JP3480383B2 - スピンバルブ磁気抵抗効果素子、該素子を備えた薄膜磁気ヘッド及びスピンバルブ磁気抵抗効果素子の製造方法 - Google Patents

スピンバルブ磁気抵抗効果素子、該素子を備えた薄膜磁気ヘッド及びスピンバルブ磁気抵抗効果素子の製造方法

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JP3480383B2 JP25715799A JP25715799A JP3480383B2 JP 3480383 B2 JP3480383 B2 JP 3480383B2 JP 25715799 A JP25715799 A JP 25715799A JP 25715799 A JP25715799 A JP 25715799A JP 3480383 B2 JP3480383 B2 JP 3480383B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気センサとして
利用されるスピンバルブ磁気抵抗効果(SVMR)素
子、特にハードディスク装置(HDD)の磁気ヘッドに
用いられるSVMR素子、このSVMR素子を備えた薄
膜磁気ヘッド及びSVMR素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、HDDの急激な高密度化に伴って
高感度及び高出力の磁気ヘッドが要求されており、この
ような要求に答えるものとして、巨大磁気抵抗効果を呈
する素子の1つであるSVMR素子を備えた薄膜磁気ヘ
ッドが量産されている。
【0003】SVMR素子は、2つの強磁性薄膜層を非
磁性金属層で磁気的に分離してサンドイッチ構造とし、
その一方の強磁性薄膜層に反強磁性薄膜層を積層するこ
とによってその界面で生じる交換バイアス磁界をこの一
方の強磁性薄膜層(ピンニングされる層、本明細書では
ピンド(pinned)層と称する)に印加するように
したものである。交換バイアス磁界を受けるピンド層と
受けない他方の強磁性薄膜層(本明細書ではフリー(f
ree)層と称する)とでは磁化反転する磁界が異なる
ので、非磁性金属層を挟むこれら2つの強磁性薄膜層の
磁化の向きが平行、反平行と変化し、これにより電気抵
抗率が大きく変化するので巨大磁気抵抗効果が得られ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】SVMR素子を有する
薄膜磁気ヘッドに要求される特性として、上述した「高
感度」及び「高出力」の他に「出力安定性」がある。S
VMR素子は、高感度であることから、記録媒体以外の
例えば書き込み素子部からの磁界やシールドからの磁界
等に敏感に反応し、これがノイズとなって出力され易
い。このようなノイズが出力されると、S/N比が低下
しエラーレートが悪化するため、SVMR素子を有する
薄膜磁気ヘッドについては、特に「出力安定性」が重要
視される。また、この「出力安定性」を大きく左右する
一因にバルクハウゼンノイズがある。このバルクハウゼ
ンノイズは、磁性層の磁壁移動に伴って発生するノイズ
であり、このようなノイズが生じると、出力が急激に変
化し、その結果、S/N比が大きく低下しかつエラーレ
ートが大幅に悪化する。
【0005】従って本発明の目的は、非常に優れた出力
安定性を有する新規な構成のSVMR素子、この素子を
備えた薄膜磁気ヘッド及びSVMR素子の製造方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、磁気検
出領域においては、基板側から第1の反強磁性薄膜層、
第1の反強磁性薄膜層に交換結合される第1の強磁性薄
膜層、非磁性金属薄膜層、及び第2の強磁性薄膜層の順
序で積層された積層構造を有しており、第1の反強磁性
薄膜層、第1の強磁性薄膜層及び非磁性金属薄膜層と磁
気検出領域における厚さの一部厚さである部分厚の第2
の強磁性薄膜層とが磁気検出領域の両端外側領域に延び
て形成されており、両端外側領域における部分厚の第2
の強磁性薄膜層上に、第3の強磁性薄膜層及びこの第3
の強磁性薄膜層に交換結合される第2の反強磁性薄膜層
からなる磁区制御膜層が積層されているSVMR素子及
びこのSVMR素子を備えた薄膜磁気ヘッドが提供され
る。
【0007】
【0008】 積層構造が、基板と反対側(上側)に第
2の強磁性薄膜層(フリー層)が形成される構造となっ
ており、第1の強磁性薄膜層(ピンド層)に交換結合す
る第1の反強磁性薄膜層が磁気検出領域の両端外側領域
に延びて形成されており、両端外側領域におけるこの第
1の反強磁性薄膜層上に、第1の反強磁性薄膜層、第1
の強磁性薄膜層及び非磁性金属薄膜層と磁気検出領域に
おける厚さの一部厚さである部分厚のフリー層とが磁気
検出領域の両端外側領域に延びて形成されており、両端
外側領域における部分厚のフリー層上に、第3の強磁性
薄膜層及びこれに交換結合される第2の反強磁性薄膜層
からなる磁区制御膜層が積層されている。即ち、磁気検
出領域の両端外側領域においては、フリー層の一部厚み
までが存在する構造となっている。このような構造とす
ると、バルクハウゼンノイズも最低となり、SVMR素
子の出力安定性が非常に優れたものとなる。
【0009】第1の反強磁性薄膜層の基板側に下地層が
形成されており、第2の強磁性薄膜層の上に保護層が形
成されていることが好ましい。
【0010】
【0011】また、本発明によれば、基板上に、少なく
とも第1の反強磁性薄膜層、第1の強磁性薄膜層、非磁
性金属薄膜層、及び第2の強磁性薄膜層を順次積層し、
磁気検出領域の両端外側領域においては第2の強磁性薄
膜層の途中まで除去し、この第2の強磁性薄膜層上に、
第2の反強磁性薄膜層及びこれに交換結合される第3の
強磁性薄膜層からなる磁区制御膜層を積層するSVMR
素子の製造方法が提供される。
【0012】上述の除去が、イオンミリング又はエッチ
ングによって行われることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態におけ
るSVMR素子の構成を概略的に示すABS(浮上面)
方向から見た断面図である。
【0014】同図において、10は図示しない下部シー
ルド層上に形成されたシールドギャップ層、11はシー
ルドギャップ層10上に積層された下地層、12は下地
層11上に積層された第1の反強磁性薄膜層、13は磁
気検出領域(磁気ヘッドの場合はトラック幅に対応する
領域、以下トラック幅領域と称する)における第1の反
強磁性薄膜層12上に積層されており、この第1の反強
磁性薄膜層12に交換結合している第1の強磁性薄膜層
(ピンド層)、14はトラック幅領域におけるピンド層
13上に積層された非磁性金属薄膜層、15はトラック
幅領域における非磁性金属薄膜層14上に積層された第
2の強磁性薄膜層(フリー層)、16はフリー層15上
に積層されたキャップ層(保護層)、17及び18はト
ラック幅領域の両端外側領域において第1の反強磁性薄
膜層12上に積層形成されておりフリー層15の磁区構
造を制御するための磁区制御膜層を構成している第3の
強磁性薄膜層及び第2の反強磁性薄膜層、19は第2の
反強磁性薄膜層18上に形成されたリード導体層をそれ
ぞれ示している。第3の強磁性薄膜層17は第2の反強
磁性薄膜層18に交換結合している。
【0015】ピンド層13及びフリー層15の各々は、
強磁性層の単層構造であってもよいし、複数の強磁性層
の積層構造であってもよい。
【0016】なお、磁気検出領域又はトラック幅領域と
は、厳密には、磁区制御膜層を構成する第3の強磁性薄
膜層17及び第2の反強磁性薄膜層18とリード導体層
19とによって規定されたフリー層15の上面の領域を
表わしており、その両端外側領域とはこの上面領域の図
1にて横方向(トラック幅方向)の両端外側の領域を表
わしている。しかしながら、SV積層構造の両端側面が
テーパ状に形成されているため、本実施形態では、フリ
ー層15の両端側面に斜めに連続して形成される各層1
4及び13の両端側面を各層14及び13について磁気
検出領域又はトラック幅領域と称しており、それらの外
側領域を各層14及び13について磁気検出領域又はト
ラック幅領域の両端外側領域と称している。実際には、
スピンバルブ積層構造が、数nmというかなり薄い厚み
の積層体であるため、各層の上述した領域にさほど大き
な差は生じない。
【0017】本実施形態においては、トラック幅領域の
両端外側領域では、キャップ層16、フリー層15、非
磁性金属薄膜層14及びピンド層13までが全て除去さ
れており、第1の反強磁性薄膜層12はその全てが残さ
れている。
【0018】また、磁区制御膜層を構成する第3の強磁
性薄膜層17は、フリー層15、非磁性金属薄膜層14
及びピンド層13のテーパ状の両端側面と、第1の反強
磁性薄膜層12の上端面とに電気的に接触している。
【0019】図2(A)から(C)は、本実施形態にお
けるSVMR素子の製造工程を説明するための図であ
り、ABS方向から見た断面図である。
【0020】図2(A)に示すように、まず、下部シー
ルド層上にシールドギャップ層10、下地層11、第1
の反強磁性薄膜層12、第1の強磁性薄膜層(ピンド
層)13、非磁性金属薄膜層14及び第2の強磁性薄膜
層(フリー層)15を順次積層する。
【0021】ここで、シールドギャップ層10は、Al
又はSiO 等の絶縁性材料で形成され、下
地層11は、Ta、Hf又はNb等の材料で形成され、
第1の反強磁性薄膜層12は、FeMn合金、NiMn
合金若しくはPtMn合金等のMn系材料、又はFe
若しくはNiO等の酸化物系材料で形成される。
【0022】第1の強磁性薄膜層13及び第2の強磁性
薄膜層15は、単層構造の場合、NiFe合金又はCo
合金等の強磁性材料で形成される。複数層の積層構造の
場合、強磁性材料であるNiFe合金/Co合金等の積
層体で形成される。非磁性金属薄膜層14はCu等の非
磁性金属材料で形成される。キャップ層16は、Ta、
Hf又はNb等の材料によって形成される。
【0023】第1の反強磁性薄膜層12の層厚は、Fe
Mn等の不規則系では5〜25nm程度であり、PtM
n等の規則系では15〜40nm程度である。第1の強
磁性薄膜層13の層厚は2〜15nm程度、非磁性金属
薄膜層14の層厚は1.5〜5nm程度、第2の強磁性
薄膜層15の層厚は0.5〜9nm程度である。
【0024】本実施形態では、下地層11が約5nm、
第1の反強磁性薄膜層12が約25nm、第1の強磁性
薄膜層13が約2nm、非磁性金属薄膜層14が約4n
m、第2の強磁性薄膜層15が約9nm、キャップ層1
6が約5nmに設定されている。
【0025】次いで、図2(B)に示すように、以上の
積層体上に磁気検出領域又はトラック幅領域を覆う所定
パターンのレジスト20を形成した後、これをマスクと
してイオンミリング処理を行う。このイオンミリング処
理は、同図に示すように、磁気検出領域又はトラック幅
領域の両端外側領域において、キャップ層16、第2の
強磁性薄膜層15、非磁性金属薄膜層14及び第1の強
磁性薄膜層13が全て除去され、オーバーミリングされ
ることなく第1の反強磁性薄膜層12の全ての厚みが確
保されるようにその手前で除去を終了する。このミリン
グにおいて、除去される層は絶縁性材料ではないため、
例えその除去物が第2の強磁性薄膜層15、非磁性金属
薄膜層14及び第1の強磁性薄膜層13の両端側面に再
付着しても高抵抗層とはならない。
【0026】その後、図2(C)に示すように、レジス
ト20をそのまま残して用い、磁気検出領域又はトラッ
ク幅領域の両端外側領域上に、第3の強磁性薄膜層1
7、第2の反強磁性薄膜層18、及びリード導体層19
を順次積層する。
【0027】第3の強磁性薄膜層17はNiFe合金又
はCo合金等の強磁性材料で形成され、第2の反強磁性
薄膜層18はMn系又は酸化物系の反強磁性材料で形成
される。ただし、この反強磁性材料としては、SV積層
構造における第1の反強磁性薄膜層12の反強磁性材料
のネール温度とは異なるネール温度のものを用いる。
【0028】リード導体層19は、Ta、Cu又はAu
等の導電性材料によって形成される。第3の強磁性薄膜
層17及び第2の反強磁性薄膜層18による磁区制御膜
層の層厚、並びにリード導体層19の層厚は、それぞれ
10〜200nm程度である。
【0029】表1は、基板側から下地層が約5nm、反
強磁性薄膜層が約25nm、ピンド層が約2nm、非磁
性金属薄膜層が約4nm、フリー層が約9nm、キャッ
プ層が約5nmの積層構造について、トラック幅領域の
両端外側領域におけるイオンミリング深さを変えて形成
した各サンプルについて、出力安定性COV及びバルク
ハウゼンノイズを表すSHNR(サブハーモニックノイ
ズレシオ)を測定した結果を表しており、また、図3は
ミリング深さに対するCOV及びSHNRの特性と、ミ
リング深さに対するSVMR積層体の層構成とを表して
いる。
【0030】ここで、出力安定性COV(%)は、書き
込み等の他の動作を間に挟んで出力測定を100回行
い、その平均値をmean、その標準偏差をσとした場
合に、 COV=σ/mean×100 で与えられる。COVが小さいほどヘッドが安定してい
ることを示している。また、SHNRは、ある周波数の
ノイズ成分レベルをあらかじめ測定しておき、その後、
センス電流及び書き込み電流の値を変化させると共にオ
フトラックとした場合における最初に測定したノイズレ
ベルからの変化量で与えられ、これはバルクハウゼンノ
イズ量を示している。SHNRが低いほどバルクハウゼ
ンノイズ量が少なくヘッドが安定していることを示して
いる。
【0031】
【表1】
【0032】表1及び図3から明らかのように、トラッ
ク幅領域の両端外側領域におけるミリング深さが0〜5
nm程度で、キャップ層16の上端からフリー層15の
上端までミリングされている場合は、COV及びSHN
Rは高い値を示しており、不安定な特性となっている。
【0033】フリー層15の上端でも不安定な特性を示
すのは、ミリングによる削り量のばらつきによってキャ
ップ層16が全て削りとられていない部分がウエハ内に
部分的に存在し、その残存するキャップ層によって磁区
制御膜層とフリー層との交換結合力が低下しているもの
と思われる。
【0034】フリー層15の途中、特にミリング深さが
100nm付近では、COV及びSHNRが共に非常に
低くなるのでSVMR素子の出力安定性が非常に優れた
ものとなる。
【0035】トラック幅領域の両端外側領域における非
磁性金属薄膜層14の上端及びその途中でミリングを止
めた場合は、COV及びSHNR共に高い値となる。特
に、非磁性金属薄膜層14の途中では極大値を示してか
なり不安定となる。これは、ミリングにより非磁性金属
薄膜層14に何らかのダメージを与えたためであると考
えられる。非磁性金属薄膜層14は、フリー層15とピ
ンド層13とを磁気的に分離させる役割を有している
が、ミリングによる非磁性金属薄膜層14のダメージの
ため、フリー層15とピンド層13とが磁気的に相互作
用し始めて不安定な特性を引き起こすためであると思わ
れる。
【0036】トラック幅領域の両端外側領域における非
磁性金属薄膜層14及びピンド層13までミリングで除
去し、ミリング深さが200nm付近の第1の反強磁性
薄膜層12の上端では、COV及びSHNRが再び非常
に低くなるのでSVMR素子の出力安定性が非常に優れ
たものとなる。
【0037】トラック幅領域の両端外側領域における第
1の反強磁性薄膜層12の上端からミリング深さを大き
くしていくにつれて、特性が不安定となり、下地層11
までSVMR積層構造の全ての層を除去すると、COV
及びSHNR共に最大となる。
【0038】本実施形態では、トラック幅領域の両端外
側領域における第1の反強磁性薄膜層12の上端の手前
までミリングで除去しているので、COV及びSHNR
が非常に低くなり、SVMR素子の出力安定性が非常に
優れたものとなっている。
【0039】イオンミリング処理の代わりにエッチング
処理によって、トラック幅領域の両端外側領域における
キャップ層16、第2の強磁性薄膜層15、非磁性金属
薄膜層14及び第1の強磁性薄膜層13を全て除去する
ようにしてもよいことは明らかである。
【0040】図4は本発明の他の実施形態におけるSV
MR素子の構成を概略的に示すABS方向から見た断面
図である。
【0041】同図において、40は図示しない下部シー
ルド層上に形成されたシールドギャップ層、41はシー
ルドギャップ層40上に積層された下地層、42は下地
層41上に積層された第1の反強磁性薄膜層、43は第
1の反強磁性薄膜層42上に積層されており、この第1
の反強磁性薄膜層42に交換結合している第1の強磁性
薄膜層(ピンド層)、44はピンド層43上に積層され
た非磁性金属薄膜層、45は非磁性金属薄膜層44上に
積層された第2の強磁性薄膜層(フリー層)、46はフ
リー層45上に積層されたキャップ層(保護層)、47
及び48は磁気検出領域(磁気ヘッドの場合はトラック
幅に対応する領域、以下トラック幅領域と称する)の両
端外側領域において部分厚となっているフリー層45上
に積層形成されておりフリー層45の磁区構造を制御す
るための磁区制御膜層を構成している第3の強磁性薄膜
層及び第2の反強磁性薄膜層、49は第2の反強磁性薄
膜層48上に形成されたリード導体層をそれぞれ示して
いる。第3の強磁性薄膜層47は第2の反強磁性薄膜層
48に交換結合している。
【0042】ピンド層43及びフリー層45の各々は、
強磁性層の単層構造であってもよいし、複数の強磁性層
の積層構造であってもよい。また、第3の強磁性層47
についても、強磁性層の単層構造であってもよいし、複
数の強磁性層の積層構造であってもよい。
【0043】磁気検出領域又はトラック幅領域の定義
は、図1の実施形態の場合と同様である。
【0044】本実施形態においては、トラック幅領域の
両端外側領域では、キャップ層46の全て及びフリー層
45の一部の厚さまで除去されており、フリー層45の
残りの厚さ、非磁性金属薄膜層44、ピンド層43及び
第1の反強磁性薄膜層42はその全てが残されている。
【0045】また、磁区制御膜層を構成する第3の強磁
性薄膜層47は、フリー層45の一部のテーパ状の両端
側面と、その上端面とに電気的に接触している。
【0046】図5(A)から(C)は、本実施形態にお
けるSVMR素子の製造工程を説明するための図であ
り、ABS方向から見た断面図である。
【0047】図5(A)に示すように、まず、下部シー
ルド層上にシールドギャップ層40、下地層41、第1
の反強磁性薄膜層42、第1の強磁性薄膜層(ピンド
層)43、非磁性金属薄膜層44及び第2の強磁性薄膜
層(フリー層)45を順次積層する。
【0048】ここで、シールドギャップ層40は、Al
又はSiO 等の絶縁性材料で形成され、下
地層41は、Ta、Hf又はNb等の材料で形成され、
第1の反強磁性薄膜層42は、FeMn合金、NiMn
合金若しくはPtMn合金等のMn系材料、又はFe
若しくはNiO等の酸化物系材料で形成される。
【0049】第1の強磁性薄膜層43及び第2の強磁性
薄膜層45は、単層構造の場合、NiFe合金又はCo
合金等の強磁性材料で形成される。複数層の積層構造の
場合、強磁性材料であるNiFe合金/Co合金等の積
層体で形成される。非磁性金属薄膜層44はCu等の非
磁性金属材料で形成される。キャップ層46は、Ta、
Hf又はNb等の材料によって形成される。
【0050】第1の反強磁性薄膜層42の層厚は、Fe
Mn等の不規則系では5〜25nm程度であり、PtM
n等の規則系では15〜40nm程度である。第1の強
磁性薄膜層43の層厚は2〜15nm程度、非磁性金属
薄膜層44の層厚は1.5〜5nm程度、第2の強磁性
薄膜層45の層厚は0.5〜9nm程度である。
【0051】本実施形態では、下地層41が約5nm、
第1の反強磁性薄膜層42が約25nm、第1の強磁性
薄膜層43が約2nm、非磁性金属薄膜層44が約4n
m、第2の強磁性薄膜層45が約9nm、キャップ層4
6が約5nmに設定されている。
【0052】次いで、図5(B)に示すように、以上の
積層体上に磁気検出領域又はトラック幅領域を覆う所定
パターンのレジスト50を形成した後、これをマスクと
してイオンミリング処理を行う。このイオンミリング処
理は、同図に示すように、磁気検出領域又はトラック幅
領域の両端外側領域において、キャップ層46の全て、
及び第2の強磁性薄膜層45の途中までが全て除去され
るようになされる。
【0053】その後、図5(C)に示すように、レジス
ト50をそのまま残して用い、磁気検出領域又はトラッ
ク幅領域の両端外側領域上に、第3の強磁性薄膜層4
7、第2の反強磁性薄膜層48、及びリード導体層49
を順次積層する。
【0054】第3の強磁性薄膜層47はNiFe合金又
はCo合金等の強磁性材料で形成され、第2の反強磁性
薄膜層48はMn系又は酸化物系の反強磁性材料で形成
される。ただし、この反強磁性材料としては、SV積層
構造における第1の反強磁性薄膜層42の反強磁性材料
のネール温度とは異なるネール温度のものを用いる。
【0055】リード導体層49は、Ta、Cu又はAu
等の導電性材料によって形成される。第3の強磁性薄膜
層47及び第2の反強磁性薄膜層48による磁区制御膜
層の層厚、並びにリード導体層49の層厚は、それぞれ
10〜200nm程度である。
【0056】本実施形態では、トラック幅領域の両端外
側領域における第2の強磁性薄膜層45の途中までミリ
ングで除去しているので、COV及びSHNRが非常に
低くなり、SVMR素子の出力安定性が非常に優れたも
のとなっている。
【0057】イオンミリング処理の代わりにエッチング
処理によって、トラック幅領域の両端外側領域における
キャップ層46の全て及び第2の強磁性薄膜層45の途
中まで除去するようにしてもよいことは明らかである。
【0058】本実施形態における、その他の構成、作用
効果、及び各製造工程等は、図1の実施形態の場合とほ
ぼ同様である。
【0059】以上述べた実施形態は全て本発明を例示的
に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明
は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することがで
きる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均
等範囲によってのみ規定されるものである。
【0060】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、積層構造が、基板と反対側(上側)に第2の強磁性
薄膜層(フリー層)が形成される構造となっており、第
1の強磁性薄膜層(ピンド層)に交換結合する第1の反
強磁性薄膜層が磁気検出領域の両端外側領域に延びて形
成されており、両端外側領域におけるこの第1の反強磁
性薄膜層上に、第1の反強磁性薄膜層、第1の強磁性薄
膜層及び非磁性金属薄膜層と磁気検出領域における厚さ
の一部厚さである部分厚のフリー層とが磁気検出領域の
両端外側領域に延びて形成されており、両端外側領域に
おける部分厚のフリー層上に、第3の強磁性薄膜層及び
これに交換結合される第2の反強磁性薄膜層からなる磁
区制御膜層が積層されている。即ち、磁気検出領域の両
端外側領域においては、フリー層の一部厚みまでが存在
する構造となっている。このような構造とすると、バル
クハウゼンノイズも最低となり、SVMR素子の出力安
定性が非常に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるSVMR素子の構
成を概略的に示すABS方向から見た断面図である。
【図2】図1の実施形態におけるSVMR素子の製造工
程を説明するための、ABS方向から見た断面図であ
る。
【図3】ミリング深さに対するCOV及びSHNRの特
性と、ミリング深さに対するSVMR積層体の層構成と
を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態におけるSVMR素子の
構成を概略的に示すABS方向から見た断面図である。
【図5】図4の実施形態におけるSVMR素子の製造工
程を説明するための、ABS方向から見た断面図であ
る。
【符号の説明】
10、40 シールドギャップ層 11、41 下地層 12、42 第1の反強磁性薄膜層 13、43 第1の強磁性薄膜層(ピンド層) 14、44 非磁性金属薄膜層 15、45 第2の強磁性薄膜層(フリー層) 16、46 キャップ層(保護層) 17、47 第3の強磁性薄膜層 18、48 第2の反強磁性薄膜層 19、49 リード導体層 20、50 レジスト
フロントページの続き (72)発明者 土屋 芳弘 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティ ーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−16918(JP,A) 特開 平4−358310(JP,A) 特開 平8−77517(JP,A) 特開 平11−126314(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/39

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気検出領域においては、基板側から第
    1の反強磁性薄膜層、該第1の反強磁性薄膜層に交換結
    合される第1の強磁性薄膜層、非磁性金属薄膜層、及び
    第2の強磁性薄膜層の順序で積層された積層構造を有し
    ており、前記第1の反強磁性薄膜層、前記第1の強磁性
    薄膜層及び前記非磁性金属薄膜層と前記磁気検出領域に
    おける厚さの一部厚さである部分厚の前記第2の強磁性
    薄膜層とが該磁気検出領域の両端外側領域に延びて形成
    されており、該両端外側領域における部分厚の前記第2
    の強磁性薄膜層上に、第3の強磁性薄膜層及び該第3の
    強磁性薄膜層に交換結合される第2の反強磁性薄膜層か
    らなる磁区制御膜層が積層されていることを特徴とする
    スピンバルブ磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 前記第1の反強磁性薄膜層の基板側に下
    地層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    のスピンバルブ磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】 前記第2の強磁性薄膜層の上に保護層が
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスピ
    ンバルブ磁気抵抗効果素子。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    スピンバルブ磁気抵抗効果素子を備えたことを特徴とす
    る薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 基板上に、少なくとも第1の反強磁性薄
    膜層、第1の強磁性薄膜層、非磁性金属薄膜層、及び第
    2の強磁性薄膜層を順次積層し、磁気検出領域の両端外
    側領域においては前記第2の強磁性薄膜層の途中まで除
    去し、該第2の強磁性薄膜層上に、第3の強磁性薄膜層
    及び該第3の強磁性薄膜層に交換結合される第2の反強
    磁性薄膜層からなる磁区制御膜層を積層することを特徴
    とするスピンバルブ磁気抵抗効果素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記除去が、イオンミリング又はエッチ
    ングによって行われることを特徴とする請求項5に記載
    の製造方法。
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