JP3399764B2 - 高周波信号分配器、直交ミキサ及び送受信機 - Google Patents

高周波信号分配器、直交ミキサ及び送受信機

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JP3399764B2 JP00796397A JP796397A JP3399764B2 JP 3399764 B2 JP3399764 B2 JP 3399764B2 JP 00796397 A JP00796397 A JP 00796397A JP 796397 A JP796397 A JP 796397A JP 3399764 B2 JP3399764 B2 JP 3399764B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、小型化および高
精度化を図った高周波信号分配器、直交ミクサ及び送受
信機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は例えば、1992年電子情報通
信学会秋季大会の予稿集分冊2の404頁に示された従
来の高周波回路の高周波信号分配器を示す構成図であ
り、図において、1は高周波信号が印加される入力端
子、2は入力端子1より入力した高周波信号を同相かつ
等電力に2分配する同相電力分配器、3は同相電力分配
器2により分配された一方の高周波信号に対して位相を
+45度変化させる第1の移相回路、4は第1の出力端
子、5は同相電力分配器2により分配された他方の高周
波信号に対して位相を−45度変化させる第2の移相回
路、6は第2の出力端子である。
【0003】次に動作について説明する。まず、入力端
子1に印加された高周波信号は同相電力分配器2におい
て等振幅かつ同位相に2分配される。このうち一方は、
第1の移相回路3を介して第1の出力端子4に出力され
るとともに、他方は第2の移相回路5を介して第2の出
力端子6にそれぞれ出力される。第1の移相回路3およ
び第2の移相回路5は、通過する高周波信号に対し、中
心周波数において損失が等しく、位相がそれぞれ、概略
+45度と−45度変化するように設計されている。そ
のため、第1の出力端子4と第2の出力端子6には、振
幅が等しく、位相差が90度の信号が出力される。
【0004】図14は例えば、電子情報通信学会編「衛
星通信用マイクロ波回路」の63頁に示された従来の高
周波回路の分布定数回路を用いたウィルキンソン形電力
分配器を示す構成図であり、図において、7はウィルキ
ンソン形電力分配器を構成する第1の線路、8はウィル
キンソン形電力分配器を構成する第2の線路であり、そ
の長さは設計中心周波数f0 で1/4波長である。9は
アイソレーション抵抗であり、設計中心周波数において
この同相電力分配器の通過損失は3dB、第1、第2の
出力端子4、6間のアイソレーションは理論上、無限大
となる。
【0005】次にマイクロ波帯における移相回路につい
て説明する。図15は従来の高周波回路の移相回路を示
す構成図であり、図において、10は第1の入力端子、
11は第2の入力端子、12は移相回路を構成する第1
の線路、13は移相回路を構成する第2の線路であり、
第1の線路12の長さL1と第2の線路13の長さL2
の差が、中心周波数f0 において1/4波長となるよう
に設計されている。このため、第1の入力端子10と第
2の入力端子11とに位相の等しい周波数f0 の信号を
入力すれば、第1の出力端子4と第2の出力端子6では
位相が90度異なる信号を得ることができる。
【0006】しかし、UHF帯から、携帯電話やPHS
で用いられるような準マイクロ波帯では上記同相電力分
配器や移相回路は非常に大きな形状となっていた。この
理由としては、準マイクロ波帯の波長が長いため、ウィ
ルキンソン形電力分配器を構成する第1の線路7、第2
の線路8、および移相回路を構成する第1の線路12、
第2の線路13が長くなるためである。例えば、厚さ
0.4mmのガリウム砒素(GaAs)基板上では、設
計中心周波数を1.9GHzとすると1/4波長は約1
4mmとなる。線路を折り曲げて配置した場合でも、こ
れらの4本の線路の占める面積は5mm×5mm以上に
なる。
【0007】この点を改善する方策の一つに回路素子を
集中定数素子とする方法がある。図16はGaAs基板
上に集中定数素子を用いて構成した従来の高周波回路の
高周波信号分配器を示す構成図であり、図において、1
4aは第1のスパイラルインダクタ、14bは第2のス
パイラルインダクタ、14cは第3のスパイラルインダ
クタ、14dは第4のスパイラルインダクタである。1
5aは第1のMIMキャパシタ、15bは第2のMIM
キャパシタ、15cは第3のMIMキャパシタ、15d
は第4のMIMキャパシタ、15eは第5のMIMキャ
パシタ、15fは第6のMIMキャパシタ、15gは第
7のMIMキャパシタである。
【0008】16は薄膜抵抗、2bは第1のスパイラル
インダクタ14aおよび第2のスパイラルインダクタ1
4bと第1のMIMキャパシタ15a、第2のMIMキ
ャパシタ15bおよび第3のMIMキャパシタ15cお
よび薄膜抵抗16で構成されたウィルキンソン形電力分
配器であり、上記図14に示す線路を用いたウィルキン
ソン形電力分配器を集中定数素子化したものである。1
7は第3のスパイラルインダクタ14c、第4のMIM
キャパシタ15dおよび第5のMIMキャパシタ15e
で構成された高域通過フィルタ(HPF)、18は第4
のスパイラルインダクタ14dと第6のMIMキャパシ
タ15f、第7のMIMキャパシタ15gで構成された
低域通過フィルタ(LPF)であり、それぞれ、図13
に示す高周波信号分配器における第1、第2の移相回路
3、5として用いている。
【0009】図17は線路の等価回路を示す構成図であ
り、図において、19はインダクタンス、20aは第1
のキャパシタ、20bは第2のキャパシタである。これ
を用いてウィルキンソン形電力分配器を構成する第1、
第2の線路7、8を集中定数素子に置き換えている。置
き換えられた集中定数素子のうち、インダクタンスLは
スパイラルインダクタで、キャパシタCはMIMキャパ
シタでそれぞれ実現している。
【0010】図18はHPFの通過移相とLPFの通過
移相および位相差の周波数数特性を示す波形図である。
一般にHPFは通過する信号の位相が進み、LPFは通
過する信号の位相が遅れる特性をもつ。したがって、中
心周波数f0 において、θ1=45度、θ2=−45度
となるように設計することで、2つの回路を通過する信
号の位相差θ1−θ2を90度とすることができる。上
記図16に示す高周波信号分配器においては、HPFお
よびLPFをインダクタンスとキャパシタで構成し、こ
れをスパイラルインダクタおよびMIMキャパシタで実
現している。
【0011】以上のように、高周波信号分配器の回路素
子に集中定数素子を用いることで、上記図16に示す高
周波信号分配器では、設計中心周波数を1.9GHzと
した場合の外形寸法を1.5mm×1.3mmまで小形
化している。
【0012】以上の高周波信号分配器は全て受動回路で
構成されているため、図19に示すように高周波信号合
成器としても動作させることができる。図19は高周波
信号分配器を高周波信号合成器としても動作させたとき
の信号の流れを示す構成図であり、図19中の矢印は高
周波信号合成器として動作させた場合の信号の流れを示
す。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の高周波信号分配
器は以上のように構成されているので、インダクタンス
Lを実現するためにスパイラルインダクタを用いている
ため、設計中心周波数がUHF帯から携帯電話やPHS
で用いられるような準マイクロ波帯の場合には、必要な
インダクタンス値が大きくなり、スパイラルインダクタ
の形状が大きくなるという問題があった。例えば、Ga
As基板上において、中心周波数1.9GHzのウィル
キンソン形電力分配器を実現しようとした場合、必要な
インダクタンスの値は5.9nHとなる。これを線路幅
10um、線路間隔10umのスパイラルインダクタで
得ようとすると、その外形は300um×300um以
上となり、図16に示す高周波信号分配器中のウィルキ
ンソン形分配器の占める面積のうち、スパイラルインダ
クタの占める割合は60%以上となっており、高周波信
号分配器の小型化を妨げるなどの課題があった。
【0014】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、小型化な高周波信号分配器、直
ミクサ及び送受信機を得ることを目的とする。
【0015】また、この発明は、位相精度および振幅精
度の高い高周波信号分配器、直交ミクサ及び変調精度の
高い送信機および復調精度の高い受信機を得ることを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項記載の発明に係
る高周波信号分配器は、第1および第2の電界効果トラ
ンジスタを用いて構成された第1,第2のソースフォロ
ワ回路と、第1および第2の移相回路とからなり、第1
のソースフォロワ回路の入力端子と第2のソースフォロ
ワ回路の入力端子とを高周波的に接続し、第1のソース
フォロワ回路の出力端子と第1の移相回路とを高周波的
に接続し、第2のソースフォロワ回路の出力端子と第2
の移相回路とを高周波的に接続してなる高周波信号分配
器であって、第1および第2の移相回路の少なくても一
方が複数のインダクタおよび複数のキャパシタからなる
高域通過フィルタで構成され、さらに高域通過フィルタ
を構成する直列のキャパシタをソースフォロワ回路に対
する直流遮断素子としたものである。
【0017】請求項記載の発明に係る高周波信号分配
器は、第1および第2の電界効果トランジスタを有し、
第1および第2の電界効果トランジスタを用いて構成さ
れた第1および第2のソースフォロワ回路と、第1およ
び第2の直流遮断用キャパシタと、第1および第2の移
相回路とからなり、第1のソースフォロワ回路の入力端
子と第2のソースフォロワ回路の入力端子とを高周波的
に接続し、第1のソースフォロワ回路の出力端子と第1
の直流遮断用キャパシタとを接続し、第1の直流遮断用
キャパシタと第1の移相回路とを接続し、第2のソース
フォロワ回路の出力端子と第2の直流遮断用キャパシタ
とを接続し、第2の直流遮断用キャパシタと第2の移相
回路とを接続してなる高周波信号分配器であって、第1
および第2の移相回路の少なくても一方が複数のインダ
クタおよび複数のキャパシタからなる低域通過フィルタ
で構成され、さらに所定の移相量が得られるように低域
通過フィルタを構成する直列のインダクタのインダクタ
ンス値を第1および第2の直流遮断用キャパシタの少な
くても一方に合わせて補正したものである。
【0018】請求項記載の発明に係る高周波信号分配
器は、第1および第2の電界効果トランジスタを用いて
構成された第1および第2のソースフォロワ回路と、第
1および第2の移相回路とからなり、第1のソースフォ
ロワ回路の入力端子と第2のソースフォロワ回路の入力
端子とを高周波的に接続し、第1のソースフォロワ回路
の出力端子と第1の移相回路とを高周波的に接続し、第
2のソースフォロワ回路の出力端子と第2の移相回路と
を高周波的に接続してなる高周波信号分配器であって、
第1および第2の移相回路の少なくても一方が複数のイ
ンダクタおよび複数のキャパシタからなる低域通過フィ
ルタで構成され、さらに低域通過フィルタを構成する直
列のインダクタに直流遮断用のキャパシタを直列接続
し、所定の移相量が得られるように低域通過フィルタを
構成する直列のインダクタのインダクタンス値を直流遮
断用のキャパシタに合わせて補正したものである。
【0019】請求項4記載の発明に係る高周波信号分配
器は、請求項1から請求項3に記載された高周波信号分
配器において、電界効果トランジスタに代わってトラン
ジスタを用いるようにしたものである。
【0020】請求項記載の発明に係る直交ミクサは、
請求項1から請求項4に記載された高周波信号分配器
と、高周波信号入力端子と局部発振波入力端子とベース
バンド信号出力端子とを有し、高周波信号と局部発振波
とを入力してベースバンド信号を出力する第1、第2の
単位ミクサとからなり、高周波信号分配器の第1の出力
端子と第1の単位ミクサの高周波信号入力端子とを高周
波的に接続し、高周波信号分配器の第2の出力端子と第
2の単位ミクサの高周波信号入力端子とを高周波的に接
続したものである。
【0021】請求項記載の発明に係る直交ミクサは、
請求項1から請求項4に記載された高周波信号分配器
と、高周波信号入力端子と局部発振波入力端子とベース
バンド信号出力端子とを有し、高周波信号と局部発振波
とを入力してベースバンド信号を出力する第1、第2の
単位ミクサと、第1および第2の電界効果トランジスタ
を有し、第1および第2の電界効果トランジスタを用い
て構成された第1および第2のゲート接地回路とからな
り、高周波信号分配器の第1の出力端子と第1のゲート
接地回路の入力端子とを高周波的に接続し、第1のゲー
ト接地回路の出力端子と第1の単位ミクサの高周波信号
入力端子とを高周波的に接続し、高周波信号分配器の第
2の出力端子と第2のゲート接地回路の入力端子とを高
周波的に接続し、第2のゲート接地回路の出力端子と第
2の単位ミクサの高周波信号入力端子とを高周波的に接
続したものである。
【0022】請求項記載の発明に係る直交ミクサは、
請求項5または請求項6に記載された直交ミクサにおい
て、電界効果トランジスタの代わりにトランジスタを用
いるようにしたものである。
【0023】請求項記載の発明に係る送受信機は、
求項5から請求項7に記載された直交ミクサを用いるよ
うにしたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の参考例および
施の一形態を説明する。参考例1 . 図1はこの発明の参考例1による高周波回路の高周波信
号分配器を示す構成図であり、図において、1は高周波
信号が印加される入力端子、20は第1のソースフォロ
ワ回路21と第2のソースフォロワ回路22の入力端子
を高周波的に接続して構成される同相電力分配器、23
は電界効果トランジスタ、24は電源端子、25は電界
効果トランジスタ23のドレイン端子と接地とを高周波
的に短絡するバイパスコンデンサ、26は電界効果トラ
ンジスタの動作点を決定するバイアス用抵抗である。3
は同相電力分配器20により分配された一方の高周波信
号に対して位相を変化させる第1の移相回路、4は第1
の出力端子、5は同相電力分配器20により分配された
他方の高周波信号に対して位相を変化させる第2の移相
回路、6は第2の出力端子である。
【0025】 次に動作について説明する。入力端子1に
印加された高周波信号は、第1のソースフォロワ回路2
1と第2のソースフォロワ回路22からなる同相電力分
配器20を経て、等振幅かつ同位相の信号に分配され、
第1の移相回路3および第2の移相回路5に出力され
る。例えば、第1の移相回路3を高域通過フィルタとし
て通過する信号の位相が45度進み、第2の移相回路5
を低域通過フィルタとして通過する信号の位相が45度
遅れるように設定すれば、第1の出力端子4および第2
の出力端子6に出力される高周波信号の位相を90度異
なるものにできる。
【0026】 以上のように、この参考例1によれば、第
1のソースフォロワ回路21および第2のソースフォロ
ワ回路22からなる同相電力分配器20は、電界効果ト
ランジスタ23、バイパスコンデンサ25およびバイア
ス用抵抗26から構成され、大きな面積を有する線路や
スパイラルインダクタを用いないため、高周波信号分配
器を小形に構成できるなどの効果が得られる。
【0027】 また、第1のソースフォロワ回路21およ
び第2のソースフォロワ回路22の出力インピーダンス
は、広帯域にわたって第1の移相回路3および第2の移
相回路5の特性インピーダンスと等しくなるように設定
できるため、第1の移相回路3および第2の移相回路5
の入力端での反射を抑制し、反射した高周波信号とソー
スフォロワ回路から出力された高周波信号が干渉して生
じる振幅精度と位相精度の劣化を抑制する効果が得られ
る。
【0028】 さらに、同相電力分配器20は能動素子を
用いているため、能動素子の端子間の高いアイソレーシ
ョン特性により、受動素子を用いた同相電力分配器に比
べて広い周波数範囲にわたって出力端子間のアイソレー
ション特性を良好なものにできる。従って、第1の移相
回路3の入力端で反射した高周波信号が同相電力分配器
20を経て第2の移相回路5へ漏洩し、第2の移相回路
5を通過する高周波信号と干渉した場合に生じる振幅精
度と位相精度の劣化を抑制する効果が得られる。
【0029】参考例2 . 図2はこの発明の参考例2による高周波信号分配器を示
す構成図であり、図において、参考例1と同一の符号に
ついては同一または相当部分を示すので説明を省略す
る。上記参考例1では、同相電力分配器20を構成する
第1のソースフォロワ回路21および第2のソースフォ
ロワ回路22の出力端子と、通過信号の位相を変化させ
る第1の移相回路3および第2の移相回路5の入力端子
とを直接接続しているものについて示したが、図2に示
すように、同相電力分配器20を構成する第1のソース
フォロワ回路21および第2のソースフォロワ回路22
の出力端子と、通過信号の位相を変化させる第1の移相
回路3および第2の移相回路5の入力端子との間に、第
3のソースフォロワ回路27および第4のソースフォロ
ワ回路28を新たに設けてもよい。
【0030】 以上のように、この参考例2によれば、第
3のソースフォロワ回路27および第4のソースフォロ
ワ回路28を設けることにより、第1の移相回路3およ
び第2の移相回路5の入力端子間のアイソレーョン特性
参考例1のものよりもさらに改善できる。このため、
第1の移相回路3および第2の移相回路5の入力端で反
射した高周波信号がもう一方の移相回路へ漏洩するのを
防ぎ、振幅精度および位相精度の劣化を抑制する効果が
得られる。
【0031】 また、同相電力分配器20は、電界効果ト
ランジスタ23、バイパスコンデンサ25およびバイア
ス用抵抗26から構成され、大きな面積を有する線路や
スパイラルインダクタを用いないため、小形に構成でき
る効果が得られる。なお、参考例2においては、同相電
力分配器20として、参考例1で述べた第1のソースフ
ォロワ回路21、第2のソースフォロワ回路22で構成
された同相電力分配器20を用いたが、本発明はこれに
限らず、2つのソース接地回路あるいはゲート接地回路
を用い、これらの入力端子を高周波的に接続してなる同
相電力分配器でも同様な効果が得られる。
【0032】参考例3 . 図3はこの発明の参考例3による高周波信号合成器を示
す構成図であり、図において、参考例1と同一の符号に
ついては同一または相当部分を示すので説明を省略す
る。10は第1の入力端子、11は第2の入力端子、2
9は第1のゲート接地回路、30は第2のゲート接地回
路、31は第1のゲート接地回路29と第2のゲート接
地回路30と出力端子を高周波的に接続して構成される
同相電力合成器、32は出力端子である。
【0033】 同相電力合成器31は、電界効果トランジ
スタ23およびバイアス用抵抗26から構成され、大き
な面積を有する線路やスパイラルインダクタを用いない
ため、図3に示す高周波信号合成器を小形に構成できる
効果が得られる。また、ゲート接地回路は低入力インピ
ーダンスを有するので、第1のゲート接地回路29およ
び第2のゲート接地回路30からなる同相電力合成器3
1の入力端子と、マイクロ波帯で用いられる入出力イン
ピーダンスが50オームの移相回路3,5とを整合回路
を設けることなく接続することができる効果が得られ
る。
【0034】 また、この参考例3における同相電力合成
器は31、能動素子を用いている。そのため、能動素子
の端子間の高アイソレーション特性により、受動素子を
用いた同相電力分配器に比べて広い周波数範囲にわたっ
て出力端子間のアイソレーション特性を良好なものとで
きる。したがって、第1のゲート接地回路29を介して
出力端子32に達した高周波信号の一部が第2の移相回
路5へと漏洩し、第2の移相回路5を通過する高周波信
号と干渉して生じる位相精度の劣化を抑制することがで
き、第1,第2の移相回路3,5の出力端での反射を抑
制して反射された高周波信号と第1,第2の移相回路
3、5から出力された信号が干渉して生じる振幅精度と
位相精度との劣化を抑制する効果が得られる。
【0035】参考例4 . 図4はこの発明の参考例4による高周波信号合成器を示
す構成図であり、図において、参考例1および参考例3
と同一の符号については同一または相当部分を示すので
説明を省略する。上記参考例3では、同相電力合成器3
1を構成する第1のゲート接地回路29と通過信号の位
相を変化させる第1の移相回路3および同相電力合成器
31を構成する第2のゲート接地回路30と通過信号の
位相を変化させる第2の移相回路5を直接接続している
ものについて示したが、図4に示すように、第1のゲー
ト接地回路29と第1の移相回路3との間に第1のソー
スフォロワ回路21を、第2のゲート接地回路30と第
2の移相回路5との間に第2のソースフォロワ回路22
を新たに設けてもよい。
【0036】 以上のように、この参考例4によれば、第
1の移相回路3および第2の移相回路5の出力端子間の
アイソレーション特性を参考例3よりもさらに改善でき
るため、第1の移相回路3と同相電力合成器31を経て
出力端子32に達した高周波信号が、第2の移相回路5
へ漏洩するのを防ぎ、振幅精度と位相精度の劣化を抑制
する効果が得られる。
【0037】 また、同相電力合成器31は電界効果トラ
ンジスタ23、およびバイアス用抵抗26から構成さ
れ、大きな面積を有する線路やスパイラルインダクタを
用いないため、高周波信号合成器を小形に構成できる効
果が得られる。
【0038】 なお、この参考例4において、参考例3
示した第1のゲート接地回路29および第2のゲート接
地回路30で構成された同相電力合成器31を用いた
が、本発明はこれに限らず、2つのソース接地回路ある
いはゲート接地回路を用い、これらの出力端子を高周波
的に接続してなる同相電力合成器でも同様な効果が得ら
れる。
【0039】 実施の形態. 図5はこの発明の実施の形態による高周波信号分配器
を示す構成図であり、図において、参考例1と同一の符
号については同一または相当部分を示すので説明を省略
する。33aは電界効果トランジスタ23の前段に設け
られた直流遮断用キャパシタ(第1の直流遮断用キャパ
シタ)、33bは電界効果トランジスタ23の前段に設
けられた直流遮断用キャパシタ(第2の直流遮断用キャ
パシタ)、33cは第2の移相回路の前段に設けられた
直流遮断用キャパシタ(第3の直流遮断用キャパシ
タ)、37は第1のキャパシタ34(複数のキャパシ
タ),第2のキャパシタ(複数のキャパシタ)35およ
びインダクタ36から構成される高域通過フィルタであ
り、移相回路として用いている。
【0040】 参考例1 から参考例4では、高周波信号に
対する動作の説明を行っているために省略しているが、
電界効果トランジスタ23等の能動素子を用いた回路で
は、通常その入出力端に直流遮断用のキャパシタを設け
ている。これは前段ないしは後段の回路にバイアス電圧
が印加しないようにするためであり、この実施の形態
に示す高周波信号分配器においては、第1のソースフォ
ロワ回路21、第2のソースフォロワ回路22を構成す
る電界効果トランジスタ23のゲート端子および第2の
ソースフォロワ回路22と第2の移相回路5との間に直
流遮断用のキャパシタ33a、33b、33cを設けて
いる。
【0041】 しかし、高域通過フィルタ37を構成する
第1のキャパシタ34を直流遮断用にも用いているた
め、第1のソースフォロワ回路21と高域通過フィルタ
37の間には直流遮断用のキャパシタを設けていない。
したがって、この実施の形態によれば、上記の理由に
より、高周波信号分配器を構成する部品数を減らすこと
ができる効果が得られる。
【0042】 実施の形態. 図6はこの発明の実施の形態による高周波信号分配器
を示す構成図であり、図において、参考例1および実施
の形態と同一の符号については同一または相当部分を
示すので説明を省略する。41は第1のインダクタ(複
数のインダクタ)38および第2のインダクタ(複数の
インダクタ)39とキャパシタ40で構成された低域通
過フィルタであり、移相回路として用いている。なお、
第1のインダクタ38のインダクタンス値を第2のイン
ダクタ39のインダクタンス値に比べて大きくしてい
る。第1のソースフォロワ回路21および第2のソース
フォロワ回路22を構成する電界効果トランジスタ23
のゲート端子と、第1のソースフォロワ回路21と第1
の移相回路14の間、および第2のソースフォロワ回路
22と低域通過フィルタ41の間にはそれぞれ、直流遮
断用のキャパシタ33a、33b、33c、33dを設
けている。
【0043】 低域通過フィルタ41は通常、フィルタ単
体で所望の移相量を得られるように設計されているとと
もに、第1のインダクタ38のインダクタンス値と第2
のインダクタ39のインダクタンス値は同一である。し
かし、このような低域通過フィルタ41を直流遮断用の
キャパシタ33dを介して同相電力分配器2に接続した
場合、直流遮断用のキャパシタ33dの持つ容量成分が
通過する信号の位相に影響をもたらし、位相誤差が生じ
る。
【0044】 以上のように、この実施の形態によれ
ば、このような位相誤差を抑制するため、直流遮断用の
キャパシタ33dの持つ容量成分を打ち消すように、第
1のインダクタ38のインダクタンス値を第2のインダ
クタ39のインダクタンス値よりも大きくしている。こ
れにより所望の移相量を得ることができ、位相誤差を抑
制することができる効果が得られる。
【0045】 実施の形態. 図7はこの発明の実施の形態による高周波信号分配器
を示す構成図であり、図において、参考例1および実施
の形態1,2と同一の符号については同一または相当部
分を示すので説明を省略する。46はインダクタ42と
第1のキャパシタ(複数のキャパシタ)43、第2のキ
ャパシタ(複数のキャパシタ)44、第3のキャパシタ
(複数のキャパシタ)45で構成された低域通過フィル
タである。また、第1のソースフォロワ回路21、第2
のソースフォロワ回路22を構成する電界効果トランジ
スタ23のゲート端子および、第1のソースフォロワ回
路21と第1の移相回路3の間には直流遮断用のキャパ
シタ33a,33b,33cを設けている。
【0046】 上記低域通過フィルタ46は通常、インダ
クタ42と第1のキャパシタ43、第2のキャパシタ4
4とで所望の位相を得られるように設計されている。し
かし、このような低域通過フィルタ46を同相電力分配
器20に接続すると、第2のソースフォロワ回路22の
出力端子に生じる直流電圧が第2の出力端子6を介して
後段の回路にも印加されてしまう。これを防ぐため、本
実施の形態では第3のキャパシタ45を設け、直流電
圧の遮断を図っている。
【0047】 また、単に第3のキャパシタ45を設けた
だけでは、その容量成分が通過する信号の位相に影響を
もたらし、位相誤差が生じてしまう。本実施の形態
はこのような位相誤差を抑制するため、第3のキャパシ
タ45の持つ容量成分を打ち消すようにインダクタ42
のインダクタンス値を本来の値よりも大きくしている。
以上のように、この実施の形態によれば、所望の位相
を得ることができ、位相誤差を抑制することができる効
果が得られる。
【0048】 実施の形態. 図8はこの発明の実施の形態による直交ミクサを示す
構成図であり、図において、参考例1および実施の形態
から実施の形態と同一の符号については同一または
相当部分を示すので説明を省略する。47は参考例1
示す高周波信号分配器であり、出力信号の位相差が90
度となるように設定されている。48、49はそれぞれ
第1の単位ミクサ、第2の単位ミクサであり、高周波信
号入力端子と局部発振波入力端子とベースバンド信号出
力端子とを有し、高周波信号と局部発振波とを入力して
ベースバンド信号を出力する。50は直交ミクサの局部
発振波入力端子であり、この端子に印加された局部発振
波が等分配され、第1の単位ミクサ48、第2の単位ミ
クサ49の局部発振波入力端子に加えられる。
【0049】 入力端子1に印加された高周波信号は、高
周波信号分配器47によって等振幅で位相が90度異な
る信号に分配される。この高周波信号は第1の単位ミク
サ48、第2の単位ミクサ49の高周波信号入力端子に
印加され、それぞれベースバンド信号に変換され、第1
の出力端子4、第2の出力端子6に出力される。
【0050】 以上のように、本実施の形態における直
交ミクサでは、参考例1に示す高周波信号分配器47を
用いているので、小形に形成できる効果が得られる。ま
た、高周波信号分配器47のアイソレーション特性が広
帯域にわたって良好であるため、高周波信号分配器47
を介して単位ミクサ間で生じる高周波信号の干渉を抑制
でき、これにより、良好な直交精度を持つ直交ミクサを
構成できる効果が得られる。
【0051】 なお、実施の形態では参考例1に示す高
周波信号分配器を用いたが、本発明はこれに限らず、
考例2および実施の形態から実施の形態に示す高周
波信号分配器を用いた場合にも適用できる。
【0052】 実施の形態. 図9はこの発明の実施の形態による直交ミクサを示す
構成図であり、図において、参考例1および実施の形態
から実施の形態と同一の符号については同一または
相当部分を示すので説明を省略する。高周波信号分配器
47と第1の単位ミクサ48および第2の単位ミクサ4
9との間に第1のゲート接地回路29および第2のゲー
ト接地回路30を設けている。また、高周波信号分配器
47は出力信号の位相差が90度となるように設定され
ている。
【0053】 ゲート接地回路は入力インピーダンスが低
く、出力インピーダンスが高いという特徴を有する。ま
た、マイクロ波帯において移相回路の出力インピーダン
スは通常50オームであり、単位ミクサの高周波信号入
力端子のインピーダンスはこれに比べると高く、例えば
ダイオードミクサでは100オーム以上となる。
【0054】 以上のように、この実施の形態によれ
ば、第1の移相回路3と第1の単位ミクサ48の間に第
1のゲート接地回路29を、第2の移相回路5と第2の
単位ミクサ49の間に第2のゲート接地回路30を設け
ることで、移相回路と単位ミクサとの間の整合をはか
り、単位ミクサの入力端で生じる高周波信号の反射を抑
制できる効果が得られる。
【0055】 さらに、アイソレーション特性が良好なゲ
ート接地回路を設けることで、一方の単位ミクサからも
う一方の単位ミクサへの信号の漏洩を抑制でき、これに
より高周波信号分配器47を介した第1、第2の単位ミ
クサ48、49間の高周波信号の干渉を抑えることがで
きるため、直交ミクサの直交精度を高められる効果が得
られる。
【0056】 なお、実施の形態では参考例1に示す高
周波信号分配器を用いたが、本発明はこれに限らず、
考例2および実施の形態から実施の形態に示す高周
波信号分配器を用いた場合にも適用できる。
【0057】参考例5 . 図10はこの発明の参考例5による直交ミクサを示す構
成図であり、図において、参考例3および実施の形態
から実施の形態と同一の符号については同一または相
当部分を示すので説明を省略する。51、52は第3の
単位ミクサおよび第4の単位ミクサであり、ベースバン
ド信号入力端子と局部発振波入力端子と高周波信号出力
端子とを有し、ベースバンド信号と局部発振波とを入力
して高周波信号を出力する。53は参考例3に示す高周
波信号合成器であり、第1の移相回路3、第2の移相回
路5で2つの入力信号の位相差を90度としたあと、同
相電力合成器31でこれらの信号を合成する。
【0058】 次に動作について説明する。第1の入力端
子10、第2の入力端子11に印加された2つのベース
バンド信号はそれぞれ、第3の単位ミクサ51、第4の
単位ミクサ52において高周波信号に変換され、高周波
信号合成器53に入力される。ここで位相が90度ずれ
た状態で合成され、出力端子32に出力される。
【0059】 以上のように、この参考例5によれば、
考例3に示す高周波信号合成器を用いているので、小形
に形成できる効果が得られる。また、高周波信号合成器
53のアイソレーション特性が広帯域にわたって良好で
あるため、高周波信号合成器53を介して単位ミクサ間
で生じる高周波信号の干渉を抑制でき、これにより、良
好な直交精度を持つ直交ミクサを構成することができる
効果が得られる。
【0060】 なお、参考例5では参考例3に示す高周波
信号合成器を用いたが、本発明はこれに限らず、参考例
に示す高周波信号合成器を用いた場合にも適用でき
る。
【0061】参考例6 . 図11はこの発明の参考例6による高周波回路の直交ミ
クサを示す構成図であり、図において、参考例3、5
よび実施の形態と同一の符号については同一または相
当部分を示すので説明を省略する。第3の単位ミクサ5
1および第4の単位ミクサ52と高周波信号合成器53
との間に第1のソースフォロワ回路21および第2のソ
ースフォロワ回路22を設けている。また高周波信号合
成器51は、第1の移相回路3および第2の移相回路5
で2つの入力信号の位相差を90度としたあと、同相電
力合成器31でこれらの信号を合成する。
【0062】 ソースフォロワ回路22は入力インピーダ
ンスが高く、出力インピーダンスが低いという特徴を有
する。また、マイクロ波帯において移相回路の入力イン
ピーダンスは通常50オームである。単位ミクサの高周
波信号出力端子のインピーダンスはこれに比べると高
く、例えばダイオードミクサでは100オーム以上とな
る。
【0063】 以上のように、この参考例6によれば、第
3の単位ミクサ51と第1の移相回路3との間に第1の
ソースフォロワ回路21を、第2の単位ミクサ52と第
2の移相回路5との間に第2のソースフォロワ回路22
を設けることで、単位ミクサと移相回路との間の整合を
はかり、移相回路の入力端で生じる高周波信号の反射を
抑制できる効果が得られる。
【0064】 また、アイソレーション特性が良好な第
1,第2のソースフォロワ回路21,22を設けること
で、一方の単位ミクサからもう一方の単位ミクサへの信
号の漏洩を抑制でき、これにより高周波信号合成器53
を介した第3の単位ミクサ51、第4の単位ミクサ52
間の高周波信号の干渉を抑えることができ、直交精度を
高めることができる効果が得られる。
【0065】 なお、参考例6では参考例3に示す高周波
信号合成器を用いたが、本発明はこれに限らず、参考例
に示す高周波信号合成器を用いた場合にも適用でき
る。
【0066】 実施の形態. 上記参考例1から参考例6および実施の形態1から実施
の形態5までに示す高周波信号分配器または直交ミクサ
では能動素子として電界効果トランジスタを用いている
ものを示したが、トランジスタで構成してもよく、上記
の効果を得ることができる。
【0067】 実施の形態. 上記、参考例1から参考例6および実施の形態1から実
施の形態5に示した直交ミクサを用いて送受信機を構成
することで、小形で変復調精度の良好な送受信機を構成
することができる効果が得られる。
【0068】参考例7 . 図12はこの発明の参考例7による高周波信号分配器の
移相回路を示す構成図であり、図において、54はモノ
リシック基板、58は第1のMIMキャパシタ55およ
び第2のMIMキャパシタ56と第1のスパイラルイン
ダクタ(スパイラルインダクタ)57から構成されるT
形高域通過フィルタである。また、62は第3のMIM
キャパシタ59および第4のMIMキャパシタ60と第
1のスパイラルインダクタ(スパイラルインダクタ)6
1から構成されるπ形低域通過フィルタである。63は
地導体(導体部)、64は地導体に接続された線路であ
る。
【0069】 T形高域通過フィルタ58は通過信号の位
相を進める移相回路、π形低域通過フィルタ62は通過
信号の位相を遅らす移相回路として動作する。また、π
形低域通過フィルタ62を構成する第2のスパイラルイ
ンダクタ61の導体部を、T形高域通過フィルタ58の
素子接続用の線路および第1のスパイラルインダクタ5
7の導体部よりも厚くしている。
【0070】 スパイラルインダクタは、モノリシック基
板上に導体をスパイラル形状に配置してインダクタとし
て利用する素子であり、所要のインダクタンス値が大き
くなるとその外形も大きくなり、それに伴って導体長が
長くなり、抵抗成分が増加し、通過損失が大きくなる。
モノリシック基板上に形成されたπ形低域通過フィルタ
62はその信号の経路上に第2のスパイラルインダクタ
61を含むため、T形高域通過フィルタ58に比べて通
過損失が大きくなる。
【0071】 以上のように、この参考例7によれば、第
2のスパイラルインダクタ61の導体部を、T形高域通
過フィルタ58の素子接続用の線路および第1のスパイ
ラルインダクタ57の導体部よりも厚くすることで、2
つの移相回路の通過損失を等しくし、本移相回路を用い
た高周波信号分配器の振幅誤差を抑制する効果が得られ
る。
【0072】 なお、参考例7においては高周波信号分配
器を構成する移相回路への適用例を示したが、本発明は
これに限らず、高周波信号合成器を構成する移相回路へ
も適用できる。
【0073】
【発明の効果】 以上のように、 請求項記載の発明によ
れば、第1および第2の電界効果トランジスタを用いて
構成された第1および第2のソースフォロワ回路と、第
1および第2の移相回路とからなり、第1のソースフォ
ロワ回路の入力端子と第2のソースフォロワ回路の入力
端子とを高周波的に接続し、第1のソースフォロワ回路
の出力端子と第1の移相回路とを高周波的に接続し、第
2のソースフォロワ回路の出力端子と第2の移相回路と
を高周波的に接続してなる高周波信号分配器であって、
第1および第2の移相回路の少なくても一方が複数のイ
ンダクタおよび複数のキャパシタからなる高域通過フィ
ルタで構成され、さらに高域通過フィルタを構成する直
列のキャパシタをソースフォロワ回路に対する直流遮断
素子とするように構成したので、同相電力分配器と移相
回路の間に直流遮断用のキャパシタを設ける必要がなく
なり、素子数を削減できる効果がある。
【0074】 請求項記載の発明によれば、第1および
第2の電界効果トランジスタを有し、第1および第2の
電界効果トランジスタを用いて構成された第1および第
2のソースフォロワ回路と、第1および第2の直流遮断
用キャパシタと、第1および第2の移相回路とからな
り、第1のソースフォロワ回路の入力端子と第2のソー
スフォロワ回路の入力端子とを高周波的に接続し、第1
のソースフォロワ回路の出力端子と第1直流遮断用キャ
パシタとを接続し、第1の直流遮断用キャパシタと第1
の移相回路とを接続し、第2のソースフォロワ回路の出
力端子と第2の直流遮断用キャパシタとを接続し、第2
の直流遮断用キャパシタと第2の移相回路とを接続して
なる高周波信号分配器であって、第1および第2の移相
回路の少なくても一方が複数のインダクタおよび複数の
キャパシタからなる低域通過フィルタで構成され、さら
に所定の移相量が得られるように低域通過フィルタを構
成する直列のインダクタのインダクタンス値を第1およ
び第2の直流遮断用キャパシタの少なくても一方に合わ
せて補正するように構成したので、高周波信号分配器の
位相精度の劣化を防ぐことができる効果がある。
【0075】 請求項記載の発明によれば、第1および
第2の電界効果トランジスタを用いて構成された第1お
よび第2のソースフォロワ回路と、第1および第2の移
相回路とからなり、第1のソースフォロワ回路の入力端
子と第2のソースフォロワ回路の入力端子とを高周波的
に接続し、第1のソースフォロワ回路の出力端子と第1
の移相回路とを高周波的に接続し、第2のソースフォロ
ワ回路の出力端子と第2の移相回路とを高周波的に接続
してなる高周波信号分配器であって、第1および第2の
移相回路の少なくても一方が複数のインダクタおよび複
数のキャパシタからなる低域通過フィルタで構成され、
さらに低域通過フィルタを構成する直列のインダクタに
直流遮断用のキャパシタを直列接続し、所定の移相量が
得られるように低域通過フィルタを構成する直列のイン
ダクタのインダクタンス値を直流遮断用のキャパシタに
合わせて補正するように構成したので、高周波信号分配
器の位相精度の劣化を防ぐことができる効果がある。
【0076】 請求項4記載の発明によれば、請求項1か
ら請求項3に記載された高周波信号分配器において、電
界効果トランジスタに代わってトランジスタを用いるよ
うに構成したので、安価にすることができる効果があ
る。
【0077】 請求項記載の発明によれば、請求項1か
ら請求項3に記載された高周波信号分配器と、高周波信
号入力端子と局部発振波入力端子とベースバンド信号出
力端子とを有し、高周波信号と局部発振波とを入力して
ベースバンド信号を出力する第1、第2の単位ミクサと
からなり、高周波信号分配器の第1の出力端子と第1の
単位ミクサの高周波信号入力端子とを高周波的に接続
し、高周波信号分配器の第2の出力端子と第2の単位ミ
クサの高周波信号入力端子とを高周波的に接続するよう
に構成したので、直交ミクサの小形化および高精度化を
実現することができる効果がある。
【0078】 請求項記載の発明によれば、請求項1か
ら請求項3に記載された高周波信号分配器と、高周波信
号入力端子と局部発振波入力端子とベースバンド信号出
力端子とを有し、高周波信号と局部発振波とを入力して
ベースバンド信号を出力する第1、第2の単位ミクサ
と、第1および第2の電界効果トランジスタを有し、第
1および第2の電界効果トランジスタを用いて構成され
た第1および第2のゲート接地回路とからなり、高周波
信号分配器の第1の出力端子と第1のゲート接地回路の
入力端子とを高周波的に接続し、第1のゲート接地回路
の出力端子と第1の単位ミクサの高周波信号入力端子と
を高周波的に接続し、高周波信号分配器の第2の出力端
子と第2のゲート接地回路の入力端子とを高周波的に接
続し、第2のゲート接地回路の出力端子と第2の単位ミ
クサの高周波信号入力端子とを高周波的に接続するよう
に構成したので、直交ミクサの直交精度を高めることが
できる効果がある。
【0079】 請求項記載の発明によれば、電界効果ト
ランジスタの代わりにトランジスタを用いるように構成
したので、安価にすることができる効果がある。
【0080】 請求項記載の発明によれば、請求項5か
ら請求項7に記載された直交ミクサを用いるように構成
したので、変復調精度の高い送受信機を得ることができ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の参考例1による高周波信号分配器
を示す構成図である。
【図2】 この発明の参考例2による高周波信号分配器
を示す構成図である。
【図3】 この発明の参考例3による高周波信号合成器
を示す構成図である。
【図4】 この発明の参考例4による高周波信号合成器
を示す構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態による高周波信号分
配器を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態による高周波信号分
配器を示す構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態による高周波信号分
配器を示す構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態による直交ミクサを
示す構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態による直交ミクサを
示す構成図である。
【図10】 この発明の参考例5による直交ミクサを示
す構成図である。
【図11】 この発明の参考例6による直交ミクサを示
す構成図である。
【図12】 この発明の参考例7による高周波回路の高
周波信号分配器の移相回路を示す構成図である。
【図13】 従来の高周波回路の高周波信号分配器を示
す構成図である。
【図14】 電子情報通信学会編「衛星通信用マイクロ
波回路」の63頁に示された従来の高周波回路の分布定
数回路を用いたウィルキンソン形電力分配器を示す構成
図である。
【図15】 従来の高周波回路の移相回路を示す構成図
である。
【図16】 GaAs基板上に集中定数素子を用いて構
成した従来の高周波回路の高周波信号分配器を示す構成
図である。
【図17】 線路の等価回路を示す構成図である。
【図18】 高域通過フィルタの通過位相と低域通過フ
ィルタの通過位相および位相差の周波数数特性を示す波
形図である。
【図19】 高周波信号分配器を高周波信号合成器とし
ても動作させたときの信号の流れを示す構成図である。
【符号の説明】
1 入力端子、2 同相電力分配器、3 第1の移相回
路、4 第1の出力端子、5 第2の移相回路、6 第
2の出力端子、21 第1のソースフォロワ回路、22
第2のソースフォロワ回路、23 電界効果トランジ
スタ、29 第1のゲート接地回路、30 第2のゲー
ト接地回路、31 同相電力合成器、32 出力端子、
33a 直流遮断用キャパシタ(第1の直流遮断用キャ
パシタ)、33b 直流遮断用キャパシタ(第2の直流
遮断用キャパシタ)、33c 直流遮断用キャパシタ
(第3の直流遮断用キャパシタ)、34,43 第1の
キャパシタ(複数のキャパシタ)、35,44 第2の
キャパシタ(複数のキャパシタ)、36,42 インダ
クタ、37 高域通過フィルタ、38 第1のインダク
タ(複数のインダクタ)、39 第2のインダクタ(複
数のインダクタ)、40 キャパシタ、41,46 低
域通過フィルタ、45 第3のキャパシタ(複数のキャ
パシタ)、47 高周波信号分配器、48 第1の単位
ミクサ、49第2の単位ミクサ、53 高周波信号合成
器、54 モノリシック基板、57第1のスパイラルイ
ンダクタ(スパイラルインダクタ)、61 第2のスパ
イラルインダクタ(スパイラルインダクタ)、63 地
導体(導体部)。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−279705(JP,A) 特開 平2−71608(JP,A) 特開 平8−298460(JP,A) 特開 平8−321726(JP,A) 特開 平3−204214(JP,A) 特開 平2−220509(JP,A) 特開 昭54−83735(JP,A) 特開 昭64−11401(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 11/36 H03H 11/22 H04B 1/40

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2の電界効果トランジスタ
    を有し、上記第1および第2の電界効果トランジスタを
    用いて構成された第1および第2のソースフォロワ回路
    と、第1および第2の移相回路とからなり、上記第1の
    ソースフォロワ回路の入力端子と第2のソースフォロワ
    回路の入力端子とを高周波的に接続し、上記第1のソー
    スフォロワ回路の出力端子と上記第1の移相回路とを高
    周波的に接続し、上記第2のソースフォロワ回路の出力
    端子と上記第2の移相回路とを高周波的に接続してなる
    高周波信号分配器であって、上記第1および第2の移相
    回路の少なくても一方が複数のインダクタおよび複数の
    キャパシタからなる高域通過フィルタで構成され、さら
    に上記高域通過フィルタを構成する直列のキャパシタを
    上記ソースフォロワ回路に対する直流遮断素子として用
    いたことを特徴とする高周波信号分配器。
  2. 【請求項2】 第1および第2の電界効果トランジスタ
    を有し、上記第1および第2の電界効果トランジスタを
    用いて構成された第1および第2のソースフォロワ回路
    と、第1および第2の直流遮断用キャパシタと、第1お
    よび第2の移相回路とからなり、上記第1のソースフォ
    ロワ回路の入力端子と第2のソースフォロワ回路の入力
    端子とを高周波的に接続し、上記第1のソースフォロワ
    回路の出力端子と上記第1の直流遮断用キャパシタとを
    接続し、上記第1の直流遮断用キャパシタと上記第1の
    移相回路とを接続し、上記第2のソースフォロワ回路の
    出力端子と上記第2の直流遮断用キャパシタとを接続
    し、上記第2の直流遮断用キャパシタと上記第2の移相
    回路とを接続してなる高周波信号分配器であって、上記
    第1および第2の移相回路の少なくても一方が複数のイ
    ンダクタおよび複数のキャパシタからなる低域通過フィ
    ルタで構成され、さらに所定の移相量が得られるように
    上記低域通過フィルタを構成する直列のインダクタのイ
    ンダクタンス値を上記第1および第2の直流遮断用キャ
    パシタの少なくても一方に合わせて補正したことを特徴
    とする高周波信号分配器。
  3. 【請求項3】 第1および第2の電界効果トランジスタ
    を有し、上記第1および第2の電界効果トランジスタを
    用いて構成された第1および第2のソースフォロワ回路
    と、第1および第2の移相回路とからなり、上記第1の
    ソースフォロワ回路の入力端子と第2のソースフォロワ
    回路の入力端子とを高周波的に接続し、上記第1のソー
    スフォロワ回路の出力端子と上記第1の移相回路とを高
    周波的に接続し、上記第2のソースフォロワ回路の出力
    端子と上記第2の移相回路とを高周波的に接続してなる
    高周波信号分配器であって、上記第1および第2の移相
    回路の少なくても一方が複数のインダクタおよび複数の
    キャパシタからなる低域通過フィルタで構成され、さら
    に上記低域通過フィルタを構成する直列のインダクタに
    直流遮断用のキャパシタを直列接続し、所定の移相量が
    得られるように上記低域通過フィルタを構成する直列の
    インダクタのインダクタンス値を上記直流遮断用のキャ
    パシタに合わせて補正したことを特徴とする高周波信号
    分配器。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3に記載された高周
    波信号分配器において、電界効果トランジスタに代わっ
    てトランジスタを用いたことを特徴とする高周波信号分
    配器。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4に記載された高周
    波信号分配器と、高周波信号入力端子と局部発振波入力
    端子とベースバンド信号出力端子とを有し、高周波信号
    と局部発振波とを入力してベースバンド信号を出力する
    第1、第2の単位ミクサとからなり、上記高周波信号分
    配器の第1の出力端子と上記第1の単位ミクサの高周波
    信号入力端子とを高周波的に接続し、上記高周波信号分
    配器の第2の出力端子と上記第2の単位ミクサの高周波
    信号入力端子とを高周波的に接続してなる直交ミクサ。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項4に記載された高周
    波信号分配器と、高周波信号入力端子と局部発振波入力
    端子とベースバンド信号出力端子とを有し、高周波信号
    と局部発振波とを入力してベースバンド信号を出力する
    第1、第2の単位ミクサと、第1および第2の電界効果
    トランジスタを有し、上記第1および第2の電界効果ト
    ランジスタを用いて構成された第1および第2のゲート
    接地回路とからなり、上記高周波信号分配器の第1の出
    力端子と上記第1のゲート接地回路の入力端子とを高周
    波的に接続し、上記第1のゲート接地回路の出力端子と
    上記第1の単位ミクサの高周波信号入力端子とを高周波
    的に接続し、上記高周波信号分配器の第2の出力端子と
    上記第2のゲート接地回路の入力端子とを高周波的に接
    続し、上記第2のゲート接地回路の出力端子と上記第2
    の単位ミクサの高周波信号入力端子とを高周波的に接続
    してなる直交ミクサ。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6に記載された直
    交ミクサにおいて、電界効果トランジスタに代わってト
    ランジスタを用いたことを特徴とする直交ミクサ。
  8. 【請求項8】 請求項5から請求項7に記載された直交
    ミクサを用いたことを特徴とする送受信機。
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