JP3479767B2 - プラスチック製の回転操作工具 - Google Patents

プラスチック製の回転操作工具

Info

Publication number
JP3479767B2
JP3479767B2 JP16806699A JP16806699A JP3479767B2 JP 3479767 B2 JP3479767 B2 JP 3479767B2 JP 16806699 A JP16806699 A JP 16806699A JP 16806699 A JP16806699 A JP 16806699A JP 3479767 B2 JP3479767 B2 JP 3479767B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotated
tool
peripheral surface
fulcrum
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16806699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000354973A (ja
Inventor
清志 西尾
卓也 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Pillar Packing Co Ltd filed Critical Nippon Pillar Packing Co Ltd
Priority to JP16806699A priority Critical patent/JP3479767B2/ja
Publication of JP2000354973A publication Critical patent/JP2000354973A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3479767B2 publication Critical patent/JP3479767B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、外周面に凹部又は
凸部が形成された断面円形又は多角形の被回転操作部を
有するプラスチック製のネジ部材(プラスチック製管継
手の管連結用ナットや継手本体等)を人為的に回転操作
する場合に使用されるプラスチック製の回転操作工具に
関するものである。 【0002】 【従来の技術】この種の回転操作工具としては、一般
に、金属製(鋳物製)のメガネレンチやスパナ等が周知
であるが、このような金属製のものは金属汚染を回避す
る必要のある半導体製造工場等においては使用すること
ができない。 【0003】すなわち、金属汚染を回避する必要のある
半導体製造工場等においては、管継手等を含む配管全体
をプラスチック製のもので構成しているが、かかるプラ
スチック製の配管に使用されるネジ部材(例えば、管継
手を構成する雌ネジ部材である管連結用ナット(ユニオ
ンナット)や雄ネジ部材である継手本体)の回転操作
(締付操作等)を上記した如き金属製の回転操作工具を
使用して行うと、当該工具から金属粉が発生して金属汚
染する虞れがある。 【0004】そこで、半導体製造工場等においては、上
記したプラスチック製のネジ部材を回転操作させる回転
操作工具として、図10(A)に示す如く、金属製のス
パナと同様に、ネジ部材102に形成された断面多角形
(例えば六角形)の被回転操作部103を挟持状に係合
する一対の爪部101a,101aを有するプラスチッ
ク製のスパナ101が使用されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、かかるプラ
スチック製のスパナ101は、図10(A)に示す如
く、被回転操作部103の対向する二面103a,10
3aとこれを挟む爪部101a,101aの対向面との
摩擦係合力によりネジ部材102にトルクを付与するも
のであるから、ネジ部材102を回転させるに十分な摩
擦係合力が確保される必要がある。 【0006】しかし、プラスチック製のスパナ101に
あっては、爪部101a,101aの強度(剛性)が金
属製のものに比して劣るため、ネジ部材102にトルク
を与えた場合、図10(B)に示す如く、爪部101
a,101aの対向間隔が広がって、上記摩擦係合力が
作用する領域が上記二面103a,103aから回転方
向側の端部(角部)103b,103bへと移行して、
ネジ部材102を回転させるに十分な摩擦係合力を確保
することができず、ネジ部材102を回転させることが
できない。一方、爪部101a,101aの強度は、そ
の形状を大きくすることによって向上させることができ
るが、このようにすると、スパナ101が不必要に大型
化し、ネジ部材102ないし被回転操作部103の周り
に爪部103a,103aが移動(回動)するための大
きな空間が必要となり、狭い場所に配置されることが多
いネジ部材102の回転操作を円滑に行い難い。 【0007】本発明は、このような問題を生じることな
く、プラスチック製のネジ部材を容易に回転操作するこ
とができる新規なプラスチック製の回転操作工具を提供
することを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明のプラスチック製
の回転操作工具は、外周面に凹部又は凸部が形成された
断面円形又は多角形の被回転操作部を有するプラスチッ
ク製のネジ部材を回転操作するためのものであり、上記
の目的を達成すべく、特に、次のように構成されてい
る。 【0009】すなわち、本発明の回転操作工具は、工具
本体とその基端部に連なる操作レバーとからなるプラス
チック製の一体成形物であり、工具本体の先端部に、被
回転操作部の凹部又は凸部に凹凸係合する複数の支点部
を形成すると共に、内周面を被回転操作部の外周面形状
に略合致する円弧形状とした工具本体の基端部に、支点
部を被回転操作部の凹部又は凸部に凹凸係合させた状態
において被回転操作部の外周面に摩擦係合する作用点部
を形成して、操作レバーを、工具本体の支点部と被回転
操作部の凹部又は凸部との係合部分を中心として、作用
点部を被回転操作部の外周面に押圧させる方向に回動操
作させることにより、ネジ部材を回転せしめうるように
構成すると共に、被回転操作部の中心と前記係合部分
あって最基端側の支点部と被回転操作部との係合部分
び作用点部とを結ぶ2直線がなす角度αが120°≦α
<180°となるように構成したものである。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図9に基づいて説明する。 【0011】図1〜図5は、半導体製造工場に設置され
るプラスチック製配管における管継手の管連結用ナット
(ユニオンナット)2を締付方向R又はその反対方向に
回転操作するためのプラスチック製の回転操作工具1を
示している。雌ネジ部材である当該ナット2は、図2〜
図5に示す如く、その螺送中心と同心をなす断面円形の
被回転操作部3を有してなるプラスチック製(例えばP
FA製)のものであり、被回転操作部3の外周面4には
ローレットによる凹凸部が形成されている。すなわち、
被回転操作部3の外周面4には、軸線方向に直線状に延
びる複数の凹部たる凹溝5…が周方向に等間隔を隔てて
形成されている。 【0012】回転操作工具1は、図1〜図5に示す如
く、湾曲状の工具本体6とその基端部に連なる直線状の
操作レバー7とからなるプラスチック製の一体成形物で
ある。この一体成形物1は、その外周面を構成する一定
巾Wの帯状枠部1aと、枠部1aの巾方向中央部に位置
する平板状芯部1bと、芯部1bの両面から立ち上がり
且つ枠部1aの対向面間を連結する複数の矩形板状リブ
部1c…とで構成される形状に、適宜のプラスチック材
(この例ではPP)により射出成形されたものである。
リブ部1c…は、工具1の強度を確保しつつ工具1の可
及的な軽量化を図るために設けられたものである。特
に、工具本体6を構成する部分及びこれと操作レバー7
との接合部分においては、図1及び図2に示す如く、リ
ブ部1c…をトラス構造として、操作レバー7を操作し
たときにおける当該部分の変形を可及的に防止するよう
に工夫してある。工具1の厚みW及び操作レバー7の高
さHは、例えばW×H=6mm×13mm,7.5mm
×13mm,8mm×15mm,9.5mm×15m
m,13mm×20mm,16mm×20mmのよう
に、被回転操作部3ないし工具1の大きさ,形状等に応
じて適宜に設定することができる。この例では、W×H
=16mm×20mmとしてある。 【0013】工具本体6は、図1及び図2に示す如く、
円弧状の内周面8を有する湾曲形状をなしており、その
先端部には、被回転操作部3の外周面4に形成された凹
部たる凹溝5…に凹凸係合しうる適当数(この例では3
つ)の支点部9…が形成されている。各支点部9は、図
2及び図4に示す如く、工具本体6の内周面8の先端部
にその幅方向に延びる凸条をなして突設されている。こ
れらの支点部9…の相互間隔(内周面8の長手方向にお
ける相互間隔)及び形状は、図2及び図4に示す如く、
工具本体6を被回転操作部3の外周面4の嵌合させたと
きにおいて、3つの支点部9…が夫々隣接する3つの凹
溝5…に凹凸係合するように設定されている。 【0014】工具本体6の基端側部分には、図2に示す
如く、支点部9…を被回転操作部3の凹溝5…に凹凸係
合させた状態(図2及び図4に示す状態)において被回
転操作部3の外周面4に摩擦係合する作用点部8aが形
成されている。この例では、工具本体6の内周面8を、
その曲率半径が被回転操作部3の外周面4の半径(D/
2)と略一致する円弧形状をなすものとしておくことに
よって、図2に示す如く、内周面8が被回転操作部3の
外周面4に嵌合すると共に、操作レバー7をナット2を
所望の回転方向(以下の説明においては、便宜上、当該
ナット2を締め付ける方向(締付方向)Rをいうものと
する)に回転させるべき方向(以下「操作方向」とい
う)Raへと押圧操作したときにおいて、当該内周面8
の少なくとも基端部8aが被回転操作部3の外周面4に
摩擦係合されるように工夫してある。すなわち、作用点
部8aが内周面8の基端部で構成されており、この作用
点部8aが、工具本体6の支点部9…を被回転操作部3
の凹溝5…に係合させると共に工具本体6の内周面8を
被回転操作部3の外周面4に嵌合させた状態(図2及び
図4に示す状態であり、以下「回転操作可能状態」とい
う)において、操作レバー7を支点部9…と凹溝5…と
の係合部分を中心として操作方向Raに回動操作させた
ときに、被回転操作部3の外周面4に圧接せしめられる
ようになっている。 【0015】ところで、工具1を回転操作可能状態にセ
ットする方法としては、次の2通りがある。すなわち、
第1のセット方法では、図3に示す如く、内周面8の最
先端側に位置する支点部(以下において他の支点部9,
9と区別する必要がある場合には、当該支点部を「第1
支点部」 という)9を凹溝5に係合させた上、この係合
部分を支点として操作レバー7を操作方向Raと同一方
向(図3に示す矢印方向)に回動させることにより、全
支点部9…を凹溝5…に係合させると共に内周面8を被
回転操作部3に嵌合させる。回転操作可能状態を解除し
て、工具1を被回転操作部3から取り外すには、操作レ
バー7を上記係合部分を支点として上記と逆方向に回動
させればよい。また、第2のセット方法では、工具本体
6の一側端部を被回転操作部3の一側端部に当てた状態
で、工具1をナット2の軸線方向にスライドさせること
により、支点部9…の凹溝5…への係合と内周面8の被
回転操作部3への嵌合とを同時に行う。回転操作可能状
態を解除して、工具1を被回転操作部3から取り外す場
合にも、上記同様のスライド操作を行えばよい。このよ
うな第1又は第2の何れのセット方法によるかは、工具
本体6の形状や被回転操作部3の周辺空間の大きさ等の
条件に応じて、任意に選択することができる。この例で
は、図2に示す如く、内周面8が半円形状をなすもので
あり、両端部間の直線距離Lが被回転操作部3の外径D
に略一致していることから、何れのセット方法によって
も工具1の被回転操作部3への脱着を行うことができ
る。なお、工具1の脱着を繰り返しつつナット2を比較
的小さな角度づつ間欠的に回転操作させる場合には、第
1のセット方法を採用するのが便利であり、操作効率上
からも有利である。 【0016】以上のように構成された回転操作工具1に
よれば、これを上記した第1又は第2のセット方法によ
り回転操作可能状態となした上、作業者が操作レバー7
を握持して、これを操作方向Raに押圧回動させること
により、ナット2を締付方向Rに回転させることができ
る。 【0017】すなわち、図6に示す如く、操作レバー7
を操作方向Raに押圧操作すると、工具本体6には支点
部9を中心とする回転モーメントが作用して、内周面8
の基端部である作用点部8aが被回転操作部3の外周面
4に押し付けられることになり、この押付力Fによりナ
ット2を回転させるトルク(螺送中心である被回転操作
部3の中心3a回りにおける回転モーメント)が生じ
て、これにより被回転操作部3つまりナット2が締付方
向Rに回転されることになる。 【0018】ところで、かかる状態においては、図6に
示す如く、工具1が一種の梃子(作業者により操作レバ
ー7に力が加えられる箇所を力点7aとし、支点部9…
と凹溝5…との係合部分を支点9aとし、作用点部8a
を作用点とする梃子)として機能し、上記押付力Fは支
点9aと作用点(作用点部)8aとを結ぶ直線21に直
交する方向に作用することになる。 【0019】したがって、被回転操作部3の中心3aと
支点9a及び作用点8aとを結ぶ直線23,24がな
す角度(以下「支点・作用点間隔」という)αがα<1
80°である場合、図6に示す如く、押付力Fが被回転
操作部3の外周面4に対する接線(作用点8aにおける
接線)22より内側(中心3a側)へと作用する、つま
り押付力Fが外周面4に食い込み勝手となる方向に作用
することになる。 【0020】この押付力Fは、図6に示す如く、外周面
4に対する法線方向と接線方向とに分解することができ
るが、その法線方向分力Fcは中心3aに向かう方向に
作用することになり、この法線方向分力Fcにより、作
用点部8aを接線方向分力Ftに抗して被回転操作部3
の外周面4に固定する摩擦係合力が生じることになる。
その結果、支点部9…と凹溝5…との凹凸係合及び作用
点部8aの外周面4へ摩擦係合によって、工具1と被回
転操作部3とが相対変位不能に連結されることになる。
したがって、この状態において、操作レバー7を操作方
向Raに回動操作させると、これに伴って被回転操作部
3が締付方向Rに回転せしめられることになる。 【0021】一方、支点・作用点間隔αがα≧180°
である場合には、上記のような押付力Fは作用せず、図
6に鎖線で示す如く、外周面4の接線(作用点部8aと
の接触点における接線)25より外側への作用力(α=
180°の場合には、当該作用力の作用線は接線25上
に位置する)fが作用する。この作用力fは、被回転操
作部3の中心3aから遠ざかる方向への法線方向分力f
cを生じる(α=180°の場合には、法線方向分力を
生じず、接線方向分力ft(=f)のみが生じることに
なる)。したがって、上記作用力fによっては、作用点
部8aを被回転操作部3の外周面4に固定させるに充分
な摩擦係合力が生じず、工具1による被回転操作部3の
回転操作を行い得ない。 【0022】したがって、被回転操作部3にこれを回転
させるトルクが生じるためには、支点・作用点間隔αを
α<180°としておくことが好ましい。しかし、支点
・作用点間隔αが一定以下になると、操作レバー7に力
を加えたときにおいて支点部9…が凹溝5…から外れる
虞れがある。また、支点・作用点間隔αが小さくなるに
従って中心3aから押付力Fへの垂直距離(中心3a回
りの回転モーメントの腕の長さ)は小さくなる。一方、
操作レバー長さを必要以上に長くすることなく(工具1
の全長を必要以上に長くすることなく)、力点7aに加
えるレバー操作力を小さくするためには(或いは、一定
のレバー操作力でより大きな押付力Fを生じさせるため
には)、支点・作用点間隔αを小さくしておくことが好
ましい。 【0023】これらのことから、一般に、支点・作用点
間隔αは120°≦α<180°としておくことが好ま
しい。上記した工具1では、第2のセット方法のみなら
ず第1のセット方法をも選択できるように、工具本体6
の内周面8が半円形状としているため、支点9aを第1
支点部9による係合点とした場合、支点・作用点間隔α
が180°となり、上記条件を満足しない。しかし、工
具本体6の内周面8が被回転操作部3の外周面形状に略
合致する円弧形状(半円形状)とされていることから、
操作レバー7に操作方向Raへの押圧力を作用させた場
合、実質的に押付力Fを決定する上での支点9aは、最
基端側の支点部9又はその近傍の内周面8部分と凹溝部
分との圧接点となり、支点・作用点間隔αは180°に
限りなく近いものの、α<180°となっている。 【0024】したがって、上記した工具1によれば、ナ
ット2を締付方向Rへと良好に回転操作することができ
る。また、断面六角形をなす被回転操作部103の外周
面をその略全面に亘って囲繞するU状部分(爪部101
a,101a)を備えた冒頭のスパナ101と異なっ
て、各部分6,7を充分な強度を有する大きさのものと
しても、リブ1c…により補強したこととも相俟って、
工具1を可及的にコンパクトなものとできる。しかも、
工具本体6が被回転操作部3の外周面4の一部に嵌合す
る湾曲状のものであり、占有スペースが僅かなものであ
るから、支点部9…が係合する凹溝5…を小さなピッチ
で変更させつつ回転操作を行うことができることとも相
俟って、ナット2ないし被回転操作部3の周辺スペース
が小さい場合にも、ナット2の回転操作を容易に行うこ
とができる。さらに、仮に、操作レバー7に力を加える
ことによって工具本体6が変形するようなことがあって
も、その変形が工具本体6の曲率半径を小さくする方向
への撓み変形となり、作用点部8aを被回転操作部3の
外周面4に押し付ける方向に変位(変形)させることに
なるから、金属製のものに比して強度的に劣るプラスチ
ック製のものであるにも拘わらず、工具1と被回転操作
部3との連結状態が解除されることがない。したがっ
て、図10(B)に示す如く爪部101aが変形するこ
とにより充分なトルクを確保できないといった冒頭のス
パナ101のような問題は生じず、ナット2の締付方向
R又はその逆方向への回転操作を良好且つ確実に行うこ
とができる。 【0025】なお、本発明は上記した実施の形態に限定
されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範
囲において、適宜に改良,変更することができる。 【0026】例えば、上記した如く、工具本体6の撓み
変形は、それが極端なものでない限り、工具1による回
転操作に悪影響を及ぼさないことから、工具本体6を積
極的に或いは消極的にある程度変形されるようなものと
しておくことも可能であり、工具1の強度を向上させる
ために、工具1を必要以上に大型化しておく必要はな
い。 【0027】そして、このように工具本体6がある程度
変形されるような工具1にあっては、図7に示す如く、
支点・作用点間隔αを180°以上としておくことも可
能である。すなわち、工具本体6の内周面8を被回転操
作部3の外周面形状に略合致する半円以上の円弧形状と
しておくと、操作レバー7に操作方向Raに押圧するこ
とによって工具本体6が変形して、内周面8が基端部8
a以外の部分(複数部分である場合もある)8bにおい
ても被回転操作部3の外周面4に圧接することになる。
つまり、内周面8には、基端部である第1の作用点部8
aに加えて、第2の作用点部8bが形成されることにな
る。そして、この第2の作用点部8bは、支点9aに対
する作用点として機能すると共に、第1の作用点部8a
に対する支点として機能することになる。したがって、
第1の作用点部8aを基準とする支点・作用点間隔αが
180°以上であっても、作用点としての第2の作用点
部8bと支点9aとの支点・作用点間隔β及び支点とし
ての第2の作用点部8bと作用点としての第1の作用点
部8aとの支点・作用点間隔γは何れも180°未満と
なり、各作用点部8a,8bには適正な押付力(外周面
4に食い込み勝手となる方向に作用する押圧力)Fa,
Fbが作用することになる。その結果、α≧180°で
ある場合にも、ナット2を上記した実施の形態における
と同様に良好に回転操作することができる。ところで、
支点・作用点間隔αが180°を超える場合、内周面8
の両端部の直線距離Laが被回転操作部3の外径Dより
小さくなるが、工具本体6がLa=Dとなる状態に変形
できる範囲(一般に、180°≦α≦200°であれ
ば、前記第1のセット方法を採用することができる。勿
論、前記第2のセット方法のみを採用する場合には、か
かる制限は特にない。 【0028】また、本発明の適用対象は、上記した如
く、ローレット形態の凹溝5…を形成した断面円形の被
回転操作部3を有するユニオンナット2等の雌ネジ部材
又は雄ネジ部材に限定されず、操作レバー7に力を加え
たときにおいて支点部9が外れない程度に凹凸係合しう
る凹部又は凸部が形成された被回転操作部3を有するネ
ジ部材であれば、如何なるものでもよい。例えば、被回
転操作部3が断面多角形(六角形,八角形等)である場
合にも、外周面4の少なくとも一箇所に支点部9が凹凸
係合しうる凹部又は凸部が存在しておればよい。勿論、
支点部9は、外周面4の凹部(凹溝,ピン孔等)又は凸
部(突起,ピン等)に応じた形状のものとする。さら
に、被回転操作部3が断面多角形(例えば八角形)であ
る場合、外周面4に格別の凹凸部が形成されていないと
きにも、図8に一点鎖線で示す如く、支点部9の形状を
工夫しておくことにより、外周面4の角部4aを支点部
9が凹凸係合しうる凸部として利用することができる。
但し、何れの場合にも、支点・作用点間隔αを決定する
に当たっては、少なくとも、操作レバー7に力を加えた
場合に、支点部9が被回転操作部3から離脱しないこ
と、及び外周面4への食い込み勝手方向に作用点部8a
を押し付ける作用力F(図8実線)が生じ、外周面4か
ら離れる方向への作用力f(同図二点鎖線)が生じない
ことを条件とする。 【0029】また、作用点部8a,8bは、上記した如
く、工具本体6の内周面8の一部で構成する他、内周面
8に突設するようにしてもよい。つまり、作用点部8
a, 8bを、これが設けられた部分以外では内周面8が
被回転操作部3の外周面4から離れているようにしてお
いてもよい。かかる場合も含めて、内周面8の形状は、
被回転操作部3の外周面形状に合致又は相似する円形,
多角形としても、当該外周面形状に合致又は相似しない
曲面形状又は屈曲形状としても、何れでもよい。しか
し、工具形状のシンプル化を図るためには、内周面8を
被回転操作部3の外周面形状に合致する形状とし、内周
面8の一部で作用点部8a,8bが形成されるようにし
ておくことが好ましい。 【0030】また、工具本体6に、図9に示す如く、基
端部で構成される作用点部8aを含めて、複数の作用点
部8a,8b,8c,8dを形成して、これらの作用点
部8a,8b,8c,8dが、異なる径の被回転操作部
3…に各別に作用点として機能するようなものとしてお
いてもよい。このようにすれば、図9(A)〜(D)に
示す如く、複数種の被回転操作部3…に対しても使用で
きる汎用性を確保することができる。すなわち、図9
(A)の場合には作用点部8dのみが被回転操作部3の
外周面4に摩擦係合し、同図(B)の場合には作用点部
8cのみが被回転操作部3の外周面4に摩擦係合し、同
図(C)の場合には作用点部8bのみが被回転操作部3
の外周面4に摩擦係合し、同図(D)の場合には作用点
部8aのみが被回転操作部3の外周面4に摩擦係合する
ことによって、径の異なる何れの被回転操作部3に対し
ても、操作レバー7を操作方向Raに回動操作させるこ
とにより所定方向Rに回転させることができる。特に、
図9に鎖線で示す如く、工具本体6の内周面8を、無数
の作用点部8a…の集合面に構成しておく(内周面8を
全面的に作用点として機能させうる形状としておく)こ
とにより、径差が僅かに異なる複数種の被回転操作部3
…に対しても好適に使用することができ、工具1の汎用
性が更に向上する。なお、かかる場合にも、各作用点部
についての支点・作用点間隔αは上述した条件を満足す
るように設定しておく。 【0031】また、支点部9の数も任意であるが、通
常、1個〜数個としておくことが好ましい。複数個の支
点部9…を設ける場合、被回転操作部3に形成された凹
凸部の形状に応じて、各支点部9の形状を異にすること
も可能である。例えば、被回転操作部3の外周面4に凹
部と凸部とが近接して形成されている場合、凹部に係合
する凸状の支点部9と凸部に係合する凹状の支点部9と
を工具本体6の先端部に形成するようにしてもよい。 【0032】また、工具1の構成材も、上記したPPの
他、ネジ部材2の材質等の使用条件に応じて、PFA,
PEEK,PES,PC等を任意に選択することができ
る。但し、工具1の大きさ,形状等にもよるが、上述し
た機能を発揮しうる程度以上の強度を確保できるプラス
チック材を選択しておくことが好ましい。 【0033】 【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、本発明の回転操作工具によれば、金属製のものに比
して強度的に劣るプラスチック製のものであるにも拘わ
らず、ナット等のネジ部材を良好且つ容易に回転操作す
ることができる。したがって、金属汚染を嫌う半導体製
造工場等における配管作業等を支障なく行うことがで
き、その実用的価値極めて大なるものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るプラスチック製の回転操作工具を
示す斜視図である。 【図2】当該工具によるネジ部材(ユニオンナット)の
回転操作状態を示す側面図である。 【図3】当該工具の被回転操作部への脱着状態を示す側
面図である。 【図4】図2の要部の拡大図である。 【図5】図2のV−V線に沿う縦断背面図である。 【図6】当該工具によるネジ部材の回転操作時における
作用説明図である。 【図7】図6と異なる形態における図6相当の作用説明
図である。 【図8】図6及び図7と異なる形態における図6相当の
作用説明図である。 【図9】本発明に係る回転操作工具の変形例を示す側面
図である。 【図10】従来のプラスチック製の回転操作工具(スパ
ナ)を示す側面図である。 【符号の説明】 1…回転操作工具、2…ユニオンナット(ネジ部材)、
3…被回転操作部、3a…被回転操作部の中心、4…被
回転操作部の外周面、5…凹溝(被回転操作部の外周面
に形成された凹部)、6…工具本体、7…操作レバー、
7a…力点、8…工具本体の内周面、8a,8b,8
c,8d…作用点部、9…支点部、9a…支点(工具本
体の支点部と被回転操作部の凹部又は凸部との係合部
分)、23…被回転操作部の中心と係合部分(支点)と
を結ぶ直線、24…被回転操作部の中心と作用点部とを
結ぶ直線、α…支点・作用点間隔(被回転操作部の中心
と係合部分(支点)及び作用点部とを結ぶ2直線がなす
角度)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭61−159168(JP,U) 特公 昭38−22949(JP,B1) 実公 昭52−48079(JP,Y1) 仏国特許出願公開2507119(FR,A 1) スイス国特許発明359106(CH,A 5) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25B 13/02,13/08,13/50

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 外周面に凹部又は凸部が形成された断面
    円形又は多角形の被回転操作部を有するプラスチック製
    のネジ部材を回転操作するための回転操作工具であっ
    て、内周面を被回転操作部の外周面形状に略合致する円弧形
    状とした 工具本体とその基端部に連なる操作レバーとか
    らなるプラスチック製の一体成形物であり、 工具本体の先端部に、被回転操作部の凹部又は凸部に凹
    凸係合する複数の支点部を形成すると共に、工具本体の
    基端部に、支点部を被回転操作部の凹部又は凸部に凹凸
    係合させた状態において被回転操作部の外周面に摩擦係
    合する作用点部を形成して、 操作レバーを、工具本体の支点部と被回転操作部の凹部
    又は凸部との係合部分を中心として、作用点部を被回転
    操作部の外周面に押圧させる方向に回動操作させること
    により、ネジ部材を回転せしめうるように構成すると共
    に、被回転操作部の中心と前記係合部分であって最基端
    側の支点部と被回転操作部との係合部分及び作用点部と
    を結ぶ2直線がなす角度αが120°≦α<180°と
    なるように構成したことを特徴とするプラスチック製の
    回転操作工具。
JP16806699A 1999-06-15 1999-06-15 プラスチック製の回転操作工具 Expired - Fee Related JP3479767B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16806699A JP3479767B2 (ja) 1999-06-15 1999-06-15 プラスチック製の回転操作工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16806699A JP3479767B2 (ja) 1999-06-15 1999-06-15 プラスチック製の回転操作工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000354973A JP2000354973A (ja) 2000-12-26
JP3479767B2 true JP3479767B2 (ja) 2003-12-15

Family

ID=15861212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16806699A Expired - Fee Related JP3479767B2 (ja) 1999-06-15 1999-06-15 プラスチック製の回転操作工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3479767B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4515170B2 (ja) * 2004-06-30 2010-07-28 タキロン株式会社 床下排水管の脱着継手
CH703529A1 (de) * 2010-07-16 2012-01-31 Rego Fix Ag Abrutschsicheres Spannsystem, bestehend aus einem Schraubenverbindungselement und einem Schlüssel zum Anziehen und Lösen des Schraubenverbindungselements.
KR102094045B1 (ko) 2013-01-28 2020-03-26 니혼삐라아코오교오카부시키가이샤 관 접속 장치
USD790936S1 (en) 2015-04-01 2017-07-04 Entegris, Inc. Wrench
USD811183S1 (en) 2015-06-30 2018-02-27 Entegris, Inc. Wrench

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000354973A (ja) 2000-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5282830A (en) Open-end ratchet wrench
US6336382B2 (en) Ratchet wrench head member and system
JPS6293510A (ja) ばね板製固定具
US20210316425A1 (en) Fixation Structure of Sleeve Tool
JP3479767B2 (ja) プラスチック製の回転操作工具
US5050464A (en) Multi-surface wrench
US6931966B2 (en) Adjustable socket
JP2002181021A (ja) 回転ナット
WO2002074498A1 (en) A cam spanner
JP4517243B2 (ja) 回転式着脱締結具
US20040237731A1 (en) Adjustable wrench
JP3305286B2 (ja) スプリングワッシャ
KR200173878Y1 (ko) 그립형 너트
US6055890A (en) Spanner or monkey spanner to which a force to only one direction
JP2604397Y2 (ja) プラスチック管の接続用工具
JP4293571B2 (ja) レンチ
JP4547249B2 (ja) クランプ
JP2981409B2 (ja) ねじの構造、パイプ、及び掃除具の柄
JPH0236712Y2 (ja)
JP3043106U (ja) 作業工具
KR100373422B1 (ko) 렌치
JP2909404B2 (ja) 配管類用締付け固定具
JP6612607B2 (ja) マーキング機能付き締結具およびボルトナット類へのマーキング方法
KR200152837Y1 (ko) 스패너
JPS621451Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081010

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091010

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091010

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101010

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees