JP3481151B2 - 超音波レベル計 - Google Patents
超音波レベル計Info
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Description
信器から超音波を発信し、反射面で反射された超音波を
受信器で受信し、送信器が超音波を発信してから受信器
が反射波を受信するまでに要した時間をもとに反射面の
レベルを検出する超音波レベル計に関し、更に詳しく
は、前記受信器が反射波を受信するまでに要した時間を
もとに反射面のレベルを検出する演算方式を改善するこ
とによって、S/N比が低いエコー波においても正しく
信号成分を検出することが可能となった超音波レベル計
に関するものである。
示す図である。同図において、従来の超音波レベル計は
超音波送受信器3から短時間(0.1〜0.2秒間)、
超音波を発信し、そのエコー波を同一の超音波送受信器
3で受信することにより、超音波が発信されてから、タ
ンク2に入った検出対象1の反射面4で反射し再び超音
波送受信器3に返ってくるまでの時間を測定し距離換算
することにより超音波送受信器3から反射面4までの距
離(以下レベルという。)を測定している。
4に対して超音波を発信し、反射面4で反射されたエコ
ー波を受信する。超音波送受信器3は受信したエコー波
の信号(以下エコー信号という。)を出力する。
され、全波整流回路6に入力される。ここで全波整流さ
れたエコー信号は、A/D変換器7によってデジタル値
に変換され演算器8に入力される。
受信器3が超音波を発信してからエコー波を受信するま
でに要した時間をもとにレベルを検出する。
同図に示すように、送受信器3は超音波P1を発生して
から時間T1が経過した後に送受信器3がエコー波P2
を受信する。時間T1は送受信器3と反射面4の距離に
比例している。送受信器3のの設置位置が既知であれ
ば、時間T1から反射面4のレベルを検出できる。
号の波形例を示した図である。同図に示すように、エコ
ー信号には信号成分S1とノイズ成分S2とが含まれて
いる。同図は説明の都合上、信号成分S1とノイズ成分
S2を分離して示しているが、実際に観測される波形は
信号成分にノイズ成分が重畳された波形である。
波整流信号の一例を示した図である。同図において信号
S3は信号成分S1を全波整流した信号であり、信号S
4はノイズ成分S2を全波整流した信号である。
波整流信号を加算していき、コンパレータで加算信号の
中から信号成分を判別し、成分信号が現れる時をもとに
検出対象のレベルを算出する。
従来例では、信号成分とノイズ成分の両方が全波整流さ
れるため、エコー信号の加算とともにノイズ成分も加算
されていく。従って、エコー信号のノイズ成分に比べて
信号成分が十分に微弱な場合、次々と加算されていくノ
イズ成分の影響によって、レベルの測定結果に誤差を生
じやすいといった問題点があった。
成されたものであり、エコー信号のノイズ成分に比べて
信号成分が十分に微弱なときでも、ノイズ成分の中から
信号成分を正しく検出できる超音波レベル計を実現する
ことを目的とする。
るために請求項1に記載の発明では、超音波レベル計に
おいて、前記超音波の周期と同じ周期の信号を用いて前
記エコー波の信号から複数の信号成分を抽出し、この信
号成分を積分することによって前記複数の信号成分の積
分信号を出力する多相同期積分回路と、この複数の積分
信号をそれぞれアナログ/デジタル変換するA/D変換
器と、前記A/D変換器の出力をそれぞれ移動加算する
移動加算器と、前記移動加算器の出力にそれぞれ一定の
データ幅で移動差分演算を施すと共にこの演算値を2乗
した信号を出力する移動差分演算器と、前記移動差分演
算器の出力を加算する加算器と、この加算器の出力波形
から前記反射面のレベルを算出するレベル算出器を具備
したことを特徴とするものである。
同期積分回路から得られる複数の成分信号を利用して高
感度で高精度なレベル測定を実現することが可能とな
る。
載の発明において、前記多相同期演算器は、前記超音波
と同じ周期の信号を用いて前記エコー波の周期の中で半
周期の期間にわたって信号を取り出し、残りの半周期の
期間にわたってエコー波の反転信号を取り出し、取り出
した信号を加算することによって前記エコー波から、9
0度位相の異なるX成分信号とY成分信号を抽出し、前
記X成分信号と前記Y成分信号をそれぞれ積分する第1
及び第2の積分回路によって前記エコー波の2相同期積
分信号を出力する2相同期積分回路を用いたことを特徴
とするものである。
単な構造の2相同期積分回路を用いて構成することが可
能となる。
載の発明において、前記第2の移動加算器は、5データ
区間で移動加算値U(n)を求めることを特徴とするも
のである。
波形から高調波成分を除去するフィルタリングを行うこ
とが可能となる。
載の発明において、前記移動差分演算器は、前記移動加
算器から出力されるデータ番号nのデジタルデータ値U
(n)と、これより5データ前のデジタルデータ値U
(n−5)との差分演算値D(n)を求め、これを2乗
した値を出力するように構成されたことを特徴とするも
のである。
多相同期積分回路から出力される積分波形のピーク値を
容易に得ることが可能となる。
載の発明において、前記レベル算出器は、前記加算器か
ら出力される出力波形のピーク値を求め、このピーク値
に対応するデータ位置から時間を戻す方向に順にデータ
を検索し、前記ピーク値の1/4の大きさを最初に下回
るデータDs(n)を検出することによって、超音波を
発信した時点から前記データDs(n)が到達するまで
の時間を求め、この時間からレベルを検出するように構
成されたことを特徴とするものである。
ク値に近い大きさのデータが多数存在する波形におい
て、前記データDs(n)の到達点を検出する場合にお
いても、その再現性が維持される。この理由について
は、後述する。
載の発明において、前記レベル算出器は、前記加算信号
のピーク値の1/4の大きさに対応するデータDs
(n)から10データ前までのデータD(n)を検索
し、 D(n)>Ds(n) を満足するデータがあった場合、検出された前記反射面
のレベル値を測定異常として破棄するように構成された
ことを特徴とするものである。
測定値を破棄することが可能となる。
載の発明において、前記多相同期演算器は、前記超音波
の周期と同じ周期の信号を用いて前記エコー波の信号か
ら120度ずつ位相の異なる3個の信号成分を抽出し、
これらの信号成分をそれぞれ積分することによって3個
の信号成分の積分信号を出力する3相同期積分回路を用
いたことを特徴とするものである。
同期積分回路を用いた場合に比べ、更にその精度を向上
させることが可能となる。
説明する。図1は本発明に係る超音波レベル計の構成図
である。
様のものは同一の符号を付し、その説明を省略する。同
図において超音波送受信器3から発生されたエコー信号
はプリアンプ10に入力され、増幅された後、D/A変
換器11に入力される。
入力されたエコー波にTVG(Time Variab
le Gain)処理を施すために備えられたものであ
る。
信してから時間の経過とともにゲインを上げていく処理
である。すなわち、送受信器3が超音波を発信してから
エコー信号が返ってくるまでの時間が長いときは、検出
対象までの距離が長い場合であり、エコー信号の減衰量
が大きくなることが予想されるため、受信時のゲインを
上げて受信し、超音波の反射距離に関わらず、一定のレ
ベルでエコー波を受信しようとするものである。このT
VG処理のゲインは制御手段178から与えられる。
されたエコー信号は、中間アンプ12によって増幅さ
れ、その出力は、同期積分回路13に入力される。
1からSW4はエコー信号を取り出すために設けられた
スイッチである。反転回路131はスイッチSW2とS
W4の前段に設けられ、エコー信号を反転する反転回路
である。スイッチSW1から取り出した信号とスイッチ
SW2から取り出された信号は加算される。この加算信
号をX成分信号とする。
とスイッチSW4から取り出した信号は加算される。こ
の加算信号をY成分信号とする。
し、その積分信号を出力する。また、積分回路133は
前記Y成分信号を積分し、その積分信号を出力する。
W1からSW4を駆動するための駆動信号を発生する駆
動信号発生回路である。これらの駆動信号の周期は、送
受信器3が発生する超音波の周期と同周期である。
フロップ141と142は、Q出力とQ−出力(Qの反
転をQ−と表す。以下反転について同様に表す。)、及
びP出力とP−出力を発生する。
ってスイッチSW1を駆動し、前記Q出力に対して18
0度位相のずれたQ−出力によってスイッチSW2を駆
動する。また、前記Q出力に対して90度位相のずれた
P出力によってスイッチSW3を駆動し、前記P出力に
対して180度位相のずれたP−出力によってスイッチ
SW4を駆動する。
132の出力と前記積分回路133の出力をそれぞれア
ナログ・デジタル変換し、演算部17に出力する。
前記A/D変換器15と16によってデジタル値に変換
された積分信号を一時記憶する記憶手段である。
憶された前記X成分信号の積算値を下記(1)式によっ
て5データ区間で移動加算値U(n)xを求めるもので
ある。 U(n)x=d(n−2)x+d(n−1)x+d(n)x+d(n+1)x+ d(n+2)x (1) 但し、d(n)xは、前記A/D変換器15から出力さ
れるデータ番号nのデジタルデータである。
憶された前記Y成分信号の積算値を下記(2)式によっ
て5データ区間で移動加算値U(n)yを求めるもので
ある。 U(n)y=d(n−2)y+d(n−1)y+d(n)y+d(n+1)y+ d(n+2)y (2) 但し、d(n)yは、前記A/D変換器16から出力さ
れるデータ番号nのデジタルデータである。
て前記移動加算器172から出力されるデータ番号nの
デジタルデータ値U(n)xと、これより5データ前の
デジタルデータ値U(n−5)xとの差分演算値D
(n)xを求め、これを2乗した値を出力するものであ
る。 {D(n)x}2={U(n)x−U(n−5)x}2 (3)
て前記移動加算器173から出力されるデータ番号nの
デジタルデータ値U(n)yと、これより5データ前の
デジタルデータ値U(n−5)yとの差分演算値D
(n)yを求め、これを2乗した値を出力するものであ
る。 {D(n)y}2={U(n)y−U(n−5)y}2 (4)
移動減算器175の出力を加算する。
の出力波形からエコー波の到達時間を検出し、反射面4
のレベルを算出する。
波形図を用いて図1の実施例の動作を説明する。
コー信号の波形例を示した図であり、図3は積分回路1
32と133に入力されるX成分信号とY成分信号の波
形例を示した図である。
号成分の周期であり、これは送受信器3が発生する超音
波の周期に等しい。
生するP出力とQ出力の関係は、前述のとおりQ出力に
対してP出力は位相が90度ずれた2相の同期信号にな
っている。
によりスイッチSW1がオンになったとする。これによ
って期間A1にわたってスイッチSW1からエコー信号
が取り出される。スイッチSW2エコー信号が反転回路
131で反転してから与えられる。Q−出力はQ出力よ
りもT0/2だけ遅れたタイミングでオンになる。これ
によって、期間A2にわたってスイッチSW2からエコ
ー信号の反転信号が取り出される。期間A1と期間A2
の長さはそれぞれT0/2である。
が半周期(T0/2)毎に交互にオンになる。スイッチ
SW1から取り出された信号とスイッチSW2から取り
出された反転信号は加算される。図3(a)はこの結果
加算されたX成分信号である。
イミングでオンになる。これにより期間A3にわたって
スイッチSW3からエコー信号が取り出される。スイッ
チSW4には、エコー信号が反転回路131で反転して
から与えられる。P−出力はP出力よりもT0/2だけ
遅れたタイミングでオンになる。これによって、期間A
4にわたってスイッチSW4からエコー信号の反転信号
が取り出される。期間A3と期間A4の長さはそれぞれ
T0/2である。
が半周期(T0/2)毎に交互にオンになる。スイッチ
SW3から取り出された信号とスイッチSW4から取り
出された反転信号は加算される。図3(b)はこの結果
加算されたY成分信号である。
波の周期と同周期で、位相が90度ずつずれた4つの駆
動信号を用いてスイッチSW1からSW4を駆動するこ
とによりエコー信号から2つの信号成分を抽出してい
る。これらの信号は、図3より明らかなようにX成分信
号はエコー波S1のSIN成分信号であり、Y成分信号
はエコー波S1のCOS成分信号である。
信号を積分回路132によって積分した波形でり、図4
(b)は、図3(b)に示したY成分信号を積分回路1
33によって積分した波形である。
(a)に示したX成分信号)に重畳するノイズ信号S2
は、一般的に正負の領域をランダムに持っている。従っ
て図3(a)に示したX成分信号を積分器132によっ
て積分することにより、ノイズ信号の正負の領域が互い
に相殺されるため、積分出力信号からこれらノイズ信号
を除去することが可能である。
信器3が発信する超音波に周期と同周期の信号によって
エコー波から前記X、Yの成分信号を抽出し、これを積
分することにより、ノイズ信号を除去した信号成分を取
り出すことが可能である。
つの積分信号は、移動加算器172と173によって前
記(1)式と(2)式に従い、それぞれ移動加算処理が
施される。これは、デジタルデータとして一時保存され
た前記X、Y2つの積分信号から高調波成分を除去し滑
らかに波形整形するためのフィルタリングを行う目的で
備えられたデジタルフィルタである。図5(a)はX成
分信号の積分信号を移動加算した波形の一例であり、図
5(b)はY成分信号の積分信号を移動加算した波形の
一例である。
それぞれ移動加算処理が施されたX、Y2つの移動加算
信号は、移動減算器174と175によって前記(3)
式と(4)式に従い、それぞれ差分演算値を2乗した信
号が出力される。図6(a)はX成分信号の移動加算に
前記(3)式による演算処理を施した波形の一例であ
り、図6(b)はY成分信号の移動加算に前記(4)式
による演算処理を施した波形の一例である。
175によってそれぞれ移動減算処理と2乗処理が施さ
れたX、Y2つの信号を加算する。これによって図6
(c)に示すようなピークを有する波形が得られる。レ
ベル算出器177は前記波形のピークからレベルを検出
する。
ベル検出の方法について、図7を用いて詳しく説明す
る。同図は、上記に述べた方法によって2乗加算した合
成波の一例である。
S3の全区間におけるピーク値Dpを求める。
値Dpの1/4の大きさを求め、これをスレッシュホー
ルド電圧Vthとして記憶する。 Vth=1/4Dp (5) 次に、レベル算出器177は、前記ピーク値Dpのデー
タから時間を戻す方向(図7中Kの方向である。)にデ
ータを検索し、前記スレッシュホールド電圧Vthを下
回るデータを探す。この時、最初にスレッシュホールド
電圧Vthを下回ったデータをエコー波の到達点Ds
(n)とし、超音波を発信した時点から前記エコー波の
到達点Ds(n)までの時間を求め、この時間からレベ
ルを検出する。
したように、前記ピーク値Dpの1/4の大きさを持つ
スレッシュホールド電圧Vthに対応するデータからレ
ベルを検出することにより、再現性の高いレベル測定を
実現している。その理由は以下のとおりである。
おいて、もし、ピーク値Dpに対応するデータの到達点
Sdp1に基づいてレベル測定を行うように構成されて
いた場合、1回目に測定したときは、ピーク値をDp1
のデータとしエコー波の到達点をSdp1の点としてレ
ベルを検出するが、2回目に測定したときはエコー波の
状態によっては、ピーク値をDp2のデータとして検出
する可能性がある。
定を行った時と、2回目に測定を行った時とでそれぞれ
異なった値となるため、再現性が得られない。ところ
が、本発明の方法によってレベルを検出する場合、ピー
ク値がDp1として検出された場合においても、Dp2
として検出された場合においてもほぼ同一のデータがエ
コー波の到達点Ds(n)として認識される。従って、
本発明の方法によってレベルを検出することによって、
繰り返し測定を行った場合においても、ピーク値として
検出されるデータの違いに関わらず同一のレベルを検出
することが可能である。
エコー波の到達点Ds(n)から時間を戻す方向に10
データ前までのデータD(n)を検索し、これらのうち
ひとつでも、 D(n)>Ds(n) を満足するデータがあった場合、検出された前記反射面
のレベルを測定異常として破棄するように構成されてい
る。
超音波が距離によって任意位相で入ってくるエコー信号
からSIN成分であるX成分信号と、COS成分である
Y成分信号を抽出し、それらの信号からノイズ信号を除
去した積分信号を移動差分演算して得られたピーク値を
有する波形を2乗加算して得られたピーク波形からレベ
ルを求めることにより、エコー信号のノイズ成分に比べ
て信号成分が十分に微弱なときでも、ノイズ成分の中か
ら信号成分を正しく検出することが可能となった。
から反射面4までの空間に存在する風や温度分布の変
化、塵や埃などの影響によって時々刻々と位相が変化し
ながら前記送受信器3に返ってくる。また、実際の超音
波は、図13に示すように初期立ち上がり部W1と残留
部W2を有する複雑な波形である。これらもエコー波の
位相を時々刻々と変化させる大きな要因である。従っ
て、前記エコー波から抽出された前記X成分信号とY成
分信号は、前記送受信器3から反射面4までの距離Lx
によってその大きさが一定ではない。
係を図示したものである。もし、距離Lxが一定であり
前記送受信器3から反射面4までの空間に全くゆらぎが
ないとすると、前記エコー波P2の波形eiは、超音波
の波長をλ、前記エコー波の振幅をAとすると、 ei=Asinθ (6) で表される。ここでθは、 θ=(Lx/λ―N)×2π (rad) である。但し、Nは、超音波P1が発信されてからエコ
ー波P2が受信されるまでの振幅数の整数部分である。
積分回路13によって積分した場合のX成分の出力信号
eixとY成分の出力信号eiyは、 eix=∫Asinθ・dt (7) eiy=∫Acosθ・dt (8) となり、それぞれの有効成分が積分出力として現れる。
に関してそれぞれの積分値を2乗和開平すれば振幅Aに
比例した積分値が得られる。即ち、 ∫Adt=√{(∫Asinθ・dt)2+(∫Acosθ・dt)2} (9) となる。
るエコー波のゆらぎによって位相θは、時々刻々と変化
する。これを前記(9)式によってそのまま演算する
と、その演算結果に前記位相θの変化によって発生する
誤差を生じてしまう。
13において、超音波の発信時間T2に比べて充分に短
い時間T3であればエコー波の位相θは一定であるとみ
なし、前記短い時間T3の時間幅で前記エコー波から抽
出したX、Yの信号成分に前述した移動加算処理と移動
減算処理を施し、更に2乗加算することによって図7に
示したピークを有する波形を求めるように構成されてい
る。また、本来であれば、前記(9)式のように2乗加
算した信号を開平処理することが望ましいが、本発明の
超音波レベル計では、演算部17の処理を高速化するた
め、前記ピークを有する波形を開平処理するかわりにピ
ーク値の1/4の大きさのデータを基点としてレベルを
検出している。これによって時々刻々と変化するエコー
波の位相の影響を除去することが可能となり、従来方式
を圧倒する高精度でレベルを検出することが可能となっ
た。
が40kHz(1周期は25μsecである。)の超音
波を0.1から0.2secで発信し、エコー波の7周
期の期間(175μsecである。)を位相θが一定で
あるとみなしている。また、前記A/D変換器15と1
6のサンプリング周期は34.5μsecである。従っ
て前記エコー波の7周期の期間にサンプリングされるデ
ータ数は5個である。このため、上述した移動加算器1
72と173及び移動減算器174と175では5個の
データ幅を用いて移動演算処理を行うように構成されて
いる。
相同期積分回路を用いて本発明の超音波レベル計を構成
した場合は、より精度の高い超音波レベル計を実現する
ことが可能である。
例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎな
い。したがって本発明は、上記実施例に限定されること
なく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、
変形をも含むものである。
本発明によれば次のような効果がある。請求項1に記載
の発明では、超音波レベル計において、前記超音波の周
期と同じ周期の信号を用いて前記エコー波の信号から複
数の信号成分を抽出し、この信号成分を積分することに
よって前記複数の信号成分の積分信号を出力する多相同
期積分回路と、この複数の積分信号をそれぞれアナログ
/デジタル変換するA/D変換器と、前記A/D変換器
の出力をそれぞれ移動加算する移動加算器と、前記移動
加算器の出力にそれぞれ一定のデータ幅で移動差分演算
を施すと共にこの演算値を2乗した信号を出力する移動
差分演算器と、前記移動差分演算器の出力を加算する加
算器と、この加算器の出力波形から前記反射面のレベル
を算出するレベル算出器を具備したことにより、同期積
分の長所である大幅なS/N比を得ながら、任意位相で
戻ってくるエコー波に対して位相情報を含めた処理を行
うことが可能となり、多くのノイズ信号を含むエコー波
に対して正確なエコー到達時間を測定することが可能と
なる。また、本発明の超音波レベル計は、前述した信号
処理をすべて汎用的な部品を用いて実現したため、低コ
ストでありながら、従来方式を圧倒する高精度でレベル
を検出することが可能となった。
載の発明において、前記多相同期演算器は、前記超音波
と同じ周期の信号を用いて前記エコー波のの周期の中で
半周期の期間にわたって信号を取り出し、残りの半周期
の期間にわたってエコー波の反転信号を取り出し、取り
出した信号を加算することによって前記エコー波から、
90度位相の異なるX成分信号とY成分信号を抽出し、
前記X成分信号と前記Y成分信号をそれぞれ積分する第
1及び第2の積分回路によって前記エコー波の2相同期
積分信号を出力する2相同期積分回路を用いたことによ
って、簡単な構造の2相同期積分回路を用いて上記の特
徴を備えた超音波レベル計を低コストで提供することが
可能となる。
載の発明において、前記移動加算器は、5データ区間で
移動加算値U(n)を求めることにより、信号波形に影
響を与えることなく容易にフィルタリングを行うことが
可能となる。
載の発明において、前記移動差分演算器は、前記移動加
算器から出力されるデータ番号nのデジタルデータ値U
(n)と、これより5データ前のデジタルデータ値U
(n−5)との差分演算値D(n)xを求め、これを2
乗した値を出力するように構成されたことにより、前記
多相同期積分回路から出力される積分波形のピーク値を
容易に得ることが可能となる。
載の発明において、前記レベル算出器は、前記加算器か
ら出力される出力波形のピーク値を求め、このピーク値
に対応するデータ位置から時間を戻す方向に順にデータ
を検索し、前記ピーク値の1/4の大きさを最初に下回
るデータDs(n)を検出することによって、超音波を
発信した時点から前記データDs(n)が到達するまで
の時間を求め、この時間からレベルを検出するように構
成されたことにより、図7に示した波形のようにピーク
値に近い大きさのデータが多数存在する波形において、
前記データDs(n)の到達点を検出する場合において
も、その再現性が維持することが可能となる。
載の発明において、前記レベル算出器は、前記加算信号
のピーク値の1/4の大きさに対応するデータDs
(n)から10データ前までのデータD(n)を検索
し、 D(n)>Ds(n) を満足するデータがあった場合、検出された前記反射面
のレベル値を測定異常として破棄するように構成された
ことにより、異常測定値を除去することが可能となる。
載の発明において、前記多相同期演算器は、前記超音波
の周期と同じ周期の信号を用いて前記エコー波の信号か
ら120度ずつ位相の異なる3個の信号成分を抽出し、
これらの信号成分をそれぞれ積分することによって3個
の信号成分の積分信号を出力する3相同期積分回路を用
いたことにより、2相同期積分回路を用いた場合に比
べ、更にその精度を向上させることが可能となる。
構成図である。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】レベル検出対象の反射面に向けて送受信器
から超音波を発信し、反射面で反射された超音波を前記
送受信器で受信し、前記送受信器が超音波を発信してか
らエコー波を受信するまでに要した時間をもとに前記反
射面のレベルを検出する超音波レベル計において、前記
超音波の周期と同じ周期の信号を用いて前記エコー波の
信号から複数の信号成分を抽出し、この信号成分を積分
することによって前記複数の信号成分の積分信号を出力
する多相同期積分回路と、この複数の積分信号をそれぞ
れアナログ/デジタル変換するA/D変換器と、前記A
/D変換器の出力をそれぞれ移動加算する移動加算器
と、前記移動加算器の出力にそれぞれ一定のデータ幅で
移動差分演算を施すと共にこの演算値を2乗した信号を
出力する移動差分演算器と、前記移動差分演算器の出力
を加算する加算器と、この加算器の出力波形から前記反
射面のレベルを算出するレベル算出器を具備したことを
特徴とする超音波レベル計。 - 【請求項2】前記多相同期演算器は、前記超音波と同じ
周期の信号を用いて前記エコー波の周期の中で半周期の
期間にわたって信号を取り出し、残りの半周期の期間に
わたってエコー波の反転信号を取り出し、取り出した信
号を加算することによって前記エコー波から、90度位
相の異なるX成分信号とY成分信号を抽出し、前記X成
分信号と前記Y成分信号をそれぞれ積分する第1及び第
2の積分回路によって前記エコー波の2相同期積分信号
を出力する2相同期積分回路を用いたことを特徴とする
請求項1に記載の超音波レベル計。 - 【請求項3】前記移動加算器は、下記の式により5デー
タ区間で移動加算値U(n)を求めることを特徴とする
請求項1に記載の超音波レベル計。 U(n)=d(n−2)+d(n−1)+d(n)+d
(n+1)+d(n+2) 但し、d(n)は、前記A/D変換器から出力されるデ
ータ番号nのデジタルデータである。 - 【請求項4】前記移動差分演算器は、下記の式により、
前記移動加算器から出力されるデータ番号nのデジタル
データ値U(n)と、これより5データ前のデジタルデ
ータ値U(n−5)との差分演算値D(n)を求め、こ
れを2乗した値を出力するように構成されたことを特徴
とする請求項1に記載の超音波レベル計。 {D(n)}2={U(n)−U(n−5)}2 - 【請求項5】前記レベル算出器は、前記加算器から出力
される出力波形のピーク値を求め、このピーク値に対応
するデータ位置から時間を戻す方向に順にデータを検索
し、前記ピーク値の1/4の大きさを最初に下回るデー
タDs(n)を検出することによって、超音波を発信し
た時点から前記データDs(n)が到達するまでの時間
を求め、この時間からレベルを検出するように構成され
たことを特徴とする請求項1に記載の超音波レベル計。 - 【請求項6】前記レベル算出器は、前記加算信号のピー
ク値の1/4の大きさに対応するデータDs(n)から
10データ前までのデータD(n)を検索し、 D(n)>Ds(n) を満足するデータがあった場合、検出された前記反射面
のレベル値を測定異常として破棄するように構成された
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波レベル計。 - 【請求項7】前記多相同期演算器は、前記超音波の周期
と同じ周期の信号を用いて前記エコー波の信号から12
0度ずつ位相の異なる3個の信号成分を抽出し、これら
の信号成分をそれぞれ積分することによって3個の信号
成分の積分信号を出力する3相同期演算器を用いたこと
を特徴とする請求項1に記載の超音波レベル計。
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JP32643998A JP3481151B2 (ja) | 1998-11-17 | 1998-11-17 | 超音波レベル計 |
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JP32643998A JP3481151B2 (ja) | 1998-11-17 | 1998-11-17 | 超音波レベル計 |
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JP2000146674A JP2000146674A (ja) | 2000-05-26 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017134835A1 (ja) * | 2016-02-05 | 2017-08-10 | 富士電機株式会社 | 測定装置、測定方法、及びプログラム |
-
1998
- 1998-11-17 JP JP32643998A patent/JP3481151B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2017134835A1 (ja) * | 2016-02-05 | 2017-08-10 | 富士電機株式会社 | 測定装置、測定方法、及びプログラム |
JPWO2017134835A1 (ja) * | 2016-02-05 | 2018-02-08 | 富士電機株式会社 | 測定装置、測定方法、及びプログラム |
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