケイ素SiO
アルカリ金属酸化物MOの比率(一般に〔Si/〔M
O〕のモル比で表す)と濃度によって現像性の調節が
可能とされるためであり、例えば、特開昭54−620
04号公報に開示されているような、SiO/Na
Oのモル比が1.0〜1.5(即ち〔SiO〕/〔N
O〕が1.0〜1.5)であってSiOの含有量
が1〜4重量%のケイ酸ナトリウムの水溶液や、特公昭
57−727号公報に記載されているような、〔SiO
〕/〔M〕が0.5〜0.75(即ち〔SiO〕/
〔MO〕が1.0〜1.5)であって、SiOの濃
度が1〜4重量%でかつその中に存在する全アルガリ金
属のグラム原子を基準にして少なくとも20%のカリウ
ムを含有している、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液が好
適に用いられる。
【0036】更に、自動現像機を用いて、該PS版を現
像する場合に、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液
(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像
タンク中の現像液を交換する事なく、多量のPS版を処
理することができることが知られている。本発明におい
てもこの補充方式が好ましく適用される。例えば、特開
昭54−62004号公報に開示されているような現像
液のSiO/NaOの比が1.0〜1.5(即ち
〔SiO〕/〔NaO〕が1.0〜1.5)であっ
て、SiO量が1〜4重量%のケイ酸ナトリウムの水
溶液を使用し、しかもポジ型感光性平版印刷版の処理量
に応じて連続的または断続的にSiO/NaOのモ
ル比が0.55(即ち〔SiO〕/〔NaO〕が
0.5〜1.5)のケイ酸ナトリウム水溶液(補充液)
を現像液に加える方法、更には、特公昭57−7427
号公報に開示されている、〔SiO〕/〔M〕が0.
5〜0.75(即ち、〔SiO〕/〔MO〕が1.
0)であって、SiOの濃度が1〜4重量%であるア
ルカリ金属ケイ酸塩の現像液を用い、補充液として用い
るアルカリ金属ケイ酸塩の〔SiO〕/〔M〕が0.
25〜0.75(即ち〔SiO〕/〔MO〕が0.
5〜1.5)であり、かつ該現像液およ補充液のいずれ
もがその中に存在する全アルカリ金属のグラム原子を基
準にして少なくとも20%のカリウムを含有しているこ
とからなる現像方法が好適に用いられる。
【0037】このような補充液としてアルカリ金属ケイ
酸塩を用いる場合、そのモル比〔Si0〕/〔M
O〕を小さくすることにより、補充液は高活性とな
り、補充量は節減できるので、ランニングコストや廃液
量が低減し好ましい。しかしながら、高活性化にともな
いPS版の支持体アルミニウムが溶解し、現像液中に不
溶物を生じることが知られている。このような、活性度
の高い現像液としては、SiO/Mのモル比が0.7
〜1.5であって、SiOの濃度が1.0〜4.0重
量%のアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液からなり、また、
補充液がSiO/MOのモル比が0.3〜1.であ
って、SiOの濃度が0.5〜4.0重量%のアルカ
リ金属ケイ酸塩の水溶液であるような系が好適に用いら
れる。ポジ型およびネガ型PS版の現像に用いられる現
像液および補充液には、現像性の促進や抑制、現像カス
の分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で
必要に応じて種々界面活性剤や有機溶剤を添加できる。
好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン
系、ノニオン系および両性界面活性剤が挙げられる。
【0038】界面活性剤の好ましい例としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
スチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪
酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、
ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレ
ングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分
エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分
エステル類、ポリオキンエチレンソルビトール脂肪酸部
分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシ
エチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン
脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、
N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン
脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非
イオン性界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、
ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン
酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩
類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルス
ルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェ
ニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリン
ナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二
ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂
肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫
酸エステル塩類、
【0039】ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ
ーテル硫酸エチレン塩類、アルキルリン酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステ
ル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
リン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合
物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合
物の部分鹸化物類、ナフタレンスチレン酸塩ホルマリン
縮合物類などのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩
類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアル
キルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などの
カチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン類、アミノ
カルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エーテル
類、イミダゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられ
る。以上挙げた界面活性剤の中でポリオキシエチレンと
あるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレ
ン、ポリオキシブチレンなどのポリオキシアルキレンに
読み替えることもでき、それらの界面活性剤もまた包含
される。
【0040】更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフ
ルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤であ
る。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニ
オン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などの
カチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイ
ド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パ
ーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、
パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基
含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性
基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。上記の
界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使
用することができ、現像液中に0.001〜10重量
%、より好ましくは0.01〜5重量%の範囲で添加さ
れる。
【0041】好ましい有機溶剤としては、水に対する溶
解度が約10重量%以下のものが適しており、好ましく
は5重量%以下のものから選ばれる。例えば、1−フェ
ニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−フェニ
ル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタノー
ル、4−フェニル−2−ブタノール、8−フェニル−1
−ブタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジ
ルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコー
ル、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシベ
ンジルアルコ−ル、ベンジルアルコ−ル、シクロヘキサ
ノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシ
クロへキサノールおよび4−メチルシクロへキサノー
ル、N−フェニルエタノールアミンおよびN−フェニル
ジエタノールアミンなどが挙げることができる。有機溶
剤の含有量は使用液の総重量に対して0.1〜5重量%
である。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係
があり、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活性剤の量は
増加させることが好ましい。これは界面活性剤の量が少
なく、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤が完全に溶
解せず、従って、良好な現像性の確保が期待できなくな
るからである。
【0042】PS版の現像に用いられる現像液および補
充液には更に還元剤を加えることができる。これは印刷
版の汚れを防止するものであり、特に感光性ジアゾニウ
ム塩化合物を含むネガ型PS版を現像する際に有効であ
る。好ましい有機還元剤としては、チオサリチル酸、ハ
イドロキノン、メトール、メトキシキノン、レゾルシ
ン、2−メチルレゾルシンなどのフェノール化合物、フ
ェニレンジアミン、フェニルヒドラジンなどのアミン化
合物が挙げられる。更に好ましい無機の還元剤として
は、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜リン酸水素
酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸および亜ジチオン酸な
どの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩などを挙げることができる。これらの還元剤のうち汚
れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩である。これ
らの還元剤は使用時の現像液に対して好ましくは、0.
05〜5重量%の範囲で含有される。
【0043】現像液および補充液には更に有機カルボン
酸を加えることもできる。好ましい有機カルボン酸は炭
素原子数6〜80の脂肪族カルボン酸および芳香族カル
ボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例として
は、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウリル
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸な
どがあり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアルカン
酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する不飽和脂肪
酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。芳香族カ
ルボン酸としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラ
セン環などにカルボキシル基が置換された化合物で、具
体的には、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、
o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o
−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2,4−ジヒ
ドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、
2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ
安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、
1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2
−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−
ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるがヒドロキシナ
フトエ酸は特に有効である。上記脂肪族および芳香族カ
ルボン酸は水溶性を高めるためにナトリウム塩やカリウ
ム塩またはアンモニウム塩として用いるのが好ましい。
本発明で用いる現像液の有機カルボン酸の含有量は格別
な制限はないが、0.1重量%より低いと効果が十分で
なく、また10重量%以上ではそれ以上の効果の改善が
計れないばかりか、別の添加剤を併用する時に溶解を妨
げることがある。従って、好ましい添加量は使用時の現
像液に対して0.1〜10重量%であり、より好ましく
は0.5〜4重量%である。
【0044】現像液および補充液には、更に必要に応じ
て、消泡剤、硬水軟化剤および特公平1−57895号
公報記載の有機ホウ素化合物等の従来より知られている
化合物も含有させることができる。硬水較化剤としては
例えば、ポリリン酸およびそのナトリウム塩、カリウム
塩およびアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢
酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテ
トラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミ
ントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−ジアミノシク
ロヘキサンテトラ酢酸および1,3−ジアミノ−2−プ
ロパノールテトラ酢酸などのアミノポリカルボン酸およ
びそれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウ
ム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジ
アミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリ
アミンペンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテ
トラミンへキサ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエ
チルエチレンジアミントリ(メチレンホスホン酸)およ
び1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸やそれ
らのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩を
挙げることができる。
【0045】このような硬水軟化剤はそのキレート化力
と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値
が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像
液に対して0.01〜5重量%、より好ましくは0.0
1〜0.5重量%の範囲である。この範囲より少ない添
加量では所期の目的が十分に達成されず、添加量がこの
範囲より多い場合は、色抜けなど、画像部への悪影響が
でてくる。現像液および補充液の残余の成分は水である
が、更に必要に応じて当業界で知られた種々の添加剤を
含有させることができる。現像液および補充液は使用時
よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用
時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利であ
る。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさな
い程度が適当である。
【0046】このようにして現像処理されたPS版は水
洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガム
や澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理される。本発
明のPS版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせ
て用いることができる。
〔感光液〕
1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリド
とピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物(米国
特許第3,635,709号明細書の実施例1に記載さ
れているもの) 0.45g クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂(メタ,
パラ比:6:4、重量平均分子量3,000、数平均分
子量1,100、未反応のクレゾールを0.7%含有) 1.1g m−クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂(重
量平均分子量1,700、数平均分子量600、未反応
のクレゾールを1%含有) 0.3g ポリ〔N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリア
ミド−コ−ノルマルブチルアクリレート−コ−ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテルメタクリレート〕(各
モノマーのモル比は順に40:40:20、重量平均分
子量40,000、数平均分子量20,000) 0.2g
【0047】p−ノルマルオクチルフェノール−ホルム
アルデヒド樹脂(米国特許第4,123,279号明細
書に記載されているもの) 0.02g ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロ
ライド 0.01g テトラヒドロ無水フタル酸
0.1g 安息香酸 0.02g 4−〔p−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)
アミノフェニル〕−2,6−ビス(トリクロロメチル)
−S−トリアジン 0.01g 4−〔p−N−(p−ヒドロキシベンゾイル)アミノフ
ェニル〕−2,6−ビス(トリクロロメチル)−S−ト
リアジン 0.02g 2−トリクロロメチル−5−(4−ヒドロキシスチリ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール
0.01g ビクトリアピュアブルーBOHの対アニオンを1−ナフ
タレンスルホン酸にした染料 0.02g
【0048】モディパーF−200(日本油脂(株)製
フッ素系界面活性剤、30重量%のメチルエチルケトン
とメチルイソブチルケトン混合溶剤溶液) 0.06g メガファックF177(大日本インキ化学工業(株)製
フッ素系界面活性剤、20重量%のメチルイソブチルケ
トン溶液) 0.02g メチルエチルケトン 15g 1−メトキシ−2−プロパノール
10g
【0049】この様にして塗布された感光層の上に特公
昭61−28986号公報実施例1に記載の方法にもと
ずいて、(メチルメタクリレート/エチルアクリレート
/アクリル酸ソーダ=68/20/12)の共重合体水
溶液を静電スプレーすることによりマット層を設けた。
このようにして作成した基板表面について走査型電子顕
微鏡(SEM)及び原子間力顕微鏡(AFM)で観察
し、砂目立ての均一性を評価した。また、この基板表面
の外観を観察し不均一性の評価を行い、スジ状欠陥の個
数を測定した。 以上のように作成及び評価した結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】 砂目立て性及び外観面質について許容されるレベルは○
△のレベルである。また、スジ状欠陥についてはないこ
とが望ましいが10個/m以下であれば許容できる。
いずれの性能についても本発明例においては良好な結果
であった。また、表面処理されたアルミニウム板を原子
間力顕微鏡(AFM)で解析すると、この起伏が平均ピ
ッチ5μm以上30μm以下の大波と、平均直径0.5
μm以上3μm以下の中波が重畳された砂目であった。
表1にまとめるように、原子間力顕微鏡による計測で求
めた平均表面粗さRaが0.5μm以上1.0μm以下
であり、また、原子間力顕微鏡による計測で求めた表面
傾斜度分布の傾斜度が30度以上の割合(a30)が5
%以上20%以下であると良好な印刷版用支持体である
ことがわかる。
【0052】測定に使用した原子間力顕微鏡は、セイコ
ー電子工業(株)製SPI3700で、測定は1cm角
の大きさに切り取ったアルミニウム板試料ピエゾスキャ
ナー上の水平な試料台にセットし、カンチレバーを試料
表面にアプローチし、原子力間力が働く領域に達したと
ころで、XY方向にスキャンし、その際、試料の凹凸を
Z方向のピエゾの変位でとらえた。ピエゾスキャナーは
XY150μm、Z10μm走査可能なものを使用し
た。カンチレバーはNANOPROBE社製Siカンチ
レバーSI−DF20で共振周波数120〜150kH
z、バネ定数12〜20N/mのもので、DFMモード
(DynamicForceMode)で測定した。ま
た、得られた3次元データを最小二乗近似することによ
り試料のわずかの傾きを補正し、基準面を求めた。
【0053】大波の起伏、平均表面粗さおよび傾斜度計
測の際は、測定領域120μm角を4視野、すなわち、
240μm角の測定を行った。XY方向の分解能は1.
9μm、Z方向の分解能は1nm、スキャン速度は60
μm/secであった。大波の起伏のピッチは三次元デ
ータを周波数分析することにより算出した。平均粗さ
は、JISB0601で定義されている中心線平均粗さ
Raを三次元に拡張したものである。表面傾斜度は、三
次元データより隣り合う3点を抽出し、その3点で形成
する微小三角形と基準面とのなす角を全データについて
算出し、傾斜度分布曲線を求め、これより傾斜度30度
以上の割合で出した。
【0054】中波のピット径の計測は、測定領域25μ
m角を4視野、すなわち、50μm角の測定を行い、X
Y方向の分解能は0.1μm、Z方向の分解能は1n
m、スキャン速度は25μm/secで、ピットのエッ
ジより径を求めた。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば従
来法に比べて製造工程が簡素化し、製造コストの低減等
の利点のある連続鋳造圧延によるアルミニウム板を用い
て優れた印刷性能を提供する粗面を有し、均一な処理表
面の感光性平版印刷版用支持体を製造することができ
る。いずれの性能についても本発明例においては良好な
結果であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−24166(JP,A) 特開 平4−254545(JP,A) 特開 平3−79799(JP,A) 特開 平3−79798(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 3/03 B41N 3/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造圧延によるアルミニウム合金板
    の表面を順に (a)毛径が0.2〜0.8mmの回転するナイロンブ
    ラシロールとアルミニウム板表面に供給されるスラリー
    液で機械的に粗面化を行い、 (b)アルカリ水溶液中でアルミニウム板の溶解量が4
    g/m 以上30g/m 以下となるようにエッチング
    処理し、 (c)酸性水溶液中でデスマット処理し、またはデスマ
    ット処理しないで、 (d)酸性溶液中でアルミニウム板の溶解量が少なくと
    も1.5g/m 以上になるように電気化学的粗面化
    し、 (e)アルカリ水溶液中でアルカリエッチングし、 (f)酸性水溶液中でデスマット処理し、 (g)陽極酸化処理して陽極酸化皮膜を形成させること
    により得られる外観上の欠陥がない平版印刷版用支持体
    の製造方法
  2. 【請求項2】 前記スラリー液が珪砂、酸化鉄、酸化ア
    ルミニウム、酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウ
    ムの少なくとも1つを主成分とすることを特徴とする請
    求項1記載の平版印刷版用支持体の製造方法。
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