JP3480159B2 - 光ピックアップ及び光ガイド部材 - Google Patents

光ピックアップ及び光ガイド部材

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JP3480159B2
JP3480159B2 JP30410595A JP30410595A JP3480159B2 JP 3480159 B2 JP3480159 B2 JP 3480159B2 JP 30410595 A JP30410595 A JP 30410595A JP 30410595 A JP30410595 A JP 30410595A JP 3480159 B2 JP3480159 B2 JP 3480159B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光素子、光ディス
ク等への情報の記録又は再生を行う光ピックアップ及び
相変化型光ディスク用の光ピックアップ、並びにそれら
に用いる光ガイド部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下従来の光ピックアップについてその
構成及び製造方法を図を参照しながら説明する。図11
は従来の光ガイド部材の組立図である。図より明らかな
ように光ガイド部材505は、複数の透明な基板を張り
合わせることにより構成されており、その内部には複数
の光学素子が形成されている。そしてそれらの光学素子
によって光源から出射された光を記録媒体に導き、記録
媒体で反射された光を複数の光学素子を介して受光素子
に導くという構成を有している。
【0003】次に従来の光ガイド部材の製造方法につい
て説明する。まず最初に良好な光透過性を有する基板を
所定の厚さに整形する。そして基板に所定の光学素子を
所定の位置に形成する。その後これら複数の基板の位置
合わせを行い、接合剤を介して接合させて基板ブロック
を形成し、固着後にダイジングソー等で所定の形状に切
り出して、ラップ加工等により整形していた。
【0004】しかしながら前記従来の構成及び製造方法
では、接合剤の厚みの制御を全く行っていなかったの
で、厚みが厚すぎて接合層の接合力が低下したり、厚み
にばらつきを生じて収差発生の原因になったりしてい
た。そのためダイジングソー等で基板ブロックを切断す
るときに基板がはがれたりして光ガイド部材の歩留まり
が低下したり、また収差の発生が原因と思われるノイズ
が発生してRF信号におけるC/N比が低下し、信号特
性が劣化するといった問題点があった。
【0005】本発明は前記従来の課題を解決するもの
で、歩留まりが高く、かつ、信号特性の良い光ピックア
ップ及び相変化型の光ピックアップ、並びにそれらに用
いる光ガイド部材を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、光ガイド部材を構成する複数の透明基板の間を接合
層を介して接合し、更にエポキシ樹脂を用いて接合する
際の接合剤の厚み(t)を0.5≦t≦8(μm)好ま
しくは2≦t≦6(μm)とするという構成を有してい
る。
【0007】
【発明の実施の形態】光源と、前記光源から照射された
光の入射方向に対して傾斜した複数の基板を有し、前記
複数の基板に光学素子を形成した光ガイド部材と、前記
光ガイド部材を透過してきた光を電気信号に変換する受
光手段とを備え、前記複数の基板の間の少なくとも一部
に前記複数の基板とは屈折率の異なる層を形成したこと
により、光の特性を容易に調整することができる。
【0008】基板の屈折率(X)に対する屈折率の差
(d)が|d|≦0.04である層を複数の基板間に形
成したことにより、信号特性を劣化させることなく光の
特性を調整することができる。
【0009】光源と、前記光源から照射された光の入射
方向に対して傾斜した複数の基板を有し、前記複数の基
板に光学素子を形成した光ガイド部材と、前記光ガイド
部材を透過してきた光を電気信号に変換する受光手段と
を備え、前記複数の基板の間の少なくとも一部に接合層
を形成したことにより、基板同士の位置あわせを容易に
行うことができる。
【0010】接合層をエポキシ樹脂で形成したことによ
り、製造工程において光ガイド部材の接合部位のズレや
剥がれ等が発生しにくくなり、歩留まりを向上させるこ
とができるとともに透過する光の特性の劣化を防止する
ことができる。
【0011】接合層をアクリル樹脂で形成したことによ
り、基板同士の接合状態を良好にすることができ、更に
信号特性を良好にすることができる。
【0012】エポキシ接合層の厚さ(t)を0.5<t
≦8(μm)、好ましくは2≦t≦6としたことによ
り、収差の発生を防止できるとともに接合力を最適に制
御することができるので、光ガイド部材の歩留まりを大
幅に向上させることができる。
【0013】アクリル接合層の厚さ(t)を0.5<t
≦6(μm)、好ましくは2≦t≦4としたことによ
り、収差の発生を防止できるとともに接合力を最適に制
御することができるので、光ガイド部材の歩留まりを大
幅に向上させることができる。
【0014】以下本発明の一実施の形態における光ピッ
クアップのパッケージングについて図を参照しながら説
明する。
【0015】図1及び図2はともに本発明の一実施の形
態における光ピックアップのパッケージングの構成を示
す断面図である。
【0016】1は光源で、光源1としては半導体レー
ザ,He−Ne等のガスレーザ等の各種レーザが考えら
れる。ここではこれらの中で最も小型で装置全体を小型
化でき、しかも単価の安い数mW〜数十mW程度の出力
を有する半導体レーザを用いる事が好ましい。半導体レ
ーザの材質としてはAlGaAs,InGaAsP,I
nGaAlP,ZnSe,GaN等が考えられ、ここで
は最も一般的に用いられており、安価なAlGaAsを
用いた。さらに高密度記録を行う場合には記録媒体上で
のスポット径をより小さくすることができ、AlGaA
sよりもさらに波長の短いInGaAlPやZnSe等
の半導体レーザを用いることが好ましい。
【0017】2はサブマウントで、サブマウント2はそ
の形状が直方体状若しくは板形状で、その上面には光源
1が取り付けられている。このサブマウント2は光源1
を載置するとともに、光源1で発生した熱を逃がす働き
を有している。サブマウント2と光源1との接合には熱
伝導率等を考慮するとAu−Sn,Sn−Pb,Sn−
Pb−In等の箔(厚さ数μm〜数十μm)を高温で圧
着する方法を用いることが好ましい。また光源1とサブ
マウント2は略水平に取り付けなければ光学系の収差や
結合効率の低下等の原因になる。従って接合の際には光
源1はサブマウント2に所定の位置に所定の高さで略水
平にマウントされることが好ましい。さらにサブマウン
ト2の上面には光源1の下面と電気的に接触するように
電極面2aが設けられている。この電極面2aは光源1
の電源供給用のもので、電極面2aを構成する金属膜と
しては導電性や耐食性を考慮してAuの薄膜を用いるこ
とが好ましい。更にサブマウント2は、光源1で発生す
る熱や光源1との取付等の問題から、熱伝導性が高く、
かつ、線膨張係数が光源1のそれ(約6.5×10 -6
℃)に近い材質が好ましい。具体的には線膨張係数が3
〜10×10-6/℃で、熱伝導率が100w/mK以上
である物質、例えばAlN,SiC,T−cBN,Cu
/W,Cu/Mo,Si等を、特に高出力のレーザを用
いる場合で熱伝導率を非常に大きくしなければならない
ときにはダイアモンド等を用いることが好ましい。光源
1とサブマウント2の線膨張係数が同じか近い数値とな
るようにした場合、光源1とサブマウント2の間の歪み
の発生を抑制することができるので、光源1とサブマウ
ント2との取付部分が外れたり、光源1にクラックが入
る等の不都合を防止することができる。しかしながら本
範囲を外れた場合には、光源1とサブマウント2の間に
大きな歪みが生じてしまい、光源1とサブマウント2と
の取付部分が外れたり、光源1にクラック等を生じる可
能性が高くなる。またサブマウント2の熱伝導率をでき
るだけ大きく取ることにより、光源1で発生する熱を効
率よく外部に逃がすことができる。しかしながら熱伝導
率が本限定以下の場合には、光源1で発生した熱が外部
に逃げ難くなるため、光源1の温度が上昇し、光源1の
出力が低下したり、光源1の寿命が短くなったり、最悪
の場合には光源1が破壊されてしまう等の不都合が発生
しやすくなる。本実施の形態では比較的安価で、これら
の2つの特性のどちらにも非常に優れたAlNを用い
た。更にサブマウント2の上面には光源1との接合性を
良くするために、サブマウント2から光源1に向かって
Ti,Pt,Auの順に薄膜を形成することが好まし
い。
【0018】3はブロックで、ブロック3は基本的には
直方体形状でその側面に大きな突起部3aを有してお
り、上面にはサブマウント2が取り付けられている。こ
のブロック3もまたサブマウント2と同様に、光源1で
発生する熱やサブマウント2との取付等の問題から、熱
伝導性が高く、かつ、線膨張係数がサブマウント2に近
い材質、例えばサブマウント2の材質例で示したもの以
外にMo,Cu,Fe,コバール,42アロイ等を用い
ることが好ましい。しかしながらこれらの特性値の要求
はサブマウント2に比べるとそれほど厳しくはないの
で、コストを重視して選択する方が好ましい。ここでは
AlNに比べて非常に安価で、これらの特性に比較的優
れたCu,Mo等の材料でブロック3を形成した。また
ブロック3とサブマウント2との接合には熱伝導率等を
考慮すると、やはりサブマウント2と光源1の場合と同
様に、多少高価ではあるがAu−Sn,Sn−Pb,S
n−Pb−In等の箔(厚さ数μm〜数十μm)を高温
で圧着することが好ましい。
【0019】4は放熱板で、放熱板4は、光源1で発生
し、伝導によりサブマウント2,ブロック3を通って伝
わってきた熱を外部に放出する働きを有するとともに、
光ピックアップを形成する種々の部材が載置され、パッ
ケージングの基板となるものである。また放熱板4には
調整用の孔4aが設けてある。ブロック3はロウ付け,
半田箔等により放熱板4の上面に固定される。放熱板4
の材質としては、熱伝導性が高いCu,Al,Fe等が
考えられる。
【0020】なおここではサブマウント2とブロック3
とを別体で形成していたが、光源1の出力が高く、これ
らの部材により高い熱伝導性が要求される場合には、熱
伝導性を良くするためにこれらの部材を一体で形成する
ことが好ましい。この場合それらの材質は、AlN等の
熱伝導性が非常に高いものを用いることが好ましい。
【0021】またブロック3はサブマウント2よりも大
きくして、放熱板4との接触面積を大きく取ることが望
ましい。
【0022】また光源1には光軸に関して高い精度が要
求されるので、サブマウント2の上面は高い精度で水平
であることが好ましい。従ってサブマウント2,ブロッ
ク3及び放熱板4の取り付けについても細心の注意を払
うことが好ましい。
【0023】5は光ガイド部材で、光ガイド部材5は直
方体形状をしており、その内部には複数の斜面及びそれ
らの斜面上に形成された各種光学素子を有しており、光
源から射出された光を出射するとともに、戻ってきた光
を所定の位置に導く働きを有している。また光ガイド部
材5はその側面でブロック3の突起部3aの端面部3b
に接着されている。これに用いられる接合材には大きな
接着強度,任意の瞬間に固定できる作業性,硬化前と硬
化後の体積の変化や温度・湿度の変化による体積の変化
が小さい即ち低収縮率等の条件が要求され、これらを満
たすことにより作業性及び接合面の安定性等を向上させ
ることができる。この様な接合材としてここでは紫外線
を照射することにより瞬時に硬化するUV接着剤を用い
た。また吸湿硬化型の瞬間接着剤を用いても良い。更に
十分な取り付け強度を持つようにするためにブロック3
と光ガイド部材5の間の接触面積(S)はS>1mm2
とすることが好ましい。
【0024】更にここで光ガイド部材5の構成について
詳細に説明する。光ガイド部材5は図4に示すように複
数の光透過性の良好な基板101,102,103,1
04及び拡散角変換基板31を張り合わせることによっ
て構成されている。そして基板102の第一の斜面5a
側の所定の位置には回折格子6が、基板102の第二の
斜面5b側の所定の位置には拡散角変換ホログラム7及
び第一のビームスプリッター膜9が設けられている。ま
た基板103の第二の斜面5b側には非点収差発生ホロ
グラム10やその他反射膜等(図示せず)が設けられて
おり、第三の斜面5c側には第二のビームスプリッター
膜11やその他反射膜等(図示せず)が設けられてい
る。更に拡散角変換基板31の内部の所定の位置には偏
光分離膜12及び反射膜126が形成されている。そし
てこのような構成を有する基板101,102,10
3,104及び偏光面変換基板31は接合材により接合
されている。接合を基板間に形成された接合層を介して
行うことにより、接着シール等を用いる方法に比べて各
基板の位置あわせを容易に行うことができるので、高精
度な光ピックアップを提供することができる。
【0025】ここで各基板間の接合に用いられる接合材
について説明する。光ガイド部材5は、非常に高い精度
で組み立てる必要があり、場所によっては数十μmの精
度で位置あわせを行う必要がある。従って組立に用いら
れる接合材についても温度や圧力の変化に対する体積の
変化が小さいことが好ましい。また組み立てられた光ガ
イド部材5は閉空間に密閉されることが多く、従って内
部に結露が発生したりすることを防止する必要があるの
で、光ガイド部材5を内部に密閉した後で接合層から水
分がアウトガスしないように、できるだけ吸湿性の低い
ものを用いることが、適切な記録・再生信号を得ること
ができるので好ましい。
【0026】更に基板間に存在する接合層の光の屈折率
が各基板と大きく異なる場合には、基板から接合層に入
射する光または接合層から基板に出射される光のP偏光
成分とS偏光成分との間に相対位相差が発生してしまう
ので、記録媒体に向かう光に収差が発生してしまい、再
生時には再生信号の特性が劣化したり、また記録時には
記録媒体上への光の収束状態が悪くなるので、記録部位
を記録に必要な温度に昇温させることができなくなった
りしてしまう。これを防止するために基板に近い屈折率
を有し、かつ、光の透過率も良好な、好ましく透過率は
98%以上の材料を用いることが、適切な記録・再生信
号を得ることができるので好ましい。
【0027】従って接合材としては、このような特性を
満足するエポキシ樹脂やアクリル樹脂等を用いることが
好ましい。特にエポキシ樹脂はこれらの特性に加えて接
合強度も非常に大きく、基板接合後の切断及び研磨工程
においても、はがれやズレなどが発生して歩留まりが低
下することを防止でき、従って製品のコストを低下させ
ることができるので、さらに好ましい。
【0028】次に上述した接合材を用いたときの最適な
接合層の厚みについて説明する。接合層の厚みは一般に
薄ければ薄いほどその接合強度が増大し、厚ければ厚い
ほどその接合強度は低下するという特性を持っている。
しかしながら実際にはあまりに薄くしすぎるとリンギン
グと呼ばれる現象が生じて基板間の位置あわせを行うこ
とが非常に困難になってしまう。そこで最適な接合層の
厚みを調べるために実験を行った。
【0029】実験の手順について説明する。実験は、切
断前の平行平面基板状をなしている基板101,10
2,103,104及び偏光面変換基板31をエポキシ
樹脂及びアクリル樹脂を用い、かつ接合層の固着後の厚
みを0.5μm〜20μmまで、ほぼ2μmステップで
変化させて接合して基板ブロックを形成し、この基板ブ
ロックから光ガイド部材5をワイヤソーを用いて切り出
し、その切断面を鏡面に研磨してその外観を調べた。そ
して基板ブロックから切断された光ガイド部材5の外観
についての良品率をカウントして、これにより最適な接
合層の厚みの範囲について考察を行った。なお標本数は
それぞれの条件(接合層の厚み及び接合材の種類)毎に
100個ずつ作製した。
【0030】以上のように行った実験について、その結
果を図10に示した。以下接合材の種類について考察す
る。
【0031】これによると同じ厚さであれば一般に接合
強度が大きいエポキシ樹脂の良品率が全実験領域で少な
くとも50%以上であるのに対して、アクリル樹脂の良
品率は最も良好な領域でも50%以下であり、明らかに
エポキシ樹脂の方がアクリル樹脂よりも優れた特性を有
している。従って接合材としてエポキシ樹脂を用いるこ
とにより、切断時に接合部位に不都合が生じる可能性が
より低くなるので、光ガイド部材5の歩留まりを向上さ
せることができ、光ピックアップの製造コストを低くす
ることができるとともに光ピックアップの信頼性も向上
させることができる。
【0032】次に接合材の種類に応じた最適な厚さにつ
いて考察する。アクリル樹脂の場合には、接合材の固着
後の厚さ(t)は、0.5≦t≦6(μm)とすること
が好ましい。接合材の固着後の厚さがこの範囲にあると
きには図10より明らかなように良品率が40%以上あ
るので、量産に耐えうる歩留まりを実現することがで
き、このような構成を有する光ピックアップの量産を可
能とすることができる。このとき更に接合材の固着後の
厚さを2≦t≦4(μm)とすることにより歩留まりを
ほぼ50%以上とすることができ、光ピックアップのコ
ストをある程度低下させることができるので更に好まし
い。
【0033】またエポキシ樹脂の場合には、接合材の固
着後の厚さ(t)は0.5≦t≦8(μm)とすること
が好ましい。接合材の固着後の厚さがこの範囲にあると
きには図10より明らかなように良品率が80%以上あ
るので、歩留まりを良好にすることができ、ひいては光
ピックアップのコストを低下させることができる。この
とき更に接合材の固着後の厚さを2≦t≦6(μm)と
することにより歩留まりをほぼ100%とすることがで
き、従って光ピックアップのコストを大幅に低下させる
ことができるので更に好ましい。
【0034】更に基板間の接合層の厚みの最適制御は収
差の発生も抑制することができるので、透過する光の信
号特性の劣化も防止することができる。
【0035】次に本発明の一実施の形態における基板1
01,102,103,104と接合層の屈折率の差に
よる信号特性の変化を測定した。即ち、基板として用い
るガラスは屈折率が1.51であるBK−7を使用し、
これらを接合する接合材としては屈折率がそれぞれ1.
37,1.45,1.52,1.57,1.63の5種
類のエポキシ樹脂を使用して、それぞれの接合材を用い
てガラス基板を接合したときの信号特性の変化を測定
し、その結果を図12に示した。これによると屈折率
1.37,1.63の接合材を用いた場合には他の場合
に比べてC/Nが2db低くなっており、信号特性が劣
化していることがわかる。逆に屈折率が1.45〜1.
57の範囲にあるときにはC/Nは51dbと非常に良
好であることがわかる。つまり基板の屈折率に対して接
合層の屈折率が大きく異なっていると、光のP偏光成分
とS偏光成分との間に相対位相差が生じてしまうので、
再生信号のC/Nが劣化してしまうのである。従って基
板の屈折率(X)に対して接合層の屈折率(Y)が0.
96X≦Y≦1.04Xであれば、P偏光成分とS偏光
成分との間に相対位相差がそれほど大きくないので、非
常に良好な信号特性を得ることができるということがわ
かる。
【0036】尚本実施の形態では基板の屈折率と接合層
の屈折率の差はできるだけ小さい方が好ましいとしてい
たが、基板と接合層の屈折率の違いによる収差の発生を
利用して、従来の拡散角変換ホログラム7で吸収するよ
うにしていた全光路上での収差を一部この部分で吸収す
るようにしても良い。このような構成を用いることによ
り、光の特性を容易に調整することができる、特に戻り
光における収差の吸収が容易に行えるようになり、従っ
て信号特性の良好な光ピックアップを提供することが可
能になる。
【0037】また本実施の形態では図示しなかったが、
各基板の間には例えば1/4波長板等のような光学素子
を挟み込んでも良い。このようにすることにより、光学
素子を別体で設けた場合よりも光ピックアップを小型化
することができるので、光ディスク装置を小型化できる
とともに設計の自由度を増すことができる。
【0038】さらに接合層は各基板の端面全面に形成し
ても良いし、その一部に形成しても良い。また、ここで
は基板間に設けられる接合層についてのみ言及してきた
が、基板間には、基板とは屈折率の異なる部材、例えば
誘電体反射膜のようなものを挿入して設けても良い。こ
のような構成を用いることにより光の特性の調整や光軸
の方向の調整を容易に行うことができるので、設計の自
由度を大きく取ることができる。
【0039】13は受光素子で、受光素子13は板形状
の半導体ウェハーに形成された各種の電気回路で構成さ
れており、光ガイド部材5の底面に取り付けられてい
る。取付の際には放熱板4に設けられた孔4aを用いて
位置の調整を行う。受光素子13と光ガイド部材5との
取り付けについては、大きな接着強度,任意の瞬間に固
定できる作業性,硬化前と硬化後の体積の変化や温度・
湿度による体積の変化が小さい即ち低収縮率等の条件が
要求され、これらを満たすことにより、作業性、接合面
の安定性が向上する。この様な接合材としてここでは紫
外線を照射することにより瞬時に硬化するため特に作業
性が良好なUV接着剤を用いた。なお吸湿硬化型の瞬間
接着剤を用いても良い。また受光素子13は光源1から
出射され、光ガイド部材5や記録媒体等で反射されて戻
ってきた光信号を受光する受光部を複数有している。こ
の受光部で検知された光信号は、その光量に応じて電気
信号に変換される。この電気信号は変換当初は電流値の
大きさである。しかしながらこの電流は非常に微弱であ
り、かつノイズを拾いやすいというデメリットがある。
このためここでは受光素子13として、電流値を相関す
る電圧値に変換して増幅する働きを持つI−Vアンプが
形成されているものを用いることが好ましい。ただし光
の入射周波数に対して出力電圧の応答が良好であること
が要求される。更に受光素子13の表面には受光した情
報を信号として取り出すためのAl等の薄膜で構成され
た複数の電極13aが設けてある。
【0040】14はパッケージで、パッケージ14は、
放熱板4の上面に前述のブロック3や光ガイド部材5,
受光素子13等を囲むように設けられており、その内部
には受光素子13からの電気信号取り出しや光源1の電
源供給等に用いられるリードフレーム14aがモールド
されている。このパッケージ14の形状は中央部がくり
貫かれた直方体形状をしており、更にリードフレーム1
4aがモールドされている側のパッケージ14の内面に
はリードフレームの足14bを露出するように段差14
cが設けてある。なおパッケージ14の形状については
円筒形等であっても構わない。そして受光素子13から
の電気信号を取り出すためにパッケージ14に設けられ
た段差14cに露出しているリードフレームの足14b
と受光素子13の表面に設けられている複数の電極13
aとをAuやAl等で形成されたワイヤ14dでワイヤ
ボンディングにより接続している。また光源1の電源供
給のため、光源1の上面とパッケージ14に設けられた
段差14cに露出しているリードフレームの足14bと
をワイヤ14dでボンディングし、更にサブマウント2
の上面に光源1の下面と電気的に接触するように設けら
れている電極面2aとパッケージ14に設けられた段差
14cに露出しているリードフレームの足14bとを同
じくワイヤ14dでワイヤボンディングすることにより
接続している。パッケージ14の材質としては、低吸水
性や低アウトガス性などに優れていることが求められる
が、ここではICモールドとしては最も一般的なエポキ
シ樹脂等の熱硬化性の樹脂を用いている。またリードフ
レーム14aの材質としてはCu,42アロイ,Fe等
の金属にAgやAu等をメッキしたものを用いることが
多い。ここではCuにNiメッキをし、その上にAuメ
ッキを施したものを用いた。更にパッケージ14と放熱
板4との間の取り付けには、大きな接着強度,低い吸水
性,高い気密性(低いリーク特性)等の性質を有する接
合材を用いる。これにより接合面,接合位置の安定性を
向上させ、光ピックアップのパッケージング内部への不
純物の混入を防止することができる。ここではこれらの
特性に優れ、安価なエポキシ系接着剤を用いた。
【0041】15はシェルで、シェル15もまたパッケ
ージ14と同様に直方体の中心部をくり貫いたような外
形をしており、その水平方向の断面はパッケージ14の
それとほぼ同一形状をしている。またその材質にはパッ
ケージング内部への不純物混入を防止する意味で、低吸
水性や低アウトガス性等の特性が求められる。ここでは
それらの特性に優れたポリブチレンテレフタレート(以
下PBTとする)を用いた。ただし、特に強度や寸法精
度等に優れた特性が要求される場合には、PBTよりも
高価ではあるがこれらの特性に優れたLCPを用いても
良い。そしてシェル15とパッケージ14との接着は、
前述のパッケージ14と放熱板4との取り付けと同様の
理由で、エポキシ系接着剤を用いた。なおこのシェル1
5を用いる代わりにパッケージ14の側壁部分の高さ
を、光ガイド部材5よりも高くなるようにして代替して
も良い。
【0042】16はカバー部材で、カバー部材16は光
ガイド部材5や受光素子13等にごみ,ほこり等が付着
するのを防止するもので、シェル15の上面にエポキシ
系の接着剤により取り付けられている。またカバー部材
16の材質としては、BK−7,コバールガラス等のガ
ラスを用いることがことが好ましい。更にカバー部材1
6の上下両面には反射防止のために反射防止膜16aを
形成することが好ましい。この反射防止膜16aはMg
2 等の材質で形成することが好ましい。
【0043】このカバー部材16と光ガイド部材5との
位置関係は、両者を接触させる場合と両者の間に空間を
設ける場合とが考えられる。両者を接触させる場合、光
ガイド部材5はカバー部材16の底部にエポキシ系の接
着剤やUV接着剤等で取り付けられる。この時のカバー
部材16の厚さ(t1)を0.3≦t1≦3.0(m
m)とすることが好ましい。この理由は、下限について
はこれ以上薄くすると取り付けられている光ガイド部材
5等の重さや、接着剤が固まる際の張力等にカバー部材
16が耐えられず破損する恐れがあるためである。また
上限については、カバー部材16は空気に比べて屈折率
が大きいため光に収束作用が生まれ、光が広がらないの
で、結果としてカバー部材16とコリメータレンズ(無
限系光学系の場合)或いは対物レンズ(有限系光学系の
場合)との距離を長くせざるを得なくなってしまい、ピ
ックアップユニットの小型化に不利になるからである。
この様な構成を用いることにより光ピックアップの高さ
をより低くでき、十分な取付強度を保ちながらもピック
アップユニットを小型化することができる。
【0044】これに対して両者の間に空間を設ける場合
は、カバー部材16の厚さ(t2)を0.1≦t2≦
3.0(mm),カバー部材16と光ガイド部材5との
間の距離(d)を同じく0.1≦d≦3.0(mm)と
することが好ましい。この理由はt2の下限については
前例とは違って光ガイド部材5が取り付けられておら
ず、ただ振動等の外部要因にさえ耐えられればよいから
である。またdについては、小さければ小さい程良いの
だが、組立時の精度の誤差を0.1mm以下にできない
可能性があり、この場合組立時にカバー部材16が光ガ
イド部材5に接触し、破損してしまう恐れがある。この
様な構成を用いることにより光ガイド部材5と、光源
1,サブマウント2,ブロック3の間の取り付け相対位
置精度を向上させつつブロック3若しくはサブマウント
2を他の部材に熱的に接触させることが可能であり、こ
れにより光源1で発生する熱を外部に容易に放出するこ
とができる。
【0045】なお光ピックアップの内部は光源1及び受
光素子13の酸化防止や光ガイド部材5,カバー部材1
6での結露防止等の観点から、N2等のガスやAr,N
e,He等の不活性ガスを充填することが好ましい。そ
の場合、放熱板4と受光素子13との間に存在する隙間
17を小さな収縮率,低い吸水性,高い気密性(優れた
リーク特性)等の特性を有する接合材、例えばエポキシ
系のポッティング剤や半田等で埋める必要がある。これ
により内部の気密性を高めることができる。
【0046】以上示してきた構成を用いることにより、
光源1で発生する熱を容易に外部に放出することがで
き、更にパッケージングの両端面に計2個所の開口部を
設けることにより、酸化防止ガスの封入を容易に行うこ
とができる。また光学系においては光源1,光ガイド部
材5及び受光素子13の相対的な位置関係を正しくかつ
強固に保持することができるので、それらの位置のずれ
による誤動作や余分な光学的収差等が発生しない。
【0047】またこの光ピックアップのパッケージング
全体での熱抵抗は35℃/w以下とすることがより効率
よく熱をパッケージ外に逃がすことができるので好まし
い。次に本発明の一実施の形態における光ピックアップ
の動作について、図面を参照しながら説明する。図3は
本発明の一実施の形態における光ピックアップの動作の
概念図、図4は本発明の一実施の形態における光ガイド
部材の斜視図である。
【0048】図3及び図4において放熱板4上にサブマ
ウント2及びブロック3を介して水平にマウントされた
光源1から水平に放出されたレーザ光は、平行な複数の
斜面を有する光ガイド部材5の面5fから光ガイド部材
5に入射し、光ガイド部材5の第二の斜面5bに形成さ
れかつ入射する光の拡散角に対して射出する光の拡散角
を変換する(以下NAを変換すると呼ぶ)機能を有する
反射型の拡散角変換ホログラム7に到達する。拡散角変
換ホログラム7によってNAを変換されかつ反射した光
は第一の斜面5aに形成された反射型の回折格子6によ
って0次回折光(以下メインビームと呼ぶ)と±1次回
折光(以下サイドビームと呼ぶ)とに分けられる。回折
格子6によって発生するメインビーム及びサイドビーム
は第一の偏光選択性のあるビームスプリッター膜9(以
下単に第一のビームスプリッター膜と呼ぶ)に入射す
る。第一のビームスプリッター膜9は入射面に対して平
行な振動成分を有する光(以下単にP偏光成分と呼ぶ)
に対してほぼ100%の透過率を有し、垂直な振動成分
(以下単にS偏光成分と呼ぶ)に対しては一定の反射率
を有する。第一のビームスプリッター膜9に入射する光
のうち第一のビームスプリッター膜9を透過する光は光
源1からの射出光のモニター光として利用される。ま
た、第一のビームスプリッター膜9で反射されたS偏光
成分に直線偏光したメインビーム及びサイドビームは、
光ガイド部材5の面5e及びカバー部材16を透過、対
物レンズ26に入射し、対物レンズ26の集光作用によ
って記録媒体27の情報記録面27aに結像される。こ
の時、情報記録面27a上において2つのサイドビーム
のビームスポット29a及び29cはメインビームのビ
ームスポット29bを中心としてほぼ対称な位置に結像
される。情報記録面27aに対してメインビーム及びサ
イドビームのビームスポット29b及び29a、29c
により情報の記録または再生信号及びトラッキング、フ
ォーカシングいわゆるサーボ信号の読みだしを行う。
【0049】拡散角変換ホログラム7は、光源1からの
射出光のうち拡散角変換ホログラム7へ入射することの
できる光束の拡散角に対して、拡散角変換ホログラム7
からの反射光の拡散角を変換する。また、拡散角変換ホ
ログラム7によって拡散角をまったく持たない平行光に
も変換可能である。また、同じ拡散角変換ホログラム7
によって図3に示されるように光ガイド部材5射出後の
光束が途中経路で積算された波面収差が取り除かれた理
想球面波30となる。したがって、対物レンズ26への
入射光は理想球面波30となり、対物レンズ26による
記録媒体27でのビームスポットはほぼ回折限界まで絞
り込まれ理想的な大きさとなり、情報の記録または再生
を容易に行うとができる。
【0050】記録媒体27の情報記録面27aによって
反射されたメインビーム及びサイドビームの戻り光は対
物レンズ26、光ガイド部材5の面5eを再び通過し、
光ガイド部材の第二の斜面5bに形成された第一のビー
ムスプリッター膜9に入射する。
【0051】記録媒体27からの戻り光のうち第一のビ
ームスプリッター膜9から透過する光は光ガイド部材5
の第一の斜面5aに平行な第三の斜面5c上に形成され
た第二の偏光選択性のあるビームスプリッター膜11
(以下単に第二のビームスプリッター膜と呼ぶ)に入射
する。第二のビームスプリッター膜11は第一のビーム
スプリッター膜9と同様にP偏光成分に対してほぼ10
0%の透過率を有し、S偏光成分に対しては一定の反射
率を有する。
【0052】ここで第二のビームスプリッター膜11に
入射した光束の内、透過光117に関して説明する。透
過光117は第三の斜面5c上に積層された偏光面変換
基板31に入射する。
【0053】図5は本発明の一実施の形態における偏光
面変換基板の斜視図、図6は本発明の一実施の形態にお
ける光ピックアップの受光部配置及び信号処理を示す図
である。偏光面変換基板31は第1のその他の斜面31
a(以下単に第一他斜面と呼ぶ)とその第一他斜面31
aに略平行な第2のその他の斜面31b(以下単に第二
他斜面と呼ぶ)を有し、第一他斜面31aには反射膜1
26が、第二他斜面31bには偏光分離膜12が夫々形
成されている。透過光117は第二他斜面31b上に形
成された偏光分離膜12に入射する。第二他斜面31b
は透過光117の偏光面117aと入射面128とのな
す角が略45×(2n+1)゜:(nは整数)になるよ
うに形成されている。その結果透過光117のP偏光成
分117pとS偏光成分117sは略1:1の強度比を
有するようになる。入射面128と平行な偏光成分を有
するP偏光成分117pは偏光分離膜12によってほぼ
100%透過し、一方、入射面128に垂直な偏光成分
を有するS偏光成分117sは第二他斜面31b上の偏
光分離膜12によって略100%反射し第一他斜面31
a面上に入射し、反射膜126によって反射され受光素
子13へ導かれる。受光素子13に導かれたP偏向成分
117pは受光部170へ、同じくS偏向成分は受光部
171へ到達してRF信号を作成する。
【0054】次に図3中に示す第二のビームスプリッタ
ー膜11に入射した光束のうち反射光123に関して説
明する。反射光123は第二の斜面5b上の反射型のホ
ログラムで形成された非点収差発生ホログラム10に入
射する。反射光123は非点収差発生ホログラム10に
よって非点収差を発生しつつ、さらに反射膜124,反
射膜125で反射されて、メインビームの戻り光は受光
素子13上の受光部172に、サイドビームの戻り光は
受光素子13上の受光部176及び177に到達する。
【0055】次に本発明の一実施の形態について図を参
照しながら説明する。この実施の形態では特に相変化型
光ディスクに対応した光ピックアップの構成について説
明するものである。相変化型光ディスクは光を照射する
ことで記録媒体中の結晶構造を変化させて情報を記録す
るもので、結晶構造を変化させるために従来の光記録再
生装置に比べてより多くの光量を必要とするので、より
効率の良い光学系を必要とする。図7は本発明の一実施
の形態における相変化型光ディスク用の光ピックアップ
の構成図である。なお図1,図2及び図3に示したもの
と番号が同一の部材については、その働き及び構成が同
様であるので説明を省略する。
【0056】光源1から放出されたレーザ光は、平行な
複数の斜面を有する光ガイド部材41の面41fから光
ガイド部材41に入射し、拡散角変換ホログラム7、回
折格子6及び偏光選択性のあるビームスプリッター膜3
5(以下ビームスプリッター膜と呼ぶ)を通って光ガイ
ド部材41の面41eから出射される。ここでビームス
プリッター膜35は図3に示す実施の形態の場合とは異
なりS偏光成分の反射率は95%以上でP偏光成分の反
射率はおよそ1%程度である。ビームスプリッター膜3
5に入射する光のうちビームスプリッター膜35を透過
する光(P偏光成分で全光量の数パーセント程度)は光
源1からの射出光のモニター光として利用される。光ガ
イド部材41の面41eから出射された光はカバー部材
16に設けられたλ/4板33を透過する。図8は本発
明の一実施の形態におけるλ/4板33の概観図であ
る。λ/4板33は光ガイド部材41からの入射光偏光
面に対して、その異常光軸がπ/4・(2m−1);
(ただしmは自然数:以下同じ)の方向に設置されてお
り、入射光の異常光成分と常光成分の位相差をπ/2・
(2m−1)だけ発生させる機能を有している。λ/4
板33を構成する材料としては一般に一軸性結晶材料を
用いる。その中でも低コストで、光透過性に優れた水晶
を用いることが好ましい。一軸性結晶では異常光軸61
6と常光軸617があり、それぞれの光軸に対して異常
光屈折率ne及び常光屈折率noと呼ばれる異なる屈折率
を有している。異常光と常光では光学的距離が異なるの
で、λ/4板33の基板厚をQD,入射光波長をλとし
て次の関係式で決まる位相差Δが発生する。λ/4板3
3の厚さQDはこの位相差Δがπ/2・(2m−1)と
なるように決定されている。
【0057】Δ=2π・(ne−no)・QD/λ 本実施例では、波長λ=790nm、異常光屈折率ne
=1.5477、常光屈折率no=1.5388(ただ
し屈折率は基板の切り出し角で異なる。ここでは異常光
軸及び常光軸の双方の軸を含む平面に平行に切り出し
た。)という条件に対してλ/4板33の基板厚は2
1.9・(2m−1)μmとなる。この様な条件にする
ことにより、直線偏光で入射角0度で入射してきた光を
円偏向の光に変換することができる。即ち光源1から出
射されたS偏向成分のみを含む直線偏光を円偏光に変換
することができる。なおここではλ/4板33としてカ
バー部材16上に21.9μmの水晶を設けていたが、
光ガイド部材の面41eや対物レンズ26に設けること
もある。
【0058】λ/4板33を透過して円偏向となった光
は対物レンズ26に入射し、対物レンズ26の集光作用
によって記録媒体27の情報記録面27aに結像され、
反射される。記録媒体面で反射された円偏光化した光は
その回転方向が逆転するので、戻り光は対物レンズ26
を透過し、再びλ/4板33を透過する際に、P偏光成
分のみを含む直線偏光に変換される。この様に変換され
た戻り光は光ガイド部材41の面41eを再び通過し、
再び光ガイド部材の第二の斜面41bに形成されたビー
ムスプリッター膜35に入射する。前述のようにビーム
スプリッター膜35はP偏光成分に対してほぼ100%
の透過率を有し、S偏光成分に対してはほぼ100%の
反射率を有する。従ってP偏光成分しか有さない戻り光
はビームスプリター膜35をほぼ透過する。
【0059】そして戻り光は光ガイド部材41の第一の
斜面41aに平行な第3面41c上に形成されたハーフ
ミラー34に入射する。ハーフミラー34は入射した光
のうち所定の量を反射して、残りを透過する働きを有し
ている。
【0060】ここでハーフミラー34に入射した光束の
内、透過光117は受光素子36上に設けられている受
光部37へ導かれる。
【0061】次に図3中に示すハーフミラー34に入射
した光束のうち反射光123に関して説明する。図9は
本発明の一実施の形態における相変化型光ディスク用の
光ピックアップの受光素子に設けられた受光部の配置図
である。反射光123は第二の斜面41b上の反射型の
ホログラムで形成された非点収差発生ホログラム10に
入射する。反射光123は非点収差発生ホログラム10
によって非点収差を発生しつつ、さらに反射膜124,
反射膜125で反射されて、メインビームの戻り光は受
光素子36上の受光部38に、サイドビームの戻り光は
受光素子36上の受光部39及び40に到達する。
【0062】以上のような構成を有する光ピックアップ
ではλ/4板をビームスプリッター膜35と記録媒体2
7との間に設け、S偏光成分の直線偏光である出射光を
円偏光化した光に変換し、その後記録媒体27で反射さ
れ回転方向が逆転した円偏光化した光をP偏光成分のみ
を有する直線偏光に変換してビームスプリッター膜35
に入射させることにより記録媒体27で反射された光を
ほぼ100%受光素子36上に導くことができるので、
ビームスプリッター膜35のS偏光成分の反射率を大幅
に高くすることができ、従って記録媒体27に照射され
る光量を大きくすることができる。即ち限られた光源1
の出力を効率よく記録媒体27に照射でき、かつ、記録
媒体27からの反射光を効率よく受光素子37に導くこ
とができる。
【0063】
【発明の効果】本発明は、光ピックアップ及び相変化型
光ディスク用の光ピックアップを構成する光ガイド部材
において、光ガイド部材を構成する複数の基板の間の少
なくとも一部に前記複数の基板とは屈折率の異なる層を
形成したことにより、光の特性を容易に調整することが
できるので、設計の自由度を大きく取ることができる。
【0064】そして複数の基板の間の少なくとも一部に
接合層を形成したことにより、基板同士の位置あわせを
容易に行うことができるので、精度の高い光ピックアッ
プとすることができる。
【0065】また基板の屈折率(X)に対して接合層の
屈折率Yの範囲を0.96X≦Y≦1.04Xとしたこ
とにより、S偏光成分とP偏光成分との間の位相差の発
生を最小限に抑えることができるので、良好な信号特性
を得ることができる。
【0066】更に接合層をエポキシ樹脂で形成したこと
により、製造工程において光ガイド部材の接合部位のズ
レや剥がれ等が発生しにくくなり、歩留まりを向上させ
ることができるとともに透過する光の特性の劣化を防止
することができるので、結果として光ピックアップの製
造コストを低下させることができる。
【0067】加えてエポキシ接合層の厚さ(t)を0.
5<t≦8(μm)、好ましくは2≦t≦6としたこと
により、収差の発生を防止できるとともに接合力を最適
に制御することができるので、光ガイド部材の歩留まり
を大幅に向上させることができ、従って光ピックアップ
の製造コストを大幅に低下させることができる。
【0068】また接合層をアクリル樹脂で形成したこと
により、基板同士の接合状態を良好にすることができ、
更に信号特性を良好にすることができるので、結果とし
て光ピックアップの製造コストを低下させることができ
る。
【0069】更にアクリル接合層の厚さ(t)を0.5
<t≦6(μm)、好ましくは2≦t≦4としたことに
より、収差の発生を防止できるとともに接合力を最適に
制御することができるので、光ガイド部材の歩留まりを
大幅に向上させることができ、従って光ピックアップの
製造コストを大幅に低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における光ピックアップ
のパッケージングの構成を示す断面図
【図2】本発明の一実施の形態における光ピックアップ
のパッケージングの構成を示す断面図
【図3】本発明の一実施の形態における光ピックアップ
の動作の概念図
【図4】本発明の一実施の形態における光ガイド部材の
斜視図
【図5】本発明の一実施の形態における偏光面変換基板
の斜視図
【図6】本発明の一実施の形態における光ピックアップ
の受光部配置及び信号処理を示す図
【図7】本発明の一実施の形態における相変化型光ディ
スク用の光ピックアップの構成図
【図8】本発明の一実施の形態におけるλ/4板の概観
【図9】本発明の一実施の形態における相変化型光ディ
スク用の光ピックアップの受光素子に設けられた受光部
の配置図
【図10】本発明の一実施の形態における接合材の厚み
と良品率の割合を示した図
【図11】従来の光ガイド部材の組立図
【図12】接合層の屈折率と信号特性の関係図
【符号の説明】
1 光源 2 サブマウント 2a 電極面 3 ブロック 3a 突起部 3b 端面部 4 放熱板 4a 孔 5 光ガイド部材 5a 第一の斜面 5b 第二の斜面 5c 第三の斜面 5e 面 5f 面 5g 側面 6 回折格子 7 拡散角変換ホログラム 9 第一のビームスプリッター膜 10 非点収差発生ホログラム 11 第二のビームスプリッター膜 12 偏光分離膜 13 受光素子 13a 電極 14 パッケージ 14a リードフレーム 14b リードフレームの足 14c 段差 14d ワイヤ 15 シェル 16 カバー部材 16a 反射防止膜 17 隙間 26 対物レンズ 27 記録媒体 27a 情報記録面 29a,29b,29c ビームスポット 30 理想球面波 31 偏光面変換基板 31a 第一他斜面 31b 第二他斜面 31c 側面 31d 反射膜 33 λ/4板 34 ハーフミラー 35 ビームスプリッター膜 36 受光素子 37,38,39,40 受光部 41 光ガイド部材 41a 第一の斜面 41b 第二の斜面 41c 第三の斜面 41e 面 41f 面 101,102,103,104 基板 117 透過光 117a 偏光面 117s S偏光成分 117p P偏光成分 123 反射光 124 反射膜 125 反射膜 126 反射膜 128 入射面 170,171,172,172a,172b,172
c,172d,176,177 受光部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−289321(JP,A) 特開 昭55−150142(JP,A) 特開 平6−203420(JP,A) 堀之内昇吾:「マルチメディア時代の 光エレクトロニクス 超小型光磁気記録 用集積光ヘッド」,pp.107 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/12 - 7/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、前記光源から照射された光の入
    射方向に対して傾斜して配置され光学素子が形成された
    複数の基板を有する光ガイド部材と、前記光ガイド部材
    を透過してきた光を電気信号に変換する受光手段とを有
    し、 前記複数の基板には回折格子、ホログラム、ビームスプ
    リッタ膜、反射膜、および偏光分離膜のいずれかの光学
    素子が形成され、前記光源から発射された光は前記光ガ
    イド部材に入射していずれかの前記光学素子を経て外部
    に送出され、外部から前記光ガイド部材に入射した光は
    前記複数の基板のいずれかの前記光学素子を経て前記受
    光手段に導かれる光ピックアップであって、 前記複数の基板は接合層を介して接合され、前記複数の
    基板の屈折率(X)と前記接合層との屈折率の差(d)
    が|d|≦0.04Xで、かつ、前記接合層をエポキシ
    樹脂またはアクリル樹脂で形成し、前記接合層の厚さ
    (t)を0.5≦t≦6(μm)としたことを特徴とす
    る光ピックアップ。
  2. 【請求項2】 光源からの照射光の方向に対して傾斜し
    て配置された複数の基板を有し、前記複数の基板には回
    折格子、ホログラム、ビームスプリッタ膜、反射膜、お
    よび偏光分離膜のいずれかの光学素子が形成され、前記
    光源から発射された光は前記光ガイド部材に入射してい
    ずれかの前記光学素子を経て外部に送出され、外部から
    前記光ガイド部材に入射した光は前記複数の基板のいず
    れかの前記光学素子を経て前記受光手段に導かれる光ガ
    イド部材であって、 前記複数の基板は接合層を介して接合され、前記複数の
    基板の屈折率(X)と前記接合層との屈折率の差(d)
    が|d|≦0.04Xで、かつ、前記接合層をエポキシ
    樹脂またはアクリル樹脂で形成し、前記接合層の厚さ
    (t)を0.5≦t≦6(μm)としたことを特徴とす
    る光ガイド部材。
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