JP3481459B2 - ミクサ、送信装置および受信装置 - Google Patents

ミクサ、送信装置および受信装置

Info

Publication number
JP3481459B2
JP3481459B2 JP13576298A JP13576298A JP3481459B2 JP 3481459 B2 JP3481459 B2 JP 3481459B2 JP 13576298 A JP13576298 A JP 13576298A JP 13576298 A JP13576298 A JP 13576298A JP 3481459 B2 JP3481459 B2 JP 3481459B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
line
signal
terminal
balun
fet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13576298A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11330865A (ja
Inventor
充弘 下沢
健治 伊東
憲司 川上
寛 池松
陽次 礒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP13576298A priority Critical patent/JP3481459B2/ja
Publication of JPH11330865A publication Critical patent/JPH11330865A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3481459B2 publication Critical patent/JP3481459B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Superheterodyne Receivers (AREA)
  • Transmitters (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無線通信システ
ムで用いられるミクサの広帯域化に関するものであり、
さらにはそのミクサを用いた送信装置および受信装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図19は1996年にArteck H
ouse社から出版された「Microwave Mi
xers」の340ページから344ページに記載され
た、従来のミクサの一例としての、FETを用いた受信
用のレジスティブミクサを示す構成図であり、以下、こ
の受信用のレジスティブミクサを例に従来のミクサを説
明する。図において、1はRF信号が入力される信号入
力端子、2aはRF信号を逆相分配するRFバラン、2
bはその入力端子、2c、2dはその第1および第2の
出力端子であり、3はLO波が入力されるLO波入力端
子、4aはLO波を逆相分配するLOバラン、4bはそ
の入力端子、4c、4dはその第1および第2の出力端
子である。また、5a、5b、5c、5dは第1、第
2、第3および第4のFETであり、6a、6b、6
c、6dはそれらのドレイン端子、7a、7b、7c、
7dはゲート端子、8a、8b、8c、8dはソース端
子である。9aはIF信号を逆相合成するIFバラン、
9b、9cはその第1および第2の入力端子、9dはそ
の出力端子であり、10はIF信号が出力される信号出
力端子である。
【0003】なお、第1および第2のFET5a,5b
のドレイン端子6a,6bはRFバラン2aの第1の出
力端子2cに、第3および第4のFET5c,5dのド
レイン端子6c,6dはRFバラン2aの第2の出力端
子2dにそれぞれ接続され、第1および第4のFET5
a,5dのソース端子8a,8dはIFバラン9aの第
1の入力端子9bに、第2および第3のFET5b,5
cのソース端子8b,8cはIFバラン9aの第2の入
力端子9cにそれぞれ接続されている。また、第1およ
び第3のFET5a,5cのゲート端子7a,7cはL
Oバラン4aの第1の出力端子4cに、第2および第4
のFET5b,5dのゲート端子7b,7dはLOバラ
ン4aの第2の出力端子4dにそれぞれ接続されてい
る。なお、図では略しているが、各FET5a〜5dの
ドレイン端子6a〜6dとソース端子8a〜8dは直流
的に接地され、ゲート端子7a〜7dには適当な負電圧
が印加されている。
【0004】次に動作について説明する。図20は図1
9に示したミクサの信号の流れを示す説明図であり、以
下これを用いてその動作を説明する。信号入力端子1に
入力されたRF信号は、RFバラン2aで等振幅かつ逆
相に分配される。ここで、これらの信号を同相成分およ
び逆相成分と呼び、それぞれRFとRF ̄と表す。この
うちの同相成分RFはRFバラン2aの第1の出力端子
2cを経て、第1および第2のFET5a、5bのドレ
イン端子6a、6bに出力される。一方、逆相成分RF
 ̄はRFバラン2aの第2の出力端子2dを経て、第3
および第4のFET5c、5dのドレイン端子6c、6
dに出力される。
【0005】また、LO波入力端子3に入力したLO波
は、LOバラン4aで等振幅かつ逆相に分配される。こ
こでも同相成分はLO、逆相成分はLO ̄と表す。この
うちの同相成分LOは、LOバラン4aの第1の出力端
子4cを経て第1および第3のFET5a、5cのゲー
ト端子7a、7cに、逆相成分LO ̄は、LOバラン4
aの第2の出力端子4dを経て第2および第4のFET
5b、5dのゲート端子7b,7dにそれぞれ供給され
る。
【0006】各FET5a〜5dでは、それぞれのドレ
イン端子6a〜6dから入力されたRF信号と、ゲート
端子7a〜7dから入力されたLO波によって、次に示
した式(1)で表されるIF信号が発生し、それがそれ
ぞれのソース端子8a〜8dに出力される。なお、この
式(1)における、Fif、Frf、Floはそれぞ
れ、IF信号、RF信号、LO波の周波数である。 Fif=Frf−Flo ・・・・ (1)
【0007】第1のFET5aでは、RF信号、LO波
ともに同相成分であるので出力されるIF信号も同相と
なる。第2のFET5bでは、RF信号が同相成分、L
O波が逆相成分であるので出力されるIF信号は逆相と
なる。同様にRF信号とLO波の位相により、第3のF
ET5c、第4のFET5dではそれぞれ、逆相および
同相のIF信号が出力される。図中、同相のIF信号を
IF、逆相のIF信号をIF ̄で表している。
【0008】第1のFET5aのソース端子8aと第4
のFET5dのソース端子8dから出力されたIF信号
は、IFバラン9aの第1の入力端子9bに入力され
る。また、第2のFET5bのソース端子8bと第3の
FET5cのソース端子8cから出力されたIF信号は
IFバラン9aの第2の入力端子9cに入力される。I
Fバラン9aではそれらのIF信号を逆相合成して信号
出力端子10より外部へ出力する。
【0009】このように、図19に示すレジスティブミ
クサではRF信号、LO波、IF信号のいずれもバラン
を用いて合成・分配を行っている。このため、図21に
示すように、第1のFET5aのドレイン端子6aと第
2のFET5bのドレイン端子6bの接続点と、第3の
FET5cのドレイン端子6cと第4のFET5dのド
レイン端子6dの接続点とを結ぶ軸11上では、位相関
係からIF信号、LO波のいずれもが短絡となるため、
IF信号とLO波が軸11上に接続されているRFバラ
ン2aを経て信号入力端子1へ漏洩することがない。
【0010】また、第1のFET5aのソース端子8a
と第4のFET5dのソース端子8dの接続点と、第2
のFET5bのソース端子8bと第3のFET5cのソ
ース端子8cの接続点とを結ぶ軸12上では、位相関係
からRF信号とLO波のいずれもが短絡となるため、R
F信号、LO波が軸12上に接続されているIFバラン
9aを経て信号出力端子10へ漏洩することがない。従
って、各端子にフィルタ等を設けることなく、RF信
号、LO波、IF端子の各端子間のアイソレーションを
高めることができる。
【0011】以上のようなバランを用いて構成したミク
サを、広帯域にわたって動作させるためには広帯域なバ
ランが必要である。図22は上記「Microwave
Mixers」の258ページから260ページに記
載された、広帯域な特性を有するマーチャントバランを
示す構成図である。図において、13a、13bはそれ
ぞれ、線路長が動作帯域の中心周波数の1/4波長の、
第1および第2の結合線路であり、14a、14bはそ
れらの入力端子、15a、15bはそれらの結合端子、
16a、16bはそれらの出力端子、17a、17bは
それらのアイソレーション端子である。18はこのマー
チャントバランの入力端子であり、19a、19bは第
1および第2の出力端子である。
【0012】なお、第1の結合線路13aの出力端子1
6aと第2の結合線路13bの入力端子14bとを接続
し、第1の結合線路13aの結合端子15aと第2の結
合線路13bのアイソレーション端子17bとをそれぞ
れ接地するとともに、第1の結合線路13aの入力端子
14aと入力端子18を接続し、第1の結合線路13a
のアイソレーション端子17aを第1の出力端子19a
に、第2の結合線路13bの結合端子15bを第2の出
力端子19bに接続して、マーチャントバランを構成し
ている。
【0013】ここで、理想結合線路を用いた場合のマー
チャントバランの比帯域の計算結果を図23に示す。図
中、Zoeは結合線路の偶モードインピーダンス、Zo
oは結合線路の奇モードインピーダンスである。奇モー
ドインピーダンスZooが小さく、インピーダンス比Z
oe/Zooが大きいほど比帯域が高くなることがわか
る。
【0014】図22に示すマーチャントバランは結合線
路で構成されているので、半導体基板上にも形成可能で
あり、小形なマイクロ波回路の構成が可能となるモノリ
シックマイクロ波集積回路に適している。
【0015】また、図22に示すマーチャントバランは
全線路長が1/2波長となるので、周波数が低い場合に
は形状が大きくなる。そのため、IFバランを半導体基
板上に構成する場合は、通常、図24に示すように集中
定数化ラットレースが用いられる。図中、20は当該I
Fバランの入力端子、21a,21bはそれぞれ当該I
Fバランの第1および第2の出力端子である。22a、
22b、22c、22dはそれぞれ、第1、第2、第
3、第4のインダクタ、23a、23b、23c、23
d、23e、23fはそれぞれ、第1、第2、第3、第
4、第5、第6のキャパシタ、24は抵抗である。
【0016】なお、この集中定数化ラットレースを半導
体基板上に形成する場合、第1〜第4のインダクタ22
a〜22dはスパイラルインダクタで、第1〜第6のキ
ャパシタ23a〜23fはMIMキャパシタでそれぞれ
実現する。図25はその一例を示した斜視図であり、図
中の50がスパイラルインダクタによるインダクタ、5
1がMIMキャパシタによるキャパシタであり、52は
それらが形成される半導体基板である。
【0017】図24に示した集中定数化ラットレースは
受動素子で構成されているため、信号の分配と合成のい
ずれも可能であり、第1の出力端子21aおよび第2の
出力端子21bに印加した、互いに逆相の2信号を合成
することができ、図19に示すレジスティブミクサのI
Fバラン9aとして使用できる。
【0018】ここで、広帯域な特性を得ようとした場
合、広帯域なバランをいかに形成するかが課題となる。
図22に示したマーチャントバランは半導体基板上に容
易に形成できるバランのうちで比較的広帯域であるが、
さらなる広帯域化をはかろうとした場合には、図23か
らもわかるように、奇モードインピーダンスZooを下
げるか、偶モードインピーダンスZoeを高めればよ
い。
【0019】なお、図26は半導体基板上に形成された
結合線路の偶モードインピーダンスZoeと奇モードイ
ンピーダンスZooの関係を説明するための、当該結合
線路における線路間容量と対地容量を示す概念図であ
る。図中、25は地導体、26は誘電体であり、27
a、27bはそれぞれ結合線路を構成する第1および第
2の線路である。28a、28bはそれぞれ第1の線路
27aおよび第2の線路27bと地導体25の間の対地
容量であり、その値をそれぞれCgで表している。また
29は第1の線路27aと第2の線路27bの間の線路
間容量であり、その値をCmで表している。奇モードイ
ンピーダンスZooと偶モードインピーダンスZoe
は、第1の線路27aおよび第2の線路27bの線路間
容量29の値Cmと、地導体25との間の対地容量28
a,28bの値Cgより、次の式(2)および式(3)
にて与えられる。なお、この式(2)および式(3)中
のvは伝搬速度である。 Zoo=1/v(2Cg+Cm) ・・・・・・ (2) Zoe=1/v2Cg ・・・・・・ (3)
【0020】マーチャントバランを広帯域化するために
は、第1の線路27aと第2の線路27bとの間隔をせ
ばめて、第1の線路27aおよび第2の線路27bの線
路間容量Cmを大きくすることによって、奇モードイン
ピーダンスZooを下げればよい。
【0021】なお、このような従来のミクサに関連する
記載のある文献としては、上記「Microwave
Mixers」の外にも、例えば特開平8−26504
8号公報などがある。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】従来のミクサは以上の
ように構成されているので、広帯域なミクサを得ようと
した場合、バランとして広帯域な特性を有するものを用
いる必要があり、マーチャントバランの広帯域化のため
には、結合線路13a,13bを形成する第1の線路2
7aと第2の線路27bの線路間隔をせばめて、奇モー
ドインピーダンスZooを下げればよいが、半導体基板
52上の線路間隔は半導体の製造プロセスによって最小
値が決まっているため、奇モードインピーダンスZoo
を下げるには限界があり、マーチャントバランの帯域が
所望の値が得られないという課題があった。
【0023】また、IFバラン9aとして用いられる集
中定数化ラットレースは、マーチャントバランに比べれ
ば小さく形成することができるが、比帯域が40%程度
と狭いという課題があり、さらに半導体基板52上に形
成したスパイラルインダクタ50とMIMキャパシタ5
1で集中定数化ラットレースを実現した場合、それらの
素子で実現できるのは通常、10nH、20pF程度が
上限であり、これを越えると半導体基板52の面積が非
常に大きくなり、現実的でなくなるため、図19に示す
従来のミクサではIF信号の周波数が1〜2GHz程度
と高くなるなどの課題があった。
【0024】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、IF帯域を広帯域化でき、小型化
も可能なミクサさらには広帯域な特性を備えた送信装置
および受信装置を得ること目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】この発明に係るミクサ
は、入力信号バランから出力される互いに逆相の入力信
号の一方を第1のFETと第2のFETのドレイン端子
に、他方を第3のFETと第4のFETのドレイン端子
に印加するとともに、LOバランから出力される互い
に逆相のLO波の一方を第1のFETと第2のFETの
ゲート端子に、他方を第3のFETと第4のFETのゲ
ート端子に印加して、第1のFETおよび第4のFET
のソース端子と、第2のFETおよび第3のFETのソ
ース端子とにそれぞれ出力される出力信号を、出力信号
同相合成器で合成して外部へ出力するようにしたもので
ある。
【0026】 この発明に係る受信装置は、請求項1に
されたミクサによって、RF信号にLO波を混合してI
F信号を出力するミクサを構成したものである。
【0027】 この発明に係る送信装置は、請求項1に
されたミクサによって、IF信号にLO波を混合してR
F信号を出力するミクサを構成したものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1. 図1はこの発明の実施の形態1によるミクサを示す構成
図である。なお、ここでも従来の技術の場合と同様に、
受信用ミクサを例に説明する。図において、1は入力信
号としてのRF信号が外部より入力される、当該ミクサ
の信号入力端子である。2aはこの信号入力端子1から
入力されたRF信号を等振幅かつ逆相に分配する入力信
号バランとしてのRFバラン(入力信号バラン)であ
り、2bは上記RFバラン2aの入力端子(入力信号バ
ランの入力端子)、2cは上記RFバラン2aの第1の
出力端子(入力信号バランの第1の出力端子)、2dは
上記RFバラン2aの第2の出力端子(入力信号バラン
の第2の出力端子)である。3はLO波が入力される当
該ミクサのLO波入力端子である。4aはこのLO波入
力端子3から入力されたLO波を等振幅かつ逆相に分配
するLOバランであり、4bは上記LOバラン4aの入
力端子、4cは上記LOバラン4aの第1の出力端子、
4dは上記LOバラン4aの第2の出力端子である。
【0029】 また、5aは第1のFET、5bは第2の
FET、5cは第3のFET、5dは第4のFETであ
り、互いにリング状に接続されてレジスティブミクサを
構成している。6a、6b、6c、6dはそれぞれ、第
1のFET5a、第2のFET5b、第3のFET5
c、および第4のFET5dのドレイン端子であり、7
a、7b、7c、7dはそれぞれ、第1のFET5a、
第2のFET5b、第3のFET5c、および第4のF
ET5dのゲート端子、8a、8b、8c、8dはそれ
ぞれ、第1のFET5a、第2のFET5b、第3のF
ET5c、および第4のFET5dのソース端子であ
る。なお、これら1〜8dは図19に同一符号を付して
示した各部に相当するものである。
【0030】 30aはレジスティブミクサを構成する第
1〜第4のFET5a〜5dから出力される、出力信号
としてのIF信号を等振幅かつ同相に合成する、出力信
号同相合成器としてのIF信号同相合成器(出力信号同
相合成器)である。30bはこのIF信号同相合成器3
0aの第1の入力端子(出力信号同相合成器の第1の入
力端子)、30cはこのIF信号同相合成器30aの第
2の入力端子(出力信号同相合成器の第2の入力端子)
であり、30dはこのIF信号同相合成器30aの出力
端子(出力信号同相合成器の出力端子)である。10は
このIF信号同相合成器30aで合成されたIF信号が
外部に出力される、図19に同一符号を付したものと同
じ当該ミクサの信号出力端子である。
【0031】 ここで、第1のFET5aのドレイン端子
6aと第2のFET5bのドレイン端子6bとが互いに
接続されて、これにRFバラン2aの第1の出力端子2
cが接続されている。同様に、第3のFET5cのドレ
イン端子6cと第4のFET5dのドレイン端子6dと
が互いに接続されて、これにRFバラン2aの第2の出
力端子2dが接続されている。また、第1のFET5a
のソース端子8aと第4のFET5dのソース端子8d
とが互いに接続されて、これにIF信号同相合成器30
aの第1の入力端子30bが接続されている。同様に、
第2のFET5bのソース端子8bと第3のFET5c
のソース端子8cとが互いに接続されて、これにIF信
号同相合成器30aの第2の入力端子30cが接続され
ている。さらに、第1のFET5aのゲート端子7aと
第2のFET5bのゲート端子7bとが互いに接続され
て、これにLOバラン4aの第1の出力端子4cが接続
されている。同様に、第3のFET5cのゲート端子7
cと第4のFET5dのゲート端子7dとが互いに接続
されて、これにLOバラン4aの第2の出力端子4dが
接続されている。
【0032】 次に動作について説明する。図2は図1に
示したミクサの信号の流れを示す説明図であり、以下こ
れを用いてその動作を説明する。図20を用いて説明し
た従来のミクサの場合と同様に、信号入力端子1に入力
されたRF信号は、RFバラン2aで等振幅かつ逆相に
分配され、その第1の出力端子2cよりその同相成分R
Fが、第2の出力端子2dよりその逆相成分RF ̄がそ
れぞれ出力される。これらのうち、RFバラン2aの第
1の出力端子2cより出力された同相成分RFは、第1
のFET5aのドレイン端子6aと、第2のFET5b
のドレイン端子6bとに印加される。一方、RFバラン
2aの第2の出力端子2dより出力された逆相成分RF
 ̄は、第3のFET5cのドレイン端子6cと、第4の
FET5dのドレイン端子6dとに印加される。
【0033】 また、LO波入力端子3に入力されたLO
波は、LOバラン4aで等振幅かつ逆相に分配され、そ
の第1の出力端子4cよりその同相成分LOが、第2の
出力端子4dよりその逆相成分LO ̄がそれぞれ出力さ
れる。これらのうち、LOバラン4aの第1の出力端子
4cより出力された同相成分LOは、第1のFET5a
のゲート端子7aと、第2のFET5aのゲート端子7
bとに印加される。一方、LOバラン4aの第2の出力
端子4dより出力された逆相成分LO ̄は、第3のFE
T5cのゲート端子7cと、第4のFET5dのゲート
端子7dとに印加される。
【0034】 各FET5a〜5dでは、それぞれのドレ
イン端子6a〜6dから入力されたRF信号と、それぞ
れのゲート端子7a〜7dから入力されたLO波によっ
てIF信号が生成され、それぞれのソース端子8a〜8
dに出力される。ここで、第1のFET5aと第2のF
ET5bでは、RF信号、LO波ともに同相成分である
ので、それらより出力されるIF信号も同相となる。同
様に、RF信号とLO波の位相により、第3のFET5
cおよび第4のFET5dでも同相のIF信号が出力さ
れる。これら同相のIF信号は、IF信号同相合成器3
0aにその第1の入力端子30bおよび第2の入力端子
30cより入力される。IF信号同相合成器30aはそ
のIF信号を同相合成して、それを出力端子30dより
信号出力端子10を経て外部へ出力する。
【0035】 このようなミクサに用いられるIF信号同
相合成器30aの構成例を図3に示す。図中、31a,
31bはそれぞれ第1および第2のインダクタ、32
a,32b,32cはそれぞれ第1、第2および第3の
キャパシタであり、33は抵抗である。34aはこのI
F信号同相合成器30aの第1の入力端子、34bはそ
の第2の入力端子であり、35はこのIF信号同相合成
器30aの出力端子である。
【0036】 このIF信号同相合成器30aは、集中定
数素子で構成したウィルキンソン形電力分配器であり、
その周波数特性は低域通過回路と同じであるので、所定
の周波数より低い周波数がその第1の入力端子34aと
第2の入力端子34bに入力された場合、それらは同相
合成される。従って、図24に示した集中定数化ラット
レースによるIFバランを用いたミクサに比べて、IF
信号の帯域をはるかに広帯域化することができる。この
ため、図1に示したこの実施の形態1によるミクサは、
図19に示した従来のミクサに比べてIF帯域を広帯域
にすることができる。また、部品数も図3に示すIF信
号同相合成器のほうが、図24に示すIFバランより少
なく、小形な回路を構成することが可能となる。
【0037】 以上のように、この実施の形態1によれ
ば、ミクサのIF出力をバランではなくIF信号同相合
成器で合成しているので、バランを用いる従来のミクサ
に比べて、IF信号の周波数帯域を広帯域なものにする
ことができ、また回路を小形化することも可能になるな
どの効果が得られる。
【0038】 なお、上記説明では受信用のミクサに適用
したものを示しているが、本発明はこれに限らず、送信
用のミクサに適用することも可能であり、上記と同様の
効果を奏する。そのような送信用のミクサでは、入力信
号としてのIF信号をLO波と混合して周波数変換を行
い、RF信号を出力信号として出力することとなる。従
って、入力信号バランとしては、図1に符号2aを付し
て示したRF信号を逆相分配するRFバランの代わり
に、IF信号を逆相分配するIFバランが用いられ、出
力信号同相合成器としては、図1に符号30aを付して
示したIF信号を同相合成するIF信号同相合成器の代
わりに、RF信号を同相合成するRF信号同相合成器が
用いられる。
【0039】適用例1. 上記実施の形態1では、この発明によるミクサについて
説明したが、次に、そのようなミクサにおいて、RFバ
ランまたはLOバランとして用いられるバランについて
説明する。図4はそのようなバランを適用例1として
す構成図である。
【0040】 図において、13aは第1の結合線路、1
3bは第2の結合線路、13cは第3の結合線路、13
dは第4の結合線路であり、その線路長はそれぞれ動作
帯域の中心周波数の1/4波長に設定されている。14
a、14b、14c、14dはそれぞれ、第1の結合線
路13a、第2の結合線路13b、第3の結合線路13
c、および第4の結合線路13dの入力端子であり、1
5a、15b、15c、15dはそれぞれ、第1の結合
線路13a、第2の結合線路13b、第3の結合線路1
3c、および第4の結合線路13dの結合端子である。
16a、16b、16c、16dはそれぞれ、第1の結
合線路13a、第2の結合線路13b、第3の結合線路
13c、および第4の結合線路13dの出力端子であ
り、17a、17b、17c、17dはそれぞれ、第1
の結合線路13a、第2の結合線路13b、第3の結合
線路13c、および第4の結合線路13dのアイソレー
ション端子である。また、18は当該バランの入力端子
であり、19aはその第1の出力端子、19bはその第
2の出力端子である。
【0041】 また、36aはその一端が入力端子14
a、他端が出力端子16aとなって上記第1の結合線路
13aを構成する第1の線路であり、37aはその一端
が結合端子15a、他端がアイソレーション端子17a
となり、この第1の線路36aに結合して上記第1の結
合線路13aを構成する第2の線路である。36bはそ
の一端が入力端子14b、他端が出力端子16bとなっ
て上記第2の結合線路13bを構成する第1の線路であ
り、37bはその一端が結合端子15b、他端がアイソ
レーション端子17bとなり、この第1の線路36bに
結合して上記第2の結合線路13bを構成する第2の線
路である。36cはその一端が入力端子14c、他端が
出力端子16cとなって上記第3の結合線路13cを構
成する第1の線路であり、37cはその一端が結合端子
15c、他端がアイソレーション端子17cとなり、こ
の第1の線路36cに結合して上記第3の結合線路13
cを構成する第2の線路である。36dはその一端が入
力端子14d、他端が出力端子16dとなって上記第4
の結合線路13dを構成する第1の線路であり、37d
はその一端が結合端子15d、他端がアイソレーション
端子17dとなり、この第1の線路36dに結合して上
記第4の結合線路13dを構成する第2の線路である。
【0042】 この適用例1によるバランは、それらを以
下のように接続することによって構成されている。すな
わち、第1の結合線路13aの出力端子16aと第2の
結合線路13bの入力端子14bを接続し、第3の結合
線路13cの出力端子16cと第4の結合線路13dの
入力端子14dを接続するとともに、第1の結合線路1
3aの結合端子15a、第2の結合線路13bのアイソ
レーション端子17b、第3の結合線路13cの結合端
子15c、および第4の結合線路13dのアイソレーシ
ョン端子17dをそれぞれ接地する。また、第1の結合
線路13aの入力端子14aと第3の結合線路13cの
入力端子14cとを接続して、そこに当該バランの入力
端子18を接続するとともに、第1の結合線路13aの
アイソレーション端子17aと第3の結合線路13cの
アイソレーション端子17cとを接続して、そこに当該
バランの第1の出力端子19aを接続し、第2の結合線
路13bの結合端子15bと第4の結合線路13dの結
合端子15dとを接続して、そこに当該バランの第2の
出力端子19bを接続する。
【0043】 次に動作について説明する。ここで、図5
はこのように構成されたバランの動作を示す説明図であ
る。この図5において、38aは図4に示したこの適用
1によるバランであり、偶モードインピーダンスと奇
モードインピーダンスがそれぞれZoea、Zooa
の、第1の結合線路13a、第2の結合線路13b、第
3の結合線路13c、および第4の結合線路13dから
なる。また、38bは図22に示した従来のマーチャン
トバランであり、偶モードインピーダンスと奇モードイ
ンピーダンスがそれぞれZoeb、Zoobの、第5の
結合線路13eと第6の結合線路13fからなる。
【0044】 この適用例1によるバラン38aは、第1
の結合線路13aおよび第2の結合線路13bからなる
マーチャントバランと、第3の結合線路13cおよび第
4の結合線路13dからなるマーチャントバランが並列
接続された構造となっているので、その特性は偶モード
インピーダンスと奇モードインピーダンスがともに1/
2の2つの結合線路からなる従来のマーチャントバラン
38bの特性と等しくなる。すなわち、図5に示すよう
に、この適用例1によるバラン38aと従来のマーチャ
ントバラン38bの2つのバランの間には、次の式
(4)および式(5)が成立する。 Zoob=Zooa/2 ・・・・・ (4) Zoeb=Zoea/2 ・・・・・ (5)
【0045】 つまり、偶モードインピーダンスと奇モー
ドインピーダンスがそれぞれ、Zoea、Zooaであ
る結合線路13a〜13dを用いて、38aに示すバラ
ンを構成することで、Zoea/2、Zooa/2の第
5および第6の結合線路13e,13fを用いたマーチ
ャントバランを実現することができる。マーチャントバ
ランの比帯域を高めるには、奇モードインピーダンスを
低くすればよく、そのためには結合線路を構成している
線路の線路間隔を狭めればよいが、通常は製造プロセス
による制限を受けて、所望の値を得られない場合があ
る。そこで、この実施の形態2に示すような構造とする
ことにより、結合線路を構成している線路の線路間隔を
物理的に狭めなくとも所望のインピーダンスが得られる
ことになる。
【0046】 以上のように、この適用例1によれば、結
合線路を構成する線路の線路間隔を狭めなくとも低い奇
モードインピーダンスが得られるため、広帯域なバラン
を実現でき、このバランを適用することでミクサの動作
周波数を広帯域化することが可能になるという効果が得
られる。
【0047】適用例2 . 上記適用例1では、第1〜第4の結合線路として、それ
ぞれ1本ずつの第1の線路と第2の線路による2線条結
合線路を用いたものを示したが、これに限らず、少なく
とも1本の第1の線路と、この第1の線路の両側にそれ
ぞれ少なくとも1本ずつ配置された第2の線路とによ
る、3線以上の多線条結合線路を用いてもよい。
【0048】 図6はそのようなバランを適用例2として
示す構成図であり、ここでは3線条結合線路を用いた場
合を示している。図において、36aは第1の結合線路
13aを構成する1本の第1の線路であり、37aはこ
の第1の線路36aの両側に1本ずつ配置され、それぞ
れ第1の線路36aに結合して第1の結合線路13aを
構成する第2の線路である。同様に、36bは第2の結
合線路13bを構成する第1の線路、37bは第2の結
合線路13bを構成する第2の線路であり、36cは第
3の結合線路13cを構成する第1の線路、37cは第
3の結合線路13cを構成する第2の線路、36dは第
4の結合線路13dを構成する第1の線路、37dは第
4の結合線路13dを構成する第2の線路である。
【0049】 なお、この適用例2においては、各結合線
路13a〜13dの入力端子14a〜14dは、それぞ
れの第2の線路37a〜37dの一端から導出されてお
り、出力端子16a〜16cはその他端から導出されて
いる。同様に、結合端子15a〜15dは第1の線路3
6a〜36dの一端から、アイソレーション端子17a
〜17dはその他端からそれぞれ導出されている。
【0050】 また、当該バランの入力端子18は第1お
よび第3の結合線路13a,13cのそれぞれ2つの入
力端子14aおよび14cに接続されており、第1の出
力端子19aは第1および第3の結合線路13a,13
cのアイソレーション端子17aおよび17cに、第2
の出力端子19bは第2および第4の結合線路13b,
13dの結合端子15bおよび15dにそれぞれ接続さ
れている。第1および第3の結合線路13a,13cの
それぞれ2つの出力端子16a,16cは第2および第
4の結合線路13b,13dのそれぞれ2つの入力端子
14b,14dに接続されており、第1および第3の結
合線路13a,13cの結合端子15a,15c、およ
び第2および第4の結合線路13b,13dのアイソレ
ーション端子17a,17cは接地されている。
【0051】 ここで、図7は半導体基板上に形成された
第1の結合線路13aの偶モードインピーダンスZoe
と奇モードインピーダンスZooの関係を説明するため
の、第1の結合線路13aにおける線路間容量と対地容
量を示す概念図である。図中、25は地導体、26は誘
電体であり、36aは第1の結合線路13aを構成する
第1の線路、37aは第1の結合線路13aを構成する
第2の線路である。28a、28bはそれぞれ第1の線
路36aおよび第2の線路37aと地導体25の間の対
地容量であり、その値をそれぞれCgで表している。ま
た29a,29bは第1の線路36aと第2の線路37
aの間の線路間容量であり、その値をそれぞれCmで表
している。なお、奇モードインピーダンスZooと偶モ
ードインピーダンスZoeは、第1の線路36aおよび
第2の線路37aの線路間容量29a,29bの値Cm
と、地導体25との間の対地容量28a,28bの値C
gより、次の式(6)および式(7)にて与えられる。
なお、この式(6)および式(7)におけるvは伝搬速
度である。 Zoo=1/v(3Cg+2Cm) ・・・・・・ (6) Zoe=1/v3Cg ・・・・・・ (7)
【0052】 バランを広帯域化するためには、この奇モ
ードインピーダンスZooを下げればよい。この場合、
第1の線路36aおよび第2の線路37aの幅とそれら
の間隔、および誘電体26の材質と厚さが等しければ、
上記式(6)で与えられる奇モードインピーダンスZo
oは、2線条結合線路を用いたバランの奇モードインピ
ーダンスZoo(従来のマーチャントバランと同様に式
(3)で与えられる)に比べて明らかに小さくなる。こ
のことから、3線条結合線路を用いたバランではより広
帯域な特性が得られる。
【0053】 以上のように、この適用例2によれば、デ
ザインルールで規定された線路間隔を維持しながら、2
線条結合線路を用いたバランよりも第1の線路と第2の
線路間の容量を大きくすることが可能となって、奇モー
ドインピーダンスZooを容易に小さくすることがとが
できるため、バランのより広帯域化をはかることができ
る効果が得られる。
【0054】適用例3 . 上記適用例2では、少なくとも1本の第1の線路と、そ
の両側にそれぞれ少なくとも1本ずつ配置された第2の
線路とで構成された多線条結合線路において、第2の線
路の一端をその入力端子、他端を出力端子とし、第1の
線路の一端を結合端子、他端をアイソレーション端子と
したものを示したが、これに限らず、第1の線路の一端
をその入力端子、他端を出力端子とし、第2の線路の一
端を結合端子、他端をアイソレーション端子としてもよ
く、上記適用例2の場合と同様の効果を奏する。
【0055】 図8はそのようなバランの一例を適用例3
として示す構成図であり、ここでも3線条結合線路を用
いた場合を示している。なお、図中の各部には、図6の
相当部分と同一符号を付してその説明を省略する。図示
のように、この適用例3においては、各結合線路13a
〜13dの入力端子14a〜14dは、それぞれの第1
の線路36a〜36dの一端から導出されており、出力
端子16a〜16cはその他端から、結合端子15a〜
15dは第2の線路37a〜37dの一端から、アイソ
レーション端子17a〜17dはその他端からそれぞれ
導出されている。
【0056】 なお、当該バランの入力端子18は第1お
よび第3の結合線路13a,13cの入力端子14aお
よび14cに接続され、第1の出力端子19aは第1お
よび第3の結合線路13a,13cのそれぞれ2つのア
イソレーション端子17aおよび17cに、第2の出力
端子19bは第2および第4の結合線路13b,13d
のそれぞれ2つの結合端子15bおよび15dに接続さ
れている。また、第1および第3の結合線路13a,1
3cの出力端子16a,16cは第2および第4の結合
線路13b,13dの入力端子14b,14dに接続さ
れ、第1および第3の結合線路13a,13cのそれぞ
れ2つの結合端子15a,15c、および第2および第
4の結合線路13b,13dのそれぞれ2つのアイソレ
ーション端子17b,17dは接地されている。このよ
うに、適用例2における第1の線路と第2の線路の役割
を入れ替えても、バランとして動作する。
【0057】適用例4 . 上記適用例1に示したバランを半導体基板上に形成した
適用例4について説明する。図9はそのようなバランの
構成を適用例4として示すパターン図であり、相当部分
には図4と同一符号を付してその説明を省略する。図に
おいて、39aは第1の結合線路13aの第1の線路3
6aおよび第2の線路37aと、第3の結合線路13c
の第1の線路36cおよび第2の線路37cとを並行に
並べてこれをスパイラル状に巻き込み、かつ、その外形
を四角形とした第1の4線条結合線路である。39bは
第2の結合線路13bの第1の線路36bおよび第2の
線路37bと、第4の結合線路13dの第1の線路36
dおよび第2の線路37dとを並行に並べてこれをスパ
イラル状に巻き、かつ、その外形を四角形とした第2の
4線条結合線路である。40はその下に配置された線路
と接触することなく、その両端の線路を接続するための
エアブリッジである。52はこのような第1の4線条結
合線路39aおよび第2の4線条結合線路39bが形成
される半導体基板である。
【0058】 図示のように、この適用例4によるバラン
は、第1の4線条結合線路39a内において、第1の結
合線路13aおよび第3の結合線路13cをスパイラル
状に巻き込み、かつその外形を四角形にした場合に、そ
の四角形を構成する第1の辺に相当する部分とそれに隣
り合う第2の辺に相当する部分との接続部、および第1
の辺に対向する第3の辺に相当する部分と第2の辺に対
向する第4の辺に相当する部分との接続部において、各
結合線路13a,13cを構成している第1の線路36
a,36cと第2の線路37a,37cについて、その
内側の線路と外側の線路をエアブリッジ40を用いて交
差させている。また、第2の4線条結合線路39b内に
おいても同様に、外形を四角形にした第2の結合線路1
3bおよび第4の結合線路13dの、第1の辺に相当す
る部分と第2の辺に相当する部分との接続部、および第
3の辺に相当する部分と第4の辺に相当する部分との接
続部において、それらの第1の線路36b,36dと第
2の線路37b,37dの、内側の線路と外側の線路を
エアブリッジ40を用いて交差させている。
【0059】 ここで、このバランを構成する結合線路
は、動作帯域の中心周波数で1/4波長となるので、例
えば中心周波数を12GHzとし、ガリウム砒素基板に
形成した場合には、全長2mm以上になる。そこで結合
線路をスパイラル状に巻き込むことで、占有面積の縮小
をはかることができる。しかしながら、結合線路を構成
する複数の線路のうち、同一周回において常に外側とな
る線路の線路長と常に内側となる線路ではその線路長に
差が生じるため、分配・位相特性が劣化する。これを避
けるため、図9に示すように、第1の4線条結合線路3
9aと第2の4線条結合線路39bにおいて、四角形の
対角となるコーナー部分で、内側の線路が外側となり、
かつ、外側の線路が内側となるようにエアブリッジを用
いて接続している。これにより、4線条結合線路を構成
する個々の線路の長さを同一にすることができる。
【0060】 以上のように、この適用例4によれば、四
角形の対向する2つのコーナー部分において内側と外側
の線路を交差させているので、比較的少ない数のエアブ
リッジによって、結合線路を構成している個々の線路の
線路長を同一にすることが可能となるため、特性の良好
なバランを容易に実現することができるという効果が得
られる。
【0061】 なお、上記説明では、適用例1に示したバ
ランの第1の4線条結合線路39a内で、第1の結合線
路13aを構成する第2の線路37a(結合端子15a
とアイソレーション端子17aが導出されている線路)
と第3の結合線路13cを構成する第2の線路37cと
が隣り合い、第2の4線条結合線路39b内で、第2の
結合線路13bを構成する第2の線路37bと、第4の
結合線路13dを構成する第2の線路37dが隣り合う
ものを示したが、これに限らず、例えば図10に示すよ
うに、第1の4線条結合線路39a内で、第1の結合線
路13aの第1の線路36a(入力端子14aと出力端
子16aが導出されている線路)と第3の結合線路13
cの第1の線路36cが隣り合い、第2の4線条結合線
路39b内で、第2の結合線路13bの第1の線路36
bと第4の結合線路13dの第1の線路36dが隣り合
うようにしてもよく、上記説明の場合と同様の効果を奏
する。
【0062】 また、上記説明では、適用例1に示したバ
ランを半導体基板上に形成する場合について述べたが
れに限らず、結合線路を使用した回路一般に適用する
ことができる。例えば、図22に示した従来のマーチャ
ントバランにおいても、結合線路をスパイラル状に巻
き、かつ、その外形を四角形とすることで占有面積を縮
小できるが、同一周回において常に外側となる線路と常
に内側となる線路において線路長に差が生じる。そこ
で、コーナー部分で内側の線路が外側となるように、か
つ、外側の線路が内側となるようにエアブリッジを用い
て接続すれば、結合線路を構成する個々の線路長が同一
となり、特性劣化を防ぐことができる。
【0063】適用例5 . 上記適用例4では、四角形を構成する第1の辺に相当す
る部分とそれに隣り合う第2の辺に相当する部分の接続
部、およびそれらに対向する第3の辺に相当する部分と
第4の辺に相当する部分の接続部で、結合線路を構成す
る内外の線路が交差するようにしたものを示したが、こ
れに限らず、四角形を構成する4つの辺に相当する部分
のすべての接続部で、結合線路を構成する内外の線路が
交差するようにしてもよく、上記適用例4の場合と同様
に、結合線路の線路長の不均一が解消でき、良好な特性
のバランが実現できるという効果が得られる。
【0064】 図11はそのようなバランの構成を適用例
5として示すパターン図であり、各部には図9の相当部
分と同一符号を付してその説明を省略する。図示のよう
に、この適用例5によるバランは、第1の4線条結合線
路39a内において、その外形を四角形にした第1およ
び第3の結合線路13a,13cの四角形を構成してい
る第1〜第4の辺に相当する部分のすべての接続部にお
いて、それらを構成している第1の線路36a,36c
と第2の線路37a,37cについて、その内側の線路
と外側の線路をエアブリッジ40を用いて交差させてい
る。また、第2の4線条結合線路39b内においても同
様に、第2および第4の結合線路13b,13dの第1
〜第4の辺に相当する部分のすべての接続部において、
それらの第1の線路36b,36dと第2の線路37
b,37dの、内側の線路と外側の線路をエアブリッジ
40にて交差させている。
【0065】 このように、結合線路の外形が四角形に構
成された、第1の4線条結合線路39aと第2の4線条
結合線路39bの4つのコーナー部分のすべてにおい
て、内側の線路が外側となり、かつ、外側の線路が内側
となるようにエアブリッジを用いて交差させているの
で、4線条結合線路を構成する個々の線路が同一の線路
長となる。
【0066】 なお、この場合も適用例4と同様に、第1
の結合線路13aを構成する第1の線路36aと、第3
の結合線路13cを構成する第1の線路36cが隣り合
い、かつ、第2の結合線路13bを構成する第1の線路
36bと、第4の結合線路13dを構成する第1の線路
36dが隣り合うようにしてもよく、また、バランを半
導体基板52上に形成する場合に限らず、結合線路を使
用した回路一般にも適用可能であり、上記説明の場合と
同様の効果を奏する。
【0067】適用例6 . 上記適用例5では、結合線路
を構成している4本の線路のすべてについて、内側と外
側の線路を交差させるものを示したが、これに限らず、
4線条結合線路ではそれを構成する4本の線路のうちの
1本のみを交差させるようにしてもよい。図12はその
ようなバランの構成を適用例6として示すパターン図で
あり、各部には図9の相当部分と同一符号を付してその
説明を省略する。
【0068】 図示のように、この適用例6によるバラン
は、第1の4線条結合線路39a内において、第1およ
び第3の結合線路13a,13cの四角形を構成してい
る第1〜第4の辺に相当する部分のすべての接続部おい
て、それらを構成している第1の線路36a,36cと
第2の線路37a,37cのうちの最も外側の線路が、
最も内側となるようにエアブリッジ40を用いて交差さ
せている。また、第2の4線条結合線路39b内におい
ても同様に、第2および第4の結合線路13b,13d
の第1〜第4の辺に相当する部分のすべての接続部にお
いて、それらの第1の線路36b,36dと第2の線路
37b,37dの内で最も外側のものが、最も内側とな
るようにエアブリッジ40にて交差させている。なお、
最も内側の線路を最も外側となるように交差させてもよ
い。
【0069】 このように、結合線路の外形が四角形に構
成された、第1の4線条結合線路39aと第2の4線条
結合線路39bの4つのコーナー部分のすべてにおい
て、最も内側の線路が最も外側となるように、あるいは
最も外側の線路が最も内側となるようにエアブリッジを
用いて交差させているので、4線条結合線路を構成する
線路をスパイラル状に巻き込むことによる線路長の差が
累積されることがなくなり、内側と外側の線路長の差は
最小限に抑えることができる。なお、この交差を4の倍
数回だけ行うようにすれば、4本の線路の線路長を等し
くすることも可能である。
【0070】 以上のように、この適用例6によれば、結
合線路を構成する線路をスパイラル状に巻き込むことに
起因する、ここの線路の線路長の不均一を最小限に抑え
ることが可能となるため、特性の良好なバランを実現す
ることができるという効果が得られる。
【0071】 なお、この場合も適用例5適用例6と同
様に、第1の4線条結合線路39a内の第1の結合線路
13aを構成する第1の線路36aと第3の結合線路1
3cを構成する第1の線路36cが隣り合い、第2の4
線条結合線路39b内の第2の結合線路13bを構成す
る第1の線路36bと第4の結合線路13dを構成する
第1の線路36dが隣り合うようにしてもよく、また、
バランを半導体基板52上に形成する場合に限らず、結
合線路を使用した回路一般にも適用可能であり、上記説
明の場合と同様の効果を奏する。
【0072】適用例7 . 上記適用例3から適用例6では、適用例1に示すバラン
を半導体基板上に形成する際、結合線路をスパイラル状
に巻き込んでその外形を四角形にし、その四角形を構成
する辺に相当する部分の接続部において、結合線路を構
成する内外の線路が交差するようにしたものを示した
が、四角形を構成するそれぞれの辺に相当する部分の中
央部に相当する位置で、結合線路を構成する内外の線路
が交差するようにしてもよい。図13はそのようなバラ
ンの構成を適用例7として示すパターン図であり、各部
には図9の相当部分と同一符号を付してその説明を省略
する。
【0073】 図示のように、この適用例7によるバラン
は、第1の4線条結合線路39a内において、その外形
を四角形にした第1および第3の結合線路13a,13
cの四角形を構成している4つの辺に相当する部分のそ
れぞれの中央部に相当する位置において、それらを構成
している第1の線路36a,36cと第2の線路37
a,37cについて、その内側の線路と外側の線路をエ
アブリッジ40を用いて交差させている。また、第2の
4線条結合線路39b内においても同様に、第2および
第4の結合線路13b,13dの4つの辺に相当する部
分のそれぞれの中央部に相当する位置で、それらの第1
の線路36b,36dと第2の線路37b,37dの、
内側の線路と外側の線路をエアブリッジ40にて交差さ
せている。
【0074】 このように、結合線路の外形が四角形に構
成された、第1の4線条結合線路39aと第2の4線条
結合線路39bの4つの辺に相当する部分のそれぞれの
中央部に相当する位置において、それらを構成している
第1の線路36a,36cと第2の線路37a,37c
について、その内側の線路と外側の線路をエアブリッジ
40を用いて交差させているので、4線条結合線路を構
成する線路をスパイラル状に巻き込むことによる線路長
の差が累積されることがなくなり、内側と外側の線路長
の差を最小限に抑えることができる。なお、この交差を
4の倍数回だけ行うようにすれば、4本の線路の線路長
を等しくすることも可能である。
【0075】 以上のように、この適用例7によれば、結
合線路を構成する線路をスパイラル状に巻き込むことに
起因する、当該線路の線路長の不均一を最小限に抑える
ことが可能となるため、特性の良好なバランを実現する
ことができるという効果が得られる。
【0076】 なお、この適用例7においても適用例4
適用例6の場合と同様に、第1の4線条結合線路39
a内の第1の結合線路13aを構成する第1の線路36
aと第3の結合線路13cを構成する第1の線路36c
が隣り合い、第2の4線条結合線路39b内の第2の結
合線路13bを構成する第1の線路36bと第4の結合
線路13dを構成する第1の線路36dが隣り合うよう
にしてもよく、上記説明の場合と同様の効果を奏する。
【0077】 また、上記説明では、すべての辺の中央部
に相当する位置で、エアブリッジを用いて結合線路を構
成する内外の線路が交差するようにしたものを示した
、これに限らず、例えば図14に示すように、ある一
辺に相当する部分とそれに対向する一辺に相当する部分
の中央部に相当する位置においてのみ、内側の線路と外
側の線路を交差させるようにしてもよい。なお、この図
14には、図22に示した従来のマーチャントバランを
構成する結合線路のパターン構成を示している。この場
合においても、同一周回において常に外側となる線路と
常に内側となる線路の間で生じる線路長の不均一を最小
限に抑え、特性の良好なバランを得ることができる。
【0078】 さらに、上記説明では、適用例1に示した
バランを半導体基板上に形成する場合について述べた
、これに限らず、結合線路を使用した回路一般に適用
することができる。図15はパラレルラインバランの等
価回路と、それを構成する結合線路をスパイラル状に巻
き、かつその外形を四角形とした場合のパラレルライン
バランの構成を示す説明図である。このように、四角形
を構成する対向する辺に相当する部分の中央部に相当す
る位置で、内側の線路と外側の線路を交差させること
で、同一周回において常に外側となる線路と常に内側と
なる線路との間に生じる線路長の不均一を最小限に抑制
でき、特性劣化を防止することが可能となる。
【0079】 実施の形態. 上記適用例1から適用例7では、バランについて説明し
たが、次にこれらのバランを用いて構成したミクサにつ
いて説明する。図16はそのようなこの発明の実施の形
によるミクサを示す構成図であり、ここでは適用例
によるバランを用いて半導体基板上に構成したミクサ
について示している。
【0080】 図において、1は信号入力端子であり、2
aは入力信号バランとしてのRFバラン、2bはRFバ
ラン2aの入力端子、2cはRFバラン2aの第1の出
力端子、2dはRFバラン2aの第2の出力端子であ
る。3はLO波入力端子であり、4aはLOバラン、4
bはLOバラン4aの入力端子、4cはLOバラン4a
の第1の出力端子、4dはLOバラン4aの第2の出力
端子である。5a〜5dは第1〜第4のFET、10は
信号出力端子であり、30aは出力信号同相合成器とし
てのIF信号同相合成器、30bはIF信号同相合成器
30aの第1の入力端子、30cはIF信号同相合成器
30aの第2の入力端子、30dはIF信号同相合成器
30aの出力端子である。なお、これらは図1に同一符
号を付した部分に相当するものである。
【0081】 また、13aはRFバラン2aもしくはL
Oバラン4aの第1の結合線路であり、13bは同じく
第2の結合線路、13cは同じく第3の結合線路、13
dは同じく第4の結合線路である。39aは第1の結合
線路13aおよび第3の結合線路13cを並行に並べて
四角形のスパイラル状に巻き込んだ第1の4線条結合線
路であり、39bは第2の結合線路13bおよび第4の
結合線路13dを並行に並べて四角形のスパイラル状に
巻き込んだ第2の4線条結合線路である。52はその上
にRFバラン38a、LOバラン38c、IF信号同相
合成器30a、および第1〜第4のFET5a〜5dが
構成される半導体基板である。なお、これらは図9に同
一符号を付した部分と同等のものである。
【0082】 この実施の形態によるミクサにおいて
は、半導体基板52上に形成されるRFバラン2aおよ
びLOバラン4aとして、適用例4に示したバランを用
いている。なお、当該ミクサの動作は実施の形態1で説
明したものと同一であるため、ここではその説明は省略
する。このように、適用例4によるバランをRFバラン
2aおよびLOバラン4aとして用いることによって、
RF周波数およびLO周波数を広帯域な特性とすること
ができる。さらに、レジスティブミクサでは第1〜第4
のFET5a〜5dのドレイン端子とソース端子を直流
的に接地する必要があるが、RFバラン2aおよびLO
バラン4aに適用例4のバランを用いることでこれらの
条件が満たされるため、別に接地回路を設ける必要がな
くなる。
【0083】 以上のように、この実施の形態によれ
ば、RFバランやLOバランに適用例4によるバランを
用いているので、広帯域な特性を有するミクサを容易に
実現することができ、またFETのドレイン端子とソー
ス端子を直流的に接地するる回路を別途設ける必要がな
いため、ミクサの小形化も可能になるなどの効果が得ら
れる。
【0084】 なお、上記説明では、RFバランおよびL
Oバランとして、適用例4によるバランを用いたものを
示したが、適用例1から適用例7のいずれのバランを用
いてもよく、広帯域な特設を有するミクサが容易に実現
できるという効果が得られる。
【0085】 実施の形態. 上記適用例1および実施の形態においては、この発明
によるミクサについて説明したが、次に、そのミクサを
受信用ミクサとして用いた受信装置について説明する。
図17はそのようなこの発明の実施の形態による受信
装置の構成を示すブロック図であり、ここでは、受信用
ミクサとして実施の形態によるミクサを用いて受信装
置を構成したものとして説明する。
【0086】 図において、101aは受信アンテナ、1
02はこの受信アンテナ101aで受信したRF信号を
増幅する受信増幅器であり、103aは受信増幅器10
2で増幅されたRF信号の不要波成分を除去するための
帯域通過フィルタである。104aはこの不要波成分が
除去されたRF信号にLO信号を混合してIF信号に変
換する受信用ミクサ(ミクサ)であり、ここでは実施の
形態に示したミクサが用いられている。105はこの
受信用ミクサ104aに供給されるLO波を生成する局
部発振回路であり、103bは受信用ミクサ104aで
変換されたIF信号の不要波成分を除去するための帯域
通過フィルタ、106はこの不要波成分が除去されたI
F信号を入力して、伝送された元の信号を復調する復調
回路である。
【0087】 次に動作について説明する。受信アンテナ
101aで受信されたRF信号は受信増幅器102で増
幅された後、帯域通過フィルタ103aで不要波成分が
除去されて受信用ミクサ104aに入力される。この受
信用ミクサ104aには局部発振回路105よりLO波
が供給されており、受信用ミクサ104aは入力された
RF信号とこのLO波を混合して周波数変換を行い、I
F信号を生成して出力する。受信用ミクサ104aより
出力されたIF信号は、さらに帯域通過フィルタ103
bで不要波成分が除去されて復調回路106に送られ
る。復調回路106では、帯域通過フィルタ103bで
不要波成分が除去されたIF信号から、元の信号を再生
して出力端子17より出力する。
【0088】 ここで、従来のミクサはRFバランおよび
LOバランの周波数帯域は狭いものであったため、受信
装置の受信周波数範囲を広帯域としようとした場合、受
信周波数に応じた複数のミクサをあらかじめ用意してお
き、それらをスイッチで切り替えて、最適なものを選択
するなどの方法が取られていた。また、出力されるIF
信号の周波数も高いため、後段にさらにミクサを接続し
てさらに周波数変換を行い、復調回路の低い入力周波数
まで周波数を下げていた。しかし、受信用ミクサに実施
の形態に示したミクサを用いることで、受信周波数に
関係なく、一つの受信用ミクサで動作するようになり、
さらに出力されるIF信号の周波数も低くすることがで
きるので、後段に別のミクサを接続して周波数変換を行
うことなく、直接、復調回路へIF信号を入力すること
ができる。
【0089】 このように、この実施の形態によれば、
受信用ミクサとして実施の形態に示されたミクサを用
いているため、1つのミクサで広帯域な特性を有する受
信装置を実現できる効果が得られる。
【0090】 なお、上記説明では、受信用ミクサとし
て、実施の形態に示したミクサを用いた場合について
示したが、適用例1に示したミクサを用いてもよいこと
はいうまでもなく、上記説明の場合と同様の効果を奏す
る。
【0091】 実施の形態. 上記実施の形態では、受信用ミクサとして、実施の形
に示したミクサを用いた受信装置を示したが、その
ミクサを送信用ミクサとして用いて送信装置を構成する
ことも可能である。図18はそのようなこの発明の実施
の形態による送信装置の構成を示すブロック図であ
る。
【0092】 図において、104bはIF信号とLO波
を混合してRF信号に変換する送信用ミクサ(ミクサ)
であり、105はこの送信用ミクサ104bに供給され
るLO波を生成する局部発振回路である。なお、上記送
信用ミクサ104bとしては、実施の形態の受信用ミ
クサ104aと同様に、実施の形態に示したミクサが
用いられている。107は送信される元の信号を変調し
てこの送信用ミクサ104bに入力するIF信号を生成
する変調回路であり、103cはこの変調回路107か
らのIF信号より不要波成分を除去するための帯域通過
フィルタ、103dは送信用ミクサ104bより出力さ
れるRF信号より不要波成分を除去するための帯域通過
フィルタである。108は不要波成分が除去されたRF
信号を増幅する送信増幅器であり、101bはこの送信
増幅器108にて増幅されたRF信号を空間に放射する
送信アンテナである。
【0093】 次に動作について説明する。入力された送
信される元の信号は変調回路107にて変調され、生成
されたIF信号は帯域通過フィルタ103cで不要波成
分が除去されて送信用ミクサ104bに入力される。こ
の送信用ミクサ104bには局部発振回路105よりL
O波が供給されており、送信用ミクサ104bは入力さ
れたIF信号とこのLO波を混合して周波数変換を行
い、RF信号を生成して出力する。送信用ミクサ104
bより出力されたRF信号は、さらに帯域通過フィルタ
103dで不要波成分が除去されて送信増幅器108に
送られる。送信増幅器108では、帯域通過フィルタ1
03dにて不要波成分が除去されたRF信号を電力増幅
し、それを送信アンテナ101bより空間に放射する。
【0094】 この場合も、実施の形態に示したミクサ
を用いることで、送信用ミクサの特性が広帯域化される
ため、IF信号とRF信号の周波数差が大きくとも、一
つの送信用ミクサで動作するようになり、後段に別のミ
クサを接続してさらに周波数変換を行う必要もない。
【0095】 このように、この実施の形態によれば、
送信用ミクサとして実施の形態に示されたミクサを用
いているため、1つのミクサで広帯域な特性を有する送
信装置を実現できる効果が得られる。
【0096】 なお、上記説明では、送信用ミクサとし
て、実施の形態に示したミクサを用いた場合について
示したが、適用例1に示したミクサを用いてもよいこと
はいうまでもなく、上記説明の場合と同様の効果を奏す
る。
【0097】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、リン
グ状に接続したFETによるミクサから出力されるIF
出力もしくはRF出力を、出力信号同相合成器を用いて
同相合成しているので、バランを用いて逆相合成した場
合に比べて、出力される信号の帯域を広帯域化すること
ができ、また、半導体基板上に構成する際、出力信号同
相合成器は逆相合成を行うバランよりも回路構成が簡単
で、使用部品数も少ないため、回路の小形化も可能なミ
クサが得られる効果がある。
【0098】 この発明によれば、受信用ミクサに、請求
1に記載されたミクサを用いているので、広帯域な特
性を有する受信装置が得られる効果がある。
【0099】 この発明によれば、送信用ミクサに、請求
1に記載されたミクサを用いているので、広帯域な特
性を有する送信装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるミクサを示す
構成図である。
【図2】 実施の形態1によるミクサにおける信号の流
れを示す説明図である。
【図3】 実施の形態1によるミクサで用いられるIF
信号同相合成器を示す構成図である。
【図4】 適用例1によるバランを示す構成図である。
【図5】 適用例1によるバランの動作を示す説明図で
ある。
【図6】 適用例2によるバランを示す構成図である。
【図7】 適用例2によるバランにおけるインピーダン
スの関係を説明するための、結合線路の構造を示す概念
図である。
【図8】 適用例3によるバランを示す構成図である。
【図9】 適用例4によるバランの構成を示すパターン
図である。
【図10】 適用例4による他のバランの構成を示すパ
ターン図である。
【図11】 適用例5によるバランの構成を示すパター
ン図である。
【図12】 適用例6によるバランの構成を示すパター
ン図である。
【図13】 適用例7によるバランの構成を示すパター
ン図である。
【図14】 適用例7による他のバランの構成を示すパ
ターン図である。
【図15】 適用例7によるさらに他のバランの等価回
路と構成を示す説明図である。
【図16】 この発明の実施の形態によるミクサを示
す構成図である。
【図17】 この発明の実施の形態による受信装置を
示すブロック図である。
【図18】 この発明の実施の形態による送信装置を
示すブロック図である。
【図19】 従来のミクサを示す構成図である。
【図20】 従来のミクサにおける信号の流れを示す説
明図である。
【図21】 従来のミクサの動作を示す説明図である。
【図22】 従来のマーチャントバランを示す構成図で
ある。
【図23】 従来のマーチャントバランを構成する結合
線路のインピーダンスと比帯域の関係を示す説明図であ
る。
【図24】 従来のミクサで用いられるIFバランを示
す構成図である。
【図25】 半導体基板上に構成されたスパイラルイン
ダクタとMIMキャパシタを示す斜視図である。
【図26】 従来のマーチャントバランにおけるインピ
ーダンスの関係を説明するための、結合線路の構造を示
す概念図である。
【符号の説明】
1 信号入力端子、2a RFバラン(入力信号バラ
ン)、2b RFバランの入力端子(入力信号バランの
入力端子)、2c RFバランの第1の出力端子(入力
信号バランの第1の出力端子)、2d RFバランの第
2の出力端子(入力信号バランの第2の出力端子)、3
LO波入力端子、4a LOバラン、4b LOバラ
ンの入力端子、4c LOバランの第1の出力端子、4
d LOバランの第2の出力端子、5a 第1のFE
T、5b 第2のFET、5c 第3のFET、5d
第4のFET、6a 第1のFETのドレイン端子、6
b 第2のFETのドレイン端子、6c 第3のFET
のドレイン端子、6d 第4のFETのドレイン端子、
7a 第1のFETのゲート端子、7b 第2のFET
のゲート端子、7c 第3のFETのゲート端子、7d
第4のFETのゲート端子、8a 第1のFETのソ
ース端子、8b 第2のFETのソース端子、8c 第
3のFETのソース端子、8d 第4のFETのソース
端子、10 信号出力端子、13a 第1の結合線路、
13b 第2の結合線路、13c 第3の結合線路、1
3d 第4の結合線路、14a 第1の結合線路の入力
端子、14b 第2の結合線路の入力端子、14c 第
3の結合線路の入力端子、14d第4の結合線路の入力
端子、15a 第1の結合線路の結合端子、15b 第
2の結合線路の結合端子、15c 第3の結合線路の結
合端子、15d 第4の結合線路の結合端子、16a
第1の結合線路の出力端子、16b 第2の結合線路の
出力端子、16c 第3の結合線路の出力端子、16d
第4の結合線路の出力端子、17a 第1の結合線路
のアイソレーション端子、17b 第2の結合線路のア
イソレーション端子、17c 第3の結合線路のアイソ
レーション端子、17d 第4の結合線路のアイソレー
ション端子、18 バランの入力端子、19a バラン
の第1の出力端子、19b バランの第2の出力端子、
30aIF信号同相合成器(出力信号同相合成器)、3
0b IF信号同相合成器の第1の入力端子(出力信号
同相合成器の第1の入力端子)、30c IF信号同相
合成器の第2の入力端子(出力信号同相合成器の第2の
入力端子)、30dIF信号同相合成器の出力端子(出
力信号同相合成器の出力端子)、36a 第1の結合線
路を構成する第1の線路、36b 第2の結合線路を構
成する第1の線路、36c 第3の結合線路を構成する
第1の線路、36d 第4の結合線路を構成する第1の
線路、37a 第1の結合線路を構成する第2の線路、
37b第2の結合線路を構成する第2の線路、37c
第3の結合線路を構成する第2の線路、37d 第4の
結合線路を構成する第2の線路、101a 受信アンテ
ナ、101b 送信アンテナ、102 受信増幅器、1
04a 受信用ミクサ(ミクサ)、104b 送信用ミ
クサ(ミクサ)、105 局部発振回路、106 復調
回路、107 変調回路、108 送信増幅器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池松 寛 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 礒田 陽次 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−70481(JP,A) 特開 平8−204458(JP,A) 特開 平10−303653(JP,A) 特表2000−514988(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03D 7/12 - 7/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力端子と第1の出力端子および第2の
    出力端子を備え、信号入力端子より入力される入力信号
    の逆相分配を行う入力信号バランと、 入力端子と第1の出力端子および第2の出力端子を備
    え、LO波入力端子より入力されて前記入力信号に混合
    されるLO波の逆相分配を行うLOバランと、 第1の入力端子および第2の入力端子と出力端子を備
    え、前記入力信号とLO波を混合して得られた出力信号
    を同相合成して信号出力端子より出力する出力信号同相
    合成器と、 前記入力信号とLO波を混合して出力信号を得るための
    第1のFET、第2のFET、第3のFETおよび第4
    のFETとを有し、 前記第1のFETのドレイン端子と第2のFETのドレ
    イン端子に前記入力信号バランの第1の出力端子を接続
    し、 前記第3のFETのドレイン端子と第4のFETのドレ
    イン端子に前記入力信号バランの第2の出力端子を接続
    し、 前記第1のFETのソース端子と第4のFETのソース
    端子に前記出力信号同相合成器の第1の入力端子を接続
    し、 前記第2のFETのソース端子と第3のFETのソース
    端子に前記出力信号同相合成器の第2の入力端子を接続
    し前記第1のFETのゲート端子と第2のFETのゲー
    ト端子に前記LOバランの第1の出力端子を接続し、 前記第3のFETのゲート端子と第4のFETのゲート
    端子に前記LOバランの第2の出力端子を接続してなる
    ミクサ。
  2. 【請求項2】 RF信号とLO波を混合してIF信号を
    出力する、請求項1に記載のミクサと、 受信アンテナで受信されたRF信号を増幅して、前記ミ
    クサの信号入力端子に入力する受信増幅器と、 前記ミクサのLO波入力端子に供給するLO波を生成す
    る局部発振回路と、 前記ミクサの信号出力端子より出力されるIF信号を伝
    送された元の信号に復調する復調回路とを備えた受信装
    置。
  3. 【請求項3】 IF信号とLO波を混合してRF信号を
    出力する、請求項1に記載のミクサと、 伝送する元の信号を変調して前記ミクサの信号入力端子
    にIF信号として入力する変調回路と、 前記ミクサのLO波入力端子に供給するLO波を生成す
    る局部発振回路と、 前記ミクサの出力信号端子より出力されるRF信号を増
    幅して、送信アンテナより送信する送信増幅器とを備え
    た送信装置。
JP13576298A 1998-05-18 1998-05-18 ミクサ、送信装置および受信装置 Expired - Fee Related JP3481459B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13576298A JP3481459B2 (ja) 1998-05-18 1998-05-18 ミクサ、送信装置および受信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13576298A JP3481459B2 (ja) 1998-05-18 1998-05-18 ミクサ、送信装置および受信装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003192238A Division JP3717905B2 (ja) 2003-07-04 2003-07-04 バランおよびミクサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11330865A JPH11330865A (ja) 1999-11-30
JP3481459B2 true JP3481459B2 (ja) 2003-12-22

Family

ID=15159279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13576298A Expired - Fee Related JP3481459B2 (ja) 1998-05-18 1998-05-18 ミクサ、送信装置および受信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3481459B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002023714A1 (fr) * 2000-09-13 2002-03-21 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Melangeur resistif
US6661306B2 (en) * 2002-04-02 2003-12-09 Northrop Grumman Corporation Compact lumped element dual highpass/lowpass balun layout
KR100482692B1 (ko) * 2002-05-06 2005-04-14 주식회사 엔컴 밀리미터파 집적회로에 적용되는 이중 평형 혼합기

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11330865A (ja) 1999-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5774801A (en) High dynamic range mixer having low conversion loss, low local oscillator input power, and high dynamic range and a method for designing the same
JP2938392B2 (ja) 直接放送衛星伝送用シングルバランス形周波数ダウンコンバータと、ハイブリッド環状信号合成器
US5697088A (en) Balun transformer
US7847653B2 (en) Wide bandwidth microwave balun
US5886589A (en) Balanced to unbalanced transmission line transformers
US4751744A (en) Monolithic distributed mixer
US20110312295A1 (en) Double balanced mixer
JPH10335911A (ja) バラン回路及びバランス型周波数変換器
JP2004159342A (ja) 平衡分数調波ミクサ
US7164902B2 (en) Filter-integrated even-harmonic mixer and hi-frequency radio communication device using the same
US6950631B2 (en) Active receiving array antenna
JP4343374B2 (ja) シングルバランスミキサ
US5777527A (en) Method and apparatus for coupling a differential signal to an unbalanced port
US6891448B2 (en) Compact balun for 802.11a applications
JP3481459B2 (ja) ミクサ、送信装置および受信装置
US8362835B2 (en) Decade bandwidth planar MMIC four port transformer
WO2013001743A1 (ja) 半導体受信装置
Ojefors et al. A 94-GHz monolithic front-end for imaging arrays in SiGe: C technology
JP3717905B2 (ja) バランおよびミクサ
JP2004040768A (ja) 集中定数素子ハイブリッド
JP3452782B2 (ja) 偶高調波ミクサ、直交ミクサ、イメージリジェクションミクサ、送信装置および受信装置
JP3501949B2 (ja) バラン
JP3664657B2 (ja) ローノイズアンプ回路
JP4245342B2 (ja) ミクサ、受信装置及び送信装置
JP3399764B2 (ja) 高周波信号分配器、直交ミキサ及び送受信機

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071010

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081010

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091010

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091010

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101010

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees