JP3482172B2 - Lsi用パターンのレイアウト作成方法及びlsi用パターンの形成方法 - Google Patents

Lsi用パターンのレイアウト作成方法及びlsi用パターンの形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近接効果補正を確
実に行なえるLSI用パターンのレイアウト作成方法、
マスクデータ作成方法及びこれらを用いたLSI用パタ
ーンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体を用いた大規模集積回路装
置(以下、LSIと称する。)の寸法の微細化により、
LSI製造工程のひとつであるリソグラフィ工程におい
て、光近接効果(optical Proximity effect)により、
レチクル等に形成された設計パターンの寸法(マスク寸
法)と該設計パターンがレジスト上に転写されてなる転
写パターンの寸法(加工寸法)との差が無視できなくな
ってきている。これにより、設計パターンの寸法をその
ままマスク寸法と対応させていたのでは、加工寸法が所
望の設計寸法と一致しなくなるという問題が出てきてい
る。この問題は、LSIが正常に動作するか否かを左右
するトランジスタにおいてとりわけ顕著となってきてい
る。
【0003】さらに、LSIには非連続な寸法変化が要
求される世代交代がある。例えば、プロセス技術が0.
25μm世代から0.18μm世代へと交代するよう
に、トランジスタのゲート長に代表される寸法を約70
パーセントの縮小率で変化させる。このとき、ゲート長
に限らず、同一の回路を実現するためのセル面積も70
パーセントの二乗、すなわち面積比で約50パーセント
の面積が縮小されることも期待されている。この縮小率
は新規の、より短い波長の露光光源を持つ露光装置を導
入したり、加工プロセスを改善したりすることによって
達成される。
【0004】ところが、近年、新装置の導入や加工プロ
セスの改善だけでは、この縮小率を満たせなくなってき
ている。それは、マスク寸法に対する加工寸法の寸法変
動量が大きくなったことにより、回路動作を保証するた
めに設定されたゲート突き出し寸法やコンタクトマージ
ン等のデザインルールの寸法が前世代の70パーセント
縮小率を満たせなくなってきているからである。
【0005】図20(a)は、一般的なトランジスタ
(FET)の設計パターン100Aと加工パターン(転
写パターン)100Bとを示している。図20(a)に
示すように、設計パターン100Aは、ゲート層となる
ゲートパターン101と活性化層となる活性化層パター
ン102とから構成される。加工パターン100Bにお
けるゲートパターン111は、ゲート幅が設計寸法より
も小さくなることによって、ゲートパターン111の両
端部111aが消失している。このように、活性化層パ
ターン112とゲートパターン111との重なり部分が
消失した状態ではトランジスタは正常に動作しない。
【0006】これを防ぐため、図20(b)の設計パタ
ーン100Cに示すように、ゲートパターン101の両
端部に、活性化層パターン102からゲート幅方向に突
き出した突き出し部101aを設ける。ゲートパターン
101の両端部の消失寸法はゲート長101bと呼ばれ
るラインパターンの寸法が小さくなるにつれて増加す
る。このため、突き出し部101aの突き出し寸法10
1cはゲート長101bに比例して縮小されることはな
い。従って、ゲート長101bを縮小する場合は、トラ
ンジスタの動作を保証するために、ゲートパターン10
1の突き出し寸法101cを大きくしなければならなく
なる。その結果、突き出し寸法101cに関するデザイ
ンルールが、前世代の70パーセント縮小率を満足する
ことはますます困難となってきている。
【0007】このような現状にも関わらず、デザインル
ールは、マスク寸法に対する加工寸法の寸法変動量に基
づいて定められ、例えば前世代の70パーセント縮小率
で定義される。従って、ゲートパターン101の突き出
し寸法101cのように、デザインルールを完全に満た
せないパターンに対しても、回路パターン面積の縮小を
図るために、70パーセント縮小率のデザインルールが
優先されて採用される。
【0008】この後、デザインルールにより設計された
回路パターンからセルライブラリを作成する。作成され
たセルライブラリから、LSIチップデータを作成し、
製造する最終のプロセス条件を決定する。この最終のプ
ロセス条件に基づいて、近接効果によって生じる加工寸
法のマスク寸法に対する変動量を評価し、加工寸法が設
計寸法に対して変動しないようにマスクレイアウトを修
正したデータを作成する。このとき、既に定められたプ
ロセス条件において加工寸法を評価できるように、種々
の条件を加味した加工寸法評価用の経験的モデルを用い
て、各マスク寸法に対する加工寸法が評価される。
【0009】例えば、回路パターンにおいて、加工寸法
がマスク寸法よりも細くなる部分には、設計寸法よりも
マスクパターン寸法を太くし、加工寸法がマスク寸法よ
りも太くなる部分には、設計寸法よりもマスクパターン
寸法を細くなるように修正する。このような光近接効果
を考慮したマスクパターンを近接効果補正(OpticalPro
ximity Correction:OPC)パターンと呼ぶ。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のLSI用のマスクデータ作成方法は、回路パターン
をすべて決定した後の、マスクパターンデータの作成段
階で初めてOPCパターンを作成するため、OPCパタ
ーンを作成できない場合があるという問題を有してい
る。
【0011】例えば、図20(a)に示したように、ゲ
ートパターン101の端部が消失するような場合に、加
工寸法の値を回路パターン寸法と一致させるようにゲー
トパターン101の突き出し部101aのマスク寸法を
修正しようとしても、突き出し部101aとその周辺の
パターンとのスペースが既に解像限界から定められる最
小寸法になっている場合がある。このような場合は、ゲ
ートパターン101の突き出し寸法101cの変更は不
可能である。
【0012】さらに、従来のマスクデータ作成方法に
は、以下に述べるような種々の問題がある。
【0013】(1)近接効果補正をあらかじめ考慮しな
いデザインルールは、パターン寸法が必要以上に大きく
なるという問題がある。
【0014】前述したような、ゲートパターンに対する
近接効果補正は、突き出し部を延長するという手法以外
にもある。例えば、ゲート同士の間のスペースが比較的
大きく設定されている場合には、トランジスタの活性化
層上に位置しないゲートパターンの突き出し部にハンマ
ヘッドパターンを付加してもよい。このハンマヘッドパ
ターンは、突き出し部を延長するのではなく、突き出し
部の端部のみをゲート長方向に広げることによって、ゲ
ートパターン端部の加工寸法のゲート幅方向の縮みを防
止している。このように近接効果補正は、加工寸法にお
けるマスク寸法からの変動分を補償するだけでなく、変
動量を抑制することによっても実現できる。このため、
OPCパターンによる寸法変動量を評価しないで単純に
寸法変動量を予測し、それによってデザインルールを決
めるのでは、必要以上に大きい寸法が必要と判断される
ことになる。
【0015】(2)一般に、回路パターンは、基本的な
パターン配置ルールに基づいて作成されている。プロセ
ス条件は、作成されたパターンの加工寸法のばらつき及
びマスク寸法からの変動量が小さくなるように定められ
る。一方、OPCパターンの配置ルールは、プロセス条
件を定めるときに用いたパターン配置ルールとは異なる
ため、用いられるプロセス条件がOPCパターンの配置
ルールに対して必ずしも最適ではないという問題があ
る。
【0016】例えば、パターン同士の間のスペースが最
小値となるように回路パターンが設計されている場合
に、そのスペースの加工寸法が設計値よりも大きくなる
と仮定する。この場合は、OPCパターンにおけるスペ
ースの寸法を回路パターンの寸法よりも小さくするた
め、OPCパターン同士の間の最小スペースが最初にプ
ロセス条件を設定したときのパターン間のスペースの最
小値よりも小さくなっている。従って、プロセス条件が
まったく変動しないならば、OPCパターンによる加工
パターンは回路パターン寸法と良く一致するはずであ
る。しかしながら、実際には製造時にプロセス条件が変
動するため、この変動に起因する加工寸法のばらつきが
生じる。これは、一般に加工寸法を小さくすると、プロ
セス条件の変動による寸法ばらつきを抑制するための最
適プロセス条件が変化するからである。極端な場合に
は、この寸法ばらつきを抑制するために、超解像又は位
相シフトマスク等の、基本的な露光方式まで変える必要
が生じる。
【0017】(3)LSIの最終のプロセス条件は、製
造の直前まで決定されないにもかかわらず、OPCパタ
ーンの詳細はプロセス条件の詳細が決まるまで決定でき
ないという問題がある。
【0018】LSIを開発する場合、セルライブラリの
回路パターン設計は、LSI製造の半年以上も前から開
始されるが、プロセス条件が決定されるのは製造の直前
であるため、OPCパターンの詳細を早期に決定できな
い。このため、上記の(1)の問題を解決するために最
終的なOPCパターンを考慮してセルライブラリの回路
パターン設計を行なうことは困難となる。
【0019】(4)OPCパターンは、回路パターンの
設計寸法と、あらかじめ定められたプロセス条件による
加工寸法との差のみを用いて作成される。回路パターン
は、前世代の70パーセントの縮小率で定義されるデザ
インルールを用いるとする。ところが、LSIによって
は縮小率が同一でない方が望ましい場合もある。
【0020】例えば、同一機能のLSIであれば、チッ
プ面積が前世代の50パーセントの縮小率で実現される
こともある。さらには、実際の回路パターンにおいて
は、すべての場所で加工寸法が設計寸法と一致すること
が要求されるわけではない。回路が動作する上で設計寸
法と高精度に一致することが要求される部分もあれば、
多少の寸法変動が許される部分もある。従って、加工寸
法のすべてを前世代の70パーセントの縮小率で設計す
ることは、LSIの製造に必要以上に困難な条件を課し
ていることとなり、所望のLSIの実現を困難にする。
【0021】本発明は、前記従来の問題を解決し、LS
Iに所望の微細化を図りながら動作が可能な回路パター
ンを形成できる近接効果補正を確実に施せるようにする
ことを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、LSI用パターンのレイアウト作成方法
又はLSI用マスクデータの作成方法を、回路パターン
の設計時に該回路パターンのマスクデータとなる近接効
果補正パターンを作成できる構成とする。また、回路パ
ターンの設計時に近接効果補正パターンを有効とするデ
ザインルールを設定する構成とする。
【0023】具体的に、本発明に係るLSI用パターン
のレイアウト作成方法は、複数の回路パターンを含むL
SI用パターンにおける複数の回路パターンを設計する
回路パターン設計工程と、設計した回路パターンの初期
配置を行なう初期配置工程と、初期配置された回路パタ
ーンのうち互いに隣接又は交差して配置された回路パタ
ーンに対して近接効果補正を施すことにより、隣接又は
交差して配置された回路パターンから近接効果補正パタ
ーンを作成する近接効果補正パターン作成工程と、近接
効果補正が有効であるか否かを判定する補正効果判定工
程と、無効と判定された場合に、近接効果補正が有効と
なるように回路パターンを規定するデザインルールを変
更するデザインルール変更工程と、変更されたデザイン
ルールに基づいて、初期配置された回路パターンを再配
置する回路パターン再配置工程とを備えている。
【0024】本発明のLSI用パターンのレイアウト作
成方法によると、近接効果補正パターンを作成した後
に、近接効果補正が有効となるように回路パターンを規
定するデザインルールを変更するため、従来のように、
設計パターンが転写されてなるマスクパターンに対して
近接効果補正を行なえなくなるという事態を避けること
ができる。
【0025】本発明のLSI用パターンのレイアウト作
成方法において、近接効果補正パターン作成工程は、近
接効果補正パターンを作成するための補正パターン作成
仕様を設定する工程を含み、補正効果判定工程は、近接
効果補正が無効と判定された場合に補正パターン作成仕
様を近接効果補正が有効となるように変更する工程を含
むことが好ましい。
【0026】本発明のLSI用パターンのレイアウト作
成方法において、回路パターン再配置工程が、複数の再
配置パターンを作成し、作成した複数の再配置パターン
から回路面積が小さい再配置パターンを選択する工程を
含むことが好ましい。
【0027】本発明のLSI用パターンのレイアウト作
成方法は、近接効果補正が有効となるようにレイアウト
を行なうためのデザインルールを作成するデザインルー
ル作成工程をさらに備え、初期配置工程又は回路パター
ン再配置工程が、デザインルールに基づいて複数の回路
パターンを配置する工程を含むことが好ましい。
【0028】この場合に、デザインルール作成工程が、
デザインルールを複数設定し、設定された複数のデザイ
ンルールのうちで回路面積を小さくできるデザインルー
ルを選択する工程を含むことが好ましい。
【0029】また、この場合に、本発明のLSI用パタ
ーンのレイアウト作成方法は、近接効果補正パターンを
作成するための補正パターン作成仕様を設定する工程
と、近接効果補正パターンにおける近接効果補正が有効
となるように、補正パターン配置ルールを作成する工程
と、補正パターン作成仕様及び補正パターン配置ルール
に基づいて近接効果補正パターンを作成することによ
り、デザインルールを決定する工程とをさらに備えてい
ることが好ましい。
【0030】この場合に、本発明のLSI用パターンの
レイアウト作成方法は、デザインルールに基づいて配置
された回路パターンに対して、近接効果補正が有効であ
るか否かを判定する工程と、無効と判定された場合に、
近接効果補正が有効となるように、補正パターン作成仕
様又は補正パターン配置ルールを修正する工程とをさら
に備えていることが好ましい。
【0031】本発明のLSI用パターンのレイアウト作
成方法において、補正効果判定工程が、リソグラフィ工
程及びエッチング工程のうちの少なくとも一方を含むプ
ロセスシミュレーションを行なうことにより、加工寸法
の予測値が所定値を満たすか否かの判定を行なうことが
好ましい。
【0032】この場合に、プロセスシミュレーションに
おけるリソグラフィ工程は、露光量又はフォーカス位置
がプロセス余裕度を越えて変化した場合における加工寸
法の予測値が所定値を満たすか否かの判定を行なうこと
が好ましい。
【0033】この場合に、プロセスシミュレーションの
判定が、トランジスタのゲート長方向の寸法を判定する
工程を含むことが好ましい。
【0034】また、この場合に、プロセスシミュレーシ
ョンの判定が、トランジスタのゲートにおける活性層か
らのゲート幅方向の突き出し寸法を判定する工程を含む
ことが好ましい。
【0035】本発明に係る第1のLSI用パターンの形
成方法は、複数の回路パターンを含むLSI用パターン
における複数の回路パターンを設計する回路パターン設
計工程と、設計した回路パターンの初期配置を行なう初
期配置工程と、初期配置された回路パターンのうち互い
に隣接又は交差して配置された回路パターンに対して近
接効果補正を施すことにより、隣接又は交差して配置さ
れた回路パターンから近接効果補正パターンを作成する
近接効果補正パターン作成工程と、所定のプロセス条件
で近接効果補正が有効であるか否かを判定する補正効果
判定工程と、無効と判定された場合に、近接効果補正が
有効となるように回路パターンを規定するデザインルー
ルを変更するデザインルール変更工程と、変更されたデ
ザインルールに基づいて、初期配置された回路パターン
を再配置する回路パターン再配置工程と、近接効果補正
パターンを用いて、マスクを製作するマスク製作工程
と、製作されたマスクを用いて、所定のプロセス条件で
半導体基板の上に複数の回路パターンを形成するパター
ン形成工程とを備えている。
【0036】第1のLSI用パターンの形成方法による
と、本発明のLSI用パターンのレイアウト作成方法を
用いて製作されたマスクにより、例えばレジスト膜に回
路パターン(加工パターン)が形成されるため、確実に
動作する回路の回路パターンを得ることができる。
【0037】第1のLSI用パターンの形成方法は、マ
スク製作工程よりも後に、製作されたマスクを所定のプ
ロセス条件で用いた場合の加工歩留まりの期待値を評価
する工程と、期待値が目標値に達していない場合に、期
待値が目標値に到達するように所定のプロセス条件を再
設定した後、回路パターン設計工程から再度繰り返す工
程とをさらに備えていることが好ましい。
【0038】本発明に係る第1のLSI用マスクデータ
の作成方法は、LSIに含まれる複数の回路パターン
を、プロセス条件の変化に合わせてパターン形状を変更
しない第1の補正パターン群と、プロセス条件の変化に
合わせてパターン形状を変更する第2の補正パターン群
とに分類する補正パターン群分類工程と、複数の回路パ
ターンの設計を行なう際に、第1の補正パターン群から
セルレベルの近接効果補正パターンデータを作成するセ
ルレベル補正パターンデータ作成工程と、複数の回路パ
ターンからチップデータを作成する際に、第2の補正パ
ターン群からチップレベルの近接効果補正パターンデー
タを作成するチップレベル補正パターンデータ作成工程
とを備えている。
【0039】第1のLSI用マスクデータの作成方法に
よると、LSIに含まれる複数の回路パターンを、プロ
セス条件の変化に合わせてパターン形状を変更しない第
1の補正パターン群と、プロセス条件の変化に合わせて
パターン形状を変更する第2の補正パターン群とに分類
するため、第1の補正パターン群は、あらかじめ近接効
果補正を施しておいても、ライブラリとして登録するこ
とが可能となる。また、第1の補正パターン群はセルの
面積に大きく影響するため、セルレベルの近接効果補正
パターンとすることにより、セルの設計段階で近接効果
補正パターンを決定することが可能となるので、最終的
に作成される近接効果補正パターンのセル面積を確実に
評価できる。さらに、セルレベルの近接効果補正を各セ
ル単位で行なえるため、近接効果補正パターンの作成仕
様を各セル又はブロック単位で決定することも可能とな
る。
【0040】第1のLSI用マスクデータの作成方法に
おいて、セルレベル補正パターンデータ作成工程が、作
成されたセルレベルの近接効果補正パターンデータにお
ける近接効果補正が有効であるか否かを判定する工程
と、無効と判定された場合に、近接効果補正が有効とな
るようにセルレベルの近接効果補正パターンデータ又は
該近接効果補正パターンデータと対応する回路パターン
の修正を行なった後、近接効果補正の有効性を再度判定
する工程と、有効と判定された場合に、セルレベルの近
接効果補正パターンデータをセルライブラリに登録する
工程とを含むことが好ましい。
【0041】本発明に係る第2のLSI用マスクデータ
の作成方法は、LSIに含まれる複数の回路パターン
を、プロセス条件の変化に合わせてパターン形状を変更
しない第1の補正パターン群と、プロセス条件の変化に
合わせてパターン形状を変更する第2の補正パターン群
とに分類する工程と、第1の補正パターン群に対して、
セルレベルの近接効果補正パターンを作成するためのセ
ルレベル補正パターン作成仕様を設定する工程と、複数
の回路パターンの設計を行なう工程と、第1の補正パタ
ーン群に対してセルレベル補正パターン作成仕様により
作成されるセルレベルの近接効果補正パターンにおける
近接効果補正の有効性の有無を判定する工程と、近接効
果補正が無効と判定された場合に、近接効果補正が有効
となるように、無効と判定された回路パターンの修正を
行なった後、近接効果補正の有効性を再度判定する工程
と、近接効果補正が有効と判定された場合に、第1の補
正パターン群に属する回路パターンをセルライブラリに
登録すると共に、第2の補正パターン群に属する回路パ
ターンをセルライブラリに登録する工程と、セルライブ
ラリに登録された回路パターンから、チップレベルのパ
ターンデータを作成する工程と、第2の補正パターン群
に対して、チップレベルの近接効果補正パターンを作成
するためのチップレベル補正パターン作成仕様を設定す
る工程と、セルレベル補正パターン作成仕様に基づい
て、第1の補正パターン群に属する回路パターンからセ
ルレベルの近接効果補正パターンデータを作成する工程
と、チップレベル補正パターン作成仕様に基づいて、第
2の補正パターン群に属する回路パターンからチップレ
ベルの近接効果補正パターンデータを作成する工程とを
備えている。
【0042】第2のLSI用マスクデータの作成方法に
よると、LSIに含まれる複数の回路パターンを、プロ
セス条件の変化に合わせてパターン形状を変更しない第
1の補正パターン群と、プロセス条件の変化に合わせて
パターン形状を変更する第2の補正パターン群とに分類
し、セルレベル補正パターン作成仕様を設定した近接効
果補正パターンが有効と判定された場合に、有効と判定
された近接効果補正パターンの元の回路パターンをセル
ライブラリに登録する。その後、マスクデータを作成す
る工程において、セルライブラリから、セルレベルの近
接効果補正パターンデータとチップレベルの近接効果補
正パターンデータとを作成する。従って、データ量が極
めて大きくなる近接効果補正パターンデータをマスクデ
ータ作成時にまで作成する必要がなくなるため、大量の
データの管理が容易となる。
【0043】本発明に係る第3のLSI用マスクデータ
の作成方法は、LSIに含まれる複数の回路パターン
を、プロセス条件の変化に合わせてパターン形状を変更
しない第1の補正パターン群と、プロセス条件の変化に
合わせてパターン形状を変更する第2の補正パターン群
とに分類する工程と、第1の補正パターン群に対して、
セルレベルの近接効果補正パターンを作成するためのセ
ルレベル補正パターン作成仕様を設定する工程と、複数
の回路パターンの設計を行なう工程と、第1の補正パタ
ーン群に対してセルレベル補正パターン作成仕様により
作成されるセルレベルの近接効果補正パターンにおける
近接効果補正の有効性の有無を判定する工程と、近接効
果補正が無効と判定された場合に、近接効果補正が有効
となるように、無効と判定された回路パターン又は該回
路パターンのセルレベル補正パターン作成仕様の修正を
行なった後、近接効果補正の有効性を再度判定する工程
と、近接効果補正が有効と判定された場合に、第1の補
正パターン群に属する回路パターン及び該回路パターン
と対応するセルレベル補正パターン作成仕様をセルライ
ブラリに登録すると共に、第2の補正パターン群に属す
る回路パターンをセルライブラリに登録する工程と、セ
ルライブラリに登録された回路パターンから、チップレ
ベルのパターンデータを作成する工程と、セルレベル補
正パターン作成仕様に基づいて、第1の補正パターン群
に属する回路パターンからセルレベルの近接効果補正パ
ターンデータを作成する工程と、所定のチップレベル補
正パターン作成仕様に基づいて、第2の補正パターン群
に属する回路パターンからチップレベルの近接効果補正
パターンデータを作成する工程とを備えている。
【0044】第1〜第3のLSI用マスクデータの作成
方法において、近接効果補正の有効性を判定する工程
が、近接効果補正が有効と判定された回路パターンのレ
イアウトが複数存在する場合に、複数のレイアウトから
回路面積が所定値以下となるレイアウトを選択する工程
を含むことが好ましい。
【0045】この場合に、セルレベルの近接効果補正パ
ターンデータが、セリフパターン、ハンマヘッドパター
ン又はインセクションパターンを含むことが好ましい。
【0046】本発明に係る第4のLSI用マスクデータ
の作成方法は、LSIに含まれる複数の回路パターンの
うち、回路パターンが複数層にわたるパターン配置によ
り決定される第1の補正パターン群と、回路パターンが
一のレイヤ内のパターン配置により決定される第2の補
正パターン群とに分類する補正パターン群分類工程と、
複数の回路パターンの設計を行なう際に、第1の補正パ
ターン群からインタレイヤの近接効果補正パターンデー
タを作成するインタレイヤ補正パターンデータ作成工程
と、複数の回路パターンからチップデータを作成する際
に、第2の補正パターン群からイントラレイヤの近接効
果補正パターンデータを作成するイントラレイヤ補正パ
ターンデータ作成工程とを備えている。
【0047】第4のLSI用マスクデータの作成方法に
よると、LSIに含まれる複数の回路パターンを、回路
パターンが複数層にわたるパターン配置により決定され
る第1の補正パターン群と、回路パターンが一のレイヤ
内のパターン配置により決定される第2の補正パターン
群とに分類するため、第1の補正パターン群は、あらか
じめ近接効果補正を施しておいても、ライブラリとして
登録することが可能となる。また、第1の補正パターン
群はセルの面積に大きく影響するため、セルレベルの近
接効果補正パターンとすることにより、セルの設計段階
で近接効果補正パターンを決定することが可能となるの
で、最終的に作成される近接効果補正パターンのセル面
積を確実に評価できる。さらに、セルレベルの近接効果
補正を各セル単位で行なえるため、近接効果補正パター
ンの作成仕様を各セル又はブロック単位で決定すること
も可能となる。
【0048】第4のLSI用マスクデータの作成方法に
おいて、インタレイヤ補正パターンデータ作成工程が、
作成されたインタレイヤの近接効果補正パターンデータ
における近接効果補正が有効であるか否かを判定する工
程と、無効と判定された場合に、近接効果が補正有効と
なるようにインタレイヤの近接効果補正パターンデータ
又は該近接効果補正パターンデータと対応する回路パタ
ーンの修正を行なった後、近接効果補正の有効性を再度
判定する工程と、有効と判定された場合に、インタレイ
ヤの近接効果補正パターンデータをセルライブラリに登
録する工程とを含むことが好ましい。
【0049】本発明に係る第5のLSI用マスクデータ
の作成方法は、LSIに含まれる複数の回路パターンの
うち、回路パターンが複数層にわたるパターン配置によ
り決定される第1の補正パターン群と、回路パターンが
一のレイヤ内のパターン配置により決定される第2の補
正パターン群とに分類する工程と、第1の補正パターン
群に対して、インタレイヤの近接効果補正パターンを作
成するためのインタレイヤ補正パターン作成仕様を設定
する工程と、複数の回路パターンの設計を行なう工程
と、第1の補正パターン群に対してインタレイヤ補正パ
ターン作成仕様により作成される、インタレイヤの近接
効果補正パターンにおける近接効果補正の有効性の有無
を判定する工程と、近接効果補正が無効と判定された場
合に、近接効果補正が有効となるように、無効と判定さ
れた回路パターンの修正を行なった後、近接効果補正の
有効性を再度判定する工程と、近接効果補正が有効と判
定された場合に、第1の補正パターン群に属する回路パ
ターンをセルライブラリに登録すると共に、第2の補正
パターン群に属する回路パターンをセルライブラリに登
録する工程と、セルライブラリに登録された回路パター
ンから、チップレベルのパターンデータを作成する工程
と、第2の補正パターン群に対して、イントラレイヤの
近接効果補正パターンを作成するためのイントラレイヤ
補正パターン作成仕様を設定する工程と、インタレイヤ
補正パターン作成仕様に基づいて、第1の補正パターン
群に属する回路パターンからインタレイヤの近接効果補
正パターンデータを作成する工程と、イントラレイヤ補
正パターン作成仕様に基づいて、第2の補正パターン群
に属する回路パターンからイントラレイヤの近接効果補
正パターンデータを作成する工程とを備えている。
【0050】第5のLSI用マスクデータの作成方法に
よると、LSIに含まれる複数の回路パターンを、回路
パターンが複数層にわたるパターン配置により決定され
る第1の補正パターン群と、回路パターンが一のレイヤ
内のパターン配置により決定される第2の補正パターン
群とに分類し、インタレイヤ補正パターンを設定した近
接効果補正パターンが有効と判定された場合に、有効と
判定された近接効果補正パターンの元の回路パターンを
セルライブラリに登録する。その後、マスクデータを作
成する工程において、セルライブラリから、インタレイ
ヤの近接効果補正パターンデータとイントラレイヤの近
接効果補正パターンデータとを作成する。従って、デー
タ量が極めて大きくなる近接効果補正パターンデータを
マスクデータ作成時にまで作成する必要がなくなるた
め、大量のデータの管理が容易となる。
【0051】本発明に係る第6のLSI用マスクデータ
の作成方法は、LSIに含まれる複数の回路パターンの
うち、回路パターンが複数層にわたるパターン配置によ
り決定される第1の補正パターン群と、回路パターンが
一のレイヤ内のパターン配置により決定される第2の補
正パターン群とに分類する工程と、第1の補正パターン
群に対して、インタレイヤの近接効果補正パターンを作
成するためのインタレイヤ補正パターン作成仕様を設定
する工程と、複数の回路パターンの設計を行なう工程
と、第1の補正パターン群に対してインタレイヤ補正パ
ターン作成仕様により作成される、インタレイヤの近接
効果補正パターンにおける近接効果補正の有効性の有無
を判定する工程と、近接効果補正が無効と判定された場
合に、近接効果補正が有効となるように、無効と判定さ
れた回路パターン又は該回路パターンのインタレイヤ補
正パターン作成仕様の修正を行なった後、近接効果補正
の有効性を再度判定する工程と、近接効果補正が有効と
判定された場合に、第1の補正パターン群に属する回路
パターン及び該回路パターンと対応するインタレイヤ補
正パターン作成仕様をセルライブラリに登録すると共
に、第2の補正パターン群に属する回路パターンをセル
ライブラリに登録する工程と、セルライブラリに登録さ
れた回路パターンから、チップレベルのパターンデータ
を作成する工程と、インタレイヤ補正パターン作成仕様
に基づいて、第1の補正パターン群に属する回路パター
ンからインタレイヤの近接効果補正パターンデータを作
成する工程と、所定のイントラレイヤ補正パターン作成
仕様に基づいて、第2の補正パターン群に属する回路パ
ターンからイントラレイヤの近接効果補正パターンデー
タを作成する工程とを備えている。
【0052】第4〜第6のLSI用マスクデータの作成
方法において、近接効果補正の有効性を判定する工程
が、近接効果補正が有効と判定された回路パターンのレ
イアウトが複数存在する場合に、複数のレイアウトから
回路面積が所定値以下となるレイアウトを選択する工程
を含むことが好ましい。
【0053】この場合に、インタレイヤ補正パターン作
成仕様が、トランジスタのゲートを含む一の層と活性領
域を含む他の層とを規定する配置規則により決定される
ことが好ましい。
【0054】また、この場合に、インタレイヤ補正パタ
ーン作成仕様が、第1の配線層と、該第1の配線層と異
なる第2の配線層とを電気的に接続するコンタクトを含
む層とを規定する配置規則により決定されることが好ま
しい。
【0055】また、この場合に、近接効果補正の有効性
を判定する工程が、リソグラフィ工程及びエッチング工
程のうちの少なくとも一方を含むプロセスシミュレーシ
ョンを行なうことにより、加工寸法の予測値が所定値を
満たすか否かの判定を行なうことが好ましい。
【0056】この場合のプロセスシミュレーションにお
けるリソグラフィ工程は、露光量又はフォーカス位置が
プロセス余裕度を超えて変化した場合における加工寸法
の予測値が所定値を満たすか否かの判定を行なうことが
好ましい。
【0057】この場合に、プロセスシミュレーションの
判定がトランジスタのゲート長方向の寸法を判定する工
程を含むことが好ましい。
【0058】また、この場合に、プロセスシミュレーシ
ョンの判定がトランジスタのゲートにおける活性層から
のゲート幅方向の突き出し寸法を判定する工程を含むこ
とが好ましい。
【0059】本発明に係る第2〜第7のLSI用パター
ンの形成方法は、本発明の第1〜第6のLSI用マスク
データの作成方法のいずれかを用いてマスクを製作し、
製作されたマスクを用いて、半導体基板の上に複数の回
路パターンを形成する工程を備えている。
【0060】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明に係る
第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0061】第1の実施形態は、LSIを製造する際
に、近接効果補正(OPC)効果が有効となるOPCパ
ターンを作成できる条件を含んだデザインルールを決定
し、決定したデザインルールを用いて回路パターンの設
計とマスクパターンデータの作成とを行なう。
【0062】また、OPC効果が有効となるデザインル
ールによって回路パターンからOPCパターンを作成
し、作成されたOPCパターンに基づいて最適な基本プ
ロセス条件を決定する。なお、本明細書におけるOPC
効果とは、作成されたOPCパターンによって、元の回
路パターンの占有面積(回路面積)と実質的に同一の占
有面積を持つ領域に転写された回路が正常に動作する加
工パターンを実現できる効果をいう。
【0063】図1は本発明の第1の実施形態に係るLS
I用マスクデータの作成方法の作成フローを示してい
る。図1に示すように、まず、ステップSA1におい
て、LSIに含める回路の回路パターンを設計するため
のデザインルール、基本プロセス条件、回路パターンか
らOPCパターンを作成する作成仕様及びOPCパター
ン配置ルールをそれぞれ決定する。ここで、基本プロセ
ス条件とは、例えば、リソグラフィ工程であれば、露光
光源の波長、露光光の干渉度、フォーカス位置、露光量
及びレンズの開口数等の諸条件であり、また、露光方式
の選択を含む。例えば輪帯露光方式を用いるか否か、位
相シフトマスクを使用するか否か等である。また、デザ
インルールとは、回路パターンを設計する際に、実際に
動作する回路を得るために守らなければならない規定で
ある。OPCパターン配置ルールとは、ウエハ上に露光
される転写パターンが加工可能なパターンとなるよう
に、OPCパターンが満たすべきルールである。従っ
て、このルールはOPCパターンにおけるデザインルー
ルであり、OPCパターンの最小線幅や最小スペースと
いう基本的なパターン配置を規定するルールが含まれ
る。これにより、加工パターンを保証するデザインルー
ルをマスクパターンとなるOPCパターンにも適用し、
回路パターンにはOPCパターンを作成することを前提
としたデザインルールを設定することができる。その結
果、基本プロセス条件に対してもOPCパターンが決定
された後に最適な条件を選択することが可能となる。
【0064】次に、ステップSA2において、LSIを
構成する基本回路であるセル単位に回路パターンを作成
する。
【0065】次に、ステップSA3において、ステップ
SA2で作成された回路パターンがデザインルールを満
たしているか否かを検証する。回路パターンがデザイン
ルールを満たしていない場合は、ステップSA4に進
み、回路パターンのデザインルールを満たしていない部
分を修正して、ステップSA2から繰り返す。また、検
証した回路パターンがデザインルールを満たしている場
合はステップSA5に進む。
【0066】次に、ステップSA5において、各セル単
位で作成された回路パターンをセルライブラリに登録す
ることによって、LSIチップパターンを構成する基本
セルを蓄積する。
【0067】次に、ステップSA6において、セルライ
ブラリからLSIに必要な回路パターンデータを抽出
し、抽出した回路パターンデータを用いてLSIチップ
データを作成する。
【0068】次に、ステップSA7において、LSIチ
ップデータを製造するための最終的なプロセス条件を決
定する。このとき、最終プロセス条件によってOPCパ
ターン配置ルールに変更の必要が生じた場合には、OP
Cパターン配置ルールを変更する。これは以下の理由に
よる。すなわち、LSIを開発する際には、一般に、デ
ザインルールを決定してから必要なセルライブラリを作
成するまでに1年以上を要するのに対し、セルライブラ
リからLSIチップデータを作成するのに要する期間は
高々数ヶ月である。このため、デザインルールに対して
最適なプロセス条件を決定しているにも関わらず、セル
ライブラリが完成してLSIチップデータが作成される
時点では新たなレジスト材や新装置の導入によって、最
初に決定したプロセス条件が必ずしも最適とはいえなく
なっている場合がある。このため、生産性をより向上さ
せるためには、最終的なプロセス条件をLSIチップデ
ータを作成する段階で決め直すのが望ましいからであ
る。
【0069】次に、ステップSA8において、OPCパ
ターン作成仕様に基づいてLSIチップデータから必要
なOPCパターンを作成する。具体的には、最終プロセ
ス条件で、光近接効果によって生じる加工寸法のマスク
寸法に対する変動量を評価し、加工寸法が設計寸法に対
して変動しないようにマスクレイアウトを修正したデー
タを作成する。
【0070】次に、ステップSA9において、ステップ
SA8で作成したOPCパターンがOPCパターン配置
ルールを満たしているか否かを検証する。OPCパター
ン配置ルールを満たしていない場合は、ステップSA1
0に進み、OPCパターンのOPCパターン配置ルール
を満足していない部分を修正し、ステップSA8から繰
り返す。また、検証したOPCパターンがOPCパター
ン配置ルールを満たしている場合は次のステップSA1
1に進み、OPCパターンを用いてマスクパターンデー
タを作成する。
【0071】以上のようにして作成されたマスクパター
ンデータを用いてマスク又はレチクルを製作し、製作し
たマスク又はレチクルを用いて、例えば半導体基板上に
形成されたレジスト膜等に動作が可能な回路パターンを
転写することができる。
【0072】前述したように、従来のLSIの開発で
は、デザインルールは上流工程で決定され且つOPCパ
ターンは下流工程で決定されているため、OPCパター
ンが作成できないような回路パターンやその配置が発生
した場合に、デザインルールを変更することは、実質的
に不可能であった。しかしながら、本実施形態による
と、デザインルールを決定する際にOPCパターンが有
効となるようにデザインルールを変更できるため、変更
されたデザインルールに基づいた回路パターン及びマス
クデータはOPC効果を確実に発揮できる。
【0073】以下、図1に示すステップSA1の処理の
詳細を図面に基づいて説明する。
【0074】図2は本実施形態に係るLSI用パターン
のレイアウト作成方法であって、セルライブラリに適用
される基本プロセス条件及びデザインルールを決定する
手順の一例を示している。図2に示すように、まず、ス
テップSB1において、デザインルール、基本プロセス
条件及び該基本プロセス条件により決定されるOPCパ
ターン配置ルールの初期設定を行なう。これらの初期値
は、図1に示したステップSA6で作成するセルライブ
ラリのいくつかの典型的なサンプルとなるように与え
る。
【0075】次に、ステップSB2において、設定した
デザインルールに基づいて回路パターンを作成する。
【0076】次に、ステップSB3において、作成した
回路パターンがデザインルールを満たしているか否かを
検証する。回路パターンがデザインルールを満たしてい
ない場合には、ステップSB4に進み、ステップSB4
において回路パターンのデザインルールを満たしていな
い部分を修正してステップSB2から繰り返す。
【0077】次に、ステップSB5において、回路パタ
ーンから必要なOPCパターンを作成する仕様を規定し
たOPCパターン作成仕様を設定する。OPCパターン
作成仕様は、ルールベースでもモデルベース(=シミュ
レーションベース)でもよく、公知の手法を用いればよ
い。すなわち、回路パターンが同一であれば、同じOP
Cパターンを作成できる手法であればよい。なお、ルー
ルベースは、回路パターンにおけるパターンカテゴリご
とにOPCパターンの作成ルールを規定し、規定した作
成ルールに従ってOPCパターンを作成する方法であ
る。また、モデルベースは、加工寸法をシミュレーショ
ンするモデル式を用いて、マスクパターンの寸法を加工
パターンが回路パターンと一致するように算出する方法
である。
【0078】次に、ステップSB6において、設定した
OPCパターン作成仕様に基づいて各回路パターンから
OPCパターンを作成する。
【0079】ここで、回路パターン及びOPCパターン
の具体例を図面に基づいて説明する。
【0080】図3は回路パターンの一例を示している。
図3に示すように、トランジスタ回路を示す回路パター
ンは、長辺の一辺に切欠部を持つ長方形状の活性化層パ
ターン11を有している。活性化層パターン11上に
は、該活性化層パターン11における長辺と交差し且つ
切欠部を含まない領域を跨ぐ第1のゲートパターン12
と、該第1のゲートパターン12とそれぞれ平行で且つ
それぞれ活性化層パターン11の切欠部を跨ぐ第2のゲ
ートパターン13及び第3のゲートパターン14とが配
置されており、活性化層パターン11における切欠部を
持つ長辺と間隔をおいて平行に延びる配線パターン15
が配置されている。
【0081】第3のゲートパターン14は、トランジス
タのゲート電極として機能するトランジスタ部14a
と、活性化層パターン11の周辺領域(分離領域)上を
屈曲して延びる屈曲部を持つゲート配線部14bとから
構成されている。
【0082】図4は図3に示す回路パターンを元に作成
されたOPCパターンの一例を示している。ここでは、
図4に示すように、OPCパターン作成仕様として、例
えば、第1のゲートパターン12、第2のゲートパター
ン13及び第3のゲートパターン14における配線パタ
ーン15側の端部にそれぞれハンマヘッドパターン12
h、13h、14hを付加し、活性化層パターン11上
に位置する部分の幅(ゲート長)は隣接するゲートパタ
ーン同士との距離に応じて変化させる仕様とする。
【0083】次に、ステップSB7において、図2に示
すステップSB6で作成されたOPCパターンがステッ
プSB1で設定されたOPCパターン配置ルールを満た
すか否かを検証する。図4に示す検証対象領域17は、
パターン同士の間隔がOPCパターン配置ルールにおけ
る最小スペース幅よりも小さくなる例を示している。こ
のように、OPCパターン配置ルールが満たされていな
い場合は、図2に示すステップSB8に進み、ステップ
SB8において検証対象領域17がOPCパターン配置
ルールを満たすようにOPCパターン作成仕様の修正を
行なった後、ステップSB8から繰り返す。図4に示す
検証対象領域17の規定違反を解消するには、ハンマヘ
ッドパターン12h〜14h同士等、互いに隣接するパ
ターン同士の距離に応じて各OPCパターン12〜14
の形状を変更する仕様の追加が必要となる。図5は仕様
を変更したOPCパターン作成仕様に基づいてOPCパ
ターンを作成し直したOPCパターンを示している。図
5の検証対象領域17に示すように、第2のゲートパタ
ーン13の配線パターン15側の端部は、ハンマへッド
パターン13hを消去して、代わりにその端部が第1及
び第3のゲートパターン12、14の各ハンマヘッドパ
ターン12h、14hの端部と揃うように延長されてい
る。
【0084】次に、OPCパターンの配置検証が完了し
た後、図2に示すSB9において、OPCパターンから
得られる加工パターンの寸法、すなわち仕上がり寸法
(critical dimension)が回路パターンと一致している
か否かのCD検証を行なう。これは、有効なOPCパタ
ーンを作成できるか否かを確認する工程である。ここで
は、実際の回路を用いて回路パターンの寸法と加工パタ
ーンの寸法とが一致するか否かの検証を行なうことは困
難であるため、実回路の再現性に優れるシミュレーショ
ン法を用いる。但し、CD検証は、一の回路パターンの
すべての部分に対して行なう必要はなく、ゲートパター
ンにおけるゲート長等の、加工寸法が設計寸法と高精度
に一致する必要がある部分に対して実施する。CD検証
が不一致と判定された場合は、ステップSB8に進み、
OPCパターンにおける不一致部分が解消されるように
OPCパターン作成仕様を修正し、再度ステップSB5
から繰り返す。
【0085】次に、ステップSB10において、CD検
証が完了したOPCパターンに対して、OPC効果が現
われるか否かの検証を行なう。ここでは、加工パターン
寸法が設計パターン寸法と正確に一致しているか否かで
はなく、加工パターン寸法が回路を正常に動作させる条
件を満たしているか否かを検証する。検証方法は、ステ
ップSB9と同様に再現性に優れるシミュレーション法
によって、例えば、回路パターンのゲートの突き出し部
の加工パターン等を検証する。具体例として、ゲートパ
ターンの端部が回路パターン上の寸法を満たしているか
否かでなく、加工パターンにおける活性化層パターンと
ゲートパターンとの重なり領域において、ゲートパター
ンの突き出し部が消失することにより、重なり領域から
活性化層パターンが露出しているか否かを調べる。さら
に、ゲートパターンの突き出し部の加工パターンが所定
寸法よりも長くなっているような場合においても、この
長くなった突き出し部が他のパターンと短絡して回路の
動作に支障を来たすことがなければ問題はない。但し、
OPC効果の検証は、不具合が生じると回路が動作しな
くなるため、製造工程におけるプロセス条件の変動分を
考慮して、あらかじめ決められたプロセス条件のみでな
く、プロセス条件にプロセスごとの余裕度を含めて不具
合が生じない状態であることを検証する必要がある。
【0086】図6はステップSB10のOPC効果の検
証における加工パターンのシュミレーション結果の一例
を示している。図6に示すように、活性化層パターン1
1Aにおける各隅部及び切欠部の角部が丸くなると共
に、第2のゲートパターン13Aにおける配線パターン
15A側の突き出し部はほとんど消失している。このシ
ミュレーション結果から、第1の検証対象領域17Aに
示すように、第2のゲートパターン13Aのゲート幅が
短くなることにより、トランジスタの活性化層パターン
11Aにおけるソース領域及びドレイン領域が実質的に
短絡してしまい正常な動作を得られなくなる。また、第
2の検証対象領域18Aに示すように、第3のゲートパ
ターン14Aの屈曲部の形状が鈍ることにより、活性化
層パターン11Aの側部付近でゲート長が局所的に大き
くなるため、所定の動作が得られない。但し、ここで
は、プロセス条件に余裕度を持たせた例までは示してい
ない。実際には、プロセス条件に所定の余裕度を持たせ
た上で、加工パターンのシミュレーションを行なう。
【0087】図6に示したように、OPC効果を得られ
ない、すなわち回路の正常な動作を期待できないと判定
された場合には、図2に示すステップSB11に進み、
ステップSB11において回路パターンにOPC効果を
得られない回路パターンの配置があるか否かを調べる。
【0088】ステップSB11において、OPC効果を
得られないパターン配置が存在しないと判定された場合
は、再度ステップSB8から繰り返し、OPC効果を得
られるようにOPCパターン作成仕様の修正を行なう。
一方、ステップSB11においてOPC効果を得られな
い回路パターン配置があると判定された場合は、ステッ
プSB12に進み、OPC効果を得られない回路パター
ン配置が発生しないようにデザインルールを修正する。
その後はステップSB4から繰り返す。
【0089】図7はステップSB4においてOPC効果
を得られないパターン配置を修正した結果を示してい
る。ここでは、デザインルールの変更例として、ゲート
パターンと活性化層パターンとの間に所定の間隔を設け
るというルールを追加している。これにより、第3のゲ
ートパターン14Bのゲート配線部14bにおける活性
化層パターン11Bの長辺と平行に延びる部分は、該活
性化層パターン11Bの長辺との間に初期値よりも大き
い間隔が設けられる。同様に、活性化層パターン11B
における第1のゲートパターン12及び第2のゲートパ
ターン13との間の切欠部の端部は、第2のゲートパタ
ーン13の側面との間に初期値よりも大きい間隔が設け
られている。図7には、修正前の第3のゲートパターン
14及び活性化層パターン11の輪郭をそれぞれ破線で
示している。
【0090】図8は図7に示す回路パターンを元にして
得られたOPCパターンであり、図9は図8に示すOP
Cパターンを元にして得られたシミュレーション結果を
示す加工パターンを示している。図9に示すように、第
2のゲートパターン13Aの配線パターン15A側の端
部の突き出し部は、所定のゲート長が確保される程度に
延びている。また、第3のゲートパターン14Cにおけ
るトランジスタ部14aのゲート長はほぼ一定となる。
このように、デザインルールをOPC効果を検証して変
更することにより、手戻りの工数を発生させることなく
OPC効果を確実に得られる回路パターンを作成でき
る。
【0091】次に、図2に示すステップSB13におい
て、OPC効果を得られる回路パターンの回路面積(セ
ル面積)と、該回路パターンのOPCパターンから得ら
れる加工パターンにおける回路の正常な動作の歩留まり
の期待値とを評価する。歩留まりの期待値を評価する手
法として、例えば、特開平10−284608号公報又
は特開平11−121345号公報に記載されているよ
うな、セルにおけるトランジスタの正常動作確率を評価
する手法を用いればよい。これは、トランジスタの正常
動作の動作確率は回路パターンの歩留まりの期待値とみ
なせるからである。より具体的には、トランジスタの正
常動作が可能となる加工寸法を、プロセス条件又はトラ
ンジスタを表わすマスクパターンの寸法を変数とした応
答局面関数として表わす。さらに、製造プロセスで予測
されるプロセス条件の変動分布をこの応答局面関数に代
入することによって、製造プロセスにおいてトランジス
タが正常に動作できる加工寸法となる確率を計算する手
法である。一般に、回路パターン面積の縮小と、回路が
正常に動作できる歩留まりの期待値とは相反する関係を
持つ。
【0092】ステップSB13において回路のパターン
面積が設計値よりも大きいと判定された場合には、ステ
ップSB14に進み、デザインルール及びそれと対応す
るOPCパターン配置ルールをより小さい回路パターン
を得られるように変更して、ステップSB1から繰り返
す。また、ステップSB13において、正常動作の歩留
まりの期待値が目標値よりも低いと判定された場合も、
ステップSB14に進み、基本プロセス条件を改善する
と共に、デザインルール及びそれに関連するOPCパタ
ーン配置ルールの寸法を拡大するように変更して、ステ
ップSB1から繰り返す。
【0093】一方、回路のパターン面積及び歩留まりの
期待値が共に目標値を満たしておれば、ステップSB1
5に進み、デザインルール、基本プロセス条件、OPC
パターン配置ルール、OPCパターン作成仕様及び回路
パターンデータがそれぞれ最終的に決定されたこととな
る。
【0094】以上説明したように、本実施形態による
と、セルライブラリとして登録する典型的なサンプルと
なる複数の回路(セル)を作成することにより、現世代
のセルライブラリが目標とする回路面積を実現できると
共に、作成した回路に対して正常動作の期待値が確保さ
れた基本プロセス条件とデザインルールとを決定でき
る。なお、サンプル数が多い程、より最適なデザインル
ール、OPCパターン配置ルール及びOPCパターン作
成仕様を決定できることはいうまでもない。
【0095】以下、本実施形態の効果を列挙する。
【0096】(a)OPC効果を得られる条件を満たす
デザインルールを決定し、決定したデザインルールに基
づいて回路パターンの設計を行なうため、最終工程のマ
スクパターンデータを作成する段階で、必要なOPCパ
ターンを作成できなくなることがない。
【0097】(b)典型的な複数のカテゴリに属する回
路パターンについて、そのOPC効果が有効となるデザ
インルールの条件を回路パターン設計に用いるデザイン
ルールに反映することにより最終的なデザインルールを
決定するため、汎用性が高いデザインルールを構築でき
る。
【0098】(c)デザインルールを決定する際に、O
PC効果を得られる条件として所定のセル面積を達成す
るように定めるため、所定のセル面積を前世代のLSI
に含まれる回路の半分の面積となるように設定すれば、
デザインルールが必要以上に大きくなることがない。
【0099】(d)デザインルールが、該デザインルー
ルにより規定される各回路パターンを元にした加工パタ
ーンの寸法ではなく、回路面積の縮小を基準にして縮小
されるため、必要以上に実現困難なパターンを設計する
という事態が避けられる。
【0100】(e)基本プロセス条件が、作成されるO
PCパターンを想定し、且つ、ステップSB14に示す
ように生産性を改善するように再設定されるため、基本
プロセス条件が最終プロセス条件にとって不適切な条件
となることがない。
【0101】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施
形態においても、第1の実施形態と同様に、必要なOP
Cパターンを作成できる条件を含むデザインルールを決
定し、決定されたデザインルールに基づいて回路パター
ンの設計及びマスクパターンデータの作成を行なう。特
に、本実施形態においては、各セル(基本回路)の設計
時に個別にOPC効果を検証できるため、各セル単位で
セル面積をより小さくすることができる。
【0102】図10及び図11は本発明の第2の実施形
態に係るLSI用マスクデータの作成方法の処理フロー
を示している。
【0103】まず、図10に示すステップSC1におい
て、デザインルール、基本プロセス条件及びOPCパタ
ーン配置ルールを決定する。このうち、デザインルール
及び基本プロセス条件は、図1に示したステップSA1
と同様の方法で決定する。これに対して、OPCパター
ン配置ルールは、OPCパターンをプロセス条件の変化
に合わせて敏感に変更する必要がない第1のカテゴリ
と、敏感に変更する必要がある第2のカテゴリに分類す
る。
【0104】ここで、第1及び第2のカテゴリの具体例
を図12(a)及び図12(b)を用いて説明する。図
12(a)は配線部21aと該配線部21aの一側部か
ら比較的大きく突出する突出部21bとからなる第1の
パターン21Aと、配線部22aと該配線部22aの一
側部から比較的小さく突出する突出部22bとからなる
第2のパターン22Aとが、互いの配線部21a、22
aが平行で且つ間隔をおいて配置されている。この場合
に、例えば、各配線部21a、22aにおける配線幅の
加工寸法を変更するOPCパターンはプロセス条件の変
化に敏感に変える必要があり、従って第2のカテゴリに
分類される。また、図示はしていないが、他の例とし
て、ゲートパターンにおけるゲート長の加工寸法は、設
計寸法に対して正確に一致しなければならないパターン
であり、第2のカテゴリに分類される。
【0105】一方、図12(b)に示すように、第1の
パターン21Aを元に作成された第1のOPCパターン
21Bにおける突出部21bの端部に設けられたハンマ
ヘッドパターン21c、及び配線部21aと突出部21
bとの接続部分がくびれるように削除されたインセクシ
ョンパターン21dは、プロセス条件の変化に敏感に変
える必要がなく、第1のカテゴリに分類される。同様
に、第2のパターン22Aを元に作成された第2のOP
Cパターン22Bにおける突出部22bの端部の両隅部
に設けられたセリフパターン22cも第1のカテゴリに
分類される。ここで、ハンマヘッドパターン21c及び
セリフパターン22cは元のパターンの端部の消失を防
ぎ、インセクションパターン21dはパターン同士の接
続部分の角部の丸まりを防ぐ。
【0106】一般に、回路パターン面積(セル面積)を
決定する上で重要なOPCパターン、すなわち縮小され
たセル面積でOPC効果を発揮するOPCパターンは、
第1のカテゴリに属する。そこで、第1のカテゴリに属
するOPCパターンを最終プロセス条件が決定していな
いセルライブラリ設計の段階でも近接効果補正を施せる
ため、セルレベルOPCパターンと呼ぶことにする。一
方、最終プロセス条件が決定していないとOPCパター
ンを作成できない第2のカテゴリに対して、LSIチッ
プデータが完成した後で且つ最終プロセス条件が決定し
た後に近接効果補正を施すため、チップレベルOPCパ
ターンと呼ぶことにする。
【0107】次に、図10に示すステップSC2におい
て、ステップSC1で決定したデザインルールに基づい
てカテゴリの別なくセルごとに回路パターンを作成す
る。
【0108】次に、ステップSC3において、作成した
回路パターンがデザインルールを満たしているか否かを
検証する。回路パターンがデザインルールを満たしてい
ない場合には、ステップSC4に進み、ステップSC4
において回路パターンにおけるデザインルールを満足し
ていない部分を修正してステップSC2から繰り返す。
また、回路パターンデータがデザインルールを満足して
いる場合は、ステップSC5に進む。
【0109】次に、ステップSC5において、作成した
回路パターンのうち第1のカテゴリに属する回路パター
ンからセルレベルのOPCパターンを作成する。セルレ
ベルOPCパターンの作成方法は、ルールベースが好ま
しい。すなわち、回路パターンのパターンごとにセルレ
ベルのOPCパターンを作成するためのルールを作成
し、作成したルールに従ってセルレベルOPCパターン
を作成する。ここでは、OPC効果を得るためのOPC
パターンを作成するため、加工寸法と回路パターン寸法
とを一致させるためのOPCパターン設計ではなく、回
路パターンをその面積で正常に動作させるための加工パ
ターンを実現できるように、最適なOPCパターンを作
成する必要がある。このため、回路動作に不具合を生じ
させない部分の加工寸法は、回路パターン寸法を無視し
てでも、回路動作の歩留まりの期待値が向上するような
OPCパターンを作成すればよい。従って、これを実現
するには、OPCパターンを作成するモデルとして、回
路パターンのパターンごとにOPCパターンを作成でき
るルールを規定できるルールベースと呼ばれる手法が適
している。なぜなら、モデルベースは、回路パターンに
現われた加工寸法をそのまま実現してしまうからであ
る。
【0110】次に、ステップSC6において、作成した
セルレベルのOPCパターンがOPCパターン配置ルー
ルを満たしているか否かを検証する。セルレベルOPC
パターンがOPCパターン配置ルールを満たしていない
場合は、ステップSC7に進み、ステップSC7におい
て、セルレベルOPCパターンのOPCパターン配置ル
ールを満たしていない部分を修正し、ステップSC5か
ら繰り返す。
【0111】次に、ステップSC8において、OPCパ
ターン配置ルールを満たしたセルレベルOPCパターン
に対してOPC効果を得られているか否かの検証を行な
う。検証方法は、第1の実施形態のステップSB10と
同様であって、実回路の再現性に優れるシミュレーショ
ン法によって行なう。具体例として、ゲートパターンの
端部が回路パターン上の寸法を満足しているか否かでな
く、加工パターンにおける活性化層パターンとゲートパ
ターンとの重なり領域において、ゲートパターンの突き
出し部が消失することにより、重なり領域から活性化層
パターンが露出しているか否かを調べる。但し、OPC
効果の検証は、前述したように、不具合が生じると回路
が動作しなくなるため、製造工程におけるプロセス条件
の変動分を考慮して、あらかじめ決められたプロセス条
件のみでなく、プロセス条件にプロセスごとの余裕度を
含めて問題が起こらない状態であることを検証する必要
がある。
【0112】ステップSC8においてOPC効果を得ら
れない、すなわち回路が正常に動作することを期待でき
ないと判定された場合には、ステップSC9に進み、ス
テップSC9において回路パターンにOPC効果を得ら
れない回路パターン配置があるか否かを調べる。
【0113】ステップSC9において、OPC効果を得
られないパターン配置が存在しないと判定された場合
は、再度ステップSC7から繰り返し、OPC効果を得
られるようにセルレベルOPCパターンを作成し直す。
一方、ステップSC9においてOPC効果を得られない
回路パターン配置があると判定された場合は、ステップ
SC4に進み、OPC効果を得られない回路パターン配
置が発生しないように回路パターンを修正する。その後
はステップSC2から繰り返す。
【0114】次に、ステップSC10において、各回路
パターンのセル面積が目標値よりも小さいか否かを判定
する。セル面積が目標値よりも大きい場合にはステップ
SC4に進み、セル面積を縮小するように回路パターン
を修正する。一方、セル面積が目標値と同等か小さい場
合には、図11に示すステップSC11に進む。
【0115】次に、図11に示すステップSC11にお
いて、各セル単位で作成されたセルレベルOPCパター
ンを各回路パターンのマスクパターン用セルライブラリ
として登録する。また、第2のカテゴリに属する回路パ
ターンはそのままセルライブラリに登録する。)これに
より、LSIチップパターンを構成する基本回路の集合
が蓄積される。
【0116】次に、ステップSC12において、セルラ
イブラリからLSIに必要な回路パターンデータを抽出
し、抽出した回路パターンデータを用いてLSIチップ
データを作成する。
【0117】次に、ステップSC13において、LSI
チップデータを製造する最終プロセス条件を決定する。
【0118】次に、ステップSC14において、最終プ
ロセス条件に基づき、近接効果によって生じる加工寸法
のマスク寸法に対する変動量をより詳細に評価する。こ
れにより、第2のカテゴリに属するセル、例えば、ゲー
トパターンにおけるゲート長の加工寸法等が設計寸法に
対して正確に一致しなければならない部分に対してチッ
プレベルOPCパターンを作成する。このときのOPC
パターン作成方法は、ルールベース又はモデルベースを
用いることができる。
【0119】次に、ステップSC15において、チップ
レベルOPCパターンから作成される加工パターンの寸
法が回路パターンの寸法と一致しているか否かのCD検
証を行なう。ここでも、実回路を十分に再現できるシミ
ュレーション法を用いて仕上がり寸法の検証を行なう。
本ステップのCD検証も、一の回路パターンのすべての
部分を検証する必要はなく、加工寸法が設計寸法と高精
度に一致する必要がある部分に対して行なう。CD検証
が不一致と判定された場合は、ステップSC16に進
み、OPCパターンにおける不一致部分が解消されるよ
うにチップレベルOPCパターンを修正し、再度ステッ
プSC14から繰り返す。なお、ステップSC14にお
いてモデルベースを用いた場合には、このCD検証を行
なわなくてもよい。
【0120】次に、SC17において、作成されたセル
レベル及びチップレベルの各OPCパターンを用いてマ
スクパターンデータを作成する。このマスクパターンデ
ータからマスク又はレチクルを製作し、製作したマスク
又はレチクルを用いて、半導体基板上に形成されたレジ
スト膜等に動作が可能な回路パターンを転写することが
できる。
【0121】(第2の実施形態の一変形例)以下、本発
明の第2の実施形態の一変形例について図面を参照しな
がら説明する。
【0122】図13及び図14は本発明の第2の実施形
態の一変形例に係るLSI用マスクデータの作成方法の
処理フローを示している。第2の実施形態においては、
ステップSC11に示すように、セルレベルOPCパタ
ーンをセルライブラリに直接登録している。本変形例に
おいては、セルレベルOPCパターンをルールベースに
よって作成した場合に、セルレベルOPCパターンの作
成工程を、その作成仕様を設定する工程と、該作成仕様
に基づくセルレベルOPCパターンの作成工程とに分け
て行なう場合を説明する。これにより、セルライブラリ
には、セルレベルOPCパターンの代わりに、回路パタ
ーンと該回路パターンに対するセルレベルOPCパター
ン作成仕様とを分けて登録できるようになる。
【0123】図13において、第2の実施形態との相違
点は、図10に示すステップSC5におけるセルレベル
OPCパターンの作成が、本変形例においては、ステッ
プSD5Aに示す各回路セルに対するセルレベルOPC
パターン作成仕様の設定と、ステップSD5Bに示すセ
ルレベルOPCパターンの作成との2工程に分離した点
である。
【0124】図14において、第2の実施形態との相違
点は、セルライブラリを作成するステップSD11にお
いて、セルライブラリに登録する対象がOPCパターン
ではなく、各回路パターンとそれと対応するセルレベル
OPCパターン作成仕様との組み合わせをそれぞれ登録
する点である。
【0125】さらに大きく異なる点は、ステップSD1
4において、作成したセルレベルOPCパターン作成仕
様によりセルレベルOPCパターンを作成すると共に、
ルールベース又はモデルベースに基づくチップレベルO
PCパターン作成仕様によりチップレベルOPCパター
ンの作成を同時に行なう点である。
【0126】このようにすると、大量且つ複雑なパター
ンデータからなるセルレベル及びチップレベルのOPC
パターンをマスクデータ作成の直前まで処理する必要が
なくなり、大量のデータを扱う工程を一元化できる。
【0127】また、セルライブラリに登録するセルは、
マスク製作用のマスクデータのみならず回路構成をも表
わす必要があるため、OPCパターンではなく加工パタ
ーンを表わす回路パターンが登録されていることが望ま
しい。また、登録された回路パターンを変更する場合に
おいても、OPCパターンではなく、回路パターンが登
録されているほうが便利である。
【0128】以上説明したように、第2の実施形態及び
その変形例によると、回路パターンを、セル面積に強く
影響する第1のカテゴリと強く影響されない第2のカテ
ゴリとに分類するため、第1のカテゴリに属するセルレ
ベルOPCパターンをセルの設計段階で決定できる。こ
のため、OPC効果を考慮し且つセル面積の縮小を図り
ながら回路パターンの設計を行なえるので、各回路パタ
ーンを設計した段階でOPC効果を得られなくなるよう
なパターン配置を排除できる。これにより、目標とする
セル面積を達成する際に、実現が困難な回路パターン及
び無駄なマージンが含まれる回路パターンが混入するこ
とがないため、セル面積を目標値にまで確実に縮小しな
がら、LSIが正常に動作する歩留まりの期待値をも向
上できる。
【0129】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0130】本実施形態は、第2の実施形態と異なり、
回路パターンが、トランジスタのように活性化層パター
ンを含む第1の層と該活性化層パターンの上を跨ぐゲー
トパターンを含む第2の層との複数層により定義される
OPCパターンを上流のセル設計工程で作成し、ゲート
パターンのように単一層でのみ定義されるOPCパター
ンを下流のマスクデータ処理工程で作成する。
【0131】回路(セル)には複数の構成要素が含まれ
ており、これら複数の構成要素の配置を決める回路パタ
ーンの設計において、種々の回路のうちセル面積に大き
く影響を及ぼす回路は、大抵は単一層ではなく複数層に
含まれるパターンにより規定される。この複数層により
定義されるOPCパターンは、回路の構成要素の配置を
層ごとに変更できるため、複数層により定義されるOP
Cパターンをセルの設計段階で考慮することにより、よ
り小さいセル面積で回路の構成要素を配置することが可
能となる。
【0132】図15及び図16は本発明の第3の実施形
態に係るLSI用マスクデータの作成方法の処理フロー
を示している。
【0133】まず、図15に示すステップSE1におい
て、第2の実施形態に係るステップSC1と同様に、デ
ザインルール、基本プロセス条件及びOPCパターン配
置ルールをそれぞれ決定する。さらに、本実施形態の特
徴として、セル面積を決定する上で重要となる、複数層
により定義されるOPCパターン、すなわちインタレイ
ヤOPCパターンを第1のカテゴリとして分類し、単一
層により定義されるOPCパターン、すなわちイントラ
レイヤパターンを第2のカテゴリとして分類する。
【0134】次に、ステップSE2、SE3及びSE4
において、各回路パターンを作成し、デザインルールの
検証を終えた後、ステップSE5において、各セルに対
してインタレイヤOPCパターンを作成する。
【0135】ここで、インタレイヤOPCパターンにつ
いて図面を用いて説明する。
【0136】図17(a)は本実施形態に係る回路パタ
ーンを説明するためのトランジスタ回路の平面構成を示
し、図17(b)は図17(a)のインタレイヤOPC
パターンを説明するためのトランジスタ回路の平面構成
を示している。図17(a)に示すように、長方形状の
活性化層パターン31aと該活性化層パターン31aの
長辺の中央部を跨ぐゲート層パターン31bとからなる
第1の回路パターン31Aと、長方形状の活性化層パタ
ーン32aと該活性化層パターン32aの長辺の中央部
を跨ぐゲート層パターン32bとからなる第2の回路パ
ターン32Aとが配置されている。活性化層パターン3
1a、32aの長辺同士は約0.3μmの間隔をおき、
ゲート層パターン31b、32bの対向する端部同士は
互いに重ならないように配置されている。
【0137】このように、例えば、第1の回路パターン
31Aは、活性化層パターン31aとゲート層パターン
31bとが重なる重なり部を持つ。従って、活性化層パ
ターン31aが半導体基板に形成された場合には該重な
り部にチャネル領域が生成されることによりトランジス
タ回路として機能する。このことから、活性化層パター
ン31aとゲート層パターン31bとの間には配置規則
が存在する。このため、活性化層パターン31aとゲー
ト層パターン31bとの互いの配置関係の変化は相互に
影響し合う。第2の回路パターン32Aについても同様
である。
【0138】図17(b)に示す第1のOPCパターン
31B及び第2のOPCパターン32Bは、図17
(a)に示す第1の回路パターン31A及び第2の回路
パターン32Aとそれぞれ対応する。図17(b)に示
すように、ここでは、各ゲート層パターン31b、32
bの両端部にそれぞれ形状が異なるハンマヘッドパター
ンを付加した例を示している。具体的には、各ゲート層
パターン31b、32bにおける互いに対向する側の一
方の端部には、活性層パターン31a、32a同士の間
隔が0.2μmと回路パターンの場合よりも小さくなる
ように、ハンマヘッドパターンの形状を他方の端部と比
べてそれぞれ小さくしている。
【0139】また、図示はしていないが、互いに異なる
層に含まれる配線同士を接続するコンタクトパターンに
基づくOPCパターンの場合も、配線パターンから作成
される配線用OPCパターンとコンタクトパターンから
作成されるコンタクト用OPCパターンとは複数のレイ
ヤにより定義される。
【0140】次に、図15に示すステップSE6、SE
8及びSE10において、作成したインタレイヤOPC
パターンが、OPCパターン配置ルールを満たすか否
か、OPC効果を得られるか否か、セル面積が所定値を
満たしているか否かをそれぞれ検証する。検証方法は第
2の実施形態で説明した方法で行なえばよい。検証結果
が不満足の場合は、ステップSE7においてインタレイ
ヤOPCパターンを修正するか、又はステップSE4に
おいて、OPC効果を得られるように、回路パターンを
層ごとに修正し且つ回路の構成要素の再配置を行なう。
【0141】次に、図16に示すステップSE11にお
いて、各セル単位で作成されたインタレイヤOPCパタ
ーンを各回路パターンのマスクパターン用セルライブラ
リとして登録する。また、第2のカテゴリに属する回路
パターンはそのままセルライブラリに登録する。これに
より、LSIチップパターンを構成する基本回路の集合
が蓄積される。
【0142】次に、ステップSE12において、セルラ
イブラリからLSIに必要な回路パターンデータを抽出
し、抽出した回路パターンデータを用いてLSIチップ
データを作成し、次のステップSE13において、LS
Iチップデータを製造する最終プロセス条件を決定す
る。
【0143】次に、ステップSE14において、最終プ
ロセス条件に基づき、近接効果によって生じる加工寸法
のマスク寸法に対する変動量をより詳細に評価する。こ
れにより、第2のカテゴリに属するイントラレイヤOP
Cパターンを作成する。このときのOPCパターン作成
方法は、ルールベース又はモデルベースのいずれを用い
てもよい。
【0144】次に、ステップSE15において、イント
ラレイヤOPCパターンから作成される加工パターンの
寸法が回路パターンの寸法と一致しているか否かのCD
検証を行なう。ここでも、実回路を十分に再現できるシ
ミュレーション法を用いて仕上がり寸法の検証を行な
う。また、本実施形態においても、一の回路パターンの
すべての部分を検証する必要はなく、加工寸法が設計寸
法と高精度に一致する必要がある部分に対して行なう。
CD検証が不一致と判定された場合は、ステップSE1
6に進み、OPCパターンにおける不一致部分が解消さ
れるようにイントラレイヤOPCパターンを修正し、再
度ステップSE14から繰り返す。なお、ステップSE
14においてモデルベースを用いた場合には、このCD
検証を行なわなくてもよい。
【0145】次に、SE17において、作成されたイン
タレイヤ及びイントラレイヤの各OPCパターンを用い
てマスクパターンデータを作成する。このマスクパター
ンデータからマスク又はレチクルを製作し、製作したマ
スク又はレチクルを用いて、半導体基板上に形成された
レジスト膜等に動作が可能な回路パターンを転写するこ
とができる。
【0146】なお、本実施形態は、ステップSE14に
おいて、第2のカテゴリに属するイントラレイヤOPC
パターンの作成を、ステップSE12のLSIチップデ
ータ作成後に行なっているが、イントラレイヤOPCパ
ターンのうち、第2の実施形態における第1のカテゴリ
のセルレベルOPCパターンである回路も含まれる。従
って、このようなセルレベルのOPCパターンが生成さ
れる回路は、ステップSE2で回路設計を行なってもよ
い。
【0147】(第3の実施形態の一変形例)以下、本発
明の第3の実施形態の一変形例について図面を参照しな
がら説明する。
【0148】図18及び図19は本発明の第3の実施形
態の一変形例に係るLSI用マスクデータの作成方法の
処理フローを示している。第3の実施形態においては、
ステップSE11に示すように、インタレイヤOPCパ
ターンをセルライブラリに直接登録している。本変形例
においては、インタレイヤOPCパターンをルールベー
スによって作成した場合に、インタレイヤOPCパター
ンの作成工程を、その作成仕様を設定する工程と、該作
成仕様に基づくインタレイヤOPCパターンの作成工程
とに分けて行なう場合を説明する。これにより、セルラ
イブラリには、インタレイヤOPCパターンの代わり
に、回路パターンと該回路パターンに対するインタレイ
ヤOPCパターン作成仕様とを分けて登録できるように
なる。
【0149】図18において、第3の実施形態との相違
点は、図15に示すステップSE5におけるインタレイ
ヤOPCパターンの作成が、本変形例においては、ステ
ップSF5Aにおける各回路セルに対するインタレイヤ
OPCパターン作成仕様の設定と、ステップSF5Bに
おけるインタレイヤOPCパターンの作成との2工程に
分離した点である。
【0150】図19において、第3の実施形態との相違
点は、セルライブラリを作成するステップSF11にお
いて、セルライブラリに登録する対象がOPCパターン
ではなく、各回路パターンとそれと対応するインタレイ
ヤOPCパターン作成仕様との組み合わせをそれぞれ登
録する点である。
【0151】さらに大きく異なる点は、ステップSF1
4において、作成したインタレイヤOPCパターン作成
仕様によりインタレイヤOPCパターンを作成すると共
に、ルールベース又はモデルベースに基づくイントラレ
イヤOPCパターン作成仕様によりイントラレイヤOP
Cパターンの作成を同時に行なう点である。
【0152】このようにすると、大量且つ複雑なパター
ンデータからなるインタレイヤ及びイントラレイヤのO
PCパターンをマスクデータ作成の直前まで処理する必
要がなくなり、大量のデータを扱う工程を一元化でき
る。
【0153】また、セルライブラリに登録するセルは、
マスク製作用のマスクデータのみならず回路構成をも表
わす必要があるため、OPCパターンではなく加工パタ
ーンを表わす回路パターンが登録されていることが望ま
しい。また、登録された回路パターンを変更する場合に
おいても、OPCパターンではなく、回路パターンが登
録されているほうが便利である。
【0154】以上説明したように、第3の実施形態及び
その変形例によると、回路パターンを、セル面積に強く
影響する第1のカテゴリと強く影響されない第2のカテ
ゴリとに分類するため、第1のカテゴリに属するインタ
レイヤOPCパターンをセルの設計段階で決定できる。
このため、OPC効果を考慮し且つセル面積の縮小を図
りながら回路パターンの設計を行なえるので、各回路パ
ターンを設計した段階でOPC効果を得られなくなるよ
うなパターン配置を排除できる。これにより、目標とす
るセル面積を達成する際に、実現が困難な回路パターン
及び無駄なマージンが含まれる回路パターンが混入する
ことがないため、セル面積を目標値にまで確実に縮小し
ながら、LSIが正常に動作できる歩留まりの期待値を
も向上できる。
【0155】なお、ステップSE4及びステップSF4
において、回路の構成要素の再配置処理をコンパクタと
呼ばれるツールを用いて行なってもよい。コンパクタを
用いると、本実施形態のように検証と修正とを繰り返す
必要がなくなる。さらに、コンパクタが持つ再配置機能
にインタレイヤOPCパターンによるOPC効果をルー
ル化して付加すればセルパターンの自動合成も可能とな
る。
【0156】
【発明の効果】本発明な係るLSI用パターンのレイア
ウト作成方法によると、近接効果補正パターンを作成し
た後に、近接効果補正が有効となるように、回路パター
ンを規定するデザインルールを変更するため、近接効果
補正が有効となるデザインルールで作成された設計パタ
ーン及び該設計パターンにより作成されたマスクパター
ンを用いれば、近接効果補正を確実に行なえる。
【0157】本発明に係るLSI用マスクデータの作成
方法によると、セルの面積に大きく影響する回路パター
ンを、セルレベルの近接効果補正パターン又はインタレ
イヤの近接効果補正パターンとすることにより、セルの
設計段階で近接効果補正パターンを決定することが可能
となる。このため、最終的に作成される近接効果補正パ
ターンのセル面積を確実に評価できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るLSI用マスク
データの作成方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るLSI用パター
ンのレイアウト作成方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るLSI用パター
ンのレイアウト作成方法における回路パターンの一例を
示す平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るLSI用パター
ンのレイアウト作成方法を示し、図3に示す回路パター
ンから作成されたOPCパターンの一例を示す平面図で
ある。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るLSI用パター
ンのレイアウト作成方法を示し、図3に示す回路パター
ンから作成されたOPCパターンの他の例を示す平面図
である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るLSI用パター
ンのレイアウト作成方法を示し、図5に示すOPCパタ
ーンから得られる加工パターンの一例を示す平面図であ
る。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るLSI用パター
ンのレイアウト作成方法を示し、図3に示す回路パター
ンに修正を施した平面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るLSI用パター
ンのレイアウト作成方法を示し、図7に示す回路パター
ンから作成されたOPCパターンの一例を示す平面図で
ある。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るLSI用パター
ンのレイアウト作成方法を示し、図8に示すOPCパタ
ーンから得られる加工パターンの一例を示す平面図であ
る。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るLSI用マス
クデータの作成方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るLSI用マス
クデータの作成方法を示すフローチャートである。
【図12】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態
に係るLSI用マスクデータの作成方法におけるカテゴ
リを説明するためのパターンを示し、(a)は第2のカ
テゴリに属するチップレベルの回路パターンを示す平面
図であり、(b)は第1のカテゴリに属するセルレベル
の回路パターンを示す平面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態の一変形例に係るL
SI用マスクデータの作成方法を示すフローチャートで
ある。
【図14】本発明の第2の実施形態の一変形例に係るL
SI用マスクデータの作成方法を示すフローチャートで
ある。
【図15】本発明の第3の実施形態に係るLSI用マス
クデータの作成方法を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第3の実施形態に係るLSI用マス
クデータの作成方法を示すフローチャートである。
【図17】(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態
に係るLSI用マスクデータの作成方法におけるカテゴ
リを説明するためのパターンを示し、(a)は第1のカ
テゴリに属するインタレイヤの回路パターンを示す平面
図であり、(b)は(a)から作成されたOPCパター
ンの一例を示す平面図である。
【図18】本発明の第3の実施形態の一変形例に係るL
SI用マスクデータの作成方法を示すフローチャートで
ある。
【図19】本発明の第3の実施形態の一変形例に係るL
SI用マスクデータの作成方法を示すフローチャートで
ある。
【図20】(a)及び(b)は従来のLSI用マスクデ
ータの作成方法であって、トランジスタの設計パターン
と加工パターンとを示す平面図である。
【符号の説明】
11 活性化層パターン 11A 活性化層パターン 11B 活性化層パターン 11C 活性化層パターン 12 第1のゲートパターン 12A 第1のゲートパターン 12h ハンマヘッドパターン 13 第2のゲートパターン 13A 第2のゲートパターン 13h ハンマヘッドパターン 14 第3のゲートパターン 14A 第3のゲートパターン 14B 第3のゲートパターン 14C 第3のゲートパターン 14a トランジスタ部 14b ゲート配線部 14h ハンマヘッドパターン 15 配線パターン 15A 配線パターン 17 検証対象領域 17A 第1の検証対象領域 18A 第2の検証対象領域 21A 第1のパターン 21B 第1のOPCパターン 21a 配線部 21b 突出部 21c ハンマヘッドパターン 21d インセクションパターン 22A 第2のパターン 22B 第2のOPCパターン 22a 配線部 22b 突出部 22c セリフパターン 31A 第1の回路パターン 31B 第1のOPCパターン 31a 活性化層パターン 31b ゲート層パターン 32A 第2の回路パターン 32B 第2のOPCパターン 32a 活性化層パターン 32b ゲート層パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/08

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の回路パターンを含むLSI用パタ
    ーンにおける前記複数の回路パターンを設計する回路パ
    ターン設計工程と、 設計した回路パターンの初期配置を行なう初期配置工程
    と、 初期配置された回路パターンのうち互いに隣接又は交差
    して配置された回路パターンに対して近接効果補正を施
    すことにより、隣接又は交差して配置された回路パター
    ンから近接効果補正パターンを作成する近接効果補正パ
    ターン作成工程と、 前記近接効果補正が有効であるか否かを判定する補正効
    果判定工程と、 無効と判定された場合に、前記近接効果補正が有効とな
    るように前記回路パターンを規定するデザインルールを
    変更するデザインルール変更工程と、 変更されたデザインルールに基づいて、初期配置された
    回路パターンを再配置する回路パターン再配置工程とを
    備えていることを特徴とするLSI用パターンのレイア
    ウト作成方法。
  2. 【請求項2】 前記近接効果補正パターン作成工程は、
    前記近接効果補正パターンを作成するための補正パター
    ン作成仕様を設定する工程を含み、 前記補正効果判定工程は、前記近接効果補正が無効と判
    定された場合に、前記補正パターン作成仕様を前記近接
    効果補正が有効となるように変更する工程を含むことを
    特徴とする請求項1に記載のLSI用パターンのレイア
    ウト作成方法。
  3. 【請求項3】 前記回路パターン再配置工程は、複数の
    再配置パターンを作成し、作成した複数の再配置パター
    ンから回路面積が小さい再配置パターンを選択する工程
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のLSI用パタ
    ーンのレイアウト作成方法。
  4. 【請求項4】 前記近接効果補正が有効となるようにレ
    イアウトを行なうためのデザインルールを作成するデザ
    インルール作成工程をさらに備え、 前記初期配置工程又は前記回路パターン再配置工程は、
    前記デザインルールに基づいて前記複数の回路パターン
    を配置する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載
    のLSI用パターンのレイアウト作成方法。
  5. 【請求項5】 前記デザインルール作成工程は、前記デ
    ザインルールを複数設定し、設定された複数のデザイン
    ルールのうちで回路面積を小さくできるデザインルール
    を選択する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載
    のLSI用パターンのレイアウト作成方法。
  6. 【請求項6】 前記近接効果補正パターンを作成するた
    めの補正パターン作成仕様を設定する工程と、 前記近接効果補正パターンにおける近接効果補正が有効
    となるように、補正パターン配置ルールを作成する工程
    と、 前記補正パターン作成仕様及び補正パターン配置ルール
    に基づいて前記近接効果補正パターンを作成することに
    より、前記デザインルールを決定する工程とをさらに備
    えていることを特徴とする請求項4に記載のLSI用パ
    ターンのレイアウト作成方法。
  7. 【請求項7】 前記デザインルールに基づいて配置され
    た回路パターンに対して、前記近接効果補正が有効であ
    るか否かを判定する工程と、 無効と判定された場合に、前記近接効果補正が有効とな
    るように、前記補正パターン作成仕様又は前記補正パタ
    ーン配置ルールを修正する工程とをさらに備えているこ
    とを特徴とする請求項6に記載のLSI用パターンのレ
    イアウト作成方法。
  8. 【請求項8】 前記補正効果判定工程は、リソグラフィ
    工程及びエッチング工程のうちの少なくとも一方を含む
    プロセスシミュレーションを行なうことにより、加工寸
    法の予測値が所定値を満たすか否かの判定を行なうこと
    を特徴とする請求項1に記載のLSI用パターンレイ
    アウト作成方法。
  9. 【請求項9】 前記プロセスシミュレーションにおける
    リソグラフィ工程は、露光量又はフォーカス位置がプロ
    セス余裕度を越えて変化した場合における加工寸法の予
    測値が前記所定値を満たすか否かの判定を行なうことを
    特徴とする請求項8に記載のLSI用パターンのレイア
    ウト作成方法。
  10. 【請求項10】 前記プロセスシミュレーションの判定
    は、トランジスタのゲート長方向の寸法を判定する工程
    を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載のLSI
    用パターンのレイアウト作成方法。
  11. 【請求項11】 前記プロセスシミュレーションの判定
    は、トランジスタのゲートにおける活性層からのゲート
    幅方向の突き出し寸法を判定する工程を含むことを特徴
    とする請求項8又は9に記載のLSI用パターンのレイ
    アウト作成方法。
  12. 【請求項12】 複数の回路パターンを含むLSI用パ
    ターンにおける前記複数の回路パターンを設計する回路
    パターン設計工程と、 設計した回路パターンの初期配置を行なう初期配置工程
    と、 初期配置された回路パターンのうち互いに隣接又は交差
    して配置された回路パターンに対して近接効果補正を施
    すことにより、隣接又は交差して配置された回路パター
    ンから近接効果補正パターンを作成する近接効果補正パ
    ターン作成工程と、 所定のプロセス条件で前記近接効果補正が有効であるか
    否かを判定する補正効果判定工程と、 無効と判定された場合に、前記近接効果補正が有効とな
    るように前記回路パターンを規定するデザインルールを
    変更するデザインルール変更工程と、 変更されたデザインルールに基づいて、初期配置された
    回路パターンを再配置する回路パターン再配置工程と、 前記近接効果補正パターンを用いて、マスクを製作する
    マスク製作工程と、 製作されたマスクを用いて、前記所定のプロセス条件で
    半導体基板の上に前記複数の回路パターンを形成するパ
    ターン形成工程とを備えていることを特徴とするLSI
    用パターンの形成方法。
  13. 【請求項13】 前記マスク製作工程よりも後に、製作
    されたマスクを前記所定のプロセス条件で用いた場合の
    加工歩留まりの期待値を評価する工程と、 前記期待値が目標値に達していない場合に、前記期待値
    が目標値に到達するように前記所定のプロセス条件を再
    設定した後、前記回路パターン設計工程から再度繰り返
    す工程とをさらに備えていることを特徴とする請求項1
    2に記載のLSI用パターンの形成方法。
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