JP3474757B2 - 魚釣用リールの磁気制動装置 - Google Patents

魚釣用リールの磁気制動装置

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JP3474757B2
JP3474757B2 JP02978398A JP2978398A JP3474757B2 JP 3474757 B2 JP3474757 B2 JP 3474757B2 JP 02978398 A JP02978398 A JP 02978398A JP 2978398 A JP2978398 A JP 2978398A JP 3474757 B2 JP3474757 B2 JP 3474757B2
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修一 松澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気誘導によって
スプールを制動することにより、釣糸繰出し時のバック
ラッシュを防止する魚釣用リールの磁気制動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】実公平2−36390号公報に開示され
るように、今日、多くの魚釣用リールには、磁気誘導に
よってスプールに制動力をかけることにより釣糸繰出し
時のバックラッシュを防止する磁気制動装置が装着され
ている。図15乃至図17は、実公平2−36390号
公報に開示された磁気制動装置を示し、この磁気制動装
置Aは、図15に示すようにスプール1のスプール軸3
に固着した断面略コ字形状の導電環体5の周壁7の内,
外側に、内,外マグネットリング9,11をスプール軸
3と同心円状に配置すると共に、側板13に設けた摘み
15の操作で内マグネットリング9を回転可能に構成し
たもので、図16に示すように内,外マグネットリング
9,11は、夫々、N極とS極が周方向に一定間隔毎に
配置された構造となっている。
【0003】そして、図16に示すように内,外マグネ
ットリング9,11の異極が対向するように摘み15を
操作すると、スプール1に作用する制動力(スプール1
と共に回転する導電環体5に生ずる渦電流に起因する磁
界と内,外マグネットリング9,11の磁界との相互作
用によって発生する制動力)が最大となり、また、図1
7に示すように内,外マグネットリング9,11の同極
が対向するように摘み15を操作すれば、スプール1に
作用する制動力が最小となるように構成されており、磁
気制動装置Aは摘み15の操作で対向する磁極を変化さ
せて、制動力を調節するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上述した磁
気制動装置Aにあっては、図17に示すように内,外マ
グネットリング9,11の同極同士を対向配置させて制
動力が最小となるように操作しても、微少間隔で対向す
る両マグネットリング9,11の隣接する異極からの磁
力線の作用(磁力モレ)によってスプールフリー性に欠
け、軽快で微妙な釣糸の繰出し操作が行えないといった
課題が残されていた。
【0005】即ち、図17に示すように対向極が同極の
場合、内,外マグネットリング9,11のN,S極から
の磁力線は夫々周方向の隣接する極に向かい、これを
「磁力モレ」というが、この場合、若干の磁力線が導電
環体5を横切って導電環体5に渦電流を発生させてしま
うため、内,外マグネットリング9,11の磁界との相
互作用で導電環体5に制動力がかかってスプールフリー
性に欠けることとなっていた。
【0006】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、磁気誘導によってスプールに制動をかけることによ
りバックラッシュを防止する磁気制動装置に改良を加
え、スプールフリー性を向上させて魚釣操作性の向上を
図った魚釣用リールの磁気制動装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、スプールと一体回転する導
電環体の内,外側に、N極とS極が周方向に一定間隔毎
に配置された内,外マグネットリングを当該導電環体と
同心円状に配置すると共に、一方のマグネットリングを
回転させて導電環体に作用する磁力を制御することによ
りスプールの制動力を調節する魚釣用リールの磁気制動
装置に於て、上記外マグネットリングの内周と内マグネ
ットリングの外周を、スプールの最大制動時に、両マグ
ネットリングの対向する異極のうち複数箇所の異極間が
近接し、スプールの最小制動時に、対向する夫々の同極
間が大きく離間する非円形形状としたことを特徴とす
る。
【0008】そして、請求項2に係る発明は、スプール
と一体回転する導電環体の内,外側に、N極とS極の磁
極が周方向へ交互に一定間隔毎に配置された内,外マグ
ネットリングを当該導電環体と同心円状に配置すると共
に、一方のマグネットリングを回転させて導電環体に作
用する磁力を制御することによりスプールの制動力を調
節する魚釣用リールの磁気制動装置に於て、上記内マグ
ネットリングと外マグネットリングの周方向に配置され
るN極とS極の磁極を交互に強弱に着磁し、スプールの
最大制動時に、両マグネットリングの対向する異極のう
ち複数箇所の異極間を、強着磁された磁極同士が対向す
る強磁力状態とし、スプールの最小制動時に、対向する
夫々の同極間を、強着磁された磁極と弱着磁された磁極
が対向する弱磁力状態としたものである。
【0009】(作用)請求項1に係る発明によれば、
内,外マグネットリングの異極が対向するように操作す
れば、スプールと共に回転する導電環体に生ずる渦電流
に起因する磁界と内,外マグネットリングの磁界との相
互作用によって発生するスプールの制動力が最大となる
ので、スプールに大きな制動力が作用することとなる。
【0010】そして、内,外マグネットリングの同極が
対向するように操作すれば、スプールに対する制動力は
最小となるが、本発明に係る磁気制動装置は、この最小
制動時に、対向する内,外マグネットリングの同極間が
従来に比し大きく離間するので、従来に比し隣接する異
極方向、即ち、周方向へ作用する磁力線(磁力モレ)が
著しく軽減し、この結果、導電環体を横切る磁力線が著
しく軽減して渦電流に起因する導電環体への制動力が低
下する。
【0011】また、請求項2に係る発明によれば、内,
外マグネットリングの異極が対向するように操作すれ
ば、強着磁された複数箇所の磁極同士が対向する強磁力
状態となるので、スプールと共に回転する導電環体に生
ずる渦電流に起因する磁界と内,外マグネットリングの
磁界との相互作用によって発生するスプールの制動力が
最大となるので、スプールに大きな制動力が作用するこ
ととなる。
【0012】そして、内,外マグネットリングの同極が
対向するように操作すれば、両マグネットリングの強着
磁された磁極同士が対向せず、強着磁された磁極と弱着
磁された磁極が対向する弱磁力状態となるので、隣接す
る異極方向、即ち、周方向へ作用する磁力線(磁力モ
レ)が従来に比し著しく軽減し、この結果、導電環体を
横切る磁力線が著しく軽減して渦電流に起因する導電環
体への制動力が低下する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。図1は請求項1の第一実施形態
に係る磁気制動装置を装着した両軸受型リールを示し、
図中、17は両軸受型リール19の側枠、21,23は
当該側枠17の左右に取り付く側板で、側板21,23
は、夫々、意匠的効果を狙って色調の異なる内側板21
a,23aと外側板21b,23bとで構成されてい
る。
【0014】そして、両側板21,23間にスプール軸
25を介してスプール27が配置されており、スプール
軸25の一端は、図示しない軸受を介して側板23に支
持されている。また、図2に示すように側板21の内側
板21aには、後述する内外マグネットリング29,3
1を両軸受型リール19内に組み込むマグネット取付孔
33が設けられており、当該マグネット取付孔33にマ
グネット保持体35が装着されている。そして、マグネ
ット保持体35の略中央部には、内方へ突出する環状の
マグネット保持部35aが一体成形されており、当該マ
グネット保持部35a内に、スプール軸25の他端側が
軸受37を介して回転可能に支持されている。
【0015】一方、側板21側のスプール軸25の外周
には、アルミ銅等の非磁性材料からなる側断面略コ字状
の導電環体39が固着されており、当該導電環体39の
周壁39aは、上記マグネット保持部35aの外周方向
へ突出している。そして、当該周壁39aの内側に、図
3の如くN極とS極が周方向に一定間隔毎に配置された
内マグネットリング29が、マグネット保持部35aの
外周に嵌着して導電環体35と同心円状に配置されてい
る。
【0016】そして、図2及び図3に示すように導電環
体39の周壁39aの外側に、同じくN極とS極が周方
向に一定間隔毎に配置された外マグネットリング31
が、調節作動体41を介して導電環体39と同心円状に
配置されている。調節作動体41は、断面略L字状に成
形された環状のマグネット保持部41aと、当該マグネ
ット保持部41aの外周に突設されたピニオン噛合部4
1bとからなり、マグネット保持部41aの内周に外マ
グネットリング31が固着されている。
【0017】そして、調節作動体41は、図2に示すよ
うに導電環体39と同心円状にマグネット保持体35の
内側に突設した円形形状の凸部35bの外周にマグネッ
ト保持部41aが取り付いて、スプール軸25を回転中
心として正逆両方向へ回転できるようになっている。そ
して、円弧状に成形されたピニオン噛合部41bの外周
面には、側板21に軸支された操作杆43のピニオン4
5と噛合する歯47が設けられており、操作杆43外端
の摘み49を回転操作すると、調節作動体41と共に外
マグネットリング31がスプール軸25を回転中心とし
て正逆両方向へ回転するようになっている。
【0018】従って、図3に示すように内,外マグネッ
トリング29,31の異極が対向するように摘み49を
操作して外マグネットリング31を回転させれば、磁気
誘導によってスプール27の制動力が最大となり、ま
た、図4に示すように内,外マグネットリング29,3
1の同極が対向するように摘み49を操作すれば、スプ
ール27の制動力が最小となるが、本実施形態に係る磁
気制動装置51は、スプールフリー性を向上させて魚釣
操作性の向上を図るため、上述の如き構成に加え、以下
の如き特徴を有する。
【0019】即ち、図3乃至図6に示すように内,外マ
グネットリング29,31は、夫々、3極のN極とS極
が周方向へ交互に一定間隔で配置されているが、内マグ
ネットリング29はN極が従来のマグネットリングと同
等の肉厚で成形されているのに対し、S極がN極に比し
肉薄に成形されて、その外周が従来の円形形状のマグネ
ットリングに代えて、ロータリーエンジンのロータの如
き三角形状とされている。
【0020】一方、外マグネットリング31は、S極が
従来のマグネットリングと同等の肉厚で成形されている
のに対し、N極がS極に比し肉薄に成形されて、その内
周が従来の円形形状のマグネットリングと異なり、S極
が内方へ円弧状に突出した形状とされており、本実施形
態は、斯様に内マグネットリング29の外周と外マグネ
ットリング31の内周を従来と異なる非円形形状とする
ことで、図5に示すスプール27の最大制動時に内マグ
ネットリング29のN極と外マグネットリング31のS
極が近接し、そして、図6に示すスプール27の最小制
動時に、対向する内,外マグネットリング29,31の
同極間が従来に比し大きく離間するようになっている。
【0021】その他、図1中、53は釣糸巻取り用のハ
ンドルで、当該ハンドル53による回転力が側板23内
に装着された図示しない動力伝達機構によりスプール軸
25に伝達されて、釣糸の巻取りが行われるようになっ
ている。本実施形態に係る磁気制動装置51はこのよう
に構成されているから、図3及び図5に示すように内,
外マグネットリング29,31の異極が対向するように
摘み49を操作すると、スプール27と共に回転する導
電環体39に生ずる渦電流に起因する磁界と、内,外マ
グネットリング29,31の磁界との相互作用によって
発生するスプール27の制動力が最大となるので、スプ
ール27に大きな制動力が作用することとなる。
【0022】そして、図4及び図6に示すように内,外
マグネットリング29,31の同極が対向するように摘
み49を操作すれば、スプール27に対する制動力は最
小となるが、本実施形態に係る磁気制動装置51は、こ
の最小制動時に、対向する内,外マグネットリング2
9,31の同極間が従来に比し大きく離間するので、隣
接する異極方向、即ち、周方向へ作用する磁力線(磁力
モレ)が著しく軽減し、導電環体39を横切る磁力線が
著しく軽減することとなる。
【0023】従って、本実施形態によれば、従来に比し
「磁力モレ」によって導電環体39に発生する渦電流が
著しく低下するため、渦電流に起因する導電環体39へ
の制動力が低下してスプールフリー性が向上し、この結
果、微妙な釣糸の繰出し操作が可能となり、幅広い対応
が行え魚釣操作性が一段と向上することとなった。図7
及び図8は請求項1に係る磁気制動装置の第二実施形態
を示し、図示するように本実施形態に係る磁気制動装置
51-1は、内マグネットリング29-1のN極を従来のマ
グネットリングと同等の肉厚で成形し、そして、S極が
N極に比し肉薄となるように当該S極部分を切り欠い
て、N極が外周から突片として外方へ突出する非円形形
状とすると共に、外マグネットリング31-1のS極を従
来のマグネットリングと同等の肉厚で成形し、N極をS
極に比し肉薄となるように内周側を切り欠いて、S極が
内方へ突片として突出する非円形形状としたものであ
る。
【0024】尚、その他の構成は上記第一実施形態と同
様であるので、同一のものには同一符号を付してそれら
の説明は省略する。而して、本実施形態によっても、図
7に示すようにスプール27の最大制動時に、内マグネ
ットリング29-1のN極と外マグネットリング31-1の
S極が近接し、また、図8に示すスプール27の最小制
動時に、対向する内,外マグネットリング29-1,31
-1の同極間が従来に比し大きく離間するので、第一実施
形態と同様、従来に比しスプール27の最小制動時に
「磁力モレ」が著しく軽減してスプールフリー性が向上
し、所期の目的を達成することが可能となる。
【0025】また、図9及び図10は請求項1に係る磁
気制動装置の第三実施形態を示し、本実施形態に係る磁
気制動装置51-2は、内マグネットリング29-2のN極
を従来のマグネットリングと同等の肉厚で成形し、そし
て、隣接する一方のS極側を周方向へ順次肉薄に成形し
て、その外周をN極が外方へ突出する非円形形状として
いる。
【0026】そして、同様に本実施形態は、外マグネッ
トリング31-2のS極を従来のマグネットリングと同等
の肉厚で成形すると共に、隣接する一方のN極側を周方
向へ順次肉薄となるように成形して、その内周をS極が
内方へ突出する非円形形状としたものである。而して、
本実施形態によっても、図9に示すようにスプール27
の最大制動時に、内マグネットリング29-2のN極と外
マグネットリング31-2のS極が近接し、また、図10
に示すスプール27の最小制動時に、対向する内,外マ
グネットリング29-2,31-2の同極間が従来に比し大
きく離間するので、上記各実施形態と同様、「磁力モ
レ」が著しく軽減することとなる。
【0027】従って、本実施形態によっても、スプール
フリー性が向上するので、微妙な釣糸の繰出し操作が可
能となり、幅広い対応が行え魚釣操作性が一段と向上す
る利点を有する。図11及び図12は請求項2に係る磁
気制動装置の第一実施形態を示し、以下、本実施形態を
図面に基づき説明するが、発明部分を除く構成は図1乃
至図6に示す実施形態と同様であるので、同一のものに
は同一符号を付してそれらの説明は省略する。
【0028】図に於て、29-3はマグネット保持体35
のマグネット保持部35aの外周に嵌着された内マグネ
ットリング、31-3は調節作動体41のマグネット保持
部41aの内周に固着された外マグネットリングで、両
マグネットリング29-3,31-3の内,外周は夫々円形
形状に形成されて、3極のN極とS極が周方向へ交互に
一定間隔で配置されている。
【0029】そして、図1乃至図10で既述した各実施
形態では、外マグネットリングの内周と内マグネットリ
ングの外周を夫々非円形形状に形成して、スプールの最
小制動時に於ける「磁力モレ」の軽減を図ったが、本実
施形態は磁極毎の着磁力を変えて、内,外マグネットリ
ング29-3,31-3の磁極を交互に強弱に着磁さぜたこ
とを特徴とする。
【0030】即ち、図11に示すように本実施形態は、
外マグネットリング31-3のS極と内マグネットリング
29-3のN極を強着磁(図中、○で囲んだ磁極が強着磁
させたものを示す。以下、同様。)させると共に、外マ
グネットリング31-3のN極と内マグネットリング29
-3のS極を弱着磁(図中、△で囲んだ磁極が弱着磁させ
たものを示す。以下、同様。)させており、摘み49の
操作で外マグネットリング31-3を回転させて内,外マ
グネットリング29-3,31-3の異極を図11の如く対
向させると、強着磁された3つの磁極同士が対向する強
磁力状態となり、また、図12に示すように内,外マグ
ネットリング29-3,31-3の同極同士が対向するよう
に摘み49を操作すると、強着磁された磁極と弱着磁さ
れた磁極が対向する弱磁力状態となるように構成されて
いる。
【0031】尚、外マグネットリング31-3のS極と内
マグネットリング29-3のN極を強着磁し、また、外マ
グネットリング31-3のN極と内マグネットリング29
-3のS極を弱着磁させるには、着磁の際に用いる着磁治
具のコイルの巻き数を極ごとに変更させればよい。本実
施形態に係る磁気制動装置51-3はこのように構成され
ているから、図11に示すように両マグネットリング2
9-3,31-3の異極が対向するように摘み49を操作す
れば、強着磁された3つの磁極同士が対向する強磁力状
態となるので、スプール27と共に回転する導電環体3
9に生ずる渦電流に起因する磁界と、内,外マグネット
リング29-3,31-3の磁界との相互作用によって発生
するスプール27の制動力が最大となり、スプール27
に大きな制動力が作用することとなる。
【0032】そして、図12に示すように内,外マグネ
ットリング29-3,31-3の同極が対向するように摘み
49を操作すると、両マグネットリング29-3,31-3
の強着磁された磁極同士が対向せず、強着磁された磁極
と弱着磁された磁極が対向する弱磁力状態となるので、
隣接する異極方向、即ち、周方向へ作用する磁力線(磁
力モレ)が従来に比し著しく軽減し、導電環体39を横
切る磁力線が著しく軽減することとなる。
【0033】従って、本実施形態によっても、既述した
各実施形態と同様、従来に比し「磁力モレ」によって導
電環体39に発生する渦電流が著しく低下するため、渦
電流に起因する導電環体39への制動力が低下してスプ
ールフリー性が向上し、この結果、微妙な釣糸の繰出し
操作が可能となり、幅広い対応が行え魚釣操作性が一段
と向上することとなる。
【0034】而も、本実施形態によれば、図1乃至図1
0の各実施形態の如く外マグネットリングの内周と内マ
グネットリングの外周を夫々非円形形状に形成するとい
った形状の制約を受けることがないため、設計時の自由
度が向上する利点を有する。図13及び図14は請求項
2に係る磁気制動装置の第二実施形態を示し、本実施形
態に係る磁気制動装置51-4は、マグネット保持体31
-1のマグネット保持部31a-1の外周に6個の凹部55
を周方向へ等間隔に形成し、そして、各凹部55内に、
強着磁されたマグネット57と弱着磁されたマグネット
59を交互に装着してマグネット保持部31a-1を内マ
グネットリングとして機能させると共に、調節作動体4
1-1のマグネット保持部41a-1の内周に6個の凹部6
1を周方向へ等間隔に形成し、各凹部61に同じくマグ
ネット57,59を交互に装着してマグネット保持部4
1a-1を外マグネットリングとして機能させたものであ
る。
【0035】そして、図示するようにマグネット保持部
31a-1には、強着磁されたマグネット57のN極が外
方へ向かって配置されると共に、弱着磁されたマグネッ
ト59のS極が外方へ向かって配置されている。また、
マグネット保持部41a-1には、強着磁されたマグネッ
ト57のS極が内方へ向かって配置されると共に、弱着
磁されたマグネット59のN極が内方へ向かって配置さ
れている。
【0036】そして、摘み49の操作で調節作動体41
-1を回転させて、両マグネット保持部31a-1,41a
-1に装着したマグネット57,59の異極を図13の如
く対向させると、強着磁された3つのマグネット57同
士が対向する強磁力状態となり、また、図14に示すよ
うに両マグネット保持部31a-1,41a-1に装着した
マグネット57,59の同極同士が対向するように摘み
49を操作すると、強着磁されたマグネット57と弱着
磁されたマグネット59が対向する弱磁力状態となるよ
うに構成されている。
【0037】本実施形態はこのように構成されているか
ら、図13に示すようにマグネット保持部31a-1,4
1a-1に装着したマグネット57,59の異極が対向す
るように摘み49を操作すれば、強着磁された3つのマ
グネット57同士が対向する強磁力状態となるので、ス
プール27と共に回転する導電環体39に生ずる渦電流
に起因する磁界とマグネット57の磁界との相互作用に
よって発生するスプール27の制動力が最大となり、ス
プール27に大きな制動力が作用することとなる。
【0038】そして、図14に示すようにマグネット保
持部31a-1,41a-1に装着したマグネット57,5
9の同極が対向するように摘み49を操作すると、強着
磁されたマグネット57と弱着磁されたマグネット59
が対向する弱磁力状態となるので、隣接する異極方向、
即ち、周方向へ作用する磁力線(磁力モレ)が従来に比
し著しく軽減し、導電環体39を横切る磁力線が著しく
軽減することとなる。
【0039】従って、本実施形態によっても、従来に比
し「磁力モレ」によって導電環体39に発生する渦電流
が著しく低下するため、渦電流に起因する導電環体39
への制動力が低下してスプールフリー性が向上し、この
結果、微妙な釣糸の繰出し操作が可能となり、幅広い対
応が行え魚釣操作性が一段と向上することとなった。ま
た、本実施形態によっても、図1乃至図10の各実施形
態のように外マグネットリングの内周と内マグネットリ
ングの外周を夫々非円形形状に形成するといった形状の
制約を受けることがないため、設計時の自由度が向上す
ることとなる。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、各請求項に係る魚釣
用リールの磁気制動装置によれば、スプールの最小制動
時に、従来に比し「磁力モレ」が著しく軽減してスプー
ルフリー性が向上するので、微妙な釣糸の繰出し操作が
可能となり、幅広い対応が行え魚釣操作性が一段と向上
することとなった。また、請求項2に係る発明によれ
ば、請求項1に係る発明の如く外マグネットリングの内
周と内マグネットリングの外周を非円形形状に形成する
といった形状の制約を受けることがないため、設計時の
自由度が向上する利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の第一実施形態に係る磁気制動装置を
装着した両軸受型リールの一部切欠き平面図である。
【図2】図1に示す磁気制動装置の要部拡大平面図であ
る。
【図3】スプール最大制動時に於ける磁気制動装置の断
面図である。
【図4】スプール最小制動時に於ける磁気制動装置の断
面図である。
【図5】スプール最大制動時に於ける磁気制動装置の要
部拡大断面図である。
【図6】スプール最小制動時に於ける磁気制動装置の要
部拡大断面図である。
【図7】請求項1の第二実施形態に係る磁気制動装置の
スプール最大制動時の要部拡大断面図である。
【図8】請求項1の第二実施形態に係る磁気制動装置の
スプール最小制動時の要部拡大断面図である。
【図9】請求項1の第三実施形態に係る磁気制動装置の
スプール最大制動時の要部拡大断面図である。
【図10】請求項1の第三実施形態に係る磁気制動装置
のスプール最小制動時の要部拡大断面図である。
【図11】請求項2の第一実施形態に係る磁気制動装置
のスプール最大制動時の要部拡大断面図である。
【図12】請求項2の第一実施形態に係る磁気制動装置
のスプール最小制動時の要部拡大断面図である。
【図13】請求項2の第二実施形態に係る磁気制動装置
のスプール最大制動時の要部拡大断面図である。
【図14】請求項2の第二実施形態に係る磁気制動装置
のスプール最小制動時の要部拡大断面図である。
【図15】従来の磁気制動装置を装着した両軸受型リー
ルの一部切欠き平面図である。
【図16】スプール最大制動時に於ける従来の磁気制動
装置の要部拡大断面図である。
【図17】スプール最小制動時に於ける従来の磁気制動
装置の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
17 側枠 19 両軸受型リール 21,23 側板 25 スプール軸 27 スプール 29,29-1,29-2,29-3 内マグネットリング 31,31-1,31-2,31-3 外マグネットリング 35,35-1 マグネット保持体 35a,35a-1,41a,41a-1 マグネット保持
部 39 導電環体 39a 周壁 41,41-1 調節作動体 41b ピニオン噛合部 45 ピニオン 47 歯 49 摘み 51,51-1,51-2,51-3,51-4 磁気制動装置 55,61 凹部 57,59 マグネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭58−80871(JP,U) 実開 昭58−80874(JP,U) 実開 昭58−137074(JP,U) 実開 昭58−115965(JP,U) 実開 昭58−50676(JP,U) 実開 昭58−117863(JP,U) 実開 昭59−107871(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 89/00 - 89/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプールと一体回転する導電環体の内,
    外側に、N極とS極の磁極が周方向へ交互に一定間隔毎
    に配置された内,外マグネットリングを当該導電環体と
    同心円状に配置すると共に、一方のマグネットリングを
    回転させて導電環体に作用する磁力を制御することによ
    りスプールの制動力を調節する魚釣用リールの磁気制動
    装置に於て、 上記外マグネットリングの内周と内マグネットリングの
    外周を、スプールの最大制動時に、両マグネットリング
    の対向する異極のうち複数箇所の異極間が近接し、スプ
    ールの最小制動時に、対向する夫々の同極間が大きく離
    間する非円形形状としたことを特徴とする魚釣用リール
    の磁気制動装置。
  2. 【請求項2】 スプールと一体回転する導電環体の内,
    外側に、N極とS極の磁極が周方向へ交互に一定間隔毎
    に配置された内,外マグネットリングを当該導電環体と
    同心円状に配置すると共に、一方のマグネットリングを
    回転させて導電環体に作用する磁力を制御することによ
    りスプールの制動力を調節する魚釣用リールの磁気制動
    装置に於て、 上記内マグネットリングと外マグネットリングの周方向
    に配置されるN極とS極の磁極を交互に強弱に着磁し、
    スプールの最大制動時に、両マグネットリングの対向す
    る異極のうち複数箇所の異極間を、強着磁された磁極同
    士が対向する強磁力状態とし、スプールの最小制動時
    に、対向する夫々の同極間を、強着磁された磁極と弱着
    磁された磁極が対向する弱磁力状態としたことを特徴と
    する魚釣用リールの磁気制動装置。
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