JP3475115B2 - カルボキシメチルセルロースナトリウムの製造法 - Google Patents
カルボキシメチルセルロースナトリウムの製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカルボキシメチルセ
ルロースナトリウム(以下、「CMC−Na」と略す)
の製造法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般にCMC−Naは、水に対する分散
性が悪く、いわゆるママコになりやすいため、水への溶
解時には十分攪拌しながら少量ずつ添加しなければなら
ず、さらに完全溶解するまでには、長時間を必要とする
という欠点がある。このママコ現象を防止する方法とし
てCMC−Naを顆粒状にする方法もあるが、部分的に
はママコが生成し必ずしも十分ではない。 【0003】また、CMC−Naをグリオキザールなど
で処理する方法も知られているが、処理の時間もかか
り、第三成分の添加のために、純度の点で用途的に制約
を受けることになる。 【0004】さらに、CMC−Naを出発原料としてカ
ルボン酸を付加する方法もあるが、処理の手間がかかり
得策ではない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】CMC−Naが、水溶
解時にママコになる理由は、CMC−Naの水に対する
親和力および溶解力が非常に高いため、水に接触したC
MC−Na粒子の表面が即時に溶解すると同時に水分子
を結合保持するため、CMC−Na粒子内部への水の浸
透拡散を妨げるためである。 【0006】 【課題を解決するための手段】そこで、本願発明は加熱
処理により、CMC−Na分子内に、部分的に水不溶性
のエステル架橋結合を導入することによって、CMC−
Na粒子内部への水浸透を促進することにより、ママコ
を防止する方法である。 【0007】すなわち本願発明は、無水グルコース単位
当たり0±0.2mol/C6H10O5の過剰アルカリで
エーテル化反応させたのちに反応溶媒を回収し、次に1
00〜150℃で、0.5〜3時間加熱処理することを
特徴とするカルボキシメチルセルロースナトリウムの製
造法に関するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】本願発明のCMC−Naの製造法
は、無水グルコース単位当たり0±0.2mol/C6
H10O5の過剰アルカリでエーテル化反応したのちに反
応溶媒を回収し、次に100〜150℃で、0.5〜3
時間加熱処理することを特徴とする。 【0009】CMC−Naのエーテル化反応時、単位グ
ルコース当たりの過剰のNaOHを極端に押さえること
で、CMC−Na中に少量存在する遊離カルボン酸基
(Cell−O−CH2COOH)とCMC−Na分子
の未置換の水酸基(Cell−OH)との間で架橋反応
(エステル結合、Cell−O−CH2COO−Cel
l)を行わしめることを活用したことにある。 【0010】本願発明の製造法では、最初にCMC−N
aを、無水グルコース単位当たり0±0.2mol/C
6H10O5の過剰アルカリでエーテル化反応させたのちに
反応溶媒を回収する。 【0011】本発明で得られるCMC−Naのエーテル
化度は、0.5〜2.0であることが好ましい。エーテ
ル化度が0.5未満では、CMC−Naの水に対する溶
解度が小さいため、本願発明の処理を行う必要性は小さ
い。一方、エーテル化度2.0をこえる場合には、未置
換の水酸基が少ないので、水不溶解性のエステル架橋結
合が導入されにくい。 【0012】本発明で得られるCMC−Naの粘度は、
加熱処理条件と関連するが、1%水溶液粘度で50mP
a・s以下の低粘度品では重合度が小さいため、加熱処
理しても効果が発現し難い。一方、水溶液粘度の上限値
はとくに限定されないが、10000mPa・sであ
る。 【0013】CMC−Naの反応法には、水媒法と溶媒
法があるが、本願発明ではいずれの方法も使用すること
ができる。反応溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、アセトン、ベンゾールお
よびこれらの混合溶媒があげられる。なかでも、水との
相溶性の点で、イソプロピルアルコール、イソプロピル
アルコールと水、イソプロピルアルコールとメタノール
と水の混合溶媒が好ましい。 【0014】パルプをカルボキシメチル化する場合、カ
セイソーダとモノクロール酢酸の使用量は、薬剤の有効
利用のために、モルバランスを考慮して決定される。こ
のカルボキシメチル化反応におけるエーテル化剤である
モノクロール酢酸に対する過剰のカセイソーダを過剰ア
ルカリという。この過剰アルカリの量は以下の式によっ
て計算することができる。 【0015】過剰アルカリ(g)=アルカリ(g)−モノクロ
ール酢酸(g)×0.845 【0016】 【数1】 【0017】通常CMC−Naは、過剰アルカリサイド
でエーテル化反応を促進させるが、過剰アルカリ量を極
端に抑えた場合には、若干酸性サイドでエーテル化反応
を行う。 【0018】ここで、CMC−Naの過剰アルカリ量
は、単位グルコース当たりのモル数で0±0.2mol
/C6H10O5、好ましくは0±0.1mol/C6H10
O5ある。0.2mol/C6H10O5をこえる場合、加
熱処理したときの架橋効果が小さく、水分散性が充分に
得られず、−0.2mol/C6H10O5よりも少ない場
合、CMC−Naが部分的にCMC−Hとなり、水分散
性は得られるが、粘度低下、不溶解物などが発生する傾
向がある。 【0019】反応終了後の反応溶媒の回収は、水、有機
溶媒ともに、加熱回収または圧さく回収で行うことがで
きる。回収の目安として、対粗CMC−Naで1〜2倍
量で実施すれば充分である。 【0020】また、通常、CMC−Naのエーテル化反
応終了後は、酸またはアルカリによる中和工程を必要と
するが、本願発明では不要である。つぎに、加熱処理す
ることによって、分散性に優れたCMC−Naを得るこ
とができる。 【0021】架橋加熱による効果は、CMC−Naのエ
ーテル化度または粘度により多少異なるが、加熱時間に
よってコントロールすることができる。加熱時間として
は、0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間である。加
熱時間が短いと水溶液分散性の向上効果が小さく、長い
と架橋が進みCMC−Naが完全不溶化する。また、加
熱温度は100〜150℃である。100℃未満では温
度不足で充分架橋反応が進まない。一方、150℃をこ
えると、架橋反応が進みすぎてCMC−Naが不溶化
し、粘性が著しく低下する。 【0022】本願発明の製造法で製造したCMC−Na
は、石油ボーリング、繊維壁、食品、飼料、糊料などに
使用される。とくに、食品、医薬品などの第三物質の使
用が厳しく制限されている用途での使用に効果がある。 【0023】 【実施例】以下に実施例を用いて本願発明をより詳細に
説明するが、本願発明はこれらのみに限定されるもので
はない。 【0024】(評価方法) (1)カセイソーダの純分 約0.5gを精秤し、炭酸ガスを除いた純水に溶解後、
N/2 HCl標準液で、指示薬をフェノールフタレイ
ンとして滴定し、以下の式によりカセイソーダの純分を
計算した。 【0025】 【数2】 【0026】(式中、f1はN/2 HClの力価、x
はN/2 HClの滴定量(ml)を示す。) 【0027】(2)モノクロール酢酸の純分 約0.5gを精秤し、純水に溶解後、N/2 KOH標
準液で、指示薬をフェノールフタレインとして滴定し、
以下の式によりモノクロール酢酸の純分を計算した。 【0028】 【数3】 【0029】(式中、f2はN/2 KOHの力価、y
はN/2 KOHの滴定量(ml)を示す。) 【0030】(3)1%水溶液粘度 300mlトールビーカーに2.5gの試料を精秤し、
次式によって求めた溶解水量を加えて試料をガラス棒で
分散させた。 【0031】1%水溶液の水量(g)=試料(g)×
(99−水分(%)) 水分は上記の水分値を利用する。上記水溶液を16時間
放置後、マグネチックスターラーで約5分間攪拌させ、
完全な溶液とした後、30分間25℃恒温槽中で溶液を
25℃にする。その後ガラス棒で穏やかにかき混ぜた
後、BM型粘度計の適当なローターおよびガードを取り
付け、60rpmの回転数で回転3分後の目盛りを読み
取った。 【0032】 粘度(mPa・s)=読み取り目盛り×係数 【0033】(4)エーテル化度 CMC−Naを1.0g精秤し、磁性ルツボ中にて60
0℃で灰化し、灰化によって生成した水酸化ナトリウム
を、N/10硫酸でフェノールフタレインを指示薬とし
て滴定し、その滴定量AmlとN/10硫酸の力価f3
を用いてエーテル化度を計算した。 【0034】 【数4】 【0035】(式中、f3はN/10硫酸の力価、Aは
N/10硫酸の滴定量(ml)を示す。) 【0036】(5)水分散性 300mlビーカーに水200mlを入れ、攪拌翼にて
200rpmで回転を加え、CMC−Na0.5gを流
れるように投入し、水面にママコが発生するか否かを確
認した。◎はママコが発生しなかったことを、×はママ
コが発生したことを示す。 【0037】実施例1〜4および比較例1〜12 5リットル二軸ニーダー型反応機に、表1に示す量のカ
セイソーダを反応溶媒(水400gとイソプロピルアル
コール1600gの混合物)に溶解させたものを仕込ん
だ。ニーダーを攪拌させながら、チップ状の無水物セル
ロース200gを約5分間かけて添加した。なお、低粘
度品としてはN材溶解パルプを、高粘度品としてはリン
ターパルプを使用した。25℃で30分間攪拌してアル
カリセルロース反応を実施した。 【0038】一方、表1に示す量のモノクロール酢酸を
反応溶媒(水20gとイソプロピルアルコール80gの
混合物)に溶解させた。このとき、使用するカセイソー
ダとモノクロール酢酸の純分を分析して、過剰アルカリ
が所定量になるようにカセイソーダ量を調整した。 【0039】このモノクロール酢酸溶液を10分間かけ
て添加後、20分間攪拌し混合したのち、70℃で90
分間エーテル化反応を実施した。反応終了後、減圧ろ過
器にて反応溶液をしぼり、粗CMC中の揮発分を1〜2
倍量にした。 【0040】反応溶媒を分離後、同じニーダーを用いて
130℃で所定時間加熱した。終了後、50〜60℃に
温度調整した80%メチルアルコール5kgを用いて、
30分間の洗浄を2回実施した。さらに90℃のメチル
アルコール3kgで30分間洗浄後、脱液し、乾燥、粉
砕してCMC−Naを得た。結果を表1に示す。なお、
表中のモノクロール酢酸および過剰カセイソーダのモル
数は、単位グルコース当たりのモル数を示す。また、水
分散性の×はママコが生成したことを、◎はママコが生
成しなかったことを示す。 【0041】 【表1】 【0042】実施例1〜8においては、水分散性の良好
なCMC−Naが得られた。過剰カセイソーダ量が0.
3モルの比較例1、4、7および10、さらに加熱処理
を行っていない比較例2,5,8および11では、ママ
コが発生し水分散性が不良であった。一方、比較例3、
6、9および12においては、水分散性は良好であった
ものの、水に任意溶解の部分(水に溶解しない部分)が
存在した。 【0043】 【発明の効果】本願発明によれば、水溶液分散性に優れ
たCMC−Naを得ることができる。すなわち、本願発
明の製造法で製造したCMC−Naを水に投入すると、
迅速に水面上を拡散すると同時に迅速に水中に沈降す
る。
ルロースナトリウム(以下、「CMC−Na」と略す)
の製造法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般にCMC−Naは、水に対する分散
性が悪く、いわゆるママコになりやすいため、水への溶
解時には十分攪拌しながら少量ずつ添加しなければなら
ず、さらに完全溶解するまでには、長時間を必要とする
という欠点がある。このママコ現象を防止する方法とし
てCMC−Naを顆粒状にする方法もあるが、部分的に
はママコが生成し必ずしも十分ではない。 【0003】また、CMC−Naをグリオキザールなど
で処理する方法も知られているが、処理の時間もかか
り、第三成分の添加のために、純度の点で用途的に制約
を受けることになる。 【0004】さらに、CMC−Naを出発原料としてカ
ルボン酸を付加する方法もあるが、処理の手間がかかり
得策ではない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】CMC−Naが、水溶
解時にママコになる理由は、CMC−Naの水に対する
親和力および溶解力が非常に高いため、水に接触したC
MC−Na粒子の表面が即時に溶解すると同時に水分子
を結合保持するため、CMC−Na粒子内部への水の浸
透拡散を妨げるためである。 【0006】 【課題を解決するための手段】そこで、本願発明は加熱
処理により、CMC−Na分子内に、部分的に水不溶性
のエステル架橋結合を導入することによって、CMC−
Na粒子内部への水浸透を促進することにより、ママコ
を防止する方法である。 【0007】すなわち本願発明は、無水グルコース単位
当たり0±0.2mol/C6H10O5の過剰アルカリで
エーテル化反応させたのちに反応溶媒を回収し、次に1
00〜150℃で、0.5〜3時間加熱処理することを
特徴とするカルボキシメチルセルロースナトリウムの製
造法に関するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】本願発明のCMC−Naの製造法
は、無水グルコース単位当たり0±0.2mol/C6
H10O5の過剰アルカリでエーテル化反応したのちに反
応溶媒を回収し、次に100〜150℃で、0.5〜3
時間加熱処理することを特徴とする。 【0009】CMC−Naのエーテル化反応時、単位グ
ルコース当たりの過剰のNaOHを極端に押さえること
で、CMC−Na中に少量存在する遊離カルボン酸基
(Cell−O−CH2COOH)とCMC−Na分子
の未置換の水酸基(Cell−OH)との間で架橋反応
(エステル結合、Cell−O−CH2COO−Cel
l)を行わしめることを活用したことにある。 【0010】本願発明の製造法では、最初にCMC−N
aを、無水グルコース単位当たり0±0.2mol/C
6H10O5の過剰アルカリでエーテル化反応させたのちに
反応溶媒を回収する。 【0011】本発明で得られるCMC−Naのエーテル
化度は、0.5〜2.0であることが好ましい。エーテ
ル化度が0.5未満では、CMC−Naの水に対する溶
解度が小さいため、本願発明の処理を行う必要性は小さ
い。一方、エーテル化度2.0をこえる場合には、未置
換の水酸基が少ないので、水不溶解性のエステル架橋結
合が導入されにくい。 【0012】本発明で得られるCMC−Naの粘度は、
加熱処理条件と関連するが、1%水溶液粘度で50mP
a・s以下の低粘度品では重合度が小さいため、加熱処
理しても効果が発現し難い。一方、水溶液粘度の上限値
はとくに限定されないが、10000mPa・sであ
る。 【0013】CMC−Naの反応法には、水媒法と溶媒
法があるが、本願発明ではいずれの方法も使用すること
ができる。反応溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、アセトン、ベンゾールお
よびこれらの混合溶媒があげられる。なかでも、水との
相溶性の点で、イソプロピルアルコール、イソプロピル
アルコールと水、イソプロピルアルコールとメタノール
と水の混合溶媒が好ましい。 【0014】パルプをカルボキシメチル化する場合、カ
セイソーダとモノクロール酢酸の使用量は、薬剤の有効
利用のために、モルバランスを考慮して決定される。こ
のカルボキシメチル化反応におけるエーテル化剤である
モノクロール酢酸に対する過剰のカセイソーダを過剰ア
ルカリという。この過剰アルカリの量は以下の式によっ
て計算することができる。 【0015】過剰アルカリ(g)=アルカリ(g)−モノクロ
ール酢酸(g)×0.845 【0016】 【数1】 【0017】通常CMC−Naは、過剰アルカリサイド
でエーテル化反応を促進させるが、過剰アルカリ量を極
端に抑えた場合には、若干酸性サイドでエーテル化反応
を行う。 【0018】ここで、CMC−Naの過剰アルカリ量
は、単位グルコース当たりのモル数で0±0.2mol
/C6H10O5、好ましくは0±0.1mol/C6H10
O5ある。0.2mol/C6H10O5をこえる場合、加
熱処理したときの架橋効果が小さく、水分散性が充分に
得られず、−0.2mol/C6H10O5よりも少ない場
合、CMC−Naが部分的にCMC−Hとなり、水分散
性は得られるが、粘度低下、不溶解物などが発生する傾
向がある。 【0019】反応終了後の反応溶媒の回収は、水、有機
溶媒ともに、加熱回収または圧さく回収で行うことがで
きる。回収の目安として、対粗CMC−Naで1〜2倍
量で実施すれば充分である。 【0020】また、通常、CMC−Naのエーテル化反
応終了後は、酸またはアルカリによる中和工程を必要と
するが、本願発明では不要である。つぎに、加熱処理す
ることによって、分散性に優れたCMC−Naを得るこ
とができる。 【0021】架橋加熱による効果は、CMC−Naのエ
ーテル化度または粘度により多少異なるが、加熱時間に
よってコントロールすることができる。加熱時間として
は、0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間である。加
熱時間が短いと水溶液分散性の向上効果が小さく、長い
と架橋が進みCMC−Naが完全不溶化する。また、加
熱温度は100〜150℃である。100℃未満では温
度不足で充分架橋反応が進まない。一方、150℃をこ
えると、架橋反応が進みすぎてCMC−Naが不溶化
し、粘性が著しく低下する。 【0022】本願発明の製造法で製造したCMC−Na
は、石油ボーリング、繊維壁、食品、飼料、糊料などに
使用される。とくに、食品、医薬品などの第三物質の使
用が厳しく制限されている用途での使用に効果がある。 【0023】 【実施例】以下に実施例を用いて本願発明をより詳細に
説明するが、本願発明はこれらのみに限定されるもので
はない。 【0024】(評価方法) (1)カセイソーダの純分 約0.5gを精秤し、炭酸ガスを除いた純水に溶解後、
N/2 HCl標準液で、指示薬をフェノールフタレイ
ンとして滴定し、以下の式によりカセイソーダの純分を
計算した。 【0025】 【数2】 【0026】(式中、f1はN/2 HClの力価、x
はN/2 HClの滴定量(ml)を示す。) 【0027】(2)モノクロール酢酸の純分 約0.5gを精秤し、純水に溶解後、N/2 KOH標
準液で、指示薬をフェノールフタレインとして滴定し、
以下の式によりモノクロール酢酸の純分を計算した。 【0028】 【数3】 【0029】(式中、f2はN/2 KOHの力価、y
はN/2 KOHの滴定量(ml)を示す。) 【0030】(3)1%水溶液粘度 300mlトールビーカーに2.5gの試料を精秤し、
次式によって求めた溶解水量を加えて試料をガラス棒で
分散させた。 【0031】1%水溶液の水量(g)=試料(g)×
(99−水分(%)) 水分は上記の水分値を利用する。上記水溶液を16時間
放置後、マグネチックスターラーで約5分間攪拌させ、
完全な溶液とした後、30分間25℃恒温槽中で溶液を
25℃にする。その後ガラス棒で穏やかにかき混ぜた
後、BM型粘度計の適当なローターおよびガードを取り
付け、60rpmの回転数で回転3分後の目盛りを読み
取った。 【0032】 粘度(mPa・s)=読み取り目盛り×係数 【0033】(4)エーテル化度 CMC−Naを1.0g精秤し、磁性ルツボ中にて60
0℃で灰化し、灰化によって生成した水酸化ナトリウム
を、N/10硫酸でフェノールフタレインを指示薬とし
て滴定し、その滴定量AmlとN/10硫酸の力価f3
を用いてエーテル化度を計算した。 【0034】 【数4】 【0035】(式中、f3はN/10硫酸の力価、Aは
N/10硫酸の滴定量(ml)を示す。) 【0036】(5)水分散性 300mlビーカーに水200mlを入れ、攪拌翼にて
200rpmで回転を加え、CMC−Na0.5gを流
れるように投入し、水面にママコが発生するか否かを確
認した。◎はママコが発生しなかったことを、×はママ
コが発生したことを示す。 【0037】実施例1〜4および比較例1〜12 5リットル二軸ニーダー型反応機に、表1に示す量のカ
セイソーダを反応溶媒(水400gとイソプロピルアル
コール1600gの混合物)に溶解させたものを仕込ん
だ。ニーダーを攪拌させながら、チップ状の無水物セル
ロース200gを約5分間かけて添加した。なお、低粘
度品としてはN材溶解パルプを、高粘度品としてはリン
ターパルプを使用した。25℃で30分間攪拌してアル
カリセルロース反応を実施した。 【0038】一方、表1に示す量のモノクロール酢酸を
反応溶媒(水20gとイソプロピルアルコール80gの
混合物)に溶解させた。このとき、使用するカセイソー
ダとモノクロール酢酸の純分を分析して、過剰アルカリ
が所定量になるようにカセイソーダ量を調整した。 【0039】このモノクロール酢酸溶液を10分間かけ
て添加後、20分間攪拌し混合したのち、70℃で90
分間エーテル化反応を実施した。反応終了後、減圧ろ過
器にて反応溶液をしぼり、粗CMC中の揮発分を1〜2
倍量にした。 【0040】反応溶媒を分離後、同じニーダーを用いて
130℃で所定時間加熱した。終了後、50〜60℃に
温度調整した80%メチルアルコール5kgを用いて、
30分間の洗浄を2回実施した。さらに90℃のメチル
アルコール3kgで30分間洗浄後、脱液し、乾燥、粉
砕してCMC−Naを得た。結果を表1に示す。なお、
表中のモノクロール酢酸および過剰カセイソーダのモル
数は、単位グルコース当たりのモル数を示す。また、水
分散性の×はママコが生成したことを、◎はママコが生
成しなかったことを示す。 【0041】 【表1】 【0042】実施例1〜8においては、水分散性の良好
なCMC−Naが得られた。過剰カセイソーダ量が0.
3モルの比較例1、4、7および10、さらに加熱処理
を行っていない比較例2,5,8および11では、ママ
コが発生し水分散性が不良であった。一方、比較例3、
6、9および12においては、水分散性は良好であった
ものの、水に任意溶解の部分(水に溶解しない部分)が
存在した。 【0043】 【発明の効果】本願発明によれば、水溶液分散性に優れ
たCMC−Naを得ることができる。すなわち、本願発
明の製造法で製造したCMC−Naを水に投入すると、
迅速に水面上を拡散すると同時に迅速に水中に沈降す
る。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 無水グルコース単位当たり0±0.2m
ol/C6H10O5の過剰アルカリでエーテル化反応させ
たのちに反応溶媒を回収し、次に100〜150℃で、
0.5〜3時間加熱処理することを特徴とするカルボキ
シメチルセルロースナトリウムの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP06924999A JP3475115B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | カルボキシメチルセルロースナトリウムの製造法 |
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JP06924999A JP3475115B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | カルボキシメチルセルロースナトリウムの製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000264901A JP2000264901A (ja) | 2000-09-26 |
JP3475115B2 true JP3475115B2 (ja) | 2003-12-08 |
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ID=13397292
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106573991A (zh) * | 2014-08-28 | 2017-04-19 | 第工业制药株式会社 | 非水系电解液二次电池的电极用羧甲基纤维素盐的制造方法、非水系电解液二次电池用电极、及非水系电解液二次电池 |
-
1999
- 1999-03-15 JP JP06924999A patent/JP3475115B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106573991A (zh) * | 2014-08-28 | 2017-04-19 | 第工业制药株式会社 | 非水系电解液二次电池的电极用羧甲基纤维素盐的制造方法、非水系电解液二次电池用电极、及非水系电解液二次电池 |
CN106573991B (zh) * | 2014-08-28 | 2019-06-04 | 第一工业制药株式会社 | 羧甲基纤维素盐的制造方法、非水系电解液二次电池用电极、及非水系电解液二次电池 |
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JP2000264901A (ja) | 2000-09-26 |
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