JP3481884B2 - 1,2−ナフトキノン−2−ジアジド誘導体の製造方法 - Google Patents
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド誘導体の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線に感応するポ
ジ型ホトレジスト組成物またはポジ型感光性平版印刷原
版等の感光成分の原料として、さらにはアゾ染料の原料
として重要な1,2−ナフトキノン−2−ジアジド、
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸
塩または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−6−ス
ルホン酸塩等を製造する1,2−ナフトキノン−2−ジ
アジド誘導体の製造方法に関する。
ジ型ホトレジスト組成物またはポジ型感光性平版印刷原
版等の感光成分の原料として、さらにはアゾ染料の原料
として重要な1,2−ナフトキノン−2−ジアジド、
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸
塩または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−6−ス
ルホン酸塩等を製造する1,2−ナフトキノン−2−ジ
アジド誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1,2−ナフトキノン−2−ジアジドま
たはそのスルホ置換体のうち、工業的に最も重要な化合
物は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホ
ン酸ナトリウムであって、その化学構造式は下記式
(1)に示される。
たはそのスルホ置換体のうち、工業的に最も重要な化合
物は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホ
ン酸ナトリウムであって、その化学構造式は下記式
(1)に示される。
【0003】
【化1】
【0004】アメリカ化学会発行の抄録誌”Chemical A
bstracts”ではこの化合物の名称は、6−ジアゾ−5,
6−ジヒドロ-5-オキソ−1−ナフタレンスルホン酸ナ
トリウムとなっており、そのCAS番号は「2657−
00−3」であり、その遊離スルホン酸のCAS番号は
「20546−03−6」である。
bstracts”ではこの化合物の名称は、6−ジアゾ−5,
6−ジヒドロ-5-オキソ−1−ナフタレンスルホン酸ナ
トリウムとなっており、そのCAS番号は「2657−
00−3」であり、その遊離スルホン酸のCAS番号は
「20546−03−6」である。
【0005】かかる1,2−ナフトキノン−2−ジアジ
ドまたはそのスルホ置換体の工業的製造方法としては、
次の(a),(b)の2つの方法が知られている。
ドまたはそのスルホ置換体の工業的製造方法としては、
次の(a),(b)の2つの方法が知られている。
【0006】(a)2−アミノ−1−ヒドロキシナフタレ
ンまたはそのスルホ置換体を、銅、鉄、ニッケル、亜鉛
等の重金属塩の存在下にジアゾ化する方法。
ンまたはそのスルホ置換体を、銅、鉄、ニッケル、亜鉛
等の重金属塩の存在下にジアゾ化する方法。
【0007】(b)2−アミノ−1−ナフタレンスルホン
酸またはそのスルホ置換体をジアゾ化し、得られた2−
ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸またはそのスルホ置
換体をアルカリ性水溶液中で処理する方法。
酸またはそのスルホ置換体をジアゾ化し、得られた2−
ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸またはそのスルホ置
換体をアルカリ性水溶液中で処理する方法。
【0008】上記の(a)法はアゾ染料の原料製造法とし
ては適当であるが、製品が重金属で汚染されているの
で、ホトレジスト用原料の製造には適当でない。従っ
て、ポジ型ホトレジスト用感光剤の原料としての最も重
要な1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホ
ン酸塩は、もっぱら(b)法によって製造されている。ま
た、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−6−スルホ
ン酸塩もこの方法で製造できる。
ては適当であるが、製品が重金属で汚染されているの
で、ホトレジスト用原料の製造には適当でない。従っ
て、ポジ型ホトレジスト用感光剤の原料としての最も重
要な1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホ
ン酸塩は、もっぱら(b)法によって製造されている。ま
た、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−6−スルホ
ン酸塩もこの方法で製造できる。
【0009】2−ジアゾ−1,5−ナフタレンジスルホ
ン酸塩をアルカリ水溶液中で処理すると1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド−5−スルホン酸塩を生じること
は90年以上も前から知られており、その際、次亜塩素
酸ナトリウム等の酸化剤を共存させると、1,2−ナフ
トキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸塩の収率が向
上することを明らかにしている[(Badiche Amilin-&Sod
a-Fabrik)、DE−PS160536(1904)、D
E−PS162009(1904)]。これらの古い特
許文献は、何れもアゾ染料用原料の製造が目的である。
現在、ポジ型ホトレジスト用感光材の原料としての1,
2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸塩の
製造方法もこれらの古典的方法と大体同じと思われる
が、現在までにこの製造方法に関する公表された文献は
極めて少なく詳細は不明のままになっている。例外的に
Wolter,Gerhard;Junghans,Dieter 等の研究が最近特許
として公表されているが[Ger.(East)DD221 17
4(1985)]、その内容は、2−ジアゾ−1,5−
ナフタレンジスルホン酸塩をアルカリ性の次亜塩素酸ナ
トリウム水溶液中で処理する場合の反応液の酸化還元電
位並びに水素イオン指数(pH)の値を特定の範囲内に
保つことを特徴とした1,2−ナフトキノン−2−ジア
ジド−5−スルホン酸塩の製造方法であって、製造方法
としての本格的な進歩は認められない。また、この特許
文献に記載されている実施例では1,2−ナフトキノン
−2−ジアジド−5−スルホン酸塩の収率も良好ではな
い。
ン酸塩をアルカリ水溶液中で処理すると1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド−5−スルホン酸塩を生じること
は90年以上も前から知られており、その際、次亜塩素
酸ナトリウム等の酸化剤を共存させると、1,2−ナフ
トキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸塩の収率が向
上することを明らかにしている[(Badiche Amilin-&Sod
a-Fabrik)、DE−PS160536(1904)、D
E−PS162009(1904)]。これらの古い特
許文献は、何れもアゾ染料用原料の製造が目的である。
現在、ポジ型ホトレジスト用感光材の原料としての1,
2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸塩の
製造方法もこれらの古典的方法と大体同じと思われる
が、現在までにこの製造方法に関する公表された文献は
極めて少なく詳細は不明のままになっている。例外的に
Wolter,Gerhard;Junghans,Dieter 等の研究が最近特許
として公表されているが[Ger.(East)DD221 17
4(1985)]、その内容は、2−ジアゾ−1,5−
ナフタレンジスルホン酸塩をアルカリ性の次亜塩素酸ナ
トリウム水溶液中で処理する場合の反応液の酸化還元電
位並びに水素イオン指数(pH)の値を特定の範囲内に
保つことを特徴とした1,2−ナフトキノン−2−ジア
ジド−5−スルホン酸塩の製造方法であって、製造方法
としての本格的な進歩は認められない。また、この特許
文献に記載されている実施例では1,2−ナフトキノン
−2−ジアジド−5−スルホン酸塩の収率も良好ではな
い。
【0010】また、1,2−ナフトキノン−2−ジアジ
ド(CAS番号 879−15−2)はホトレジスト等
の感光材用原料として工業的価値があるが、その有効な
工業的製造方法は確立されていない。E.Bamberger等
(J.prak.Chem.Vol.105 (1922/23),257)は2−ナフチ
ルアミンのジアゾ化物を水酸化ナトリウムとフェリシャ
ン化カリウムの冷水溶液中で処理して良い収率で1,2
−ナフトキノン−2−ジアジドを合成しているが、この
合成方法で用いる2−ナフチルアミンとフェリシャン化
カリウムは有毒であり、この方法で得られた1,2−ナ
フトキノン−2−ジアジドは鉄イオンで汚染されている
ので、ホトレジスト用感光材の原料合成方法としては不
適当である。また、2−ナフトールとp−トルエンスル
ホニルアジドとを縮合させる方法(J.M.Tedder等、J.Ch
em.Soc., 1960,4417)、1,2−ナフトキノンとp−ト
ルエンスルホニルヒドラジドを縮合させる方法(N.P.Ha
cker等、J.Am.Chem.Soc., 115,5410(1993))などがある
が、何れも目的の1,2−ナフトキノン−2−ジアジド
の収率が悪く工業的製造方法としては不適当である。ま
た前記の特許[Ger.(East)DD221 174(198
5)]にも1,2−ナフトキノン−2−ジアジドの製造
に関する実施例があるが、その収率は63%と低い。
ド(CAS番号 879−15−2)はホトレジスト等
の感光材用原料として工業的価値があるが、その有効な
工業的製造方法は確立されていない。E.Bamberger等
(J.prak.Chem.Vol.105 (1922/23),257)は2−ナフチ
ルアミンのジアゾ化物を水酸化ナトリウムとフェリシャ
ン化カリウムの冷水溶液中で処理して良い収率で1,2
−ナフトキノン−2−ジアジドを合成しているが、この
合成方法で用いる2−ナフチルアミンとフェリシャン化
カリウムは有毒であり、この方法で得られた1,2−ナ
フトキノン−2−ジアジドは鉄イオンで汚染されている
ので、ホトレジスト用感光材の原料合成方法としては不
適当である。また、2−ナフトールとp−トルエンスル
ホニルアジドとを縮合させる方法(J.M.Tedder等、J.Ch
em.Soc., 1960,4417)、1,2−ナフトキノンとp−ト
ルエンスルホニルヒドラジドを縮合させる方法(N.P.Ha
cker等、J.Am.Chem.Soc., 115,5410(1993))などがある
が、何れも目的の1,2−ナフトキノン−2−ジアジド
の収率が悪く工業的製造方法としては不適当である。ま
た前記の特許[Ger.(East)DD221 174(198
5)]にも1,2−ナフトキノン−2−ジアジドの製造
に関する実施例があるが、その収率は63%と低い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、1,2−
ナフトキノン−2−ジアジド誘導体は、工業的に重要で
あるにもかかわらず、その製造方法は、長い間進歩が見
られない。
ナフトキノン−2−ジアジド誘導体は、工業的に重要で
あるにもかかわらず、その製造方法は、長い間進歩が見
られない。
【0012】そこで、本発明は、このような事情に鑑
み、2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸またはその
スルホ置換体などをアルカリ性水溶液中で処理して、
1,2−ナフトキノン−2−ジアジドまたはそのスルホ
置換体を高収率で収得できる1,2−ナフトキノン−2
−ジアジド誘導体の製造方法を提供することを課題とす
る。
み、2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸またはその
スルホ置換体などをアルカリ性水溶液中で処理して、
1,2−ナフトキノン−2−ジアジドまたはそのスルホ
置換体を高収率で収得できる1,2−ナフトキノン−2
−ジアジド誘導体の製造方法を提供することを課題とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、2−ジアゾ−1
−ナフタレンスルホン酸誘導体をアルカリ性水溶液中で
処理して1,2−ナフトキノン−2−ジアジド誘導体を
製造する方法において、当該アルカリ性水溶液中にヨウ
素またはヨウ素化合物を混在させることにより、高収率
で目的物を収得し得ることを知見し、本発明の製造方法
を確立することができた。
に本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、2−ジアゾ−1
−ナフタレンスルホン酸誘導体をアルカリ性水溶液中で
処理して1,2−ナフトキノン−2−ジアジド誘導体を
製造する方法において、当該アルカリ性水溶液中にヨウ
素またはヨウ素化合物を混在させることにより、高収率
で目的物を収得し得ることを知見し、本発明の製造方法
を確立することができた。
【0014】かかる本発明は、2−ジアゾ−1−ナフタ
レンスルホン酸誘導体を、ヨウ素およびヨウ素化合物か
ら選択される少なくとも一種の物質を含有するアルカリ
性水溶液中で処理して1,2−ナフトキノン−2−ジア
ジド誘導体を製造することを特徴とする1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド誘導体の製造方法にある。
レンスルホン酸誘導体を、ヨウ素およびヨウ素化合物か
ら選択される少なくとも一種の物質を含有するアルカリ
性水溶液中で処理して1,2−ナフトキノン−2−ジア
ジド誘導体を製造することを特徴とする1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド誘導体の製造方法にある。
【0015】ここで、前記2−ジアゾ−1−ナフタレン
スルホン酸誘導体とは、2−ジアゾ−1−ナフタレンス
ルホン酸、及びそのスルホ置換体並びにこれらの塩、さ
らには、他の置換体である。
スルホン酸誘導体とは、2−ジアゾ−1−ナフタレンス
ルホン酸、及びそのスルホ置換体並びにこれらの塩、さ
らには、他の置換体である。
【0016】また、本発明方法によれば、好適には、
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド、1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド−5−スルホン酸塩、1,2−ナ
フトキノン−2−ジアジド−6−スルホン酸塩、1,2
−ナフトキノン−2−ジアジド−7−スルホン酸塩、
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5,6−ジスル
ホン酸塩、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5,
7−ジスルホン酸塩、1,2−ナフトキノン−2−ジア
ジド−5,8−ジスルホン酸塩等が製造される。この中
では、上述したように、1,2−ナフトキノン−2−ジ
アジド−5−スルホン酸塩が重要であるが、1,2−ナ
フトキノン−2−ジアジドも、共に重要である。勿論、
ここに例示した誘導体に限定されるものではないことは
言うまでもない。
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド、1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド−5−スルホン酸塩、1,2−ナ
フトキノン−2−ジアジド−6−スルホン酸塩、1,2
−ナフトキノン−2−ジアジド−7−スルホン酸塩、
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5,6−ジスル
ホン酸塩、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5,
7−ジスルホン酸塩、1,2−ナフトキノン−2−ジア
ジド−5,8−ジスルホン酸塩等が製造される。この中
では、上述したように、1,2−ナフトキノン−2−ジ
アジド−5−スルホン酸塩が重要であるが、1,2−ナ
フトキノン−2−ジアジドも、共に重要である。勿論、
ここに例示した誘導体に限定されるものではないことは
言うまでもない。
【0017】一方、本発明で前記ヨウ素およびヨウ素化
合物から選択される少なくとも一種の物質を含有するア
ルカリ性水溶液は、例えば、ヨウ素を含有するアルカリ
性水溶液である。
合物から選択される少なくとも一種の物質を含有するア
ルカリ性水溶液は、例えば、ヨウ素を含有するアルカリ
性水溶液である。
【0018】また、前記ヨウ素およびヨウ素化合物から
選択される少なくとも一種の物質を含有するアルカリ性
水溶液は、例えば、水に難溶性でヨウ素と反応しにくい
有機溶媒に溶かしたヨウ素とアルカリ性水溶液との混合
物である。
選択される少なくとも一種の物質を含有するアルカリ性
水溶液は、例えば、水に難溶性でヨウ素と反応しにくい
有機溶媒に溶かしたヨウ素とアルカリ性水溶液との混合
物である。
【0019】また、前記ヨウ素およびヨウ素化合物から
選択される少なくとも一種の物質を含有するアルカリ性
水溶液は、例えば、ヨウ素およびヨウ素化合物から選択
される少なくとも一種の物質と酸化剤とを加えたアルカ
リ性水溶液である。
選択される少なくとも一種の物質を含有するアルカリ性
水溶液は、例えば、ヨウ素およびヨウ素化合物から選択
される少なくとも一種の物質と酸化剤とを加えたアルカ
リ性水溶液である。
【0020】以下、さらに本発明方法を説明する。
【0021】本発明方法は、上述したアルカリ性水溶液
にヨウ素またはヨウ素化合物を混在させる手段の違いに
より、次の第1〜第3の3種の製造方法に分類すること
ができる。第1の製造方法は、2−ジアゾ−1−ナフタ
レンスルホン酸誘導体を、ヨウ素を含有するアルカリ性
水溶液中で処理するものである。また、第2の製造方法
は、2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸誘導体を有
機溶媒に溶かしたヨウ素とアルカリ性水溶液との混合物
中で処理するものである。さらに、第3の製造方法は、
2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸誘導体を、ヨウ
素およびヨウ素化合物から選択される少なくとも一種の
物質と酸化剤とを加えたアルカリ性水溶液中で処理する
ものである。
にヨウ素またはヨウ素化合物を混在させる手段の違いに
より、次の第1〜第3の3種の製造方法に分類すること
ができる。第1の製造方法は、2−ジアゾ−1−ナフタ
レンスルホン酸誘導体を、ヨウ素を含有するアルカリ性
水溶液中で処理するものである。また、第2の製造方法
は、2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸誘導体を有
機溶媒に溶かしたヨウ素とアルカリ性水溶液との混合物
中で処理するものである。さらに、第3の製造方法は、
2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸誘導体を、ヨウ
素およびヨウ素化合物から選択される少なくとも一種の
物質と酸化剤とを加えたアルカリ性水溶液中で処理する
ものである。
【0022】かかる第1〜第3の製造方法に用い得るア
ルカリ性水溶液は、特に限定されず、広範囲な種類のア
ルカリ性水溶液を用いることができる。特に、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、酸化マグネシウム、及び水酸化マグネシウムから
なる群から選択される一種または複数種を混合して水に
溶解または分散させたものが特に有効である。
ルカリ性水溶液は、特に限定されず、広範囲な種類のア
ルカリ性水溶液を用いることができる。特に、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、酸化マグネシウム、及び水酸化マグネシウムから
なる群から選択される一種または複数種を混合して水に
溶解または分散させたものが特に有効である。
【0023】第1の製造方法は、このようなアルカリ水
溶液にヨウ素を含有させて用いる。ここで、ヨウ素の添
加量は、原料の2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸
誘導体に対して、80〜150モル%、好ましくは、1
00〜120モル%である。
溶液にヨウ素を含有させて用いる。ここで、ヨウ素の添
加量は、原料の2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸
誘導体に対して、80〜150モル%、好ましくは、1
00〜120モル%である。
【0024】第2の製造方法は、有機溶剤に溶かしたヨ
ウ素をアルカリ水溶液に混合して用いる。ここで用いる
有機溶媒は、ヨウ素をよく溶かしヨウ素及びアルカリと
反応しにくく、しかも水に難溶性であればよい。例え
ば、ベンゼン;トルエン、エチルベンゼン等のモノアル
キルベンゼン;キシレン、ジエチルベンゼン等のジアル
キルベンゼン;メシチレン等のトリアルキルベンゼン;
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等
のハロゲン化アリール;エチルエーテル、イソプロピル
エーテル、ブチルエーテル等のエーテル類;クロロホル
ム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン等のハロゲン化アルキルからなる群から一種又は複数
種を混合した溶媒を挙げることができる。また、第2の
製造方法でのヨウ素の添加量は、第1の方法と同様であ
る。
ウ素をアルカリ水溶液に混合して用いる。ここで用いる
有機溶媒は、ヨウ素をよく溶かしヨウ素及びアルカリと
反応しにくく、しかも水に難溶性であればよい。例え
ば、ベンゼン;トルエン、エチルベンゼン等のモノアル
キルベンゼン;キシレン、ジエチルベンゼン等のジアル
キルベンゼン;メシチレン等のトリアルキルベンゼン;
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等
のハロゲン化アリール;エチルエーテル、イソプロピル
エーテル、ブチルエーテル等のエーテル類;クロロホル
ム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン等のハロゲン化アルキルからなる群から一種又は複数
種を混合した溶媒を挙げることができる。また、第2の
製造方法でのヨウ素の添加量は、第1の方法と同様であ
る。
【0025】第3の製造方法は、ヨウ素およびヨウ素化
合物から選択される少なくとも一種の物質と酸化剤とを
アルカリ水溶液に混合して用いる。
合物から選択される少なくとも一種の物質と酸化剤とを
アルカリ水溶液に混合して用いる。
【0026】ここで、ヨウ素およびヨウ素化合物とは、
ヨウ素;リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、アルミニウム等の金属元素のヨウ化
物;次亜ヨウ素塩またはヨウ素酸塩;トリメルアミン、
トリエチルアミン等のアミン類のヨウ化水素酸塩;テト
ラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等の
テトラアルキルアンモニウムとヨウ化物イオンの塩;塩
化ヨウ素、臭化ヨウ素、三塩化ヨウ素等のハロゲン化ヨ
ウ素;四酸化二ヨウ素、五酸化二ヨウ素等の酸化ヨウ素
から選択される1種または2種類以上の混合物などをい
う。
ヨウ素;リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、アルミニウム等の金属元素のヨウ化
物;次亜ヨウ素塩またはヨウ素酸塩;トリメルアミン、
トリエチルアミン等のアミン類のヨウ化水素酸塩;テト
ラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等の
テトラアルキルアンモニウムとヨウ化物イオンの塩;塩
化ヨウ素、臭化ヨウ素、三塩化ヨウ素等のハロゲン化ヨ
ウ素;四酸化二ヨウ素、五酸化二ヨウ素等の酸化ヨウ素
から選択される1種または2種類以上の混合物などをい
う。
【0027】また、ここで用いる酸化剤としては、塩
素、臭素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウ
ム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、
次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、過酸化水
素、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムか
ら選択される1種または2種以上の混合物を挙げること
ができる。
素、臭素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウ
ム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウム、
次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、過酸化水
素、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムか
ら選択される1種または2種以上の混合物を挙げること
ができる。
【0028】第3の製造方法で、ヨウ素またはヨウ素化
合物の添加量は、使用する化合物によっても異なるが、
一般には、原料の2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン
酸誘導体に対して、0.5モル%〜50モル%、好まし
くは、3モル%〜30モル%である。また、酸化剤の添
加量は使用する酸化剤によって相違するが、一般的に
は、原料の2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸誘導
体に対して、活性酸素に換算して80モル%〜150モ
ル%、好ましくは、100モル%〜120モル%であ
る。
合物の添加量は、使用する化合物によっても異なるが、
一般には、原料の2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン
酸誘導体に対して、0.5モル%〜50モル%、好まし
くは、3モル%〜30モル%である。また、酸化剤の添
加量は使用する酸化剤によって相違するが、一般的に
は、原料の2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸誘導
体に対して、活性酸素に換算して80モル%〜150モ
ル%、好ましくは、100モル%〜120モル%であ
る。
【0029】このように第1〜第3の製造方法はそれぞ
れが特徴ある手段を有しているが、基本的操作方法には
共通性があるのでこれについて以下に記述する。
れが特徴ある手段を有しているが、基本的操作方法には
共通性があるのでこれについて以下に記述する。
【0030】1.製造方法の概要
2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸誘導体を、亜硝
酸ナトリウムと塩酸または硫酸を用いてジアゾ化して2
−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸またはそのスルホ
置換体の懸濁水溶液を得る。この懸濁水溶液に含まれる
過剰の酸を中和し、これに上記第1の製造方法では粉砕
したヨウ素の結晶を、第2の製造方法では有機溶媒に溶
かしたヨウ素をそれぞれに加え、アルカリ水溶液を滴下
して、反応液のpHを8〜12に保ち、ジアゾニウム塩
が消失した後、目的物を塩析し、または酸析し、単離す
る。第3の製造方法では、上記と同様にして得られたジ
アゾ化物の懸濁水溶液を中和後、これに適当量のヨウ素
またはヨウ素化合物を加え、水溶性酸化剤とアルカリ水
溶液を加えて反応液のpHを8〜12に保ち、反応終了
後、上記と同様にして目的物を単離する。
酸ナトリウムと塩酸または硫酸を用いてジアゾ化して2
−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸またはそのスルホ
置換体の懸濁水溶液を得る。この懸濁水溶液に含まれる
過剰の酸を中和し、これに上記第1の製造方法では粉砕
したヨウ素の結晶を、第2の製造方法では有機溶媒に溶
かしたヨウ素をそれぞれに加え、アルカリ水溶液を滴下
して、反応液のpHを8〜12に保ち、ジアゾニウム塩
が消失した後、目的物を塩析し、または酸析し、単離す
る。第3の製造方法では、上記と同様にして得られたジ
アゾ化物の懸濁水溶液を中和後、これに適当量のヨウ素
またはヨウ素化合物を加え、水溶性酸化剤とアルカリ水
溶液を加えて反応液のpHを8〜12に保ち、反応終了
後、上記と同様にして目的物を単離する。
【0031】2.反応の液量
反応液量は、原料の2−アミノ−1−ナフタレンスルホ
ン酸誘導体及びそれらより得られるジアゾ化物の水溶性
の大小に大きく支配される。例えば原料である2−アミ
ノ−1−ナフタレンスルホン酸及び2−アミノ−1,6
−ナフタレンジスルホン酸など、及びそれらのジアゾ化
物は水に溶けにくいので、逆ジアゾ化法でジアゾ化する
のが適当である。この結果反応液全体の液量も大きくな
るが、製品の1,2−ナフトキノン−2−ジアジドまた
は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−6−スルホン
酸ナトリウム等も水に溶けにくいので、液量が大きくな
っても製品の単離は容易である。
ン酸誘導体及びそれらより得られるジアゾ化物の水溶性
の大小に大きく支配される。例えば原料である2−アミ
ノ−1−ナフタレンスルホン酸及び2−アミノ−1,6
−ナフタレンジスルホン酸など、及びそれらのジアゾ化
物は水に溶けにくいので、逆ジアゾ化法でジアゾ化する
のが適当である。この結果反応液全体の液量も大きくな
るが、製品の1,2−ナフトキノン−2−ジアジドまた
は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−6−スルホン
酸ナトリウム等も水に溶けにくいので、液量が大きくな
っても製品の単離は容易である。
【0032】3.反応温度
本発明の製造方法の適用温度範囲は広く、一般には、0
〜40℃である。一般の化学反応と同様に低温では反応
速度が低下し、高温では副反応の比率が大きくなるが、
ヨウ素およびヨウ素化合物を用いない、1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド類の製造方法と比較して本発明の
製造方法では目的化合物の収量が温度変化の影響を比較
的受けにくい。
〜40℃である。一般の化学反応と同様に低温では反応
速度が低下し、高温では副反応の比率が大きくなるが、
ヨウ素およびヨウ素化合物を用いない、1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド類の製造方法と比較して本発明の
製造方法では目的化合物の収量が温度変化の影響を比較
的受けにくい。
【0033】4.反応液のpH
本発明の製造方法では、例えば、2−ジアゾ−1−ナフ
タレンスルホン酸またはそのスルホ置換体を、1,2−
ナフトキノン−2−ジアジドまたはそのスルホ置換体に
変化させる段階が主反応であるが、この主反応では反応
液のpHが8〜12の範囲が適当であり、最適範囲は
8.5〜11である。
タレンスルホン酸またはそのスルホ置換体を、1,2−
ナフトキノン−2−ジアジドまたはそのスルホ置換体に
変化させる段階が主反応であるが、この主反応では反応
液のpHが8〜12の範囲が適当であり、最適範囲は
8.5〜11である。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0035】(実施例1)0.1モルの2−アミノ−
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
200gの水に分散・溶解し、0.13モルの濃塩酸を
加え、23.5gの30%亜硝酸ナトリウム水溶液を5
〜10℃で滴下してジアゾ化し、10〜15℃で1時間
撹拌後、過剰の亜硝酸をアミド硫酸を加えて分解した。
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
200gの水に分散・溶解し、0.13モルの濃塩酸を
加え、23.5gの30%亜硝酸ナトリウム水溶液を5
〜10℃で滴下してジアゾ化し、10〜15℃で1時間
撹拌後、過剰の亜硝酸をアミド硫酸を加えて分解した。
【0036】35%の水酸化ナトリウム水溶液を滴下し
て反応液のpHを10〜10.7に調節し、強く撹拌し
ながら、26gの粉砕したヨウ素の結晶を加え、さらに
45gの35%の水酸化ナトリウム水溶液を3.5時間
を要して滴下して、反応混合物の温度が8〜13℃でp
Hが10.5〜10.8になるように調節した。2−ジ
アゾ−1,5−ナフタレンジスルホン酸ナトリウムが消
失したのを確認した後、塩酸を加えて反応液のpHを7
〜8とし、60gの食塩を少量ずつ加え、14〜15℃
に冷却した。次いで、減圧下に濾過し、濾過物を1gの
ヨウ化カリウムと2gの食塩を22gの水に溶かし、1
0℃に冷却した液で洗い、45℃の送風乾燥機中で乾燥
して、26.9gの純度が89.5%の1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ナトリウムの微
結晶を得た。この収量は用いた原料の2−アミノ−1,
5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩からの
理論収量の88.1%に相当した。
て反応液のpHを10〜10.7に調節し、強く撹拌し
ながら、26gの粉砕したヨウ素の結晶を加え、さらに
45gの35%の水酸化ナトリウム水溶液を3.5時間
を要して滴下して、反応混合物の温度が8〜13℃でp
Hが10.5〜10.8になるように調節した。2−ジ
アゾ−1,5−ナフタレンジスルホン酸ナトリウムが消
失したのを確認した後、塩酸を加えて反応液のpHを7
〜8とし、60gの食塩を少量ずつ加え、14〜15℃
に冷却した。次いで、減圧下に濾過し、濾過物を1gの
ヨウ化カリウムと2gの食塩を22gの水に溶かし、1
0℃に冷却した液で洗い、45℃の送風乾燥機中で乾燥
して、26.9gの純度が89.5%の1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ナトリウムの微
結晶を得た。この収量は用いた原料の2−アミノ−1,
5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩からの
理論収量の88.1%に相当した。
【0037】さらに、上記の微結晶を濾別した全濾過液
(375g)に100gの水を加え、硫酸でpHが1.
5になるように酸性にし、20〜25℃で7.5gの塩
素を吸収させ、析出したヨウ素の結晶を濾別、水洗、乾
燥した。ヨウ素の収量は22.8gで、使用したヨウ素
の87.7%を回収した。
(375g)に100gの水を加え、硫酸でpHが1.
5になるように酸性にし、20〜25℃で7.5gの塩
素を吸収させ、析出したヨウ素の結晶を濾別、水洗、乾
燥した。ヨウ素の収量は22.8gで、使用したヨウ素
の87.7%を回収した。
【0038】(実施例2)0.1モルの2−アミノ−
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
実施例1と全く同様にしてジアゾ化し、さらに反応液の
pHを調節し、26gのヨウ素を130gのメシチレン
に溶かして加え、以下、実施例1と同様にして水酸化ナ
トリウム水溶液を滴下して、2−ジアゾ−1,5−ナフ
タレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を1,2−ナフ
トキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ナトリウムに
誘導し、食塩を加え、目的物を結晶状に塩析、濾別、洗
浄、乾燥した。目的物の理論収率は、89.3%であっ
た。
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
実施例1と全く同様にしてジアゾ化し、さらに反応液の
pHを調節し、26gのヨウ素を130gのメシチレン
に溶かして加え、以下、実施例1と同様にして水酸化ナ
トリウム水溶液を滴下して、2−ジアゾ−1,5−ナフ
タレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を1,2−ナフ
トキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ナトリウムに
誘導し、食塩を加え、目的物を結晶状に塩析、濾別、洗
浄、乾燥した。目的物の理論収率は、89.3%であっ
た。
【0039】濾液には約0.2モルのヨウ化ナトリウム
が溶存するのでこの濾液を次記のように処理して、ヨウ
素を回収した。すなわち、全部の濾液に、10gの35
%過酸化水素水溶液を200gの水で薄めて加え10℃
に冷却し、さらに60gの25%硫酸を滴下し、10℃
で2時間撹拌した。ヨウ素イオンは酸化されて元素状の
ヨウ素になり、その22gがメシチレンに溶けて浮上し
た。このヨウ素のメシチレン溶液は上記のような合成反
応に再使用が可能であった。
が溶存するのでこの濾液を次記のように処理して、ヨウ
素を回収した。すなわち、全部の濾液に、10gの35
%過酸化水素水溶液を200gの水で薄めて加え10℃
に冷却し、さらに60gの25%硫酸を滴下し、10℃
で2時間撹拌した。ヨウ素イオンは酸化されて元素状の
ヨウ素になり、その22gがメシチレンに溶けて浮上し
た。このヨウ素のメシチレン溶液は上記のような合成反
応に再使用が可能であった。
【0040】(実施例3)0.1モルの2−アミノ−
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
150gの水に分散・溶解し、実施例1と同様にしてジ
アゾ化し、10℃で4.9gの酸化マグネシウム(試薬
・微粉末)を加えて懸濁させ、この反応混合物の温度を
6〜8℃に保ち、強く撹拌しながら、これに68gの
「有効塩素」が13.3%の次亜塩素酸ナトリウム水溶
液を反応液のpHが8.8〜9.7になるように調節し
ながら3.5時間を要して滴下した。反応混合物を15
℃に昇温すると残存した微量のジアゾ化合物は消滅し、
全体が暗赤色の透明溶液になった。この溶液中に含まれ
る1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン
酸ナトリウムを高速液体クロマトグラフィーで定量し
た。2−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸のモ
ノナトリウム塩から1,2−ナフトキノン−2−ジアジ
ド−5−スルホン酸ナトリウムへの転化率は84.5%
であった。
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
150gの水に分散・溶解し、実施例1と同様にしてジ
アゾ化し、10℃で4.9gの酸化マグネシウム(試薬
・微粉末)を加えて懸濁させ、この反応混合物の温度を
6〜8℃に保ち、強く撹拌しながら、これに68gの
「有効塩素」が13.3%の次亜塩素酸ナトリウム水溶
液を反応液のpHが8.8〜9.7になるように調節し
ながら3.5時間を要して滴下した。反応混合物を15
℃に昇温すると残存した微量のジアゾ化合物は消滅し、
全体が暗赤色の透明溶液になった。この溶液中に含まれ
る1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン
酸ナトリウムを高速液体クロマトグラフィーで定量し
た。2−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸のモ
ノナトリウム塩から1,2−ナフトキノン−2−ジアジ
ド−5−スルホン酸ナトリウムへの転化率は84.5%
であった。
【0041】次に上記の反応条件をわずかに変更して、
酸化マグネシウムを加えた後に、さらに0.7gのヨウ
化カリウムの結晶を加えて溶かし、それ以外は上記と全
く同じ条件で合成実験を行ったところ、2−アミノ−
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩か
ら1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン
酸ナトリウムへの転化率は88.6%に向上した。
酸化マグネシウムを加えた後に、さらに0.7gのヨウ
化カリウムの結晶を加えて溶かし、それ以外は上記と全
く同じ条件で合成実験を行ったところ、2−アミノ−
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩か
ら1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン
酸ナトリウムへの転化率は88.6%に向上した。
【0042】(実施例4)0.1モルの2−アミノ−
1,6−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩と
2.1gの酸化マグネシウムを220gの水に加え、3
0℃に加温して溶かし、さらに7gの亜硝酸ナトリウム
を加えて溶かして、10℃に冷却した。他方200gの
水に200gの砕氷と27gの35%塩酸を加えて撹拌
しながら、上記の2−アミノ−1,6−ナフタレンジス
ルホン酸塩と亜硝酸ナトリウムの混合水溶液を注入し
て、2−ジアゾ−1,6−ナフタレンジスルホン酸塩の
懸濁液を得た。
1,6−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩と
2.1gの酸化マグネシウムを220gの水に加え、3
0℃に加温して溶かし、さらに7gの亜硝酸ナトリウム
を加えて溶かして、10℃に冷却した。他方200gの
水に200gの砕氷と27gの35%塩酸を加えて撹拌
しながら、上記の2−アミノ−1,6−ナフタレンジス
ルホン酸塩と亜硝酸ナトリウムの混合水溶液を注入し
て、2−ジアゾ−1,6−ナフタレンジスルホン酸塩の
懸濁液を得た。
【0043】この懸濁液に5.7gの酸化マグネシウム
を加え、強く撹拌しながら15〜20℃で、69gの
「有効塩素」が13.2%の次亜塩素酸ナトリウムの水
溶液を3.5時間を要して滴下した。2−ジアゾ−1,
6−ナフタレンジスルホン酸塩が消失したのを確認の
上、35%塩酸を滴下して、反応液のpHを6.1に調
節し、15℃で1時間弱く撹拌した。析出物を濾別、水
洗、乾燥して微粉末状の1,2−ナフトキノン−2−ジ
アジド−6−スルホン酸塩を理論収率75.2%で得
た。
を加え、強く撹拌しながら15〜20℃で、69gの
「有効塩素」が13.2%の次亜塩素酸ナトリウムの水
溶液を3.5時間を要して滴下した。2−ジアゾ−1,
6−ナフタレンジスルホン酸塩が消失したのを確認の
上、35%塩酸を滴下して、反応液のpHを6.1に調
節し、15℃で1時間弱く撹拌した。析出物を濾別、水
洗、乾燥して微粉末状の1,2−ナフトキノン−2−ジ
アジド−6−スルホン酸塩を理論収率75.2%で得
た。
【0044】次に上記の反応条件を僅かに変更して、2
−ジアゾ−1,6−ナフタレンジスルホン酸塩の懸濁液
に5.7gの酸化マグネシウムを加えた後、さらに0.
7gのヨウ化カリウムを加え、それ以外は上記と全く同
じ条件で合成実験を行ったところ、微粉末状の1,2−
ナフトキノン−2−ジアジド−6−スルホン酸塩を理論
収率81.5%で得た。
−ジアゾ−1,6−ナフタレンジスルホン酸塩の懸濁液
に5.7gの酸化マグネシウムを加えた後、さらに0.
7gのヨウ化カリウムを加え、それ以外は上記と全く同
じ条件で合成実験を行ったところ、微粉末状の1,2−
ナフトキノン−2−ジアジド−6−スルホン酸塩を理論
収率81.5%で得た。
【0045】(実施例5)0.1モルの2−アミノ−
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
実施例1と同様にしてジアゾ化し、10℃で炭酸ナトリ
ウム水溶液を滴下して、反応溶液のpHを6.6にし
た。22gの炭酸ナトリウムを64gの水に溶かし、6
2.2gの「有効塩素」が12.8%の次亜塩素酸ナト
リウム水溶液に加えてよく混合し、このアルカリ性溶液
を、14〜15℃で上記のジアゾ化溶液に2時間を要し
て滴下した。この反応溶液を実施例3と同様にして分析
した結果、2−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン
酸のモノナトリウム塩から1,2−ナフトキノン−2−
ジアジド−5−スルホン酸ナトリウムへの転化率は8
8.3%であった。
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
実施例1と同様にしてジアゾ化し、10℃で炭酸ナトリ
ウム水溶液を滴下して、反応溶液のpHを6.6にし
た。22gの炭酸ナトリウムを64gの水に溶かし、6
2.2gの「有効塩素」が12.8%の次亜塩素酸ナト
リウム水溶液に加えてよく混合し、このアルカリ性溶液
を、14〜15℃で上記のジアゾ化溶液に2時間を要し
て滴下した。この反応溶液を実施例3と同様にして分析
した結果、2−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン
酸のモノナトリウム塩から1,2−ナフトキノン−2−
ジアジド−5−スルホン酸ナトリウムへの転化率は8
8.3%であった。
【0046】次に上記の反応条件を僅かに変更して、ジ
アゾ化終了後炭酸ナトリウム水溶液を滴下し、pHを
6.6にした反応溶液に0.5gのヨウ化ナトリウムを
加えて溶かし、それ以外は上記と全く同じ条件で合成実
験を行ったところ、2−アミノ−1,5−ナフタレンジ
スルホン酸のモノナトリウム塩から1,2−ナフトキノ
ン−2−ジアジド−5−スルホン酸ナトリウムへの転化
率は90.8%に向上した。
アゾ化終了後炭酸ナトリウム水溶液を滴下し、pHを
6.6にした反応溶液に0.5gのヨウ化ナトリウムを
加えて溶かし、それ以外は上記と全く同じ条件で合成実
験を行ったところ、2−アミノ−1,5−ナフタレンジ
スルホン酸のモノナトリウム塩から1,2−ナフトキノ
ン−2−ジアジド−5−スルホン酸ナトリウムへの転化
率は90.8%に向上した。
【0047】(実施例6)0.1モルの2−アミノ−
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
実施例3と全く同じようにしてジアゾ化し、さらに中和
して反応溶液のpHを6.6にした。22.9gの35
%水酸化ナトリウム水溶液を65gの「有効塩素」が1
3.2%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に加えて均一に
混合し、8〜9℃で上記のジアゾ化溶液に2時間を要し
て滴下した。この反応溶液を実施例3と同様にして分析
した結果、2−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン
酸のモノナトリウム塩から1,2−ナフトキノン−2−
ジアジド−5−スルホン酸ナトリウムへの転化率は6
5.7%であった。
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
実施例3と全く同じようにしてジアゾ化し、さらに中和
して反応溶液のpHを6.6にした。22.9gの35
%水酸化ナトリウム水溶液を65gの「有効塩素」が1
3.2%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に加えて均一に
混合し、8〜9℃で上記のジアゾ化溶液に2時間を要し
て滴下した。この反応溶液を実施例3と同様にして分析
した結果、2−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン
酸のモノナトリウム塩から1,2−ナフトキノン−2−
ジアジド−5−スルホン酸ナトリウムへの転化率は6
5.7%であった。
【0048】次に上記の反応条件を僅かに変更して、ジ
アゾ化終了後、pHを6.6に中和した反応溶液に0.
5gのヨウ化カリウムを加えて溶かし、それ以外は上記
と全く同じ条件で合成実験を行ったところ、2−アミノ
−1,5−ナフタレンジスルホン酸から1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ナトリウムへの
転化率は91.3%に向上した。
アゾ化終了後、pHを6.6に中和した反応溶液に0.
5gのヨウ化カリウムを加えて溶かし、それ以外は上記
と全く同じ条件で合成実験を行ったところ、2−アミノ
−1,5−ナフタレンジスルホン酸から1,2−ナフト
キノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ナトリウムへの
転化率は91.3%に向上した。
【0049】(実施例7)0.1モルの2−アミノ−
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
実施例1と全く同じようにジアゾ化し、さらに中和して
反応溶液のpHを6.6にした。12.6gの過マンガ
ン酸カリウムを230gの水に溶かし、30gの20%
水酸化ナトリウム水溶液と混合し、反応液のpHを1
0.0〜10.7に保ちながら、4〜7℃で、4時間を
要して上記のジアゾ化合物の水溶液に滴下した。この反
応液を実施例3と同様にして分析したところ、2−アミ
ノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム
塩から1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スル
ホン酸塩への転化率は60.6%であった。
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
実施例1と全く同じようにジアゾ化し、さらに中和して
反応溶液のpHを6.6にした。12.6gの過マンガ
ン酸カリウムを230gの水に溶かし、30gの20%
水酸化ナトリウム水溶液と混合し、反応液のpHを1
0.0〜10.7に保ちながら、4〜7℃で、4時間を
要して上記のジアゾ化合物の水溶液に滴下した。この反
応液を実施例3と同様にして分析したところ、2−アミ
ノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム
塩から1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スル
ホン酸塩への転化率は60.6%であった。
【0050】次に上記の反応条件を僅かに変更して、ジ
アゾ化終了後pHを6.6にした反応溶液に1.0gの
ヨウ化カリウムを加えて溶かし、それ以外は上記と全く
同じ条件で合成実験を行ったところ、2−アミノ−1,
5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩から
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸
塩への転化率は65.1%に向上した。
アゾ化終了後pHを6.6にした反応溶液に1.0gの
ヨウ化カリウムを加えて溶かし、それ以外は上記と全く
同じ条件で合成実験を行ったところ、2−アミノ−1,
5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩から
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸
塩への転化率は65.1%に向上した。
【0051】(実施例8)0.1モルの2−アミノ−
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
実施例1と全く同じようにジアゾ化し、さらに中和して
反応溶液のpHを6.6にした。これに4.6gの酸化
マグネシウム(試薬、微粉末)を加えて懸濁状態にし、
強く撹拌しながら、6〜10℃で反応液のpHを8.6
〜10.0に保ちながら、20gの20%過酸化水素水
を2時間を要して滴下した。この反応液を実施例3と同
様にして分析したところ、2−アミノ−1,5−ナフタ
レンジスルホン酸のモノナトリウム塩から1,2−ナフ
トキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸塩への転化率
は11.7%であった。
1,5−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩を
実施例1と全く同じようにジアゾ化し、さらに中和して
反応溶液のpHを6.6にした。これに4.6gの酸化
マグネシウム(試薬、微粉末)を加えて懸濁状態にし、
強く撹拌しながら、6〜10℃で反応液のpHを8.6
〜10.0に保ちながら、20gの20%過酸化水素水
を2時間を要して滴下した。この反応液を実施例3と同
様にして分析したところ、2−アミノ−1,5−ナフタ
レンジスルホン酸のモノナトリウム塩から1,2−ナフ
トキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸塩への転化率
は11.7%であった。
【0052】次に上記の反応条件を僅かに変更して、ジ
アゾ化終了後、pHを6.6にした反応液に2gのヨウ
化ナトリウムを加えて溶かし、それ以外は上記と全く同
じ条件で合成実験を行ったところ、2−アミノ−1,5
−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩から1,
2−ナフトキノンー2−ジアジド−5−スルホン酸ナト
リウムへの転化率は47.2%に向上した。
アゾ化終了後、pHを6.6にした反応液に2gのヨウ
化ナトリウムを加えて溶かし、それ以外は上記と全く同
じ条件で合成実験を行ったところ、2−アミノ−1,5
−ナフタレンジスルホン酸のモノナトリウム塩から1,
2−ナフトキノンー2−ジアジド−5−スルホン酸ナト
リウムへの転化率は47.2%に向上した。
【0053】(実施例9)0.1モルの2−アミノ−1
−ナフタレンスルホン酸を220gの水と11.5gの
35%水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、さらに7.0
5gの亜硝酸ナトリウムを加えて溶かし、10℃に冷却
した。他方、200gの水に200gの砕氷と26gの
35%塩酸を加えて撹拌しながら、上記の2−アミノー
1−ナフタレンスルホン酸塩と亜硝酸ナトリウムの混合
水溶液を注入して、2−ジアゾー1−ナフタレンスルホ
ン酸の懸濁液を得た。この懸濁液に6gの35%水酸化
ナトリウム水溶液を滴下して懸濁液のpHを約10に
し、24.8gの35%水酸化ナトリウム水溶液と6
5.5gの「有効塩素」が13.2%の次亜塩素酸ナト
リウム水溶液の混合液を15〜20℃で、反応液のpH
が10.0〜10.8になるように調節しながら、4時
間を要して滴下した。0.3gのシュウ酸を加えて反応
液のpHを約4.5にし、14℃で析出した結晶を濾
過、水洗、乾燥して、微結晶状の1,2−ナフトキノン
ー2−ジアジドを理論収率43%で得た。
−ナフタレンスルホン酸を220gの水と11.5gの
35%水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、さらに7.0
5gの亜硝酸ナトリウムを加えて溶かし、10℃に冷却
した。他方、200gの水に200gの砕氷と26gの
35%塩酸を加えて撹拌しながら、上記の2−アミノー
1−ナフタレンスルホン酸塩と亜硝酸ナトリウムの混合
水溶液を注入して、2−ジアゾー1−ナフタレンスルホ
ン酸の懸濁液を得た。この懸濁液に6gの35%水酸化
ナトリウム水溶液を滴下して懸濁液のpHを約10に
し、24.8gの35%水酸化ナトリウム水溶液と6
5.5gの「有効塩素」が13.2%の次亜塩素酸ナト
リウム水溶液の混合液を15〜20℃で、反応液のpH
が10.0〜10.8になるように調節しながら、4時
間を要して滴下した。0.3gのシュウ酸を加えて反応
液のpHを約4.5にし、14℃で析出した結晶を濾
過、水洗、乾燥して、微結晶状の1,2−ナフトキノン
ー2−ジアジドを理論収率43%で得た。
【0054】次に上記の反応条件を僅かに変更して、2
−ジアゾー1−ナフタレンスルホン酸の懸濁液に6gの
35%水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、pHを約1
0にした後、1.0gのヨウ化ナトリウムを加え、それ
以外は上記と全く同じ条件で合成実験を行ったところ、
1,2−ナフトキノンー2−ジアジドの微結晶を理論収
率89%で得ることができた。
−ジアゾー1−ナフタレンスルホン酸の懸濁液に6gの
35%水酸化ナトリウム水溶液を滴下して、pHを約1
0にした後、1.0gのヨウ化ナトリウムを加え、それ
以外は上記と全く同じ条件で合成実験を行ったところ、
1,2−ナフトキノンー2−ジアジドの微結晶を理論収
率89%で得ることができた。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸またはそのスル
ホ置換体などをアルカリ性水溶液中で処理して、1,2
−ナフトキノン−2−ジアジドまたはそのスルホ置換体
を高収率で収得することができる。
2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸またはそのスル
ホ置換体などをアルカリ性水溶液中で処理して、1,2
−ナフトキノン−2−ジアジドまたはそのスルホ置換体
を高収率で収得することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 板花 敏雄
千葉県市川市上妙典1603番地 東洋合成
工業株式会社内
(72)発明者 小島 邦彦
千葉県市川市上妙典1603番地 東洋合成
工業株式会社内
(56)参考文献 特開 平3−101652(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C07C 245/12
C07C 303/32
C07C 309/53
Claims (8)
- 【請求項1】 2−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸
誘導体を、ヨウ素およびヨウ素化合物から選択される少
なくとも一種の物質を含有するアルカリ性水溶液中で処
理して1,2−ナフトキノン−2−ジアジド誘導体を製
造することを特徴とする1,2−ナフトキノン−2−ジ
アジド誘導体の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記ヨウ素およびヨ
ウ素化合物から選択される少なくとも一種の物質を含有
するアルカリ性水溶液が、ヨウ素を含有するアルカリ性
水溶液であることを特徴とする1,2−ナフトキノン−
2−ジアジド誘導体の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1において、前記ヨウ素およびヨ
ウ素化合物から選択される少なくとも一種の物質を含有
するアルカリ性水溶液が、水に難溶性でヨウ素と反応し
にくい有機溶媒に溶かしたヨウ素とアルカリ性水溶液と
の混合物であることを特徴とする1,2−ナフトキノン
−2−ジアジド誘導体の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1において、前記ヨウ素およびヨ
ウ素化合物から選択される少なくとも一種の物質を含有
するアルカリ性水溶液が、前記ヨウ素およびヨウ素化合
物から選択される少なくとも一種の物質と酸化剤とを加
えたアルカリ性水溶液であることを特徴とする1,2−
ナフトキノン−2−ジアジド誘導体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項4において、前記ヨウ素およびヨ
ウ素化合物が、ヨウ素;リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の金属
元素のヨウ化物;次亜ヨウ素酸塩またはヨウ素酸塩;ト
リメルアミン、トリエチルアミン等のアミン類のヨウ化
水素酸塩;テトラメチルアンモニウム、テトラエチルア
ンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムとヨウ化物
イオンの塩;塩化ヨウ素、臭化ヨウ素、三塩化ヨウ素等
のハロゲン化ヨウ素;四酸化二ヨウ素、五酸化二ヨウ素
等の酸化ヨウ素から選択される少なくとも1種であるこ
とを特徴とする1,2−ナフトキノン−2−ジアジド誘
導体の製造方法。 - 【請求項6】 請求項4又は5において、前記酸化剤
が、塩素、臭素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カ
リウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウ
ム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウム、過酸
化水素、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウ
ムから選択される少なくとも一種であることを特徴とす
る1,2−ナフトキノン−2−ジアジド誘導体の製造方
法。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記2
−ジアゾ−1−ナフタレンスルホン酸誘導体が、2−ジ
アゾ−1−ナフタレンスルホン酸及びそのスルホ置換体
並びにこれらの塩であることを特徴とする1,2−ナフ
トキノン−2−ジアジド誘導体の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、1,2
−ナフトキノン−2−ジアジド、1,2−ナフトキノン
−2−ジアジド−5−スルホン酸塩、1,2−ナフトキ
ノン−2−ジアジド−6−スルホン酸塩、1,2−ナフ
トキノン−2−ジアジド−7−スルホン酸塩、1,2−
ナフトキノン−2−ジアジド−5,6−ジスルホン酸
塩、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5,7−ジ
スルホン酸塩、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−
5,8−ジスルホン酸塩が製造されることを特徴とする
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド誘導体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13192899A JP3481884B2 (ja) | 1998-06-15 | 1999-05-12 | 1,2−ナフトキノン−2−ジアジド誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16674498 | 1998-06-15 | ||
JP10-166744 | 1998-06-15 | ||
JP13192899A JP3481884B2 (ja) | 1998-06-15 | 1999-05-12 | 1,2−ナフトキノン−2−ジアジド誘導体の製造方法 |
CN99108608.2A CN1199937C (zh) | 1998-06-15 | 1999-06-15 | 生产1,2-萘醌-2-二叠氮化物衍生物的方法 |
US09/333,785 US6077941A (en) | 1998-06-15 | 1999-06-15 | Method for producing 1,2-naphthoquinone-2-diazide derivatives |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000072740A JP2000072740A (ja) | 2000-03-07 |
JP3481884B2 true JP3481884B2 (ja) | 2003-12-22 |
Family
ID=27430055
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13192899A Expired - Lifetime JP3481884B2 (ja) | 1998-06-15 | 1999-05-12 | 1,2−ナフトキノン−2−ジアジド誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3481884B2 (ja) |
-
1999
- 1999-05-12 JP JP13192899A patent/JP3481884B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000072740A (ja) | 2000-03-07 |
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