JP3482332B2 - 角度検出機能付き回転コネクタ - Google Patents

角度検出機能付き回転コネクタ

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JP3482332B2
JP3482332B2 JP34793997A JP34793997A JP3482332B2 JP 3482332 B2 JP3482332 B2 JP 3482332B2 JP 34793997 A JP34793997 A JP 34793997A JP 34793997 A JP34793997 A JP 34793997A JP 3482332 B2 JP3482332 B2 JP 3482332B2
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克也 三塚
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のステアリ
ングホイールに搭載されたエアバッグインフレータ等の
電気部品をステアリングコラム側に対して接続する回転
コネクタに係り、特に、ステアリングホイールの回転角
度を検出する機能を備えた角度検出機能付き回転コネク
タに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、自動車のステアリングホイールと
ステアリングコラムとの間には、ステアリングホイール
に搭載されたホーンスイッチやエアバッグインフレータ
等をステアリングコラム側へ電気的に接続するための回
転コネクタが配設されているが、近年、ステアリングホ
イールの回転角度をアングルセンサで検出し、このアン
グルセンサから得られる回転情報に基づいてサスペンシ
ョンの減衰力制御やオートマチックトランスミッション
のシフトポジション制御等を行うシステムが採用されて
いる。
【0003】従来より、実公平6−35856号公報に
開示されているように、外側の回転コネクタと内側のア
ングルセンサを互いに一体化した組立構造体をステアリ
ングシャフトの回りに配設したものが知られている。こ
の場合、回転コネクタは渦巻き状のケーブルを一対のケ
ース内に収納したもので、その回転側ケースはステアリ
ングシャフトと一体回転するロータ部材に連結され、固
定側ケースはステアリングコラム等のステータ部材に固
定されている。また、アングルセンサは抵抗接触式のロ
ータリエンコーダからなり、その可動板は回転コネクタ
の回転側ケースに一体化され、固定板は回転コネクタの
固定側ケースに一体化されている。したがって、ステア
リングホイールを回転操作すると、それに連動して回転
コネクタの回転側ケースとアングルセンサの可動板が回
転し、ステアリングホイールとステアリングコラム間の
電気的接続が回転コネクタによって維持されると共に、
ステアリングホイールの操舵角度や操舵方向等の回転情
報をアングルセンサによって検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
れば、ステアリングシャフトの回りにアングルセンサと
回転コネクタが同心円状に配設されているため、アング
ルセンサと回転コネクタをステアリングシャフトの軸線
方向に沿って積層配置したものに比べると薄型化を図れ
るが、その反面、径方向の寸法が大きくなるという問題
がある。また、アングルセンサと回転コネクタは一体化
されて1つの組立構造体をなしているが、一体化される
前は個々のアングルセンサと回転コネクタとして製造さ
れるため、部品点数が多く構造も複雑化するという問題
もある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転コネクタ
を非接触な磁束結合式のロータリトランスで構成し、こ
のロータリトランスのエアギャップ内に光学式ロータリ
エンコーダのコード板を配置することとする。このよう
に構成すると、回転コネクタ自身の薄型化が図れるのみ
ならず、回転コネクタの構成部品である一対のコアのい
ずれか一方の対向面にコード板を固着することができる
ため、ステアリングシャフトの狭いスペースに角度検出
機能付き回転コネクタを配置することができ、その構造
を簡略化することもできる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の角度検出機能付き回転コ
ネクタでは、自動車のステアリングホイールに搭載され
た電気部品をステアリングコラム側へ接続する接続手段
と、前記ステアリングホイールの回転角度を検出する検
出手段とを具備し、前記接続手段が、前記ステアリング
ホイールに連動して回転するロータ側コアと、このロー
タ側コアにエアギャップを介して対向配置されたステー
タ側コアと、これらロータ側コアとステータ側コアのそ
れぞれの対向面に配設されたリング状コイルとを有し、
前記検出手段が、前記ロータ側コアとステータ側コアの
いずれか一方の対向面に設けられたコード板と、このコ
ード板と相対的に回転して回転情報を検出する受発光素
子とを有している。
【0007】このように構成すると、ステアリングホイ
ールとステアリングコラム間の電気的接続が非接触な磁
束結合式のロータリトランスで構成される接続手段を介
して行われ、該ロータリトランスの構成部材である一対
のコアに設けられたコード板と受発光素子とで構成され
る検出手段によってステアリングホイールの回転角度の
検出が行われるため、径方向にも厚さ方向にも小型化さ
れた角度検出機能付き回転コネクタを実現することがで
き、その構造を簡略化することもできる。
【0008】前記コード板と前記受発光素子は一対のコ
アに振り分けて配設されていれば良いが、コード板をロ
ータ側コアの対向面に配設し、受発光素子をステータ側
コアまたはその近傍のステータ部材に配設すると、受発
光素子から出力される信号処理をステータ側で行うこと
ができる。
【0009】また、前記受発光素子によるコード板の検
出方法は光透過式でも良いが、反射部と非反射部からな
るコードパターンが設けられた光反射式のコード板を用
いると、コード板と受発光素子の両方をエアギャップを
介して対向配置することができるため、径方向の寸法を
小さくする上で好ましい。
【0010】また、前記ステータ側コアが取り付けられ
る部材はステータ部材であれば何でも良いが、特に、ス
テータ側コアをストークスイッチの外殻を形成するハウ
ジングに固定すると、該ハウジングをステータ側コアの
ケースとして兼用することができる。
【0011】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図1は本発明の第1実施例に係る角度検出機能付き回転
コネクタをステアリング装置へ組み込んだ状態を示す断
面図、図2は図1の主要部品を示す分解斜視図である。
【0012】これらの図に示すように、ステアリング装
置のステータ部材であるステアリングコラム1上にハウ
ジング2が取り付けられており、このハウジング2はコ
ラムカバー3によって覆われている。ハウジング2には
一対のストークスイッチ4が収納されており、これらス
トークスイッチ4の操作レバー4aはコラムカバー3を
挿通して外部へ突出している。ハウジング2の上部開口
端にリング状のステータ側コア5が固着されており、こ
のステータ側コア5は強磁性のフェライト材からなる。
ステータ側コア5の上面に同心円状に配列された例えば
3つの収納溝5aが形成されており、各収納溝5a内に
所定ターン数巻回されたコイル6がそれぞれ収納されて
いる。各収納溝5aの一部は凹所5bとなっており、こ
の凹所5b内に複数組の受発光素子を有する反射式ホト
センサ7が収納されている。各コイル6とホトセンサ7
はハウジング2の内底面に配設されたプリント基板8に
リード線やFPC等を介して接続された後、このプリン
ト基板8のコネクタユニット8aに集約されて図示せぬ
信号処理回路に接続されている。なお、以上説明した部
材はステアリングシャフト9の回りに配設され、全て固
定側の部材である。
【0013】ステアリングシャフト9の上端にステアリ
ングホイール10がナット等を用いて固定されており、
このステアリングホイール10にカバー11がねじ止め
等を用いて固定されている。カバー11の下部外周縁に
スカート部11aが形成されており、このスカート部1
1aはハウジング2の上部外周縁と軸線方向にオーバー
ラップしてラビリンスシールを形成し、内部に塵埃等の
異物が侵入するのを防止している。カバー11の下部開
口にリング状のロータ側コア12が固着されており、こ
のロータ側コア12も強磁性のフェライト材からなる。
ロータ側コア12の下面に同心円状に配列された例えば
3つの収納溝12aが形成されており、各収納溝12a
内に所定ターン数巻回されたコイル13がそれぞれ収納
されている。ロータ側コア12の下面に各コイル13を
覆うようにリング状のコード板14が貼着されており、
このコード板14の下面に反射部と非反射部を交互に配
列した複数組のコードパターン14aが形成されてい
る。コード板14とステータ側コア5との間に所定のエ
アギャップが確保されており、このエアギャップを使っ
てコード板14とホトセンサ7を配置し、コード板14
とホトセンサ7はこのエアギャップを介して対向し、こ
れらコード板14とホトセンサ7によって光反射式のロ
ータリエンコーダ(検出手段)が構成されている。ま
た、ステータ側コア5とロータ側コア12のそれぞれの
コイル6,13はエアギャップとコード板14を介して
対向しており、これらステータ側コア5とロータ側コア
12および各コイル6,13によってロータリトランス
(接続手段)が構成されている。各コイル13はカバー
11の内部に配設されたプリント基板15にリード線や
FPC等を介して接続された後、このプリント基板15
のコネクタユニット15aに集約されてステアリングホ
イール10に搭載された図示せぬ電気部品に接続されて
いる。本実施例では、1つのコイル13がエアバッグイ
ンフレータを動作させるための起爆回路に、他のコイル
13が電源供給回路に、残りのコイル13がユーザによ
って操作されるスイッチ類にそれぞれ接続されている
が、コイル13の数やそこに接続される電気部品の種類
は必要に応じて適宜選択することができる。なお、これ
らカバー11やロータ側コア12およびコード板14等
の部材はステアリングシャフト9の回りに配設され、全
てステアリングホイール10に連動して回転する可動側
の部材である。
【0014】このような構成において、ステアリングホ
イール10を正逆いずれかの方向へ回転すると、それに
連動して前述した可動側の部材が固定側の部材に対して
回転し、ステータ側コア5の各コイル6とロータ側コア
12の各コイル13を介して可動側と固定側間の電気的
接続が非接触な磁束結合で行われる。例えば、前述した
エアバッグインフレータの起爆回路と電源供給回路につ
いては、ステータ側コア5の2つのコイル6に所定周波
数の交流電圧を入力し、これらコイル6を1次コイルと
してロータ側コア12の対向するコイル13に2次電流
周波数を出力すると、起爆回路に衝突時の起爆信号を伝
送したり、電源供給回路のコンデンサに蓄電することが
でき、前述したスイッチ類については、ロータ側コア1
2の残りのコイル13を1次コイルとしてステータ側コ
ア5の残りのコイル6に2次電流周波数を出力すると、
各スイッチのオン信号を固定側の信号処理回路に伝送す
ることができる。
【0015】また、ステアリングホイール10の回転に
連動してロータ側コア12が回転すると、ロータ側コア
12の下面に取付けられたコード板14とステータ側コ
ア5に取付けられたホトセンサ7の相対角度が変化する
ため、ホトセンサ7の発光素子から出射されて受光素子
に戻る光がコード板14のコードパターン14aで反射
と吸収を繰り返す。その結果、ホトセンサ7の受光素子
から位相の異なる数種類の正弦波が出力され、これらを
波形成形してA,B相信号やZ相信号を得ることによ
り、ステアリングホイール10の回転角度や回転方向等
の回転情報を検出することができる。
【0016】図3は本発明の第2実施例に係る角度検出
機能付き回転コネクタをステアリング装置へ組み込んだ
状態を示す断面図であり、図1に対応する部分に同一符
号を付すことにより重複する説明は省略する。
【0017】本実施例が前述した第1実施例と相違する
点は、検出手段として光反射式のロータリエンコーダに
代えて光透過式のロータリエンコーダを用いたことにあ
り、それ以外の構成は基本的に同じである。すなわち、
ロータ側コアとステータ側コアの間のエアギャップを使
ってロータ側コア12の下面に貼着されたコード板16
の外周部はカバー11から突出しており、この突出部分
に同一トラック上に多数のスリットを配列したコードパ
ターン(図示せず)が複数組形成されている。一方、ハ
ウジング2の上部に透過式ホトセンサ17が取付けられ
ており、このホトセンサ17の発光素子17aと受光素
子17bはコード板16のコードパターンを介して対向
している。なお、カバー11の外周面にコラムカバー3
の上部開口端とオーバーラップする突部11bが形成さ
れており、この突部11bによってラビリンスシールを
形成し、内部に塵埃等の異物が侵入するのを防止してい
る。
【0018】このような構成において、ステアリングホ
イール10に搭載された電気部品と固定側との電気的接
続は、前述した第1実施例と同様に、ステータ側コア5
とロータ側コア12および各コイル6,13とで構成さ
れるロータリトランスによって行われ、ステアリングホ
イール10の回転角度はコード板16とホトセンサ17
とで構成される光透過式のロータリエンコーダによって
行われる。
【0019】なお、上記各実施例では、ロータリトラン
スと光学式ロータリエンコーダの構成部品を全てストー
クスイッチ4のハウジング2とカバー11に組み込んだ
場合について説明したが、これらの部品を回転可能に連
結された一対のケース内に組み込み、該ケースをハウジ
ング2等の固定側部材とカバー11等の可動側部材との
間に配設しても良い。
【0020】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0021】自動車のステアリングホイールに搭載され
た電気部品をステアリングコラム側へ接続する接続手段
と、前記ステアリングホイールの回転角度を検出する検
出手段とを具備し、前記接続手段が、前記ステアリング
ホイールに連動して回転するロータ側コアと、このロー
タ側コアにエアギャップを介して対向配置されたステー
タ側コアと、これらロータ側コアとステータ側コアのそ
れぞれの対向面に配設されたリング状コイルとを有し、
前記検出手段が、前記ロータ側コアとステータ側コアの
いずれか一方の対向面に設けられたコード板と、このコ
ード板と相対的に回転して回転情報を検出する受発光素
子とを有するように構成すると、ステアリングホイール
とステアリングコラム間の電気的接続が非接触な磁束結
合式のロータリトランスで構成される接続手段を介して
行われ、該ロータリトランスの構成部材である一対のコ
アに設けられたコード板と受発光素子とで構成される検
出手段によってステアリングホイールの回転角度の検出
が行われるため、径方向にも厚さ方向にも小型化された
角度検出機能付き回転コネクタを実現することができ、
その構造を簡略化することもできる。
【0022】また、前記コード板をロータ側コアの対向
面に配設し、前記受発光素子をステータ側コアまたはそ
の近傍のステータ部材に配設すると、受発光素子から出
力される信号処理をステータ側で行うことができる。
【0023】また、前記受発光素子によるコード板の検
出方法として、反射部と非反射部からなるコードパター
ンが設けられた光反射式のコード板を用いると、コード
板と受発光素子の両方をエアギャップを介して対向配置
することができるため、径方向の寸法を小さくする上で
好ましい。
【0024】また、前記ステータ側コアをストークスイ
ッチの外殻を形成するハウジングに固定すると、該ハウ
ジングをステータ側コアのケースとして兼用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る角度検出機能付き回
転コネクタをステアリング装置へ組み込んだ状態を示す
断面図である。
【図2】図1の主要部品を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る角度検出機能付き回
転コネクタをステアリング装置へ組み込んだ状態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 ステアリングコラム 2 ハウジング 5 ステータ側コア 5a 収納溝 5b 凹所 6,13 コイル 7,17 ホトセンサ 9 ステアリングシャフト 10 ステアリングホイール 11 カバー 12 ロータ側コア 12a 収納溝 14,16 コード板 14a コードパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01R 35/04 H01F 23/00 A (56)参考文献 特開 平8−193840(JP,A) 実開 昭59−149059(JP,U) 実開 昭59−154666(JP,U) 実開 昭64−42411(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 38/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のステアリングホイールに搭載さ
    れた電気部品をステアリングコラム側へ接続する接続手
    段と、前記ステアリングホイールの回転角度を検出する
    検出手段とを具備し、 前記接続手段が、前記ステアリングホイールに連動して
    回転するロータ側コアと、このロータ側コアにエアギャ
    ップを介して対向配置されたステータ側コアと、これら
    ロータ側コアとステータ側コアのそれぞれの対向面に配
    設されたリング状コイルとを有し、 前記検出手段が、前記ロータ側コアとステータ側コアの
    いずれか一方の対向面に設けられたコード板と、このコ
    ード板と相対的に回転して回転情報を検出する受発光素
    子とを有する、ことを特徴とする角度検出機能付き回転
    コネクタ。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、前記コード板
    が前記ロータ側コアの対向面に配設され、前記受発光素
    子が前記ステータ側コアまたはその近傍に配設されてい
    ることを特徴とする角度検出機能付き回転コネクタ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の記載において、前記
    コード板に反射部と非反射部からなるコードパターンが
    設けられていることを特徴とする角度検出機能付き回転
    コネクタ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか記載におい
    て、前記ステータ側コアがストークスイッチの外殻を形
    成するハウジングに固定されていることを特徴とする角
    度検出機能付き回転コネクタ。
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