JP3478038B2 - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

現像装置及びこれを用いた画像形成装置

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JP3478038B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機、
レーザプリンタ等の画像形成装置において、潜像担持体
上に形成された静電潜像を現像する現像装置に係わり、
特に、非磁性一成分現像剤を用いるタイプの現像装置及
びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真複写機、レーザービーム
プリンタ等の小型化、簡易化が進むにつれ、静電潜像を
可視化する現像方式として一成分現像方式が注目されて
いる。特に最近ではカラー化が進み、磁性トナーを使用
しない非磁性一成分現像方式について、多く研究されて
いる。従来、この種の現像方式としては、非磁性一成分
トナーを現像ロール上に薄層形成し、この現像ロールに
よって感光体上に形成された静電潜像を可視化する非磁
性一成分現像方式が知られている(特開昭47−130
88号公報、特開昭53−167341号公報参照)。
この非磁性一成分現像方式は、トナーが一成分でキャリ
アを必要としないため、キャリアの劣化やキャリアの付
着等の問題がなく、トナーが非磁性であるため、磁性粉
を含まず鮮明なカラー現像が可能であるという特徴を有
している。この現像装置は、一般に静電潜像を担持する
感光体に対向して開口しトナーが収容されるハウジング
と、ハウジングの開口部に面して配置されトナーが担持
される現像ロールと、ハウジングの開口部付近であって
現像ロールに接触配置され現像ロール上にトナーが薄層
化、摩擦帯電される層厚規制部材と、ハウジング内の現
像ロールの奥側であって現像ロールに押圧配置されトナ
ーが現像ロールに搬送される供給ロールと、ハウジング
内の供給ロールの奥側に配設されトナーが攪拌搬送され
るトナー攪拌部材を備えている。ここで、供給ロール
は、現像ロールに新たなトナーを搬送するだけでなく、
機械的電気的に現像ロール上の未使用トナーを剥離する
働きもあるため、表面に凹凸を有するウレタンフォー
ム、スポンジ等の多孔質弾性体によって形成されるのが
一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、供給ロ
ールに前記多孔質弾性体を用いると、トナーが発泡気孔
に侵入し、使用に伴い徐々にロール中心部に侵入し、目
詰まりが進行するという現象が生じる。そのため、供給
ロール自体は弾性を失い、現像ロール上の未使用トナー
を回収する機能や新たなトナーを搬送する機能が低下し
たり、さらに回転駆動負荷が増大し、耐久性、信頼性に
欠けるという技術的課題が生じていた。
【0004】一方、供給ロールによりトナーが均一分布
で現像ロール側に搬送されると同時に、供給ロールの回
転駆動負荷を高めないようにする目的で、供給ロールに
用いられる多孔質弾性体の外表面に合成樹脂層を設ける
技術も知られている(特開昭62−269977号公報
参照)。しかしながら、この技術手段によると、トナー
の弾性体内部への侵入による目詰まりを防止することが
できるものの、現像ロールの表面が合成樹脂層で平滑化
されているため、現像ロール上の未使用トナーを十分に
剥離することができない。そのため、現像に使われなか
った未使用トナーが現像ロール上に残留することによっ
て履歴現象が発生するという技術的課題を有する。
【0005】そこで、本発明は、以上の技術的課題を解
決するためなされたものであって、現像剤の搬送機能の
低下、回転駆動負荷の増大を防止しつつ、さらに未使用
現像剤の現像剤担持体上の残留による履歴現象を防止し
画質の向上を図る現像装置及びこれを用いた画像形成装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、図1に
示すように、潜像担持体1上の潜像を可視像化する現像
剤が担持される現像剤担持体2と、現像剤担持体2に現
像剤が供給される現像剤供給部材3とを備えた現像装置
において、現像剤供給部材3は現像剤が保持される弾性
層3aと弾性層3aに外接し現像剤の弾性層3aへの侵
入が妨げられるスキン層3bとを備え、さらに、現像剤
担持体2と現像剤供給部材3の間に挟み込まれ、現像剤
担持体2上の未使用現像剤が剥離され且つ剥離された現
像剤で目詰まりしない程度の開口を有するメッシュ状剥
離部材4を備えたものである。
【0007】以上のような課題を解決する手段にあっ
て、メッシュ状剥離部材4の開口の大きさの設定は、メ
ッシュ目が小さすぎると、開口部のトナーの目詰まりに
より剥離機能が低下するという観点から、下限を有し、
また、メッシュ目が大きすぎると、接触面積が減少しト
ナーが均一に剥離されないという観点から、上限を有す
る。
【0008】また、本件発明に関連する参考発明として
は、潜像担持体1上の潜像を可視像化する現像剤が担持
される現像剤担持体2と、現像剤担持体2に現像剤が供
給される現像剤供給部材3とを備えた現像装置におい
て、現像剤供給部材3は現像剤が保持される弾性層3a
と、弾性層3aに外接し現像剤の弾性層3aへの侵入が
妨げられるスキン層3bと、スキン層3bに外接し現像
剤担持体2上の未使用現像剤が剥離されるメッシュ状剥
離層3cを備える態様が挙げられる。
【0009】また、高画質の画像を得る観点から、本発
明を画像形成装置に適用することが好ましい。
【0010】以下、本発明の作用について説明する。現
像剤供給部材3は回転運動に伴い現像剤担持体2へ現像
剤を搬送する。このとき、現像剤供給部材3の外表面を
覆うスキン層3bにより現像剤の弾性層3a内への侵入
が妨げられる。また、現像に使用されなかった現像剤担
持体2上の現像剤は、現像剤担持体2の回転に伴い現像
剤担持体2とメッシュ状剥離部材4の間に導かれる。こ
のとき、メッシュ状剥離部材4は表面の凹凸により現像
剤担持体2から未使用の現像剤を剥離する一方、開口構
造により剥離した現像剤を現像剤供給部材3側に導く。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいてこの発明を詳細に説明する。 ◎実施の形態1 図2は、本発明を画像形成装置に適用した実施の形態1
を示すものである。本実施の形態は、符号21は潜像を
担持する感光体、22は感光体21を帯電するコロトロ
ンなどの帯電装置、23は感光体21上に潜像を書き込
む、例えば半導体レーザー、ポリゴン回転ミラーを内蔵
するレーザー露光装置、24は感光体21上に形成され
た潜像を可視像化する現像装置、25は感光体21上の
トナー像を記録用紙Pに転写する転写装置、26は記録
用紙P上のトナー像が熱融着される定着装置、27は感
光体21上の残留トナーを除去するクリーニング装置で
ある。また、符号28は記録用紙の位置合わせをするレ
ジロール、29は記録用紙Pを搬送する搬送ベルトであ
る。
【0012】図3は、実施の形態1に係わる現像装置2
4を拡大したものである。本現像装置24は、感光体2
1に対向して開口しトナーを収容するハウジング241
と、ハウジング241の開口部に面して配置される現像
ロール242と、ハウジング241の開口部付近で現像
ロール242に接触配置される層厚規制部材243と、
ハウジング241内であって現像ロール242の奥側で
接触配置される供給ロール244と、ハウジング241
内であって供給ロール244の奥側に配設される攪拌部
材245と、現像ロール242と供給ロール244の間
に挟まれたメッシュ材246から構成されている。
【0013】図4は、本実施の形態に係わる現像ロール
242、供給ロール244、層厚規制部材243、メッ
シュ材246を示す。現像ロール242は、円筒状の形
状であり、その材質としてはアルミニウム、鉄、ステン
レスでもよく、表面粗さはRa=0.2〜2.0μm程
度でよい。本実施の形態では例えば、直径20mmφの
アルミニウム丸棒の円周表面に機械加工を施し、表面粗
さRa=1.0μm程度の凹凸を形成したものを用い
る。なお、アルミロールを機械研磨した後に陽極酸化処
理を施して用いてもよい。
【0014】供給ロール244は、供給ロール244を
支持するシャフト244aとシャフト244aに外接す
る弾性層244bと弾性層244bの外表面を覆うスキ
ン層244cから構成されている。ここで、シャフト2
44aは、ある程度の強度を備えた金属からなり、本実
施の形態では例えば、直径16mmφのステンレスのシ
ャフトを用いる。また、弾性層244bは、円筒形の発
泡樹脂層であり、その材質は、例えば発泡ウレタン系、
若しくはシリコン系でよく、電気抵抗値が103〜10
10Ωcm程度、硬度がアスカC硬度10度前後でよい
が、本実施の形態では例えば、ウレタン系で電気抵抗値
が106Ωcm程度、硬度がアスカC硬度で10度前後
の発泡樹脂層を用いる。また、スキン層244cは、薄
膜のシート状であり、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドを用
いる。
【0015】また、層厚規制部材243は、板バネ材に
ゴム材料を接着したものであり、板バネ材はステンレス
や銅系の弾性材料であればよく、また、ゴム材料は、ト
ナー帯電性能を有する材料であればよいが、本実施の形
態では例えば、銅系の板バネ材にウレタン系のゴム材料
を接着したものを用いる。
【0016】メッシュ材246は、図5に示すような、
網目状(平織り、綾織り、繻子折り)であり、現像ロー
ル242と供給ロール244の間に適度な押圧力(50
g/cm程度)によって挟まれ、メッシュ材246の現
像ロール242軸方向の両端はハウジング241に固定
される。なお、そのときの押圧力は供給ロール244の
弾性層244bの硬度で決定される。また、その材料
は、ポリアミド樹脂、その他の合成樹脂、ガラス繊維で
もよいが、本実施の形態では例えば、ポリアミド樹脂を
用いる。また、メッシュ材246の硬さは現像ロール2
42と供給ロール244の押圧力によっても変形せず且
つ現像ロール242との摩擦で変形しない程度である。
【0017】さらに、図6に基づいて、メッシュ材24
6の開口面積と履歴現象の関係を説明する。同図におい
て履歴現象の程度については5段階で評価し、メッシュ
材246を使用しないときの程度を5とし、履歴現象が
全く見られないときを0とする。なお、測定に用いたト
ナーの平均粒径は10μmである。これによれば、履歴
現象の程度はメッシュ材246の開口面積が大きくなる
につれて減少し、702μm2で発生しない。しかし、開
口面積が3502μm2を超えると履歴現象が再び発生
し、開口面積が増加するにつれて履歴現象の程度も悪化
する。開口面積が702μm2と同じ面積を持つ円の直径
は約80μm、開口面積が3502μm2と同じ面積を持
つ円の直径は約400μmになる。以上の結果から、現
像ロール242の未使用トナーの剥離を効率的に行い、
履歴現象の発生しない良好な現像が行われるメッシュ材
246のメッシュ開口面積は、平均トナー粒子径の8〜
40倍であることが理解される。
【0018】次に、本実施の形態に係わる現像装置24
の動作について説明する。ハウジング241内に収容さ
れたトナーは攪拌部材245によって攪拌されると共
に、供給ロール244側に搬送される。供給ロール24
4は現像ロール242と供給ロール244の間に挟まれ
たメッシュ材246に圧接しつつ所定の速度で回転し、
トナーを現像ロール242に搬送する。このとき、供給
ロール244の外表面に設けたスキン層244cにより
トナーの弾性層244b内部への侵入が防止される。現
像ロール242表面に保持されたトナーは現像ロール2
42の回転に伴い搬送され、層厚規制部材243は所定
の厚さの均一なトナー層を形成すると共に、摩擦帯電に
よりトナーに現像に必要な電荷を与える。摩擦帯電され
たトナーは感光体21との対向部へ搬送され、感光体2
1と現像ロール242の間で形成される交番電界により
静電潜像を現像する。一方、現像に使用されずに現像ロ
ール242上に残留したトナーは、現像ロール242の
回転に伴って現像ロール242とメッシュ材246の間
に導かれる。このとき、メッシュ材246表面の凹凸は
残留トナーを引っかけ、現像ロール242上から残留ト
ナーを剥離する。剥離されたトナーは、メッシュ材の開
口部に滞留し、続いて剥離されるトナーにより供給ロー
ル244側へ押し出され、ハウジング241内に回収さ
れる。以上より、本実施の形態によれば、供給ロール2
44のトナー搬送能力の低下、及び回転駆動負荷の増大
を防止ししつつ、履歴現象が防止される。
【0019】◎参考の形態 図7、図8は実施の形態1に関連する参考の形態を示す
ものである。本参考の形態は、実施の形態1と略同様の
構成であるが、メッシュ材246を用いず、供給ロール
244のスキン層244cの外周面に被膜形成したメッ
シュ層244dを備えた点を特徴とする。ここで、スキ
ン層244cは、例えば、弾性層244bの外表面を熱
収縮性の薄膜シートを密着させ、次に熱を与え熱収縮を
起こさせ、シート全体に生じる張力により弾性層244
bに固定させることにより形成される。また、メッシュ
層244dは、例えば、平板状のメッシュ状シートをス
キン層244cの外周面に巻き付け、一方の端部と他方
の端部を突き合わせ、接着剤でスキン層244cに固定
することにより形成される。次に、本参考の形態に係わ
る現像装置の作動について説明すると、メッシュ層24
4d表面の凹凸により現像ロール242から掻き取られ
たトナーは、メッシュ層244d表面の凹部に滞留し、
供給ロール244の回転に伴いトナーの滞留部がハウジ
ング241の下面に対向したとき自然落下する、若しく
は、ハウジング241内の貯蔵トナーと擦れてメッシュ
層244dの凹部から離脱し、ハウジング241内に回
収される
【0020】◎比較の形態 本比較の形態は、本参考の形態と略同様の構成である
が、供給ロール244の弾性層244bの表面に凹凸を
設け、さらに弾性層244bの表面をスキン層244c
で覆った点で相違する。これによれば、弾性層244b
の目詰まりは防止されるものの、現像ロール242の未
使用トナーの剥離性能は不十分であることが確認され
た。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、スキン層で現像剤の弾
性層への侵入を防止し、メッシュ状剥離部材で現像剤担
持体上の未使用現像剤を剥離するようにしたので、現像
剤供給部材の現像剤搬送能力の低下、回転駆動負荷の増
大を防止つつ、履歴現象を防止する
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の概念図を示す説明図である。
【図2】 本発明を画像形成装置に適用した実施の形態
1を示す説明図である。
【図3】 図2に係わる現像装置の拡大を示す説明図で
ある。
【図4】 図2に係わる供給ロール等の構造を示す説明
図である。
【図5】 図2に係わるメッシュ材の拡大を示す説明図
である。
【図6】 図2に係わるメッシュ材の開口面積と履歴現
象の関係を示す説明図である。
【図7】 参考の形態に係わる要部を示す説明図であ
る。
【図8】 図7に係わる供給ロールの斜視方向の説明図
である。
【符号の説明】
1…潜像担持体,2…現像剤担持体,3…現像剤供給部
材,4…メッシュ状剥離部材,3a…弾性層,3b…ス
キン層,3c…メッシュ状剥離層
フロントページの続き (72)発明者 小泉 輝昭 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−55873(JP,A) 特開 平4−324878(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 501

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜像担持体(1)上の潜像を可視像化す
    る現像剤が担持される現像剤担持体(2)と、現像剤担
    持体(2)に現像剤が供給される現像剤供給部材(3)
    とを備えた現像装置において、 現像剤供給部材(3)は現像剤が保持される弾性層(3
    a)と弾性層(3a)に外接し現像剤の弾性層(3a)
    への侵入が妨げられるスキン層(3b)とを備え、 さらに、現像剤担持体(2)と現像剤供給部材(3)の
    間に挟み込まれ、現像剤担持体(2)上の未使用現像剤
    が剥離され且つ剥離された現像剤で目詰まりしない程度
    の開口を有するメッシュ状剥離部材(4)を備えたこと
    に特徴を有する現像装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の現像装置を備えたことを
    特徴とする画像形成装置。
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