JP3478750B2 - 強化扉用施錠装置 - Google Patents

強化扉用施錠装置

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JP3478750B2 JP02881999A JP2881999A JP3478750B2 JP 3478750 B2 JP3478750 B2 JP 3478750B2 JP 02881999 A JP02881999 A JP 02881999A JP 2881999 A JP2881999 A JP 2881999A JP 3478750 B2 JP3478750 B2 JP 3478750B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は高い防護性や機密保
持性が要求される種々の施設において、高い防護性や機
密保持性が確保できるように、これらの性能を一段と強
化すると共に、緊急時には簡易なワンアクション操作で
解錠できるようにした強化扉用の施錠装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上記のような強化扉用の施錠装置に関し
ては、本発明の出願人が特開平10−37555号にお
いて、従来装置の諸難点を解消した施錠装置を提案して
いる。 【0003】提案した装置は、内部全面を防護層に形成
した鉄製扉の内面(室内側)にのみ開閉用の引手を設け
ると共に該引手の取付基部の一部を閂受けに形成する一
方、前記扉をヒンジを介して取付けた取付枠部材におけ
る前記閂受けに対応する部位に、当該閂受けに対して出
没する閂を具備する鎖錠機構を設けたものである。 【0004】上記の提案した装置は、鎖錠機構を扉が取
付けられた枠部材側に配置し、扉の室内側の面には引手
のみを設けこの引手と一体に閂受けを形成することによ
り、扉の内部に鎖錠機構を設けない構造としたので、扉
の内部全域を高い防護性能に形成できるという利点が得
られるものであったが、未だ改善の余地もあることも判
った。 【0005】即ち、上記装置では、室内側に設けられた
扉の引手とは別に設けられた閂の退出動作用のハンドル
を操作して、閂を閂受けから退出させる扉の鎖錠装置の
解除動作と、扉を開けるために引手を押出す動作の2つ
の動作を、左,右の両手で行う必要があったため、例え
ば片手に荷物を持っていると、その荷物が操作の邪魔に
なるという問題があるほか、地震等を避難するための緊
急脱出時にも上記の2つの動作を実行することが不可欠
なため、そのような事態においては迅速かつ簡易な操作
性という点で難があった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題に鑑
み、防護性を高める一方で片手によるワンアクション操
作をするだけで閂の退出動作と扉の開放動作を行うこと
ができるようにした強化扉用の施錠装置を提供すること
を課題とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明施錠装置の構成は、閂を含
む鎖錠機構を、扉が取付けられる枠部材側に設けると共
に、扉にはその扉開閉用の引手部材と閂受けを設けた強
化扉の施錠装置において、2以上の閂受けを前記引手部
材の取付座部に形成すると共に、各閂受けに対応する2
以上の閂を枠部材側に設け、かつ、前記引手部材の2以
上の水平部を軸を介して前記取付座部に角回転可能に枢
することにより当該引手部材を扉に設ける一方、前
軸より前方に位置する前記引手部材の各水平部の先端側
各閂を退出させる作動部に形成すると共に、各作動部
前記の各閂受けに支持される閂に対向させて配置
し、前記引手部材を手で握って押すことにより角回転さ
せて閂を閂受けから退出させると同時に扉を押し開
けることができるようにしたことを特徴とするものであ
る。 【0008】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態例につい
て図に拠り説明する。図1は本発明施錠装置を備えた強
化扉の一例の正面図、図2は図1の扉における要部の側
断面拡大図、図3は図1の扉における要部の平断面図、
図4は本発明施錠装置の施錠時の拡大平断面図、図5は
図4の施錠装置の解錠時の拡大平断面図である。 【0009】図1〜図5において、Wは本発明施錠装置
を具備した強化扉1を取付けるため、建屋に形成した出
入口2のコンクリート壁で、この出入口2の周縁には前
記扉1をヒンジ3を介して取付けるため、ここでは金属
製の扉取付枠4が設けられている。 【0010】上記扉1において、ヒンジ3が設けられな
い側の建屋の内部側には、ここでは中空ブロック状をな
す引手部材の取付座5が、上,下2箇所に設けられ、こ
のブロック状取付座5,5の外面にヒンジ状の引手支持
部5a,5aが形成されている。 【0011】上記の引手支持部5a,5aには、側面縦長の
大略コ字状をなす引手部材6がその上,下の水平部6a,
6aにおいて、夫々に垂直な軸7を介しこの軸7を中心に
平面内で角回転可能に取付けられている。この引手部材
6における上,下の水平部6a,6aの軸7より前方側は、
上記の中空の取付座5,5の内部に位置し、後述する閂
部材8に退出動作をさせる作動部6b,6bとして機能する
ように形成されている。 【0012】閂部材8は、上記の出入口2において扉1
の引手部材6に対応した側面に形成された閂進退機構を
含む鎖錠機構9の内部に、前記扉1の面と平行な向きで
進退自在に設けられいる。従って、この閂部材8は鎖
錠機構部9から進出させられたとき、前記取付座5の内
部に進入し、この取付座5の内部に配設した閂受け5bに
当接支持されることにより、扉1が出入口2の外側へ開
くことができない施錠状態を作るように形成されてい
る。 【0013】ここで、閂部材8の施錠方向へ進出とそ
の保持は、図示しないが、閂進退機構を含む鎖錠機構部
9の内部機構(図示せず)を遠隔操作などにより作動さ
せて行い、また、この閂部材8の退出による解錠は、上
記鎖錠機構部9の進出状態保持を遠隔操作などにより解
除したあと、前記引手部材6の角回転動作によりこの閂
部材8を後退させることによって行うように形成されて
いる。 【0014】本発明では、進出状態の保持が解除された
閂部材8を解錠方向へ後退させるため、引手部材6を、
,図に示すように、軸7を中心にして時計方向に
角回転させると、当該引手部材6と一体の作動部6bが、
に示すように揺動して閂部材8の進出している先端
を、それが後退する側へ押し出すので、当該閂部材8は
閂受け5bから離れ、扉1の開扉可能状態を作るのであ
る。なお、閂部材8の先端は、引手部材6における作動
部6bの揺動による押戻し力(後退力)を受けるために傾
斜当接面8aに形成されている。また、閂部材8には、そ
の後退側にスプリング10が配置されていて、常時進出側
に付勢されている。 【0015】上記例において、引手部材6には、上,下
2箇所に作動部6b,6bがあるので、これにより作動させ
られる閂部材8は上,下2本である。本発明において
は、一本の引手部材6を、上下に長く形成するなどし
て、その上,下端部に2箇所の水平部6a,6aを設けるほ
か、中間に少なくとも一箇所の水平部6aを設けることに
より、1本の引手部材6に3箇所以上の作動部6bを形成
することができ、これによって3本以上の閂部材8を同
時に後退させる施錠機構とすることも可能である。 【0016】上記のように閂部材8が3本以上設けられ
る場合には、引手部材6の取付座5も、前記水平部6a
と、これと一体の作動部6bの数に対応した個数の取付座
5を設けるか、或は、複数の取付座5を当初より一体化
した縦長の1本の取付座5(図示せず)に形成し、その
所定位置に複数の引手支持部5aと複数の閂部材8の進入
穴(図示せず)を設けることによって、対応すればよ
い。 【0017】以上に説明した例は、上記閂部材8と引手
部材6における作動部6bとを、扉1のヒンジ3が設けら
れない側に配置した場合であるが、本発明においては、
閂部材8を上記例の側に併せてヒンジ3の側にも設ける
と共に、引手部材6の作動部6bに相当する部材(図示せ
ず)を、ヒンジ3の側に設ける閂部材に対向させて設
け、この相当部材を前記作動部6bと平行連動動作ができ
るように、前記作動部6bとその相当部材とを連動リンク
などで結合し、両部材が互いに逆向きに連動するように
形成することもできる。 【0018】更に、図示しないが、引手部材6の角回転
(揺動)の向きが、上記例(水平面内での角回転)とは
90度、或は、他の任意の角度異なる面内でなされるよう
に引手部材6を配置すると共に、作動部6bと引手部材6
とを分離形態に形成して両者を連結リンク部材等で連結
し、引手部材6の角回転動作が作動部6bの揺動動作に伝
達されるように形成することにより、上記例と同様に閂
部材8の水平方向での退出動作をさせるようにしてもよ
い。 【0019】 【発明の効果】本発明は上記の通りであって、一本の
手部材を握ってそれを押すことにより当該引手を角回転
させ、この回転動作を2以上の閂部材を同時に退出させ
動作の作動力として利用すると共に、前記押し力を扉
の開放力として利用するようにしたので、片手の一動作
2以上の閂部材の退出、即ち、解錠動作と扉の開放動
作を行うことが可能になり、従って、緊急事態等におい
て片手に荷物等を持っているような場合でも、片手のい
わゆるワンアクション操作で2以上の閂部材の解錠操作
大形,大重量の強化扉の開扉操作を行うことができ、
緊急時の脱出を容易に行うことが可能になる。因に、従
来のこの種扉では、施錠装置の解錠と扉の開放動作の2
操作が不可欠であったため、パニック状態での緊急脱出
の容易性に難があった。 【0020】上記のように、本発明では一本の引手部材
の回転動作を、当該引手部材の複数箇所に形成した作動
(引手部材の水平部の先端側に形成)によって、これ
らの作動部の個数に対応して設けられた複数の閂部材の
退出動作に転用するようにしたので、一本の引手部材に
対して複数の閂部材を設けることができ扉の防護性を一
段と高めることが可能になり、また、複数の閂部材であ
っても一本の引手部材の一回の操作によって、複数の閂
部材があってもその退出動作、つまり解錠と扉の開放と
を同時に行うことが可能になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明施錠装置を備えた強化扉の一例の正面
図。 【図2】図1の扉における要部の側断面拡大図。 【図3】図1の扉における要部の平断面図。 【図4】本発明施錠装置の施錠時の拡大平断面図。 【図5】図4の施錠装置の解錠時の拡大平断面図。 【符号の説明】 1 強化扉 2 出入口 3 ヒンジ 4 扉取付枠 5 引手部材の取付座 5a 引手支持部 5b 閂受け 6 引手部材 6a 引手部材における上,下の水平部 6b 水平部6aと一体の作動部 7 軸 8 閂部材 9 閂進退機構を含む鎖錠機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05B 65/10 E05B 63/22 E05B 65/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 閂を含む鎖錠機構を、扉が取付けられる
    枠部材側に設けると共に、扉にはその扉開閉用の引手部
    材と閂受けを設けた強化扉の施錠装置において、2以上
    閂受けを前記引手部材の取付座部に形成すると共に、
    各閂受けに対応する2以上の閂を枠部材側に設け、か
    つ、前記引手部材の2以上の水平部を軸を介して前記取
    付座部に角回転可能に枢着することにより当該引手部材
    を扉に設ける一方、前記軸より前方に位置する前記引手
    部材の各水平部の先端側を各閂を退出させる作動部に形
    成すると共に、各作動部を前記の各閂受けに支持される
    閂に対向させて配置し、前記引手部材を手で握って押
    すことにより角回転させて閂を閂受けから退出させ
    と同時に扉を押し開けることができるようにしたこと
    を特徴とする強化扉用施錠装置。
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