JP3476702B2 - ポンプ故障診断装置 - Google Patents

ポンプ故障診断装置

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JP3476702B2
JP3476702B2 JP04600599A JP4600599A JP3476702B2 JP 3476702 B2 JP3476702 B2 JP 3476702B2 JP 04600599 A JP04600599 A JP 04600599A JP 4600599 A JP4600599 A JP 4600599A JP 3476702 B2 JP3476702 B2 JP 3476702B2
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篤志 和田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポンプ故障診断装
置に関し、特に、油圧ショベルなどに備えられる油圧ポ
ンプの故障診断に用いて好適な、ポンプ故障診断装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】図8は一般的な建設機械としての油圧シ
ョベルの一例を示す模式図で、この図8に示すように、
通常、油圧ショベルは、無限軌条部500Aを有する下
部走行体500上に、運転操作室(キャビン)600付
きの上部旋回体100をそなえており、さらにこの上部
旋回体100に、ブーム200,スティック300,バ
ケット400からなる関節式アーム機構を装備した構成
となっている。
【0003】そして、この油圧ショベルには、ブーム2
00のための油圧シリンダ120,スティック300の
ための油圧シリンダ121,バケット400のための油
圧シリンダ122が装備されるとともに、少なくとも、
これらの各油圧シリンダ120〜122のための油圧回
路(図示略)が設けられており、この油圧回路内の油圧
ポンプの吐出量や油圧シリンダ120〜122用の制御
弁をオペレータの操作(キャビン600内の操作レバー
の操作)に応じて電子制御して油圧シリンダ120〜1
22への作動油の供給量(油圧)を適宜変更することに
より、油圧シリンダ120〜122の伸縮変位量が変化
してブーム200,スティック300,バケット400
がそれぞれ駆動されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
建設機械は、通常、建設現場や災害復旧現場などをはじ
め、非常に過酷な状況で使用されることが多いため、そ
の異常や故障に対して適切な処置を行なう必要がある。
特に、油圧ポンプは、このような建設機械の動力源とな
る最も重要なものであるが、油圧ポンプの内部が破損し
たり、内部にクラックが生じたりして油圧ポンプ自体が
故障することにより、建設機械の予期せね休車時間が発
生する。このポンプ故障を予め予知することで、このよ
うな休車時間を最小限にすることが望まれている。
【0005】そこで、このような建設機械では、油圧ポ
ンプの故障診断を行なうようになっており、このような
ポンプ故障診断としては種々のものが提案されている。
例えば、特開平7−280688号公報には、油圧ポン
プの故障はドレン回路を流れる流量等をみることで間接
的に判断することができるため、これに基づいて油圧ポ
ンプの故障診断を行なう技術が開示されている。つま
り、ポンプのドレン流量を表す信号を発する流量センサ
を設け、ドレン流量、或いは流量の変化率のいずれかが
定数を超える場合にポンプ故障と診断する技術が開示さ
れている。
【0006】しかしながら、このようなポンプ故障診断
は、油圧ポンプの故障をドレン流量等を介して間接的に
診断するものであるため、正確、且つ確実に故障診断を
行なえるとは限らない。例えば、油圧ポンプの内部が破
損して、作動油中に比較的大きな金属チップが沈殿した
り、油圧ポンプの内部にクラックが生じたりすると、ド
レン回路を流れる流量に大きな変化が生じるため、この
ドレン流量により故障診断を行なえるとしても、ポンプ
故障診断におけるしきい値の設定によっては、通常作動
状態における内部磨耗によって金属粉が蓄積し、経時変
化による性能低下を生じた場合にもポンプ故障と診断し
てしまう場合がある。
【0007】また、特開平6−11376号公報には、
金属粉量検出センサからの検出情報に基づいてポンプの
故障診断を行なう技術が開示されている。つまり、この
ようなポンプ故障診断では、図9に示すように、ポンプ
ドレンライン20(又は、ポンプケースハウジング)に
金属粉センサ(チップディテクタ,金属センサ)24を
設け、予め設定した量の金属粉量が金属粉センサ24に
より検出されたら、ポンプ12が故障である旨の診断を
行なう技術が開示されている。なお、図9中、符号11
はタンクを示している。
【0008】しかし、このようなポンプ故障診断では、
ポンプ故障診断におけるしきい値の設定によっては、通
常作動状態における内部磨耗によって金属粉が蓄積した
場合にもポンプ故障と診断してしまう場合がある。そこ
で、上述のような不都合を回避するために、ポンプ故障
診断におけるしきい値を大きく設定すると、ポンプ12
が故障して金属粉センサ24の出力値が大きくなったと
しても、すぐにはしきい値を超えないため、ポンプ故障
の発見が遅れてしまうことにもなる。
【0009】例えば、図10に示すように、ポンプ故障
診断におけるしきい値を大きく設定すると、金属粉セン
サ24の検出値によってポンプ故障が発見されるのはt
3 時点となり、機械運転者又は機械管理者によってポン
プ故障が発見されるt2 時点よりも遅くなってしまう。
これでは、建設機械を運転者又は機械管理者が機械の不
調に気付くまでポンプ故障がわからないことになり、都
合が悪い。
【0010】なお、図10中、実線Aは金属粉センサ2
4の出力値特性、破線Bは通常作動状態における内部磨
耗によって発生する金属粉量特性を示している。そし
て、この金属粉センサ24の出力値と通常作動状態にお
ける内部磨耗によって発生する金属粉量との差がポンプ
故障が生じている場合に生じる金属粉量であり、これを
有害金属粉量とわかりやすく表現する。また、図10
中、t1 時点は破損開始時点を示している。
【0011】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、ポンプ故障の誤診断を確実に防止して、正確
かつ確実にポンプ故障診断を行なえるようにした、ポン
プ故障診断装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のポンプ故障診断装置は、ポンプの磨耗金属量
を検出する金属センサと、該ポンプの流量を検出する流
量センサと、ポンプ故障判定用しきい値を設定するしき
い値設定手段と、該金属センサ及び該流量センサのうち
の一方のセンサの検出値に他方のセンサの検出値をパラ
メータとする補正値を加味した補正検出値を求める補正
検出値算出手段と、該補正検出値算出手段で得られた該
補正検出値と、該しきい値設定手段からの該しきい値と
を比較して、該比較結果に基づいて、該ポンプが故障で
あるかどうかを判定する判定手段とをそなえて構成され
たことを特徴としている。
【0013】請求項2記載の本発明のポンプ故障診断装
置は、請求項1記載の装置において、該しきい値設定手
段が、該ポンプの磨耗金属量又は該ポンプの流量の経時
変化を許容するような、しきい値を設定していることを
特徴としている。請求項3記載の本発明のポンプ故障診
断装置は、請求項1または請求項2に記載の装置におい
て、機械運転者又は機械管理者が故障を認識する磨耗金
属量又は流量になる前に、該判定手段が該ポンプが故障
である旨の判定結果を出力しうるような値の該補正値を
設定し、該補正値を上記の一方のセンサの検出値に加味
して該補正検出値を求めるように、該補正検出値算出手
段が構成されていることを特徴としている。
【0014】請求項4記載の本発明のポンプ故障診断装
置は、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の
装置において、該補正検出値算出手段で得られる該補正
検出値が、該流量センサからの検出値に基づいて該金属
センサからの検出値を補正して算出されることを特徴と
している。請求項5記載の本発明のポンプ故障診断装置
は、請求項4記載の装置において、該補正検出値算出手
段が、経時変化による該ポンプの流量の低下度合に比べ
て該ポンプの流量の低下度合が大きくなるにしたがって
大きくなる補正係数により該金属センサからの検出値を
補正して該補正検出値を算出するように構成されている
ことを特徴としている。
【0015】請求項6記載の本発明のポンプ故障診断装
置は、請求項1記載の装置において、該判定手段による
ポンプ故障判定時に、ポンプ出力変動要素を固定した故
障診断モード状態に該ポンプを制御しうるポンプ制御手
段が設けられたことを特徴としている。請求項7記載の
本発明のポンプ故障診断装置は、請求項6記載の装置に
おいて、該ポンプ制御手段が、ポンプ傾転角制御信号,
ポンプ馬力制御信号,エンジン回転数制御信号及びポン
プ負荷制御信号を所定値に設定することにより、該故障
診断モード状態に該ポンプを制御しうるように構成され
ていることを特徴としている。
【0016】請求項8記載の本発明のポンプ故障診断装
置は、請求項1記載の装置において、該ポンプに、吐出
通路及びドレン通路が接続されており、該金属センサ
が、該ポンプに内蔵されるか又は該ドレン通路に設けら
れるとともに、該流量センサが、該ポンプに内蔵される
か、該吐出通路に配設されるか、又は該ドレン通路に配
設されることを特徴としている。
【0017】請求項9記載の本発明のポンプ故障診断装
置は、請求項1又は請求項8に記載の装置において、該
流量センサが、抗力式流量センサであることを特徴とし
ている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。図2は本発明の一実施形態に
かかる作業機械としての油圧ショベルを模式的に示す図
で、この図2に示すように、本実施形態にかかる油圧シ
ョベルは、進行方向に対して左右に無限軌条部500A
を有する下部走行体500上に、運転操作室600付き
上部旋回体(建設機械本体)100が水平面内で回転自
在に設けられた構成となっている。
【0019】そして、この上部旋回体100に対して、
一端が回動可能に接続されるブーム(ブーム部材)20
0が設けられ、更にブーム200に対して、一端が関節
部を介して回動可能に接続されるスティック(アーム部
材)300が設けられている。さらに、スティック30
0に対して、一端が関節部を介して回動可能に接続さ
れ、先端が地面を掘削し内部に土砂を収容可能なバケッ
ト(作業部材)400が設けられている。
【0020】また、この図2に示すように、本油圧ショ
ベルには、上記のブーム200,スティック300,バ
ケット400に対して、ブーム油圧シリンダ120,ス
ティック油圧シリンダ121,バケット油圧シリンダ1
22(以下、ブーム油圧シリンダ120をブームシリン
ダ120又は単にシリンダ120ということがあり、ス
ティック油圧シリンダ121をスティックシリンダ12
1又は単にシリンダ121ということがあり、バケット
油圧シリンダ122をバケットシリンダ122又は単に
シリンダ122ということがある)が設けられている。
【0021】ここで、ブームシリンダ120は、上部旋
回体100に対して一端が回動可能に接続されるととも
に、ブーム200に対して他の一端が回動可能に接続さ
れ、即ち上部旋回体100とブーム200との間に介装
されて、端部間の距離が伸縮することにより、ブーム2
00を上部旋回体100に対して回動させることができ
るものである。
【0022】また、スティックシリンダ121は、ブー
ム200に対して一端が回動可能に接続されるととも
に、スティック300に対して他の一端が回動可能に接
続され、即ちブーム200とスティック300との間に
介装されて、端部間の距離が伸縮することにより、ステ
ィック300をブーム200に対して回動させることが
できるものである。
【0023】さらに、バケットシリンダ122は、ステ
ィック300に対して一端が回動可能に接続されるとと
もに、バケット400に対して他の一端が回動可能に接
続され、即ちスティック300とバケット400との間
に介装されて、端部間の距離が伸縮することにより、バ
ケット400をスティック300に対して回動させるこ
とができるものである。なお、バケット油圧シリンダ1
22の先端部には、リンク機構130が設けられてい
る。
【0024】また、図示しないが、左右の無限軌条部5
00Aをそれぞれ駆動する油圧モータや、上部旋回体1
00を旋回駆動する旋回モータも設けられている。そし
て、図1,図2にそれぞれ示すように、上述の油圧ショ
ベルには、少なくとも、シリンダ120〜122や上記
の旋回モータ123のための油圧回路2が設けられてお
り、さらに、この油圧回路2には、図1に示すように、
作動油タンク11,エンジン(ディーゼルエンジン)E
によって駆動される油圧ポンプ12,コントロールバル
ブ(3方切り替え弁,方向制御弁)13等が介装されて
いる。なお、図1中、油圧回路2は説明に必要なものの
み示している。
【0025】ここで、作動油タンク11は、作動油を貯
溜するものである。油圧ポンプ12は、この作動油タン
ク11内の作動油を所定の圧油として吐出供給するもの
で、ここでは、ピストン型可変容量ポンプとして構成さ
れており、ポンプ12内に設けられたピストン(図示
略)のストローク量を変更することで作動油の流量制御
が可能になっている。即ち、上記ピストンの一端を斜板
(クリーププレート:図示略)に当接するように構成
し、この斜板の傾き(傾転角)を流量制御部12aによ
り変更することでピストンのストローク量を変更してポ
ンプ12の吐出量を変更するようになっている。
【0026】また、コントロールバルブ13は、シリン
ダ120への作動油の供給方向を切り替えてシリンダ1
20の伸縮を制御するためのもので、ここでは、それぞ
れ中立位置から一方向へ切り替えられると、一方の内室
に作動油が供給されるとともに他方の内室から作動油が
抜かれてシリンダ120が伸びる一方、逆方向へ切り替
えられると、他方の内室に作動油が供給されるとともに
一方の内室から作動油が抜かれてシリンダ120が縮む
ようになっている。
【0027】また、図1では図示しないが、シリンダ1
21,122への作動油の供給方向を切り替えてシリン
ダ121,122の伸縮を制御するためのコントロール
バルブも別に設けられており、これらのコントロールバ
ルブについても同様に作動するようになっている。ま
た、図1では図示しないが、旋回モータへの作動油の供
給方向を切り替えて旋回モータの回転方向を制御するた
めのコントロールバルブも別に設けられており、このコ
ントロールバルブの方向の切り替えに応じて旋回モータ
の回転方向が逆転するようになっている。
【0028】これらの各コントロールバルブの切り替え
制御は、いずれも、上部旋回体100内に設けられたコ
ントローラ1の制御手段22によって行なわれるが、こ
の制御手段22では、オペレータが運転操作室600内
のブーム/バケット操作レバー6,スティック/旋回操
作レバー8を操作することにより得られる操作情報に基
づいてコントロールバルブのための切り替え制御信号を
生成して、各コントロールバルブにそれぞれ切り替え制
御信号を供給するようになっている。
【0029】ここでは、制御手段22のポンプ負荷制御
部34からパイロット二次圧制御部35へ制御信号が送
られるようになっている。また、油圧ポンプ12には、
そのドレンポート(図示せず)から外部にポンプドレン
ライン(ドレン通路)20が接続されており、このポン
プドレンライン20を介して油圧ポンプ12内のオイル
が作動油タンク11へドレンされるようになっている。
なお、このように油圧ポンプ12の外部にポンプドレン
ライン20が接続されているものを外部ドレン型油圧ポ
ンプという。
【0030】ところで、上述の油圧ポンプ12では、そ
の可動部分に内部摩擦が生じ、これにより内部磨耗が生
じることになる。このため、ある程度内部が磨耗してき
たら、新しいものに交換する必要がある。この交換時期
は、油圧ポンプ12の内部に沈殿している磨耗金属量を
みることで判断することができる。これは、油圧ポンプ
12の内部が磨耗してくると、油圧ポンプ12の内部に
沈殿する磨耗金属量が増加する傾向があるからである。
【0031】一方、このような内部磨耗による金属粉の
沈殿のほかにも、油圧ポンプ12の内部が破損し、比較
的大きな金属チップが作動油中に混入する場合や油圧ポ
ンプ12の内部にクラックが生じて内部洩れが生じる場
合もある。そこで、本実施形態では、油圧ポンプ12の
内部磨耗や内部洩れ等を検知し、これらに基づいて油圧
ポンプ12の故障診断を行ない、警報信号を出力すべ
く、図1に示すように、上述の油圧回路2にポンプ故障
診断装置10が設けられている。
【0032】ポンプ故障診断装置10は、図1に示すよ
うに、金属粉センサ(金属センサ,チップディテクタ)
24,流量センサ25,コントローラ1をそなえて構成
される。ここで、金属粉センサ24は、図3に示すよう
に、ポンプドレンライン20に設けられており、油圧ポ
ンプ12の内部に沈殿している磨耗金属量を検出するも
ので、この磨耗金属量によって油圧ポンプ12の内部磨
耗を検知するようになっている。なお、金属粉センサ2
4はハウジングケース内に内蔵させても良い。
【0033】また、金属粉センサ24の検出値は電圧に
比例する値として検出され、この金属粉センサ24から
の検出値は後述するコントローラにより常時監視されて
いる。流量センサ25は、図3に示すように、低圧損タ
イプの抗力式流量センサである。このような抗力式流量
センサを用いているのは、タービン流量センサのような
従来から用いられている流量センサではかなりの背圧が
生じてしまい、ポンプ12からの吐出流量を低下させる
等の悪影響を与えることがあるからである。
【0034】流量センサ25は、作動油の流れから受け
る力は流速の自乗に比例することを利用して、作動油の
流れの中に抵抗体25aを挿入して作動油の流れから受
ける力を計測し、これに基づいてポンプ吐出流量(ポン
プからの流出流量)を検出するものである。この流量セ
ンサ25は、整流長が短く、精度の良いセンサである。
【0035】流量センサ25は、油圧ポンプ12に接続
される吐出通路21に配設され、油圧ポンプ12の吐出
流量を検出するようになっている。なお、流量センサ2
5は、コンパクトであるため、ポンプ12に内蔵させる
か、又はポンプ吐出ポート(図示せず)に配設すること
もできる。そして、本実施形態では、ポンプ故障診断に
おいて経時変化による性能低下を考慮するため、出荷時
やオーバーホール時に上述の故障診断モードで流量セン
サ25によりポンプ吐出流量QS の計測が行なわれるよ
うになっている。なお、このようにして計測されたポン
プ吐出流量QS は後述するポンプ性能基準値記録部41
に記録されるようになっている。
【0036】また、建設機械の作動中は、定期的にポン
プ吐出流量を計測することを促す情報が表示装置26に
表示され、これに応じて運転者がモード選択装置60を
操作して故障診断モードに設定すると、流量センサ25
によりポンプ吐出流量QC が計測されるようになってい
る。なお、このようにして計測されたポンプ吐出流量Q
C は後述するポンプ性能記録部42に記録されるように
なっている。
【0037】なお、ここでは、定期的にポンプ吐出流量
を計測することを促すようになっているが、金属粉セン
サ24で金属粉が検出される毎にポンプ吐出流量を計測
することを促すようにしても良い。コントローラ1は、
図1に示すように、ポンプ故障診断を行なうために、制
御手段(ポンプ制御手段)22と、故障判定手段23と
を備えて構成される。
【0038】このうち、制御手段22は、ポンプ12へ
の制御信号を常に一定に保つ故障診断モードに設定する
故障診断モード設定部30を有している。なお、本建設
機械にはモード選択装置60が設けられており、モード
選択装置60によってポンプ故障診断を行なう場合に故
障診断モードを選択しうるようになっている。ここで、
故障診断モードは、ポンプ12への制御信号を故障診断
用のものに設定するモードであり、この故障診断モード
ではポンプ出力変動要素としてのポンプ傾転角,ポンプ
馬力,エンジン回転数及びポンプ負荷を固定すべく、こ
れらのポンプ傾転角,ポンプ馬力,エンジン回転数及び
ポンプ負荷が予め設定された所定値に制御されるように
なっている。これにより、ポンプ故障診断を行なう場合
には、ポンプが常に同じ条件で制御されるため、ポンプ
故障診断を正確に行なえるようになる。
【0039】このため、モード選択装置60を介して故
障診断モード設定部30が故障診断モードに設定された
場合、図1に示すように、ポンプ傾転角制御部31,ポ
ンプ馬力制御部32,エンジン回転数制御部33,ポン
プ負荷制御部34によって、それぞれポンプ傾転角制御
信号,ポンプ馬力制御信号,エンジン回転数制御信号及
びポンプ負荷制御信号が所定値に設定されるようになっ
ている。
【0040】ここで、ポンプ負荷制御部34は、コント
ロールバルブ13のスプールを中立位置に設定したり、
ポンプ吐出ポートに設けられた圧力センサ(図示せず)
により検出される圧力、即ちポンプ吐出圧がある一定値
になるようにコントロールバルブ13のセンタバイパス
通路13aの絞りを制御したりするものである。故障判
定手段23は、油圧ポンプ12の内部が破損し、比較的
大きな金属チップが作動油中に混入したり、油圧ポンプ
12の内部にクラックが生じて内部洩れが生じたりして
油圧ポンプが故障しているかどうかを金属粉センサ24
の検出結果に基づいて判定し、故障していると判定した
場合は表示装置(表示手段)26へ警報信号を出力する
ものである。
【0041】このため、故障判定手段23は、しきい値
設定手段,補正検出値算出手段,判定手段を備えて構成
される。ここで、しきい値設定手段は、しきい値(ポン
プ故障判定用しきい値)をポンプ12の内部の磨耗金属
量の経時変化を許容するような値として設定するもので
ある。
【0042】補正検出値算出手段は、金属粉センサ24
の検出値を流量センサ25の検出値をパラメータとする
補正値に基づいて補正することにより補正検出値を求め
るものである。この補正検出値算出手段では、機械運転
者又は機械管理者が故障を認識する所定磨耗金属量にな
る前に、判定手段がポンプ12が故障である旨の判定結
果を出力しうるような値の補正値を設定し、この補正値
を用いて金属粉センサ24の検出値を補正することによ
り補正検出値を求めるようになっている。なお、所定磨
耗金属量とは、ポンプ12の性能低下から見て機械運転
者又は機械管理者によりポンプ故障を発見しうる磨耗金
属量とわかりやすく表現する。
【0043】ここで、補正検出値は、経時変化によるポ
ンプ吐出流量の低下度合に比べて流量センサ25からの
検出値の低下度合が大きくなるにしたがって大きくなる
補正係数により金属粉センサ24からの検出値を補正し
て算出されるようになっている。判定手段は、補正検出
値算出手段で得られた補正検出値と、しきい値設定手段
からのしきい値とを比較して、比較結果に基づいて、ポ
ンプ12が故障であるかどうかを判定し、故障している
と判定した場合はポンプ12が故障である旨の判定結果
として表示装置(表示手段)26へ警報信号を出力する
ものである。
【0044】具体的には、故障判定手段23は、ポンプ
性能基準値記録部41,ポンプ性能記録部42,カウン
タ43,性能低下流量演算部44,ゲイン演算部45,
有害金属粉量演算部46,故障検出判断部47を備えて
構成される。このうち、ポンプ性能基準値記録部41
は、出荷時やオーバーホール時に流量センサ25により
計測されたポンプ吐出流量QS を記録しておくものであ
る。なお、ポンプ吐出流量QS は性能低下流量演算部4
4へ出力されるようになっている。
【0045】ポンプ性能記録部42は、機械の作動中に
流量センサ25により定期的に検出されたポンプ吐出流
量(即ち流量センサ25からの検出値)QC を記録して
おくものである。なお、ポンプ吐出流量QC は性能低下
流量演算部44へ出力されるようになっている。カウン
タ43は、出荷時やオーバーホール時からの経過時間を
カウントするものであり、カウント値tが性能低下流量
演算部44や有害金属粉量演算部46へ出力されるよう
になっている。
【0046】性能低下流量演算部44は、ポンプ性能基
準値記録部41から入力される出荷時やオーバーホール
時に計測されたポンプ吐出流量QS に基づいて、経時変
化による流量低下を考慮してポンプ吐出流量を予め設定
するようになっている。また、ポンプ性能記録部42か
ら流量センサ25からの検出値が入力される。そして、
出荷時やオーバーホール時からポンプ故障診断時までの
時間に対応するカウント値tにおける予め設定されたポ
ンプ吐出流量と、カウント値tにおける流量センサ25
からの検出値としてのポンプ吐出流量QC との差を性能
低下流量Qd として算出するようになっている。なお、
性能低下流量演算部44により算出された性能低下流量
d はゲイン演算部45に出力されるようになってい
る。
【0047】例えば、経時変化による流量低下を考慮し
たポンプ吐出流量は、図4中、破線Bで示すようにな
る。これに対し、ポンプ12が故障した場合の流量セン
サ25により検出される検出値の特性は、図4中、実線
Aで示すようになる。そして、カウント値t2 における
予め設定されたポンプ吐出流量と、カウント値t2 にお
ける流量センサ25からの検出値としてのポンプ吐出流
量QC との差が性能低下流量Qd として算出される。な
お、図4中、カウント値t1 はポンプの破損開始時点、
カウント値t2 は性能低下流量Qd から見て機械運転者
又は機械管理者によりポンプ故障を発見しうると考えら
れる時点である。
【0048】このように、経時変化によるポンプ吐出流
量の低下度合を考慮すれば、ポンプ吐出流量が低下して
も経時的な性能低下である場合にはポンプ故障と診断さ
れないようになり、正確且つ確実にポンプ故障診断を行
なえるようになる。ゲイン演算部45は、経時変化によ
るポンプ吐出流量の低下度合に応じてゲインGを設定す
るものである。つまり、ゲイン演算部45では、図5に
示すようなマップにより、性能低下流量演算部44から
入力された性能低下流量Qd に基づいてゲインGを算出
するものである。なお、図5に示すマップでは、ゲイン
Gは対数目盛として設定されている。
【0049】なお、ゲイン演算部45により算出された
ゲインGは故障検出判断部47へ出力されるようになっ
ている。有害金属粉量演算部46は、通常磨耗によって
発生する金属粉量の増加を考慮して金属粉量(この金属
粉はポンプ故障により生じるものではないため無害な金
属粉である)を予め設定するようになっている。また、
金属粉センサ24の検出値が入力される。そして、出荷
時やオーバーホール時からポンプ故障診断時までの時間
に対応するカウント値tにおける予め設定された金属粉
量と、カウント値tにおける金属粉センサ24からの検
出値としての金属粉量Cとの差を有害金属粉量Ca とし
て算出するようになっている。なお、有害金属粉量Ca
は故障検出判断部47に出力されるようになっている。
【0050】例えば、通常磨耗によって発生する金属粉
量の増加を考慮した金属粉量の特性は、図6中、破線B
で示すようになる。これに対し、ポンプ12が故障した
場合の金属粉センサ24により検出される検出値の特性
は、図6中、実線Aで示すようになる。そして、カウン
ト値t2 における予め設定された金属粉量と、カウント
値t2 における金属粉センサ24からの検出値としての
金属粉量Cとの差が有害金属粉量Ca として算出され
る。なお、図6中、カウント値t1 はポンプの破損開始
時点、カウント値t2 は性能低下流量Qd から見て機械
運転者又は機械管理者によりポンプ故障を発見しうると
考えられる時点である。
【0051】故障検出判断部47は、図7中、実線Aで
示すように、有害金属粉量演算部46からの有害金属粉
量Ca にゲイン演算部45で算出されたゲインGを乗算
して補正検出値を算出し、この補正検出値がしきい値を
超えた場合にポンプ故障と判定するものである。そし
て、故障検出判断部47は、ポンプ12が故障している
と判定した場合にはそれを運転者に知らせるべく、表示
装置26へ警報信号を出力するようになっている。
【0052】すなわち、上述の補正検出値算出手段は、
性能低下流量演算部44,ゲイン演算部45,有害金属
粉量演算部46により構成され、上述のしきい値設定手
段,判定手段は故障検出判断部47により構成される。
これにより、表示装置26ではポンプ12が故障した旨
の表示がなされ、運転者は、油圧ポンプ12が故障した
ことを確実に認識できることになる。ここで、表示装置
26での故障した旨の表示は、例えば表示画面に表示し
たり、ランプを点灯させたり、ランプを点滅させたり、
ブザーを鳴らしたりする等種々の態様が考えられる。
【0053】ここで、金属粉センサ24の検出値の特性
は、図7中、破線Bで示すようになり、この金属粉セン
サ24の検出値をそのままポンプ故障判定に用いる従来
のポンプ故障判定における故障発見時点はカウンタ値t
4 であり、機械運転者又は機械管理者による故障発見時
点であるカウンタ値t2 よりも遅れていた。これに対
し、本実施形態のポンプ故障判定によれば、図7中、実
線Aで示すような補正検出値特性がポンプ故障判定にお
いて用いられるため、ポンプ故障発見時点はカウント値
3 となり、機械運転者又は機械管理者による故障発見
時点であるカウンタ値t2 よりも早くなる。
【0054】また、図7中、カウント値t1 はポンプの
破損開始時点、カウント値t2 は性能低下流量Qd から
見て機械運転者又は機械管理者によりポンプ故障を発見
しうると考えられる時点を示している。このように、通
常磨耗による金属粉量の増加を考慮すれば、金属粉量が
増加しても通常磨耗による金属粉量の増加である場合に
はポンプ故障と判断されないことになる。
【0055】また、金属粉センサ24の検出値を流量セ
ンサ25の検出値に基づいて補正してポンプの故障診断
を行なうようになっているのは、ポンプ故障でなく、通
常作動状態におけるポンプ内部や他のコンポーネントの
磨耗で発生した金属粉が蓄積しても、流量低下が見られ
ない限り故障と判断しないようにして、ポンプの故障診
断を確実に行なえるようにするためである。
【0056】また、上述のようにポンプ故障診断を行な
う場合に金属粉センサ24の検出値を補正することによ
って、無害な金属粉による誤報を回避するために金属粉
量のしきい値を高く設定することができることになる。
なお、故障判定手段23には、ポンプ設計基準値記録部
51や出荷性能判断部52が備えられており、出荷時や
オーバーホール時においてポンプ12の性能が設計基準
値に適合したものであるかどうかの判断が行なえるよう
になっている。そして、出荷性能判断部52による判断
は表示装置26により表示されるようになっている。
【0057】本実施形態にかかるポンプ故障診断装置
は、上述のように構成されているため、以下のようにし
てポンプ故障診断が行なわれる。まず、本ポンプ故障診
断装置によってポンプ故障判定を行なう場合は、運転者
がモード選択装置60を操作することにより、ポンプ故
障診断モード設定部30によってポンプ故障診断モード
に設定される。
【0058】これにより、ポンプ傾転角制御部31,ポ
ンプ馬力制御部32,エンジン回転数制御部33,ポン
プ負荷制御部34によって、それぞれポンプ傾転角制御
信号,ポンプ馬力制御信号,エンジン回転数制御信号及
びポンプ負荷制御信号が所定値に設定される。また、ポ
ンプ故障診断モードになると、流量センサ25によりポ
ンプ吐出流量が検出され、ポンプ性能記録部42に流量
センサ25の検出値が記録される。なお、出荷時やオー
バーホール時には流量センサ25によりポンプ吐出流量
が計測され、流量センサ25の検出値がポンプ性能基準
値記録部41に記録されている。
【0059】そして、性能低下流量演算部44には、ポ
ンプ性能記録部42に記録された流量センサ25の検出
値QC 、ポンプ性能基準値記録部41に記録された流量
センサ25の検出値QS 、カウンタ43からの出荷時や
オーバーホール時からの経過時間としてのカウンタ値t
がそれぞれ入力される。次いで、性能低下流量演算部4
4では、これらの流量センサ25の検出値QC,QS
出荷時やオーバーホール時からの経過時間としてのカウ
ンタ値tに基づいて、性能低下流量Qd が算出され、こ
の性能低下流量Qd がゲイン演算部45に出力される。
【0060】そして、ゲイン演算部45では、性能低下
流量演算部44で算出された性能低下流量Qd に基づい
て、図5に示すようなマップにより、ゲインGが設定さ
れ、このゲインGが故障検出判断部47に出力される。
一方、有害金属粉量演算部46に金属粉センサ24の検
出値が入力されるとともに、カウンタ43から出荷時や
オーバーホール時からの経過時間としてのカウンタ値t
が入力される。
【0061】そして、有害金属粉量演算部46では、通
常磨耗によって発生する金属粉量と、金属粉センサ24
の検出値との差から有害金属粉量Ca が算出され、この
有害金属粉量Ca が故障検出判断部47に出力される。
故障検出判断部47では、まず、有害金属粉量演算部4
6から入力される有害金属粉量Ca にゲイン演算部45
から入力されるゲインGを乗算することにより補正して
補正検出値を算出する。
【0062】次いで、この補正検出値がしきい値を超え
たか否かを判定する。この判定の結果、補正検出値がし
きい値を超えている場合はポンプ故障と判定し、ポンプ
が故障しているとの警報信号が表示装置26へ出力され
る。したがって、本実施形態にかかるポンプ故障診断装
置によれば、機械運転者又は機械管理者が故障を認識す
る所定磨耗金属量になる前に金属粉センサ24の検出値
がしきい値を超えるように補正することにより補正検出
値を算出し、補正検出値がしきい値を超えたらポンプ故
障と判定するようになっているため、運転者又は機械管
理者によるポンプ故障の発見よりも早期にポンプ故障を
発見できるという利点がある。
【0063】また、金属粉センサ24により金属粉量を
計測するとともに、流量センサ25によりポンプ吐出流
量も計測し、金属粉センサ24の検出値を流量センサ2
5により計測されるポンプ吐出流量の低下度合に応じて
補正した補正検出値を用いてポンプ故障判定を行なうた
め、通常作動状態における内部磨耗によって発生する金
属粉に起因する故障の誤診断や経時変化によるポンプ吐
出流量の低下に起因する故障の誤診断を確実に防止する
ことができ、正確かつ確実にポンプ故障診断を行なえる
という利点がある。
【0064】また、ポンプ故障診断を行なう場合には、
故障診断モードとし、ポンプ傾転角制御信号,ポンプ馬
力制御信号,エンジン回転数制御信号及びポンプ負荷制
御信号を所定値に設定するようになっており、常に一定
の条件で制御されたポンプ12の流出流量を計測できる
ことになるため、正確かつ確実にポンプ故障診断を行な
えるという利点がある。
【0065】なお、上述の実施形態では、金属粉センサ
24の検出値を基にした補正検出値がしきい値を超えた
らポンプ故障と判定するようになっているが、流量セン
サ25の検出値を基にした補正検出値がしきい値を超え
たらポンプ故障と判定するようにしても良い。この場
合、故障判定手段23は、機械運転者又は機械管理者が
故障を認識する所定流出流量になる前に流量センサ25
の検出値がしきい値を超えるように流量センサ25の検
出値を段階的に補正することにより補正検出値を求め、
この補正検出値がしきい値を超えたらポンプ故障と判定
するように構成する。なお、所定流出流量とは、ポンプ
12の性能低下から見て機械運転者又は機械管理者によ
りポンプ故障を発見しうるポンプ流出流量をいう。ま
た、しきい値は、ポンプ12から外部への流出流量の経
時変化を許容するような値として設定する。さらに、補
正検出値は、流量センサ25の検出値を金属粉センサ2
4の検出値に基づいて補正することにより算出する。つ
まり、補正検出値は、経時変化による磨耗金属量の増加
度合に比べて金属粉センサ24からの検出値の増加度合
が大きくなるにしたがって大きくなる補正係数により流
量センサ25からの検出値を補正して算出する。
【0066】また、上述の実施形態では、流量センサ2
5をポンプ吐出管路に設けているが、ポンプドレン通路
20に設けても良い。この場合、流量センサ25により
検出されるのはドレン流量(ポンプ12からの流出流
量)となるため、性能低下流量演算部44における性能
低下流量の設定やゲイン設定部45におけるゲインの設
定は、ドレン流量の特性に応じたものとする必要があ
る。また、上述の実施形態では、油圧ポンプを外部ドレ
ン型油圧ポンプとしているが、内部ドレン型油圧ポンプ
であっても良い。
【0067】また、上述の実施形態では、本ポンプ故障
診断装置を油圧ショベルに適用した場合について説明し
ているが、本発明の適用はこれに限られるものではな
く、トラクタ,ローダ,ブルドーザ等の建設機械をはじ
め、少なくとも油圧ポンプを備えるものであれば同様に
適用することができ、いずれの場合においても上述と同
様の作用効果を得ることができる。
【0068】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜5,
8,9記載の本発明のポンプ故障診断装置によれば、通
常作動状態における内部磨耗によって発生する金属粉に
起因する故障の誤診断や経時変化によるポンプ吐出流量
の低下に起因する故障の誤診断を確実に防止することが
でき、正確かつ確実にポンプ故障診断を行なえるという
利点がある。また、運転者又は機械管理者がポンプ故障
を認識するよりも早くポンプ故障を発見できるという利
点がある。
【0069】請求項6,7記載の本発明のポンプ故障診
断装置によれば、常に一定の条件でポンプの流出流量を
計測できるため、さらに正確かつ確実にポンプ故障診断
を行なえるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるポンプ故障診断装
置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるポンプ故障診断装
置を備える油圧ショベルを示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるポンプ故障診断装
置の金属粉センサ及び流量センサを示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるポンプ故障診断装
置の性能低下流量演算部を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるポンプ故障診断装
置のゲイン演算部を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかるポンプ故障診断装
置の有害金属粉量演算部を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかるポンプ故障診断装
置の故障判定手段を説明するための図である。
【図8】一般的な作業機械としての油圧ショベルの一例
を示す模式図である。
【図9】従来のポンプ故障診断装置の金属粉センサを示
す模式図である。
【図10】従来のポンプ故障診断装置における故障判定
を説明するための図である。
【符号の説明】
1 コントローラ 2 油圧回路 10 故障診断装置 11 作動油タンク 12 油圧ポンプ 12a 流量制御部 13 コントロールバルブ(3方切り替え弁,方向制御
弁) 20 ポンプドレンライン(ドレン通路) 21 吐出通路 22 制御手段 23 故障判定手段 24 金属粉センサ(チップディテクタ,金属センサ) 25 流量センサ 26 表示装置(表示手段) 31 ポンプ傾転角制御部 32 ポンプ馬力制御部 33 エンジン回転数制御部 34 ポンプ負荷制御部 35 パイロット二次圧制御部 41 ポンプ性能基準値記録部 42 ポンプ性能記録部 43 カウンタ 44 性能低下流量演算部 45 ゲイン演算部 46 有害金属粉量演算部 47 故障検出判断部 51 ポンプ設計基準値記録部 52 出荷性能判断部 60 モード選択装置 E エンジン(ディーゼルエンジン)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−280688(JP,A) 特開 平6−11376(JP,A) 特開 平10−329187(JP,A) 特開 平7−134080(JP,A) 特開 平2−136713(JP,A) 特開 平8−75617(JP,A) 特開 昭58−213227(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 19/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプの磨耗金属量を検出する金属セン
    サと、 該ポンプの流量を検出する流量センサと、 ポンプ故障判定用しきい値を設定するしきい値設定手段
    と、 該金属センサ及び該流量センサのうちの一方のセンサの
    検出値に他方のセンサの検出値をパラメータとする補正
    値を加味した補正検出値を求める補正検出値算出手段
    と、 該補正検出値算出手段で得られた該補正検出値と、該し
    きい値設定手段からの該しきい値とを比較して、該比較
    結果に基づいて、該ポンプが故障であるかどうかを判定
    する判定手段とをそなえて構成されたことを特徴とす
    る、ポンプ故障診断装置。
  2. 【請求項2】 該しきい値設定手段が、該ポンプの磨耗
    金属量又は該ポンプの流量の経時変化を許容するよう
    な、しきい値を設定していることを特徴とする請求項1
    記載のポンプ故障診断装置。
  3. 【請求項3】 機械運転者又は機械管理者が故障を認識
    する磨耗金属量又は流量になる前に、該判定手段が該ポ
    ンプが故障である旨の判定結果を出力しうるような値の
    該補正値を設定し、該補正値を上記の一方のセンサの検
    出値に加味して該補正検出値を求めるように、該補正検
    出値算出手段が構成されていることを特徴とする、請求
    項1または請求項2に記載のポンプ故障診断装置。
  4. 【請求項4】 該補正検出値算出手段で得られる該補正
    検出値が、該流量センサからの検出値に基づいて該金属
    センサからの検出値を補正して算出されることを特徴と
    する、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の
    ポンプ故障診断装置。
  5. 【請求項5】 該補正検出値算出手段が、経時変化によ
    る該ポンプの流量の低下度合に比べて該ポンプの流量の
    低下度合が大きくなるにしたがって大きくなる補正係数
    により該金属センサからの検出値を補正して該補正検出
    値を算出するように構成されていることを特徴とする、
    請求項1記載のポンプ故障診断装置。
  6. 【請求項6】 該判定手段によるポンプ故障判定時に、
    ポンプ出力変動要素を固定した故障診断モード状態に該
    ポンプを制御しうるポンプ制御手段が設けられたことを
    特徴とする、請求項1記載のポンプ故障診断装置。
  7. 【請求項7】 該ポンプ制御手段が、ポンプ傾転角制御
    信号,ポンプ馬力制御信号,エンジン回転数制御信号及
    びポンプ負荷制御信号を所定値に設定することにより、
    該故障診断モード状態に該ポンプを制御しうるように構
    成されていることを特徴とする、請求項6記載のポンプ
    故障診断装置。
  8. 【請求項8】 該ポンプに、吐出通路及びドレン通路が
    接続されており、 該金属センサが、該ポンプに内蔵されるか又は該ドレン
    通路に設けられるとともに、 該流量センサが、該ポンプに内蔵されるか、該吐出通路
    に配設されるか、又は該ドレン通路に配設されることを
    特徴とする、請求項1記載のポンプ故障診断装置。
  9. 【請求項9】 該流量センサが、抗力式流量センサであ
    ることを特徴とする、請求項1又は請求項8に記載のポ
    ンプ故障診断装置。
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